JP3677864B2 - 帯状材の通板方向変換装置及び通板方向変換方法 - Google Patents

帯状材の通板方向変換装置及び通板方向変換方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷延鋼板等からなる帯状材の通板方向の変換に係り、走行する帯状材をヘリカル状に巻き掛け且つ非接触状態で通板方向を変換する通板方向変換装置及びその通板方向変換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
走行する帯状材をヘリカル状にフロータに巻き掛け且つ非接触状態で通板方向を変換する、所謂ヘリカルフロータ式の通板方向変換装置は、非接触状態で帯状材の通板方向を変換できると共に、ベンドフロータ式の通板方向変換装置に比べて通板変換方向の自由度が大きい。
【0003】
このため、この種の通板方向変換装置は、近年、色々なプロセスラインで採用され、特に、二以上の工程を連続させることが省力化や歩留り向上等に大きな効果があることから、パスラインの延在方向が異なる二つのプロセスを連続させるケースも増えている。そして、非接触すなわち擦り疵が生じることなく帯状材の通板方向を変換可能な点で、上記ヘリカルフロータ式の通板方向変換装置は有用とされている。
【0004】
従来、上記のように鋼帯等の帯状材をヘリカル状に浮上支持し非接触状態で通板方向を変換する装置としては、例えば特開昭51−25274号公報等に記載されているものが知られている。
【0005】
この装置は、図9及び図10に示すように、円筒状のフロータ50と、そのフロータ50表面の帯状材巻き掛け位置(通板位置)Lに沿って設けられ所定圧力の流体を噴き出し可能な多数の噴出孔51とを備え、さらに、上記フロータ50に対する帯状材52の入側及び出側に、ぞれぞれ帯状材52を案内するガイドロール53,54を配設して構成される。
【0006】
そして、搬送されてきた帯状材52は、入側のガイドロール53に案内されて、上記フロータ50の表面に沿って斜めに巻き掛けられ、当該フロータ50に沿って通板する間に通板方向が変換されつつ、順次、出側のガイドロール54を経て次工程に送られる。
【0007】
ここで、上記フロータ50に巻き掛けられた部分の帯状材52は、噴出孔51から噴き出される流体によってフロータ50表面から浮上支持され、フロータ50と非接触状態で移動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の通板方向変換装置では、単にフロータ50に帯状材52を巻き掛けて噴出する流体により浮上支持しているだけであるので、例えば,次に示す▲1▼〜▲4▼のような通板条件の変動が生じたときには、フロータ50からの帯状材52の浮上量が変動してしまう。
【0009】
▲1▼ 噴出孔51から噴出する流体の圧力が変動した場合
▲2▼ 通板方向変換装置を含む区画での加減速に伴い帯状材に張力変動が生じた場合
▲3▼ 通板方向変換装置に隣接する区画での加減速に伴って発生する張力変動の当該通板方向変換装置を含む区画への伝播により帯状材に張力変動が生じた場合
▲4▼ 帯状材52の板厚や板幅寸法が変化した場合
上記のように帯状材52の浮上量が変動してしまうと、上記入側のガイドローラ53と出側のガイドローラ54との間の帯状材52のパスライン長が変化して、出側位置の帯状材52が当該帯状材52の板幅方向へずれてしまう。この浮上量の変動による板幅方向への変動は、帯状材52を所定のラセン角をもってヘリカル状に巻き掛けているために生じるもので、ヘリカルフロータ式の通板方向変換装置に特有のものである。
【0010】
即ち、上記のように浮上量が変化すると、上記ヘリカル状にフロータ50に巻き掛けられているために、帯状材52に蛇行や片寄りが発生すると共に、上記ガイドロール53,54との摩擦による拘束も影響して帯状材に捩じれや斜行が生じるおそれがあるという問題がある。例えば、浮上量が大きくなると、図11に示すように蛇行が生じる。図11中、Δhは、目標とする浮上量からの偏差を示し、ΔHは、そのときに生じる蛇行量及びその方向を示している。また、上記蛇行と共に、図12に示すように斜行も生じる。図12中、一点鎖線は、帯状材52の片寄りに応じた、板端部の位置の変化を示している。
【0011】
ここで、従来の通板方向変換装置では、上記通板方向変換時の板幅方向への揺動を抑えるために、例えば特開平4−55254号公報などに記載されるように、フロータ50表面の帯状材巻き掛け位置(通板位置)Lに沿って帯状材52を案内するサイドプレート等を設ける場合もあるが、帯状材52が板幅方向へ揺動すると、その帯状材52がサイドプレート等と擦れ合い帯状材52の品質を落とす一因となる。
【0012】
なお、従来、ベンドフロータ式の通板方向変換装置においては、特開平2−204264号に記載されているように、帯状材の段付き点の通過の際に張力制御を行うものも開示されているが、ベンドフロータ式は、同一平面内で通板方向を変換するものであり、ヘリカルフロータ式のように帯状材に「ひねり」を加えて通板方向を変換しないため、浮上量の変化は蛇行・片寄りとは無関係である。このため、上記特開平2−204264号に記載されている張力制御は、単に、段付き点通過の際に、帯状材とフロータとの非接触状態を確保するためだけのものであり、浮上量を目標浮上量に高精度に制御するものではない。
【0013】
これに対して、ヘリカルフロータ式では、上述のように、浮上量の変化により、帯状材とフロータ表面との接触による擦り疵等の危険性以外に、蛇行発生の危険性を有する。即ち、浮上量の変化により一旦片寄りが発生すると、これが起因となって周期的に片寄りを繰り返す蛇行へと発展する。これは、ライン速度が大きいほど蛇行の振幅が大きくなるので、ライン速度を上げる際の阻害要因となる。また、上記片寄りの発生は、場合によっては帯状材52の破断トラブルの原因となり、稼働率の低下を招く要因となるという問題がある。
【0014】
また、浮上量が小さくなる程、フロータと帯状材との隙間が小さくなり、帯状材を浮上させる流体の流速が早くなって帯状材にバタツキが生じ易く板折れや擦り疵の原因となるが、このとき、ヘリカルフロータ式では「ひねり」が加えられていることにより板幅方向に傾きが生じ易く、上記擦り疵等も発生し易い。この点からもヘリカルフロータ式では、ベンドフロータ式よりも浮上量の変動の抑制が要求される。
【0015】
このように、ヘリカルフロータ式の通板方向変換装置では、浮上量の制御が生産能率に大きく影響を与えるため、ベンドフロータ式よりも遙に高精度に制御することが要求されるが、従来のヘリカルフロータ式の通板方向変換装置では、浮上量を高精度に制御する有効な手段が開示されていない。従って、ライン速度を上げる程、この装置を採用したプロセスラインにおいて頻繁に蛇行が発生し、生産能率を大きく低下させていた。即ち、ヘリカルフロータ式の通板方向変換装置を用いてせっかく複数のプロセスラインを連続化させても、十分な効果を享受できないという問題があった。
【0016】
なお、通常のラインのように鋼帯の板厚や板幅に応じて張力を設定するだけでは、噴出する流体の温度変化(密度変化)等による浮上量の変動は抑制できない。
【0017】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、浮上量の変動を板幅方向の変位量を介して高精度に制御することで、帯状材の片寄りや蛇行の発生を防止し生産能率を上げることが可能なヘリカルフロータ式の通板方向変換装置を提供することを課題としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した帯状材の通板方向変換装置は、走行する帯状材を所定のラセン角をもって巻き掛け当該帯状材の通板方向を変換させるフロータを備え、そのフロータから噴き出す流体により上記帯状材を浮上支持する非接触式の通板方向変換装置において、
上記フロータに巻き掛けられた帯状材に張力を付与する張力付与装置と、フロータに巻き掛けられた帯状材の目標パスラインからの板幅方向の変位を検出する変位検出手段と、変位検出手段が検出した変位に基づき、該変位を抑えるように上記張力付与装置を介して帯状材の張力を調整する張力調整手段とを備えることを特徴としている。
【0019】
次に、請求項2に記載した帯状材の通板方向変換方法は、走行する帯状材を所定のラセン角をもってフロータに巻き掛け、そのフロータから噴き出す流体により上記帯状材を浮上支持した状態で通板方向を変換する通板方向変換方法において、
フロータに巻き掛けられた帯状材の目標パスラインからの板幅方向の変位を検出し、該変位に基づき、フロータに巻き掛けられた帯状材における、少なくとも当該フロータへの出側位置での目標パスラインからの板幅方向の変位を抑えるように、フロータに巻き掛けられた帯状材の張力を制御することを特徴としている。
【0020】
本発明においては、帯状材の目標パスラインからの板幅方向の変位に基づきフロータからの帯状材の浮上量の変化を推測し、その浮上量の変化が小さくなるように張力を制御することで浮上量が目標の値に維持され、それによって、上記板幅方向の変位、つまりパスラインの変動が抑えられる。
【0021】
ここで、上記帯状材の板幅方向の変位に基づき帯状材の浮上量の変化が推定可能な理由について説明する。
帯状材は、所定のラセン角θをもって半周だけフロータに巻き掛けられているとした場合、図7やフロータ表面を展開した図8に示すように、巻き掛け開始点Aからみた巻き掛け終了点Bは、フロータの軸方向にπ・R・tan θだけ変位している。ここで、Rは、フロータに巻き掛けられている帯状材の曲率半径である。
【0022】
この状態から帯状材の浮上量がΔhだけ大きくなると、帯状材が同じラセン角θを維持するとすると、巻き掛け終了点BはB′に移動し、当該巻き掛け終了点Bは、π・Δh・tan θだけフロータの軸方向へ変位してしまう。即ち、巻き掛け終了点Bは、浮上量の変化Δhに比例した量だけ板幅方向に変位する。即ち、目標パスラインからの帯状材の板幅方向の変位をΔCとすると、下記(1)式に示す関係があることが分かる。
【0023】
ΔC ∝ Δh ・・・(1)
また、フロータに巻き掛けられた帯状材に生じている張力Tと噴出流体による圧力Pとは、力の釣り合いから、下記(2)式のような関係がある。なお、式を見やすくするため、以降の式ではラセン角を45度とした場合で表している。
【0024】
(T/W)=2・R・P ・・・(2)
ここで、
W:帯状材の幅
R:帯状材のフロータ巻き掛け位置での曲率半径
を表している。
【0025】
また、上記圧力Pは、帯状材の浮上量hと噴出流量Qにより下記(3)式のように表現できる。
P=ζQ2 /{2・(L・h)2 } ・・・(3)
ここで、
ζ:比例定数
L:帯状材のフロータへの巻き掛け長さ
を表している。
【0026】
従って、上記(2)式及び(3)式から、張力Tと浮上量hとは、次のような比例関係にあることが分かる。
T ∝1/(h2 ) ・・・(4)
従って、上記(1)式及び(4)式から、次の関係にあることが分かる。
【0027】
T ∝ 1/(ΔC)2 ・・・(5)
これにより、浮上量の変化つまり帯状材の板幅方向への変位量は、張力値に変換して表現可能であるので、パスラインの変位量から浮上量の変化を推定し、帯状材に生じている張力を制御することで、パスラインの変動は抑制可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、帯状体として鋼帯6を例に説明する。
【0029】
まず構成について説明すると、本実施の形態の通板方向変換装置では、図1に示すように、装置本体を構成するフロータ1の入側及び出側に張力付与装置を構成するブライドルロール2,3が配設されている。
【0030】
上記フロータ1は、図2に示すように、その本体の外観形状が円筒形状をしている。そのフロータ1の表面には、例えば45度のラセン角に沿ってヘリカル状に延在する鋼帯6巻き掛け位置(鋼帯6の通板方向)Lに、多数の噴出孔4が開設されている。各噴出孔4は、フロータ1内部に設けられた流通路に連通し、その流通路に供給される流体である気体を設定圧力で噴き出すようになっている。
【0031】
ここで、上記流体は、コスト上からは空気が好ましいが、窒素等の他の流体から構成してもよい。また、図2では、各噴出孔4の開口形状を円形の穴として図示しているが各噴出孔4をスリット状の開口部などにより形成してもよい。図2中、5aは上記流通路のうちの気体の流入路を、5bは流出路を表している。
【0032】
また、フロータ1の入側に配置される入側ブライドルロール2は、4本のロール2a〜2dから構成され、例えば、図3に示すように配置されることで、走行する鋼帯6に所定の張力を付与可能となっている。その各ロール2a〜2dは、それぞれ入側駆動モータ7によって回転駆動される。
【0033】
上記入側駆動モータ7は、それぞれコントローラ8からの電流指令に応じた駆動トルクを各ロール2a〜2dに供給する。
また、上記入側駆動モータ7には、それぞれパルス発信器9が接続されている。パルス発信器9は、入側駆動モータ7の駆動軸の回転から各ロール2a〜2dの回転数を検知し、その検知信号(パルス信号)をコントローラ8に供給可能となっている。
【0034】
また、上記入側ブライドルロール2とフロータ1との間には、張力検出手段を構成する、2本のデフレクタロール10及びテンションメータロール11が配置されている。その2本のデフレクタロール10とテンションメータロール11とは、鋼帯6のパスラインに沿って千鳥状に配置され、2本のデフレクタロール10間に位置する鋼帯6に上方からテンションメータロール11を当接することで、当該テンションメータロール11により、入側ブライドルロール2と出側ブライドルロール3との間の鋼帯6の張力が検知可能となっている。
【0035】
そのテンションメータロール11には、ロードセル12が取り付けられ、そのロードセル12は、テンションメータロール11に負荷された鋼帯6の張力に応じた荷重を検出し、その検出信号を、コントローラ8に供給可能となっている。
【0036】
また、フロータ1の出側に配置される出側ブライドルロール3も、上記入側ブライドルロール2と同じ装置構成をしている。即ち、4本のロール3a〜3dから構成されて、走行する鋼帯6に所定の張力を付与可能となっている。その各ロール3a〜3dは、それぞれ出側駆動モータ13によって回転駆動される。さらに、上記出側駆動モータ13にはそれぞれパルス発信器14が接続され、そのパルス発信器14は、各ロール3a〜3dの回転数を検知して、その検知信号をコントローラ8に供給可能となっている。
【0037】
上記出側駆動モータ13は、コントローラ8からの電流指令値に応じた駆動トルクで回転するようになっている。
また、上記鋼帯6のフロータ1に対する巻き掛け終了側に対して変位検出手段である鋼帯位置検出器15が配設されている。その鋼帯位置検出器15は、CCDカメラ等で構成され、図4に示すように、鋼帯6の外面に外側から対向して配置された検出器本体15aと、その検出器本体15aをフロータ1表面に支持するブラケット15bとからなる。
【0038】
そして、鋼帯6の板幅方向両端部の各位置をそれぞれ検出し、コントローラ8に供給可能となっている。なお、板幅方向両端部の位置を検出するのは、鋼帯6の板幅方向中央部の位置を求めるためであるが、その2点は、互いに鋼帯6の走行方向に直交する位置にある必要はない。特に、通板方向変換中の鋼帯6には、「ひねり」が生じているので、上記2点は必ずしも鋼帯6の走行方向に直交する位置とならないが、平均値をとることで確実に中央位置が検出することができる。
【0039】
ここで、本実施の形態では、上記鋼帯位置検出器15をCCDカメラから構成しているが、これに限定されず他の鋼帯位置検出器15であってもよい。
コントローラ8は、図5に示されるように、主に、板幅中央位置演算器8A、位置偏差算出器8B、張力設定値演算器8C、張力制御装置8D、入側及び出側の速度制御装置8E,8G、及び入側及び出側の電流制御装置8F,8Hから構成される。
【0040】
上記板幅中央位置演算器8Aでは、鋼帯位置検出器15から検出位置における板幅方向両端部の位置a,bを入力し、その二つの位置の平均化を行うことで、巻き掛け出側における、鋼帯6の実際の平均中央位置(板幅方向中央部)を算出して位置偏差算出器8Bに供給する。
【0041】
位置偏差算出器8Bでは、上記供給された平均中央位置から目標中心位置CREF を減算して位置偏差ΔCを求め、その位置偏差ΔCを張力設定値演算器8Cに供給する。ここで、上記目標中心位置CREF は、上記検出位置での目標パスライン上の位置である。
【0042】
張力設定値演算器8Cでは、下記(6)式に基づいて、位置偏差ΔCを対応する張力値TM に変換し、その求めた張力値TM を補正張力値として第1加算器8Jに供給する。
【0043】
M =K・{1/(ΔC)2 } ・・・(6)
ここで、上記Kは比例定数である。また上記式は、上述の(5)式に基づくものである。
【0044】
第1加算器8Jでは、ロードセル12からの荷重信号により鋼帯6に付与されている実際の張力を求め、その張力に上記補正張力値TM を加算し、加算した張力を張力制御装置8Dに供給する。
【0045】
張力制御装置8Dでは、供給された張力を対応する速度指令値に変換して、速度補正値VM として第2加算器8Kに供給する。
第2加算器8Kでは、鋼帯6の通板速度等から決定された基準速度指令値VREF を入力し、その基準速度指令値VREF に上記張力制御装置8Dから供給された速度補正値VM を加算して出側速度制御装置8Eに供給する。
【0046】
出側速度制御装置8Eでは、入力した速度指令値を電流指令値に変換して出側電流制御装置8Fに供給し、出側電流制御装置8Fは、供給された電流指令値に応じた電流値で出側ブライドルロール3の駆動モータ13を駆動する。
【0047】
ここで、上記出側速度制御装置8Eは、出側駆動モータ13に接続されたパルス発信器14からの信号に基づき速度指令のフィードバック制御を行っている。また、上記出側電流制御装置8Fも電流値のフィードバック制御を行っている。
【0048】
一方、入側速度制御装置8Gには、上記基準速度指令値VREF が供給される。その入側速度制御装置8Gでは、入力した速度指令値を電流指令値に変換して入側電流制御装置8Hに供給し、入側電流制御装置8Hは、供給される電流指令値に応じた電流値で入側ブライドルロール2の駆動モータ7を駆動する。
【0049】
ここで、上記入側速度制御装置8Gは、入側駆動モータ7に接続されたパルス発信器9からの信号に基づき速度指令のフィードバック制御を行っている。また、上記出側電流制御装置8Hも電流値のフィードバック制御を行っている。
【0050】
このように、コントローラ8は、入側ブライドルロール2の回転速度を基準として出側ブライドルロール3の回転速度を調整することで、フロータ1に巻き掛けられた両ブライドルロール2,3間の鋼帯6に所定の張力が付与可能となっていると共に、その張力を鋼帯6の出側位置での位置偏差ΔCに基づき調整するようになっている。
【0051】
ここで、上記コントローラ8及び張力検出手段によって張力調整手段が構成される。
なお、鋼帯6の入側は、図示していないステアリングロール等によって鋼帯6が目標パスライン上を通過するようにセンタリング調整が実施されるようになっている。
【0052】
次に、上記通板方向変換装置の動作や作用などについて説明する。
鋼帯6は、順次、入側ブライドルロール2に案内されつつフロータ1に巻き掛けられて、噴出気体によって浮上支持されることでフロータ1と非接触状態で通板方向が変換され、続いて、出側ブライドルロール3に案内されて次工程に送られる。
【0053】
このとき、鋼帯6の通板になんら変動がない定常状態、即ち、フロータ1に対する鋼帯6の巻き掛け終了位置の中心位置が目標中心位置CREF と通過している状態、つまりパスラインに変動がない状態では、入側速度制御装置8Gは、基準速度指令VREF に応じた電流指令値を入側駆動モータ7に供給し、入側駆動モータ7は、基準速度指令VREF に応じて入側ブライドルロール2を回転駆動する。
【0054】
同時に、張力制御装置8Dが、ロードセル12からの信号に基づき、現在の張力値を維持するように速度補正値VM を求めて第2加算器8Kに供給し、上記基準速度指令VREF に速度補正値VM を加算した出側速度指令値を出側速度制御装置8Eに供給する。そして、その出側速度制御装置8Eが、その出側速度指令値に応じた駆動トルクで出側駆動モータ13を駆動することで出側ブライドルロール3が所定の駆動トルクで回転する。
【0055】
このようにして両ブライドルロール2,3間の鋼帯6に対し一定の張力が付与された状態が維持される。この結果、フロータ1からの鋼帯6の浮上量が目標とする浮上量に制御される。即ち、鋼帯6の幅方向への変動が抑えられて、鋼帯6は、目標とするパスラインに沿って安定して通板方向が変換され次工程に送られる。
【0056】
上記定常状態から、鋼帯6の通板速度が変動したり、噴出孔4からの気体の圧力が設定圧力から変動したりすると、両ブライドルロール2,3間の鋼帯6の張力が変動して、フロータ1からの鋼帯6の浮上量が変化する。浮上量が変化すると、その浮上量の変化分に比例した量だけ、鋼帯6は、目標パスラインの位置から板幅方向に変位する。
【0057】
すると、コントローラ8は、鋼帯位置検出器15からの信号に基づき、板幅中央位置演算器8Aで平均中央位置を算出し、次いで、位置偏差算出器8B及び張力設定値演算器8Cにより、目標中心位置CREF からの偏差分に応じた補正すべき補正張力値TM を算出し、現在の張力にその補正張力を加算した張力となるように、出側速度制御装置8E等を介して、出側ブライドルロール3に付与する駆動トルクが調整される。
【0058】
この結果、気体の圧力変動等に応じて生じた両ブライドルロール2,3間の鋼帯6の張力変動による浮上量変動が吸収されて、鋼帯6の巻き掛け出側位置は確実に目標中心位置CREF を通過するように調整される。これにより、両ブライドルロール2,3間のパスライン長の変動が抑えられ当該パスラインは安定する。
【0059】
即ち、気体の圧力変動などの定常状態からの変動に合わせて、両ブライドルロール2,3間の鋼帯6の実際の張力が自動的に調整されるので、気体の圧力などが一時的に変化してもフロータ1からの鋼帯6の浮上量が確実に一定に保持されて、鋼帯6は、確実に目標パスラインに沿って通板方向が変換されるようになる。
【0060】
さらにまた、上記定常状態から一時的に生じた変動による浮上量の変化ばかりでなく、通板する鋼帯6の板幅が変わるなど通板条件が変化しても、確実に、鋼帯6が目標中心位置CREF を通過するように、つまり浮上量の変動が抑えられるように張力が自動的に調整されて、鋼帯6の板幅方向の変化が抑えられパスラインは安定する。
【0061】
このように、本実施の形態の通板方向変換装置では、非接触方式であっても、フロータ1による通板方向変換時のパスラインが常に所望の位置に保持され、フロータ1出側での鋼帯6の幅方向への蛇行や片寄りの発生を抑えることができる。この結果、焼鈍工程などの下流側に非接触式の通板方向変換装置を適用して二以上の工程を連続化させても、従来よりもライン速度を上げて操業することが可能となる。
【0062】
また、鋼帯6の板厚等の変更や操業条件等が変更しても、両ブライドルロール2,3間の鋼帯6の張力が適正な値に自動的に調整され、当該両ブライドルロール2,3間の鋼帯6のパスラインが所望の位置に調整されて安定する。
【0063】
また、操業条件の変化によりパスラインを変更する場合には、コントローラ8に供給する目標中心位置CREF を変更することで、通板方向の変換が自動的に行われる。
【0064】
ここで、上記実施の形態では、フロータ1の外観形状を円柱形状としているが、これに限定されるものではない。フロータ1は、鋼帯6が巻き掛ける部分のみが所定の略円弧形状を有していればよい。
【0065】
また、上記張力制御では、入側ブライドルロール2を基準として出側ブライドルロール3の回転速度を調整する場合について説明しているが、出側ブライドルロール3を基準として入側ブライドルロール2の回転速度を調整して鋼帯6に付与する張力を調整してもよい。
【0066】
さらに、張力付与装置は、上記のようなブライドルロール2,3に限定されず、ダンサーロール等、他の周知の張力付与装置であってもよい。このとき、ブライドルロールとダンサーロール等とを組み合わせて使用してもよい。
【0067】
なお、ダンサーロール及びそれに結合された駆動系は慣性が大きいので、張力付与装置としてダンサーロールとブライドルロールとの両方を設けた場合には、位置偏差ΔCが小さい、即ち補正すべき張力が小さいときには、ブライドルロールで調整し、大きな位置偏差ΔCに対してはダンサーロールの移動で吸収するようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施の形態では、鋼帯6の巻き掛け終了位置の板幅方向の変位のみを使用しているが、巻き掛け開始位置が中央位置にあまり拘束されることがなければ、鋼帯6の巻き掛け開始位置にも鋼帯位置検出器を設けて、巻き掛け開始位置側に対する相対的な巻き掛け終了位置側の板幅方向への変位に基づいて張力を調整すればよい。もっとも、巻き掛け開始位置での板幅方向への変位は、通板方向変換中に増幅されて巻き掛け終了側で大きな変位となり易く、蛇行が問題となるのはフロータ1の出側であるので、鋼帯6の巻き掛け終了位置の板幅方向の変位のみによる張力制御でも蛇行抑制には有効である。
【0069】
【実施例】
実際に、上記のような張力制御を実施した通板方向変換装置を使用した場合と従来のように張力制御を行わない通板方向変換装置を使用した場合について、蛇行状況を確認してみたところ、図6に示すような結果が得られた。図6中、Aは、本発明に基づくものである。一方、Bは、比較のために従来のように張力制御を実施しなかった場合である。また、張力付与装置としては、ブライドルロールを使用した。
【0070】
ここで、目標の浮上量を20mmに設定し、張力付与装置としてはブライドルロールを使用し、鋼帯は厚さ0.6mm、板幅1200mmのものを使用した。
【0071】
この図6から分かるように、張力制御を実施しないと、ライン速度を上げる程蛇行量が非常に大きくなるが、本実施の形態の装置では、ライン速度を上げても蛇行量の増加は小さく抑えられている。即ち、鋼帯のパスラインからの変位量がゼロとなるように張力を制御することで、ライン速度を上げても蛇行を小さく抑えることが可能であることが分かる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の帯状材の通板方向変換装置及び通板方向変換方法では、フロータに巻き掛けられて通板方向を変換する部分の帯状材の張力を板幅方向への変化に応じて調整することで帯状材の浮上量の変動を抑えるので、噴き出す流体の圧力が一時的に設定圧力から変動するなど通板状態に一時的な変動が生じてもその変動が確実に吸収される。この結果、フロータからの帯状材の浮上量が目標値に常に保持され、両ブライドルロール間のパスラインが所望位置に維持され安定する。
【0073】
さらに、通板する鋼帯が変換されるなど操業条件が変換されても、確実に且つ自動的に帯状材の浮上量が目標浮上量に制御されて、パスラインの板幅方向への変動が抑えられる。
【0074】
これによって、本発明により帯状材の通板方向を変換する場合には、ライン速度を上げても、帯状材がフロータと接触することによる擦り疵等が回避されると同時に、帯状材に生じる蛇行が小さく抑えられて、生産能率の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る帯状材の通板方向変換装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るフロータを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る入側ブライドルロール及び張力検出手段の構成を示す概略側面図である。
【図4】板幅方向の変位の検出を示す断面図である。
【図5】コントローラのブロック図である。
【図6】ライン速度と蛇行との関係を示す図である。
【図7】浮上量の変化と板幅方向への変位との関係を示す図である。
【図8】浮上量の変化と板幅方向への変位との関係を説明するための図である。
【図9】従来のフロータを示す図である。
【図10】従来の帯状材の通板方向変換装置を示す図である。
【図11】浮上量の変動に伴う蛇行の状態を示す図である。
【図12】浮上量の変動に伴う斜行の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 フロータ
2 入側ブライドルロール
3 出側ブライドルロール
6 鋼帯
8 コントローラ
8A 板幅中央位置演算器
8B 位置偏差算出器
8C 張力設定演算器
8D 張力制御装置
8E 入側速度制御装置
8G 出側速度制御装置
12 ロードセル
15 鋼帯位置検出器
REF 基準速度指令
REF 目標中央位置

Claims (2)

  1. 走行する帯状材を所定のラセン角をもって巻き掛け当該帯状材の通板方向を変換させるフロータを備え、そのフロータから噴き出す流体により上記帯状材を浮上支持する非接触式の通板方向変換装置において、
    上記フロータに巻き掛けられた帯状材に張力を付与する張力付与装置と、フロータに巻き掛けられた帯状材の目標パスラインからの板幅方向の変位を検出する変位検出手段と、変位検出手段が検出した変位に基づき、該変位を抑えるように上記張力付与装置を介して帯状材の張力を調整する張力調整手段とを備えることを特徴とする帯状材の通板方向変換装置。
  2. 走行する帯状材を所定のラセン角をもってフロータに巻き掛け、そのフロータから噴き出す流体により上記帯状材を浮上支持した状態で通板方向を変換する通板方向変換方法において、
    フロータに巻き掛けられた帯状材の目標パスラインからの板幅方向の変位を検出し、該変位に基づき、フロータに巻き掛けられた帯状材における、少なくとも当該フロータへの出側位置での目標パスラインからの板幅方向の変位を抑えるように、フロータに巻き掛けられた帯状材の張力を制御することを特徴とする帯状材の通板方向変換方法。
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