JP3435980B2 - 帯状材の通板方向変換装置 - Google Patents

帯状材の通板方向変換装置

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JP3435980B2
JP3435980B2 JP10983896A JP10983896A JP3435980B2 JP 3435980 B2 JP3435980 B2 JP 3435980B2 JP 10983896 A JP10983896 A JP 10983896A JP 10983896 A JP10983896 A JP 10983896A JP 3435980 B2 JP3435980 B2 JP 3435980B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷延鋼板等からな
る帯状材の通板方向の変換に係り、走行する帯状材を巻
き掛け且つ非接触状態で通板方向を変換する複数のフロ
ータを連続的に配置してなる帯状材の通板方向変換装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】帯状材の通板方向を非接触状態で変換す
る通板方向変換装置としては、大きく分けて、ベンド式
の通板方向変換装置と、所定のラセン角を持ってヘリカ
ル状にフロータ表面へ巻き掛けて帯状材の通板方向を変
換するヘリカル式の通板方向変換装置とがある。これら
の通板方向変換装置は、フロータと非接触つまり擦り疵
を生じることなく帯状材の通板方向を変換可能な点で有
用とされ、特に、ヘリカル式の通板方向変換装置は、ベ
ンド式の通板方向変換装置に比べて通板変換方向の自由
度が大きい。
【0003】このため、この種の通板方向変換装置は、
近年、色々なプロセスラインで採用され、特に、二以上
の工程を連続させることが省力化や歩留り向上等に大き
な効果があることから、二つのプロセスを連続させる際
に有用とされている。
【0004】そして、鋼帯等の帯状材を浮上支持し非接
触状態で通板方向を変換する従来の装置としては、例え
ば特開昭51−25274号公報や特開平2−2042
65号公報等に記載されているものが知られている。
【0005】これらの装置は、例えば図4及び図5に示
すように、1台の円筒状のフロータ50と、そのフロー
タ50表面の帯状材巻き掛け位置(通板位置)Lに沿っ
て設けられ所定圧力の流体を噴き出し可能な多数の噴出
孔51とを備え、さらに、上記フロータ50に対する帯
状材52の入側及び出側に、ぞれぞれ帯状材52を案内
するガイドロール53,54を配設して構成される。
【0006】そして、搬送されてきた帯状材52は、入
側のガイドロール53に案内されて、上記フロータ50
の表面に沿って巻き掛けられ、噴出孔51から噴き出さ
れる流体によって非接触状態でフロータ50表面に沿っ
て通板して通板方向が変換され、続いて、出側のガイド
ロール54を経て次工程に送られる。
【0007】このとき、上記特開平2−204265号
公報等に記載されているように、通板方向変換装置の入
側及び出側に張力を調整するダンサロールを配して通板
方向変換中の帯状材の張力を調整することも実施されて
いる。
【0008】さらに、従来にあっては、上記特開昭51
−25274号公報等に記載されているように、変換方
向の自由度等を増大させるために、図6に示すように、
2台のフロータ50A,50Bを連続的に配置して帯状
材52の通板方向を連続的に変換することも行われてい
る。図6(a)はベンド式の通板方向変換装置の例を示
し、図6(b)はヘリカル式の通板方向変換装置の例を
示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような帯状材の通板方向変換装置は、フロータ50から
所定浮上量に浮上支持させた非接触状態で通板方向を変
換するものであるので浮上量が変動し易く、特に複数の
フロータ50A,50Bによって連続的に通板方向の変
換を行う場合、従来の装置にあっては、フロータ50
A,50B間に帯状材52の振動を制限するものがなん
ら設置されていないために、一のフロータに巻き掛けら
れている帯状材の浮上量の変動が、板相互のやり取りに
より、当該フロータの上流及び下流に配されているフロ
ータに巻き掛けられている帯状材部分に伝播される。こ
のようなフロータ相互の伝播により、一台のフロータだ
けで通板方向を変換する通板方向変換装置と比較して、
帯状材の浮上量が周期的に変動しやすくなり、その変動
によって帯状材52がフロータ50表面に接触する危険
性を有する。
【0010】特に、ヘリカル式の通板方向変換装置の場
合には、上記のような問題以外に、帯状材52が捻られ
た状態でフロータ50に巻き掛けられている関係で、上
記のような周期的な浮上量変動が生じると、帯状材52
に生じる蛇行を増大して装置から出た帯状材52がロー
ルアウトする等の不都合が生じるおそれがある。
【0011】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、複数台のフロータを備えた非接触式の
通板方向変換装置であっても、フロータ表面からの帯状
材の浮上量変動を低減可能な帯状材の通板方向変換装置
を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に記載した帯状材の通板方向
変換装置では、帯状材を流体で浮上支持した状態で巻き
掛けて通板するフロータを連続して複数設置し、その複
数のフロータにより帯状材の通板方向を連続的に変換す
る帯状材の通板方向変換装置において、上記複数のフロ
ータ間に案内ロールを配設し、且つ、上記装置の入側及
び出側にブライドルロールを配設したことを特徴として
いる。
【0013】本発明においては、フロータ間にサポート
ロールやデフレクタロール等の案内ロールを配したの
で、フロータ間の帯状材の振動は案内ロールで制限さ
れ、一のフロータで生じた帯状材の浮上量変動の隣合う
上流及び下流のフロータ部分の帯状材部分への伝播量が
低減する。
【0014】また、入側及び出側に配設した両ブライド
ルロールによって通板方向変換中の帯状材部分の張力が
調整可能となる。次に、請求項2に記載した発明は、請
求項1に記載された構成に対して、上記案内ロールの全
部又は一部をブライドルロールに代えたことを特徴とし
ている。
【0015】本発明においては、案内ロールの代わりに
ブライドルロールを配することで、一又は二以上のフロ
ータの巻き掛けられている各帯状材部分の張力が個別に
調整可能となる。従って、上記案内ロールの有する作用
であるフロータ相互間の伝播量を低減するばかりでな
く、積極的に浮上量の変動を抑えることが可能となる。
【0016】ここで、フロータに巻き掛けられた帯状材
の張力Tと流体による帯状材を支持する平均圧力Pと
は、力の釣り合いから、下記(1)式のような関係があ
る。ここで、下記式では簡単に表示するためにラセン角
を45度に設定した場合を示している。
【0017】(T/W)=2・R・P ・・・(1) ここで、 W:帯状材の幅 R:帯状材のフロータ巻き掛け位置での曲率半径 を表している。
【0018】また、上記平均圧力Pは、帯状材の浮上量
hと噴き出し流量Qにより下記(2)式のように表現で
きる。 P=ζQ2 /{2・(L・h)2 } ・・・(2) ここで、 ζ:比例定数 L:帯状材のフロータへの巻き掛け長さ を表している。
【0019】従って、上記(1)式及び(2)式から、
下記に示すような関係にあることが分かる。 T ∝ (1/h)2 Kは比例定数を示している。
【0020】このように、張力Tに対して浮上量hは一
義的に定まるので、張力Tを一定にすれば同じ浮上量を
得ることができる。即ち、張力を調整することで浮上量
の変動を抑えることができる。
【0021】次に、請求項3に記載した発明は、請求項
2に記載された構成に対して、上記連続するフロータは
2台であり、その2台のフロータ間に配したブライドル
ロールを帯状材の通板速度を制御する速度制御マスタと
し、装置の入側及び出側に配した各ブライドルロールを
帯状材に所定の張力を付与する張力制御マスタとして、
上記各ブライドルロールの回転速度を制御するコントロ
ーラを備えることを特徴としている。
【0022】入側及び出側のブライドルロールを速度基
準に設定した場合には中央のブライドルロールが張力制
御マスタとなるが、上流(下流)のフロータ側の張力が
変化した場合、或いは張力設定値を変更した場合には、
中央部のブライドルロールにより張力変化分の補正を行
うこととなり、その制御出力が、下流(上流)側の他方
のフロータでの張力変動を引き起こして隣のフロータで
の浮上量変動を誘発するおそれがある。
【0023】これに対して、本発明においては、中央の
ブライドルロールを速度制御マスタとして、入側及び出
側のブライドルロールで張力変化分の補正を行い、フロ
ータ間のブライドルロールの速度を変化させないため、
積極的に各フロータで浮上量変動を抑えるように張力を
調整するようにしても、その制御出力が、中央のブライ
ドルロールを挟んだ他のフロータ側に伝達されることが
防止される。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、ヘリカ
ル式の2台のフロータを使用して帯状体としての鋼帯の
通板方向を変換する場合を例にして説明する。
【0025】まず構成について説明すると、図1に示す
ように、本実施の形態の通板方向変換装置は2本のフロ
ータ1A,1Bが連続して設置されていると共に、その
2本のフロータ1A,1B間に第1のブライドルロール
2が配設される。さらに、装置の入側及び出側、即ち上
流側のフロータ1A(以下、入側フロータと呼ぶ)の入
側、及び下流側のフロータ1B(以下、出側フロータと
呼ぶ)の出側にそれぞれ第2及び第3のブライドルロー
ル3,4が配設されている。
【0026】上記各フロータ1A,1Bは、図2に示す
ように、その本体の外観形状が円筒形状をしている。そ
のフロータ1A,1Bの表面には、例えば45度のラセ
ン角に沿って延在するヘリカル状の鋼帯巻き掛け位置
(鋼帯5の通板方向)Lに、多数の噴出孔6が開設され
ている。各噴出孔6は、フロータ1A,1B内部に設け
られた流通路に連通し、その流通路に供給される空気等
の流体を設定圧力で噴き出すようになっている。
【0027】また、上記各ブライドルロール2,3,4
及びその制御機構は、周知の機構を備えている。即ち、
各ブライドルロール2,3,4は、それぞれ複数本,例
えば4本のロール群から構成され、走行する鋼帯5に所
定の張力を付与可能となっている。その各ロールは、図
示しない駆動モータによって回転駆動される。また、上
記各駆動モータは、それぞれコントローラ10から供給
される電流値に応じて回転駆動され、コントローラ10
からの電流指令に応じた必要なトルクを各ロールに供給
可能となっている。
【0028】また、上記各ブライドルロール2,3,4
には、それぞれ速度検出器であるパルス発信器7,8,
9が設置されている。各パルス発信器7,8,9は、検
知した信号をそれぞれコントローラ10に供給可能とな
っている。
【0029】また、入側に配置された第2のブライドル
ロール3(以下、入側ブライドルロールと呼ぶ)と入側
フロータ1Aとの間、及び、出側に配置された第3のブ
ライドルロール4(以下、出側ブライドルロールと呼
ぶ)と出側フロータ4との間には、上記入側フロータ1
A及び出側フロータ1Bでの鋼帯5の張力を検出するた
めに、それぞれ張力検出器を構成するテンションメータ
ロール11,12が配置されている。そして、各テンシ
ョンメータロール11,12に負荷された鋼帯5の張力
が図示しないロードセルで検知され、その検知信号がコ
ントローラ10にそれぞれ供給可能となっている。図1
中、13及び14は、デフレクタロールである。
【0030】コントローラ10は、上記図1に示すよう
に、各ブライドルロール2,3,4の速度制御を行うた
めの速度制御器10B,10H,10N及び電流制御器
10C,10J,10Pを備えると共に、入側フロータ
1A及び出側フロータ1B部分での鋼帯5の張力を制御
するための入側張力制御器10E及び出側張力制御器1
0Lを有する。そして、第1のブライドルロール2を、
鋼帯5の通板速度を制御する速度制御マスタとし、且
つ、入側ブライドルロール3及び出側ブライドルロール
4を、入側フロータ1Aに巻き掛けられた鋼帯5部分、
及び、出側フロータ1Bに巻き掛けられた鋼帯5部分に
対して個別に張力を付与するための張力制御マスタとし
て制御を行うように構成されている。
【0031】そのコントローラ10には、設定値とし
て、速度基準値VREF 、入側フロータ1A部分の鋼帯5
に付与すべき張力値である入側張力設定値TIREF 、及
び、出側フロータ1B部分の鋼帯5に付与すべき張力値
である出側張力設定値TOREFが供給されるようになっ
ている。
【0032】上記供給された速度基準値VREF は、第1
加算器10A、第2加算器10F、及び第3加算器10
Mにそれぞれ供給可能となっている。第1加算器10A
では、供給された速度基準値VREF から、パルス発信器
7からの信号に基づく実際の回転速度を減算することで
当該速度基準値VREF からの速度偏差を求め、その速度
偏差を中央速度制御器10Bに供給可能となっている。
【0033】中央速度制御器10Bでは、供給された速
度偏差値で現在の速度指令を補正しその補正後の速度指
令値を電流指令値に変換して中央電流制御器10Cに供
給し、中央電流制御器10Cでは、供給された電流指令
値に応じた電流値で第1のブライドルロール2を回転駆
動する。
【0034】また、上記入側張力設定値TIREF が第4
加算器10Dに供給され、該第4加算器10Dでは、上
記入側張力設定値TIREF から、入側のテンションメー
タロール11に接続するロードセルからの信号に基づく
現実の張力値を減算することで入側フロータ1Aでの張
力偏差値を求め、その張力偏差値を入側張力制御器10
Eに供給可能となっている。
【0035】入側張力制御器10Eでは、供給された張
力偏差値で現在の張力設定値を補正し、補正後の張力設
定値を速度補正値に変換して第2加算器10Fに供給す
る。第2加算器10Fでは、その張力設定値に応じた速
度補正値を速度基準値VRE F に加算して第6加算器10
Gに供給する。
【0036】第6加算器10Gでは、供給された速度設
定値から、パルス発信器8からの信号に基づく実際の回
転速度を減算することで当該速度設定値からの速度偏差
を求め、その速度偏差を入側速度制御器10Hに供給可
能となっている。
【0037】入側速度制御器10Hでは、供給された速
度偏差値で現在の速度指令を補正しその補正後の速度指
令値を電流指令値に変換して入側電流制御器10Jに供
給し、入側電流制御器10Jでは、供給された電流指令
値に応じた電流値で入側ブライドルロール3を回転駆動
する。
【0038】同様に、上記出側張力設定値TOREF が第
5加算器10Kに供給され、該第5加算器10Kでは、
上記出側張力設定値TOREF から、出側のテンションメ
ータロール12に接続するロードセルからの信号に基づ
く現実の張力値を減算することで出側フロータ1Bでの
張力偏差値を求め、その張力偏差値を出側張力制御器1
0Lに供給可能となっている。
【0039】出側張力制御器10Lでは、供給された張
力偏差値で現在の張力設定値を補正し、補正後の張力設
定値を速度補正値に変換して第3加算器10Mに供給す
る。第3加算器10Mでは、その張力設定値に応じた速
度補正値を速度基準値VRE F に加算して第7加算器10
Qに供給する。
【0040】第7加算器10Qでは、供給された速度設
定値から、パルス発信器9からの信号に基づく実際の回
転速度を減算して当該速度設定値からの速度偏差を求
め、その速度偏差を出側速度制御器10Nに供給可能と
なっている。
【0041】出側速度制御器10Nでは、供給された速
度偏差値で現在の速度指令を補正しその補正後の速度指
令値を電流指令値に変換して出側電流制御器10Pに供
給し、出側電流制御器10Pは、供給された電流指令値
に応じた電流値で出側ブライドルロール4を回転駆動す
る。
【0042】このように、コントローラ10は、第1の
ブライドルロール2の回転速度を速度基準値VREF に調
整しながら、入側ブライドルロール3及び出側ブライド
ルロール4の各回転速度を現実の張力値に基づき調整す
ることで、各フロータ1A,1Bに巻き掛けられた各鋼
帯5部分にそれぞれ所定の張力が付与可能となってい
る。
【0043】次に、上記通板方向変換装置の動作や作用
などについて説明する。鋼帯5は、順次、入側ブライド
ルロール3に案内されつつ入側フロータ1Aに巻き掛け
られて、噴出流体によって浮上支持されることで入側フ
ロータ1A表面と非接触状態で一回目の通板方向の変換
が行われ、続いて、第1ブライドルロールを介して出側
フロータ1Bに巻き掛けられ、再び、非接触状態で2回
目の通板方向の変換が行われた後に、順次、出側ブライ
ドルロール4を通って次工程に送られる。
【0044】このように、鋼帯5は、連続的に配置され
た2台のフロータ1A,1Bを介して通板方向が連続し
て変換されるので、一本のフロータで通板方向を変換す
る場合に比べて変換方向の自由度が大きい。
【0045】また、中央の第1のブライドルロール2及
び入側ブライドルロール3によって入側フロータ1Aに
巻き掛けられている鋼帯5部分の張力が入側張力設定値
TI REF に制御されることで、入側フロータ1A表面か
らの鋼帯5の浮上量が目標とする浮上量に保持される。
このように張力制御が行われることで、入側フロータ1
A表面からの浮上量変動によって生じる鋼帯5の蛇行や
斜行が許容範囲に抑えられる。
【0046】同様に、第1のブライドルロール2及び出
側ブライドルロール4によって出側フロータ1Bに巻き
掛けられている鋼帯5部分の張力が出側張力設定値TO
REFに制御されることで、出側フロータ1B表面からの
鋼帯5の浮上量が目標とする浮上量に保持される。この
ように張力制御が行われることで、出側フロータ1B表
面からの浮上量変動によって生じる蛇行や斜行が許容範
囲に抑えられる。
【0047】例えば、定常状態から、鋼帯5の通板速度
が変動したり各噴出孔6からの気体の圧力が設定圧力か
ら変動したりして、第1のブライドルロール2と入側ブ
ライドルロール3との間の鋼帯5の張力が変動すると、
入側フロータ1A表面からの鋼帯5の浮上量が変動す
る。すると、コントローラ10は、第4加算器10Dで
入側張力設定値TIREF からの実際の張力値の偏差分を
求め、その偏差分に応じた速度指令値に調整して入側ブ
ライドルロール3の回転速度を変化して入側フロータ1
Aでの張力変動を吸収し、これによって当該入側フロー
タ1Aでの浮上量の変動を抑える。この際、第1のブラ
イドルロール2の回転速度は、速度基準値VREF に応じ
た速度に維持される。また、出側フロータ1Bで張力変
動が生じた場合も同様な制御が行われる。
【0048】このように、各フロータ1A,1Bに巻き
掛けられている部分の鋼帯5の張力が個々に行われるこ
とで各フロータ1A,1Bでの浮上量変動が積極的に抑
えられる。このとき、両フロータ1A,1Bの間に従来
のようにブライドルロールが設置されていない場合に
は、一方のフロータに巻き掛けられている鋼帯5の変動
がそのまま他方のフロータに巻き掛けられている鋼帯5
に伝達され、フロータ相互のやり取りで浮上量の周期的
な変動を生じ易いが、本実施の形態では、両フロータ1
A,1B間に第1のブライドルロール2が設置されてい
るので、両フロータ相互の浮上量変動の伝播が第1のブ
ライドルロール2で制限されるので、フロータ相互の板
のやり取りによる浮上量変動の伝播が低減する。
【0049】さらに、第1のブライドルロール2を張力
制御マスタとすると、一方のフロータでの張力を補正し
た場合に、その制御出力が他方のフロータの張力変動を
引き起こして当該他方のフロータでの浮上量変動を引き
起こす一因となるが、本実施の形態では、中央の第1の
ブライドルロール2を速度制御マスタとし、入側ブライ
ドルロール3及び出側ブライドルロール4を張力制御マ
スタとしているので、例えば、入側フロータ1Aでの張
力が変化した場合には、入側ブライドルロール3の回転
速度を調整して張力変化分の補正を行い且つ中央の第1
のブライドルロール2の回転速度は速度基準値VREF
維持されるので、当該入側フロータ1Aの張力を調整し
ても出側フロータ1Bの張力変動をもたらすことが防止
される。
【0050】このように、本実施の形態では、フロータ
1A,1B間に配置されたブライドルロール2で一方の
フロータでの浮上量変動がそのまま他方のフロータに伝
播されるのを回避すると共に、各フロータ1A,1Bで
の張力制御を個々に実施して各フロータでの浮上量の変
動を積極的に抑えるようにしても他方のフロータでの張
力変動を誘発することが防止される。
【0051】従って、複数のフロータで連続的に鋼帯5
の通板方向を変換するように装置を構成しても、フロー
タ相互の板のやり取りによる浮上量変動の伝播が大幅に
低減できる。
【0052】特に、本実施の形態のようなヘリカル式の
通板方向変換装置に適用した場合には、浮上量変動によ
る蛇行が防止されるので、特に有効である。なお、上記
実施の形態では、張力検出器であるデンションメータロ
ール11,12を、装置の入側及び出側に設置されてい
るが、フロータ1A,1B間に設置してもよい。
【0053】また、上記実施の形態では、フロータ1
A,1B間に第1のブライドルロール2を設置した場合
で説明しているが、図3に示すように、第1のブライド
ルロール2の代わりに案内ロールであるデフレクタロー
ル20を設置するだけでもよい。
【0054】この場合には、入側ブライドルロール3及
び出側ブライドルロール4によって両フロータ1A,1
Bでの張力が調整されるが、フロータ相互の板のやり取
りによる振動ががデフレクタロール20によって制限さ
れるので、一方のフロータで発生した浮上量の変動の他
方のフロータへの伝播が低減して、フロータ相互の板の
やり取りによる浮上量変動の伝播が低減される。
【0055】また、上記実施の形態では、2台のフロー
タを連続的に配置した場合で説明しているが、3台以上
のフロータを連続的に配意した装置構成に適用しても構
わない。この場合でも、フロータ間のブライドルロール
又は案内ロールを設置することで、フロータ相互の板の
やり取りによる浮上量変動の伝播が低減できる。
【0056】また、上記実施の形態では、ヘリカル式の
通板方向変換装置を例に説明しているが、複数台のフロ
ータを備えたベンド式の通板方向変換装置に適用しても
よい。また、連続的に配置されたフロータが全部ヘリカ
ル式に鋼帯5を巻き掛ける場合に限定されず、一部のフ
ロータを、ベンド状に鋼帯5を巻き掛けるように構成し
てもよい。
【0057】また、上記の実施の形態のコントローラ1
0では、実際の張力値に基づき各張力を制御するように
しているが、これに限定されず、例えば、実際の浮上量
を測定し該浮上量が目標浮上量となるように張力制御を
行うように設定してもよい。
【0058】また、上記実施の形態では、フロータ1
A,1Bの外観形状を円柱形状としているが、これに限
定されるものではない。フロータ1A,1Bは、鋼帯5
が巻き掛ける部分のみが所定の略円弧形状を有していれ
ばよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の帯状
材の通板方向変換装置では、非接触状態で且つ複数のフ
ロータで通板方向を変換する構成としても、フロータ間
に配設された案内ロールによって、フロータ相互の板の
やり取りによる浮上量変動の伝播が制限されて、当該フ
ロータ相互の板のやり取りを原因とする周期的な浮上量
変動の発生を低減できるという効果がある。
【0060】このとき、請求項2に記載されている発明
を採用すると、フロータ間にブライドルロールが配置さ
れることで、上記効果に加えて、各フロータでの張力調
整が個別実施される、つまり、各フロータで浮上量の変
動を積極的に低減可能となるという効果がある。
【0061】特に、請求項3に記載されている発明を採
用すると、フロータ間のブライドルロールが速度制御マ
スタとなることで、一方のフロータ側での張力調整によ
り他方のフロータ側で張力変動を引き起こすことが防止
されて、積極的に各フロータでの張力調整を行って各フ
ロータでの浮上量変動を小さくしても、他方のフロータ
での浮上量変動を誘発することが回避されるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る通板方向変換装置の
装置構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るフロータを示す図で
ある。
【図3】フロータ間の案内ロールを配した例を説明する
ための図である。
【図4】従来の通板方向変換装置を示す図である。
【図5】従来の通板方向変換装置を示す図である。
【図6】複数のフロータを備えた従来の通板方向変換装
置を示す図であって、(a)はベンド式の装置を、
(b)はヘリカル式の装置をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1A,1B フロータ 2 第1のブライドルロール 3 入側ブライドルロール 4 出側ブライドルロール 5 鋼帯 6 噴出孔 10 コントローラ VREF 速度基準値 TIREF 入側張力設定値 TOREF 出側張力設定値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 陽俊 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平6−345306(JP,A) 特開 平6−340360(JP,A) 実開 平4−127751(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 23/32 B65H 20/14 B65H 23/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状材を流体で浮上支持した状態で巻き
    掛けて通板するフロータを連続して複数設置し、その複
    数のフロータにより帯状材の通板方向を連続的に変換す
    る帯状材の通板方向変換装置において、 上記複数のフロータ間に案内ロールを配設し、且つ、上
    記装置の入側及び出側にブライドルロールを配設したこ
    とを特徴とする帯状材の通板方向変換装置。
  2. 【請求項2】 上記案内ロールの全部又は一部をブライ
    ドルロールに代えたことを特徴とする請求項1に記載さ
    れた帯状材の通板方向変換装置。
  3. 【請求項3】 上記連続するフロータは2台であり、そ
    の2台のフロータ間に配したブライドルロールを帯状材
    の通板速度を制御する速度制御マスタとし、装置の入側
    及び出側に配した各ブライドルロールを帯状材に所定の
    張力を付与する張力制御マスタとして、上記各ブライド
    ルロールの回転速度を制御するコントローラを備えるこ
    とを特徴とする請求項2に記載された帯状材の通板方向
    変換装置。
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