JP2906723B2 - ストリップの浮揚搬送装置 - Google Patents

ストリップの浮揚搬送装置

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JP2906723B2
JP2906723B2 JP8861691A JP8861691A JP2906723B2 JP 2906723 B2 JP2906723 B2 JP 2906723B2 JP 8861691 A JP8861691 A JP 8861691A JP 8861691 A JP8861691 A JP 8861691A JP 2906723 B2 JP2906723 B2 JP 2906723B2
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良之 綛田
健 益居
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Daido Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストリップの浮揚搬送
装置、特に鋼板の連続焼鈍炉、連続めっき炉、連続コー
ティング炉等における走行中の鋼ストリップを流体支持
する装置に関する。本発明はその他の金属ストリップの
搬送および処理ラインにも一般的に適用し得るものであ
り、以下にあってはそのような処理対象はストリップと
総称する。
【0002】
【従来の技術】流体吹出し作用を利用してストリップを
非接触状態で支持する方式として、Journal of the Iro
n and Steel Institute (May,1963, pp.401 〜408)に次
の二つが代表例として示されている。空気ベアリング
を多数配置するもの図1に略式斜視図で示すように、ド
ラム1の外周上面に図2に示す如き断面形状の多数のノ
ズル孔2を配置して、これらノズル孔2から高圧流体を
噴出させるとともにその上にストリップ3を巻掛け、非
接触状態でストリップ3を浮揚・支持して搬送する方式
である。なお、図1中、符号4は空気などの高圧流体の
入口配管を示す。
【0003】しかしながら、かかる方式は、ストリップ
の張力を高めるとその浮揚には非常に大きなエアー圧力
が必要となること、ストリップの揺動が大きいこと等実
用的でない旨記載されている。なお、このような方式で
あっても例えば特開昭62−167162号公報に記載されてい
るように、ストリップの揺動防止に改善を加えること
で、写真用フィルムや印画紙、磁気テープ等の軽量物で
空気などの流体の噴出圧力の小さなものには適用されて
いる。しかしながら、ノズル孔が多すぎること、非常に
大きな流体の噴出圧力が必要となり不経済である等の問
題があり、金属ストリップの浮揚搬送には適用できな
い。これは多数の空気ベアリングからの噴出エネルギー
でストリップを浮かせようという発想に無理があるから
である。
【0004】ホーバークラフトの原理を応用するもの
図3に略式断面図で示すように浮揚・搬送せんとするス
トリップ3の内側に向けてスリットノズル孔2'を配置
し、これらスリットノズル孔2'からの噴流をストリップ
3に衝突させて流れの向きを変え、流体のカーテンによ
って囲まれた領域に発生するクッション圧力を利用する
ホーバークラフトの原理を応用する方式である。この方
式も基本的には流体の運動エネルギーを静圧または動圧
に変換してストリップを支持するという考え方である。
【0005】この方式に基づく一つの形式として図4に
示す浮揚装置が提案されている。図中、流体供給管4か
らの流体はそれぞれ内側を向いたノズル2、2' からス
トリップ3に向かって噴出し、それを浮上させるのであ
る。しかし、この装置には浮き高さが、ストリップの長
手方向で異なるという問題があり、この問題の改善策
が、特開昭62−139832号公報、特開昭62−142728号公報
等で開示されているが、それは図4の装置を多分割タイ
プとして、それぞれに対する流体供給バランスを変更し
て均一化を図ろうとするものである。基本的には、固定
式のドラムを使用したストリップ支持装置として構成さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ストリップを浮揚支持
した場合、張力と浮揚力とがつり合うため、長手方向に
は安定する。しかし、幅方向に対する拘束力は、ほとん
ど働かないためストリップが蛇行した場合に自然には修
正されない。特開昭62−167163号にリニアモータを用い
て、ストリップの蛇行を抑止する浮揚搬送装置が示され
ている。しかしこのような装置では、装置自体が図4に
示すような固定式ドラムを使用したものであるためスト
リップ先端の通板が非常に困難である。
【0007】このような浮揚搬送装置を使用する必要が
ない場合でも、このような固定型であれば全ての通板材
に対して常に浮上させた状態で使用する必要がありコス
トがかかり経済的でない。浮揚搬送装置とロールを別々
に有するライン構成も可能であるが、ストリップの通板
パスを容易に変更できないため、操業上の効率も悪い。
また、上記公開公報で示されているリニアモータの制御
方式では、蛇行量が零になった段階でリニアモータの出
力が左右等しくなったり、出力が零になったりするため
に、ストリップがまた蛇行を誘発しストリップが安定し
ない問題点を有する。
【0008】ここに、本発明の目的は、前記した従来技
術の問題点を解消し、(1) 経済性が高く、コンパクトで
安定性があり、(2) ストリップの蛇行を抑止し、安定し
て走行でき、(3) ストリップ先端部の通板困難を解消で
き、そして(4) 浮揚搬送装置とロールとの使用を適宜選
択できる高張力状態のストリップも浮揚でき、実用性の
ある浮揚搬送装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは種々検討を重ねた結果、次の諸事項に
ついて確認し、それに基づいて本発明を完成するに至っ
た。 (1) ロールにストリップを巻掛けて搬送する装置におい
て、ストリップとの対向面に通常の搬送用ロールを配
し、該ロールに対する入側および出側においてストリッ
プとロールとの間に流体を供給することによってロール
周面とストリップ表面との間に流体溜まりを形成でき、
これによってストリップを非接触状態で浮揚支持するこ
とが可能である。
【0010】(2) 少なくともロールのストリップ巻掛面
以外のロール表面の少なくとも一部のロール表面、通常
はストリップ巻掛面の反対側において、ロール円周に沿
って対向設置された流体室をロール長手方向に延設する
と、ロール周面と流体室との間に境界領域が形成され、
ここを流体噴出口としてロール表面に沿って噴出した流
体はストリップを効果的に支持することができる。
【0011】(3) ストリップの蛇行を検出器で検出し、
その出力によりリニアモータを制御することによってス
トリップの蛇行も抑制できる機構をさらに設けることに
よって始めて実用的なストリップの浮揚搬送装置が得ら
れる。
【0012】ここに、本発明の要旨とするところは、
ール表面にロールの軸方向に離間させて左右対称に一対
以上の周方向にわたる流体噴出ノズルを有するストリッ
プを巻掛けてストリップを搬送しつつ支持するロール
と、ストリップ巻掛面以外のロール表面の少なくとも一
部に対面しながらロールの長手方向に延設され、ロール
表面に沿ってストリップとロール表面との間に流体を噴
してストリップを浮遊させる流体室と、該流体室に接
続された流体供給管とを備えたストリップの浮揚搬送装
置であり、また、ストリップの蛇行検出器と、リニアモ
ータと、および該蛇行検出器の出力によって前記リニア
モータの相とストリップの蛇行が消去されるまで出力を
制御するコントローラとをさらに組合せて備えたことを
特徴とするストリップの浮揚搬送装置である。
【0013】
【作用】次に、添付図面を参照しながら本発明をさらに
具体的に説明する。図5に本発明による簡単な装置構成
の一例を示す。図5に示す装置にあっては、本発明によ
る流体支持ロールに流体室を配置してある。本発明にお
いて、ストリップを巻掛けてストリップを搬送しつつ支
持するロール本体50は、通常のロールでもよいが、ロー
ル長手方向に離間させて流体吹出し口52を設けるのが好
ましく、これを設けることにより、ストリップの浮揚が
より容易となる。通常、これらの流体吹出し口52は、ロ
ール中心に対して左右対称に2条以上、ロール全周に亘
って設けられている。流体吹出し口52に対する流体供給
は流体供給管54を経て行われる。ロール本体50は、通
常、中空となっていて一種の流体の溜めとして機能す
る。
【0014】ロールの表面に長手方向に左右対称に少な
くとも2条全周に亘る流体吹き出しノズルを配するとと
もに、好ましくはその流体吹出し口の吹き出し角度を30
゜≦θ≦90゜とすることによって、等方的に流体を噴出
することができ、これによってもストリップとロールの
界面に流体留りを形成し、ストリップを浮揚させた、つ
まりロールとの接触を排した支持が容易となる。
【0015】流体支持ロールを構成するロール本体50の
ストリップ巻掛面と反対側には、ロール表面に対向させ
て設けた流体室56が設けられている。なお、流体室はス
トリップ巻掛面の反対側のロール表面の少なくとも一部
に対面して設ければよく、必ずしも全面とする必要もな
く、また、後述する図16に示すように流体室を2個設け
てもよい。流体室56とロール本体50との境界に形成され
たスリット部は、ロール本体とストリップの界面に流体
を供給する流体噴出口58を構成している。図示例ではこ
の流体噴出口58を図面向かってロール本体の手前と向こ
う側の両側に二つ設けている。符号59はこの流体室56へ
の流体供給管を示す。
【0016】さらに上述の流体噴出口と流体吹き出しノ
ズルとを組み合わせることによって、つまり前記流体吹
出し口を設けるとともにロールのストリップ巻掛面に隣
接する領域にロール円周に沿う流体室を設置することに
よって、ストリップのロール巻掛面における浮揚高さを
更に均一にできる。さらに本発明によれば上流側ストリ
ップ3の縁部には蛇行センサー53およびリニアモータ55
が設けられている。蛇行センサー53からの検出信号はコ
ントローラ57を経てリニアモータ55に送られ、蛇行修正
が行われる。図6は、支持ロール本体50の好ましい断面
形状の一例を示す。図7は、図6に示す流体支持ロール
の内側ロール60の一部の形状を模式的に示す。
【0017】図示例の構造では、ロール本体50は内側ロ
ール60に外側ロール62を組込んだ構成となっている。内
側ロール60と外側ロール62との着脱は適宜嵌め合い機構
を用いることにより行えばよい。流体吹出し口52は内、
外側ロール60、62によって形成され、この流体吹出し口
52の吹出し角度 (θ) は、好ましくは、図示のようにロ
ール中心軸に対し30゜≦θ≦90゜に調整されている。図
示例では流体吹出し口52の内壁の角度が異なっている
が、そのような場合、最大角度を吹出し角度として本発
明では規定する。図中、符号63はロール本体50の中空部
であって、これは流体溜めとして作用する。
【0018】図6からよく分かるように、流体供給管54
からの流体はロール本体50に送られ、一旦流体溜めとし
ての中空部63に入り、次いで内側ロール60の端面テーパ
面に設けた複数の孔70を経て流体吹出し口52に送られ
る。図8は、流体室56の一例を示す略式斜視図であっ
て、図5の流体噴出口58を構成するスリット部80の長さ
W1、流体室の幅W2、長さW3、およびスリット部80の高
さ、つまりノズル口の高さdについては特に制限はな
い。例えば、スリット部80の長さW1は、ストリップ幅が
固定されている場合にはそのストリップ幅と一致させる
ことが望まれるが、通常の製造ラインでは単一幅のみと
いう場合は少ない。したがって、ノズル幅としてはスト
リップ幅の70%以下になると不安定になるため、ノズル
幅は最大板幅の70%以上となるように設定するのがよ
い。
【0019】図9は、本発明において使用するリニアモ
ータ55の1例を示す略式断面図であり、図示例は構造的
には慣用のものであって、ストリップの幅方向に順次並
べられた単位コイル素子90からなる。なお、本発明にお
いて用いる蛇行センサー53は特定の構造のもので制限さ
れず、通常用いられる光学式あるいは電磁式のいずれか
であれば十分である。
【0020】次に、本発明にかかる浮揚搬送装置の操作
について説明する。
【0021】(1) 流体供給停止時 これまでの説明からも明らかなように、ロール本体50は
通常の搬送用ロールとしての働きもするため、ストリッ
プの先端部を通板する時の扱いが非常に容易になる。ま
た、疵や形状不良等の問題の少ない、厚手材や低グレー
ド材に対して、特にラインの切り替え等の労力なしに流
体浮揚搬送からロール搬送あるいはその逆に容易に移行
できる。
【0022】(2) 流体による浮揚搬送時 流体によるストリップの浮揚搬送を開始するときは、ま
ず流体供給管54および59を経て外部より流体を浮揚搬送
装置に導入するが、そのとき導入する流体は、図5に示
すように、ロール本体50と流体室56にそれぞれ供給す
る。ここでロール本体50に送られた流体は、図6に示す
ようにロール中央の中空部63に蓄えられ、次いで、その
流体は、図6に示す矢印の方向に流れ、内側ロール60の
端面テーパー面に設けられた孔70 (図7参照) を通りロ
ール表面に設けた流体吹出し口52より放射状に噴出す
る。
【0023】このときロール本体50の下面の流体吹出し
口52からの流体の吹出しは、図5からも分かるように、
流体室56のロールに当接する円弧部86 (図8参照) によ
って抑止されている。一方、ロール下面に設置した流体
室56に供給された流体は、ロール表面との境界線に形成
されたスリット部から成る流体噴出口58より噴出する。
【0024】図10および図11にこのときのストリップ3
の浮揚状態を断面図で示すが、まず、ロール軸方向に
は、図10に示すように、流体吹出し口52を出た流体はロ
ール中央に向って送り込まれ、その後ストリップとロー
ル間に蓄えられている流体に衝突・反転してストリップ
の板端より流出する。一方、ロール円周方向には、図1
1に示すように、流体噴出口58を出た流体が一旦ロー
ル頂上部に向って送り込まれるが、その後同様に反転
し、流体室56の下部より流出する。
【0025】このように流体吹出し口52および流体噴出
口58の両方から流体を噴出させることにより、ストリッ
プは、ロール本体50に巻掛けられながら流体を介して浮
揚支持される。また、ロールを通常のロールとした場
合、図10に示す効果がないため、ロール上での浮揚高さ
の均一性は多少低下するが、浮揚は可能である。ただ
し、この場合の流体室からの必要供給量は増加する。
【0026】(3) ロール本体からの噴出流体を更に等方
的にする構成 図12に示すように、ロール本体50に設けた流体吹出し口
52内にロール径方向に延在する2枚以上の仕切板140 を
設けるのが好ましい。このとき、好ましくは内側ロール
60に仕切板140 を設けると同時に外側ロール62には、各
仕切板140 に対応する溝142が作られており、内外ロー
ルを嵌合するときにこれらの仕切板と溝とを互いにはめ
合わせることによって、流体の円周方向の流れを抑止す
る。つまり、ロール下面を流体室56で支持しても、ロー
ル本体50よりロール円周方向に等方的に流体を噴出する
ことになるため、より均一な浮揚が可能となる。また、
このように仕切板140 を設けるときは図7に示す孔70は
各仕切板の間にそれぞれ設ける。
【0027】(4) 蛇行を抑止するための構成 ストリップをロールで搬送している場合は、ロールによ
る拘束があるためストリップは大きく蛇行することはな
い。また、入側スパンが非常に長い等の影響で蛇行が発
生しやすいときにも、通常の搬送ロールと同等のクラウ
ンを付与することによって安定した走行が可能である。
【0028】しかしながら、浮揚搬送する場合にはスト
リップは幅方向には非常に不安定であって、そのため容
易に蛇行が起こり、また蛇行を修正しようとしても過剰
修正となって安定した搬送を行えないことがしばしばみ
られる。浮揚した場合のストリップの蛇行防止装置の一
例を図5に示す。図5に示す装置は、蛇行センサー53と
リニアモータ55とこの蛇行センサー53の検出量に応じて
リニアモータ55の磁界の移動方向と出力をコントロール
するコントローラ57よりなる。本発明にあっては、蛇行
センサー53の検出量をフィードバックしてリニアモータ
55を制御し、ストリップの送行不安定性を解消してい
る。本発明におけるストリップ蛇行防止の基本的な操作
を図13を使って示す。
【0029】図13において、例えばストリップ3の上流
側で蛇行が発生した場合、蛇行センサー53はδなるオフ
センタ量を検出する。するとコントローラ57 (図5参
照) によりリニアモータ55の磁界がF1の向きになるよう
にし、リニアモータ55に対する電圧を増加させて行く。
リニアモータ55の推力F1によってストリップ3の蛇行量
は小さくなり、このときの推力F1が蛇行センサー53にフ
ィードバックされ最終的に蛇行量が零になるまでリニア
モータ55の出力、つまり推力F1を増大していき、蛇行が
無くなった段階でリニアモータ55の出力を保持する。装
置上流からの蛇行量が一定していれば、この状態で安定
する。そしてもし更に同じ側に蛇行することがあれば出
力をさらに大きくして蛇行を修正する。反対側に蛇行が
生じた場合(これは、上流側の蛇行が減ったために、修
正に必要なリニアモータの推力が減少しオーバステアし
た状態も含めて) には、リニアモータ55の推力を蛇行量
とバランスするように推力F1を低減していき、そのとき
の推力F1が蛇行センサー53にフィードバックされ、蛇行
量が零になった段階でその出力を保持する。
【0030】上流側での蛇行がマイナス (−) 側に大き
く変化してくると、さらに推力を低減する必要があり、
電圧を下げて行くが、電圧が0になった段階でリニアモ
ータ55の相を逆にしてF2の向きにした後、蛇行が0にな
るまで電圧を高める。このようにして蛇行センサー53の
出力をフィードバックしてリニアモータ55を制御する
が、この方法から明らかなように、蛇行センサーの位置
で蛇行が0を示している場合でも、上流側の蛇行に応じ
た推力を発生するようにリニアモータ55には電圧が印
加されている場合がある。
【0031】なお、リニアモータ55の設置位置はロール
本体の上流側であってもあるいはロール本体に対向した
位置であってもよく、特に制限はない。また当然のこと
ながら、リニアモータ55の出力としては、考えられる蛇
行量に十分対応するだけの容量のものを用いることは言
うまでもない。すでに述べたようにストリップの浮揚搬
送装置は長手方向にはある張力がかかっているために比
較的安定であるが、幅方向にはかなり不安定であり蛇行
の発生は免れない。特に、2〜300m/min以上の実用性あ
る搬送装置を構成することはできない。そこで上述のよ
うに蛇行防止装置を組合せることによって初めて蛇行量
は数mm以下に抑えることができ、実用性ある装置とする
ことができる。
【0032】
【実施例1】本例では、流体として気体 (空気) を用
い、図14に示すストリップ3の搬送モデルラインに本発
明にかかる浮揚搬送装置を組み込んで、ストリップ3の
浮揚搬送のテストを行った。すなわち、図14のAの位置
のロールに代えて、図15に示す浮揚搬送装置を取り付け
た。ここで、流体支持ロールを構成するロール本体50お
よび流体室56は、第5図に示すものであった。ロール本
体50のロール径は150 mmで胴長は320 mmであった。図15
において、送風機100 から弁102 および流量計104 およ
び圧力計106 を経て供給される流体はロール本体50と流
体室56とから噴出され、ストリップ3を浮揚しながら支
持する。一方、ストリップ3の入側にはリニアモータ55
と蛇行センサー53が設けられており、蛇行量に応じてリ
ニアモータ55を制御する。蛇行センサー53は光学式のも
のを用いた。
【0033】また、ロール上に設けた浮揚量測定センサ
ー110 の測定データに基づいて、ロール50および流体室
56からの流体噴出量を調整し、一定の浮揚量を確保し
た。
【0034】ロール50はモータ (図示せず) で駆動され
ており回転速度と方向は自由に選べ非回転にもできる。
通板するストリップ3を浮揚しない場合には、ライン速
度とロール回転速度が一致するのは当然であるが、浮揚
した状態であっても、別の所で測定しているライン速度
のデータに合わせてロールを回転させることによって走
行中に、疵等を発生させずに浮揚・非浮揚を選択できる
ようにした。このような装置を使用し、供試材として0.
1mm厚×280 mm幅のAlストリップを用いて、0〜320m/mi
nで走行させた。張力は1〜40kgで可変とした。上流側
で故意に蛇行量を種々に変更させた浮揚搬送を行った
が、本発明装置による蛇行修正の効果で浮揚搬送装置上
では±0.5 mmの範囲内のオフセンタ量で安定して走行で
きた。
【0035】
【実施例2】本例にあっても、流体として気体 (空気)
を用いたが、図16に示すように溶融メッキラインのメッ
キ出側トップロールに90゜方向転換浮揚搬送装置を導入
し、その搬送状態をテストした。本例では、流体室56は
分割してそれぞれがロールのストリップ巻掛面に隣接し
て設けられ、その間は遮蔽板112 によって連結されてい
る。また蛇行抑止のために図16に示すようにロール本体
50に対向してリニアモータ55を配してある。このときの
リニアモータ55の構造について図17に一部拡大して示
す。ロール本体50の外周に沿った形状に成形されている
点を除いて図9のそれに実質上同一である。
【0036】浮揚搬送装置は、ロール本体50がロール径
1500mmで胴長2200mmのフラットロールであり、ノズル幅
WO が1600、1200、900 mmと3対の流体吹出し口を左右
対称に有する。このようにして、1000〜1850mm幅で0.35
〜1.2 mm厚のストリップを浮揚したところ、空気供給量
は250 〜1000m3/minを要した。このようにメッキ出側に
浮揚搬送装置を設けたことによって未凝固状態でのスト
リップの方向転換が可能でラインの高速化が達成され
た。また、ロールへのピックアップが防止され、しかも
浮揚していることより、疵発生は抑止できた。蛇行量
も、100 〜250m/minの通板速度でも±3mmの範囲でおさ
まっており安定した操業が達成された。また、通常のロ
ールとしての機能も有するため、板通し等のメンテナン
ス時の不便さも解消されている。
【0037】
【実施例3】本例にあっては、流体として電解液を用
い、図5に示す本発明にかかる流体支持装置を、電気メ
ッキラインの槽中ロールとして利用した。本例において
用いたロール本体50のロール径は800 mmで胴長2150mm、
ノズル幅W0 1700mmとした。張力4Ton で1850mm幅×1.
4 mm厚のストリップを250m/minの通板速度で浮揚搬送し
た。その結果、液中に本発明にかかる浮揚搬送装置を用
いてもストリップの浮揚搬送が行えることが確認され
た。なお、本例においてリニアモータ55は完全に液密に
シールされており、蛇行センサー53も備えていた。
【0038】また、本発明装置によれば蛇行量が±1mm
と非常に安定した。液中ロールにはクラウンが不必要と
なるため、板の反り等が減少し、電極を更に近接できた
のでめっき付着量が大幅に均一化できた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ストリップの蛇行を防止できると共にストリップ先端部
の通板を容易に行え、しかもコンパクトで安定してスト
リップの非接触支持が行えるという、従来の問題点を全
て解決できるという大なる効果を有するのであって、本
発明の実際上の意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来型の浮揚装置の一例を示す略式斜視図であ
る。
【図2】図1の浮揚装置に用いられるノズルの断面形状
の説明図である。
【図3】ホーバークラフトの原理の概略説明図である。
【図4】従来型の浮揚装置の別の一例の略式斜視図であ
る。
【図5】本発明によるロールと流体室とリニアモータか
ら成る浮揚搬送装置の一例の略式斜視図である。
【図6】本発明による流体支持ロールの略式断面図であ
る。
【図7】本発明の流体支持ロールを構成する内側ロール
の部分略式斜視図である。
【図8】本発明の流体室の一例を示す概略説明図であ
る。
【図9】本発明において使用するリニアモータの構造の
説明図である。
【図10】本発明によるストリップの幅方向の浮揚状態
の説明図である。
【図11】本発明によるストリップの長手方向の浮揚状
態の説明図である。
【図12】本発明によるロールにおける仕切板の取り付
けを示す略式斜視図である。
【図13】リニアモータによる蛇行修正の説明図であ
る。
【図14】本発明の実施例における浮揚搬送装置の設置
場所とライン構成の略式説明図である。
【図15】本発明の実施例において用いた浮揚搬送装置
の制御系の説明図である。
【図16】本発明の別の実施例における浮揚搬送装置の
設置場所とライン構成の略式説明図である。
【図17】リニアモータと流体支持ロール設置位置を示
す説明図である。
【符号の説明】
3 : ストリップ 50 : ロール本体 52 : 流体吹出し口 53 : 蛇行センサー 54 : 流体供給間 55 : リニアモータ 56 : 流体室 57 : コントローラ 58 : 流体噴出口 140 : 仕切板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 正勝 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友 金属工業株式会社内 (72)発明者 西村 和夫 石川県加賀市熊坂町イ197番地 大同工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−43154(JP,A) 特開 昭62−167163(JP,A) 特開 昭62−139832(JP,A) 特開 昭62−142728(JP,A) 特開 昭62−167162(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65H 20/10,20/14,23/032 C21D 9/63

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール表面にロールの軸方向に離間させ
    て左右対称に一対以上の周方向にわたる流体噴出ノズル
    を有するストリップを巻掛けてストリップを搬送しつつ
    支持するロールと、ストリップ巻掛面以外のロール表面
    の少なくとも一部に対面しながらロールの長手方向に延
    設され、ロール表面に沿ってストリップとロール表面と
    の間に流体を噴出してストリップを浮遊させる流体室
    と、該流体室に接続された流体供給管とを備えたストリ
    ップの浮揚搬送装置であって、ストリップの蛇行検出器
    と、リニアモータと、および該蛇行検出器の出力によっ
    て前記リニアモータの相と出力を制御するコントローラ
    とをさらに組合せて備えたことを特徴とするストリップ
    の浮揚搬送装置。
  2. 【請求項2】 ストリップを巻掛けてストリップを搬送
    しつつ支持するロールと、ストリップ巻掛面以外のロー
    ル表面の少なくとも一部に対面しながらロールの長手方
    向に延設され、ロール表面に沿ってストリップとロール
    表面との間に流体を噴出してストリップを浮遊させる流
    体室と、該流体室に接続された流体供給管とを備えたス
    トリップの浮揚搬送装置であって、ストリップの蛇行検
    出器と、リニアモータと、および該蛇行検出器の出力に
    よって前記リニアモータの相とストリップの蛇行が消去
    されるまで出力を漸増または漸減させ蛇行が修正された
    時点でのリニアモータの出力を保持するように出力を制
    御するコントローラとをさらに組合せて備えたことを特
    徴とするストリップの浮揚搬送装置。
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