JP4710874B2 - 照明器具 - Google Patents

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本発明は、グレア防止部材を備える照明器具に関する。
スポットライト型の照明器具では、グレアを防止するためにランプから出射する光の照射方向前方にグレア防止部材が取付けられる。例えば、グレア防止部材がキャップ本体と、キャップ本体を支持する二股状の支持アームとから構成され、該支持アームの両端が、灯体側に取外し自在に固定された照明器具が知られている(特許文献1参照)。
特開平11−353906号公報
上記特許文献1に記載の照明器具では、キャップ本体の支持アームの一端に形成された軸部が、灯体側に設けられた板ばねによる押圧保持機構によって回転自在に保持され、ランプ交換のときには、ユーザが支持アームを持って押圧保持機構側へ圧力を加えつつ回動させることによってグレア防止部材の全体が約90度前方へ回動するので、ランプの前方側に空間が大きく形成され、ランプの交換作業が容易になる。ところが、ランプが大型で該ランプに覆い被さるキャップ本体も大型の場合には、グレア防止部材が約90度回動しただけでは、キャップ本体自体が邪魔になってランプの前方側に、ユーザが交換作業を容易に行える程度の空間が形成されないという問題がある。
また、上記特許文献1に記載の照明器具は、支持アームの一端に形成された軸部が押圧保持機構によって弾性的に保持されているだけであるので、ランプの交換作業時等において該軸部が押圧保持機構から不測に外れてグレア防止部材が落下する虞がある。
そこで、本発明は、グレア防止部材を備える照明器具において、ランプや反射鏡を交換するときにランプの前方側に大きな作業空間が形成されて、ユーザによるランプ等の交換作業が容易に行え、かつグレア防止部材が落下する虞がない照明器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ランプと、前記ランプから出射される光を反射して所定の照射方向へ案内する反射鏡と、前記反射鏡によるランプ光の照射方向前方に設置されるグレア防止部材と、を備える照明器具において、前記グレア防止部材は、前記ランプ光の照射方向前方位置と該位置から外れた位置との間で移動自在であり、かつ前記照射方向に沿ってスライド自在に設けられていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の照明器具において、前記グレア防止部材は、その支持点を中心に円弧を描くように回動自在であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の照明器具において、前記グレア防止部材は、前記照射方向前面に設置されるときに前記グレア防止部材の一部が前記反射鏡に係合して位置決めされることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、グレア防止部材がランプ光の照射方向前方位置と該位置から外れた位置との間で移動自在であり、かつ前記照射方向に沿ってスライド自在であるので、ランプや反射鏡を交換するときにランプの前方側に大きな作業空間が形成されて、ユーザによるランプ等の交換作業が容易に行え、かつグレア防止部材が不測に落下してしまう虞がない。
請求項3の発明によれば、グレア防止部材の一部が反射鏡に係合して位置決めされるので、グレア防止部材の取付け位置を容易に一定にすることができる。
本発明の一実施形態に係る照明器具について、図1乃至図11を参照して説明する。本実施形態の照明器具1は、図1に示されるように、照明器具本体2と、該照明器具本体2がアーム3を介して吊り下げられた状態で連結される点灯装置4とを備え、点灯装置4が生成した電力が電線コード5を介して照明器具本体2へ供給される。点灯装置4は、図示しない配線ダクトに連結されることによって天井の所定位置に固定されると共に電力を供給される。
照明器具本体2は、ソケットハウジング6と、ソケットハウジング6内のソケット7に螺入される高輝度放電灯(ランプ)8(図2参照)と、ソケットハウジング6の開口めねじ部に螺入固定された反射鏡9と、後に詳述するグレア防止部材11と、を備える。反射鏡9は、回転放物面の反射面を有し、高輝度放電灯8から出射される光を反射して所定の照射方向へ案内する。また、ソケットハウジング6は、その上面に形成された連結部6aとアーム3の下端とがヒンジ12により連結されることによってアーム3への取付け角度が調整自在に構成されて照明器具本体2からの光の照射方向が上下に調整できるようになっている。なお、本実施形態の高輝度放電灯8は、ランプ本体が比較的長尺な形状のランプである。
グレア防止部材11は、図3に示されるように、高輝度放電灯8の先端部に被される略筒状のキャップ部13と、キャップ部13から側方及びキャップ部13の長さ方向に延びる支持アーム14とを備える。支持アーム14は、クランク状に屈曲した部材であって、一端がキャップ部13に固定され、他端がソケットハウジング6への連結部16に構成されている。連結部16には長孔15が形成され、連結部16の先端16aは半円形に形成されて、該支持アーム14が後述する台座部19上において円滑に回動できるようになっている。また、反射鏡9の開口縁部9aには、図4に示されるように、溝部17が形成され、支持アーム14の屈曲部には、図5に示されるように、反射鏡9の溝部17に係合する凸部18が形成されている。凸部18は、グレア防止部材11が高輝度放電灯8の光の照射方向前方の所定位置に設置されるときに溝部17に係合する。
そして、ソケットハウジング6の開口部の外周には、図2に示されるように台座部19が突出形成され、該台座部19に支持アーム14の連結部16がスライド自在に連結される。台座部19は、連結部16の長さLmと略同等の長さLnを有する直方形のベース板部19aと、ベース板部19aに垂直に直交するレール板部19bとを備え、ベース板部19aの端部に連結部16の長孔15に係合するつまみねじ21を有する。つまみねじ21は、ユーザが回転することによってベース板部19aへの螺入量を容易に調整することができる。
本実施形態の照明器具1において、高輝度放電灯8、及び反射鏡9を交換するときの手順について、図6乃至図11を参照して説明する。図6は、グレア防止部材11が、グレアを防止する所定の位置に固定された状態(以下、通常状態という)を示している。通常状態では、グレア防止部材11のキャップ部13が高輝度放電灯8の先端部に深く被さり、支持アーム14の連結部16は、台座部19に略重なっている。また、支持アーム14の屈曲部の凸部18が反射鏡9の溝部17に係合して位置決めされ、反射鏡9に対するグレア防止部材11の位置が所定の位置に固定されている。
上記通常状態から、高輝度放電灯8、及び反射鏡9を交換するときには、ユーザは、つまみねじ21をいずれかの方向へ回転して緩め、グレア防止部材11を手前に引出して支持アーム14を図7の矢印A方向へスライド移動させる。このとき、支持アーム14の連結部16の一辺16b(図3参照)は台座部19のレール板部19bに当接して摺動するので、グレア防止部材11は、矢印A方向に沿って直線的にスライド移動する。
支持アーム14の矢印A方向へのスライド移動が終端に到達すると、連結部16の大部分が台座部19から外れた位置になるので、支持アーム14は、つまみねじ21を支持点として回動自在になる(図8)。そこでユーザは、支持アーム14を図9の矢印B方向へ回動し、キャップ部13を高輝度放電灯8の光の照射方向前方から外れた位置へ移動させる。このとき、連結部16の先端16aが半円形に形成されているので、支持アーム14は、台座部19に引っ掛かることなく円滑に回動する。
この状態で高輝度放電灯8の前方側に大きな作業空間が形成されるので、ユーザは、つまみねじ21を締めてグレア防止部材11が重力によって高輝度放電灯8の前方位置に戻らないようにしたうえで、高輝度放電灯8を回転させて取外す(図10)。反射鏡9の交換をするときには、反射鏡9も回転させて取外す(図11)。このとき、グレア防止部材11は、連結部16がつまみねじ21によってソケットハウジング6の台座部19に連結されているので、落下してしまう虞がない。
新しい高輝度放電灯8、及び反射鏡9を取付けて再び通常状態へ戻すには、上記手順の逆の順序で行う。具体的には、ユーザは、つまみねじ21を緩めて支持アーム14を再び回動自在にした上で、支持アーム14を図9の矢印B反対方向へ回動し、キャップ部13が高輝度放電灯8の光の照射方向の前方位置になるようにする(図8)。その後、ユーザは、支持アーム14を図7の矢印A反対方向へ押し込んでスライド移動させ、キャップ部13が高輝度放電灯8の先端部に深く被さった通常状態とする。このとき、ユーザは、支持アーム14の凸部18が反射鏡9の溝部17に嵌合するようにして、グレア防止部材11の位置決めを行う(図5参照)。
以上のように、本実施形態の照明器具1では、グレア防止部材11がつまみねじ21を支持点として回動自在(図9における矢印B)であって、高輝度放電灯8の光の照射方向前方位置と該位置から外れた位置との間で移動自在であり、かつ照射方向に沿ってスライド自在(図7における矢印A)であるので、高輝度放電灯8の前方側に大きな作業空間を形成することができ、ユーザによる高輝度放電灯8、及び反射鏡9の交換作業を容易に行うことができる。また、グレア防止部材11は、連結部16が長孔15とつまみねじ21によってソケットハウジング6の台座部19に連結されているので、交換作業中に不測に落下してしまう虞がない。
なお、本実施形態では、グレア防止部材11を回動自在、かつスライド自在とする構造として、支持アーム14の連結部16の長孔15と、該長孔15に係合する台座部19のつまみねじ21とを採用しているが、グレア防止部材11を回動自在、かつスライド自在とする構造としては、種々の変形が可能である。例えば、回動支持点としての軸部が支持アーム14側に設けられ、該軸部をスライド自在に支承するレール構造が台座部19に設けられてもよい。
また、グレア防止部材11が通常状態に設置されるときに、グレア防止部材11の位置決めをする構造は、反射鏡9に形成された溝部17と支持アーム14に形成された凸部18に代えて、支持アーム14に形成された反射鏡9の開口縁部9aに係合する溝部であってもよい。
本発明の一実施形態に係る照明器具の全体構成を示す斜視図。 同照明器具におけるソケットハウジングを示す斜視図。 同照明器具におけるグレア防止部材を示す斜視図。 同照明器具における反射鏡の側面図。 同照明器具における反射鏡の溝部と支持アームの凸部が係合した状態を示す斜視図。 同照明器具においてグレア防止部材が所定の位置に固定された通常状態を示す断面図。 同照明器具においてグレア防止部材が引出される状態を示す断面図。 同照明器具においてグレア防止部材が終端まで引出された状態を示す断面図。 同照明器具においてグレア防止部材がランプ光の照射方向前方から外れた位置に移動された状態を示す断面図。 同照明器具においてランプが取外された状態を示す断面図。 同照明器具において反射鏡が取外された状態を示す断面図。
符号の説明
1 照明器具
8 高輝度放電灯(ランプ)
9 反射鏡
11 グレア防止部材
15 長孔
16 連結部
17 溝部
18 凸部
19 台座部
21 つまみねじ(支持点)

Claims (3)

  1. ランプと、前記ランプから出射される光を反射して所定の照射方向へ案内する反射鏡と、前記反射鏡によるランプ光の照射方向前方に設置されるグレア防止部材と、を備える照明器具において、
    前記グレア防止部材は、前記ランプ光の照射方向前方位置と該位置から外れた位置との間で移動自在であり、かつ前記照射方向に沿ってスライド自在に設けられていることを特徴とする照明器具。
  2. 前記グレア防止部材は、その支持点を中心に円弧を描くように回動自在であることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
  3. 前記グレア防止部材は、前記照射方向前面に設置されるときに前記グレア防止部材の一部が前記反射鏡に係合して位置決めされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
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