JP4519347B2 - 照明装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井や壁などに設置され、特定の被照明物を照明する照明装置に係り、さらに詳しくは、例えば、教室の天井に設置されて壁面に設けた黒板全体を均一に照明する黒板灯などに実施することのできる照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来のこの種照明装置の一例の斜視図、図7は図6の縦断面図、図8は図7のB−B断面図、図9は作用説明図である。
図において、1は、天板2、両側板3及び長手方向の両端部に設けられた端板4からなり、下面が開放された箱状の本体で、天板2の幅方向のほぼ中央部において本体1の長手方向には、Z字状の複数の支持腕30が設けられている。31は支持腕30の下部と側板4との間に設けられた底板で、この底板31上には電装品32が配設されており、底板31の下面には本体1の長手方向の全長に亘る第3の反射板47が取付けられている。
【0003】
45は両側縁部が本体1の側板3の下部と支持腕30に固定され、本体の長手方向の全長に亘って配設された第2の反射板で、両端部には、端板4と所定の距離を隔てて斜め下方に向う支持板46が設けられている。33は本体1の端板4に固定されたソケット取付具で、このソケット取付具33には、第2の反射板45の下方で、かつ支持板46の内側において、ランプソケット16が取付けられている。
【0004】
40は第1の反射板で、ランプソケット16の外周に対応する円弧状の頂部41と、その一方の側に延設された短辺42と、他方の側に延設された短辺42より長い長辺43とにより、断面ほぼ正三角形状に形成されており、両端部には側板44が設けられている。
【0005】
この第1の反射板40は、頂部41をソケット16の外周に添わせると共に、短辺42を本体1内に、長辺43を本体1の開口部から下方に突出して位置させ、両側板44を本体1の端板4と、第2の反射板45の支持板46との間に位置させて本体1内に挿入し、側板44をねじ等34により支持板46に回動可能に支持させて、本体1に取付けられる。なお、25は第1の反射板40内において、ランプソケット16に取付けられた光源(蛍光灯)である。
【0006】
上記のような従来の照明装置においては、例えば図9に示すように、教室の天井50に設置された照明装置により、壁面に取付けた黒板51を照明する場合、黒板51の高さ位置に応じて第1の反射板40の角度を変えることにより、常に黒板51の全面を照明できるようになっている。
すなわち、図9の高さ位置に黒板51が設けられている場合は、第1の反射板40を、例えば実線の位置に保持し、黒板51の位置がこれより低い位置にある場合は、第1の反射板40をねじ等34を軸にソケット16に沿って回動し、破線40aの位置に保持して黒板51を照明する。また、黒板51の位置が高い場合は、同様にして第1の反射板40を回動し、破線40bの位置に保持して黒板51を照明する。
このように、被照明物の位置に応じて第1の反射板40を回動し、常にその全面を照射する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の照明装置は、本体1内に第1〜第3の3個の反射板40,45,47等の部材が設けられているため、構造が複雑で製造が面倒であるばかりでなく、多くの材料を必要とするためコストが高くなるという問題があった。
また、ランプソケット16が、本体1の端板4から離れた位置にある第2の反射板45の支持板46のさらに内側に設けられているので、端板4とランプソケット16との間が離れている。このため、光源25に通常の蛍光灯を使用する場合は、本体1の長さを長くしなければならず、一般の照明装置の本体を使用することができない。
さらに、第1の反射板40はその長辺43が本体1の開口部から大きく下方に突出しているため、物が当って変形したり破損したりするおそれがあり、意匠上も好ましくない。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、構造が簡単でコストを低減することができ、その上意匠的にも優れた照明装置を提供することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る照明装置は、下面が開放された箱状の本体と、該本体とほぼ同じ長さで該本体内に収容された角度可変の反射板とを有し、部がほぼ円弧状の断面ほぼ直角三角形状に形成された反射板の前記頂部の近傍に設けられて前記反射板を前記本体の端板に着脱可能に固定する固定手段と、前記本体の端板の上下方向に設けられて前記反射板に設けた固定手段が係止する複数の係止穴と、前記反射板の背面側に設けたソケット取付具、及び前記頂部の内側に前記端板に近接して設けたランプソケットとを有し、前記反射板の固定手段に、背面側に設けた前記ソケット取付具に長手方向に摺動可能で常時端板側に付勢される可動軸を設け、該可動軸を前記本体の端板に設けた係止穴に着脱可能に挿入するように構成し、前記反射板を前記本体内に収容してその長辺を本体の側板の開口部側に設けたヒンジに連結したものである。
【0013】
上記の可動軸につまみを設け、該つまみを反射板の内面に突出させて該反射板の内側から操作しうるように構成した。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る照明装置の縦断面図、図2は図1のA−A断面図である。
両図において、1は図7の従来技術で説明したように、天板2、両側板3及び長手方向の両端部に設けられた端板4からなり、下面が開放された箱状の本体で、下端部(開放部側)の外周にはフランジ5が設けられている。なお、端板4の近傍の構造は、両端部とも同じなので、以下、一方の側について説明する。
【0015】
端板4には、幅方向の中心部の両側に、下方から上方に向って順次中心部側に位置する複数の長穴6a,6b,6c、6d,6e,6f(以下、係止穴といい、単に6と記すことがある)が所定の間隔で、かつ対称的に設けられている。なお、この係止穴6を3個ずつ設けた場合を示したが、2個ずつ以上であればよく、また、中心部に対して一方の側だけに設けてもよい。7は天板2の一方の隅部に設置された安定器、電源端子、非常用バッテリー等の電装品(図示せず)である。
【0016】
10は本体1の長手方向とほぼ同じ長さで本体1内に収容された反射板で、ほぼ円弧状の頂部11と、その一方の側がほぼ垂直に下方に延設された短辺部12と、他方の側がある角度で短辺部12の下端部と同一平面上まで斜めに延設された長辺部13とからなり、頂部11がほぼ円弧状に形成された断面ほぼ直角三角形状に形成されている。そして、長辺部13の先端部にはヒンジ部8が連結されており、ヒンジ部8はフランジ5に設けた穴5aに挿入され、回動可能に構成されている。なお、この頂部11は、必ずしも円弧状に形成する必要はなく、短辺部12と長辺部13を結ぶ直線状、山形状等に形成してもよい。
15は反射板10の頂部11の背面側の端部に設けられ、一部が内面側に突出するソケット取付具で、反射板10の内面側にはランプソケット16が取付けられている。
【0017】
21はつまみ22を有する可動軸で、図3に示すように、端板4に設けた係止穴6と、ソケット取付具15に設けたガイド板18a,18bの挿通穴19a,19bに摺動可能に挿入されており、また、つまみ22は反射板10の長手方向に設けた摺動穴17aと、これと直交して設けた保持穴17bとからなるL字状のガイド穴17に摺動可能に挿入され、反射板10の内面側に突出している。23はソケット取付具15のガイド板18bと、可動軸21のつまみ22との間に介装されたばねで、可動軸21を常時端板4方向に付勢しており、これらにより反射板10の固定手段20を構成する。25は反射板10の内面側においてランプソケット16に装着された光源(蛍光灯)である。
【0018】
次に、上記のように構成した本発明の作用について説明する。なお、以下の説明では、照明装置は天井に埋込まれており、壁面に設けた黒板を照明する場合の例を示す。
図1の状態では、可動軸21は本体1の端板4の最下部に設けた係止穴6aに挿入されており、つまみ22は反射板10に設けたガイド穴17の保持穴17b内に挿入され、可動軸21はその位置に保持されている。この状態では、反射板10の短辺部12と長辺部13の下端部は、本体1の下端端部とほぼ同一平面上にあり、光源25からは、床面に対して、例えばほぼ55°方向に光を出力し、、反射板10によって反射した光により図の左側にある黒板(図示せず)の全面が均一に照明される。
【0019】
黒板が上記より若干下方に設置されている場合は、反射板10の内側からつまみ22を持って摺動穴17a内を端板4から後退(図の右方)させて保持穴17b内に移動し、これと一体の可動軸21をばね23に抗して後退させて、端板4の係止穴6aから離脱させる。そして、反射板10をヒンジ8を軸に上方(矢印a方向)に回動させ、ソケット取付具15のガイド板18aに設けた挿通穴19aを、端板4に設けた係止穴6bと整合させる。この状態でつまみ22を摺動穴17aの後端部17cに移動して手から離せば、可動軸21はばね23に付勢されて前進し、端板4の係止穴6bに挿入される。この状態を図4に示す。
【0020】
また、現場等において反射板10の角度を変える場合は、つまみ22を摺動穴17aの後端部17cへ移動させ、可動軸21を後退させて係止穴6から離脱させたのち、反射板10をソケット取付具15のガイド板18aに設けた挿入穴19aが、当該係止穴6から離れるまで回動させてつまみ22から手を離すようにしてもよい。これにより可動軸21はばね23に付勢されて前進し、端板4に当って停止する。この状態で反射板10をさらに可動させれば、挿入穴19aが次の係止穴6と整合すると同時に可動軸21が前進し、自動的に係止穴6に挿入される。
【0021】
この状態では、光源25が図1の場合より上方にあたり、光源25から床面に対して例えばほぼ60°の方向に光を出力し、図1の場合より下方にある黒板の全面を、反射板10によって反射した光によって均一に照明する。
【0022】
黒板が図4の場合よりさらに下方に設置されているときは、上述の手順により、図5に示すように、反射板10をヒンジ8を軸にさらに矢印a方向に回動させて、可動軸21を係止穴6cに挿入する。
これにより、光源25は図4の場合よりさらに上方に位置して、床面に対してほぼ65°の方向に光を出力し、図4の場合よりさらに下方にある黒板の全面を、反射板10により反射した光によって均一に照明する。
【0023】
上記の説明では、端板4の上下方向に3個の係止穴6を設け、この係止穴6のいずれかに反射板10に設けた可動軸21を結合して、光源25から出力する光の角度を55°,66°,65°に変える場合を示したが、係止穴6の数は2個以上であればよく、また、出力する光の角度も係止穴6の位置を変えることにより適宜設定することができる。
【0024】
また、上記の説明では、反射板10を、頂部11を電装品の反対側に位置させて本体1内に収容した場合を示したが、頂部11を電装品側に位置させて本体1内に収容し、長辺部13の先端部のヒンジ部8を他方の側のフランジ5に設けた穴5aに取付けるようにしてもよい。
さらに、本発明により黒板を照明する場合について説明したが、これに限定するものではなく、本発明に係る照明装置によれば、各種の被照明物を照明することができる。
【0025】
上記のように構成した本発明によれば、反射板10は1個だけでよいので従来装置に比べて構造が簡単で部品数が少なくなり、このため製造が簡単でコストを低減することができる。
また、ランプソケット16を本体1の端板4に近接して設けたので、特別な寸法の本体を別に設ける必要がなく、一般の照明装置の本体をそのまま用いることができる。
【0026】
さらに、係止穴6を端板4の中心部の両側にそれぞれ設ければ、端板4を本体1に取付ける際に、左右いずれでもよいので互換性を有する。また、反射板10を前後を逆にして本体1内に収容し取付けることもできる。
また、反射板10はどのような角度に変えても常に本体1内に位置し、本体1から外部に突出することがないので、物などが当って変形したり破損したりするおそれがなく、その上意匠的にすぐれた照明装置を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、構造が簡単で製造が容易であり、コストを低減することができる。
また、反射板はどのような角度に変えても本体から外部に突出することがないので、物が当って変形したり破損したりするおそれがなく、その上意匠的にすぐれた照明装置を得ることができる。
また、反射板の角度の変更が容易で、かつその位置に確実に固定することができる。
【0032】
また、照明装置の可動軸につまみを設け、このつまみを反射板の内面側に突出させて反射板の内側から操作しうるように構成したので、照明装置を天井等に設置したままの状態で固定手段を容易に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る照明装置の縦断面図である。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 図1の固定手段の縦断面図及びその下面図である。
【図4】 本発明の作用説明図である。
【図5】 本発明の作用説明図である。
【図6】 従来の照明装置の一例の斜視図である。
【図7】 図6の縦断面図である。
【図8】 図7のB−B断面図である。
【図9】 図6の作用説明図である。
【符号の説明】
1 本体、4 端板、6 係止穴、8 ヒンジ、10 反射板、11 頂部、12 短辺部、13 長辺部、15 ソケット取付具、16 ランプソケット、20 固定手段、21 可動軸、22 つまみ、23 ばね、25 光源。

Claims (2)

  1. 下面が開放された箱状の本体と、該本体とほぼ同じ長さで該本体内に収容された角度可変の反射板とを有し、
    部がほぼ円弧状の断面ほぼ直角三角形状に形成された反射板の前記頂部の近傍に設けられて前記反射板を前記本体の端板に着脱可能に固定する固定手段と、
    前記本体の端板の上下方向に設けられて前記反射板に設けた固定手段が係止する複数の係止穴と、
    前記反射板の背面側に設けたソケット取付具、及び前記頂部の内側に前記端板に近接して設けたランプソケットとを有し、
    前記反射板の固定手段に、背面側に設けた前記ソケット取付具に長手方向に摺動可能で常時端板側に付勢される可動軸を設け、該可動軸を前記本体の端板に設けた係止穴に着脱可能に挿入するように構成し、
    前記反射板を前記本体内に収容してその長辺を本体の側板の開口部側に設けたヒンジに連結したことを特徴とする照明装置。
  2. 前記可動軸につまみを設け、該つまみを反射板の内面に突出させて該反射板の内側から操作しうるように構成したことを特徴とする請求項記載の照明装置。
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