JP3437543B2 - パチンコ機の錠装置 - Google Patents

パチンコ機の錠装置

Info

Publication number
JP3437543B2
JP3437543B2 JP2000312519A JP2000312519A JP3437543B2 JP 3437543 B2 JP3437543 B2 JP 3437543B2 JP 2000312519 A JP2000312519 A JP 2000312519A JP 2000312519 A JP2000312519 A JP 2000312519A JP 3437543 B2 JP3437543 B2 JP 3437543B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
claw
frame
unlocking
lock
engaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000312519A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001342762A (ja
Inventor
次夫 近藤
Original Assignee
次夫 近藤
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=26588743&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3437543(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by 次夫 近藤 filed Critical 次夫 近藤
Priority to JP2000312519A priority Critical patent/JP3437543B2/ja
Publication of JP2001342762A publication Critical patent/JP2001342762A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3437543B2 publication Critical patent/JP3437543B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一の枠に対して扉
状に開閉できる他の枠を施錠するパチンコ機の錠装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】パチンコ機100は、図16の前方斜視
図及び図17の後方斜視図に示すように、枠組み形成さ
れた機台枠102と、この機台枠102の前面側に片開
き状に取付けられる表枠103とを備えている。機台枠
102には、図17に示すように、縦枠102aの内側
面の上下所定位置に内側に突出する受け金具107が固
定されている。受け金具107には、表枠103の裏面
自由端側に取付けられた施錠ユニット110の係合爪1
20(図18参照)が掛けられることにより、表枠10
3は閉じられて機台枠102に固定される。
【0003】施錠ユニット110は、図18に示すよう
に、断面略L字形に成形された固定基枠112を備えて
いる。固定基枠112の上下所定位置にはガイド金具1
13が設けられており、各ガイド金具113に係合爪1
20がそれぞれピン122により上下回動可能に取付け
られている。各係合爪120は、可動錠板125によっ
てそれぞれの基端部120kが連結されており、その可
動錠板125が下動することによって各係合爪120は
上方に回動し、施錠が行われる。また、可動錠板125
が上動することにより、各係合爪120は下方に回動
し、解錠が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したパチ
ンコ機100では、各係合爪120が可動錠板125に
よって連結されているため、一方の係合爪120を施錠
位置から解錠位置まで無理に回動させると、他方の係合
爪120も施錠位置から解錠位置まで回動してしまう。
このため、パチンコ店において遊戯中に表枠103と機
台枠102との隙間から特殊工具を使用して一方の係合
爪120を解錠位置まで回動させれば、不正に表枠10
3を開くことが可能となる。本発明は、上記問題点に鑑
みなされたものであり、不正行為により開けられ難い構
造のパチンコ機の錠装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、各請求
項の発明によって解決される。請求項1の発明は、一の
枠と、その一の枠に対して扉状に開閉可能に構成された
他の枠と、一の枠に複数個設けられた受け金具と、他の
枠に設けられ、対応する前記受け金具と係合することに
より、前記他の枠の施錠を行う複数の係合爪と、前記係
合爪を施錠位置に保持する弾性部材と、施錠位置から解
錠位置まで移動することにより、全ての係合爪を前記弾
性部材の弾性力に抗して施錠位置から解錠位置まで移動
させる解錠部材とを備えるパチンコ機の錠装置であっ
て、各々の係合爪が解錠部材に対して回動できるよう
、各々の係合爪を解錠部材に連結する連結部材と、前
記係合爪の一部を弾性力で前記解錠部材のストッパに当
接させ、前記係合爪を前記解錠部材に対して所定角度に
保持する保持部材とを有しており、 前記解錠部材が施
錠位置から解錠位置まで移動するときに、各々の係合爪
は、前記保持部材によりその解錠部材に対して所定角度
に保持された状態で施錠位置から解錠位置まで移動し、
前記解錠部材が施錠位置にある状態で、各々の係合爪
は、前記保持部材の弾性力に抗する力を受けて施錠位置
から解錠方向に回動可能なことを特徴とする。本発明に
よると、特殊工具を使用して一の係合爪を保持部材の弾
性力に抗して施錠位置から解錠方向に回動させたとして
も、解錠部材は施錠位置にあり、さらに他の係合爪は保
持部材の弾性力の働きによって施錠位置に保持される。
したがって、一の係合爪を不正に解錠しただけではパチ
ンコ機の枠を開くことはできない。なお、一の枠が機台
枠、他の枠が表枠であっても良いし、一の枠が表枠、他
の枠が機台枠であっても良い。また、一の枠が表枠、他
の枠が金枠であっても良いし、その逆であっても良い。
【0006】請求項2の発明は、一の枠と、その一の枠
に対して扉状に開閉可能に構成された他の枠と、一の枠
に複数個設けられた受け金具と、他の枠に設けられてお
り、対応する前記受け金具と回動過程で係合することに
より、前記他の枠の施錠を行う複数の係合爪と、前記係
合爪を施錠位置に保持する弾性部材と、施錠位置から解
錠位置までスライドすることにより、全ての係合爪を前
記弾性部材の弾性力に抗して施錠位置から解錠位置まで
回動させる解錠部材とを有するパチンコ機の錠装置であ
って、前記係合爪を回動可能に支持する支持板と、前記
係合爪に形成されており、その係合爪の回動中心と同心
の円弧部と、広幅部と、前記円弧部と広幅部との境に形
成された段部とを備える開口と、前記支持板に支持され
ており、前記開口に通されるロック爪とを有しており、
前記ロック爪が前記段部と係合する位置に配置された状
態で、前記係合爪は施錠位置にロックされ、前記解錠部
材が解錠方向にスライドする際に、前記ロック爪がその
解錠部材に押圧されて、前記開口の段部から外れ、円弧
部の延長線上に配置された状態で、前記係合爪のロック
が解除されることを特徴とする。本発明によると、係合
爪が施錠位置でロックされるため、その係合爪を不正に
施錠位置から解錠位置まで動かすことはできない。この
ため、不正行為が成立し難くなり、パチンコ機の防犯機
能が向上する。
【0007】また、請求項3に示すように、係合爪と解
錠部材との間に遊びを設け、前記解錠部材が遊び範囲を
スライドしているときに、前記解錠部材がロック爪を押
圧し、前記解錠部材が遊び範囲を移動した後に、前記解
錠部材の動きが係合爪に伝わるように構成するのが好ま
しい。
【0008】請求項4の発明は、解錠部材と係合爪との
間には、ピンと長孔とから構成される不正解錠防止機構
が設けられており、前記解錠部材が施錠位置から解錠位
置まで移動するときに、前記ピンと長孔との間に遊びが
ほとんど存在しない状態にそのピンと長孔との位置関係
が設定されており、前記係合爪が施錠位置から解錠位置
まで移動するときは、その係合爪の動きが前記解錠部材
に伝わらないように前記ピンと長孔との間に遊びが存在
する状態でそのピンと前記長孔との位置関係が設定され
ていることを特徴とする。本発明によると、特殊工具を
使用して一の係合爪を施錠位置から解錠位置まで移動さ
せたとしても、その係合爪の動きが前記解錠部材に伝わ
ることがなく、他の係合爪は施錠位置に保持される。し
たがって、一の係合爪を不正に解錠しただけではパチン
コ機の枠を開くことはできない。
【0009】請求項5の発明によると、解錠部材は電磁
力によって施錠位置から解錠位置まで移動することを特
徴とする。このため、解錠部材を移動させる錠の位置が
限定されない。
【0010】
【発明の実施の形態】[実施形態1]以下、図1〜図4
及び図16、図17に基づいて本発明の実施形態1に係
るパチンコ機の錠装置の説明を行う。ここで、図1は本
実施形態に係る錠装置の分解斜視図、図2は施錠ユニッ
トの側面図(A図)及び裏面図(B図)、図3は図2の
IIIA矢視拡大図(A図)及びIIIB矢視拡大図(B図)で
ある。また、図4は図3の裏面図である。ここで、図1
6、図17は従来のパチンコ機の前方斜視図と後方斜視
図であるが、共通分部が多いため本実施形態の説明に使
用する。なお、図面の上下方向はパチンコ機及び錠装置
の上下方向と一致している。
【0011】図16、図17に示すように、本実施形態
に係るパチンコ機1は、方形枠状に枠組み形成された機
台枠2と、この機台枠2の前面側にヒンジ(図示せず)
を介して片開き状に取付けられる表枠3とを備えてい
る。なお、表枠3には図示されていないパチンコ機1の
遊技盤が装着されている。また、前記表枠3の前面には
上下側にヒンジを介して片開き状に取付けられるガラス
付の金枠5と、この金枠5の下部側にヒンジを介して片
開き状に前板6が取付けられている。
【0012】機台枠2には、図17に示すように、縦枠
2aの内側面の上下所定位置にその機台枠2の内方に突
出する受け金具7が止着されている。また、表枠3の裏
面には、それらの受け金具7に掛けられる係合爪20を
備える施錠ユニット10が取付けられている。施錠ユニ
ット10は、図1、図2に示すように、固定基枠12と
可動錠板17とを備えている。
【0013】固定基枠12は、施錠ユニット10を表枠
3の開閉自由端側に取付けるための部材であり、取付片
13とスライド保持片14とにより断面略L形状に形成
されている。取付片13の上下の所定位置には係合爪2
0をそれぞれ回動可能に支持する支持板15が取付けら
れている。支持板15は、スライド保持片14とほぼ平
行な状態で取付片13に固定されており、その先端部分
(図1の右端部分)に支持ピン21を介して係合爪20
が上下回動が可能な状態で装着されている。
【0014】支持板15は、図3、図4に示すように、
略角形の板であり、支持ピン21の上方に切欠き15c
が形成されている。そして、その切欠き15cの下端に
係合爪20の回動ストッパ15sが形成されている。ま
た、支持板15の切欠き15cの上方、即ち、その支持
板15の上端部にはバネ受け15uが切起こし状に形成
されている。係合爪20は、支持板15から突出する爪
部分20tが先細状に形成されており、支持板15と重
なる基端部20mが略角形に形成されている。係合爪2
0の爪部分20tには上側に機台枠2の受け金具7と係
合する逆台形状の凹部22が形成されている。また、回
動ストッパ15sに当接する係合爪20の受け部20e
の近傍にはバネ受け23が形成されており、そのバネ受
け23と支持板15のバネ受け15uとの間に係合爪2
0を上方に回動させる回動バネ24が装着されている。
【0015】これによって、係合爪20は回動ストッパ
15sに当接する上限位置(水平位置)まで回動し、機
台枠2の受け金具7と係合できる位置に保持される。係
合爪20の爪部分20tには、凹部22から先端にかけ
て傾斜面26が形成されており、その傾斜面26が表枠
3を閉じる際に機台枠2の受け金具7の下側に当接する
ようになっている。これによって、表枠3を閉じる過程
でその係合爪20の傾斜面26が受け金具7に倣い、そ
の傾斜面26が受け金具7に対して摺動している間、係
合爪20は回動バネ24のバネ力に抗して下方に回動す
る。そして、係合爪20の凹部22が受け金具7の位置
に到達した段階で、係合爪20が回動バネ24のバネ力
により上方に回動し、その凹部22と受け金具7とが係
合する。即ち、機台枠2に対して表枠3を閉じることに
より自動的にその表枠3の施錠を行うことができる。し
たがって、回動バネ24が本発明の弾性部材に相当す
る。
【0016】係合爪20の基端部20mには、図4
(A)(B)に示すように、連結ピン27が固定されて
いる。連結ピン27は、図4(C)に示すように、軸部
27jとフランジ部27fとから構成されており、その
連結ピン27の軸部27jが可動錠板17の両端に設け
られた長孔17nに挿入される。これによって、各々の
係合爪20は、連結ピン27及び長孔17nを介して可
動錠板17と連結される。
【0017】可動錠板17は、固定基枠12のスライド
保持片14に沿って上動することにより、各々の係合爪
20を下方(解錠方向)に回動させる帯板状の部材であ
り、図1に示すように、その両端には長孔17nが上下
方向に形成されている。また、可動錠板17には、その
上部に設けられた段差の下にバネ掛け17fが切起し状
に形成されている。さらに、バネ掛け17fの下方には
細L字形の作動開口17kが形成されており、その作動
開口17kの中央に係合段部17dが下向きに形成され
ている。そして、その係合段部17dに、可動錠板17
を上動させるシリンダ錠18の解錠レバー端19が掛け
られるようになっている。
【0018】固定基枠12の取付片13には、上端部寄
りの所定位置にシリンダ錠18の取付部13xが切欠き
形成されており、その取付部13xにシリンダ錠18が
着脱可能かつ位置調整可能に取付けられている。また、
スライド保持片14には、シリンダ錠18の取付部13
xと対応する位置に角穴14hが形成されており、シリ
ンダ錠18の解錠レバー端19との干渉を避けられるよ
うになっている。さらに、シリンダ錠18の取付部13
xの上下所定位置には切起し状に可動錠板17のガイド
13yが形成されており、上側のガイド13yの近傍に
バネ受け13uが設けられている。
【0019】そして、固定基枠12のバネ受け13uと
可動錠板17のバネ掛け17fとの間に、可動錠板17
を下方に引き下げるスプリング12xが装着されている
(図2(A)参照)。これによって、可動錠板17はそ
の作動開口17kの係合段部17dが常にシリンダ錠1
8の解錠レバー端19に当接する位置まで引き下げられ
る。シリンダ錠18の解錠レバー端19が下限位置にあ
る状態、即ち、施錠位置では可動錠板17が下限位置に
保持されている。また、施錠位置で、各々の係合爪20
は、図3等に示すように、回動バネ24のバネ力により
上限位置(水平位置)に保持されている。
【0020】このとき、係合爪20の連結ピン27と可
動錠板17の長孔17nとは、図4(A)(B)に示す
ような位置関係となる。即ち、係合爪20の連結ピン2
7の上方には移動空間が残されており、その連結ピン2
7は可動錠板17の長孔17nの下端部17x近傍に位
置している。このため、シリンダ錠18の解錠レバー端
19によって可動錠板17をスプリング12xのバネ力
に抗して上動させると、その可動錠板17の動きが長孔
17nの下端部17xから各々の係合爪20の連結ピン
27に伝わり、両係合爪20は回動バネ24のバネ力に
抗して支持ピン21の回りを下回動する。これによっ
て、係合爪20の凹部22と受け金具7との係合が解除
され、解錠が行われる。
【0021】また、施錠位置では、前述のように、連結
ピン27の上方にその連結ピン27の移動空間が残され
ているため、一の係合爪20に対して直接解錠方向の外
力が加わると、その係合爪20は回動バネ24のバネ力
に抗して下方に回動する。しかし、このときに連結ピン
27は長孔17n内を上方に移動するだけであり、一の
係合爪20の回動力は可動錠板17に伝わらない。この
ため、その係合爪20が回動しても可動錠板17は下限
位置に保持される。したがって、一の係合爪20が仮に
外力によって回動させられても、他の係合爪20は施錠
位置に保持される。即ち、可動錠板17等が本発明の解
錠部材として機能する。また、連結ピン27と長孔17
nとが本発明の不正解錠防止機構として機能する。
【0022】次に、このように構成されたパチンコ機の
錠装置の動作説明を行う。先ず、機台枠2に対する表枠
3の施錠を行うには、その表枠3の裏面が機台枠2の表
面に当接するまで表枠3を閉じる。これによって、表枠
3に設けられた上下の係合爪20の傾斜面26が機台枠
2の受け金具7に下から当接し、その係合爪20の傾斜
面26が受け金具7に倣って摺動する。傾斜面26が受
け金具7に対して摺動している間、両係合爪20は回動
バネ24のバネ力に抗して支持ピン21の回りを下方向
(図4において左回り)に回動する。そして、係合爪2
0の凹部22が受け金具7の位置に到達した状態でそれ
らの係合爪20が回動バネ24のバネ力により機台枠2
の受け金具7とが係合する方向に回動する。これによっ
て、機台枠2に対する表枠3の施錠が行われる。
【0023】表枠3の解錠を行うには、解錠キー(図示
されていない)によりシリンダ錠18を動作させ、解錠
レバー端19を上方に所定位置まで回動させる。解錠レ
バー端19が上動すると、その解錠レバー端19によっ
て可動錠板17がスプリング12xのバネ力に抗して押
し上げられ、その可動錠板17の長孔17nの下端部1
7xが各々の係合爪20の連結ピン27を押し上げる。
これによって、両係合爪20が回動バネ24のバネ力に
抗して支持ピン21の回りを下方に回動し、係合爪20
の凹部22と受け金具7との係合が解除されて、解錠が
行われる。なお、図示されていない解錠取っ手により、
可動錠板17を直接上動させて、解錠を行うことも可能
である。
【0024】次に、係合爪20が不正に回動させられた
ときの錠装置の動作を説明する。図4に示されるよう
に、表枠3が施錠されている状態で、例えば、施錠ユニ
ット10の下側の係合爪20が特殊工具により解錠方向
(下方向)の力を受けると、係合爪20は解錠方向に回
動する。しかし、係合爪20が解錠方向に回動しても、
連結ピン27は可動錠板17の長孔17n内を上方に移
動するだけであるため、その係合爪20の回動力は可動
錠板17に伝わらない。したがって、その可動錠板17
は下限位置に保持され、上側の係合爪20は回動バネ2
4のバネ力により、施錠位置に保持される。即ち、下側
の係合爪20を不正に解錠しても上側の係合爪20は施
錠位置に保持されるため、表枠3を開くことはできな
い。
【0025】同様に、上側の係合爪20を不正に解錠し
ても下側の係合爪20は施錠位置に保持されるため、表
枠3を開くことはできない。このように、表枠3を不正
に開くためには、上側の係合爪20と下側の係合爪20
とを同時に特殊工具で解錠しなければならないため、不
正行為が成立し難くなる。このため、パチンコ機1の防
犯機能が向上する。ここで、本実施形態では表枠3の錠
装置について説明したが、金枠5や前板6の錠装置に応
用することも可能である。なお、長孔には長孔状の切欠
き等も含むものとする。
【0026】[実施形態2]以下、図5から図8に基づ
いて、本発明の実施形態2に係るパチンコ機の錠装置の
説明を行う。本実施形態に係るパチンコ機の錠装置は、
上側の係合爪にロック部材を設け、さらに可動錠板を二
分割したものであり、その他の構造は実施形態1に係る
パチンコ機の錠装置とほぼ同様である。このため、実施
形態1に係るパチンコ機の錠装置と同じ部材については
同じ番号を付して説明を省略する。ここで、図5は上側
の係合爪を表す側面図、図6(A)は図5の裏面図、図
6(B)は図6(A)のB部拡大図、図7は図6(A)
の分解図である。また、図8(A)は下側の係合爪を表
す側面図、図8(B)は図8(A)の裏面図である。な
お、図面の上下方向はパチンコ機及び錠装置の上下方向
と一致している。
【0027】施錠ユニット10の固定基枠12には、図
5等に示すように、上部所定位置に上部係合爪30を回
動可能に支持する上部支持板40が取付けられている。
上部支持板40は縦板部41と横板部42とにより側面
L字形に形成された板であり、縦板部41の先端部分
(図5の右端部分、図6,7の左端部分)に支持ピン2
1を介して上部係合爪30が上下回動可能な状態で装着
されている。また、上部支持板40の縦板部41と横板
部42との境には、角形開口43が形成されている。
【0028】上部支持板40の横板部42の先端にはロ
ックピン44を介してロックレバー50が上下回動可能
に取付けられている。ロックレバー50は上部係合爪3
0の回動をロックするための部材であり、先端側に傾斜
面52を有する操作部51が形成されている。また、ロ
ックレバー50には、操作部51と反対側に位置する基
端部53の下側にバネ受け54が形成されており、さら
にその基端部53の上側の中央寄りにロック爪56が形
成されている。そして、そのロック爪56が上部支持板
40の角形開口43に挿入されている(図5、図7
(A)参照)。
【0029】また、ロックレバー50のバネ受け54に
はそのロックレバー50の基端部53を下方に引っ張る
ように付勢されたロックバネ54bの一端が掛けられて
おり、そのロックバネ54bの他端が固定基枠12のバ
ネ掛け12zに掛けられている。これによって、ロック
レバー50はロック爪56が上部支持板40の角形開口
43の下辺に当接するまで基端部53が下回動し(図7
(A)参照)、その位置に保持される。即ち、ロックレ
バー50は基端部53がロックピン44より下側に保持
され、操作部51がロックピン44よりも上側に保持さ
れる。そして、その操作部51に対して下方向の外力が
加えられると、ロックレバー50の基端部53はロック
爪56が角形開口43の上辺に当接するまでロックバネ
54bのバネ力に抗して上回動する。
【0030】上部係合爪30は、実施形態1で説明した
係合爪20の基端部に円弧状の開口33を形成したもの
であり、それ以外の構造は実施形態1の係合爪20と同
様である。このため、実施形態1の係合爪20と共通す
る部分については同じ番号を付して説明を省略する。上
部係合爪30の開口33は、図6に示すように、支持ピ
ン21を中心に形成された円弧部33eとその円弧部3
3eの端部に形成された広幅部33wとから構成されて
おり、円弧部33eと広幅部33wとの下側の境に段部
33dが形成されている。そして、その上部係合爪30
の広幅部33wに上部支持板40の角形開口43を通過
したロックレバー50のロック爪56が挿入される。
【0031】前述のように、ロックレバー50のロック
爪56はロックバネ54bのバネ力により上部支持板4
0の角形開口43の下辺に当接しており、この状態でそ
のロック爪56は、図6(B)に示すように、上部係合
爪30の開口33の段部33dに係合できる位置に配置
される。このため、上部係合爪30が解錠方向(下方
向)に回動しようとしても、段部33dがそのロック爪
56に当接するため、上部係合爪30の回動は防止され
る。即ち、上部係合爪30はロック状態に保持される。
【0032】しかし、ロックレバー50の操作部51が
下げられてロック爪56が上部支持板40の角形開口4
3の上辺に当接するまで上動すると、そのロック爪56
は上部係合爪30の段部33dから外れて円弧部33e
の延長線上に配置される。これによって、上部係合爪3
0とロック爪56とが干渉しなくなり、そのロック爪5
6が上部係合爪30の解錠方向(下方向)の回動を妨げ
ることはない。即ち、上部係合爪30のロック状態が解
除される。したがって、ロック爪56が本発明のロック
部材に相当する。
【0033】上部係合爪30は、連結ピン27が上部可
動錠板60の上部長孔61に通されることにより、その
上部可動錠板60と連結される。ここで、上部長孔61
の長さ寸法は、上部可動錠板60が上部係合爪30に対
して所定寸法だけ上動できるように設定されており、上
部可動錠板60が所定寸法だけ上動した後はその上部可
動錠板60の押し上げ力が上部長孔61の下端及び連結
ピン27を介して上部係合爪30に加わるようになって
いる。また、上部可動錠板60には、図6(B)等に示
すように、上部係合爪30の開口33の下辺と重なる位
置にロック爪56と当接する段差状押圧部62が形成さ
れている。このため、上部可動錠板60が上部係合爪3
0に対して所定寸法だけ上動すると、段差状押圧部62
によってロック爪56が所定寸法だけ押し上げられるこ
とにより円弧部33eの延長線上に配置され、上部係合
爪30のロックが解除される。そして、この後、上部可
動錠板60がさらに上動することにより、上部係合爪3
0が下方に回動するとともに、ロック爪56から段差状
押圧部62が外れる。
【0034】上部可動錠板60は、実施形態1で説明し
た可動錠板17と同様に、シリンダ錠18の解錠レバー
端19によって上動させられる構造である。上部可動錠
板60の下端部には、図8に示すように、連結ピン64
が固定されており、その連結ピン64が下部可動錠板6
6の上部長孔66nに挿入されている。これによって、
上部可動錠板60は連結ピン64及び上部長孔66nを
介して下部可動錠板66と連結されている。
【0035】下部可動錠板66には、上部長孔66nの
下側にバネ掛け66xが切起こし状に形成されており、
そのバネ掛け66xに下部可動錠板66を引き下げる方
向に付勢された下部バネ66sの一端が掛けられてい
る。そして、その下部バネ66sの他端が固定基板12
に形成されたバネ掛け12pに掛けられている。このた
め、下部可動錠板66は上部長孔66nの上端が上部可
動錠板60の連結ピン64に当接した状態でその上部可
動錠板60と連結される。
【0036】下部可動錠板66には下端部に連結孔66
dが形成されており、その連結孔66dに下部係合爪2
0の連結ピン27が挿通される。下部係合爪20は、実
施形態1で説明した係合爪20と同じ構造であり、下部
支持板15に支持ピン21によって上下回動可能な状態
で装着されている。
【0037】次に、このように構成されたパチンコ機の
錠装置の説明を行う。先ず、機台枠2に対する表枠3の
施錠を行うには、その表枠3の裏面が機台枠2の表面に
当接するまで表枠3を閉じる。これによって、上部支持
板40のロックレバー50の傾斜面52が機台枠2の受
け金具7に下から当接する。これによって、傾斜面52
と受け金具7との摺動作用によりロックレバー50の操
作部51に下方向の力が加えられ、ロックレバー50の
ロック爪56はロックバネ54bのバネ力に抗して上動
する。即ち、ロックレバー50のロック爪56は上部係
合爪30の段部33dから外れて円弧部33eの延長線
上に配置され、上部係合爪30のロックが解除される。
【0038】次に、上部係合爪30の傾斜面26が機台
枠2の受け金具7に下から当接し、その係合爪30の傾
斜面26が受け金具7に倣って摺動する。傾斜面26が
受け金具7に対して摺動している間、上部係合爪30は
上部可動錠板60を下部バネ66sのバネ力に抗して引
き上げながら支持ピン21の回りを下回動する。そし
て、上部係合爪30の凹部22が受け金具7の位置に到
達した状態でその上部係合爪30が下部バネ66sのバ
ネ力により上動して機台枠2の受け金具7と係合する。
また、ロックレバー50の操作部51が受け金具7から
外れるため、ロックレバー50はロックバネ54bのバ
ネ力で元の位置に戻され、ロック爪56が上部係合爪3
0をロックする。下部係合爪20も実施形態1の係合爪
20と同様の手順で機台枠2の受け金具7に掛けられ
る。これによって、機台枠2に対する表枠3の施錠が行
われる。
【0039】表枠3の解錠を行うには、解錠キー(図示
されていない)によりシリンダ錠18を動作させ、解錠
レバー端19を上方に所定位置まで回動させる。解錠レ
バー端19が上方に回動させられると、その解錠レバー
端19によって上部可動錠板60及び下部可動錠板66
が下部バネ66sのバネ力に抗して上動する。なお、下
部バネ66sの働きにより、上部可動錠板60の連結ピ
ン64と下部可動錠板66の上部長孔66nの上端とが
当接しているため、シリンダ錠18によって上部可動錠
板60が上動させられることにより、その上部可動錠板
60と一体で下部可動錠板66が上動する。
【0040】上部可動錠板60及び下部可動錠板66が
上動すると、先ず、上部係合爪30に対して上部可動錠
板60が上部長孔61の寸法だけ上昇する。これによっ
て、上部可動錠板60の段差状押圧部62がロックレバ
ー50のロック爪56を所定寸法だけ押し上げ、そのロ
ック爪56が上部係合爪30の円弧部33eの延長線上
に保持されて、上部係合爪30のロックが解除される。
さらに、この状態から引き続き上部可動錠板60及び下
部可動錠板66が上動すると、上部係合爪30及び下部
係合爪20が支持ピン21の回りを下方に回動し、解錠
が行われる。なお、上部係合爪30が回動を開始する
と、ロック爪56から段差状押圧部62が外れる。ここ
で、図示されていない解錠取っ手により、上部可動錠板
60と下部可動錠板66とを直接的に上動させても、解
錠を行うことは可能である。
【0041】次に、下部係合爪20が不正に回動させら
れたときの錠装置の動作を説明する。図8に示すよう
に、表枠3が施錠されている状態で、例えば、下部係合
爪20が特殊工具により解錠方向(下方向)の力を受け
ると、下部係合爪20の回動力は下部可動錠板66に伝
達され、その下部可動錠板66は下部係合爪20の回動
に伴なって下部バネ66sのバネ力に抗して上動する。
しかし、下部可動錠板66は上部長孔66n及び連結ピ
ン64を介して上部可動錠板60と連結されており、さ
らにその下部可動錠板66の上部長孔66nは上端が連
結ピン64と当接している。このため、下部可動錠板6
6が上動しても、連結ピン64が上部長孔66nの内部
を下方に相対移動するだけであり、下部可動錠板66の
動きは上部可動錠板60に伝わらない。したがって、上
部可動錠板60は下限位置に保持されたままであり、上
部係合爪30は施錠位置から動かない。即ち、下部係合
爪20を不正に解錠しても上部係合爪30は施錠位置に
あるため、表枠3が開かれることはない。
【0042】また、上部係合爪30を不正に解錠しよう
としても、その上部係合爪30がロックレバー50のロ
ック爪56によってロックされているため、上部係合爪
30を解錠位置まで回動させることはできない。したが
って、表枠3の不正開放を防止することができ、パチン
コ機の防犯機能が向上する。なお、本実施形態では表枠
3の錠装置について説明したが、金枠5や前板6の錠装
置に応用することも可能である。
【0043】[実施形態3]以下、図9から図11に基
づいて、本発明の実施形態3に係るパチンコ機の錠装置
の説明を行う。本実施形態に係るパチンコ機の錠装置
は、係合爪と可動錠板とを一体化して上下に二分割した
ものであり、その他の構造は実施形態1に係るパチンコ
機の錠装置とほぼ同様である。このため、実施形態1に
係るパチンコ機の錠装置と同じ部材については同じ番号
を付して説明を省略する。ここで、図9は本実施形態に
係る錠装置の分解斜視図、図10(A)は下部スライド
爪の側面図、図10(B)は図10(A)のB−B矢視
図、図11(A)は上部スライド爪の側面図、図11
(B)は図11(A)のB−B矢視図である。なお、図
面の上下方向はパチンコ機及び錠装置の上下方向と一致
している。
【0044】施錠ユニット10は、図9に示すように、
固定基枠12と上部スライド爪70及び下部スライド爪
80を備えている。上部スライド爪70は、固定基枠1
2のスライド保持片14に沿って上下動することにより
解錠あるいは施錠を行う部材であり、図11(A)に示
すように、爪部72と錠板部74とによって略逆L字形
に形成されている。爪部72は機台枠2の受け金具7に
掛けられる部分であり、その先端下側には三角形状の鉤
爪72tが形成されている。また、鉤爪72tの下側に
は傾斜面72sが形成されており、この傾斜面72sが
表枠3を閉じるときに機台枠2の受け金具7に当接する
ようになっている。錠板部74は、固定基枠12のスラ
イド保持片14に沿って上下動できるように第一ガイド
ピン14a、第二ガイドピン14b(図9参照)によっ
てそのスライド保持片14に連結される。錠板部74の
上部には、爪部72側の側面にスライド保持片14の第
一ガイドピン14aが摺動する摺動面74eが形成され
ている。
【0045】また、錠板部74には、摺動面74eより
も下側にバネ受け74uが切り起こし状に形成されてお
り、そのバネ受け74uにその錠板部74を下方に引っ
張る第一バネ75の一端が掛けられている。なお、第一
バネ75の他端は、固定基枠12のバネ受け13uに掛
けられる。錠板部74は、バネ受け74uの下側に広幅
部74mを備えており、その広幅部74mの中央に縦長
孔74nが形成されている。縦長孔74nは、スライド
保持片14の第二ガイドピン14b(図9参照)と係合
して、そのスライド保持片14と錠板部74とを連結す
るとともに、スライド保持片14に対する錠板部74の
スライド範囲を規制する。縦長孔74nの下端部には、
第二ガイドピン14aをその縦長孔74nに収納するた
めの大径孔74rが形成されている。
【0046】錠板部74の下部74dは横断面L字形に
折り曲げ成形されており、固定基枠12のスライド保持
片14に対して平行な平行板部74hと直角な直角板部
74fを備えている。そして、直角板部74fの下端に
後記するシリンダ錠18の押圧部19pに当接する傾斜
面74xが形成されている。即ち、上部スライド爪70
は第一バネ75の働きで傾斜面74xがシリンダ錠18
の押圧部19pに当接する位置に保持される。
【0047】シリンダ錠18は、図9に示すように、回
転軸18rを有しており、その回転軸18rの先端に解
錠レバー19が固定されている。解錠レバー19には、
回転軸18rに対して偏心した状態でピン状の押圧部1
9pが形成されている。そして、解錠操作により回転軸
18rが約90°回動することにより、押圧部19pは回
転軸18rとほぼ同レベルの下限位置(施錠位置)から
回転軸18rよりも所定レベルだけ高い上限位置(解錠
位置)まで上動する。このため、施錠状態では、シリン
ダ錠18の押圧部19pによって支えられる上部スライ
ド爪70は下限位置に保持され、シリンダ錠18の解錠
操作により、上部スライド爪70は第一バネ75のバネ
力に抗して上限位置まで上動する。
【0048】下部スライド爪80は、上部スライド爪7
0と同様に固定基枠12のスライド保持片14に沿って
上下動することにより解錠あるいは施錠を行う部材であ
り、図10(A)に示すように、爪部82と錠板部84
とによってL字形に形成されている。爪部82は機台枠
2の受け金具7に掛けられる部分であり、その先端下側
には三角形状の鉤爪82tが形成されている。また、鉤
爪82tの下側には傾斜面82sが形成されており、こ
の傾斜面82sが表枠3を閉じるときに機台枠2の受け
金具7に当接するようになっている。錠板部84は、ス
ライド保持片14に沿って上下動できるように第三ガイ
ドピン14cと第四ガイドピン14e(図9参照)とに
よって、そのスライド保持片14に連結される。錠板部
84には、爪部82の下側側面にスライド保持片14の
第四ガイドピン14eが摺動する摺動面84eが形成さ
れている。
【0049】また、錠板部84には、爪部82の上方に
バネ受け84uが切り起こし状に形成されており、その
バネ受け84uにその錠板部84(下部スライド爪8
0)を下方に引っ張る第二バネ85の一端が掛けられて
いる。なお、第二バネ85の他端は、固定基枠12のバ
ネ受け13zに掛けられる。錠板部84には、バネ受け
84uの上側に縦長孔84nが形成されている。縦長孔
84nは、スライド保持片14の第三ガイドピン14c
(図9参照)と係合して、そのスライド保持片14と錠
板部84とを連結するとともに、スライド保持片14に
対する錠板部84のスライド範囲を規制する。縦長孔8
4nの下端部には、第三ガイドピン14cをその縦長孔
84nに収納するための大径孔84rが形成されてい
る。
【0050】錠板部84の上部84dは横断面L字形に
折り曲げ成形されており、固定基枠12のスライド保持
片14に対して平行な平行板部84hと直角な直角板部
84fを備えている。直角板部84fには略コ字形の掛
け部84kが形成されており、その掛け部84kの上部
内側にシリンダ錠18の押圧部19pに掛けられる傾斜
面84xが形成されている。即ち、下部スライド爪80
は第二バネ85の働きで傾斜面84xがシリンダ錠18
の押圧部19pに当接する位置に保持される。ここで、
下部スライド爪80と上部スライド爪70とは、互いの
直角板部74f,84fが重ねられ、傾斜面74x,8
4xが高さ方向において同位置に保持された状態で、シ
リンダ錠18の押圧部19pに支持される。
【0051】なお、下部スライド爪80は、施錠状態で
は上部スライド爪70と同様に下限位置に保持され、シ
リンダ錠18の解錠操作により、第二バネ85のバネ力
に抗して上限位置まで上動する。このように、上部スラ
イド爪70及び下部スライド爪80が本発明の係合爪と
して機能し、上部スライド爪70の傾斜面74xと下部
スライド爪80の傾斜面84xが受け部として機能す
る。また、シリンダ錠18の解錠レバー19の押圧部1
9pが本発明の解錠部材の押圧部として機能する。
【0052】次に、このように構成されたパチンコ機の
錠装置の動作説明を行う。先ず、機台枠2に対する表枠
3の施錠を行うには、その表枠3の裏面が機台枠2の表
面に当接するまで表枠3を閉じる。これによって、表枠
3に設けられた上部スライド爪70の鉤爪72t及び下
部スライド爪80の鉤爪82tの傾斜面72s,82s
が機台枠2の受け金具7に上から当接し、上部スライド
爪70、下部スライド爪80の傾斜面72s,82sが
受け金具7に倣って摺動する。傾斜面72s,82sが
受け金具7に対して摺動している間、両スライド爪7
0,80が第一バネ75、第二バネ85のバネ力に抗し
て上動する。そして、両スライド爪70,80の鉤爪7
2t、82tが受け金具7を乗り越えた段階で、両スラ
イド爪70,80が第一バネ75、第二バネ85のバネ
力により下降し、それぞれの爪部72,82が受け金具
7と係合する。これによって、機台枠2に対する表枠3
の施錠が行われる。
【0053】表枠3の解錠を行うには、解錠キー(図示
されていない)によりシリンダ錠18を動作させ、解錠
レバー19の押圧部19pを上動させる。これによっ
て、両スライド爪70,80が第一バネ75、第二バネ
85のバネ力に抗して押し上げられ、爪部72,82と
受け金具7との係合が解除されて、解錠が行われる。な
お、図示されていない解錠取っ手により、両スライド爪
70,80を直接上動させて、解錠を行うことも可能で
ある。
【0054】次に、爪部72,82が不正に動かされた
ときの錠装置の動作を説明する。表枠3が施錠されてい
る状態で、例えば、下部スライド爪80の爪部82が特
殊工具により解錠方向(上方向)の力を受けると、下部
スライド爪80は上動して掛け部84kの傾斜面84x
はシリンダ錠18の押圧部19pから離れる。しかし、
下部スライド爪80が上動しても、そのシリンダ錠18
の押圧部19pはその位置に保持されるため、上部スラ
イド爪70は施錠位置に保持される。このため、上部ス
ライド爪70の爪部72により、表枠3の施錠状態が保
持される。
【0055】同様に、上部スライド爪70の爪部72が
特殊工具により解錠方向(上方向)の力を受けると、上
部スライド爪70は上動して傾斜面74xはシリンダ錠
18の押圧部19pから離れる。しかし、上部スライド
爪70が上動しても、そのシリンダ錠18の押圧部19
pはその位置に保持されるため、下部スライド爪80は
施錠位置に保持される。このため、下部スライド爪80
の爪部82により、表枠3の施錠状態が保持される。し
たがって、不正行為が成立し難くなる。ここで、本実施
形態では表枠3の錠装置について説明したが、金枠5や
前板6の錠装置に応用することも可能である。
【0056】[実施形態4]以下、図12、図13に基
づいて、本発明の実施形態4に係るパチンコ機の錠装置
の説明を行う。本実施形態に係るパチンコ機の錠装置
は、係合爪が可動錠板に対して回動可能に連結されてい
るとともに、その係合爪と可動錠板とが一体で上下動で
きるように構成されており、さらに係合爪と可動錠板と
はソレノイドからの電磁力を受けて解錠方向(上方向)
に移動する構造である。なお、実施形態1等に係るパチ
ンコ機の錠装置と同じ部材については同じ番号を付して
説明を省略する。ここで、図12(A)は本実施形態に
係る錠装置の施錠ユニットの側面図、図12(B)は図
12(A)の分解図、図13(A)は図12(A)のXI
II‐ XIII矢視図、図13(B)は図13(A)の分解
図である。なお、図面の上下方向はパチンコ機及び錠装
置の上下方向と一致している。
【0057】施錠ユニット10は、図12、図13に示
すように、固定基枠12と可動錠板90及びその可動錠
板90の上下に連結された係合爪92を備えている。固
定基枠12は、取付片13とスライド保持片14とによ
り断面略L形状に形成されており、そのスライド保持片
14に可動錠板90が上下摺動可能に取付けられてい
る。可動錠板90は、固定基枠12のスライド保持片1
4に沿って上動することにより、各々の係合爪92を上
方(解錠方向)に移動させる帯板状部材であり、図12
(A)等に示すように、上下一対の第一ガイドピン14
a及び上下一対の第二ガイドピン14bによってそのス
ライド保持片14に連結されている。
【0058】可動錠板90の上下端には、角形の切欠き
90cが縦に形成されており、その切欠き90cが上下
の第一ガイドピン14aに押えられることにより、可動
錠板90は固定基枠12の取付片13と第一ガイドピン
14aとに挟まれた状態で上下方向にガイドされる。ま
た、可動錠板90には、切欠き90cよりも中央寄りに
縦長孔90nが上下に形成されている。縦長孔90n
は、スライド保持片14の第二ガイドピン14bと係合
して、そのスライド保持片14と可動錠板90とを連結
するとともに、スライド保持片14に対する可動錠板9
0のスライド範囲を規制する。縦長孔90nの下端部に
は、第二ガイドピン14bをその縦長孔90nに収納す
るための大径孔90rが形成されている。
【0059】可動錠板90の上下の切欠き90cの近傍
には係合爪92が支持ピン21によって上下回動が可能
な状態で装着されている。係合爪92は先細状に形成さ
れた爪部分92tと基端部92mとから構成されてお
り、図12(B)に示すように、その基端部92mの開
孔92kに支持ピン21が通されている。係合爪92の
基端部92mの下端には直角に角板92bが折り曲げ成
形されており、その角板92bにバネ受け92uが切り
起こし状に形成されている。そして、そのバネ受け92
uと可動錠板90の第一バネ受け90uとの間に係合爪
92の爪部分92tを下方に回動させる回動バネ93が
装着されている。なお、固定基枠12のスライド保持片
14には、支持ピン21との干渉を避けるための逃げ開
孔14kが縦に形成されている(図12(B)参照)。
【0060】可動錠板90には係合爪92の上下にスト
ッパ90sが折り曲げ形成されており、両ストッパ90
sによって係合爪92の回動範囲が規制される。ここ
で、係合爪92は回動バネ93によって下方(右回り)
の回動力を受けているため、係合爪92の下側はその回
動バネ93のバネ力で下側のストッパ90sに当接して
いる。この状態で、係合爪92は、図12(A)に示す
ように、可動錠板90に対してほぼ直角(ほぼ水平)に
保持され、機台枠2の受け金具7と係合可能になる。即
ち、可動錠板90が本発明の解錠部材に相当し、ストッ
パ90sと回動バネ93等が本発明の保持部材として機
能する。
【0061】係合爪92は、可動錠板90から突出する
爪部分92tが先細状に形成されており、その爪部分9
2tの下側に機台枠2の受け金具7と係合する略台形状
の凹部92eが形成されている。また、係合爪92の爪
部分92tには、凹部92eから先端にかけて傾斜面9
2xが形成されており、その傾斜面92xが表枠3を閉
じる際に機台枠2の受け金具7の上側に当接するように
なっている。
【0062】これによって、表枠3を閉じる過程でその
係合爪92の傾斜面92xが受け金具7に倣い、その傾
斜面92xが受け金具7に対して摺動している間、係合
爪92は回動バネ93のバネ力に抗して上方に回動す
る。そして、係合爪92の凹部92eが受け金具7の位
置に到達した段階で、係合爪92が回動バネ93のバネ
力により下方に回動し、その凹部92eと受け金具7と
が係合する。即ち、機台枠2に対して表枠3を閉じるこ
とにより自動的にその表枠3の施錠を行うことができ
る。
【0063】可動錠板90の下側の縦長孔90nの近傍
には第二バネ受け90yが切り起こし状に形成されてお
り、その第二バネ受け90yと固定基枠12の取付片1
3に形成された第二バネ受け13zとの間にその可動錠
板90を下方に引っ張る第二引きバネ95が装着されて
いる。これによって、可動錠板90は第二引きバネ95
のバネ力によって下限位置(施錠位置)に保持されてい
る。可動錠板90のほぼ中央には表枠解錠用ソレノイド
(図示されていない)の可動部が連結される連結板90
zが形成されている。表枠解錠用ソレノイドは通電され
ることにより、電磁力で可動錠板90を第二引きバネ9
5のバネ力に抗して上限位置(解錠位置)まで引き上げ
る。
【0064】可動錠板90と固定基枠12のスライド保
持片14との間には金枠用可動錠板94がそのスライド
保持片14に沿って移動できるように装着されている。
金枠用可動錠板94は、金枠5(図16参照)の解錠に
使用される部材であり、その上端部には押し下げレバー
94pが直角に折り曲げ成形されている。押し下げレバ
ー94pは金枠5の錠ユニットの可動錠板(図示されて
いない)を解錠方向に押し下げるレバーであり、金枠用
可動錠板94が固定基枠12にセットされた状態でその
固定基枠12のスライド保持片14に形成されたスリッ
ト開口12k(図12(B)参照)から表枠3の内方向
に突出する(図13(A)参照)。
【0065】金枠用可動錠板94の下部にはバネ受け9
4uが押し下げレバー94pと反対方向に折り曲げられ
て形成されており、そのバネ受け94uと固定基枠12
の取付片13に形成された第一バネ受け13uとの間に
その金枠用可動錠板94を上方に引っ張る第一引きバネ
97が装着されている。これによって、金枠用可動錠板
94は第一引きバネ97のバネ力によって上限位置(施
錠位置)に保持されている。また、金枠用可動錠板94
の下端には金枠解錠用ソレノイド(図示されていない)
の可動部が連結される連結板94zが形成されている。
金枠解錠用ソレノイドは通電されることにより、電磁力
で金枠用可動錠板94を第一引きバネ97のバネ力に抗
して下限位置(解錠位置)まで引き下げる。
【0066】次に、このように構成されたパチンコ機の
錠装置の動作説明を行う。先ず、機台枠2に対する表枠
3の施錠を行うには、その表枠3の裏面が機台枠2の表
面に当接するまで表枠3を閉じる。これによって、表枠
3の裏側に設けられた係合爪92の傾斜面92xが機台
枠2の受け金具7に上から当接する。そして、表枠3を
閉じる過程でその係合爪92の傾斜面92xが受け金具
7に倣い、その傾斜面92xが受け金具7に対して摺動
している間、係合爪92は回動バネ93のバネ力に抗し
て上方に回動する。そして、係合爪92の凹部92eが
受け金具7の位置に到達した段階で、係合爪92が回動
バネ93のバネ力により下方に回動し、その凹部92e
と受け金具7とが係合する。即ち、機台枠2に対して表
枠3を閉じることにより自動的にその表枠3の施錠が行
われる。
【0067】表枠3の解錠を行うには、解錠キー(図示
されていない)により表枠解錠用ソレノイドを動作させ
る。これによって、可動錠板90が電磁力で第二引きバ
ネ95のバネ力に抗して下限位置(施錠位置)から上限
位置(解錠位置)まで引き上げられ、係合爪92と機台
枠2の受け金具7との係合が解除される。また、金枠5
の解錠を行うには、解錠キー(図示されていない)によ
り金枠解錠用ソレノイドを動作させる。これによって、
金枠用可動錠板94が電磁力で第一引きバネ97のバネ
力に抗して上限位置(施錠位置)から下限位置(解錠位
置)まで引き下げられ、押し下げレバー94pが金枠5
の錠ユニットの可動錠板(図示されていない)を解錠方
向に押し下げる。
【0068】次に、係合爪92が不正に動かされたとき
の錠装置の動作を説明する。表枠3が施錠されている状
態で、例えば、下側の係合爪92が特殊工具により解錠
方向(上方向)の力を受けると、その係合爪92は回動
バネ93のバネ力に抗して上方に回動して機台枠2の受
け金具7から外される。しかし、下側の係合爪92が上
方に回動しても可動錠板90は第二引きバネ95のバネ
力によって下限位置(施錠位置)に保持されるため、上
側の係合爪92は施錠位置に保持される。このため、上
側の係合爪92により、表枠3の施錠状態が保持され
る。なお、上側の係合爪92が不正に解錠方向の力を受
けても可動錠板90及び下側の係合爪92は施錠位置に
保持されるため、下側の係合爪92により表枠3の施錠
が確保される。したがって、不正行為が成立し難くな
る。
【0069】[実施形態5]以下、図14、図15に基
づいて、本発明の実施形態5に係るパチンコ機の錠装置
の説明を行う。本実施形態に係るパチンコ機の錠装置
は、係合爪が実施形態3に類似する構造であり、その係
合爪と可動錠板とがソレノイドからの電磁力を受けて解
錠方向(上方向)に移動する構造である。なお、実施形
態1等に係るパチンコ機の錠装置と同じ部材については
同じ番号を付して説明を省略する。ここで、図14
(A)は本実施形態に係る錠装置の施錠ユニットの側面
図、図14(B)は図14(A)の分解図、図15
(A)は図14(A)のXV‐ XV矢視図、図15(B)
は図15(A)の分解図である。なお、図面の上下方向
はパチンコ機及び錠装置の上下方向と一致している。
【0070】施錠ユニット10は、図14、図15に示
すように、固定基枠12と可動錠板130及びその可動
錠板130の上下に連結された上部スライド爪140、
下部スライド爪150を備えている。固定基枠12は、
取付片13とスライド保持片14とにより断面略L形状
に形成されており、そのスライド保持片14に可動錠板
90と上部スライド爪140及び下部スライド爪150
が上下摺動可能に取付けられている。
【0071】可動錠板130は固定基枠12のスライド
保持片14に沿って上動することにより、上部スライド
爪140及び下部スライド爪150を上方(解錠方向)
に移動させる帯板状部材であり、その上端部130u及
び下端部130dには、図14(B)等に示すように、
上部スライド爪140及び下部スライド爪150との連
結に使用される連結ピン131,132が取付けられて
いる。ここで、固定基枠12のスライド保持片14には
連結ピン131,132との干渉を避けるための逃げ開
孔14kが縦に形成されており、可動錠板130はその
逃げ開孔14kの寸法分だけ上下動が可能になる(図1
2(B)参照)。可動錠板130のほぼ中央には表枠解
錠用ソレノイド(図示されていない)の可動部が連結さ
れる連結板130zが形成されている。表枠解錠用ソレ
ノイドは通電されることにより、電磁力で可動錠板13
0を上限位置(解錠位置)まで引き上げる働きをする。
【0072】上部スライド爪140は表枠3の上部を施
錠する錠板であり、図14等に示すように、錠板部14
1と爪部142とによって側面視において逆L字形に形
成されている。爪部142は、機台枠2の受け金具7に
上方から掛けられる爪であり、その爪部142の先端部
分が略三角形の鉤状に形成されている。爪部142の先
端部分の下側には傾斜面143が形成されており、表枠
3が閉じられる際に機台枠2の受け金具7がその傾斜面
143に当接する。そして、受け金具7が傾斜面143
に接触している間、上部スライド爪140には表枠3の
閉じ力がその傾斜面143の働きで上動方向に加わる。
また、爪部142の傾斜面143の後方(図中左側)に
は機台枠2の受け金具7に掛けられる鉤部144が形成
されている。
【0073】上部スライド爪140の錠板部141は、
固定基枠12のスライド保持片14に沿って移動する部
分であり、その錠板部141の上部で、かつ爪部142
の基端部近傍にストッパ部145が形成されている。ス
トッパ部145は、上部スライド爪140の下動を規制
する部分であり、その上部スライド爪140が下限位置
(施錠位置)にある状態で、ストッパ部145は固定基
枠12のスライド保持片14に設けられた上部ガイドピ
ン14aに当接する。
【0074】上部スライド爪140の錠板部141のほ
ぼ中央にはバネ受け146が切り起こし状に形成されて
おり、そのバネ受け146と固定基枠12の取付片13
に形成された上部バネ受け13yとの間に上部スライド
爪140を引き下げる方向に付勢された第一バネ147
が装着されている。また、上部スライド爪140の下部
には長孔148が縦方向に形成されており、その長孔1
48に可動錠板130の上端部130uに設けられた連
結ピン131が通される。
【0075】ここで、上部スライド爪140は第一バネ
147によって引き下げ方向の力を受けているため、図
14(B)に示すように、上部スライド爪140の長孔
148の上端が連結ピン131を押圧して可動錠板13
0はその上部スライド爪140とともに下限位置(施錠
位置)に保持される。また、上部スライド爪140の長
孔148の上端が可動錠板130の連結ピン131に当
接しているため、可動錠板130が表枠解錠用ソレノイ
ドの力で上動するときには上部スライド爪140はその
可動錠板130の連結ピン131によって第一バネ14
7のバネ力に抗して押し上げられる。しかし、上部スラ
イド爪140は可動錠板130に対しては長孔148の
長さ分だけ上動が可能となる。即ち、可動錠板130が
下限位置(施錠位置)にある状態で、上部スライド爪1
40が第一バネ147のバネ力に抗する力を受けるとそ
の上部スライド爪140は上動する。
【0076】下部スライド爪150は表枠13の下部を
施錠する錠板であり、図14等に示すように、錠板部1
51と爪部152とによって側面視においてL字形に形
成されている。爪部152は、機台枠2の受け金具7に
上方から掛けられる爪であり、その爪部152の先端部
分が略三角形の鉤状に形成されている。爪部152の先
端部分の下側には傾斜面153が形成されており、表枠
13が閉じられる際に機台枠2の受け金具7がその傾斜
面153に当接する。そして、下部錠爪部材11kが傾
斜面153に接触している間、下部スライド爪150に
は表枠13の閉じ力が傾斜面153の働きで上方向に加
わる。また、爪部152の傾斜面153の後方(図中左
側)には機台枠2の受け金具7に掛けられる鉤部154
が形成されている。
【0077】下部スライド爪150の錠板部151は、
固定基枠12のスライド保持片14に沿って移動する部
分であり、その錠板部151の下部で、かつ爪部152
の基端部近傍にストッパ部155が形成されている。ス
トッパ部155は、下部スライド爪150の下動を規制
する部分であり、その下部スライド爪150が下限位置
(施錠位置)にある状態で、ストッパ部155は固定基
枠12のスライド保持片14に設けられた下部ガイドピ
ン14cに当接する(図14(A)参照)。
【0078】下部スライド爪150の錠板部151のほ
ぼ中央にはバネ受け156が切り起こし状に形成されて
おり、そのバネ受け156と固定基枠12の取付片13
に形成された下部バネ受け13zとの間に下部スライド
爪150を引き下げる方向に付勢された第二バネ157
が装着されている。また、下部スライド爪150の上部
には長孔158が縦方向に形成されており、その長孔1
58に可動錠板130の下端部130dに設けられた連
結ピン132が通される。
【0079】ここで、下部スライド爪150は第二バネ
157によって引き下げ方向の力を受けているため、下
部スライド爪150の長孔158の上端が連結ピン13
2を押圧して可動錠板130はその下部スライド爪15
0とともに下限位置(施錠位置)に保持される。また、
下部スライド爪150の長孔158の上端が可動錠板1
30の連結ピン132に当接しているため、可動錠板1
30が表枠解錠用ソレノイドの力で上動するときには下
部スライド爪150はその可動錠板130の連結ピン1
32によって第二バネ157のバネ力に抗して解錠位置
まで引き上げられる。しかし、下部スライド爪150は
可動錠板130に対しては長孔158の長さ分だけ上動
が可能となる。即ち、可動錠板130が下限位置(施錠
位置)にある状態で、下部スライド爪150が第二バネ
157のバネ力に抗する力を受けるとその下部スライド
爪150は上動する。
【0080】可動錠板130と固定基枠12のスライド
保持片14との間には金枠用可動錠板94がそのスライ
ド保持片14に沿って移動できるように装着されてい
る。金枠用可動錠板94は、金枠5(図16参照)の解
錠に使用される部材であり、実施形態4で使用された金
枠用可動錠板94と同じ構造である。このため、同じ部
材の番号を使用して説明を省略する。
【0081】次に、このように構成されたパチンコ機の
錠装置の動作説明を行う。先ず、機台枠2に対する表枠
3の施錠を行うには、その表枠3の裏面が機台枠2の表
面に当接するまで表枠3を閉じる。これによって、表枠
3の裏側に設けられた上部スライド爪140と下部スラ
イド爪150のそれぞれの傾斜面143,153が機台
枠2の各受け金具7に上から当接する。そして、表枠3
を閉じる過程で上部スライド爪140、下部スライド爪
150の傾斜面143,153が受け金具7に倣い、そ
の傾斜面143,153が受け金具7に対して摺動して
いる間、上部スライド爪140と下部スライド爪150
とは第一バネ147、第二バネ157のバネ力に抗して
上動する。なお、このとき可動錠板130は表枠解錠用
ソレノイドの力で下限位置(施錠位置)に保持されてい
る。そして、上部スライド爪140、下部スライド爪1
50の鉤部144,154が受け金具7の位置に到達し
た段階で、上部スライド爪140、下部スライド爪15
0が第一バネ147、第二バネ157のバネ力で下動
し、それらの鉤部144,154と受け金具7とが係合
する。即ち、機台枠2に対して表枠3を閉じることによ
り自動的にその表枠3の施錠が行われる。
【0082】表枠3の解錠を行うには、解錠キー(図示
されていない)により表枠解錠用ソレノイドを動作させ
る。これによって、可動錠板130が電磁力で下限位置
(施錠位置)から上限位置(解錠位置)まで引き上げら
れ、上部スライド爪140と下部スライド爪150とが
可動錠板130とともに下限位置(施錠位置)から上限
位置(解錠位置)まで上動する。これによって、上部ス
ライド爪140、下部スライド爪150と機台枠2の受
け金具7との係合が解除され、表枠3の解錠が行われ
る。なお、金枠5の解錠を行う方法は実施形態4の場合
と同様である。
【0083】次に、上部スライド爪140あるいは下部
スライド爪150が不正に動かされたときの錠装置の動
作を説明する。表枠3が施錠されている状態で、例え
ば、下部スライド爪150が特殊工具により解錠方向
(上方向)の力を受けると、その下部スライド爪150
は第二バネ157のバネ力に抗して上動して機台枠2の
受け金具7から外される。しかし、下部スライド爪15
0が上動しても可動錠板130は下部スライド爪150
の長孔158の働きと第一バネ147の働きとによって
下限位置(施錠位置)に保持されるため、上部スライド
爪140は施錠位置に保持される。このため、上部スラ
イド爪140により、表枠3の施錠が確保される。な
お、上部スライド爪140が不正に解錠方向の力を受け
ても可動錠板130及び下部スライド爪150は施錠位
置に保持されため、その下部スライド爪150により表
枠3の施錠状態が保持される。したがって、不正行為が
成立し難くなる。
【0084】
【発明の効果】本発明によると、特殊工具を使用して一
の係合爪を施錠位置から解錠位置まで移動させたとして
も、他の係合爪は弾性部材により施錠位置に保持される
ため、不正行為によってパチンコ機の枠を開くのが難し
くなり、パチンコ機の防犯機能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るパチンコ機の錠装置
の分解斜視図である。
【図2】施錠ユニットの側面図(A図)及び裏面図(B
図)である。
【図3】図2のIIIA矢視拡大図(A図)及びIIIB矢視拡
大図(B図)である。
【図4】図3(A)の裏面図(A図)、図3(B)の裏
面図(B図)、連結ピンの部分の縦断面図(C図)であ
る。
【図5】本発明の実施形態2に係るパチンコ機の錠装置
の上部係合爪を表す側面図である。
【図6】図5の裏面図(A図)、図6(A)のB部拡大
図(B図)である。
【図7】図6(A)の分解図(A図、B図)である。
【図8】本発明の実施形態2に係るパチンコ機の錠装置
の下部係合爪を表す側面図(A図)、裏面図(B図)で
ある。
【図9】本発明の実施形態3に係るパチンコ機の錠装置
の分解斜視図である。
【図10】下部スライド爪の側面図(A図)、A図のB
−B矢視図(B図)である。
【図11】上部スライド爪の側面図(A図)、上部スラ
イド爪の正面図(B図)である。
【図12】本発明の実施形態4に係る錠装置の施錠ユニ
ットの側面図(A図)、A図の分解図(B図)である。
【図13】図12(A)のXIII‐ XIII矢視図(A
図)、A図の分解図(B図)である。
【図14】本発明の実施形態5に係るパチンコ機の施錠
ユニットの側面図(A図)、A図の分解図(B図)であ
る。
【図15】図14(A)のXV‐ XV矢視図(A図)、A
図の分解図(B図)である。
【図16】パチンコ機の前方斜視図である。
【図17】パチンコ機の後方斜視図である。
【図18】従来のパチンコ機の錠装置の分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
2 機台枠(一の枠) 3 表枠(他の枠) 7 受け金具 17 可動錠板(解錠部材) 17n 長孔(不正解錠防止機構) 18 シリンダ錠 19 解錠レバー端 20 係合爪 24 回動バネ(弾性部材) 27 連結ピン(不正解錠防止機構) 56 ロック爪 30 上部係合爪 33 開口 60 上部可動錠板 61 上部長孔 62 段差状押圧部 70 上部スライド爪(係合爪) 72 爪部(係合爪) 74x 傾斜面 80 下部スライド爪(係合爪) 82 爪部(係合爪) 84x 傾斜面 90s ストッパ(保持部材) 93 回動バネ(保持部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05B 61/00 A63F 7/02 327 E05C 9/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一の枠と、その一の枠に対して扉状に開
    閉可能に構成された他の枠と、一の枠に複数個設けられ
    た受け金具と、他の枠に設けられ、対応する前記受け金
    具と係合することにより、前記他の枠の施錠を行う複数
    の係合爪と、前記係合爪を施錠位置に保持する弾性部材
    と、施錠位置から解錠位置まで移動することにより、全
    ての係合爪を前記弾性部材の弾性力に抗して施錠位置か
    ら解錠位置まで移動させる解錠部材とを備えるパチンコ
    機の錠装置であって、 各々の係合爪が解錠部材に対して回動できるように、各
    々の係合爪を解錠部材に連結する連結部材と、 前記係合爪の一部を弾性力で前記解錠部材のストッパに
    当接させ、前記係合爪を前記解錠部材に対して所定角度
    に保持する保持部材とを有しており、 前記解錠部材が施錠位置から解錠位置まで移動するとき
    に、各々の係合爪は、前記保持部材によりその解錠部材
    に対して所定角度に保持された状態で施錠位置から解錠
    位置まで移動し、 前記解錠部材が施錠位置にある状態で、各々の係合爪
    は、前記保持部材の弾性力に抗する力を受けて施錠位置
    から解錠方向に回動可能なことを特徴とするパチンコ機
    の錠装置。
  2. 【請求項2】 一の枠と、その一の枠に対して扉状に開
    閉可能に構成された他の枠と、一の枠に複数個設けられ
    た受け金具と、他の枠に設けられており、対応する前記
    受け金具と回動過程で係合することにより、前記他の枠
    の施錠を行う複数の係合爪と、前記係合爪を施錠位置に
    保持する弾性部材と、施錠位置から解錠位置までスライ
    することにより、全ての係合爪を前記弾性部材の弾性
    力に抗して施錠位置から解錠位置まで回動させる解錠部
    材とを有するパチンコ機の錠装置であって、前記係合爪を回動可能に支持する支持板と、 前記係合爪に形成されており、その係合爪の回動中心と
    同心の円弧部と、広幅部と、前記円弧部と広幅部との境
    に形成された段部とを備える開口と、 前記支持板に支持されており、前記開口に通されるロッ
    ク爪とを有しており、 前記ロック爪が前記段部と係合する位置に配置された状
    態で、前記係合爪は施 錠位置にロックされ、 前記解錠部材が解錠方向にスライドする際に、前記ロッ
    ク爪がその解錠部材に押圧されて、前記開口の段部から
    外れ、円弧部の延長線上に配置された状態で、前記係合
    爪のロックが解除されることを特徴とするパチンコ機の
    錠装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のパチンコ機の錠装置で
    あって、 係合爪と解錠部材との間には遊びが設けられており、 前記解錠部材が遊び範囲をスライドしているときに、前
    記解錠部材がロック爪を押圧し、 前記解錠部材が遊び範囲を移動した後に、前記解錠部材
    の動きが係合爪に伝わるように構成されていることを特
    徴とするパチンコ機の錠装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3のいずれかに記載
    のパチンコ機の錠装置であって、 解錠部材と係合爪との間には、ピンと長孔とから構成さ
    れる不正解錠防止機構が設けられており、 前記解錠部材が施錠位置から解錠位置まで移動するとき
    に、前記ピンと長孔との間に遊びがほとんど存在しない
    状態にそのピンと長孔との位置関係が設定されており、
    前記係合爪が施錠位置から解錠位置まで移動するとき
    は、その係合爪の動きが前記解錠部材に伝わらないよう
    に前記ピンと長孔との間に遊びが存在する状態でそのピ
    ンと前記長孔との位置関係が設定されていることを特徴
    とするパチンコ機の錠装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    のパチンコ機の錠装置であって、 解錠部材は電磁力によって施錠位置から解錠位置まで移
    動することを特徴とするパチンコ機の錠装置。
JP2000312519A 2000-03-29 2000-10-12 パチンコ機の錠装置 Expired - Fee Related JP3437543B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000312519A JP3437543B2 (ja) 2000-03-29 2000-10-12 パチンコ機の錠装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-91740 2000-03-29
JP2000091740 2000-03-29
JP2000312519A JP3437543B2 (ja) 2000-03-29 2000-10-12 パチンコ機の錠装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001342762A JP2001342762A (ja) 2001-12-14
JP3437543B2 true JP3437543B2 (ja) 2003-08-18

Family

ID=26588743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000312519A Expired - Fee Related JP3437543B2 (ja) 2000-03-29 2000-10-12 パチンコ機の錠装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3437543B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002113237A (ja) * 2000-10-06 2002-04-16 Moriyama Kogyo Kk 遊技機用施錠装置
JP5003708B2 (ja) * 2009-03-26 2012-08-15 タイヨーエレック株式会社 遊技機
JP5641102B2 (ja) * 2013-07-16 2014-12-17 株式会社三洋物産 遊技機
JP5949851B2 (ja) * 2014-08-11 2016-07-13 株式会社三洋物産 遊技機
JP6149923B2 (ja) * 2015-12-10 2017-06-21 株式会社三洋物産 遊技機
JP6332495B2 (ja) * 2017-02-17 2018-05-30 株式会社三洋物産 遊技機
JP6394722B2 (ja) * 2017-03-09 2018-09-26 株式会社三洋物産 遊技機
JP6477949B2 (ja) * 2018-03-29 2019-03-06 株式会社三洋物産 遊技機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001342762A (ja) 2001-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3437543B2 (ja) パチンコ機の錠装置
JP2002177586A (ja) パチンコ機の錠装置
JP3693914B2 (ja) パチンコ機の錠装置
JP2003325918A (ja) ゲーム機の施錠装置
JPH10314425A (ja) ゲーム機の施錠装置
JP2880462B2 (ja) パチンコ機の錠装置
JP3776762B2 (ja) 遊技機台前面の不正解錠防止機能を備えた扉装置
JP2003070968A (ja) ゲーム機の施錠装置
JPH11164952A (ja) パチンコ遊技機の施錠装置
JP2003175251A (ja) 遊技機用施錠装置
JP4169974B2 (ja) 施錠装置
JP2004073260A (ja) パチンコ機の錠装置
JP3307895B2 (ja) パチンコ機の錠装置
JP4181538B2 (ja) パチンコ機の施錠装置
JP4832194B2 (ja) 遊技機用施錠装置
JP4369081B2 (ja) 遊技機の施錠装置
JP4306992B2 (ja) 遊技機の施錠装置
JP4343537B2 (ja) 遊技機用施錠装置
JP3005575B1 (ja) 情報処理装置
JP2003321959A (ja) 遊技機における施錠装置
JP3513702B2 (ja) 遊技機の施錠装置
JP2003260244A (ja) 遊技機用施錠装置
JP4746992B2 (ja) ゲーム機の施錠装置
JP5162743B2 (ja) 遊技機の施錠装置
JP2002327564A (ja) パチンコ機の錠装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees