JP3436624B2 - 自動車のスペアタイヤ収納装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車後部を閉鎖
する位置から後方水平位置へ開放されるリヤゲートの背
後に、車幅方向位置から車両前後方向へ回動可能に配置
されたキャリアアームに取付けられた自動車のスペアタ
イヤ収納装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のスペアタイヤ収納装置を備えた
所謂ＲＶは周知であり、さらに停車状態でキャリアアー
ムを車両前後方向に沿って回動させた状態でリアゲート
を車両後方へ水平状態に開放させて着座等を行うことも
できる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
回動式のスペアタイヤ収納装置が開閉されるリヤゲート
に隣接した構成に着眼して、スペアタイヤ収納装置の機
能性を向上させることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するために、自動車後部を閉鎖する位置から後方水平
位置へ回動可能なリヤゲートの背後に配置され、かつ車
幅方向位置から車両前後方向へ回動可能なキャリアアー
ムに取付けられたタイヤ収納基部と、このタイヤ収納基
部にスペアタイヤが収納された状態でタイヤ収納基部の
後面を閉鎖するタイヤ収納蓋とより構成された自動車の
スペアタイヤ収納装置において、タイヤ収納基部の背面
に、キャリアアームを車両前後方向へ回動させた状態で
使用可能にするテーブルを収納するテーブル収納凹部を
形成し、このテーブルの基端部を、後方水平位置へ回動
させたリヤゲートに着座して使用させる位置に向けて前
記テーブルを車幅方向へ水平状態に回動させるように、
テーブル収納凹部にヒンジし、テーブルを水平状態に支
持するテーブル支持具をテーブルに付属させたことを特
徴とする。

【０００５】リヤゲートは、キャリアアームを車両前後
方向へ回動させた状態で後方水平位置へ回動させ着座等
を行える。テーブルを収納状態から車幅方向へ水平状態
に回動させると、リヤゲートに沿ってその上方へ位置付
けされ、リヤゲートに着座した状態で使用可能になる。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１乃至図５を基に本発明の一実
施形態による自動車のスペアタイヤ収納装置を説明す
る。図１において、自動車後部には、リヤゲート１がそ
の閉鎖位置から後方水平位置へ回動自在に下端部でヒン
ジされている。その背後にスペアタイヤ収納装置７が取
付けられたキャリアアーム３が配置され、ピン３ａによ
り車幅方向の一方の端部で自動車後部にヒンジされてい
る。スペアタイヤ収納装置７は、キャリアアーム３に固
定されてスペアタイヤ５を収納する円形ケース状タイヤ
収納基部７ａと、その後面を閉鎖するタイヤ収納蓋７ｂ
とより構成されている。

【０００７】タイヤ収納基部７ａの背面には、三折りの
テーブル１０を収納するテーブル収納凹部１１が形成さ
れている。その基端側のテーブル部分１０ａの下端部は
テーブル収納凹部１１の上端部に両側のピン１１ａでヒ
ンジされ、このテーブル部分１０ａ、中間位置のテーブ
ル部分１０ｂ及び先端のテーブル部分１０ｃは同一面に
展開されるように順にヒンジされている。テーブル部分
１０ｃの先端部には、凹状把手１９が形成されている。
これらのテーブル部分間は、図２に示すように、ヒンジ
板１２の側面のピン１２ａで連結され、その表面の凹部
には、テーブル部分１０ａ〜１０ｃを同一面位置を保持
するように、それぞれの端面の係入穴１３ｂへ係入させ
るロック爪が両側に形成されたロック具、即ち回転操作
レバー１３がテーブル支持具として取付けられている。
テーブル収納凹部１１の上壁位置は、リヤゲート１に着
座した状態でテーブル１０の高さを好適にヒンジするよ
うに設定され、下壁位置はリヤゲート１の水平開放位置
に対応している。

【０００８】第３のテーブル部分１０ｃの表面には、図
３に示すように、テーブル１０を水平位置に支持するテ
ーブル支持具として伸縮可能な３段の脚２０が収納され
る脚収納凹部２１が形成されている。この脚は、側部に
ロックねじ２２を備えることにより、各脚部分２０ａ〜
２０ｃが互に収納された状態から伸ばされた状態をロッ
クするようになっている。脚収納凹部２１には、圧縮さ
れた脚２０を吸着する磁石２３が埋め込まれている。

【０００９】図４及び図５に示すように、タイヤ収納蓋
７ｂの上部には、照明ランプ３０が前方へ向けて突設さ
れ、閉鎖状態でタイヤ収納基部７ａの上面位置を占める
ようになっている。この照明ランプは、車両前方及び後
方へ光照射をするように、前部にはランプレンズ３１を
取付けられると共に、後方に向けてアクリル製の導光部
３２が取付けられている。タイヤ収納蓋７ｂの中心部は
円形の透明窓３３として形成されると共に、この透明窓
に、文字、図形等が描記された表示部を有する透光性の
図版３４が背後からアクリル製の裏蓋３５で装着されて
いる。この裏蓋の周囲には間欠的に係合片３５ａが突設
され、タイヤ収納蓋７ｂの対応形状の突片３８に回転操
作で係合されるようになっている。この状態で、照明ラ
ンプ３０の発光が導光部３２を通して裏蓋３５に導光さ
れ、図版３４は背後から照明する。

【００１０】このように構成された自動車のスペアタイ
ヤ収納装置の動作及び使用方法を図５乃至図８を参照し
て説明する。図６に示すように、夜間のタイヤ交換時に
は、タイヤ収納蓋７ｂを車幅方向へ開放すると、スペア
タイヤ収納装置部分は照明ランプ３０で照明できる。図
７に示すように、キャリアアーム３を車両後方へ向けて
回動させ、リヤゲード１を後方水平位置に開放した状態
で、テーブル収納凹部１１からテーブル１０を引出して
水平状態に回転操作レバー１３でロックすると共に、脚
２０を引出して垂直状態にロックねじ２２でロックして
テーブル１０を支持させる。これにより、テーブル１０
はリヤゲート１の後端部に沿ってその上方へ位置付けさ
れ、リヤゲート１に着座した状態で使用可能になる。ま
た、夜間には照明ランプ３０で使用状態のテーブル１０
を車幅方向から照明することもできる。

【００１１】図８に示すように、テーブル１０の先端側
の２個のテーブル部分１０ｂ、１０ｃのみを水平状態に
引出すと、リヤゲート１の面積を広げたり、足をのせる
ことが可能となる。夜間或は昼間の通常走行時に、タイ
ヤ収納蓋７ｂを閉鎖させた状態で照明ランプ３０を点灯
させることにより、図版３４のイラスト、広告等の表示
部を後方へ向けて発光表示させることができる。

【００１２】尚、別の実施形態としてテーブルは１枚板
として車幅方向の長さを短くした小形に構成すると共
に、支持具としてその裏面及びテーブル収納凹部間に折
曲げ可能な支持アームを斜めに設けることもできる。１
枚板のテーブルを水平状態に支持する支持具として、テ
ーブルを支持する回転軸に、リヤゲートに沿ってその上
方位置にテーブルをロックするロック部材を付属させる
こともできる。

【００１３】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、着座部として
利用できるリヤゲートにテーブルを付属させることが可
能となる。請求項２の発明によれば、夜間のタイヤ交換
時に照明することが可能となる。また、テーブルを車幅
方向から照明することも可能となる。請求項３の発明に
よれば、タイヤ収納蓋の図版のイラスト或は広告等を発
光表示させ得るため、見栄え或は広告効果を向上させる
ことができる。請求項４の発明によれば、テーブルを三
折りにすることにより、リヤゲート車幅方向に沿って長
く展開可能となる。２個のテーブル部分のみを展開する
ことにより、足のせもしくはリヤゲートの面積を広げる
のに利用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態による自動車のスペアタイ
ヤ収納装置の分解斜視図である。

【図２】同スペアタイヤ収納装置のテーブルのヒンジ部
分の分解斜視図である。

【図３】同テーブルの脚の斜視図である。

【図４】同スペアタイヤ収納装置の蓋の分解斜視図であ
る。

【図５】同スペアタイヤ収納装置の蓋の断面図である。

【図６】同スペアタイヤ収納装置の照明ランプの使用状
態を示す斜視図である。

【図７】同スペアタイヤ収納装置のテーブルの使用状態
を示す斜視図である。

【図８】同テーブルの別の使用状態を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ リヤゲート ３ キャリアアーム ７ スペアタイヤ収納装置 ７ａ タイヤ収納基部 ７ｂ タイヤ収納蓋 １０ テーブル １１ テーブル収納凹部 ２０ 脚 ２１ 脚収納凹部 ３０ 照明ランプ ３４ 図版

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車後部を閉鎖する位置から後方水平
   位置へ回動可能なリヤゲートの背後に配置され、かつ車
   幅方向位置から車両前後方向へ回動可能なキャリアアー
   ムに取付けられたタイヤ収納基部と、このタイヤ収納基
   部にスペアタイヤが収納された状態でタイヤ収納基部の
   後面を閉鎖するタイヤ収納蓋とより構成された自動車の
   スペアタイヤ収納装置において、 タイヤ収納基部の背面に、キャリアアームを車両前後方
   向へ回動させた状態で使用可能にするテーブルを収納す
   るテーブル収納凹部を形成し、 このテーブルの基端部を、後方水平位置へ回動させたリ
   ヤゲートに着座して使用させる位置に向けて前記テーブ
   ルを車幅方向へ水平状態に回動させるように、前記テー
   ブル収納凹部にヒンジし、 前記テーブルを水平状態に支持するテーブル支持具を前
   記テーブルに付属させたことを特徴とする自動車のスペ
   アタイヤ収納装置。
2. 【請求項２】 タイヤ収納蓋の外部上面に、キャリアア
   ームが車両前後方向へ回動した状態で車幅方向へ光照射
   する照明ランプを取付けたことを特徴とする請求項１の
   自動車のスペアタイヤ収納装置。
3. 【請求項３】 タイヤ収納蓋の中心部分に、表示部分を
   有する透光性の図版と、この図版をその裏側から保持す
   る透光性の裏蓋とを備え、照明ランプの背後に、その発
   光を前記裏蓋に導光する透光部材を介在させたことを特
   徴とする請求項２の自動車のスペアタイヤ収納装置。
4. 【請求項４】 テーブル収納凹部に三折りのテーブルを
   収納すると共に、基端側の第１のテーブル部分の下端部
   を前記テーブル収納凹部の上端部にヒンジし、前記第１
   のテーブル部分、中間位置の第２のテーブル部分及び先
   端側の第３のテーブル部分を順にヒンジし、前記各テー
   ブル部分に水平状態を保持させるテーブル支持具として
   のロック具を付属させ、 前記第３のテーブル部分に脚収納凹部を形成して、この
   脚収納凹部に前記第１乃至第３のテーブル部分が水平に
   展開された状態を支持し、かつ伸縮自在に形成されたテ
   ーブル支持具としての脚を収納することを特徴とする請
   求項１の自動車のスペアタイヤ収納装置。