JP3434777B2 - 合成樹脂シートを裁断分離し成形品を積重する成形品積重装置 - Google Patents

合成樹脂シートを裁断分離し成形品を積重する成形品積重装置

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JP3434777B2
JP3434777B2 JP2000114456A JP2000114456A JP3434777B2 JP 3434777 B2 JP3434777 B2 JP 3434777B2 JP 2000114456 A JP2000114456 A JP 2000114456A JP 2000114456 A JP2000114456 A JP 2000114456A JP 3434777 B2 JP3434777 B2 JP 3434777B2
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和男 東
弘行 山本
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株式会社トーコー
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のトレイ等を
成形した合成樹脂シートを成形品の外周に沿って裁断し
て、裁断した成形品を分離して積重する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】食品用のトレイ等は、以下の工程で製造
される。 熱可塑性の合成樹脂シートの両面をヒータ
で加熱した後、金型で成形する。成形された成形合成樹
脂シートは、多数のトレイ等の成形品を縦横に並べて成
形している。 成形合成樹脂シートを、所定の長さに
カットする。カットされた成形合成樹脂シートは、縦横
に多数のトレイ等を成形している。 成形してカット
された成形合成樹脂シートを、たとえば20〜25枚に
積重して、裁断機に供給する。 裁断機は、成形され
たトレイ等の成形品の外周で成形合成樹脂シートを打ち
抜いて裁断する。裁断機は、それぞれの成形品の外周
で、積重している成形合成樹脂シートをトムソン刃で裁
断する。 裁断された成形合成樹脂シートを、積重し
た状態で、図1に示す作業台40の上に送る。作業台4
0に送られた成形合成樹脂シート1は、作業者によっ
て、裁断された成形品Sを成形合成樹脂シート1から人
手で分離される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにして積重
されたトレイ等の成形品は、1枚1枚を分離するのが簡
単ではない。それは、シート状の成形品が隙間なく密着
する状態で積重されるからである。この欠点は、たとえ
ば、図2に示すように、成形品Sの開口縁にブロッキン
グ凸部Tを成形して防止できる。ブロッキング凸部T
は、積重される成形品Sの隙間を広くして、分離しやす
くする。ただ、薄い合成樹脂シートの成形品は、ブロッ
キング凸部を設けても、上段に積重している成形品のブ
ロッキング凸部が、下段の成形品に設けているブロッキ
ング凸部に嵌入されて、ブロッキング凸部で有効に成形
品の隙間を広くできない。
【0004】本発明は、この欠点を解決することを目的
に開発されたもので、本発明の重要な目的は、ブロッキ
ング凸部でもって、積重している成形品の間に充分な隙
間を設けて、積重された成形品を簡単かつ容易に、しか
も速やかに分離できるようにできる合成樹脂シートを裁
断分離し成形品を積重する成形品積重装置を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の成形品積重装置
は、熱可塑性樹脂製の合成樹脂シートを加熱成形して、
縦横に並べて、同じ形状である複数の成形品Sを成形す
る成形機33と、この成形機33で成形された成形合成
樹脂シート1を、成形品Sの外周で裁断する裁断機3
と、裁断機3で裁断された成形品Sを分離して積重する
積重機26とを備える。
【0006】さらに、本発明の成形品積重装置は、積重
機26でもって、縦に隣接して並べている成形品Sの開
口縁の異なる位置にブロッキング凸部Tを成形すると共
に、積重機26でもって、成形合成樹脂シート1に縦に
隣接して並べて成形している成形品Sを、上下に隣接し
て同じ姿勢で積重する。
【0007】この状態で積重される成形品Sは、上下に
積重している成形品Sのブロッキング凸部Tの位置が異
なり、上段の成形品Sのブロッキング凸部Tが、下段の
成形品Sのブロッキング凸部Tに嵌入されることがな
い。このため、上下に積重される成形品Sは、ブロッキ
ング凸部Tの高さに相当する隙間ができる。したがっ
て、積重した状態でスムーズに分離できる。
【0008】さらに、本発明の装置は、好ましくは、積
重機26に、裁断して分離された複数の成形品Sを成形
合成樹脂シート1と同じ配列で縦横に配列して排出する
配列台27と、配列台27に隣接して集積台28を設
け、さらに、この集積台28に隣接して多段積重台29
を設ける。また、配列台27には、供給される成形品S
を集積台28に移送する排出コンベアを設け、集積台2
8には、配列台27から縦に並べて供給される成形品S
を順番に多段積重台29に供給して積重する積重コンベ
アを設ける。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための装置を例示するものであ
って、本発明は成形品積重装置を下記のものに特定しな
い。
【0010】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0011】図3と図4に示す成形品積重装置は、熱可
塑性樹脂製の合成樹脂シートを加熱成形する成形機33
と、この成形機33で成形された成形合成樹脂シート1
を、成形品Sの外周で裁断する裁断分離機25と、裁断
分離機25で裁断された成形品Sを分離して積重する積
重機26とを備える。
【0012】成形機33は、図5に示すように、合成樹
脂シートに縦横に並べて、同じ形状である複数の成形品
Sを成形する。ただし、この成形機33は、成形合成樹
脂シート1を移送する方向である縦方向に隣接して並べ
ている成形品Sの開口縁には、異なる位置にブロッキン
グ凸部Tを成形している。この図に示す成形合成樹脂シ
ート1は、縦に並べて成形している成形品Sの開口縁
に、右側、上側、左側、下側にブロッキング凸部Tを設
けている。ブロッキング凸部Tは、図6に示すように、
同じ辺の異なる位置に設けることもできる。ブロッキン
グ凸部Tは、図7の斜視図に示すように、成形品Sの開
口縁から外部に突出して設けられる。
【0013】成形機33は、熱可塑性の合成樹脂シート
1’を加熱するヒーター34と、ヒーター34で加熱し
て軟化された合成樹脂シート1’を密着させて成形する
金型35と、金型35で成形された成形合成樹脂シート
1を、所定の寸法に裁断する定寸切断機36とを備え
る。
【0014】原料の合成樹脂シートは、ロールシート状
に巻かれている。ロール状の合成樹脂シート1’は、両
側をチェーン(図示せず)で挟着してヒーター34の間
に移送される。ヒーター34の間に移送された合成樹脂
シート1’は、全体を均一に加熱するために、一定時間
は移送が停止される。ヒーター34は、供給された合成
樹脂シート1’を上下の両面から加熱して、均一に軟化
温度まで加熱する。ヒーター34は、赤外線を放射し、
その熱により合成樹脂シート1’を成形温度に軟化させ
る。ヒーター34には、たとえば、セラミックヒーター
を用いることができる。セラミックヒーターは、優れた
均熱性能を有し、均一加熱と偏加熱が可能であると共
に、ヒートアップ時間を短縮できる。さらに、ヒーター
温度は、ヒーター制御盤により制御管理されている。ヒ
ーター34により加熱され、軟化された合成樹脂シート
1’は、ヒーター室の排出側に設けられた開口部から排
出される。
【0015】ヒーター34で軟化された合成樹脂シート
1’は、両端をチェーンで挟着して金型35の上面に移
送される。金型35の上面に移送された合成樹脂シート
1’は、空気の圧力差で金型35の表面に密着して成形
される。合成樹脂シート1’は真空で金型35の表面に
吸着され、あるいは、上面の加圧空気で金型35に密着
され、あるいは、真空と加圧空気の両方で金型35の表
面に密着して成形される。合成樹脂シート1’を金型3
5に密着して成形するとき、合成樹脂シート1’の後方
で次に成形される部分はヒーター34の間にあって、軟
化温度まで加熱される。
【0016】金型35は、図示しないが、交換できるよ
うに装着されている。金型35は、合成樹脂シート1’
を吸着する空気孔37を多数設けている。空気孔37は
金型35の表面に開口している。空気孔37はブロアー
38に連結されて、金型35の表面に合成樹脂シート
1’を吸着して成形する。金型35は、トレイ等の成形
品Sと同型の凹部を縦横に碁盤状に配設している。それ
ぞれの凹部には、真空成形するときに合成樹脂シート
1’を吸着する空気孔37が設けてある。
【0017】金型35に吸着して成形された合成樹脂シ
ート1’は、上昇して金型35から脱型された後、両側
をチェーンで挟着して、定寸切断機36に供給される。
定寸切断機36は、供給される合成樹脂シート1’を一
定の長さに切断する。定寸切断機36は、合成樹脂シー
ト1’を切断するカッター39を有する。カッター39
が降下して、合成樹脂シート1’が切断される。定寸切
断機36は、金型35で1回に成形される部分よりも多
少長く合成樹脂シート1’を切断する。定寸にカットさ
れた合成樹脂シート1’は、成形機33から排出されて
裁断機3に供給される。
【0018】裁断分離機25は、複数の成形品Sを成形
している成形合成樹脂シート1を成形品Sの外周に沿っ
てトムソン刃5で裁断する。成形合成樹脂シート1は、
成形機33で熱可塑性の合成樹脂シート1’に複数のト
レイ等の成形品Sを縦横に並べて成形した後に、所定の
長さの方形状にカットしたものである。所定の長さにカ
ットされた成形合成樹脂シート1は、たとえば、供給コ
ンベア(図示せず)や人手で、成形機33から裁断分離
機25の供給位置に供給される。成形合成樹脂シート1
は、1枚づつ裁断分離機25の供給位置に供給される。
【0019】裁断分離機25は、1枚の成形合成樹脂シ
ート1を供給位置から裁断位置に移送する搬入台2と、
この搬入台2で裁断位置に移送された成形合成樹脂シー
ト1を、成形品Sの外周で打ち抜いて裁断し、裁断され
た成形合成樹脂シート1から成形品Sを排出位置に移送
する裁断機3と、搬入台2が裁断位置から供給位置に後
退するときに、裁断位置に移送された成形合成樹脂シー
ト1を裁断位置に停止させるキャッチャー4とを備え
る。
【0020】搬入台2は、1枚づつ供給される成形合成
樹脂シート1を、水平な姿勢で、供給位置から裁断位置
に移送する。搬入台2は、1枚の成形合成樹脂シート1
を、供給位置から裁断位置に移送する。搬入台2は、水
平の姿勢で、供給位置と裁断位置とを往復運動できるよ
うにフレームに連結される。さらに、搬入台2は、往復
運動機構6で往復運動される。図の装置の往復運動機構
6は、搬入台2の下面に連結しているタイミングベルト
7と、このタイミングベルトを駆動するモーター8であ
る。ただ、往復運動機構には、シリンダーも使用でき
る。図の往復運動機構6は、モーター8でタイミングベ
ルト7を駆動して、搬入台2を往復運動させる。モータ
ー8はサーボモーターである。サーボモーターがタイミ
ングベルトを駆動して、搬入台2を供給位置と裁断位置
とに往復運動させる。
【0021】搬入台2は、上面に当て板9を設けてい
る。当て板9を設けている搬入台2は、成形合成樹脂シ
ート1を裁断して成形品SをスクラップRから分離した
後、裁断位置から供給位置に後退する。搬入台2を裁断
位置に配設して、トムソン刃5で成形合成樹脂シート1
を裁断するからである。
【0022】ただし、本発明の装置は、必ずしも搬入台
に当て板を設ける必要はない。当て板は、裁断機に固定
することもできる。この裁断分離機は、搬入台でもっ
て、1枚の成形合成樹脂シートを当て板の上に搬入す
る。その後、搬入台が裁断位置から供給位置に後退した
後、トムソン刃を降下させて成形合成樹脂シートを裁断
する。当て板を備えていない搬入台は、当て板の上方を
移動して、成形合成樹脂シートを当て板上の裁断位置に
供給する。
【0023】図の裁断分離機25は、成形合成樹脂シー
ト1の下方に当て板9を配設して、上方にトムソン刃5
を配設する。ただし、裁断分離機は、この構造とは反対
に、成形合成樹脂シートの下方にトムソン刃を配設し
て、上方に当て板を配設することもできる。この裁断分
離機は、搬入台の上にトムソン刃を設け、あるいは裁断
機の裁断位置の下方にトムソン刃を配設して、当て板を
上押台の下面に固定する。
【0024】搬入台2は、供給位置と裁断位置を往復し
て、裁断していない成形合成樹脂シート1を供給位置か
ら裁断位置に移送し、成形合成樹脂シート1を裁断位置
に残して、裁断位置から供給位置に後退する。搬入台2
が後退するときに、成形合成樹脂シート1が一緒に移動
しないようにキャッチャー4を設けている。キャッチャ
ー4は、成形合成樹脂シート1の両側を挟着して、搬入
台2が後退するときに、成形合成樹脂シート1を裁断位
置に保持する。
【0025】キャッチャー4を図8の平面図と図9の断
面図に示す。これ等の図のキャッチャー4は、成形合成
樹脂シート1の両側を載せて移動させるガイドレール1
0と、このガイドレール10の上方にあって、成形合成
樹脂シート1の側縁を上から挟着する挟着片11と、挟
着片11を円弧起動に移動させる駆動機構12とを備え
る。このキャッチャー4は、搬入台2が成形合成樹脂シ
ート1を供給位置から裁断位置に搬入するときは、挟着
片11を非挟着位置、いいかえると、ガイドレール10
の上面から離れた位置に待機させる。搬入台2が後退す
るときは、挟着片11とガイドレール10とで成形合成
樹脂シート1の両側縁を挟着して、成形合成樹脂シート
1を移動しないようにする。この状態で、搬入台2が後
退すると、成形合成樹脂シート1は裁断位置に残って、
搬入台2のみが裁断位置から供給位置に後退される。
【0026】ガイドレール10は、搬入台2に載せて移
送される成形合成樹脂シート1の両側縁を載せて移送で
きる位置、すなわち、成形合成樹脂シート1の両側縁の
下面に接近し、あるいは下面から多少下がった位置に水
平に配設される。成形合成樹脂シート1は、成形品Sを
両側のガイドレール10の内側に位置させて、搬入台2
で移送される。
【0027】挟着片11は、図9の一点鎖線で示すよう
に、円弧起動を移動して、非挟着位置から挟着位置に移
動する。挟着片11は、成形合成樹脂シート1を挟着し
ない状態では、図8と図9の実線で示すように、ガイド
レール10の外側に待機する。成形合成樹脂シート1を
挟着するときは、円弧起動を移動して、上昇した後に、
ガイドレール10の上面に向かって降下する。降下する
ときに、ガイドレール10の上に配設している成形合成
樹脂シート1の両側縁を挟着する。挟着片11で挟着さ
れた成形合成樹脂シート1は、裁断位置に停止されて、
後退する搬入台2と一緒に移動しない。
【0028】駆動機構12は、エアーモーター13と、
このエアーモーター13で同期して回転される2本の回
転軸14と、2本の回転軸14に回転しないように連結
している同じ長さのアーム15とを備える。アーム15
は、先端を回転できるように挟着片11の後部に連結し
ている。この駆動機構12は、エアーモーター13を正
逆に回転して、アーム15の先端を、図9の一点鎖線で
示す軌跡で移動させる。アーム15の先端は、挟着片1
1に連結しているので、挟着片11は、アーム先端と同
じ円弧軌道を移動して、非挟着位置と挟着位置とに移動
される。エアーモーター13は、搬入台2と裁断機3の
動きに同期して正逆に回転されて、成形合成樹脂シート
1を挟着し、あるいは非挟着状態とする。
【0029】裁断機3は、1枚の成形合成樹脂シート1
を、成形品Sの外周で裁断するトムソン刃5と、このト
ムソン刃5を上下に移動させる上押台16と、トムソン
刃5で裁断されて成形合成樹脂シート1から分離された
成形品Sを保持して排出する保持排出部17と、成形合
成樹脂シート1の下面に配設されてトムソン刃5とで成
形合成樹脂シート1を挟み切る当て板9と、上押台16
を上下に移動させる上下移動機構18と、成形品Sを保
持している保持排出部17を裁断位置から排出位置に移
送する排出移動機構19と備える。
【0030】トムソン刃5は、上押台16で降下され
る。図の裁断機3は、トムソン刃5を上押台16の下面
に固定している。このトムソン刃5は、成形品Sの外周
で成形合成樹脂シート1を切断する刃縁を下向きに備え
ている。トムソン刃5は、たとえば、成形品Sの形状に
応じて交換できるように装着される。上押台16が降下
すると、トムソン刃5が成形合成樹脂シート1を裁断す
る。トムソン刃5は、成形品Sを、成形品Sの外周に沿
って成形合成樹脂シート1から完全に切り離すように成
形合成樹脂シート1を裁断する。
【0031】図に示す裁断機3は、1枚の成形合成樹脂
シート1に縦横に成形された全ての成形品Sの外周を裁
断できるトムソン刃5を配設している。この装置は、成
形合成樹脂シート1の裁断工程を少なくし、裁断に要す
る時間を短縮できる。ただし、トムソン刃は、成形合成
樹脂シートに縦横に成形された成形品を、横一列ずつ裁
断する形状として、1列づつ裁断することもできる。た
とえば、縦横に4列の成形品を成形した成形合成樹脂シ
ートは、トムソン刃を上下させる一回のストロークで、
横一列に並ぶ4つの成形品を裁断し、さらに、この工程
を4回繰り返して、成形合成樹脂シートのすべての成形
品を打ち抜いて切断する。この間、搬入台は、成形合成
樹脂シートを所定のピッチで送って、成形品を裁断位置
に正確に移送するように制御される。ただ、裁断機は、
一度に複数列の成形品を裁断できるように、トムソン刃
を配設することもできる。
【0032】当て板9は、トムソン刃5で裁断される成
形合成樹脂シート1の下面、正確には、トムソン刃5の
刃縁の下面で成形合成樹脂シート1を支持する。複数の
成形品Sを成形している成形合成樹脂シート1は、凹凸
があって平面状でない。当て板9は、凸部を案内する凹
部や孔を設けて、凹凸のある成形合成樹脂シート1を定
位置に載せている。当て板9は、裁断位置の下方に固定
され、あるいは、搬入台2の上面に固定される。また、
トムソン刃を成形合成樹脂シートの下方に配設する装置
は、当て板を上押台の下面に固定する。
【0033】上押台16は、上下移動機構18で上下に
移動されて、トムソン刃5を上下に移動させる。図の上
下移動機構18は油圧シリンダーで、上押台16を水平
の姿勢で上下に移動させる。上下移動機構18が上押台
16を降下させて、成形合成樹脂シート1をトムソン刃
5で裁断する。
【0034】保持排出部17は、トムソン刃5で裁断さ
れて成形合成樹脂シート1から分離された成形品Sを保
持して排出する。図の保持排出部17は、成形品Sを空
気で吸着して保持する密閉吸引ボックス20を備える。
密閉吸引ボックス20は、各々の成形品Sを挟着する空
気吸入孔を下面に開口している。この密閉吸引ボックス
20は、図示しないが、開閉弁とホースを介して、ブロ
アーや真空ポンプ等の真空源に連結される。開閉弁が開
かれると、空気吸入孔から空気が密閉吸引ボックス20
に吸入されて、裁断された各々の成形品Sが吸着して保
持される。この保持排出部17は、各々の成形品Sを独
立して吸着して保持できるように、各々の成形品Sを吸
着できる位置に空気吸入孔を開口している。
【0035】空気で成形品Sを吸着する保持排出部17
は、簡単な構造で各々の成形品Sを確実に保持できる。
ただ、本発明の装置は、保持排出部をこの構造には特定
しない。成形品の形状によっては、成形品を両側で挟着
して保持することもできるからである。成形品を両側か
ら挟着して保持する保持排出部は、各々の成形品を挟着
できる位置に挟着アームを設け、この挟着アームをシリ
ンダー等で駆動して、成形品を挟着して保持する。
【0036】保持排出部17は、排出移動機構19で裁
断位置から排出位置に移送される。図の排出移動機構1
9は、上押台16に隣接されて、保持排出部17である
密閉吸引ボックス20を水平に移動させるガイド機構2
1と、このガイド機構21に沿って保持排出部17を裁
断位置と排出位置とに移動させる取出機構22とを備え
る。
【0037】ガイド機構21は、上押台16から排出位
置に向かって水平方向に延長して固定されて、保持排出
部17を裁断位置から排出位置まで水平方向に移動させ
る。保持排出部17は、裁断された成形品Sを吸着する
ときに上押台16の下に位置する。したがって、ガイド
機構21は、保持排出部17を上押台16の下部から排
出位置に向かって移動できるように案内する。ガイド機
構21は、図示しないが、上昇位置にある上押台に隣接
して配設しているガイドレールと、このガイドレールに
沿って摺動する摺動部とからなり、摺動部を保持排出部
に固定して、保持排出部を裁断位置から排出位置に移動
させる。
【0038】取出機構22は、ガイド機構21に沿って
張設されて保持排出部17に連結しているタイミングチ
ェーン23と、このタイミングチェーン23を駆動する
サーボモーター24とを備える。タイミングチェーン2
3はタイミングプーリーにかけられて、裁断位置と排出
位置の方向に張設されている。サーボモーター24が正
逆に回転されて、タイミングチェーン23で保持排出部
17が裁断位置と排出位置とに移動される。
【0039】以上の裁断分離機25は、以下の工程で成
形合成樹脂シート1を裁断して、成形品Sをスクラップ
Rから分離する。 (1) 供給位置にある搬入台2の上に成形合成樹脂シー
ト1を供給する。 (2) 搬入台2が供給位置から裁断位置に移動して、成
形合成樹脂シート1を裁断位置に搬入する。このとき、
上押台16は上昇位置にあって、成形合成樹脂シート1
を搬入できる状態としている。 (3) 上押台16が降下して、トムソン刃5で成形合成
樹脂シート1を、成形品Sの外周で裁断する。このと
き、保持排出部17は排出位置にある。 (4) 上押台16が上昇する。保持排出部17が上押台
16の下に移動して、裁断された成形品Sをスクラップ
Rから分離して吸着する。保持排出部17が成形品Sを
吸着するために、密閉吸引ボックス20に連結している
開閉弁が開かれる。この状態の密閉吸引ボックス20
は、空気吸入孔から空気を吸引して、成形品Sを吸着し
て保持する。したがって、密閉吸引ボックス20に成形
品Sが吸着されて、スクラップRから分離される。密閉
吸引ボックス20が成形品Sを吸着するとき、スクラッ
プRの上昇を阻止するために、成形合成樹脂シート1の
両側縁がキャッチャー4で挟着される。 (5) 保持排出部17である密閉吸引ボックス20が、
裁断位置から排出位置に移動する。排出位置に移動した
密閉吸引ボックス20は、吸着している成形品Sを脱離
する。成形品Sを脱離するために、保持排出部17であ
る密閉吸引ボックス20に連結している開閉弁を開弁す
る。さらに必要であれば、密閉吸引ボックス20に加圧
空気を圧入して、挟着している成形品Sを落下して脱離
させる。 (6) 成形品Sが分離されて、裁断位置に残っているス
クラップRがキャッチャー4に挟着された状態で、搬入
台2が裁断位置から供給位置に復帰する。このとき、ス
クラップRはキャッチャー4で挟着されているので、搬
入台2のみが供給位置に復帰して、スクラップRが裁断
位置に残される。搬入台2が裁断位置から供給位置に復
帰した後、キャッチャー4はスクラップRの挟着を解除
する。 (7) その後、供給位置の搬入台2に、次に成形する成
形合成樹脂シート1が供給されて、搬入台2が供給位置
から裁断位置に移動する。このとき、キャッチャー4は
スクラップRの挟着を解除しているので、裁断位置に移
動する搬入台2、あるいは成形合成樹脂シート1がスク
ラップRを裁断位置から外部に排出する。このときも、
上押台16は上昇位置にあって、成形合成樹脂シート1
を搬入できる状態としている。
【0040】以下、(3)〜(7)の工程を繰り返して、成形
合成樹脂シート1を裁断し、成形品SをスクラップRか
ら分離する。
【0041】以上は、上押台16でトムソン刃5を降下
させて、成形合成樹脂シート1を裁断する具体例を詳述
したが、本発明の装置は、上押台で当て板を降下させ
て、成形合成樹脂シートを裁断することもできる。この
装置は、降下する上押台の下面に当て板を配設し、搬入
台にトムソン刃を装着する。さらに、トムソン刃を裁断
位置の下方に配設する装置は、密閉吸引ボックスの下面
に当て板を配設することもできる。この装置は、密閉吸
引ボックスを上押台の下方に位置させた状態で上押台を
降下させて、降下する密閉吸引ボックスの当て板と、下
方に位置するトムソン刃とで成形合成樹脂シートを裁断
する。
【0042】さらに、以上の実施例の装置は、当て板ま
たはトムソン刃を搬入台の上面に固定しているが、当て
板やトムソン刃は、裁断機の下台に固定することもでき
る。ただ、当て板やトムソン刃を下台に固定している装
置は、搬入台が当て板やトムソン刃の上に成形合成樹脂
シートを供給できる構造とする。
【0043】積重機26は、裁断機3から成形品Sが供
給される配列台27と、この配列台27に隣接して配設
してなる集積台28と、集積台28に隣接して配設され
てなる多段積重台29とを備える。
【0044】配列台27は、裁断機3の排出位置に水平
に配設している。この配列台27には、裁断機3で裁断
して分離された複数の成形品Sが、成形合成樹脂シート
1と同じ配列で縦横に並べて供給される。裁断機3は、
保持排出部17で保持している成形品Sを、裁断位置か
ら排出位置の配列台27に供給する。保持排出部17
は、成形品Sを配列台27の上に供給した後、成形品S
の吸着状態を解除する。吸着状態が解除された成形品S
は、保持排出部17から配列台27に移される。
【0045】配列台27と集積台28はベルトコンベア
を備えており、ベルトコンベアは配列台27の成形品S
を同じ配列で集積台28に供給する。配列台27は、縦
横に並べて裁断機3から供給された全ての成形品Sを、
集積台28に移送する。このとき、配列台27と集積台
28のベルトコンベアを同期して駆動する。配列台27
から集積台28に成形品Sを供給するタイミングは、集
積台28の成形品Sが全て多段積重台29に送り出され
た後である。成形品Sがなくなった集積台28に、配列
台27に供給された全ての成形品Sを供給する。
【0046】集積台28は、配列台27から縦横に並べ
て供給された成形品Sを、多段積重台29に供給する。
集積台28のベルトコンベアが駆動されると、集積台2
8に供給された成形品Sは、多段積重台29に送り出さ
れる。多段積重台29は、成形品Sが供給されるにした
がって降下する。成形品Sは、開口縁にブロッキング凸
部Tを設ける以外は同じ形状である。このため、多段積
重台29を次第に降下させながら、集積台28から成形
品Sを多段積重台29に送り出すと、先に供給された成
形品Sに嵌入される状態で、多段に積み重ねられる。多
段積重台29は、集積台28から供給される成形品Sを
正確に積み重ねできる位置に降下する。すなわち、成形
品Sが供給される毎に、成形品Sの積重高さに相当する
高さ降下する。また、先に供給した成形品Sに、次に供
給する成形品Sが位置ずれなく嵌入できるように、集積
台28と多段積重台29の高さが制御される。
【0047】この状態で集積台28から多段積重台29
に送り出される成形品Sは、集積台28で縦に隣接して
並べられたものが、多段積重台29で上下に隣接して積
重される。また、集積台28のベルトコンベアは、集積
台28の成形品Sを水平面内で回転させることなく、多
段積重台29に供給する。したがって、多段積重台29
に積重された成形品Sは、図6や図7に示すように、開
口縁の異なる位置に設けたブロッキング凸部Tを、上下
で異なる位置として積重され、ブロッキング凸部Tで積
重している成形品Sの間が広げられる。
【0048】さらに、図に示す積重機26は、多段積重
台29で積重された成形品Sが、多段積重台29から搬
入される取出台30と、この取出台30に積重した成形
品Sを押し出すプッシャー31とを備える。図のプッシ
ャー31はシリンダーで、シリンダーは、ロッドの先端
に垂直プレート32を固定している。プッシャー31
は、シリンダーのロッドを押し出して、多段積重台29
の成形品Sを取出台30に押し出す。多段積重台29
は、積重された成形品Sが横1列に並べられているの
で、プッシャー31は横1列の成形品Sを、横に並べた
状態で、多段積重台29から取出台30に押し出す。多
段積重台29は、積重している成形品Sが取出台30に
移送されるとき、取出台30と同一水平位置に移動す
る。
【0049】以上の構造の積重機26は、以下の動作を
して配列台27に供給される成形品Sを取出台30に移
送する。 (1) 裁断機3から配列台27に縦横に並べた状態で成
形品Sが供給される。裁断機3は、配列台27が先に供
給された全ての成形品Sを集積台28に送り出した後、
成形品Sを配列台27に供給する。 (2) 配列台27と集積台28のベルトコンベアが一緒
に駆動されて、配列台27の成形品Sが集積台28に移
送される。配列台27と集積台28のベルトコンベア
は、配列台27の全ての成形品Sを集積台28に排出し
た後に停止する。配列台27と集積台28のベルトコン
ベアは、集積台28の成形品Sを全て多段積重台29に
送り出した後に駆動される。 (3) 集積台28のベルトコンベアが駆動されて、集積
台28に縦横に並べられた成形品Sが、横1列のものが
一緒になって、多段積重台29に送り出される。集積台
28から多段積重台29に送られて積重される成形品S
は、集積台28で縦に並べていたものが、上下に積重さ
れる。集積台28の全ての成形品Sが排出されると、集
積台28のベルトコンベアは停止する。 (4) 多段積重台29に所定の段数の成形品Sが積重さ
れると、多段積重台29と取出台30とを同一水平面と
して、プッシャー31が多段積重台29の成形品Sを取
出台30に押し出す。その後、多段積重台29は、最初
の成形品Sが供給される位置まで上昇する。
【0050】その後、(1)〜(4)の動作を繰り返して、積
重機26に供給される成形品Sを積重して取出台30に
積重する。
【0051】
【発明の効果】本発明の成形品積重装置は、積重してい
る成形品の間に充分な隙間を設けて、積重された成形品
を簡単かつ容易に、しかも速やかに分離できる特長があ
る。それは、本発明の成形品積重装置が、成形機で、縦
に隣接して並べている成形品の開口縁の異なる位置にブ
ロッキング凸部を成形すると共に、積重機で成形合成樹
脂シートに縦に隣接して並べて成形されて、裁断分離機
で裁断された成形品を、上下に隣接して同じ姿勢で積重
しているからである。この状態で積重される成形品は、
上下に積重している成形品のブロッキング凸部の位置が
異なるので、ブロッキング凸部の高さに相当する隙間が
でき、積重した状態でスムーズに分離できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の裁断装置で裁断された成形品を成形合成
樹脂シートから分離して集積する状態を示す概略図
【図2】ブロッキング凸部を有する成型品の一例を示す
斜視図
【図3】本発明の実施例の成形品積重装置の成形機を示
す概略図
【図4】本発明の実施例の成形品積重装置の裁断分離機
と積重機を示す側面図
【図5】成形品が成形された成形合成樹脂シートの一例
を示す平面図
【図6】成形品が成形された成形合成樹脂シートの他の
一例を示す平面図
【図7】合成樹脂シートに成形された成形品の一例を示
す拡大斜視図
【図8】本発明の実施例の裁断分離装置のキャッチャー
を示す平面図
【図9】本発明の実施例の裁断分離装置のキャッチャー
を示す断面図
【符号の説明】
1…成形合成樹脂シート 1’…合成樹脂シート 2…搬入台 3…裁断機 4…キャッチャー 5…トムソン刃 6…往復運動機構 7…タイミングベルト 8…モーター 9…当て板 10…ガイドレール 11…挟着片 12…駆動機構 13…エアーモーター 14…回転軸 15…アーム 16…上押台 17…保持排出部 18…上下移動機構 19…排出移動機構 20…密閉吸引ボックス 21…ガイド機構 22…取出機構 23…タイミングチェーン 24…サーボモーター 25…裁断分離機 26…積重機 27…配列台 28…集積台 29…多段積重台 30…取出台 31…プッシャー 32…垂直プレート 33…成形機 34…ヒーター 35…金型 36…定寸切断機 37…空気孔 38…ブロアー 39…カッター 40…作業台 S…成形品 R…スクラップ T…ブロッキング凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 51/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂製の合成樹脂シート(1')
    ヒータ(34)で加熱して、加熱された合成樹脂シート(1')
    を金型(35)に密着させるように加熱成形して、縦横に並
    べて、同じ形状である複数の成形品(S)を成形してなる
    成形合成樹脂シート(1)とする成形機(33)と、この成形
    機(33)で成形された成形合成樹脂シート(1)を、成形品
    (S)の外周で裁断する裁断分離機(25)と、裁断分離機(2
    5)で裁断された成形品(S)を分離して積重する積重機(2
    6)とを備える、合成樹脂シートを裁断分離し成形品を積
    重する成形品積重装置において、 成形機(33)が、縦に隣接して並べている成形品(S)の開
    口縁の異なる位置であって、成形品(S)の開口縁の、右
    側、上側、左側、下側に、あるいは同じ辺の異なる位置
    に、開口縁から外部に突出してブロッキング凸部(T)を
    成形すると共に、積重機(26)が、成形合成樹脂シート
    (1)に縦に隣接して並べて成形している成形品(S)を、水
    平面内で回転させることなく、上下に隣接して積重する
    ことを特徴とする合成樹脂シートを裁断分離し成形品を
    積重する成形品積重装置。
  2. 【請求項2】 積重機(26)が、裁断して分離された複数
    の成形品(S)を成形合成樹脂シート(1)と同じ配列で縦横
    に配列して成形品(S)が供給される配列台(27)と、この
    配列台(27)に隣接して配設してなる集積台(28)と、この
    集積台(28)に隣接して配設されてなる多段積重台(29)と
    を備え、 配列台(27)は、供給される成形品(S)を集積台(28)に移
    送する排出コンベアを備え、集積台(28)は、配列台(27)
    から縦に並べて供給される成形品(S)を順番に多段積重
    台(29)に供給して積重する積重コンベアを備えている請
    求項1に記載される合成樹脂シートを裁断分離し成形品
    を積重する成形品積重装置。
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