JP3466829B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3466829B2
JP3466829B2 JP24379296A JP24379296A JP3466829B2 JP 3466829 B2 JP3466829 B2 JP 3466829B2 JP 24379296 A JP24379296 A JP 24379296A JP 24379296 A JP24379296 A JP 24379296A JP 3466829 B2 JP3466829 B2 JP 3466829B2
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功 雨宮
紀子 工藤
均 八木
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14008Structure of acoustic ink jet print heads

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液体インクを液
滴化して被記録体上に飛翔させることで画像を記録する
インクジェット記録装置に関し、特に、圧電素子により
放射される超音波ビームの圧力によりインク滴を吐出さ
せて被記録体上に飛翔させるインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】液体インクを液滴と呼ばれる小さな粒状
にして記録媒体上に飛翔させることにより画点を形成し
て画像を記録する装置は、インクジェットプリンタとし
て実用化されている。このインクジェットプリンタは、
他の記録方法と比べて騒音が少なく、現像や定着などの
処理が不要であるという利点を有し、普通紙記録技術と
して注目されている。
【0003】現在までに、数多くのインクジェットプリ
ンタの方式が考案されているが、特に発熱体の熱により
発生する蒸気の圧力でインク滴を飛翔させる方式(例え
ば特公昭56−9429や特公昭61−59911)、
圧電体の変位による圧力パルスによりインク滴を飛翔さ
せる方式(例えば特公昭53−12138など)が代表
的なものである。
【0004】これらのインクジェットプリンタはノズル
の先端からインクを飛翔させている。そのため、ノズル
式のインクジェットプリンタは、インク中の溶媒の蒸発
や揮発によって局部的なインクの濃縮が生じ、ノズルで
の目詰まりが発生するという問題がある。さらに従来の
インクジェットプリンタは、飛翔させるインク滴の粒径
を小さくすることが困難であり(直径20μm以下)、
解像度を上げることが困難である。
【0005】これらの欠点を克服するため、薄膜圧電体
層により構成された圧電素子によって発生する超音波ビ
ームの圧力を用いてインク液面からインクを飛翔させる
方式としてIBM TDB, Vol.16, No,4, pp.1168(1973-10),
USP-4308547(1981), 特開昭63−166548,特開
昭63−312157,特開平2−184443などが
提案されている。しかし、これらの現像方法は、画像記
録速度を向上することができないという不具合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、超音
波を用いたインクジェット記録装置は、ノズル詰まりが
なく、高画質を達成し得る記録装置であるものの、その
記録スピードを上げることが困難であるという不具合が
ある。
【0007】この発明は、圧電素子を駆動させてからイ
ンク滴が飛翔するまでの時間を短縮し、記録スピードの
高速化が可能なインクジェット記録装置を提供すること
を目的とする。
【0008】又、この発明は、インク滴1滴を飛翔させ
るために必要な圧電素子数を減少させることにより、高
速な記録が可能なインクジェット記録装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、イン
ク液が満たされるインク液室と、前記インク液の液面か
ら実質的な近距離音場領域内に配列される複数の圧電素
子から成る圧電素子アレイと、同時駆動圧電素子群を構
成する互いに隣接する所定数の圧電素子に同位相の駆動
信号を印加して前記圧電素子アレイから超音波をインク
液室内に発生させる駆動手段と、前記超音波をインク液
面近傍の所定位置に集束してインク滴を吐出させる集束
手段であって、この集束手段が前記インク液面からの距
離Lに配置され、また、開口部幅Dを有し、距離L及び
開口部幅DがL/D<2の関係を充足することを特徴と
するインクジェット記録装置が提供される。
【0010】
【0011】
【0012】前記第2のインクジェット記録装置におい
て、前記圧電素子アレイは、前記インク液面までの距離
がL、前記所定数の圧電素子の幅がD2の時、 D22 /6λ<L<D22 /3λ を満足するように設けるのが好ましい。
【0013】前記第2のインクジェット記録装置におい
て、前記圧電素子アレイは、複数の前記圧電素子群と、
前記信号が印加されない隣接した複数の圧電素子とが交
互に設けられている。
【0014】前記第2のインクジェット記録装置におい
て、前記信号が印加されない隣接した複数の圧電素子
は、グランドすることが望ましい。前記第2のインクジ
ェット記録装置は、更に、前記圧電素子群に含まれる圧
電素子の異常を検出する検出手段と、前記検出手段によ
り圧電素子の異常が検出された時、前記圧電素子群が隣
接する圧電素子を含むように前記圧電素子群を設定する
設定手段とを具備するように構成してもよい。
【0015】前記第2のインクジェット記録装置におい
て、前記集束手段には、フレネルレンズ、または凹面レ
ンズを適用することができる。これらの第1及び第2の
インクジェット記録装置によれば、1滴を飛翔させるた
めの圧電素子数を減らすことが可能となるために、限ら
れた数の圧電素子からなる圧電素子アレイから同時に飛
翔させるインク滴数を増やすことが可能となる。これに
より、記録スピードを上げることが可能となる。
【0016】さらに、主走査方向に超音波を集束させる
必要がなくなり、駆動回路や記録装置の構成を簡略化で
きる。加えて、主走査方向の超音波の集束を無くすこと
で、不良素子によるインク滴の飛翔ミスを補償し、信頼
性の高いインクジェット記録装置を提供することが可能
となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明に
係る第1〜第2実施形態を説明する。この発明の第1実
施形態に係わるインクジェット記録装置を図1に示す。
図2(a)は副走査方法の平面図、図2(b)は主走査
方向の平面図である。
【0018】図1には、圧電体1に形成した電極3をア
レイ状に配置して複数の超音波発生素子から構成された
インクジェット装置が示されている。この複数の超音波
発生素子のうちの一部の複数素子が用いられて1滴のイ
ンクが吐出される。このときの複数素子を同時駆動素子
群と称する。この同時駆動素子群は一箇所ではなく図2
(b)に示されるように複数箇所設けても良い。
【0019】圧電体1の両面には共通電極2と個別電極
3が形成され、これがバッキング材8の上に形成されて
いる。圧電体1は、スパッタ法やCVD法などの薄膜形
成法により直接バッキング材8に形成される場合もある
が、図3(a),(b)に示されるように、接着層9を
介してバルク材を形成することもできる。
【0020】共通電極2の圧電体1と反対側の面には音
響マッチング層4が形成されている。この音響マッチン
グ層4には、フレネル輪帯理論に基づく溝が主走査方向
に平行に形成され、これにより音響レンズを兼ねてい
る。音響マッチング層(音響レンズ)4は、図3(b)
に示されるように溝の底部が共通電極2が剥き出しの状
態でも良い。この場合、音響マッチング層兼音響レンズ
4が形成されている部分のみ音響マッチング層としての
効果がある。又、フレネル輪帯に基づく溝は、図4
(a),(b)に示されるものでもかまわない。
【0021】インク液室はこの音響マッチング層(音響
レンズ)4と側壁7で囲まれた部分で形成され、インク
5が満たされている。また駆動回路6は、バッキング材
8の上に形成され、配線パターン(図示せず)を介し
て、共通電極2と個別電極3に接続されている。
【0022】ここで、本発明者により、前述したインク
ジェット記録装置において、駆動回路から駆動信号を印
加している間にはインク滴が飛翔せずに、印加時間の1
0倍もしくはそれ以上の時間を経た後に飛翔することが
確認された。
【0023】このメカニズムについて、図面を用いて具
体的に説明する。インク飛翔メカニズムを説明するため
の図を図5(a)〜(c)に示す。図5(a)〜(c)
においては、インク5中に発生させる超音波の長さをイ
ンク液面10と音響レンズ4との間の2倍となるよう
に、t秒間駆動信号を印加した場合を想定し、超音波の
多重反射の様子を実線で示すと共に、振幅を破線で示
す。これらを用いて振幅の変化を説明する。
【0024】図5(a)は、駆動パルスを印加してから
t秒後の状態を示す。超音波の放射圧によってインク液
面10が押し上げられメニスカスが成長し、かつ超音波
はインク液面10で反射され音響レンズ4近傍まで進行
する。図5(b)は、駆動パルスを印加してからx×t
秒後(x>1)の状態を示す。超音波はインク液面10
および音響レンズ4によって多重反射を繰り返し、減衰
をしながら、すなわち振幅を小さくしながらも定在波と
して存続している。また、インク液面10に圧力を掛け
続けているためにメニスカスは成長する。
【0025】この後、図5(c)に示に示されるよう
に、y×t秒後(y>1)には、なおも多重反射を繰り
返した超音波がインク液面10を押上げた結果、閾値を
越えインク滴11が飛翔する。このような多重反射を繰
り返すことでインク滴が飛翔するため、駆動信号の印加
時間の10倍もしくはそれ以上の時間を経た後にインク
滴が飛翔する。
【0026】前述したようにインク中を進行する際に超
音波は減衰し、減衰した分インク液面への圧力が減少す
るために超音波による圧力を効率よく利用するためには
超音波の減衰を少なくする必要がある。特に、この減衰
は超音波の周波数が高くなるほど大きくなる。このた
め、画像解像度を高くする、すなわちインク滴を小さく
するためには超音波の周波数を高くする必要がある超音
波を用いたインクジェットにおいては、超音波の減衰を
少なくする必要性は大きい。
【0027】前述したことから、インク液面と音響レン
ズ間を超音波が多重反射しているとすれば、インク液面
と音響レンズとの距離をLとしたとき、反射の回数が多
いほど距離Lに依存する超音波の減衰量が大きくなる。
従って、距離Lを小さくすることで多重反射した超音波
の減衰を抑え、インク液面に加える音圧を高い状態で維
持し、短時間でインクが飛翔する。
【0028】即ち、図2(a)に示される音響レンズの
口径(D1)は、その製造技術、記録ヘッドとして求め
られる大きさなどによって決定されるが、同口径の音響
レンズを用いた場合、L/D1を小さくするほど超音波
の減衰を小さくできる。従って、圧電素子に電圧を印加
してからインク滴が飛翔するまでの時間を短かくするこ
とが可能となる。
【0029】このような理由から、L/D1は小さけれ
ば小さいほど好ましく、具体的にはL/D1が0.7以
下であることが望ましい。ただし、インク液の量が極端
に少ない場合にはインクの渇き、あるいは供給が困難に
なることから、距離Lは、10μm以上にすることが望
ましい。
【0030】前述した第1実施形態においは、圧電素子
をアレイ状に配置したものに限らず、図6(a),
(b)に示されるように、お椀状の音響レンズ12によ
って超音波を集束させるタイプのインクジェット記録装
置にも適用できる。図6(a)は、お椀状の音響レンズ
12を適用したインクジェット記録装置の斜視図であ
り、図6(b)は、このインクジェット記録装置の断面
図である。
【0031】又、前述した距離Lと口径D1の関係は、
図7(a)〜(c)に示されるように凹面レンズ13及
び音響マッチング層14を用いたインクジェット記録装
置にも適用することができる。図7(a)は、凹面レン
ズ13を適用したインクジェット記録装置の斜視図であ
る。図7(b)及び(c)には、前記インクジェット記
録装置の変形例を示す断面図である。
【0032】尚、図6(a),(b)及び図7(a)〜
(c)においては、前述したフレネルレンズを適用した
インクジェット記録装置と同じ構成要素には同様の参照
符号を付けている。
【0033】ここで、音響マッチング層(音響レンズ)
による集束部とインク液面との距離Lは、前述した図面
に示されるように音響レンズの中心部表面とインク液面
との距離を示す。
【0034】次に、この発明に係る第2実施形態を説明
する。この第2実施形態に係るインクジェット記録装置
は、前記図1及び図2(a),(b)に示される第1実
施形態のインクジェット記録装置と同様の構成を有する
ので、全体構成の説明は省略する。
【0035】ここで、副走査方向(圧電素子の配列方向
と直行する方向)の超音波集束部4にはシリンドリカル
レンズやフレネルレンズが適用することができる。フレ
ネルレンズとは、フレネル輪帯に基づく所定のピッチの
溝を形成することにより溝の上部と下部から放射される
超音波の位相をπシフトさせる。この溝は主走査方向
(圧電素子の配列方向)に平行に形成される。圧電素子
は、圧電体1と圧電体表面に形成される電極3,4とか
らなる。
【0036】圧電体1としては、圧電材料であれば特に
限定されないが、例えば超音波の周波数や素子の大きさ
などによってジルコン・チタン酸鉛(PZT)などのセ
ラミックやフッ化ビニリデンと三フッ化エチレンとの共
重合体などの高分子、ニオブ酸リチウムなどの単結晶、
酸化亜鉛などの圧電性半導体などを用いればよい。この
圧電体に形成する電極は、通常Ti,Ni,Al,C
u,Auなどを、蒸着やスパッタによる薄膜法、ガラス
フリットを銀ペーストなどに混合したスクリーン印刷に
よる焼き付け法などで形成刷れば良い。
【0037】圧電素子とインクとの音響的マッチングを
取るために、音響マッチング層を構成することが望まし
い。音響マッチング層の音響インピーダンスは、圧電素
子の音響インピーダンスZpとインクZiのそれとの積
の平方根に近い値のものを用いる。マッチング材料とし
て、エポキシ樹脂やポリイミド、それらに音響インピー
ダンスを変化させるために繊維などを混入したもの、も
しくはアルミナやタングステンなどの粉末との混合物な
どが用いられる。さらにSiO2 膜などをスパッタ法や
CVD法などで形成してもよい。厚さtは以下の式で与
えられ、その前後はこの発明の趣旨を逸脱しない範囲、
具体的には±20%以内で許される。
【0038】t=(2n+1)λm /4 ここで、nはゼロ以上の整数、λm は超音波周波数で決
まる音響マッチング層内の波長である。ただし、フレネ
ルレンズを構成するマッチング層の場合は、次式もほぼ
満足するようにする。
【0039】 1/(1/λink −1/λm )=(2n+1)λm /2 ここでλink はインク中での超音波の波長である。次
に、この第2実施形態の要旨を説明する。
【0040】超音波を用い、圧電素子をアレイ状に配列
した従来のインクジェット記録装置では、副走査方向の
超音波の集束と、主走査方向の超音波の集束との両方向
から超音波を集束させることでインク滴を飛翔させてい
る。しかし、インク滴を1滴飛翔させるための同時駆動
素子群の素子数が非常に多く(主走査方向の幅を広く)
する必要がある。
【0041】このため、アレイ状に配列された圧電素子
を複数の同時駆動素子群に分割し、それぞれの同時駆動
素子から同時に複数のインク滴を飛翔させることで記録
スピードを上げようとしても、1つの同時駆動素子群が
大きいために同時に飛翔できるインク滴数が非常に限ら
れ、その記録スピードには限界がある。
【0042】上述したように距離Lを小さく、超音波の
減衰を小さくし効率的に用いることで同時駆動素子数を
減らすことが可能になるという前記第1実施形態から、
距離Lが一定の条件を満たした時に主走査方向の集束を
行わずにインク滴が飛翔することが本発明者らにより見
いだされた。
【0043】前記一定の条件における第1の条件は、超
音波ビームの副走査方向成分を収束させるための集束手
段となる音響レンズの口径D1と距離Lとの関係であ
る。即ち、口径D1と距離Lとの間にL/D1<2なる
条件を満たすことである。
【0044】第2の条件は、同時駆動させる圧電素子群
の主走査方向の幅と距離Lとの関係である。すなわち距
離Lを同時駆動圧電素子群の近距離音場領域内に設定す
る必要がある。
【0045】この2つの条件を同時に満たしたときに、
超音波の音響レンズ、インク液面での多重反射とあいま
って主走査方向の集束を行わずにインク滴が飛翔する。
このため、インク滴を1滴飛ばすための同時駆動素子群
の素子数を減らすことが可能なため、圧電素子アレイ中
の同時駆動素子群の数を増やすことが可能となり、ひい
ては同時に飛翔させるインク滴の数を増やすことが可能
となる。
【0046】ただし、複数の同時駆動素子群から複数の
インク滴を同時に飛翔させる場合、同時駆動素子群間の
距離が近すぎると、お互いの素子群から発生した超音波
が干渉する恐れがあることから、同時駆動させる素子群
間には駆動させない素子を少なくとも1つ設定すること
が望ましい。又、この駆動させない素子はグランドされ
ていることが望ましい。
【0047】ここで、従来の2相駆動とこの第2実施形
態における同時駆動との違いを図8(a),(b)に示
す。図8(a)は、従来の駆動方法に用いられている2
相(π,0)によりインク滴が吐出されているところを
示す。ここでは、34個の駆動素子が設けられた装置か
ら2つのインク滴が吐出されている。図8(b)は、前
述した同時駆動を行うことにより、インク滴が吐出され
ているところを示す。ここでは、G1〜G4の4つの駆
動素子群を同時駆動することにより、図8(a)と同数
の駆動素子が設けられた装置の異なる位置から4つのイ
ンク滴が吐出されている。これらの図面からも明らかな
ように、インクジェット記録装置に同じ数の駆動素子が
設けられている場合には、所定の素子群を同時駆動する
ことにより、同時に飛翔させるインク滴の数を増やすこ
とができる。
【0048】次に、前述した同時駆動を実現するための
駆動回路例を図9を用いて説明する。同図において、シ
リアルに入力される階調画像データ120は、駆動パタ
ーン制御回路121に入力される。駆動パターン制御回
路121は、n個の駆動信号セレクタ122−1〜12
2−nと駆動信号分配回路123を制御する回路であ
る。ここで、nは圧電素子アレイ101の1ブロック内
の圧電素子数、つまり同時駆動される圧電素子の数(以
下、同時駆動素子数という)に等しい。
【0049】駆動信号セレクタ122−1〜122−n
は、駆動信号およびグラウンドレベル(GND)の信号
である無駆動信号のいずれかを選択する回路であり、相
駆動信号および無駆動信号のいずれの駆動信号を選択す
るかは駆動パターン制御回路121により制御され、ま
た選択した駆動信号を出力する時間(駆動信号印加時
間)とその出力間隔(駆動信号印加時間間隔)も駆動パ
ターン制御回路121によって制御される。
【0050】駆動信号セレクタ122−1〜122−n
で選択された駆動信号は、駆動信号分配回路123に入
力される。駆動信号分配回路123は、駆動信号セレク
タ122−1〜122−nで選択されたn個の駆動信号
をドライバ素子群124に供給する。ドライバ素子群1
24は、圧電素子アレイ101の各圧電素子に1対1で
対応するドライバ素子からなり、圧電素子アレイ101
の第1電極103と第2電極104間に高周波の駆動信
号を印加する。
【0051】階調性画像データ120が1画素分入力さ
れると、駆動パターン制御回路121から駆動信号セレ
クタ122−1〜122−nにセレクタ信号が供給さ
れ、それに基づいて駆動信号セレクタ122−1〜12
2−nは相駆動信号、無駆動信号のいずれかを選択す
る。具体的には、例えば階調性画像データ120の濃度
値が「0」の場合、駆動信号セレクタ122−1〜12
2−nは無駆動信号を選択する。また、階調性画像デー
タ120の濃度値が「1」の場合、駆動信号セレクタ1
22−1〜122−nは駆動信号を選択して時間t
(1)にわたり出力する。
【0052】こうして駆動信号セレクタ122−1〜1
22−nで選択された駆動信号は、駆動パターン制御回
路121によって制御される駆動信号分配回路123に
より、現在入力されている階調性画像データ40が主走
査方向1ラインのどの画素のデータであるかに応じて選
択されたn個のドライバ素子群124に入力される。そ
して、これらn個のドライバ素子群124により駆動信
号が電圧増幅され、圧電素子アレイ101の対応するn
個の圧電素子に同時に印加される。
【0053】すなわち、階調性画像データ120が1画
素目のデータの場合は、圧電素子アレイ101の1番目
〜n番目の圧電素子に対応したドライバ素子に駆動信号
が入力され、2画素目のデータの場合は圧電素子アレイ
101の2番目〜(n+1)番目の圧電素子に対応した
ドライバ素子に駆動信号が入力され、以下同様にしてi
番目のデータに対応して圧電素子アレイ101のi番目
〜(n+i)番目の圧電素子に対応したドライバ素子に
駆動信号が入力される。従って、階調性画像データ12
0として1ライン分のデータが入力されると、圧電素子
アレイ101から放射される超音波ビームは1ライン分
リニアに移動し、もって1ラインの記録が行われる。
【0054】この第2実施形態においては、前記第1実
施形態と同時に、L/D1は小さいほど良く、1未満に
設定すること、さらには0.7以下に設定することが好
ましい。しかし、同位相で同時駆動させる素子群の数が
多い、すなわち近距離音場領域に比べてインク液面が極
端に近いと、インク滴が所望の場所とは異なる複数箇所
から飛翔する可能性がある。このため、液面の位置は、
図10に示される近距離音場領域内の中心軸条の音圧ピ
ーク位置に設定する。
【0055】この液面の位置は、 D22 /6λ < L < D22 /3λ を満足するように設定することが好ましく、 L = D22 /4λ を満足するように設定するのが最も良い(図10参
照)。さらに、インク液の量が極端に少ない場合にはイ
ンクの渇き、あるいは供給が困難になることから、距離
Lは、10μm以上にすることが望ましい。
【0056】さらに、同時駆動素子群を同位相で駆動す
る場合は遅延時間や位相シフト回路などが不要となるの
で、駆動信号の簡略化が図られる。加えて、電子集束や
フレネル駆動で主走査方向の集束を行う場合に問題とな
るグレーティングローブが発生しないので、電子集束法
やフレネル駆動で必須の解像度以上の狭アレイピッチ化
を必要とせず、圧電素子アレイの構造の簡略化が図られ
るという利点もある。
【0057】また、前記2つの条件を満たしている場合
には、前述したように同時駆動素子群に位相差を持たせ
ずに駆動することでインク滴を飛翔させることが可能で
ある。ここでは、駆動する複数素子(同時駆動素子群)
の各素子に所定の焦点を結ぶように所定の遅延時間で駆
動する電子集束法、具体的には同時駆動素子の中心部の
遅延時間が最も長く、外側にいくにつれて徐々に短くす
る、あるいは、フレネル輪帯理論に基づいて同時駆動素
子数を2種類にグルーピングし、一方を駆動するタイミ
ングを他方に対し位相をπだけシフトする、いわゆるフ
レネル駆動することでも可能となる。このような場合に
おいてもD2(図8B参照)を小さくできることはいう
までもない。
【0058】この発明における近距離音場領域とは、圧
電素子アレイから放射された超音波が音源よりも広がら
ない領域を示す。音源(圧電素子アレイ表面)からイン
ク液面までの超音波の伝達媒体がインクのみである場合
には、インク1滴を飛翔させるために同時駆動させる圧
電素子群の幅をD2とした時、音源から液面までの距離
Lを、近距離音場領域内の中心軸条の音圧ピーク位置に
設定する。
【0059】この液面の位置は、 D22 /6λ < L < D22 /3λ を満足するように設定することが好ましく、 L = D22 /4λ を満足するように設定するのが最も良い(図10参
照)。
【0060】通常、圧電素子とインク液面などの間に
は、音響レンズや音響整合層などの層が設けられるが、
これらの層厚1は通常D2に比べて極めて薄く、具体的
には1/D22 が1/10λ以下の場合には近距離音場
領域はこれらの層は無視でき、超音波の伝達媒体がイン
クのみである場合と同じ領域であるとすることができ
る。
【0061】次に、前述した駆動素子群に欠陥があった
場合の処理について説明する。図11(a)には、イン
クジェット記録装置の複数の駆動素子(圧電素子)の1
部分に注目した模式図である。ここでは、駆動素子E3
〜E6により同時駆動素子群が形成されており、この駆
動素子E3〜E6を同時駆動することにより、インク滴
を吐出することができる。尚、隣接する各駆動素子群の
間には駆動されない素子、即ち、無駆動素子がすくなく
とも4つ設けられている。図11(b)においては、圧
電素子E1,E2,E7,E8が無駆動素子に含まれ
る。
【0062】ここで、駆動素子E4に欠陥が発生し、駆
動素子E4のみが駆動不可能となった場合を仮定する。
この場合、図9に示される駆動回路の駆動信号分配回路
123は、前記E3〜E6により構成されていた駆動素
子群を、駆動素子E2〜E7によって構成されるよう
に、駆動素子群の設定を変更する。このような駆動素子
群の設定変更により、何らかの理由により、同時駆動素
子群において駆動不可能な素子が検出された場合であっ
ても、検出された素子が駆動可能な場合と同様にインク
滴を吐出することが可能となる。
【0063】尚、新しい同時駆動素子群に、先の同時駆
動素子群の両側に隣接する素子E2及び素子E7のいず
れかのみを含めるように設定した場合(素子群がE2〜
E6、または、E3〜E7)、駆動素子E2〜E6によ
り構成された駆動素子群によって吐出されるインク滴の
位置と、新しい同時駆動素子群により吐出されるインク
滴の位置とが異なってしまう。従って、先の同時駆動素
子群の両側に隣接する素子E2及び素子E7を共に、新
しい同時駆動素子群に含めるように設定する必要があ
る。
【0064】又、圧電素子の欠陥の検出には、圧電素子
アレイの断線検出や確認のためのインピーダンス検出や
テストパターン印字によるビット抜け検出などがあり、
このような機能は、図9に示される駆動信号分配回路に
設けることができる。又、これに限らず、製造工程にお
いて検出しても良い。
【0065】
【実施例】以下、前述したインクジェット記録装置の各
種実施例を説明する。 〈実施例1〉前記図1に示されるインクジェット記録装
置を適用する。
【0066】圧電体は比誘電率2000のPZT系圧電
セラミックを用い、周波数は20MHz(厚さ100μ
m)とした。この圧電体の両面にTi/Au電極をスパ
ッタで、それぞれの厚さが0.05μm、0.2μmに
なるように形成し、2kV/mmの電界を印加して分極
処理を行う。その後エッチングにより個別電極を形成
し、1素子の幅110μm、電極間隔30μm(個別電
極の配列ピッチ140μm)に設定する。
【0067】副走査方向の電極の長さ、すなわち口径は
6mmとする。この圧電素子アレイを樹脂系のバッキン
グ材8にエポキシ樹脂で接着する。音響マッチング層兼
音響レンズにはエポキシ樹脂とアルミナ粉末の混合物を
用いる。まず、音速が3×103 m/s近傍になるよう
に混合比を調整し、密度2.20×103 kg/m3
音速2.95×103 m/sを得る。これを共通電極面
に塗布して硬化させ、厚さが約115μmになるように
研磨する。その後、焦点距離が5mmになるように深さ
1/2波長(約75μm)の溝を主走査方向に平行に入
れてフレネルレンズが形成されている。更に、図1に示
されるように超音波放射面とインク液面との距離がほぼ
5mmとなるように側面を形成し、さらに駆動回路を設
ける。
【0068】このようなインクジェット記録装置では、
駆動信号を隣り合った5素子の個別電極に同時に、同位
相で50Vの電圧で500波(25μs)印加した時
の、駆動信号の印加からインク滴が飛翔するまでの時間
は、0.4msとなる。
【0069】<実験例2> 焦点距離が6mmであるフレネルレンズを用い、インク
液面を6mmに設定したことを除いて前記実施例1と同
様の装置を適用する。駆動信号の印加からインク滴が飛
翔するまでの時間は、0.6msとなる。
【0070】実施例1、2から、距離Lが1.2倍とな
ると、駆動電圧を印加してからインク滴の飛翔するまで
の時間が1.5倍になることが分かる。 〈実施例3および比較例1〉実施例1と参考例に用いた
インクジェット記録装置を用いる。実施例1に用いたイ
ンクジェット記録装置は副走査方向の焦点距離と口径の
比は0.8であり、2よりも小さい。
【0071】一方、主走査方向は、同時駆動素子群とし
て3(近距離音場限界は2.4mm:比較例)、4(近
距離音場限界は4.2mm:比較例)、5(近距離音場
限界は6.5mm:実施例)、或いは10(近距離音場
限界は13.1mm:実施例)素子を選択して同位相、
50Vの電圧で500波(25μs)を印加し、駆動し
た場合のインク滴の飛翔割合は以下のようになる。
【0072】5素子、10素子の場合には100%飛翔
したが、4素子の場合には100回の電圧印加に対し、
インクは50滴しか飛ばない。また、3素子の場合には
100回の電圧印加に対し、インク滴は全く飛翔しな
い。
【0073】また、本実施例および比較例における記録
画点の大きさはどれも略200dpiに相当した。 〈実施例3〉前記実施例1に用いたインクジェット記録
装置を用いる。
【0074】5素子の圧電素子群を2組、素子群間に駆
動させない10素子を挟んで設定し、この2組の素子群
に同時に同位相の電圧を印加する。その結果、2滴のイ
ンクが各素子群の中心位置に対向するインク液面から飛
翔するのが確認された。
【0075】〈実施例4〉主走査方向の同時駆動素子数
を変えた場合のインク滴の飛翔を図12に示す。ここで
は、同位相50Vの電圧で500波(25μs)を繰返
し周期400Hzで100回印加した結果である。
【0076】図12より、同時駆動素子数が3と4との
場合は、飛翔しない場合が発生する。これは、超音波放
射面と、インク液面との距離が5mmであり、(口径D
2)2 /λが5mmよりも小さいため、インク液面が遠
距離音場、即ち、拡散音場となって超音波の集束度が低
下したためである。これに対し、同時駆動素子数が5と
10の場合は、インク滴面が(口径D2)2 /6λと
(口径D2)2 /λとの間にあり、インク滴は100%
飛翔する。
【0077】又、同時駆動素子数が12の場合、インク
液面までの距離が(口径D2)/6λよりも小さく、
複数の部分で超音波が強め合うところが生じたため、1
回のバス信号の印加で複数滴が飛翔したと判断できる。
【0078】以上の実施例では、平板の圧電素子アレイ
と音響マッチング層兼音響レンズについて述べたが、前
述したように超音波放射面が凹面の音響レンズや圧電素
子を凹面にしても良い。
【0079】その他、この発明の趣旨を逸脱しない変形
例、たとえば共通電極と個別電極の位置を逆にするなど
はこの発明に含まれる。ここでは、全素子を同位相で駆
動したが、ビームを集束させるために図13に示される
ように、例えば両端の素子をπ位相シフトして駆動して
も良い。ただし、このときは予め音場を調べておき、周
波数、距離、口径などによってはサイドロープの法がメ
インローブの振幅よりも高くなる場合があるので注意す
る必要がある。
【0080】さらに、電子集束により各素子に遅延時間
を与えて駆動する方法や、フレネル駆動により一方をπ
位相シフトして駆動する方法も用いることができる。こ
れらのときもサイドローブ、特にグレーティングローブ
の振幅がメインローブよりも大きくならないようにして
ヘッドを設計する。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、インクジェット記録装置への駆動信号を印加してか
らインク滴の飛翔までの時間が短縮され、記録スピード
が向上する。
【0082】また、この発明によれば、1滴を飛翔させ
るための圧電素子数を減らすことが可能となるために、
限られた数の圧電素子からなる圧電素子アレイから同時
に飛翔させるインク滴数を増やすことが可能となる。こ
れにより、記録スピードを上げることが可能となる。
【0083】さらに、主走査方向に超音波を集束させる
必要がなくなり、駆動回路や記録装置の構成を簡略化で
きる。加えて、主走査方向の超音波の集束を無くすこと
で、不良素子によるインク滴の飛翔ミスを補償し、信頼
性の高いインクジェット記録装置を提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係るインクジェット
記録装置の構成を示す斜視図。
【図2】前記第1実施形態におけるインクジェット記録
装置の主走査方向及び副走査方向からみた側面図。
【図3】前記第1実施形態におけるインクジェット記録
装置のフレネルレンズの変形例。
【図4】前記第1実施形態におけるインクジェット記録
装置のフレネルレンズの変形例。
【図5】前記第1実施形態におけるインクジェット記録
装置のインク滴の飛翔メカニズムを説明するための図。
【図6】前記第1実施形態おいて、お椀状の音響レンズ
を適用した場合のインクジェット記録装置の斜視図及び
断面図。
【図7】前記第1実施形態において、凹面レンズを適用
した場合のインクジェット記録装置を説明するための
図。
【図8】従来の圧電素子の駆動と本願の同時駆動を説明
するための図。
【図9】この発明のインクジェット記録装置に適用され
る駆動回路の一例を示すブロック図。
【図10】インクジェット記録装置における、近距離音
場領域内の距離と音圧の関係を示すグラフ。
【図11】この発明の第2実施形態において、圧電素子
に欠陥があった場合の処理を説明するための図。
【図12】この発明に係る一実施例を説明するための
表。
【図13】前記第2実施形態における圧電素子の駆動方
法の変形例を示す図。
【符号の説明】
1…圧電体、2…電極、3…電極、4…音響マッチング
層(音響レンズ)、5…インク、6…駆動回路、7…側
壁、8…バッキング材、9…接着層、10…インク液
面、11…インク滴、12…音響レンズ、13…凹面レ
ンズ、14…音響マッチング層、101…圧電素子アレ
イ、120…階調画像データ、121…駆動パターン制
御回路、122…駆動信号セレクタ、123…駆動信号
分配回路、124…ドライバ素子群。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 紀子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 八木 均 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 高山 暁 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平7−137250(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/015

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク液が満たされるインク液室と、前記インク液の液面から実質的な近距離音場領域内に配
    列される複数の圧電素子から成る 圧電素子アレイと、同時駆動圧電素子群を構成する互いに隣接する所定数の
    圧電素子に同位相の駆動信号を印加して前記圧電素子ア
    レイから超音波をインク液室内に発生させる駆動手段
    と、 前記超音波をインク液面近傍に集束してインク滴を吐出
    させる集束手段であって、この集束手段が前記インク液
    面からの距離Lに配置され、また、開口部幅Dを有し、
    距離L及び開口部幅DがL/D<2の関係を充足する
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】前記圧電素子アレイには、前記同時駆動素
    子群が複数設けられ、前記同時駆動素子群と前記駆動信
    号が印加されない圧電素子とが交互に設けられることを
    特徴とする請求項1のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】前記駆動信号が印加されない圧電素子は、
    グランドに接続されることを特徴とする請求項2のイン
    クジェット記録装置。
  4. 【請求項4】前記圧電素子群に含まれる圧電素子の異常
    を検出する検出手段と、前記検出手段における圧電素子の異常検出に応じて、前
    記圧電素子群に隣接する圧電素子を前記圧電素子群に含
    ませるように前記圧電素子群を設定する設定手段と 、 を更に具備することを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット記録装置。
  5. 【請求項5】前記圧電素子アレイにおいては、前記イン
    ク液面までの距離Lは、前記所定数の圧電素子の幅D2
    との間で D2/6λ<L<D2/3λ を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの
    請求項に記載のインクジェット記録装置。
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