JP3432934B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3432934B2
JP3432934B2 JP4566195A JP4566195A JP3432934B2 JP 3432934 B2 JP3432934 B2 JP 3432934B2 JP 4566195 A JP4566195 A JP 4566195A JP 4566195 A JP4566195 A JP 4566195A JP 3432934 B2 JP3432934 B2 JP 3432934B2
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14008Structure of acoustic ink jet print heads

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体インクを液滴化し
て被記録体上に飛翔させることで画像を記録するインク
ジェット記録装置に係り、特に圧電素子により放射され
る超音波ビームの圧力によりインク滴を吐出させて被記
録体上に飛翔させるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体インクを液滴と呼ばれる小さな粒状
にして記録媒体上に飛翔させることにより画点を形成し
て画像を記録する装置は、インクジェットプリンタとし
て実用化されている。このインクジェットプリンタは、
他の記録方法と比べて騒音が少なく、現像や定着などの
処理が不要であるという利点を有し、普通紙記録技術と
して注目されている。インクジェットプリンタの方式は
現在までに数多く考案されているが、特に(a)発熱体
の熱により発生する蒸気の圧力でインク滴を飛翔させる
方式(例えば特公昭56−9429、特公昭61−59
911など)、(b)圧電素子によって発生される機械
的な圧力パルスによりインク滴を飛翔させる方式(例え
ば特公昭53−12138など)が代表的なものであ
る。
【0003】インクジェットプリンタに使用される記録
ヘッドとしては、キャリッジに搭載されて記録紙の搬送
方向(副走査方向)に対し直交する方向(主走査方向)
に移動しながら記録を行うシリアル走査型ヘッドが実用
されている。このシリアル走査型ヘッドでは、機械的に
移動しながら記録を行うため、記録スピードを速くする
ことが難しい。そこで、記録ヘッドを記録紙の幅と同じ
サイズの長尺ヘッドとして機械的な可動部分を減らし、
記録スピードを上げることができるいわゆるライン走査
型ヘッドも考えられているが、このようなライン走査型
ヘッドを実現することは、次の理由から簡単ではない。
【0004】インクジェット記録方式は本質的に、溶媒
の蒸発や揮発によって局部的なインクの濃縮が生じやす
く、これが解像度に対応した個別の細いノズルでの目詰
まりの原因となる。このため、インクジェットの形成に
蒸気の圧力を使う方式では、インクとの熱的あるいは化
学的な反応などによる不溶物の付着が、また圧電素子に
よる圧力を使う方式では、インク流路などでの複雑な構
造がさらに目詰まりを誘起し易くする。数十〜百数十程
度のノズルを使用するシリアル走査型ヘッドでは、目詰
まりの頻度を低く抑えることができるようになっている
が、数千もの多数のノズルを必要とするライン走査型ヘ
ッドでは、確率的にかなり高い頻度で目詰まりが発生
し、信頼性の点で大きな問題となる。
【0005】さらに、従来のインクジェット記録装置
は、解像度の向上には適していないという問題点もあ
る。つまり蒸気の圧力を使う方法では、直径20μm
(これは記録紙上に直径50数μm程度の記録ドットに
相当する)以下の粒径のインク滴を生成するのが難し
く、また圧電素子が発生する圧力を使う方式では、記録
ヘッドが複雑な構造となるために加工技術上の問題で解
像度の高いヘッドが作りにくいからである。
【0006】これらの欠点を克服するため、薄膜圧電体
により構成された圧電素子によって発生する超音波ビー
ムの圧力を用いてインク液面からインクを飛翔させる方
式がIBM TDB,vol.16,No.4,pp.
1168(1973−10),USP−4308547
(1981),USP−4697195(1987),
USP−4751529(1988),USP−475
1530(1988),USP−5041849(19
91),特開昭62−66943,特開昭63−162
253,特開昭63−166545,特開昭63−16
6546,特開昭63−166548,特開昭63−3
12157,特開平3−200199,特開平4−29
6562,特開平4−296563,特開平4−356
328,特開平5−278218などにより提案されて
いる。
【0007】この方式は個別のドット毎のノズルやイン
ク流路の隔壁を必要としない、いわゆるノズルレスの方
式であるため、ラインヘッド化する上での大きな障害で
あった目詰まりの防止と復旧に対して有効である。ま
た、非常に小さい径のインク滴を安定に生成し飛翔させ
ることができるため、高解像度化にも適している。しか
し、この方式の欠点は記録画点あるいは解像度よりも大
きな、例えば記録画点の30倍にもなる直径の音響レン
ズを用いて超音波ビームをインク内に集束させるため、
記録ヘッドとしては1本の圧電素子アレイだけで必要な
解像度を得ることができず、複数本の圧電素子アレイを
千鳥状に配列して構成される記録ヘッドを使って合間を
埋める必要があることである。このような千鳥配列の構
造をとる記録ヘッドは、周期的な濃度むらや隣接ドット
とのわずかな位置ずれなど、画質の面から見て問題が多
い。
【0008】そこで、超音波ビームの他の集束法とし
て、複数の圧電素子を所定間隔で配列して構成された圧
電素子アレイの各圧電素子を所定の遅延時間差で駆動し
て位相制御された超音波を励起し、インク液面近傍の一
点に超音波ビームを集束させるセクタ電子スキャン法
(特開平2−184443)が提案されている。この方
法は圧電素子アレイの配列ピッチに制限されずに、イン
ク滴の飛翔位置を変化させることが可能である。しか
し、インク液面上の各位置でインク滴を飛翔させるため
には、それぞれの位置に超音波ビームが集束するように
圧電素子を駆動する際の遅延時間差を正確に計算して制
御する必要があり、駆動回路が複雑で高価なものになっ
てしまう。また、圧電素子アレイの中心位置と一致する
インク液面上の一点以外の位置でインク液を飛翔させる
場合には、集束させた超音波が方向性を持ってしまうた
めに、インク滴が斜めに飛翔してしまい、結果としてイ
ンク液面の高さやインク液面と紙の距離の変動によっ
て、インク滴の記録位置がずれてしまう問題があった。
【0009】このような問題に対し、圧電素子アレイの
うちの一部の圧電素子群を同時に駆動してインク滴1つ
を飛翔させ、その同時駆動する圧電素子群の位置を順次
ずらすせてインク滴の飛翔位置を移動させるリニア電子
スキャン法が提案されている。この方法では、各圧電素
子に対する遅延時間を圧電素子群の中心に対して左右対
称になるように設定するため、常にインク滴は液面に対
して垂直方向にまっすぐ飛翔する。また、同時に駆動す
る圧電素子群の素子数を一定にすれば、圧電素子群の組
み合わせを切り替えだけで済むため、駆動回路は複雑な
遅延時間を制御する必要がなく、1組の遅延時間パター
ンを制御すればよい。さらに、このリニア電子スキャン
法における遅延時間の設定方法として、通常の電子フォ
ーカス法で用いられる二次関数的な遅延時間の設定では
なく、フレネル回折理論に基づいて圧電素子アレイをさ
らに2つのグループに分け、互いに位相が半波長異なる
ように遅延時間を設定するという、より簡便な方法も提
案されている。しかし、このようなリニア電子スキャン
法では、インク滴の飛翔位置が圧電素子の配置ピッチに
依存してしまい、そのピッチ以下にはインク滴を飛翔で
きないという問題があった。
【0010】電子スキャン法で使用される複数の圧電素
子を配列して構成される圧電素子アレイは、圧電体部分
は基本的には一体で良く、その一方の主面上には共通電
極を形成し、他方の主面上に形成した電極のみをアレイ
方向に分割して個別電極とすればよい。このようにする
ことで、各圧電素子は機械的、電気的に独立して駆動可
能となる。電子スキャン法、特にリニア電子スキャン法
では、飛翔するインク滴の大きさは超音波の周波数に強
く依存し、高解像度を得ようとすると、数十MHzから
数百MHz程度の駆動周波数が必要となる。このような
高周波数の駆動電圧を各圧電素子に印加し、それぞれの
駆動電圧波形の位相を必要な精度で制御するためには、
長い配線距離による遅延の大きさと、回路内での遅延の
ばらつきの2点についてナノセコンドのオーダで注意し
なければならない。
【0011】また、圧電体は一般的に回路基板の材料に
比べ比誘電率が高い材料により作られるため、圧電素子
の容量負荷が大きい。とりわけ、複数の圧電素子が近接
して配列された圧電素子アレイの場合、隣接する個別電
極間に容量負荷による電気的なカップリングが生じ、個
々の圧電素子に所定の駆動波形を入力する際、このカッ
プリングによってクロストークノイズと称される波形の
乱れが誘発され、高周波数駆動においてはカップリング
の程度によっては所定の波形が個々の圧電素子に印加さ
れなくなるという問題が生じる。
【0012】クロストークノイズを最小限にとどめて制
御するには、理想的には1配線・1圧電素子の形で独立
した圧電素子であるのが望ましい。しかし、1配線・1
圧電素子ペアのサイズは高解像度を実現しようとする
と、数〜数十μmであり、例えばA4サイズのラインヘ
ッドの場合、数千個ものペアが並ぶ構造になる。このよ
うな構造の圧電素子アレイを作製するには長時間の工程
を必要とし、量産性の点で問題がある。従って、実際上
は圧電体材料の選定や個別電極の間隔の最適化、素子周
辺のインピーダンスや駆動波形などの調整、補正などに
よってクロストークノイズを低減する措置を施すことが
必要になる。
【0013】ところで、このような圧電素子アレイを駆
動する場合、各々の圧電素子の位置によって隣接する圧
電素子の個別電極間のカップリングがそれぞれ異なるた
め、厳密には個々の圧電素子の位置を考慮した調整を行
わなければならない。しかしながら、上述したようにラ
インヘッドは数千個の圧電素子で構成され、インク滴の
飛翔位置をスキャンさせるためには1個の圧電素子につ
き複数の駆動波形が必要であるため、カップリングの調
整を含んだ駆動波形の制御を行うことは駆動回路の複雑
化を招き、コスト高にもつながる。だが、ある一つの圧
電素子に注目してみると、カップリングの影響は両隣の
圧電素子の個別電極からのそれが最も大きく、その圧電
素子の位置から離れた個別電極からのカップリングの影
響は小さくなる。従って、圧電素子の個別電極の幅が一
定であるならば、実際上はカップリングの影響は個々の
圧電素子については平均化されるため、それぞれの位置
に対して厳密に調整を行う必要はあまりない。
【0014】しかし、圧電素子アレイのアレイ方向、す
なわち主走査方向端部及びその付近に位置する圧電素子
においては、近接する個別電極が無いかあるいはその数
が少ないために、アレイ方向両側からの負荷の平衡がと
れない状態にある。そのため、アレイ方向端部から離れ
た場所に位置する圧電素子に比べると、カップリングの
値が大きく変わり、その結果生じるクロストークノイズ
が他の部分とは異なる。従って、圧電素子のアレイ方向
端部やその近傍についてはクロストークノイズ制御を別
に行わなければならず、制御方法が複雑化するという問
題が生じる。
【0015】また、圧電素子は駆動電圧の印加によって
圧電体が主として厚み方向の変形を生じることにより超
音波を発生するのであるが、個々の圧電素子で圧電体が
共通であるために、圧電素子間に音響的結合が存在す
る。すなわち、ある一つの圧電素子に注目すると、その
圧電体の変形は印加される駆動電圧と隣接する圧電素子
の歪の影響を受けて定まるが、アレイ方向端部に位置す
る圧電素子は隣接する圧電素子が一つであり、歪の影響
が片側だけなので、同一条件で駆動しても端部以外の圧
電素子とは圧電体の変形状態が異なり、そのため発生す
る超音波も異なったものとなってしまう。
【0016】さらに、このような圧電素子アレイをイン
クジェットヘッドとして実際に構成する場合、インク容
器とアレイ方向端部付近に位置する圧電素子はインク容
器壁面と近接する位置にあるため、この位置にある圧電
素子から励起される超音波ビームはインク容器壁面で反
射され、インク液面近傍での超音波の集束が阻害される
という問題も生じる。
【0017】一方、圧電素子アレイの駆動によるアレイ
方向における超音波ビームの集束と音響レンズによるア
レイ方向と直交する方向における超音波ビームの集束を
併用する場合には、超音波ビームのビーム幅を両方向で
等しくすることが難しいために、インク滴を効率よく飛
翔させることができないという問題がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、圧電
素子アレイの遅延時間制御により超音波を集束させるイ
ンクジェット記録装置のスキャン方法のうち、セクタ電
子スキャン法は圧電素子の配列ピッチ以下のピッチでイ
ンク滴を飛翔させることが可能であるものの、緻密な遅
延時間の制御が必要であり、駆動回路の構成が複雑で高
価なものとなってしまうという問題があった。一方、駆
動回路がより単純で済み、インク滴を垂直に飛翔させる
ことが可能であるリニア電子スキャン法では、インク滴
を飛翔させることのできるピッチが圧電素子の配列ピッ
チで制限されてしまうという問題があった。
【0019】また、圧電素子アレイの圧電体を一体構造
とし、個別電極のみを各圧電素子に対応して分離した構
成では、個別電極間のカップリングおよび音響的結合の
影響が不均一となるため、クロストークノイズも不均一
となることにより、圧電素子アレイの駆動制御が複雑化
するという問題と、アレイ方向端部の圧電素子からの超
音波がインク容器の壁面で反射されるため、超音波の集
束が阻害されるという問題があった。
【0020】さらに、圧電素子アレイによるアレイ方向
での超音波ビームの集束と、音響レンズによるアレイ方
向と直交する方向での超音波ビームの集束を併用した場
合、超音波ビームのビーム幅を両方向で等しくすること
が難しいため、インク滴を効率よく飛翔させることがで
きないという問題があった。
【0021】本発明の第1の目的は、圧電素子アレイの
配列ピッチ以下の間隔でインク液を飛翔させることが可
能で、駆動回路の構成も単純なインクジェット記録装置
を提供することにある。
【0022】本発明の第2の目的は、圧電素子アレイを
構成する圧電素子の個別電極間に生じるカップリングと
音響的結合の影響を均等にしてクロストークノイズを低
減でき、しかも超音波の集束を阻害することのないイン
クジェット記録装置を提供することにある。
【0023】本発明の第3の目的は、アレイ方向および
これと直交する方向において超音波ビームをインク液面
近傍に効率よく集束させ、容易に高解像度の記録を行う
ことができるインクジェット記録装置を提供することに
ある。
【0024】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
め、第1の発明は、複数の圧電素子を所定間隔で配列し
て構成された圧電素子アレイにより、インク保持手段に
保持された液体インクの液面上に集束しかつ該液面に沿
って移動する超音波ビームを放射し、この超音波ビーム
の圧力により液体インクの液面からインク滴を吐出させ
て被記録体上に飛翔させることにより画像を記録するイ
ンクジェット記録装置において、圧電素子アレイのうち
の偶数個からなる圧電素子群を該圧電素子群から放射さ
れる超音波ビームの中心位置が該圧電素子群の中心位置
となるように同時に駆動する第1の駆動モードと、奇数
個からなる圧電素子群を該圧電素子群から放射される超
音波ビームの中心位置が該圧電素子群の中心位置となる
ように同時に駆動する第2の駆動モードを有する圧電素
子アレイ駆動手段を備えたことを特徴とする。
【0025】また、第1の目的を達成するため、第2の
発明は、複数の圧電素子を所定間隔で配列して構成され
た圧電素子アレイにより、インク保持手段に保持された
液体インクの液面上に集束しかつ該液面に沿って移動す
る超音波ビームを放射し、この超音波ビームの圧力によ
り液体インクの液面からインク滴を吐出させて被記録体
上に飛翔させることにより画像を記録するインクジェッ
ト記録装置において、圧電素子アレイのうちの隣接する
複数個からなる圧電素子群を該圧電素子群から放射され
る超音波ビームが該圧電素子群の中心軸上の液体インク
の液面に集束するように同時に駆動する第1の駆動モー
ドと、この圧電素子群を該圧電素子群の少なくとも左右
半分に二分された領域からそれぞれ放射される超音波ビ
ームが該圧電素子群の中心軸上の異なる点に集束するよ
うに同時に駆動する第2の駆動モードとを有する圧電素
子アレイ駆動手段を備えたことを特徴とする。
【0026】なお、第1および第2の発明においては、
圧電素子アレイの圧電素子群を互いに逆位相の2相駆動
信号により駆動することが望ましい。第2の目的を達成
するため、第3の発明は、複数の圧電素子を所定間隔で
配列して構成された圧電素子アレイにより、インク保持
手段に保持された液体インクの液面上に集束しかつ該液
面に沿って移動する超音波ビームを放射し、この超音波
ビームの圧力により液体インクの液面からインク滴を吐
出させて被記録体上に飛翔させることにより画像を記録
するインクジェット記録装置において、圧電素子アレイ
が、矩形板状の圧電体層と、この圧電体層の一方の主面
上に一様に形成された共通電極と、圧電体層の他方の主
面上に複数の圧電素子にそれぞれ対応して形成された複
数の個別電極とからなり、アレイ方向両端部の圧電素子
またはアレイ方向両端部とその近傍の圧電素子は、圧電
素子アレイの駆動手段に対して非駆動状態に保持されて
いることを特徴とする。
【0027】第3の目的を達成するため、第4の発明
は、複数の圧電素子を所定間隔で配列して構成された圧
電素子アレイの隣接する複数個からなる圧電素子群を所
定の遅延時間差をもって同時に駆動する動作を該圧電素
子群の位置を順次ずらせて行うことにより、インク保持
手段に保持された液体インクの液面上に圧電素子のアレ
イ方向において集束しかつ該液面に沿って移動する超音
波ビームを放射し、さらに音響レンズを用いて圧電素子
アレイから放射される超音波ビームをアレイ方向と直交
する方向において液体インクの液面上に集束させ、この
超音波ビームの圧力で液体インクの液面からインク滴を
吐出させて被記録体上に飛翔させることにより画像を記
録するインクジェット記録装置において、音響レンズの
口径を圧電素子アレイの同時に駆動する所定数個からな
る圧電素子群のアレイ方向の長さよりも短くしたことを
特徴とする。
【0028】ここで、音響レンズは例えばインクよりも
音速の速い物質、例えばガラスや樹脂により形成され、
超音波ビームがインクの液面で焦点を結ぶように凹面形
状に形成される。また、他の例によると音響レンズは圧
電素子アレイのアレイ方向に延びた複数の直線帯状のフ
レネル回折パターンからなる。そして、音響レンズの口
径をD、レンズ内での超音波波長をλとしたとき、レン
ズの最も厚い部分の厚さtはt<D2 /λの関係を満た
すように設定される。
【0029】
【作用】第1の発明においては、圧電素子アレイのうち
の偶数個からなる圧電素子群を同時に駆動する第1の駆
動モードと、奇数個からなる圧電素子群を同時に駆動す
る第2の駆動モードを有し、かつこれら両モード共に、
駆動する圧電素子群から放射される超音波ビームの中心
位置が該圧電素子群の中心位置となるように設定されて
いる。ここで、偶数個からなる圧電素子群の中心位置は
その圧電素子群の中央二つの圧電素子の中間位置とな
り、また奇数個からなる圧電素子群の中心位置はその圧
電素子群のちょうど中心の圧電素子の位置となる。すな
わち、第1の駆動モードで偶数個からなる圧電素子群を
同時に駆動したときの超音波ビームの集束位置と、第2
の駆動モードで奇数個からなる圧電素子群を同時に駆動
したときの超音波ビームの集束位置は、圧電素子のアレ
イ方向に配列ピッチの半分だけずれる。
【0030】従って、これら第1の駆動モードと第2の
駆動モードで交互に圧電素子群を駆動すれば、インク滴
を圧電素子の配列ピッチの半分のピッチの位置でインク
の液面から飛翔させることができ、常に一定個数からな
る圧電素子群を駆動する従来のリニア電子スキャンに比
較して、2倍の解像度の記録が可能となる。
【0031】また、偶数個からなる圧電素子群を駆動す
る時の位相設定パターンと、奇数個からなる圧電素子群
を駆動する時の位相設定パターンを一部同じとすれば、
駆動回路における遅延時間の制御を簡単化できる。
【0032】さらに、圧電素子群から放射される超音波
の位相をフレネル回折理論に基づいて互いに逆相の2種
類に限定して、圧電素子アレイの圧電素子群を互いに逆
位相の2相駆動信号により駆動すれば、より駆動回路の
構成を簡単にすることが可能である。
【0033】第2の発明においては、圧電素子群を超音
波ビームが該圧電素子群の中心軸上のインク液面に集束
するように同時に駆動する第1の駆動モードと、この圧
電素子群を該圧電素子群の中心軸に対して左右の圧電素
子群から放射される超音波ビームが該圧電素子群の中心
軸上の異なる点に集束するように同時に駆動する第2の
駆動モードを有する。
【0034】ここで、第1の駆動モードでは各圧電素子
から放射された超音波の位相が圧電素子群の中心軸上の
液面で一致するため、このモードで圧電素子群の位置を
ずらせてゆけば、圧電素子アレイの配列ピッチと同じピ
ッチでインク滴を飛翔させることが可能である。
【0035】これに対し、第2の駆動モードでは同時に
駆動する圧電素子群の左右、好ましくは左右半分の領域
から放射される各超音波の位相が圧電素子群の中心軸上
の異なる点で一致するため、圧電素子群の中心軸上とは
異なる位置でインク液面からインク滴を飛翔させること
ができる。この場合のインク滴飛翔位置の圧電素子群の
中心軸に対する距離は、この左右半分の領域にある圧電
素子からの超音波の位相が一致するそれぞれの点の間の
距離と液面の深さとの比に依存する。従って、左右半分
の圧電素子からの超音波の位相一致点を変えて駆動する
ことにより、圧電素子の配列ピッチに依存せずに飛翔位
置を様々に変化させることが可能となる。これにより、
高解像度の記録が可能となる。
【0036】また、第2の発明においても圧電素子群か
ら放射される超音波の位相をフレネル回折理論に基づい
て互いに逆相の2種類に限定して、圧電素子アレイの圧
電素子群を互いに逆位相の2相駆動信号により駆動すれ
ば、より駆動回路の構成を簡単にすることが可能であ
る。
【0037】第3の発明においては、矩形板状の圧電体
層と、その両主面上にそれぞれ形成された共通電極およ
び複数の個別電極とからなる圧電素子アレイのうち、ア
レイ方向両端部の圧電素子またはアレイ方向両端部とそ
の近傍の圧電素子を圧電素子アレイの駆動手段に対して
非駆動状態に保持する。すなわち、アレイ方向両端部の
圧電素子またはアレイ方向両端部とその近傍の圧電素子
は、超音波ビームの放射、集束には使用しない。換言す
れば、圧電素子アレイを構成する圧電素子の数は、イン
クを飛翔させるために用いる圧電素子の数よりも多く設
定される。
【0038】このようにすると、アレイ方向端部の圧電
素子が非駆動状態に保持されることによって、インクの
飛翔に使用されるそれ以外の圧電素子の容量負荷が平均
化されるとともに、駆動される圧電素子の各個別電極の
幅方向両隣の条件が均等となるために、音響的結合も平
均化される。すなわち、圧電素子アレイを構成する圧電
素子の個別電極間に生じるカップリングと音響的結合の
影響が均等となってクロストークノイズが低減される。
【0039】また、インク保持手段であるインク容器の
壁面に近接するアレイ方向端部の圧電素子以外の圧電素
子、つまりインク容器の壁面から離れた圧電素子のみを
超音波ビームの放射に使用するため、超音波ビームがイ
ンク容器の壁面によって反射されることによって超音波
ビームの集束が阻害されることがなくなる。
【0040】第4の発明においては、超音波ビームを圧
電素子アレイのアレイ方向については隣接する複数個か
らなる圧電素子群を同時に駆動する際の遅延時間差を制
御することにより、またこれと直交する方向については
音響レンズによりそれぞれインク液面に集束させ、イン
ク滴を飛翔させる。この際、圧電素子のアレイ方向およ
びこれと直交する方向における超音波ビームのビーム幅
がインク液面でほぼ等しい場合に、最も効率良くインク
滴が飛翔することを発明者らは見出した。第4の発明で
は、音響レンズの口径を圧電素子アレイの同時に駆動す
る圧電素子群のアレイ方向の長さよりも短くすることに
より、このような条件が達成される。
【0041】より具体的に説明すると、アレイ方向につ
いては、圧電素子群を駆動する際の遅延時間差は、音響
レンズとインクの音速およびレンズからインク中へ超音
波ビームが入射するときの屈折角(Snellの法則)
を考慮して、超音波がインク液面で焦点を結ぶように設
定される。一方、アレイ方向と直交する方向について
は、音響レンズの最も厚い部分の厚さtをt<D2 /λ
となるように設定することにより、レンズ中での超音波
は拡散せずに直進する。音響レンズ中を直進した超音波
は、レンズとインクとの界面でレンズの曲率と、レンズ
およびインク中の音速で決まる屈折角で屈折し、インク
液面近傍で焦点を結ぶ。
【0042】超音波ビームの焦点におけるビーム幅は、
周波数と伝搬媒質が一定であれば音響レンズの焦点距離
と口径で決まる。アレイ方向と直交する方向では、音響
レンズ中を超音波が直進するので、インク液面での焦点
の大きさはインクの深さ(焦点距離)と音響レンズの口
径で決まるのに対し、アレイ方向では音響レンズの厚さ
とインク深さの和(焦点距離)、および同時に駆動する
圧電素子群のアレイ方向の長さ(口径)で決まる。従っ
て、アレイ方向における音響レンズの厚さの分に相当す
る超音波ビームの広がりを補うため、同時駆動する圧電
素子群のアレイ方向の長さを音響レンズの口径より大き
くすることにより、アレイ方向での超音波ビーム焦点サ
イズを小さくすることができる。
【0043】そして、より好ましくはこのアレイ方向で
の超音波ビームの焦点サイズをこれと直交する方向での
焦点サイズと等しくすることにより、極めて効率良くイ
ンク滴を飛翔させることができる。また、こうすると飛
翔したインク滴がほぼ球形になるので、鮮明な記録が可
能になるという副次的な効果も得られる。
【0044】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。 (実施例1)図1は、第1の発明の一実施例に係るイン
クジェット記録装置のインクジェットヘッド部の構成を
示す斜視図である。図1において、圧電素子アレイ10
は、長尺の一様な厚さからなる板状の圧電体層11と、
その両面にそれぞれ形成された共通電極12および個別
電極13により構成される。すなわち、圧電体層11と
共通電極12および個別電極13により、一次元に配列
された複数の圧電素子が構成されている。
【0045】共通電極12の圧電体層11と反対側の面
上に、音響レンズ14が形成されている。音響レンズ1
4は例えばガラス板により形成されたもので、圧電素子
アレイ10と反対側の面が凹面となっており、音響的な
凹レンズとして機能する。音響レンズ14の上には、イ
ンク容器15が配置されている。インク容器15は、音
響レンズ14の凹面上に圧電素子アレイ10からの超音
波ビームの通路を包み込むように徐々に狭まった形状の
インク室を形成し、このインク室には液体インク16が
満たされている。
【0046】音響レンズ14の構成部材であるガラス板
の下面には、IC化された駆動回路(以下、駆動ICと
いう)17が実装されており、この駆動IC17はガラ
ス板上の配線パターン(図示せず)を介して共通電極1
2と個別電極13に接続されている。
【0047】駆動IC17は、後の詳細に説明するよう
に記録すべき画像データに応じて圧電素子アレイ10を
そのアレイ方向(圧電素子の配列方向=主走査方向)に
隣接する複数の圧電素子からなる圧電素子群を1ブロッ
クとしてブロック単位で順次駆動することにより、リニ
ア電子スキャンを行う。具体的には、選択した圧電素子
群に対して所定の遅延時間差(位相差)を持たせた高周
波の駆動信号を供給し、それらの圧電素子を同時に駆動
することによって、圧電素子アレイ10から放射される
超音波ビームをアレイ方向つまり主走査方向に集束す
る。そして、同時に駆動する圧電素子群の位置を1素子
分ずつずらせて繰り返し行うことにより、集束される超
音波ビームの放射方向を主走査方向にリニアに移動させ
る。
【0048】こうして圧電素子アレイ10から放射され
る主走査方向に集束された超音波ビームは、さらに音響
レンズ14により主走査方向と直交する方向(副走査方
向)にも集束され、最終的にインク16の液面に点状に
集束する。こうしてインク液面に集束された超音波ビー
ムにより発生した圧力(放射圧)によって、インク液面
に円錐状のインクメニスカスが成長し、やがてインクメ
ニスカスの先端からインク滴が吐出する。吐出したイン
ク滴は、図示しない被記録体上に飛翔して付着し、乾燥
して定着されることにより、画像記録が行われる。
【0049】次に、本実施例における圧電素子アレイ1
0の駆動方法を図2を用いて説明する。なお、図2では
説明を分かり易くするため、音響レンズ14は省略して
示している。また、駆動信号源18および遅延回路19
は駆動回路17の構成要素であり、駆動信号源18は高
周波の駆動信号を発生し、遅延回路19は図示しない制
御回路により設定された遅延時間で駆動信号を遅延して
圧電素子アレイ10の各圧電素子に供給する。
【0050】まず、圧電素子アレイ10のうちの隣接す
るn個の圧電素子の組を第1の圧電素子群とする。ここ
で、1〜n番目の圧電素子からなる第1の圧電素子群の
各圧電素子T(1)〜T(n) から放射される超音波の位相
が、インク16の圧電素子群の中心軸上の液面点(A
点)で一致するように遅延回路19において遅延時間を
設定して駆動すれば、A点よりインク滴が飛翔する。ま
た、圧電素子T(1) 〜T(n) から1素子分位置をずらせ
たn個からなる第1の圧電素子群の各圧電素子T(2) 〜
T(n+1) に対して同様に遅延時間を設定して駆動すれ
ば、A点から圧電素子の配列ピッチ(d)分だけずれた
C点よりインク滴が飛翔する。
【0051】一方、圧電素子アレイ10のうちの隣接す
る(n+1)個の圧電素子、例えばT(1) 〜T(n+1) を
第2の圧電素子群とする。第2の圧電素子群の各圧電素
子を駆動する際の遅延時間は、仮にnを偶数とした場
合、圧電素子T(1) 〜T(n/2)ではA点からインク滴を
飛翔させる場合と同様に、圧電素子T(n/2+1) に与える
遅延時間は圧電素子T(n/2) と同じに設定する。また、
圧電素子T(n/2+2) 〜T(n+1) に与える遅延時間は、A
点からインク滴を飛翔させる場合の圧電素子T(n/2+1)
〜T(n) の遅延時間をそれぞれ圧電素子1個分ずらすよ
う対応させて設定する。
【0052】言い換えれば、第2の圧電素子群に対して
与える遅延時間の設定は、第1の圧電素子群に対して設
定した遅延時間の配列を2等分し、中間にその前後と同
じ遅延時間を圧電素子1個分だけ挿入して、全体として
n+1個分にする。
【0053】また、nを奇数とした場合には、A点から
インク滴を飛翔させる時の遅延時間配列を圧電素子T
(1) 〜T(n/2+0.5) に対するものと、圧電素子T(n/2+
1.5) 〜T(n) に対するものに2分割し、中間に圧電素
子T(n/2+0.5) に対するものと同じ遅延時間を圧電素子
1個分だけ挿入して、圧電素子T(1) 〜T(n+1) に対し
て与える遅延時間とする。
【0054】このような遅延時間の設定で第2の圧電素
子群を同時に駆動すれば、インク滴はA点に対して圧電
素子の配列ピッチの半分(d/2)だけずれたB点より
飛翔する。
【0055】このようにして圧電素子アレイ10を偶数
個からなる圧電素子群を該圧電素子群から放射される超
音波ビームの中心位置が該圧電素子群の中心位置となる
ように同時に駆動する第1の駆動モードと、奇数個から
なる圧電素子群を該圧電素子群から放射される超音波ビ
ームの中心位置が該圧電素子群の中心位置となるように
同時に駆動する第2の駆動モードによって駆動すれば、
インク滴を圧電素子の配列ピッチの半分のピッチで飛翔
させることが可能である。また、インク液面16a上の
各点(A,B,C)からインク滴を飛翔させる時の各圧
電素子に対して与える遅延時間の設定パターン(位相設
定パターン)が左右対称であるため、インク滴は常にイ
ンク液面16aに対して垂直な方向にまっすぐ飛翔す
る。さらに第1の圧電素子群と第2の圧電素子群とで
は、遅延時間設定パターンが圧電素子1個分異なるのみ
であり、遅延時間の制御が簡単である。
【0056】次に、より具体的な一例を示して詳しく説
明する。圧電素子アレイ10に関する仕様としては、駆
動周波数が100MHz、焦点距離(インクの深さ)を
3mm、圧電素子のピッチを50μm、同時に駆動する
第1または第2の圧電素子群の素子数を36個とした。
この場合、インク中での音速は水の場合とほぼ同じく
1.5km/secであるから、インク中での超音波の
波長は15μmとなる。
【0057】第1の圧電素子群において、各圧電素子か
ら放射される超音波の位相(遅延時間)を設定する方法
には、フレネル回折理論に基づいて2種類に分ける方法
を用いた。具体的には、式(1)あるいは式(2)を用
いてフレネルゾーンリングの半径を求める。
【0058】
【数1】
【0059】
【数2】
【0060】ここで、λiはインク中での超音波波長、
Fは焦点距離(インク液の深さ)、nは0以上の整数で
ある。表1に、式(1)より求めた各フレネルゾーンリ
ングの半径r(n) (n=0〜19)を示す。
【0061】
【表1】
【0062】次に、圧電素子群の中心位置に対する各圧
電素子の中心点の距離をDとした時に、r(2n)<D<r
(2n+1)の範囲に存在する圧電素子が、r(2n+1)<D<r
(2n+3)の範囲に存在する圧電素子に対して位相が半波長
ずれるように、遅延時間をそれぞれ設定する。このよう
にフレネル回折理論に基づいて決定した第1の圧電素子
群の遅延時間τ(n) (n=1〜36)を表2の第1列目に示
す。この36素子からなる第1の圧電素子群を同時に駆
動すれば、18番目の圧電素子と19番目の圧電素子の
中間点上のインク液面16aからインク滴が飛翔する。
この飛翔位置は、図2のA点にあたる。
【0063】
【表2】
【0064】次に、図2のB点にあたる位置、つまりA
点より圧電素子の配列ピッチの半分の距離だけ離れた位
置からインク滴を飛翔させる第2の圧電素子群(37素
子)に対して与える遅延時間の設定は、表2の第2列目
に示した通りである。第2の圧電素子群では、1番目か
ら18番目までの圧電素子に対して与える遅延時間は、
第1列目に示した第1の圧電素子群の1番目から18番
目の圧電素子に対して与える遅延時間と同じで、19番
目の圧電素子には18番目と同じ遅延時間を設定する。
そして、20番目から37番目の圧電素子に対して与え
る遅延時間には、第1の圧電素子群の19番目から36
番目の圧電素子に対して与える遅延時間と同じに設定す
る。このように駆動信号の遅延時間を設定した第2の圧
電素子群を同時に駆動すれば、圧電素子群全体の中心点
である19番目の圧電素子上の液面16a(B点)から
インク液が飛翔する。
【0065】図3に、以上のように遅延時間を設定した
第1の圧電素子群(36素子)、および第2の圧電素子
群(37素子)を駆動した時の、焦点距離におけるアレ
イ方向の音場を示す。横軸は第1の圧電素子群の中心点
を0とした時の距離、縦軸はメインビームに対する相対
ビーム強度を示す。この図からも明らかなように、それ
ぞれのメインビームは圧電素子の配列ピッチの半分であ
る25μmだけ離れた位置に発生した。また、周辺のサ
イドローブは発生位置などに若干の変化は見られるもの
の、その強度に大きな差は見られなかった。メインビー
ム強度の絶対値では、37素子の第2の圧電素子群を駆
動した時の方が36素子の第1の圧電素子群を駆動した
時に比べ3%ほど高い値であったが、実際に飛翔したイ
ンク滴のサイズにはほとんど差がないことを確認した。
但し、このメインビーム強度の差は、同時に駆動する群
の圧電素子数が少ない場合により顕著となり、インク滴
のサイズ変化を引き起こす。このような場合は、第2の
圧電素子群の両端から同数ずつ圧電素子を減らす操作を
行ってメインビームの強度を調節する方法、あるいは圧
電素子の駆動電圧やバースト数を変化させてメインビー
ムの強度を調節する方法で対処することが望ましい。
【0066】表2に示した遅延時間の設定方法では、超
音波の位相を180°ずらせるための遅延時間を周期の
半分である5nsecとしたが、その奇数倍の遅延時間
であれば同様の結果が得られる。また、超音波の位相を
180°ずらせる方法には、図2に示したような遅延回
路19を用いる方法の他に、位相が反転した波形の駆動
信号電圧によって圧電素子を駆動する方法を用いてもよ
い。この場合、遅延回路の代わりに単純な切り替えスイ
ッチを設ければよいため、駆動回路の構成がより簡単
で、安価なものとなる。
【0067】さらに、表2に示した遅延時間の設定例で
は、第2の圧電素子群の中心に位置する圧電素子(19
番目)から放射される超音波の位相がその左右の圧電素
子と同じとなるように遅延時間を設定して駆動したが、
この圧電素子は必ずしも駆動する必要はない。つまり、
36素子の圧電素子に対して与える遅延時間設定パター
ンを2等分し、片側だけを圧電素子1個分ずらして駆動
しても同様な液滴の飛翔結果が得られる。
【0068】また、先の実施例では第1の圧電素子群に
1素子を加えて第2の圧電素子群としたが、1素子に限
定されるものではなく奇数個であればよく、また第1の
圧電素子群の中心位置から奇数個の圧電素子分を均等に
減らしたものを第2の圧電素子群としてもよい。但し、
第1の圧電素子群と第2の圧電素子群とで、インク液面
の飛翔位置での超音波ビーム強度やその周辺のサイドロ
ーブの強度をほぼ同じにするためには、第1の圧電素子
群に対して与える遅延時間設定パターンの中心位置に1
素子分を挿入したパターンにすることが望ましい。
【0069】次に、電子フォーカス法を用いた別の実施
例を示す。ここで言う電子フォーカス法とは、複数の圧
電素子から放射された超音波の位相が目的とする液面上
の焦点(飛翔位置)で一致するように、各圧電素子から
の距離をもとに計算した二次関数的な遅延時間をもって
圧電素子群を駆動する方法を指す。m個からなる同時駆
動群の中のn番目の圧電素子には、式(3)で与えられ
る遅延時間τ(n) を設定する。
【0070】
【数3】 ここで、dは圧電素子のピッチ、Fは焦点距離(インク
液の深さ)、vはインク中での音速である。
【0071】
【表3】
【0072】駆動周波数が100MHz、焦点距離(イ
ンクの深さ)が3mm、圧電素子の配列ピッチが50μ
m、同時駆動する圧電素子群の圧電素子数が36個の条
件における各圧電素子に対して与える遅延時間τ(n) を
表3の第1列目に示す。この時、遅延時間の最小単位で
ある量子化遅延時間は1nsecである。この36素子
を第1の圧電素子群とする。電子フォーカス法の場合、
超音波の集束点を変化させることは比較的容易であり、
この36素子を駆動したときのインク滴の飛翔位置(図
2のA点)に対して、圧電素子の配列ピッチの半分の距
離だけ離れた位置(B点)からインク滴を飛翔させるた
めには、表3の第2列目に示したような式(3)より計
算される遅延時間をもって37素子を駆動すればよい。
しかし、この方法では36素子の遅延時間パターンとは
まったく異なったパターンで新たに駆動することとなっ
てしまう。
【0073】これに対して、本実施例による圧電素子ア
レイ10の駆動法における第2の圧電素子群に対して与
える遅延時間パターンは、表3の第3列目に示した通り
である。すなわち、第2の圧電素子群では1番目から1
8番目までの圧電素子に対し与える遅延時間は第1列目
に示した第1の圧電素子群の1番目から18番目の圧電
素子に対して与える遅延時間と同じで、19番目の圧電
素子には18番目と同じ遅延時間を設定する。そして、
20番目から37番目の圧電素子に対して与える遅延時
間は、第1の圧電素子群の19番目から36番目の圧電
素子に対して与える遅延時間と同じに設定する。このよ
うに遅延時間を設定した第2の圧電素子群を同時に駆動
すれば、圧電素子群全体の中心点である19番目の圧電
素子上の液面(B点)でインク液が飛翔する。
【0074】このように、本実施例による圧電素子アレ
イ10の駆動法では、遅延時間の設定値の情報量がほぼ
半分で済むことになる。このような本実施例による圧電
素子アレイの駆動方法は、従来の電子フォーカス法によ
り遅延時間を設定する場合においても大きな効果を有す
る。
【0075】以上のように、第1の発明によれば圧電素
子の配列ピッチの半分のピッチでインク滴を液面から垂
直に飛翔させることができるので、従来のリニア電子ス
キャン法による記録装置に対して2倍の解像度の記録が
可能となり、また駆動回路の構成が簡単になるという効
果がある。
【0076】(実施例2)次に、第2の発明の一実施例
を説明する。本実施例におけるインクジェットヘッド部
の基本構成は図1と同様であり、駆動回路17による圧
電素子アレイ10の駆動方法が実施例1と異なる。以
下、本実施例における圧電素子アレイ10の駆動方法に
ついて説明する。
【0077】本実施例の駆動方法では、図4に示す第1
の駆動モードと図5に示す第2の駆動モードを有する。
図4に示した第1の駆動モードでは、n個の圧電素子T
(1)〜T(n) からなる圧電素子群の各圧電素子から放射
される各超音波の位相がインク16の液面と圧電素子群
の中心軸との交点P0において一致するように、各圧電
素子に対して与える遅延時間パターンを設定する。この
第1の駆動モードによるインク飛翔位置は、圧電素子群
の中心軸上の液面点P0と同じ位置となる。そして、n
個の圧電素子からなる圧電素子群の位置を1素子分ずつ
ずらせて同様の遅延時間パターンで駆動すれば、インク
滴を圧電素子の配列ピッチと同じ間隔でライン状に飛翔
させることができる。
【0078】一方、図5に示した第2の駆動モードで
は、n個の圧電素子からなる圧電素子群の左半分の圧電
素子T(1) 〜T(n/2) は、放射された各超音波の位相が
圧電素子群の中心軸上の液面とは異なる点P1で一致す
るように遅延時間パターンを設定して駆動し、また右半
分の圧電素子T(n/2+1) 〜T(n) は、放射された各超音
波の位相が圧電素子群の中心軸上の液面、あるいは点P
1と異なる点P2で一致するように遅延時間パターンを
設定して駆動する。このように圧電素子群の左右半分ず
つの圧電素子から放射される超音波の位相が別々の点で
一致するように遅延時間を設定して駆動した時のインク
飛翔位置は、圧電素子群の中心軸上の液面点P0とは異
なる位置となる。すなわち、図4に示した第1の駆動モ
ードによるインク滴飛翔位置とは異なった位置に、イン
ク滴を飛翔させることができる。また、点P0に対する
点P1あるいは点P2の距離を変化させて駆動すること
により、インク滴の飛翔位置を変化させることが可能で
ある。
【0079】次に、より具体的な一例を示して詳しく説
明する。圧電素子アレイ10に関する仕様としては、駆
動周波数を7.5MHz(インク中での超音波波長は
0.2mm)、インクの深さを10mm、圧電素子の配
列ピッチを190μm、圧電素子群の素子数を34素子
とした。
【0080】圧電素子アレイ10の各圧電素子から放射
する超音波の位相をある点で一致させるための遅延時間
の設定方法には、フレネル回折理論に基づいて遅延時間
を2種類に分ける方法を用いた。具体的には、第1の駆
動モードでは圧電素子群の全素子から放射される超音波
の位相が中心軸上のインク液面で一致するように焦点距
離を10mmに設定した。この焦点距離を基準焦点距離
とすると、第2の駆動モードでは左半分の1〜17番目
の圧電素子に対しては基準焦点距離よりも1mm短い9
mmを焦点距離とし、右半分の18〜34番目の圧電素
子に対しては逆に基準焦点距離より1mm短い11mm
を焦点距離として設定した。各圧電素子の位相を制御す
るために与える遅延時間の設定には、まず式(4)ある
いは式(5)を用いてフレネルゾーンリングの半径を求
める。
【0081】
【数4】
【0082】
【数5】
【0083】ここで、λiはインク中での超音波波長、
Fは焦点距離、nは0以上の整数である。表4に、焦点
距離が9mm,10mm,11mmの時の各フレネルゾ
ーンリングの半径r(n) (n=0〜7)を式1により計算
した結果を示す。
【0084】
【表4】
【0085】次に、圧電素子群の中心位置に対する各圧
電素子の中心点の距離をDとした時に、r(2n)<D<r
(2n+1)の範囲に存在する圧電素子が、r(2n+1)<D<r
(2n+3)の範囲に存在する圧電素子に対して位相が180
°ずれるように遅延時間をそれぞれ設定する。すなわ
ち、r(2n)<D<r(2n+1)の範囲に存在する圧電素子に
は周期の半分である67nsecの遅延時間を与え、r
(2n+1)<D<r(2n+3)の範囲に存在する圧電素子に対し
ては遅延時間を0secとする。遅延時間の与え方は、
これとは全く逆でもかまわなく、また遅延時間も周期の
半分の奇数倍であればそれぞれ180°位相のずれた超
音波を放射できる。さらに、このフレネル回折に基づい
た位相設定法では2種類の位相しか必要としないため、
遅延回路を用いた制御法の他に、位相が反転した波形の
駆動信号電圧によって圧電素子を駆動する方法を用いて
もよい。この場合、遅延回路の代わりに単純な切り替え
スイッチを設ければよいため、駆動回路の構成がより簡
単で、安価なものとなる。
【0086】このように、フレネル回折理論に基づいて
決定した第1の駆動モードと第2の駆動モードの遅延時
間τ(n) (n=1〜34) を表5に示す。第2の駆動モードで
は、遅延時間τ(1) 〜τ(17)とτ(18)〜τ(34)が微妙に
左右対象とはならない。
【0087】
【表5】
【0088】図6は、第1と第2のパターンでそれぞれ
駆動した時の基準焦点距離10mmにおける圧電素子ア
レイ方向の音場を示したものである。横軸は圧電素子群
の中心軸からの距離、縦軸はメインビームに対する相対
ビーム強度を示す。第1の駆動モードでは、中心軸上の
位置で超音波が集束した。一方、第2の駆動モードで
は、中心軸上に対して焦点距離を長くした圧電素子群の
サイドに約110μmずれた位置で超音波が集束した。
また、これら2つの音場では周辺のサイドローブの発生
位置や強度に大きな差は見られず、メインビーム強度の
絶対値もほぼ同じとなった。実際にインク液面に対して
超音波ビームを照射した時のインク滴の飛翔位置は、音
場のメインビームと同じく、第1の駆動モードでは圧電
素子群の中心軸上の液面であり、第2の駆動モードでは
中心軸に対して焦点距離を長くした圧電素子群のサイド
に約110μmずれた位置であった。この第2の駆動モ
ードにおけるインク滴の飛翔位置は、圧電素子群の左右
半分の圧電素子がそれぞれ持つ焦点距離の差とインク液
の深さの比に依存して変化させることができる。
【0089】図7は、駆動周波数が7.5MHz(波長
0.2mm)、インクの深さが10mm、圧電素子の配
列ピッチ190μm、同時に駆動する圧電素子群の素子
数が34という条件において、第2の駆動モードでの2
つの焦点距離の差とインクの深さの比を変化させた時の
インク滴の飛翔位置の変化を示したものである。この時
の駆動モードにおける2つの焦点は、インク液面に対し
て常に等距離となるように設定した。
【0090】第2の駆動モードにおける2つの焦点距離
の差とインクの深さの比は、0.4以下であることが望
ましい。この比が大きくなると、インク滴が斜めに飛翔
してしまい、記録位置の制御が難しくなるという問題
や、超音波の集束度合いが弱くなって同じ駆動電圧やバ
ースト数で駆動しても、インク滴が飛翔しなくなるとい
う問題が発生する。同様に、超音波の集束度合いを高め
るためには、2つの焦点距離の差はインク液中での超音
波の波長の偶数倍であることが望ましい。この実施例で
は、第2の駆動モードにおける2つの焦点はインク液面
に対して等距離だけずれた点に設定しているが、必ずし
も等距離である必要はない。また、2つの焦点の中の1
つがインク液面と一致しても、同様に圧電素子群の中心
軸上からずれた位置でインク滴を飛翔させることができ
る。
【0091】このように、圧電素子群の左右半分がそれ
ぞれ持つ焦点距離の差を変化させることにより、圧電素
子の配列ピッチに依存せずにインク滴の飛翔位置を制御
することが可能であり、第1の駆動モードと合わせて駆
動すれば、より高解像度な画像を記録することができ
る。さらに、第1の駆動モードによる記録ドットに対し
て、第2の駆動モードを用いてその僅かにずれた周辺位
置に記録ドットを形成することにより、擬似的に記録ド
ットのサイズを変化させて記録画像の階調制御を図るこ
とが可能である。
【0092】なお、この実施例のように圧電素子群の左
右半分ずつについてそれぞれが持つ焦点距離をずらせる
ことが最も好ましいが、圧電素子群の素子数は作用の領
域で多少差異があっても構わない。
【0093】以上のように、第2の発明によれば圧電素
子の配列ピッチ以下の高解像度で記録することが可能
で、また記録画像の階調制御を行うことも可能である。
さらに、フレネル回折理論に基づいた超音波の位相制御
を行うことにより、駆動回路の構成が簡単になるという
効果がある。
【0094】(実施例3)次に、第3の発明の一実施例
を説明する。本実施例におけるインクジェットヘッド部
の基本構成は図1と同様であり、圧電素子アレイ10の
構成および圧電素子アレイ19と駆動回路17との接続
状態が異なる。
【0095】図8は、本実施例における圧電素子アレイ
10を個別電極13側から見た図である。同図に示すよ
うに、個別電極13のうち圧電素子アレイ10のアレイ
方向両端の1個または複数の個別電極13a,13bに
は駆動信号源が接続されておらず、これらを除く個別電
極のみに駆動回路17内の駆動信号源S1〜Siが接続
されている。但し、図8では駆動回路17内の遅延回路
は省略している。すなわち、個別電極13a,13bに
対応する圧電素子は駆動回路17に対して非駆動状態に
保持されている。この場合、好ましくは個別電極13
a,13bは図8では示していない共通電極12と同電
位、例えば接地電位に設定されている。
【0096】このように本実施例では、超音波ビームを
放射せずインク滴の飛翔に用いない圧電素子を圧電素子
アレイ10のアレイ方向両端から数えて少なくとも1個
以上設けるものである。このように非駆動状態の圧電素
子をアレイ方向の両側に設けることによって、駆動回路
17によって駆動され、インク滴の飛翔に使用される圧
電素子の容量負荷が平均化され、また駆動される圧電素
子の個別電極の各々の幅方向両隣が均等であるために、
音響的結合も平均化される。この結果、従来問題となっ
ていたクロストークノイズが減少するという利点があ
る。
【0097】この効果を図9を用いてさらに詳細に説明
する。図9(a)に示すように、圧電素子アレイ10に
おいては個別電極13と共通電極12の間の容量負荷C
1以外に、隣接する個別電極13間の容量負荷C2によ
るカップリングが存在する。ここで、アレイ方向端部に
位置する圧電素子Taと、端部でない場所に位置する圧
電素子Tbの容量負荷を調べたところ、Taの容量負荷
はTbのそれに比べ約13%小さい値であった。この測
定から逆算すると、隣接する個別電極13間の容量負荷
C2は、個別電極13と共通電極12との間の容量負荷
C1の約1/5である。個別電極13のピッチつまり圧
電素子の配列ピッチが小さくなるほど、C1に対するC
2の差は大きくなり、アレイ方向端部に位置する圧電素
子Taと端部ではない場所に位置する圧電素子Tbにお
ける容量負荷の差も大きくなるため、同じ駆動信号で駆
動してもそのクロストークノイズが異なり、発生する超
音波に影響が現れる。
【0098】また、各圧電素子部分の圧電体の変形は印
加される駆動電圧と隣接する圧電素子部分の圧電体の歪
で決まるが、アレイ方向端部に位置する圧電素子Taの
変形は、図9(b)に示すように片側に片寄っており、
アレイ方向端部ではない圧電素子Tbの変形とは異なっ
てしまうことから、音響的結合の面からも発生する超音
波に影響が現れる。
【0099】さらに、アレイ方向端部の圧電素子Taお
よびその付近の圧電素子は、インク容器の壁面に近接し
た位置にある。各々の圧電素子から励起された超音波
は、インク中を圧電素子を中心とする円弧状に伝播する
が、圧電素子がインク容器壁面に近接していると、壁面
により反射が生じるため、超音波の集束が阻害されてし
まう。
【0100】図1に示したような基本構成で、図8に示
すようにアレイ方向端部の圧電素子を非駆動状態とした
インクジェットヘッドを用い、先の実施例と同様に圧電
素子アレイ10を隣接する複数個からなる圧電素子群を
基本単位として同時駆動し、その駆動する圧電素子群の
位置をアレイ方向に1素子分ずつずらせて駆動すること
により、ライン状の飛翔痕としてインク滴を飛翔させる
実験を行った。
【0101】一方、図10は比較例として実験を行った
インクジェットヘッドの概略を示したもので、アレイ方
向端部の圧電素子もインクを飛翔させるために駆動する
というものである。このようなインクジェットヘッドを
用いてライン状の記録を行ったところ、特にラインの端
付近においてインク滴の飛翔位置やインク滴の濃淡にば
らつきが目立った。これは図9で説明したようなクロス
トークノイズによる影響と、インク容器15の壁面15
a,15bによる超音波の反射により超音波ビームの集
束が阻害されることに起因している。
【0102】これに対し、上述した本実施例に基づくイ
ンク滴の飛翔実験の結果によれば、ラインの端において
もばらつきのないきれいな、インク滴の飛翔痕を得るこ
とができた。
【0103】尚、本実施例においては非駆動状態に保持
するアレイ方向両端に存在する圧電素子の数は任意であ
り、また両端で異なっていてもよい。また、その非駆動
状態の圧電素子の個別電極には配線を形成しなくともよ
いし、あるいは他の用途などのために配線を形成しても
よい。
【0104】さらに、他の実施例として音響的結合の影
響を低減させる等の理由により、図11に示すように圧
電素子アレイ10の圧電体層11部分に切れ込み20を
入れてもよい。また、インク滴を飛翔させるための駆動
信号S1〜Siは、圧電素子群を基本単位として超音波
を集束させることの可能な信号であればどのようなもの
でもよい。
【0105】以上のように、第3の発明によれば圧電素
子アレイの同時駆動する圧電素子群におけるクロストー
クノイズと音響的結合がアレイ方向のどの位置において
も平均化され、その低減方法を一律に定義できるため、
駆動回路の複雑化を抑えることが可能となり、またイン
ク容器壁面からの超音波の反射による影響を減少させる
ことができるという利点がある。
【0106】(実施例4)次に、第4の発明に係る一実
施例を説明する。本実施例におけるインクジェットヘッ
ド部の基本構成は図1と同様であるが、本実施例は音響
レンズ14の口径を圧電素子アレイ10の同時に駆動す
る圧電素子群のアレイ方向の長さよりも短くしたことを
特徴とする。
【0107】飛翔するインク滴の大きさを決定するパラ
メータの一つとして超音波周波数がある。圧電素子アレ
イ10は圧電体層11の厚さ方向の共振を利用して超音
波を放射するため、圧電体層11の厚さで周波数が決ま
る。厚さは周波数に反比例するので、高周波ほど薄くな
る。従って、解像度の高いプリンタほど超音波を高周波
にする必要があるが、圧電体層11の種類と形成法もそ
れに応じて選択することになる。
【0108】選択する圧電体の種類は、この解像度で決
まる厚さの他に、電気入力と超音波出力との変換効率を
表わす電気機械結合係数と、駆動ICとの電気的整合に
影響する誘電率が主に選択時の条件になり、ジルコン・
チタン酸鉛(PZT)などのセラミックや、フッ化ビニ
リデンと三フッ化エチレンとの共重合体などの高分子材
料、ニオブ酸リチウムなどの単結晶、酸化亜鉛などの圧
電性半導体などが用いられる。具体的には、解像度が6
00dpi(dots per inch)以下のプリンタにはPZ
T、それ以上の解像度(周波数)のものにはZnOが圧
電体層11の形成と性能面から優れているといえる。P
ZTなどバルク状のものを研磨などして圧電体層に用い
るときは、共通電極12と音響レンズ14の間に接着層
が介在するが、図1では省略している。また、電極1
2,13はTi、Ni、Al、Cu、Auなどの蒸着や
スパッタによる薄膜法、ガラスフリットを銀ペーストに
混合したスクリーン印刷による焼き付け法などが用いら
れる。また、音響レンズ14にはガラスや樹脂などが用
いられる。PZTなどを接着により音響レンズ14に接
合する場合には、レンズ材の加工性と圧電体層11のイ
ンク16との音響的マッチングを考慮すればよいが、Z
nOなどをスパッタなどで堆積する場合には、それに加
えてスパッタ時の温度や圧電体層の配向のし易さなどを
考慮して選択することになる。
【0109】本実施例では、図1の駆動IC17は記録
すべき画像データに応じて圧電素子アレイ10をそのア
レイ方向(圧電素子の配列方向、主走査方向)に隣接す
るn個の圧電素子からなる圧電素子群を1ブロックとし
てブロック単位で順次駆動することにより、リニア電子
スキャンを行う。具体的には、選択したブロックの圧電
素子群のn個の圧電素子に対して所定の位相差を持たせ
た高周波の駆動信号を供給し、それらの圧電素子を同時
に駆動することによって、圧電素子アレイ10から放射
される超音波ビームを主走査方向に集束する。すなわ
ち、図12に示したように圧電素子アレイ10の全素子
数をN、同時駆動圧電素子数をnとしたとき、まず1番
目からn番目までの圧電素子を所定の位相差で同時駆動
する。そして、次に2番目〜n+1番目の圧電素子を同
様に所定の位相差で同時駆動し、以下同様に同時駆動す
る圧電素子の位置を1素子分ずつずらせて繰り返し行う
ことにより、集束される超音波ビームの放射方向を主走
査方向にリニアに移動させる。駆動信号の波形は、例え
ば図13に示したような矩形波のバーストや、正弦波の
バーストなどが用いられる。ここでn個の圧電素子に対
する駆動の位相差を変えるということは、図13におけ
る駆動信号の印加開始タイミングを変えるということで
ある。
【0110】以下に、より具体的な実施例について述べ
る。圧電体層11として比誘電率2000のPZT系圧
電セラミック板を用い、その共振周波数は20MHz
(厚さ100μm)とした。実装時は、これらの5枚の
セラミック板を音響レンズの上に並べ、その両面にTi
/Ni/Au電極をスパッタによりそれぞれの厚さが
0.05μm、0.05μm、0.2μmとなるように
形成し、2kV/mmの電界を印加して分極処理を行っ
た。その後、圧電体層11の一方の面上の電極をエッチ
ングすることにより、個別電極13を幅120μm、電
極間隔30μm(圧電素子の配列ピッチ150μm)で
形成し、圧電体層10と他方の面上の共通電極12およ
び個別電極13からなる圧電素子アレイ10を作成し
た。
【0111】音響レンズ14としては厚さ2mmのパイ
レックスガラスを用い、レンズ曲率2.3mm、口径
1.5mmとなるように凹面加工した。この音響レンズ
14と圧電素子アレイ10をエポキシ樹脂系接着剤を用
いて、音響レンズ14の開口部(凹面)と圧電素子アレ
イ10の電極の位置が一致するように接着した。次に、
図1に示したようにインク容器15を配置し、さらに駆
動IC17を接続してインクジェットヘッドを構成し
た。なお、インク16の深さは3mmとし、共通電極1
2からインク液面までの距離は5mmに設定されてお
り、音響レンズ14の口径D(1.5mm)、レンズ内
での超音波波長λおよびレンズの最も厚い部分の厚さt
(2mm)は、t<D2 /λの関係を満足している。
【0112】このインクジェットヘッドを用いて同時駆
動する圧電素子群の素子数nを変えることにより、記録
画点の評価を行った。同時駆動素子数nは、n=10
(アレイ方向口径1.5mm)とn=24(同3.6m
m)で、インク液面と同じ距離の超音波ビームパターン
を測定した。アレイ方向と直交する方向における中心軸
音場の−10dBビーム幅は、0.33mmとなった。
同時駆動素子数n=24のときは、0.34mmでほぼ
アレイ方向と直交する方向のビーム幅と等しくなったの
に対し、同時駆動素子数n=10の場合は、0.76m
mでアレイ方向と直交する方向よりも広くなった。次
に、インク滴の飛翔実験を行った。同時駆動素子数n=
16の場合は、直径約80μmの球が飛翔するのが確認
され、記録された画点は約200dpiの円であった。
これに対して、同時駆動素子数n=10の場合は、駆動
電圧として約1.3倍の値を必要とし、インクより飛翔
した直後はラグビーボールのような非球であった。ま
た、記録された画点も楕円に近く、長径の解像度は約1
30dpiであった。
【0113】音響レンズ14としては図1に示したよう
な凹面レンズに代えて、図14に示したように所定の位
置に直線状の切り込みを入れたフレネルレンズを用いて
もよい。なお、切り込みの間隔r(n) と深さdは次式で
与えられる。
【0114】
【数6】
【0115】ここで、r(n) はフレネルレンズの開口中
心からの距離、λwはインク中の超音波波長、Fの焦点
距離、λ1はレンズ中での超音波波長である。また、図
1および図14の例では、音響レンズ14が圧電体層1
1の支持部を兼ねているが、図15に示すように圧電体
支持部を兼ねる音響レンズ22と音響マッチング層23
を分けて構成してもよいし、図16に示すように圧電体
支持部21と音響マッチング層を兼ねる音響レンズ22
を分けて構成してもよい。
【0116】このように第4の発明によれば、圧電素子
アレイと音響レンズを有する特にライン走査型に有効な
インクジェットヘッドにおいて、圧電素子アレイの駆動
方法としてアレイ方向と直交する方向における音響レン
ズの口径を、圧電素子アレイのアレイ方向の同時駆動す
る圧電素子群の長さよりも短くすることにより、効率良
くインクを飛翔させることができ、かつ高解像度の記録
画点を形成できるという利点がある。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
の効果が得られる。第1の発明によれば、圧電素子アレ
イのうちの偶数個からなる圧電素子群を同時に駆動する
第1の駆動モードと、奇数個からなる圧電素子群を同時
に駆動する第2の駆動モードを有し、かつこれら両モー
ド共に、駆動する圧電素子群から放射される超音波ビー
ムの中心位置を該圧電素子群の中心位置となるように設
定することにより、これら第1の駆動モードと第2の駆
動モードで交互に圧電素子群を駆動すれば、インク滴を
圧電素子の配列ピッチの半分のピッチの位置でインクの
液面から飛翔させることができ、常に一定個数からなる
圧電素子群を駆動する従来のリニア電子スキャンに比較
して、2倍の解像度の記録が可能となるという効果が得
られる。
【0118】第2の発明によれば、圧電素子群を超音波
ビームが該圧電素子群の中心軸上のインク液面に集束す
るように同時に駆動する第1の駆動モードと、この圧電
素子群を該圧電素子群の中心軸に対して左右半分の圧電
素子群から放射される超音波ビームが該圧電素子群の中
心軸上の異なる点に集束するように同時に駆動する第2
の駆動モードを有し、第1の駆動モードでは圧電素子ア
レイの配列ピッチと同じピッチでインク滴を飛翔させ、
第2の駆動モードでは圧電素子群の中心軸上とは異なる
位置でインク液面からインク滴を飛翔させ、左右半分の
圧電素子からの超音波の位相一致点を変えて駆動するこ
とにより、圧電素子の配列ピッチに依存せずに飛翔位置
を様々に変化させることが可能となるため、非常に高解
像度の記録が可能となるという効果が得られる。
【0119】第3の発明によれば、矩形板状の圧電体層
と、その両主面上にそれぞれ形成された共通電極および
複数の個別電極とからなる圧電素子アレイのうち、アレ
イ方向両端部の圧電素子またはアレイ方向両端部とその
近傍の圧電素子を圧電素子アレイの駆動手段に対して非
駆動状態に保持することにより、インクの飛翔に使用さ
れるそれ以外の圧電素子の容量負荷が平均化されるとと
もに、駆動される圧電素子の各個別電極の幅方向両隣の
条件が均等となるために、音響的結合も平均化され、圧
電素子アレイを構成する圧電素子の個別電極間に生じる
カップリングと音響的結合の影響が均等となってクロス
トークノイズが低減され、しかもその低減を一律に定義
できるため、駆動回路の複雑化が抑えられ、さらにイン
ク容器壁面からの超音波の反射による影響を減少できる
という効果が得られる。
【0120】第4の発明によれば、超音波ビームを圧電
素子アレイのアレイ方向については隣接する複数個から
なる圧電素子群を同時に駆動する際の遅延時間タイミン
グを制御することにより、またこれと直交する方向につ
いては音響レンズによりそれぞれインク液面に集束させ
てインク滴を飛翔させる際、音響レンズの口径を圧電素
子アレイの同時に駆動する圧電素子群のアレイ方向の長
さよりも短くすることにより、効率良くインクを飛翔さ
せることができ、かつ高解像度の記録画点を形成するこ
とが可能となると共に、飛翔したインク滴がほぼ球形に
なるので、鮮明な記録が可能になるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例に係るインクジェットヘ
ッド部の構成を示す斜視図
【図2】同実施例における圧電素子アレイの第1および
第2の駆動モードでの駆動方法を説明するための概略図
【図3】同実施例におけるインク液面上での超音波ビー
ムの音場分布を示す図
【図4】第2の発明の一実施例に係るインクジェットヘ
ッド部における圧電素子アレイの第1の駆動モードでの
駆動方法を説明するための概略図
【図5】同実施例に係るインクジェットヘッド部におけ
る圧電素子アレイの第2の駆動モードでの駆動方法を説
明するための概略図
【図6】同実施例におけるインク液面上での超音波ビー
ムの音場分布を示す図
【図7】同実施例における第2の駆動モードでのインク
飛翔位置の変化を示す図
【図8】第3の発明に係る一実施例におけるインクジェ
ットヘッド部の要部の概略構成を示す図
【図9】同実施例におけるインクジェットヘッド部の圧
電素子アレイに存在する容量負荷および音響的結合を説
明するための図
【図10】同実施例に対する比較例に係るインクジェッ
トヘッド部の要部の概略構成を示す図
【図11】第3の発明に係る他の実施例におけるインク
ジェットヘッド部の要部の概略構成を示す斜視図
【図12】第4の発明の一実施例に係るインクジェット
ヘッド部の要部の断面図
【図13】同実施例における駆動電圧波形を示す図
【図14】第4の発明の他の実施例に係るインクジェッ
トヘッド部の要部の構成を示す断面図
【図15】第4の発明の別の実施例に係るインクジェッ
トヘッド部の要部の構成を示す断面図
【図16】第4の発明のさらに別の実施例に係るインク
ジェットヘッド部の要部の構成を示す断面図
【符号の説明】
10…圧電素子アレイ 11…圧電体層 12…共通電極 13…個別電極 14…音響レンズ 15…インク容器 16…液体インク 17…駆動IC 18…駆動信号源 19…遅延回路 20…切れ込み 21…圧電素子支持部 22…音響レンズ 23…音響マッチング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−137250(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体インクを保持するインク保持手段
    と、複数の圧電素子を所定間隔で配列して構成され、
    定の位相に制御された駆動信号により前記液体インクの
    液面上に集束しかつ該液面に沿って移動する超音波ビー
    ムを放射する圧電素子アレイと、この圧電素子アレイの
    うちの隣接する複数個からなる圧電素子群を同時に駆動
    する動作を該圧電素子群の位置を順次ずらて行う駆動
    手段と、前記圧電素子アレイから放射される超音波ビー
    ムを前記アレイ方向と直交する方向において前記液体イ
    ンクの液面上に集束させる音響レンズとを備え、前記超
    音波ビームの圧力により前記液体インクの液面からイン
    ク滴を吐出させて被記録体上に飛翔させることにより画
    像を記録するインクジェット記録装置において、 前記駆動手段は、前記圧電素子アレイのうちの偶数個か
    らなる圧電素子群を該圧電素子群から放射される超音波
    ビームの中心位置が該圧電素子群の中心位置となるよう
    に同時に駆動する第1の駆動モードと、奇数個からなる
    圧電素子群を該圧電素子群から放射される超音波ビーム
    の中心位置が該圧電素子群の中心位置となるように同時
    に駆動する第2の駆動モードを有すると共に、前記圧電
    素子アレイのうちの同時に駆動する圧電素子群を2つの
    グループに分け、前記2つのグループに分けられた圧電
    素子群をそれぞれ互いに逆位相の2相駆動信号により駆
    動することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 液体インクを保持するインク保持手段
    と、複数の圧電素子を所定間隔で配列して構成され、
    定の位相に制御された駆動信号により前記液体インクの
    液面上に集束しかつ該液面に沿って移動する超音波ビー
    ムを放射する圧電素子アレイと、この圧電素子アレイの
    うちの隣接する複数個からなる圧電素子群を同時に駆動
    する動作を該圧電素子群の位置を順次ずらて行う駆動
    手段と、前記圧電素子アレイから放射される超音波ビー
    ムを前記アレイ方向と直交する方向において前記液体イ
    ンクの液面上に集束させる音響レンズとを備え、前記超
    音波ビームの圧力により前記液体インクの液面からイン
    ク滴を吐出させて被記録体上に飛翔させることにより画
    像を記録するインクジェット記録装置において、 前記駆動手段は、前記圧電素子群を該圧電素子群から放
    射される超音波ビームが該圧電素子群の中心軸上の前記
    液体インクの液面に集束するように同時に駆動する第1
    の駆動モードと、前記圧電素子群を該圧電素子群の少な
    くとも左右半分に二分された領域にある圧電素子からそ
    れぞれ放射される超音波ビームが該圧電素子群の中心軸
    上の異なる点に集束するように同時に駆動する第2の駆
    動モードとを有することを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段は、前記圧電素子アレイの
    うちの同時に駆動する圧電素子群を2つのグループに分
    け、前記2つのグループに分けられた前記圧電素子群を
    それぞれ互いに逆位相の2相駆動信号により駆動するこ
    とを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】 前記圧電素子アレイは、矩形板状の圧電
    体層と、この圧電体層の一方の主面上に一様に形成され
    た共通電極と、前記圧電体層の他方の主面上に前記複数
    の圧電素子にそれぞれ対応して形成された複数の個別電
    極とからなり、アレイ方向両端部の圧電素子またはアレ
    イ方向両端部とその近傍の圧電素子は、前記駆動手段に
    対して非駆動状態に保持されていることを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記音響レンズの口径が前記圧電素子ア
    レイのうちの同時に駆動する圧電素子群の前記アレイ方
    向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載のインクジェット記録装置。
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