JP3437256B2 - 光記録媒体、光記録方法及び情報再生方法 - Google Patents

光記録媒体、光記録方法及び情報再生方法

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JP3437256B2 JP13569194A JP13569194A JP3437256B2 JP 3437256 B2 JP3437256 B2 JP 3437256B2 JP 13569194 A JP13569194 A JP 13569194A JP 13569194 A JP13569194 A JP 13569194A JP 3437256 B2 JP3437256 B2 JP 3437256B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光記録媒体、光記録媒
体への情報の記録方法及び光記録媒体からの情報の再生
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、光記録媒体(例えば光ディスク
や光カードなど)は、基板上に設けた記録層にスパイラ
ル状または同心円状あるいはストライプ状のトラックに
沿って光学的に検出可能な小さな、例えば、約1μm程
度のピットを形成する事によって高密度に情報が記録さ
れるものである。
【0003】そして情報の記録方法としては、例えばあ
る種のヒートモード記録方法では、記録層の表面に集束
したレーザ光を走査すると記録層においてレーザエネル
ギーが吸収されて熱に変換され、その熱によって記録層
のレーザ光照射部に蒸発、分解等を生じ、その結果光学
的に検出可能な凹状のピットが形成され情報が記録され
る。
【0004】また、別のヒートモードの記録方法では、
記録層における、レーザエネルギーの吸収によってその
個所に光学的に検出可能な濃度差を有するピットが形成
され情報が記録される。
【0005】そしてこのようにして記録されたピット
は、再生光の照射によって非ピット部とピット部とでの
反射率の差異を検出する事によって再生される。
【0006】ところで、光記録媒体の記録層としてはこ
れまでアルミニウム蒸着膜などの金属薄膜、ビスマス薄
膜や酸化テルル薄膜等のカルコゲナイド系非晶質ガラス
膜などの無機物質を主に用いたものが提案されていたが
近年、塗布による成膜が可能であり光記録媒体の製造コ
ストの低減を図る事のできる有機色素記録層が提案され
ている。
【0007】しかし有機色素記録層は一般的に金属記録
層に比べて反射率が低い為、再生信号の品質が十分でな
いという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は上記問題
点に鑑みなされたものであり、高品質な情報の再生が可
能であって且つ低コストで製造可能な光記録媒体を提供
する事を目的とするものである。
【0009】また本発明は高いS/N比で再生すること
のできる情報の記録方法を提供する事を他の目的とする
ものである。
【0010】また本発明は高品質な再生信号を得ること
ができる情報の再生方法を提供する事を目的とするもの
である。
【0011】
【課題を解決する為の手段】即ち本発明者らは上記目的
に対して種々検討を行った結果、核酸及び該核酸との共
存下で光照射により蛍光発光可能な色素を含有してなる
薄膜に選択的に光を照射した時に光の未照射部分は高い
蛍光を示すのに対して、光照射部は色素が分解されたた
めか殆ど蛍光を示さず、この両者での蛍光の有無を検出
する事で高いS/N比で情報の再生が可能である事を見
出す事によって本発明に至ったものであり、本発明の光
記録媒体は、基板上に、核酸及び該核酸との共存下で光
照射により蛍光発光する色素を含む記録層を有する光記
録媒体であって、該色素は、該核酸と相互作用し、該核
酸との共存下での蛍光強度が該色素単独の状態に比べて
増加することを特徴とするものである。
【0012】また本発明の光記録方法は、基板上に、核
酸及び該核酸との共存下で光の照射により蛍光発光可能
な色素を含む記録層を有する光記録媒体に、記録光を選
択的に照射して情報の記録を行う事を特徴とするもので
ある。
【0013】また本発明の情報再生方法は、基板上に、
核酸及び該核酸との共存下で第1の光の照射により蛍光
発光可能な色素を含む記録層を有し、第2の光の選択的
な照射によって該記録層の発光能力が選択的に消去させ
られて情報の記録がなされた光記録媒体に該第1の光を
照射して、発光部と非発光部とのコントラストを検出す
ることによって情報の再生を行うことを特徴とするもの
である。
【0014】
【0015】次に本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0016】図1は本発明の光記録媒体の一実施態様を
示す模式的断面図で、基板1上に核酸及び該核酸との共
存下で光照射されることにより蛍光を発光する色素とを
含む記録層2が積層されているものである。
【0017】本発明において用いられる色素としては、
核酸との共存下で光照射されることによって蛍光発光す
る色素であれば特に限定されるものではないが、例え
ば、ローダミン6G、ローダミンB、フルオレッセイ
ン、カルセインブルー、エオシンや、ジエチルアミノメ
チルクマリンおよび4−メチルウンペリフェロンなどの
クマリン系色素、ならびにアクリジンレッド、アクリジ
ンオレンジなどのアクリジン系色素、プロフラビン、エ
チジウムブルマイド、ドーノマイシン、アクチマイシ
ン、ピリリウム系色素が挙げられる。
【0018】なおこのような色素の核酸との共存下での
光照射による蛍光の発光は色素と核酸との相互作用に基
づくものと考えられるが、色素が核酸の二重らせんと相
互作用し得る形式としては、核酸塩基対の間に入り込む
(インターカレート)場合と、二重らせんの溝に埋め込
まれる場合などが知られている。
【0019】その中で、核酸塩基対の間に入り込む色
素、所謂インターカレーターは、一般には電子の広がり
を持つ平面上の化合物で、核酸塩基対の積み重なりの延
長上、すなわち二重らせんの軸上に核酸塩基対間の距離
と同じような距離で、核酸塩基対と平行な位置に配向す
る。そして、二本鎖核酸中にインターカレートした時に
光学的な吸収スペクトルが長波長側にシフトしたり、吸
収強度が減少したり、あるいは蛍光強度が増大するとい
う特徴があり、本発明においても、記録層に用いる色素
として核酸とインターカレートする色素(インターカレ
ーター)、例えばアクリジン系色素、プロフラビン、エ
チジウムブルマイド、ドーノマイシン、アクチマイシ
ン、ピリリウム系色素を用いることは、情報を高いS/
N比で再生するうえで好ましいものである。
【0020】なかでも特に、前記一般式〔I〕に示され
るような、ピリリウム系色素化合物は、核酸の二重らせ
ん中にインターカレートするものであって、その蛍光強
度が色素単独の状態に比べて著しく増加する。また二本
鎖核酸との相互作用により吸収極大波長も長波長側にシ
フトし、ストークスシフトも大きく、このことは、記録
光と再生光の波長分離を可能にし、更に再生時の入射光
と検出光の波長が分離できることにより高いS/N比の
再生信号を与える情報再生を行うことができ、更にまた
色素が核酸にインターカレートすることで著しく安定性
が向上する、本発明の光記録媒体に特に好適に用いられ
るものである。
【0021】なお上記一般式〔I〕で示される構造を有
する色素が核酸との共存下でかかる現象を示す理由は明
らかでないが、ピリリウム環と環に結合した置換基が、
色素単独の状態では、ある結合角度(例えば、アミノチ
カンフェニル置換ピリリウム塩の場合は約30度)を有
して各色素がばらばらになっている状態だが、色素が核
酸中にインターカレートすると立体的効果から、結合角
度が抑制されて直線状となり、色素分子内に長い共鳴系
が生じたためと考えられる。更に色素が核酸塩基対と平
行な位置に配向するため色素薄膜としての蛍光強度も増
大すると考えられる。
【0022】そして、上記一般式〔I〕で示される色素
の代表例を下記の表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】
【表9】
【0032】
【表10】
【0033】
【表11】
【0034】
【表12】
【0035】
【表13】
【0036】
【表14】
【0037】
【表15】
【0038】
【表16】
【0039】
【表17】
【0040】
【表18】
【0041】
【表19】
【0042】次に本発明に用いる核酸としては、DN
A、RNA、二本鎖核酸、もしくは一本鎖核酸の分子内
二本鎖部分などを使用することができ、具体的には子牛
胸腺DNA、サケ精子DNAなどの市販のDNAの他、
ポリアデニル酸−ポリチシジル酸コンプレックス、ポリ
アデニル酸−ポリウリジル酸コンプレックスなども使用
可能である。
【0043】本発明にかかる光記録媒体の記録層は、塗
布法や蒸着法等の種々の方法により基板1上に形成され
るが、塗布法は光記録媒体の製造コストを低減させるう
えで好ましい方法である。そして塗布法を用いる場合に
は、蛍光色素と核酸を溶媒中に溶解あるいは分散した溶
液を基板1上に塗布することによって形成でき、塗布の
際に使用できる溶媒としては前述の蛍光色素と核酸とを
分散状態とするか、あるいは溶解状態とするかによって
異なるが、一般には、アルコール系、ケトン系、エーテ
ル系、エステル系、ハロゲン化炭化水素系、芳香族系、
脂肪族炭化水素系、フッ素系などの溶媒を用いることが
できる。また、水、アセトニトリル、ジメチルスルホキ
シド、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液などの各緩衝液を用い
ることができる。
【0044】必要によりワックス、高級脂肪酸、アミド
類(例えば、オレイルアミド)、バインダー(例えば、
セルロース、ポリスチレン)、可塑剤、油剤、分散剤、
及びその他の添加剤を適宜混合させ記録層の成膜性、塗
膜性を高めることができる。
【0045】そして具体的な塗布方法としては、塗工
は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ス
ピンナーコーティング法、ビードコーティング法、マイ
ヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ロ
ーラーコーティング法、グラビアコーティング法などの
コーティング法を用いて行うことができる。
【0046】記録層2中の蛍光色素と核酸の含有量は通
常30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%
が望ましい。30重量%未満では記録層の十分な光吸収
性と再生レーザー光に対して十分な蛍光を得ることがで
きない。また、核酸と蛍光色素の比は、核酸の塩基対1
〜40塩基対に対して1分子の色素、特にピリリウム色
素の場合は10〜20塩基対に1つの色素が好ましい。
【0047】又、記録層2の膜厚は100Å〜20μ
m、好ましくは200Å〜1μmが適当である。尚、記
録レーザー光に対して十分な光蛍光性を有する薄膜を安
定に形成でき得るならば可能な限り薄いほうがよい。
【0048】さらに、本発明の光学記録媒体は、図2に
示すように、記録層2上に記録及び再生レーザー光に対
して透明な保護層3を例えば接着層4を介して設けるこ
とができる。該保護層3は、基板1側から光を照射する
場合は不透明でも差支えない。
【0049】また、図3に示すように、基板1と記録層
2の間に下引層5を設けても良い。
【0050】また、図4に示すように、保護層3及び下
引層5を共に用いることも可能である。
【0051】下引き層は(a)接着性の向上、(b)水
またはガスなどのバリヤー、(c)記録層の保存安定性
の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤からの基板の
保護および(f)プレグループの形成などを目的として
設けられる。(a)の目的に対しては高分子材料、例え
ばアイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹
脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の材
料もしくはシランカップリング剤などの種々の物質を用
いることができ、(b)、(c)の目的に対しては上記
高分子材料以外に無機化合物、例えばSiO2、Mg
2、SiO、TiO2、ZnO、TiN、SiNなど、
金属または半金属、例えばZn、Cu、S、Ni、C
r、Ge、Se、Cd、Ag、Alなどを用いることが
できる。(d)の目的に対しては金属、例えばAl、A
gなど、または金属光沢を有する有機薄膜、例えばシア
ニン染料、メチン染料などを用いることができる。そし
て(e)、(f)の目的に対しては紫外線硬化樹脂、熱
硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
下引き層の膜厚は50Å〜100μm、好ましくは20
0Å〜30μmが適当である。
【0052】また、保護層は、キズ、ホコリ、汚れなど
からの保護および記録層の保存安定性の向上および反射
率の向上を目的として設けられ、その材料としては下引
き層と同じ材料を使用することができる。保護層の膜厚
は100Å以上、好ましくは1000Å以上が適当であ
る。
【0053】この際、下引き層および/または保護層中
には本発明の色素が含有されていてもよい。また、下引
き層または保護層には安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、
帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などが含有されていて
もよい。
【0054】さらに、本発明による光学記録媒体の別の
構成としては、図1から図4に示した同一構成の2枚の
記録媒体(場合によりその1枚を基板のみとして)を用
い記録層2を内側に配置して密封したいわゆるエアーサ
ンドイッチ構造にしてもよいし、保護層3を介して接着
したいわゆる密着構造(貼り合せ構造)にしてもよい。
【0055】本発明において、基板1はガラス板、透明
セラミックス板、PVC、ポリメチルメタクリレート、
ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリオレフィン樹
脂等の透明プラスチック板などを使用することができ
る。特に、光学的に複屈折が無く、かつ硬くて傷の付き
にくいポリメチルメタクリレートが好ましい。基板は光
学的に透明材料であることが好ましい。
【0056】又、これらの基板の表面にトラッキング用
の溝やプレピット等が形成されていてもよい。
【0057】更にまた、保護基板3としては、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルフォ
ン、塩化ビニル等を用いることができるが、特に薄い保
護基板には屈曲に対して強く印刷用のインク等の密着性
が良く、かつ安価なポリカーボネートが好ましい。
【0058】次に図1に記載した様に記録層中に核酸及
び色素を含有してなる光記録媒体への情報の記録、再生
方法について説明すると、情報記録方法としては通常の
記録方法と同様に図1の光記録媒体に対して記録光を照
射して記録層の形状変化を伴う、或いは記録層の形状変
化を伴わないピットを形成せしめる事によって情報の記
録を行うことができる。そして特に記録光照射部におけ
る記録層の蛍光発光能力を実質的に消去せしめる事は高
いS/N比での情報再生を行ううえで好ましい。なお本
発明において蛍光発光能力の消去とは例えば、記録光照
射部の記録層中の有機色素の分解(脱色)あるいは核酸
を分解させる事である。即ちこの様な記録部の蛍光発光
能力を消去せしめて記録した情報は、例えば該色素が核
酸との共存下で発光する様な光を再生光として用いて再
生した場合、蛍光発光部(情報未記録部)と無発光部
(情報記録部)とのコントラストを検出して情報の再生
を行うことができ高いS/N比での情報再生が可能であ
る。
【0059】ここで記録層の蛍光発光能力を実質的に消
去せしめる様な記録光は、記録層に含有させる核酸及び
色素の種類によって変化する為、一概に決まるものでな
いが、記録層の吸収極大波長近傍に発振波長を有する様
なレーザ光は記録層での光熱変換によって記録層中の色
素を効率よく分解させることができ好ましいものであ
る。
【0060】次に図5は本発明に掛かる光記録媒体の他
の実施態様の概略断面図であり、同図5に於いて11は
基板、12は基板11上に設けられた記録層であって、
該記録層12は核酸を含有する層12−1及び該核酸と
の共存下で光照射によって蛍光発光する色素を含む層1
2−2の積層膜を有するものである。そしてこの様な構
成に於いて、層12−1に含有させる核酸及び層12−
2に含有させる色素共前記したものを用いることができ
る。
【0061】又、この光記録媒体の製造方法も又図1に
示した構成の光記録媒体の製造方法と同様に塗布法や蒸
着法等の種々の方法を適用することができるが、例えば
層12−1及び層12−2を共に塗布法で形成する場
合、例えば、基板上に、最初に核酸を水系の溶媒で塗布
しておいて、核酸層を乾燥させた後、次に蛍光色素をハ
ロゲン系などの水と混合しない溶媒で塗布すれば良い。
【0062】そしてかかる構成の光記録媒体への情報の
記録方法としては、例えば (i)予め層12−1及び層12−2の界面に於いて核
酸と色素とが共存する状態を形成し(初期化)、その後
該記録層12に記録光を照射してピットを形成せしめて
情報を記録する方法、が挙げられる。
【0063】そして上記(i)の方法で記録する場合、
ピット部は蛍光発光能力が実質的に消去されているよう
にすることが好ましく、このような記録を行った光記録
媒体は再生光として該色素が核酸との共存下で発光する
ような光を用いることにより、蛍光発光部(情報の非記
録部)と無発光部(情報の記録部)とのコントラストを
検出することで、高いS/N比での情報の再生を行うこ
とができる。
【0064】
【0065】
【実施例】次に実施例を用いて本発明を更に詳細に説明
する。
【0066】(合成例1)以下の方法で前記表1の化合
物1を合成した。
【0067】無水酢酸100mlと濃硫酸30mlとを
冷却しながら混合し、得られた混合液をウォーターバス
で80℃に保ちながら3時間加温した。そこに無水酢酸
20ml、p−ジメチルアミノアセトフェノン30ml
を室温下で加え、その後45℃に温度を上昇させて24
時間攪拌し反応させた。この反応液に等量のエタノール
を加え、冷却し、更にヨウ化カリウム水溶液を加えると
粗結晶が析出した。この粗結晶を濾過により回収し、エ
タノール/エーテルの混合系で再結晶させて、2、4−
ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−メチルピリ
リウム アイオダイドの緑色の結晶を得た。 得られた化合物1の分析結果 融点:254〜257℃ UV/可視(CH3CN ε×10-4)λmax:44
4nm(2.43)、550nm(8.24) NMR(1H、DMSO)δppm:8.3737(1
H、s)、8.2729(1H、d、J=9.0H
z)、8.1795(1H、d、J=9.0Hz)、
7.8864(1H、s)、6.9117(4H、t、
AB=JBC=9.77)、3.1829(6H、s)、
3.1340(6H、s)、2.6809(3H、s) FAB mass m/z 333 IR(KBr)νcm-1:1645、1610(s
h)、1580(s)、1490(s)、1270、1
200、1160 (参考例1)合成例1で得た化合物1を10%アセトニ
トリルを含む10mMリン酸緩衝液に溶解し、化合物1
の最終濃度が1×10-4Mになる様に調整した。
【0068】一方直径130mmφ、厚さ1.2mmの
ガラス製ディスク基板上に2P法でスパイラル状のトラ
ック溝を形成し、このディスク基板のトラック溝形成面
に上記の化合物1の溶液をスピンコート法で塗布して厚
さ(1000)Åの記録層を形成し、参考例1のディス
クを作成した。
【0069】(実施例1) 合成例1で得た化合物1を10%アセトニトリルを含む
10mMリン酸緩衝液に溶解し、化合物1の最終濃度が
1×10−4Mになる様に調整し、これをサンプルIと
した。
【0070】次に、Salmon sparm DNA
(Sigma社製)をTE緩衝液(10mM Tris
−1mM EDTA)に溶解し、フェノール抽出により
精製した。取扱を容易にするために、この精製物を更に
制限酵素EcoRIで消化処理し、得られた処理液をD
NA溶液とした。このDNA溶液の一部とサンプルIの
一部とを混合して、DNAの最終濃度が50μg/ml
となるように調整し、更に、化合物1の最終濃度が1×
10-4Mになるように調整して、記録層の塗布溶液と
し、この溶液を参考例1と同様に作成したディスク基板
上にスピンコート法で塗布し、厚さ1000Åの記録層
を形成して実施例1のディスクを作成した。
【0071】そして参考例1のディスク及び実施例1の
ディスクの記録層の吸収スペクトルを測定したところ参
考例1のディスクは570nmであったのに対して実施
例1のディスクは610nmであった。
【0072】又参考例1のディスクと実施例1のディス
クの記録層の蛍光スペクトルを測定したところ550n
mの光で励起した場合、参考例1のディスクは650n
m付近に弱いピークが検出されたのに対して実施例1の
ディスクは参考例1のディスクの約100倍の蛍光強度
のピークが650nm付近に検出された。
【0073】以上の結果から化合物1が核酸の強力なイ
ンターカレーターであることが分かる。
【0074】次に実施例1のディスクに以下の条件で情
報の記録及び再生を行った。
【0075】即ちKr+イオンレーザ(発振波長56
8.2nm)を用い、偏光ビームスプリッター(P.
B.S)により記録光と再生光の2ビームに分け、記録
光はさらにAO変調器により変調可能とし、記録パワ1
0mW、再生パワー1mWで1800rpmで回転させ
たディスクに、基板側より記録層にスポットサイズ1.
5μmφ、記録周波数1MHzで情報を書き込み、再生
光により再生した。
【0076】その結果良好なS/N比の再生信号が得ら
れた。
【0077】(参考例2)参考例1に於いて化合物1を
化合物16に代えた以外は参考例1と同様にして参考例
2のディスクを作成した。
【0078】(実施例2)実施例1に於いて化合物1を
化合物16に代えた以外は実施例1と同様にして実施例
2のディスクを作成した。
【0079】上記参考例2及び実施例2のディスクにつ
いてその吸収スペクトルの極大値は表2に示す通りであ
った。
【0080】
【表20】 又、参考例2のディスクと実施例2のディスクの記録層
の蛍光スペクトルは(キセノンランプ)で励起したとこ
ろ、参考例2のディスクは825nmに弱いピークが検
出されたのに対して実施例2のディスクは、参考例1の
ディスクの約5倍の蛍光強度のピークが825nm付近
に検出された。
【0081】以上の結果から化合物16が核酸のインタ
ーカレーターであることが分かる。
【0082】次に実施例2のディスクに以下の条件で情
報の記録及び再生を行った。
【0083】即ち、発振波長750nmのAlGaAs
半導体レーザを用い記録パワー10mW、再生パワー1
mWで実施例1同様に記録再生を行ったところ、十分な
S/N比の再生信号を得られた。
【0084】(実施例3)実施例1に於いて、記録層の
構成を図5に記載した様に核酸層12−1及び化合物1
の層12−2の積層構造とした以外は実施例1と同様に
してディスクを作成した。
【0085】このディスクに、以下の条件で情報の記録
を行った。このディスクの記録層を550nmの光で励
起したところ650nm付近に蛍光強度のピークが認め
られ、特に情報記録部は非記録部と比べ約100倍の蛍
光強度が検出された。
【0086】次いでこのディスクを以下の条件で再生し
た。
【0087】即ち実施例1のレーザ光学系を用い、記録
パワー2mW、再生パワー0.2mWとした以外は実施
例1と同様に記録再生を行った。
【0088】その結果十分なS/N比の再生信号を得る
ことができた。
【0089】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば高品質
な再生信号を得られる情報の記録及び/又は再生を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録媒体の一実施態様を示す概
略断面図。
【図2】本発明に係る光記録媒体の他の実施態様を示す
概略断面図。
【図3】本発明に係る光記録媒体の他の実施態様を示す
概略断面図。
【図4】本発明に係る光記録媒体の他の実施態様を示す
概略断面図。
【図5】本発明に係る光記録媒体の他の実施態様を示す
概略断面図。
【符号の説明】
1、11 基板 2、12 記録層 3 保護基板 4 接着層 5 下引層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G11B 7/24 516 C07D 309/34 // C07D 309/34 B41M 5/26 Y (72)発明者 三東 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−278987(JP,A) 特開 平3−278988(JP,A) 特開 平5−101454(JP,A) 特開 昭62−28292(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、核酸及び該核酸との共存下で
    光照射により蛍光発光する色素を含む記録層を有する光
    記録媒体であって、該色素は、該核酸と相互作用し、該
    核酸との共存下での蛍光強度が該色素単独の状態に比べ
    て増加することを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 該色素が前記核酸にインターカレートす
    る請求項1の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 該核酸が、DNA、RNA、二本鎖核
    酸、もしくは、一本鎖核酸の分子内二本鎖部分である請
    求項1の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 該色素が下記一般式〔I〕で示されるピ
    リリウム系色素化合物である請求項1の光記録媒体。 【外1】 (上記一般式〔I〕において、 【外2】 は、六員環を示し、XはO、S、SeまたはTeであ
    り、ピリリウム環もしくはピリリウム類似環を示し、 R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子、スルボネート基、アミノ基、スチリル基、ニトロ
    基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、置換
    もしくは未置換低級アルキル基、置換もしくは未置換ア
    リール基、置換もしくは未置換低級アルアルキル基また
    は置換もしくは未置換シクロアルキル基を示し、 Rは、−Aまたは−L−Aであり、 Lは、−L−、−L−L−または−L−L
    −であり、L〜Lはそれぞれ独立して、−(C
    H=CH)−、置換もしくは未置換のアリール基から誘
    導される2価の基、置換もしくは未置換の低級アルキレ
    ン基または−CH=R−(Rはオキソ基を有する環
    構造を示す)を表し、 Aは、置換もしくは未置換のアリール基、−CH=R
    (Rは、置換もしくは未置換の複素環、置換もしくは
    未置換のシクロアルキル基または置換もしくは未置換の
    芳香環を示す)を表し、 Xを含むピリリウム環もしくはその類似環のR
    、Rが結合していない炭素原子に結合している水
    素原子は、ハロゲン原子、スルホネート基、アミノ基、
    スチリル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル
    基、シアノ基、置換もしくは未置換低級アルキル基、置
    換もしくは未置換アリール基または置換もしくは未置換
    低級アルアルキル基で置換されていても良く、 Yはアニオンを示す。)
  5. 【請求項5】 前記一般式〔I〕においてR及びR
    が共に置換もしくは未置換のアリール基である請求項4
    の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記一般式〔I〕において、Xを含む複
    素環の2位と4位が置換もしくは未置換のアリール基で
    置換され、3位、5位及び6位のいずれかがRで置換
    されている請求項4の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記一般式〔I〕において、Xを含む複
    素環の3位と5位が置換もしくは未置換のアリール基で
    置換され、2位、4位及び6位のいずれかがRで置換
    されている請求項4の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記一般式〔I〕において、Xを含む複
    素環の2位と6位が置換もしくは未置換のアリール基で
    置換され、3位、4位及び5位のいずれかがRで置換
    されている請求項4の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記一般式〔I〕において、Xを含む複
    素環を構成する炭素原子のうち、(n)位及び(n+
    2)位の炭素原子が、置換もしくは未置換のアリール基
    で置換されている請求項4の光記録媒体(但しnは、正
    の整数である)。
  10. 【請求項10】 前記一般式〔I〕において、−L−が
    下記一般式〔II〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕ま
    たは〔VI〕で表される基である請求項4〜9の光記録
    媒体。 【外3】 (上記一般式〔II〕中、Zは水素原子または置換もし
    くは未置換低級アルキル基を表し、nは0、1または2
    である。) −φ−(CH=CH)− 〔III〕 (上記一般式〔III〕中、nは0、1または2であ
    り、Φは置換もしくは未置換o−、m−またはp−フェ
    ニレン基を表す。) −CH=CH−φ−CH=CH− 〔IV〕 (上記一般式〔IV〕中、φは置換もしくは未置換o
    −、m−またはp−フェニレン基を表す。) 【外4】
  11. 【請求項11】 前記一般式〔I〕で表される色素が下
    記の構造を有する請求項4の光記録媒体。 【外5】 (上記一般式中、XはOまたはSを表し、Yはアニオ
    ンを表す。)
  12. 【請求項12】 前記一般式〔I〕で表される色素が下
    記の構造を有する請求項4の光記録媒体。 【外6】 (上記一般式中、XはOまたはSを表し、Yはアニオ
    ンを表す。)
  13. 【請求項13】 該記録層が、該核酸と該色素とが混合
    された膜を有する請求項1の光記録媒体。
  14. 【請求項14】 該記録層が該核酸を含む層と該色素を
    含む層との積層膜を有する請求項1の光記録媒体。
  15. 【請求項15】 基板上に、核酸及び該核酸との共存下
    で光の照射により蛍光発光可能な色素を含む記録層を有
    する光記録媒体に、記録光を選択的に照射して情報の記
    録を行う事を特徴とする光学記録媒体を用いた光記録方
    法。
  16. 【請求項16】 該記録層の発光能力を消去せしめて情
    報の記録を行う請求項15の光記録方法。
  17. 【請求項17】 基板上に、核酸及び該核酸との共存下
    で第1の光の照射により蛍光発光可能な色素を含む記録
    層を有し、第2の光の選択的な照射によって該記録層の
    発光能力が選択的に消去させられて情報の記録がなされ
    た光記録媒体に該第1の光を照射して、発光部と非発光
    部とのコントラストを検出することによって情報の再生
    を行うことを特徴とする情報再生方法。
  18. 【請求項18】 基板上に、核酸及び該核酸にインター
    カレートする色素を含む記録層を有することを特徴とす
    る光記録媒体。
  19. 【請求項19】 蛍光色素と核酸とが溶媒中に溶解ある
    いは分散した溶液を基板上に塗布することにより形成さ
    れた記録層を有することを特徴とする光記録媒体。
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