JP2913812B2 - ストリップの流体支持ロールと流体支持装置 - Google Patents

ストリップの流体支持ロールと流体支持装置

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JP2913812B2 JP27808590A JP27808590A JP2913812B2 JP 2913812 B2 JP2913812 B2 JP 2913812B2 JP 27808590 A JP27808590 A JP 27808590A JP 27808590 A JP27808590 A JP 27808590A JP 2913812 B2 JP2913812 B2 JP 2913812B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ストリップの流体支持装置およびそれに用
いる流体支持ロールに関する。詳述すれば、本発明は、
鋼ストリップの連続焼鈍炉、連続メッキ炉、連続コーテ
ィング炉等において走行中のストリップを流体により浮
揚・支持する装置およびそれに用いる流体支持ロールに
関する。
なお、本発明は、その他金属、紙、プラスチック等の
製造、搬送ラインにも適用しうるものであり、したがっ
て、以下の説明にあってはこれらを総称する意味で、単
に「ストリップ」という。
(従来の技術) ストリップを非接触状態で支持する方法として、Jour
nal of the Iron and Steel Institute(May,1963,P401
〜408)に次の二つが代表例として示されている。
空気ベアリングを多数配置するもの 第1図に略式斜視図で示すように、ドラム1の外周上
面に第2図に示す如き断面形状の多数のノズル孔2を配
置して、これらノズル孔2から高圧流体を噴出させると
ともにその上にストリップ3を巻掛け、非接触状態でス
トリップ3を浮揚・支持して搬送する方法である。な
お、第1図中、符号4は空気などの高圧流体の入口配管
を示す。
この方法は、ストリップの張力を高めると非常に大き
なエアー圧力が必要となること、またストリップの揺動
が大きいこと等実用的でない旨記載されている。この方
法は、例えば、特開昭62−167162号公報に記載されてい
るように、ストリップの揺動防止に改善を加えて写真用
フィルムや印画紙、磁気テープ等の軽量物で空気などの
流体の噴出圧力の小さなものには使用されているが、し
かしノズル孔を多すぎること、金属ストリップの支持搬
送には非常に大きな流体の噴出圧力が必要となり不経済
である等の問題がある。これは多数の空気ベアリングか
らの噴出エネルギーでストリップを浮かせようという発
送に無理があるからである。
ホーバークラフトの原理を応用するもの 第3図に略式断面図で示すように支持・搬送せんとす
るストリップ3の内側に向けてスリットノズル孔2′を
配置し、これらスリットノズル孔2′からの噴流をスト
リップ3に衝突させて流れの向きを変え、流体のカーテ
ンによって囲まれた領域に発生するクッション圧力を利
用するホーバークラフトの原理を応用する方法である。
この方法も基本的には流体の運動エネルギーを静圧ま
たは動圧に変換してストリップを支持するという考え方
である。
この方式に基づく一つの形式として第4図に示す浮揚
装置が提案されている。図中、流体供給管4からの流体
はそれぞれ内側を向いたノズル2、2′からストリップ
3に向かって噴出し、それを浮上させるのである。
しかし、この装置には浮き高さが、ストリップの長手
方向で異なるという問題があり、この問題の改善策が、
特開昭62−139832号公報、特開昭62−142728号公報等で
開示されているが、これは第4図の装置を多分割して、
流体供給バランスを変更して均一化を図ろうとするもの
である。基本的には、固定式のストリップ支持装置とし
て構成されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの従来技術は、以下に示すよう
な点において技術上の難点がある。
(1)多数の空気ベアリングを有する第1図のタイプの
ものでは、ストリップに張力が大きく働いている場合に
は、高い空気圧が必要であるが、その場合ストリップの
振動が問題となるため、高張力ラインへの適用は難し
い。
(2)このような空気ベアリングでは、ストリップの浮
揚高さが非常に小さいため、支持装置との接触の問題が
あり表面疵発生への不安がある。
(3)空気の供給が装置内に蓄えられた空気の圧力で一
意に決まるため、各ノズルから圧力または流量は重要で
あるが、それらをコントロールできない。例えばロール
表面でいろいろノズル形状を変化させることもできる
が、装置自体を回転可能なロールから構成するとロール
の回転によって、ノズルの位置が変化するため結果とし
て利点がない。
(4)第4図に示すホーバークラフトタイプの装置で
は、装置自体が固定式であるためストリップ先端の通板
が非常に困難である。
(5)全ての通板材に対してこのような浮揚支持装置を
使用する必要がない場合でも、このような固定型であれ
ば常に浮上させた状態で使用する必要があり経済的でな
くコストがかかる。
(6)浮揚支持装置とロールを別々に有するライン構成
も可能であるが、ストリップの通板パスを容易に変更で
きないため、操業上の効率も悪い。
ここに、本発明の目的は、前記した従来技術の問題点
を解消し、 (1)経済性が高く、コンパクトで安定性がある (2)ストリップの蛇行を抑止できる (3)ストリップ先端部の通板困難を解消できる (4)浮揚支持装置とロールとの使用を適宜選択できる という各点を満足する、高張力状態のストリップも浮揚
できる流体支持装置およびそれに使用する流体支持ロー
ルを提供することである。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本発明者らは種々検討を
重ねた結果、次の諸事項について確認し、それに基づい
て本発明を完成するに至った。
すなわち、ストリップを巻き掛けて搬送する装置にお
いて、ロールの表面に長手方向に左右対称に全周に亘る
流体吹き出しノズルを配することによって等方的に流体
を噴出することでき、これにより、ストリップとロール
の界面に流体留りを形成し、ストリップを浮揚させた、
つまりロールとの接触を排した支持が可能であることが
判明した。
そして、流体支持ロールの下面、つまりストリップの
ロール巻掛面の反対側にロール円周に沿う流体室を設置
するとロール周面と流体室の境界線ができるが、ここに
流体噴出口を設けると、流体はロール周方向に噴出し、
ストリップのロール巻掛面における浮揚高さを均一にす
ることができることも判明した。
かくして、本発明の要旨とするところは、ロールにス
トリップを巻掛けてストリップを搬送しつつ支持するロ
ールであって、ロール長手方向に離間させて2条以上設
けたロール全周に亘る流体吹き出しノズルをロール表面
に有するとともに、該流体吹き出しノズルの開口部の厚
みを可変としたことを特徴とするストリップの流体支持
ロールである。
本発明はその別の面からは、ロールにストリップを巻
掛けてストリップを搬送しつつ支持するロールであっ
て、ロール長手方向に離間させて2条以上設けたロール
全周に亘る流体吹き出しノズルを有するとともに、該ノ
ズル内にロール径方向に延在する2枚以上の仕切り板を
設け、該流体吹き出しノズルの開口部の厚みを可変とし
たことを特徴とするストリップの流体支持ロールであ
る。
さらに別の面からは、本発明は、上述の流体支持ロー
ルと、この流体支持ロールのストリップ巻掛面の反対側
のロール表面に対向させて設けた流体室とから成り、該
流体室と流体支持ロールとの境界に、該流体支持ロール
とストリップとの界面に流体を供給する少なくとも1個
の流体噴出ノズルを有し、流体支持ロールと流体室で個
々に流体噴出量を調整できることを特徴とするストリッ
プの流体支持装置である。
本発明の好適態様によれば、流体支持装置におけるス
トリップの入側および/または出側の面であって、前記
流体室のストリップに対向する面に、少なくとも1個の
流体噴出口を設けてもよい。
本発明の別の好適態様によれば、流体支持装置におけ
るストリップの入側および/または出側において、前記
流体室に対向するようにストリップの調心用および揺動
防止用の流体噴出ノズルをさらに具備するように構成し
てもよい。
(作用) 次に、添付図面を参照しながら本発明をさらに具体的
に説明する。
第5図に本発明による簡単な装置構成の一例を示す。
第5図に示す装置にあっては、本発明による流体支持ロ
ールに流体室を配置してある。
ストリップを巻掛けてストリップを搬送しつつ支持す
るロール本体50には、ロール長手方向に離間させて流体
吹き出しノズル52が設けられている。通常、これらのノ
ズル52は、ロール中心に対して左右対称に2条以上、ロ
ール全周に亘って設けられている。ノズル52に対する流
体供給は流体供給管54を経て行われる。ロール本体50
は、通常、中空となっていて一種の溜めとして機能す
る。
図示例ではロール長手方向に離間平行して2条のノズ
ル52が設けている。
流体支持ロール50のストリップ巻掛面と反対側には、
ロール表面に対向させた設けた流体室56が設けられてい
る。流体室56と流体支持ロールとの境界に形成されたス
リット部は流体支持ロールとストリップの界面に流体を
供給する流体噴出ノズル58を構成している。図示例では
この流体噴出ノズルを両側に二つ設けている。符号59は
この流体室56への流体供給管を示す。
第6図は、流体支持ロール50の断面形状の一例を示
す。
図示例の構造では、ロール本体50は内側ロール60に外
側ロール62を組込んだ構成となっている。
ノズル52は内、外側ロール60、62によって形成され、
この流体吹き出しノズル52の吹き出し角度(θ)は、図
示のようにロール中心軸に対し30゜≦θ≦90゜に調整さ
れている。図示例ではノズル52の内壁の角度が異なって
いるが、そのような場合、最大角度をノズル吹き出し角
度として本発明では規定する。
第7図は、第6図に示す流体支持ロールの内側ロール
の一部の形状を模式的に示す。端面テーパ面に設けた複
数の孔70を経て流体はノズル52に送られる。
内側ロールと外側ロールとの着脱は適宜嵌め合い機構
を用いることにより行えばよい。
第8図は、流体室56の一例を示す略式斜視図であっ
て、スリット部80の長さW1、流体室の幅W2、長さW3、お
よびスリット部80の高さ、つまりノズル口の高さdにつ
いては特に制限はない。例えば、スリット部80の長さW1
は、スリップ幅が固定されている場合にはそのストリッ
プ幅と一致させることが望まれるが、通常の製造ライン
では単一幅のみという場合は少ない。したがって、ノズ
ル幅としてはストリップ幅の70%以下になると不安定に
なるため、ノズル幅は最大板幅の70%以上となるように
設定するのがよい。
なお、図示の流体室56においてスリット部80と両端の
円弧部86とから区画される凹部は流体の溜めとなる。
第9図は、ストリップ3をロール50に巻掛けて180゜
方向転回して搬送するときの状態を示す。図中、各参照
符号は第5図ないし第8図に示すそれと同様である。
次に、本発明にかかる流体支持装置の操作について説
明する。
(1)流体供給停止時 これまでの説明からも明らかなように、ロール本体50
は通常の搬送用ロールとしての働きもするため、ストリ
ップの先端部を通板する時の扱いが非常に容易になる。
また、疵や形状不良等の問題の少ない、厚手材や低グレ
ード材に対して、特にラインの切り換え等の労力なしに
流体浮揚搬送からロール搬送あるいはその逆に容易に移
行できる。
(2)流体による浮揚搬送時 流体によるストリップの浮揚搬送を開始するときは、
まず流体供給管54および59を経て外部より流体を流体支
持装置に導入するが、そのとき導入する流体は、第5図
に示すように、ロール本体50と流体室56にそれぞれ供給
する。ここでロール本体50に送られた流体は、第6図に
示すようにロール中央の中空部63に蓄えられ、次いで、
その流体は、第6図に示す矢印の方向に流れ、内側ロー
ル60の端面テーパー面に設けられた孔70(第7図参照)
を通りロール表面に設けたノズル52より放射状に噴出す
る。
このときロール50の下面のノズル52からの流体の噴出
は、第5図に示すように、流体室56のロールに対向する
円弧部86(第8図参照)によって抑止されている。
一方、ロール下面に設置した流体室56に供給された流
体は、ロール表面との境界線に形成されたスリット部か
ら成る流体噴出ノズル58より噴出する。
第10図および第11図にこのときのストリップ3の浮揚
状態を断面図で示すが、まず、ロール軸方向には、第10
図に示すように、ノズル52を出た流体はロール中央に向
って送り込まれ、その後ストリップとロール間に蓄えら
れている流体に衝突・反転してストリップの板端より流
出する。一方、ロール円周方向には、第11図に示すよう
に、ノズル58を出た流体が一旦ロール頂上部に向って送
り込まれるが、その後同様に反転し、流体室56の下部よ
り流出する。
このように両ノズル52および58から流体噴出させるこ
とにより、ストリップは、ロール50に巻掛けられながら
流体を介して浮揚支持される。
(3)流体支持のための主要寸法関係 ロール50の噴出ノズル52は、いずれもストリップの板
幅Wより内側になければならないのは当然である。もし
通板するストリップの板幅が固定されているのであれ
ば、第6図のノズル間距離W0をWに近づけるのが好まし
いが、製造ラインでは板幅は単一という場合が少ないた
め、また、走行中のストリップは、左右に動く蛇行を生
じる問題点があるため、流体支持ロールの製作に当たっ
てはW×0.7≦W0≦W×0.95の関係を満たすように、通
板ストリップの幅寸法が決まった段階でW0を決めること
が望ましい。
ここで一般的にはW0の上限は、ストリップが蛇行した
ときでも、ロール上の噴出ノズル口からのストリップの
脱落を抑止するための制限であり、一方、W0の下限は、
板幅に比べてW0が小さ過ぎると、ストリップの中央は浮
揚するが、板端部でロールと接触してしまうことを抑止
するための制限である。
第12図には、内側ロール60と外側ロール62とから構成
されロール表面に設けられた流体吹出しノズル52の部分
断面を示しているが、流体はギャップgsから表面の方に
移動し、g0の厚さのノズルより噴出する。ここで任意の
dθ(第12図(b)参照)なるロールの円弧を考える
と、ノズル孔の底面部での半径γ=γよりγ・dθ
・gsの断面積に、ノズル孔の先端部での半径γ=γ
りγ・dθ・g0の断面積がそれぞれなる。ここでノズ
ル孔内を出側方向に行く程断面積を絞ってゆくことによ
って流速を上げるためには、γ・dθ・gs≧γ・d
θ・g0つまりγ・gs≧γ・g0とすることが必要であ
る。
また第6図の構造を見ると容易にわかるが、外側ロー
ル62を軸方向に動かすことによってg0は自由に設定でき
るから、これによってもノズル52からの流体の流速を調
整できる。このときgsも同様に変わるがgsの選び方は、
最大のg0に合わせてロールを設計する段階で上記式を満
足するようにgsを決めるのが好ましい。
次に、流体室56の寸法について説明すると、第8図に
示すスリット部80の幅W1は、ロール50のノズル間距離W0
できまり、W1≦W0となるように選定する。これは、ロー
ル下面より流体が噴出し、流体室内に蓄えた流体と干渉
するのを抑止するために、流体室56の円弧部86でロール
下面のノズルを押さえる必要があるためである。
次にスリット部80の深さdは、小さ過ぎると必要流量
を供給するための抵抗となり供給圧を高める必要があ
る。また、dが大き過ぎるとノズルとしての効果を発揮
しなくなるため、ロール半径に対する0.1〜8゜の弧長
程度が望ましい。
(4)ロールからの噴出流体を更に等方的にする構成 第13図に示すように、ロール本体50に設けたノズル52
内にロール径方向に延在する2枚以上の仕切板140を設
ける。このとき、好ましくは内側ロール60の仕切板140
を設けると同時に外側ロール62には、各仕切板140に対
応する溝142が作られており、内外ロールを嵌合すると
きに仕切板と溝とを互いにはめ合わせることによって、
流体の円周方向の流れを抑止する。つまり、ロール下面
を流体室56で支持しても、ロール50よりロール円周方向
に等方的に流体を噴出することになるため、より均一な
浮揚が可能となる。
第14図(a)、(b)は、内側ロール60に仕切板140
を付けた場合の側面および断面をそれぞれ示す。
このように仕切板140を設けるときは第7図に示す孔7
0は各仕切板の間にそれぞれ設ける。
(5)大幅な板幅変更を行う構成 流体の噴出ノズル52の幅W0と板幅Wについては、既に
述べた通りで、ストリップの板幅Wの変更があってもそ
の範囲内であれば、浮揚は可能である。
しかし、その範囲を越える場合や、より安定した浮揚
を行う場合にはロール50におけるノズル52の幅W0さらに
は流体室のスリット幅W1を適宜変更できる機構を設けな
ければならない。
第15図および第16図はそれぞれノズル幅W0およびスリ
ット幅W1の変更機構の一例を示す。
第15図は、ノズル幅W0の変更機構を説明するロールの
断面図である。第15図は、全てのノズルが閉じられた状
態のときを示す。主軸に対して内側ロール60は固定され
ているが、外側ロール62およびe1、e2、e3の分割部は軸
方向に動く。そしてストリップ板幅Wの変更があった時
には、その板幅に適するノズル幅W0を選んで、そこにノ
ズルを形成するように外側ロール62および各分割部e1
e3のいくつかをシフトさせることにより、図示のように
W01〜W04のうちから好適なノズル幅W0を選び、そのノズ
ル幅を固定することで適切な浮揚が行える。シフトさせ
た位置で各分割部を固定するにはロール内に設けたアク
チュエーター(図示せず)などにより行えば良い。
第16図は流体室の斜視図である。第16図に示す流体室
56は仕切板f1〜f3によって複数に分割されており、それ
ぞれ区画された流体室561、562、563には流体供給管5
91、592、593が設けられている。ロール50のノズル幅W0
の変更に合わせて、流体室の流体供給箇所を増減させる
ことによって、スリット幅W1を適宜変更するのであり、
流体の効率的利用が可能となる。
(6)より安定した浮場を行う構成 第17図には、ストリップ3の浮揚搬送時に流体室56の
側面よりストリップに向けて流体を供給すべく、ストリ
ップ背面にも流体噴出ノズル90を設けた場合の装置構成
を示す。図示のように流体室56とストリップ3の間に流
体を供給することによって、ロール入出側で、ストリッ
プ3が振動等によって流体室56と接触しないように更に
安定性を高めることができる。
図示例では、流体室56に対向するようにノズル92がさ
らに設けられている。これはストリップの調心および蛇
行防止のために設けられている。流体支持されたストリ
ップはロール支持に比較して、ストリップの横方向の動
きに対してほとんど拘束されていない。そこで、ストリ
ップの背面に設けた流体噴出ノズル92でストリップの蛇
行および揺動を防止する。
第17図では、ロール入側にのみ設置されているが、出
側に設けてストリップを確実に保存することも可能であ
る。また、ストリップの蛇行や揺動を防止できるもので
あれば、ノズル以外にも電磁的または、機械的なものも
採用できる。
(7)方向転換角度が180゜以外の場合 先に第9図においては、ストリップの180゜の方向転
換について述べたが、方向転換角度は、180゜に限定さ
れたものではなく、自由に設定できる。
第18図では、流体室56を2つに分割し、ロール本体50
を中心にそれらを90゜配置することにより行うストリッ
プの搬送方向90゜方向転換する場合の一例を示す。
第19図に90゜相当に分割・配置される流体室である分
割流体室96を示す。
この分割流体室96とプレート98(第18図)を用いるこ
とによって、180゜方向転換した場合と同様に90゜方向
転換した浮揚・搬送が達成される。更にプレート98のロ
ール支持角度(第18図では90゜)を適宜変更することに
よって、任意の転換角度が選択でき、角度上の制約はな
い。
次に、本発明の作用効果について実施例によりさらに
具体的に説明する。
実施例1 本例では、流体として気体(空気)を用い、第20図に
示すストリップ3の搬送モデルラインに本発明にかかる
流体支持装置を組み込んで、ストリップの浮揚搬送のテ
ストを行った。
すなわち、第20図のAの位置のロールに代えて、第21
図に示す流体支持装置を取り付けた。ここで、流体支持
ロールおよび流体室は、第5図に示すものであった。
第21図において、圧縮機30から弁31および流量計32お
よび圧力計33を経て供給される圧縮流体はロール本体50
からと流体室56とから噴出され、ストリップ3を浮揚し
ながら支持する。一方、ストリップ3の入側および出側
にそれぞれ2個づつ設けられたノルズ20からはブロア36
から弁37および流量計38および圧力計算39を経て供給さ
れる流体がストリップ3の側面が吹き付けられる。参照
符号40はストリップ3の浮揚量を測定するセンサーであ
って、このセンサー40の測定データにもとづいて流体室
56からの流体噴出量、ノズル20、28からの吹き付け量を
調整し、一定量の浮揚量を確保する。
ストリップ3の背面に設けられた空気吹き出しノズル
20は、第22図(a)、(b)にそれぞれ平面図および側
面図で示すように、流体溜40およびその長手方向に沿っ
て設けられた口ばし状の吐出口42から構成されており、
これは上下位置およびストリップからの距離を可変なる
ように支持されている。
この時のロール50は外径100mm×胴長300mmのフラット
ロールであり、ノズル間距離W0=250mmとした。
またノズル52のギャップg0は0〜3mmまで可変であ
り、gs−g0=5mm、γ=50mm、γ=25mmであった。
流体室56は、ロール50との間隔を0.1mmとして、第21図
に示すごとく対向配置した。流体室56のスリット幅W1
245mmであり、深さdは5mmとした。
ロール50はモーターで駆動されており回転速度と方向
は自由に選べ非回転にもできる。通板するストリップを
浮揚しない場合には、ライン速度とロール回転速度が一
致するのは当然であるが、浮揚した状態であっても、別
の所で測定しているライン速度のデータに合わせてロー
ル50を回転させることによって走行中に、疵等を発生さ
せずに浮揚・非浮揚を選択できるようにした。
ここで、供試材として0.1mm厚×280幅のSPCCストリッ
プを用いて、0〜250m/minで走行させた。張力は1〜40
kgで可変とした。
第23図には、そのような操業を行った場合の張力20kg
の流体供給量と浮揚量の関係をグラフで示すが、測定位
置15゜および90゜における浮揚量がほぼ同一であること
から、ロール50の周方向に巻掛けられたストリップが均
一に浮揚していることがわかる。
そこで張力を40kgまで上げたところ、浮揚高さは低下
するが、浮揚量はロール前周にわたって均一に浮揚して
おり、接触問題は皆無であった。ここで、浮揚量は、第
21図のセンサー40を用いて測定した。
また、浮揚した状態でロール50の回転または非回転を
繰り返し、そのときのストリップの浮揚量の変化測定し
たが、浮き高さの変化は少なく、ロールからの空気の等
方的な吹き出しが確認できた。
4個の噴出ノズルより全体で0.9〜2.0m3/minの風量を
供給した。この場合、風量が大きい程、蛇行抑止効果が
高く、安定搬送に効果が大きかった。ノズル20によって
ストリップ背面を支持することによって約1/3に蛇行が
低減した。
実施例2 本例にあっても、流体として気体(空気)を用いた
が、第24図に示すように溶融メッキラインのメッキ出側
トップロールに第18図に示す90゜方向転換流体支持装置
を導入し、その搬送状態をテストした。
このときに用いた流体支持装置は、ロール本体50がロ
ール径1500mmで胴長2200mmのフラットロールであり、ノ
ズル幅W0が1600、1200、900mmで可変とした。1000〜185
0mm幅で0.35〜1.2mm厚のストリップを浮揚したところ、
空気供給量は250〜1500m3/minを要した。
このようにメッキ出側に流体支持装置を設けたことに
よって未凝固状態でのストリップの方向転換が可能でラ
インの高速化が達成された。また、ロールへのピックア
ップが防止され、しかも浮揚していることにより、疵発
生は抑止できた。
また、通常のロールとしての機能も有するため、板通
し等のメンテナンス時の不便さも解消されている。
実施例3 本例にあっては、流体として電解液を用い、第6図に
示す本発明にかかる流体支持装置を、電気メッキライン
の槽中ロールとして利用した。
本例において用いたロール本体50のロール径は800mm
で胴長2150mm、ノズル幅W01700mmとした。張力4Tonで18
50mm幅×1.4mm厚のストリップを浮揚搬送した。200〜60
0/minの流量で流体を供給したときの浮揚高さを測定
したところ0.6〜1.0mmで安定していた。
つまり、液中に本発明にかかる流体支持装置を用いて
もストリップの浮揚が行えることが確認された。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明は、ストリップの蛇行を
防止できると共にストリップ先端部の通板を容易に行
え、しかもコンパクトで安定してストリップの非接触支
持が行えるという、従来の問題点を全て解決できるとい
う大なる効果を有するのであって、本発明の実際上の意
義は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来型の浮揚装置の一例を示す略式斜視図; 第2図は、第1図の浮揚装置に用いられるノズルの断面
形状の説明図; 第3図は、ホーバークラフトの原理の概略説明図; 第4図は、従来型の浮揚装置の別の一例の略式斜視図; 第5図は、本発明にかかるロールと流体室から成る流体
支持装置の略式斜視図; 第6図は、本発明による流体支持ロールの略式断面図; 第7図は、本発明にかかる流体支持ロールを構成する内
側ロールの部分略式斜視図; 第8図は、本発明による流体室の一例を示す概略説明
図; 第9図は、本発明にかかる流体支持装置におけるストリ
ップの巻掛けの様子を示す略式斜視図; 第10図は、本発明によるストリップの幅方向の浮揚状態
の説明図; 第11図は、本発明によるストリップの長手方向の浮揚状
態の説明図; 第12図(a)、(b)は、本発明による流体支持ロール
の設けられたノズルの寸法関係図; 第13図は、本発明によるロールにおける仕切板の取り付
けを示す略式斜視図; 第14図(a)、(b)は、本発明にかかる流体支持ロー
ルの仕切板を設けられた内側ロールの側面図および断面
図; 第15図は、本発明による、ロールノズル位置変更機構の
略式説明図; 第16図は、本発明における流体室の変更例であるスリッ
ト幅の変更機構を備えた流体室の略式斜視図; 第17図は、本発明における流体室側面よりの流体噴出の
一例を示す概略説明図; 第18図は、本発明における流体支持装置による90゜方向
転換機構を示す概略説明図; 第19図は、第18図における流体室の略式斜視図; 第20図は、本発明の実施例における流体支持装置の設置
場所とライン構成の略式説明図; 第21図は、本発明の実施例において用いた流体支持装置
の制御系の説明図; 第22図(a)、(b)は、第21図において用いたノズル
のそれぞれ平面図および側面図; 第23図は、本発明の実施例による浮揚量測定結果を示す
グラフ;および 第24図は、本発明の別の実施例における流体支持装置の
設置場所とライン構成の略式説明図である。 50:ロール本体、52:ノズル 54:流体供給管、56:流体室 58:ノズル、59:流体供給管 60:内側ロール、62:外側ロール 70:孔
フロントページの続き (72)発明者 小峰 一晃 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 西村 和夫 石川県加賀市熊坂町イ197番地 大同工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−199725(JP,A) 実開 平1−136160(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/63 B65H 20/14,20/10 B21B 39/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロールにストリップを巻掛けてストリップ
    を搬送しつつ支持するロールであって、ロール長手方向
    に離間させて2条以上設けたロール全周に亘る流体吹き
    出しノズルをロール表面に有するとともに、該流体吹き
    出しノズルの開口部の厚みを可変としたことを特徴とす
    るストリップの流体支持ロール。
  2. 【請求項2】ロールにストリップを巻掛けてストリップ
    を搬送しつつ支持するロールであって、ロール長手方向
    に離間させて2条以上設けたロール全周に亘る流対吹き
    出しノズルを有するとともに、該ノズル内にロール径方
    向に延在する2枚以上の仕切板を設けたことを特徴とす
    るストリップの流体支持ロール。
  3. 【請求項3】ロールにストリップを巻掛けてストリップ
    を搬送しつつ支持する装置であって、請求項1または2
    に記載の流体支持ロールと、該流体支持ロールのストリ
    ップ巻掛面の反対側のロール表面に対向させて設置した
    流体室とから成り、該流体室と流体支持ロールとの境界
    に、該流体支持ロールとストリップとの界面に流体を供
    給する少なくとも1個の流体噴出ノズルを有し、流体支
    持ロールと流体室で個々に流体噴出量を調整できること
    を特徴とするストリップの流体支持装置。
  4. 【請求項4】流体支持装置におけるストリップの入側お
    よび/または出側の面であって、前記流体室のストリッ
    プに対向する面に、少なくとも1個の流体噴出口を有す
    ることを特徴とする請求項3記載のストリップの流体支
    持装置。
  5. 【請求項5】流体支持装置におけるストリップの入側お
    よび/または出側において、前記流体室に対向するよう
    にストリップの調心用および揺動防止用の流体噴出ノズ
    ルを具備することを特徴とする請求項4記載のストリッ
    プ流体支持装置。
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