JPH0939224A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH0939224A
JPH0939224A JP18715295A JP18715295A JPH0939224A JP H0939224 A JPH0939224 A JP H0939224A JP 18715295 A JP18715295 A JP 18715295A JP 18715295 A JP18715295 A JP 18715295A JP H0939224 A JPH0939224 A JP H0939224A
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JP
Japan
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ink
acoustic matching
piezoelectric element
ultrasonic
matching layer
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Application number
JP18715295A
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English (en)
Inventor
Shiro Saito
史郎 斉藤
Isao Amamiya
功 雨宮
Noriko Yamamoto
紀子 山本
Chiaki Tanuma
千秋 田沼
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Publication of JPH0939224A publication Critical patent/JPH0939224A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14008Structure of acoustic ink jet print heads
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14322Print head without nozzle

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インク液面に対する超音波ビームの入射角をい
ずれの位置でも90°にでき、超音波ビームの多重反射
や減衰を少なくしてインク滴を効率よく被記録体上に飛
翔させて良好な記録を行うインクジェット記録装置を提
供する。 【解決手段】圧電素子アレイ10を駆動回路18により
駆動して液体インク17の液面上にアレイ方向に関して
集束し、かつアレイ方向に移動する超音波ビームを放射
せしめ、この超音波ビームの圧力でインク容器16中の
液体インク17の液面からインク滴を吐出させて被記録
体上に飛翔させることにより画像を記録するインクジェ
ット記録装置において、圧電素子アレイ10の超音波放
射面全体を覆うように音響マッチング層14を配置し、
さらに音響マッチング層14の上に超音波ビームをアレ
イ方向と直交する方向に関して集束するとともに音響マ
ッチング機能を有するフレネルレンズ15を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体インクをイン
ク滴として被記録体上に飛翔させることで画像を記録す
るインクジェット記録装置に係り、特に超音波ビームの
圧力によりインク滴を吐出させて被記録体上に飛翔させ
るインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体インクをインク滴と呼ばれる小さな
液滴にして記録媒体上に飛翔させることにより画点を形
成して画像を記録する装置は、インクジェットプリンタ
として実用化されている。このインクジェットプリンタ
は、他の記録方法と比べて騒音が少なく、現像や定着な
どの処理が不要であるという利点を有し、普通紙記録技
術として注目されている。インクジェットプリンタの方
式は現在までに数多く考案されているが、特に(a)発
熱体の熱により発生する蒸気の圧力でインク滴を飛翔さ
せる方式(例えば、特公昭56−9429号、特公昭6
1−59911号など)、(b)圧電素子によって発生
される機械的な圧力パルスによりインク滴を飛翔させる
方式(例えば、特公昭53−12138号など)が代表
的なものである。
【0003】インクジェットプリンタに使用される記録
ヘッドとしては、キャリッジに搭載されて記録紙の搬送
方向(副走査方向)に対し直交する方向(主走査方向)
に移動しながら記録を行うシリアル走査型ヘッドが実用
されている。このシリアル走査型ヘッドでは、機械的に
移動しながら記録を行うため、記録スピードを速くする
ことが難しい。そこで、記録ヘッドを記録紙の幅と同じ
サイズの長尺ヘッドとして機械的な可動部分を減らし、
記録スピードを上げることができるいわゆるライン走査
型ヘッドも考えられているが、このようなライン走査型
ヘッドを実現することは、次の理由から簡単ではない。
【0004】インクジェット記録方式は本質的に、溶媒
の蒸発や揮発によって局部的なインクの濃縮が生じやす
く、これが解像度に対応した個別の細いノズルでの目詰
まりの原因となる。このため、インクジェットの形成に
蒸気の圧力を使う方式では、インクとの熱的あるいは化
学的な反応などによる不溶物の付着が、また圧電素子に
よる圧力を使う方式では、インク流路などでの複雑な構
造がさらに目詰まりを誘起し易くする。数十〜百数十程
度のノズルを使用するシリアル走査型ヘッドでは、目詰
まりの頻度を低く抑えることができるようになっている
が、数千もの多数のノズルを必要とするライン走査型ヘ
ッドでは、確率的にかなり高い頻度で目詰まりが発生
し、信頼性の点で大きな問題となる。
【0005】さらに、従来のインクジェット記録装置
は、解像度の向上には適していないという問題点もあ
る。つまり蒸気の圧力を使う方法では、直径20μm
(これは記録紙上に直径50数μm程度の記録ドットに
相当する)以下の粒径のインク滴を生成するのが難し
く、また圧電素子が発生する圧力を使う方式では、記録
ヘッドが複雑な構造となるために加工技術上の問題で解
像度の高いヘッドが作りにくいからである。
【0006】これらの欠点を克服するため、薄膜圧電体
層により構成された圧電素子で発生する超音波ビームの
圧力を用いてインク液面からインク滴を飛翔させる方式
がIBM TDB,vol.16,No.4,pp.1
168(1973−10),USP−4308547
(1981),USP−4697195(1987),
USP−4751529(1988),USP−475
1530(1988),USP−5041849(19
91),特開昭62−66943,特開昭63−162
253,特開昭63−166545,特開昭63−16
6546,特開昭63−166548,特開昭63−3
12157,特開平3−200199,特開平4−29
6562,特開平4−296563,特開平4−356
328,特開平5−278218などにより提案されて
いる。
【0007】これらは、個別のドット毎のノズルやイン
ク流路の隔壁を必要としない、いわゆるノズルレスの方
式であるため、ラインヘッド化する上での大きな障害で
あった目詰まりの防止と復旧に対して有効である。ま
た、非常に小さい径のインク滴を安定に生成し飛翔させ
ることができるため、高解像度化にも適している。しか
し、この方式の欠点は記録画点あるいは解像度よりも大
きな、例えば記録画点の30倍にもなる直径の音響レン
ズを用いて超音波ビームをインク内に集束させるため、
記録ヘッドとしては1本の圧電素子アレイだけで必要な
解像度を得ることができず、複数本の圧電素子アレイを
千鳥状に配列して構成される記録ヘッドを使って合間を
埋める必要があることである。このような千鳥配列の構
造をとる記録ヘッドは、周期的な濃度むらや隣接ドット
とのわずかな位置ずれなど、画質の面から見て問題が多
い。
【0008】記録ヘッドを千鳥状に配列することなく超
音波ビームを集束させるために、複数の圧電素子を一列
に配列した一次元の圧電素子アレイを用い、この圧電素
子アレイを所定の位相差で同時に駆動することにより、
各圧電素子からの超音波を互いにインク室内で干渉させ
て集束させる、いわゆるフェーズドアレイ走査を採用す
る方法(特開平2−184443)も提案されている。
【0009】しかしながら、これらの超音波ビームを用
いる方法では、圧電素子アレイから放射される超音波を
集束させるために凹面レンズを用いているため、製造工
程が複雑になるという問題があった。また、圧電素子か
ら発生した超音波がインク液に到達するまでに圧電素子
支持部材などによって多重反射や減衰を受けることによ
り、インク滴の飛翔効率が低下するという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の凹面レンズによりインク液面に超音波ビームを集束さ
せるインクジェット記録装置は生産性が悪く、また圧電
素子から発生した超音波がインク液に到達するまでに多
重反射や減衰を受けることにより、インク滴の飛翔効率
が低下するという問題があった。
【0011】本発明は、このような問題点を解決し、簡
便な方法で製造でき、しかも超音波ビームの多重反射や
減衰を少なくしてインク滴を効率よく被記録体上に飛翔
させて良好な記録を行うことができるインクジェット記
録装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は超音波の圧力で液体インクの液面からイン
ク滴を吐出させて被記録体上に飛翔させることにより画
像を記録するインクジェット記録装置において、液体イ
ンクを保持するインク保持手段と、複数の圧電素子を所
定間隔で配列して構成され、超音波を放射する圧電素子
アレイと、この圧電素子アレイを駆動して、液体インク
の液面上に圧電素子の配列方向に関して集束しかつ該配
列方向に移動する超音波ビームを放射せしめる駆動手段
と、圧電素子アレイ上の超音波放射面上に該超音波放射
面全体を覆うように配置された音響マッチング層と、こ
の音響マッチング層の上に配置され、超音波ビームを圧
電素子の配列方向と直交する方向に関して集束し、かつ
音響マッチング層と液体インクとの音響マッチングを行
う音響マッチング機能を有するフレネルレンズとを具備
することを特徴とする。フレネルレンズは、フレネル輪
帯理論に基づく複数の溝を圧電素子の配列方向(主走査
方向)に平行に形成することによって実現される。
【0013】また、本発明は液体インクの音響インピー
ダンスをZi、圧電素子を構成する圧電体材料の音響イ
ンピーダンスをZp、音響マッチング層の音響インピー
ダンスをZm1、フレネルレンズの音響インピーダンスを
Zm2としたとき、Zm1およびZm2が、 Zm1=0.8(Zi・Zp21/3 〜1.2(Zi・Zp21/3 (1) Zm2=0.8(Zi2 ・Zp)1/3 〜1.2(Zi2 ・Zp)1/3 (2) の範囲にあることを特徴とする。
【0014】また、本発明は音響マッチング層の厚さを
t、音響マッチング層中での超音波波長をλm1としたと
き、tが t=0.8{(2n+1)/4}λm1〜1.2{(2n+1)/4}λm1 (ただし、nは任意の整数) (3) の範囲にあることを特徴とする。
【0015】さらに、本発明は液体インク中での超音波
波長をλink 、フレネルレンズ中での超音波波長をλm2
としたとき、 1/(1/λink −1/λm2)={(2n+1)/4}λm2 (4) (ただし、nは任意の整数)の条件をほぼ満足すること
を特徴とする。
【0016】このように、本発明では圧電素子アレイの
駆動により超音波ビームを圧電素子の配列方向(アレイ
方向)について集束させ、かつアレイ方向に移動させる
と共に、フレネルレンズによって超音波ビームをアレイ
方向に集束するため、インク液面からインク滴が飛翔す
る。この場合、圧電素子アレイから発生する超音波ビー
ムは、音響マッチング層および音響マッチング機能を有
するフレネルレンズを介してインク中に伝搬されるた
め、伝搬中に界面での反射をほとんど起こすことなくイ
ンク液面で集束することにより、効率良くインク滴が被
記録体上に飛翔する。
【0017】また、式(1)(2)(3)を満足するこ
とにより、音響マッチング層および音響マッチング機能
を有するフレネルレンズの音響マッチング条件を満たす
ことができる。
【0018】さらに、音響マッチング機能を有するフレ
ネルレンズが式(4)を満足するようにすることによ
り、インクとの音響マッチング条件を満たすと同時に、
フレネルレンズにおける溝の上部と下部で放射される超
音波の位相差、つまりレンズの入出力端面間の位相差を
πにするというフレネルレンズとしての条件を満たすこ
とができる。
【0019】また、音響マッチング層は音響レンズを兼
ねる場合と異なり、音響マッチングのみを考慮して最適
化すればよいので、材質選択の幅が広がることになり、
従って良好な音響マッチング効果を発揮することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に
係るインクジェット記録装置におけるインクジェットヘ
ッド部の構成を示す斜視図であり、図2はその主要部を
拡大して示す断面図である。
【0021】図1および図2において、圧電素子アレイ
10は、長尺の一様な厚さからなる板状の圧電体層11
と、その両面にそれぞれ形成された共通電極12および
個別電極13により構成される。すなわち、圧電体層1
1と共通電極12および個別電極13により、一次元に
配列された複数の圧電素子が構成されている。
【0022】圧電体層11に用いる圧電体材料は、放射
する超音波の周波数や素子の大きさなどによって、ジル
コン・チタン酸鉛(PZT)などのセラミックや、フッ
化ビニリデンと三フッ化エチレンとの共重合体などの高
分子材料、ニオブ酸リチウムなどの単結晶、あるいは酸
化亜鉛などの圧電性半導体材料などが用いられる。個別
電極12および共通電極13は、Ti,Ni,Al,C
u,Auなどの金属の蒸着やスパッタによる薄膜法、ガ
ラスフリットを銀ペーストに混合したスクリーン印刷に
よる焼き付け法などにより形成される。
【0023】圧電素子アレイ10は、例えばスパッタ法
やCVD法などによりバッキング材19の上に形成され
ている。なお、図2に破線で示すように圧電素子アレイ
10を接着層20を介してバッキング材19上に形成し
ても構わない。
【0024】共通電極12の圧電体層11と反対側の
面、つまり圧電素子アレイ10の超音波放射面上に、こ
の超音波放射面全体を覆うように一様に音響マッチング
層14が形成され、さらに音響マッチング層14の上に
音響マッチング機能を有するフレネルレンズ15が形成
されている。フレネルレンズ15の上には、インク容器
16が配置されている。インク容器16は、圧電素子ア
レイ10からの超音波ビームの通路を包み込むように徐
々に狭まった形状のインク室を形成し、このインク室に
液体インク17が満たされている。
【0025】音響マッチング層14は、圧電素子アレイ
10と液体インク17との音響的なマッチングをとるた
めのものであり、例えばエポキシ樹脂やポリイミドなど
の主材料に、音響インピーダンスを変化させるために繊
維などを混入したもの、もしくはエポキシ樹脂やポリイ
ミドなどの主材料とアルミナやタングステンなどの粉末
との混合物などが用いられる。
【0026】フレネルレンズ15は、圧電素子アレイ1
0から放射される超音波ビームを圧電素子の配列方向
(アレイ方向=主走査方向)と直交する方向(副走査方
向)に関して集束するレンズ機能を有し、さらに音響的
なマッチング機能を有する。このフレネルレンズ15
は、フレネル輪帯に基づく所定ピッチ、所定幅の溝を主
走査方向に形成したものであり、溝の上部と下部から放
射される超音波の位相をπシフトさせる機能を有する。
フレネルレンズ15は基本的には音響マッチング層14
と同様の材料で形成されるが、その音響インピーダンス
は音響マッチング層14とは異なった値に調整されてい
る。音響マッチング層14とフレネルレンズ15の音響
インピーダンスの関係については、後述する。
【0027】一方、バッキング材19上にはIC化され
た駆動回路18が実装されており、この駆動回路18は
ガラス板上に形成された配線パターン(図示せず)を介
して共通電極12と個別電極13に接続されている。駆
動回路18は、圧電素子アレイ10から液体インク17
の液面上にアレイ方向(主走査方向)に関して集束しか
つアレイ方向に移動する超音波ビームが放射されるよう
に圧電素子アレイ10を駆動する回路であり、例えば記
録すべき画像データに応じて圧電素子アレイ10をアレ
イ方向(主走査方向)に隣接するn個の圧電素子を1ブ
ロックとしてブロック単位で順次駆動することにより、
リニア電子走査を行うと共に、超音波ビームを主走査方
向に集束させる。
【0028】超音波ビームの主走査方向の集束法として
は、例えば電子集束法を用いることができる。具体的に
は、圧電素子アレイ10のうちの選択したブロックのn
個の圧電素子に所定の遅延時間差を持たせた高周波の駆
動信号を供給し、それらの圧電素子を同時に駆動するこ
とによって、圧電素子アレイ10から放射される超音波
ビームを主走査方向に集束する。遅延時間は、同時駆動
素子のアレイ方向中心部に対応する時間が最も長く、ア
レイ方向の外側にいくにつれて徐々に短くすればよい。
【0029】すなわち、図3に示したように圧電素子ア
レイ10の全素子数をN、同時駆動圧電素子数をnとし
たとき、まず1番目からn番目までの圧電素子を所定の
遅延時間差で同時駆動する。そして、次に2番目〜n+
1番目の圧電素子を同様に所定の遅延時間差で同時駆動
し、以下同様に同時駆動素子の位置を1素子分ずつずら
せて繰り返し行うことにより、超音波ビームを主走査方
向に集束させると共に、その放射方向を主走査方向にリ
ニアに移動させて、いわゆるリニア電子走査を行う。駆
動信号の波形は、例えば図4に示したような矩形波のバ
ーストや、正弦波のバーストなどが用いられる。ここで
同時駆動素子であるn個の圧電素子の駆動の遅延時間差
を変えるということは、図4における駆動信号の印加開
始タイミングを変えるということである。
【0030】超音波ビームの主走査方向の集束法として
は、ほかにフレネル輪帯理論に基づいて圧電素子アレイ
10の同時駆動素子数を2種類にグルーピングし、一方
のグループの駆動タイミングを他方のグループの駆動タ
イミングに対して位相をπだけシフトとする方法も用い
ることができる。これをフレネル集束法と呼ぶことにす
る。このフレネル集束法においても、リニア電子走査の
手法は電子集束法と同様であり、同時駆動素子の位置を
1素子分ずつ順次ずらせればよい。
【0031】なお、同時駆動素子は1ブロック分でな
く、2ブロック以上であってもよい。また、上記の説明
ではリニア電子走査を実現するために同時駆動素子の位
置を1素子分ずつずらせたが、複数素子分ずつずらせて
もよい。
【0032】このように記録することで、インク液面へ
の超音波ビームの入射角を略90°とすることができる
ため、インク滴は記録紙に対して垂直に飛翔する。従っ
て、記録紙上に均一な間隔で画点を記録することができ
る。
【0033】圧電素子アレイ10から放射される主走査
方向に集束された超音波ビームは、音響マッチング層1
4を介してフレネルレンズ15に入射することによって
さらに副走査方向にも集束され、最終的にインク17の
液面に点状に集束する。こうしてインク液面に集束され
た超音波ビームにより発生した圧力(放射圧)によっ
て、インク液面に円錐状のインクメニスカスが成長し、
やがてインクメニスカスの先端からインク滴が吐出す
る。吐出したインク滴は、図示しない被記録体上に飛翔
して付着し、乾燥して定着されることにより、画像記録
が行われる。
【0034】次に、音響マッチング層14とフレネルレ
ンズ15の条件について説明する。音響マッチング層1
4は、フレネルレンズ15と共に圧電素子アレイ10と
液体インク17との音響的なマッチングをとる機能を有
する。ここで、音響マッチング層14およびフレネルレ
ンズ15の音響マッチング条件は、液体インク17の音
響インピーダンスをZi、圧電素子アレイ10の圧電素
子を構成する圧電体材料の音響インピーダンスをZp、
音響マッチング層14の音響インピーダンスをZm1、フ
レネルレンズ15の音響インピーダンスをZm2とする
と、 Zm1=0.8(Zi・Zp21/3 〜1.2(Zi・Zp21/3 (1) Zm2=0.8(Zi2 ・Zp)1/3 〜1.2(Zi2 ・Zp)1/3 (2) である。すなわち、Zm1,Zm2は音響マッチング条件を
達成する上ではそれぞれ(Zi2 ・Zp)1/3 ,(Zi
・Zp21/3 であることが理想的であるが、これらの
理想値に対して±20%の範囲にあれば、実用上十分な
音響マッチングが得られる。このような条件は、前述の
ような音響インピーダンスの調整によって比較的容易に
実現できる。
【0035】次に、音響マッチング層14の厚さtにつ
いては、音響マッチング層14中での超音波波長をλm1
としたとき、 t=0.8{(2n+1)/4}λm1〜1.2{(2n+1)/4}λm1 (ただし、nは任意の整数) (3) の範囲にあればよい。すなわち、一般的に音響マッチン
グ層の厚さは、理想的には既に知られているように超音
波波長の1/4の奇数倍であるが、実用的にはこの理想
値に対して±20%の範囲にあればよい。
【0036】次に、フレネルレンズ15のレンズとして
の条件は、液体インク17中での超音波波長をλink 、
フレネルレンズ15中での超音波波長をλm2としたと
き、 1/(1/λink −1/λm2)={(2n+1)/4}λm2 (4) (ただし、nは任意の整数)の条件をほぼ満足すればよ
い。
【0037】
【実施例】以下、より具体的な実施例について述べる。
圧電素子アレイ10に用いる圧電体層11として比誘電
率が2000のPZT系圧電セラミック板を用い、その
共振周波数は20MHz(厚さt=100μm)とし
た。この圧電セラミック板の両面に、Ti/Ni/Au
電極をスパッタ法により、それぞれの厚さが0.05μ
m,0.05μm,0.2μmとなるように形成した
後、両電極間に2kV/mmの電界を印加して分極処理
を行った。その後、エッチングにより圧電セラミック板
上の一方の電極をパターニングして個別電極13を形成
した。個別電極13の間隔は30μm、配列ピッチは1
50μmとして、個々の圧電素子の素子幅は120μm
とした。圧電セラミック板上の他方の電極はパターニン
グせず、共通電極12とした。なお、共通電極12およ
び個別電極13の副走査方向の電極長さは5mmとし
た。
【0038】次に、音響マッチング層14としてエポキ
シ樹脂とタングステン粉末の混合物を被着させ、次いで
フレネルレンズ15としてエポキシ樹脂とアルミナ粉末
との混合物を被着させて、前述したようにフレネル輪帯
に基づくピッチと幅の溝を主走査方向に形成した。この
際、フレネルレンズ15を形成するエポキシ樹脂とアル
ミナ粉末との混合物の混合比は、(4)式を満足するよ
うに調整した。各層の特性を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】次に、上記のようにして音響マッチング層
14および音響マッチング機能を有するフレネルレンズ
15が形成された圧電素子アレイ10を樹脂系のバッキ
ング材19上にエポキシ樹脂で接着し、さらにインク容
器16と駆動回路18を構成して、インクジェットヘッ
ドを完成した。
【0041】一方、比較例1として、実施例のフレネル
レンズ15のような音響マッチング層兼音響レンズを用
いず、ガラスを凹面加工することにより超音波を副走査
方向に集束させるインクジェットヘッドを作製した。ま
た、比較例2として圧電素子アレイ上に音響マッチング
層兼フレネルレンズのみを形成したインクジェットを作
成した。なお、比較例2における音響マッチング層兼フ
レネルレンズは、エポキシ樹脂にアルミナ粉末と酸化タ
ングステン粉末の3種類を混合することにより、音響イ
ンピーダンスが6(×106 kg/m2 s)で、音速が
2500m/sとなるようにした。
【0042】実施例および比較例1、2のインクジェッ
トヘッドを用いて、記録紙上の記録状態とインク滴の飛
翔状態を確認したところ、実施例によると約200dp
iの解像度を得ることができ、かつ効率良くインク滴を
飛翔させることができたのに対し、比較例1では約15
0dpiの解像度であり、また圧電素子に約1.5倍の
電圧を印加してもインク滴が飛翔しない場合があり、イ
ンク滴の飛翔効率が実施例よりも低いことが確認され
た。比較例1では、凹面加工では十分なレンズ効果が得
られないことと、ガラスとインクとの音響マッチングが
十分でないためと考えられる。
【0043】一方、比較例2では約200dpiの解像
度を得ることができたが、比較例1と同様にインク滴の
飛翔効率が実施例に比較して低いことが確認された。比
較例2では、フレネルレンズの層のない部分が圧電素子
とインクが直接接触する形となって音響マッチングが全
くとれないためであると考えられる。
【0044】これに対し、実施例によれば圧電素子アレ
イ10上に音響マッチング層14が形成され、さらにそ
の上に音響マッチング機能を有するフレネルレンズ15
が形成された2層の音響マッチング層を有する構成であ
るため、より良好な音響マッチングをとることができ、
また特にフレネルレンズ15の層のない部分でも、音響
マッチング層14が存在していることにより、ある程度
の音響マッチングがとれるため、インク滴の飛翔効率が
比較例1、2に比べて向上する。また、フレネルレンズ
15はガラスの凹面加工に比較して超音波を副走査方向
に集束させるレンズ効果が高いため、高解像度の記録が
可能となる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば圧
電素子アレイを駆動することによって液体インクの液面
上にアレイ方向に関して集束し、かつアレイ方向に移動
する超音波ビームを放射せしめると共に、圧電素子アレ
イ上に音響マッチング層を配置し、さらにその上に液体
インクの間に位置して、超音波ビームをアレイ方向と直
交する方向に関して集束するレンズ機能と音響マッチン
グ機能を有するフレネルレンズを配置した構成とするこ
とにより、簡便な方法で製造でき、しかも超音波ビーム
の多重反射や減衰を少なくしてインク滴を効率よく被記
録体上に飛翔させて高解像度の良好な記録を行うことが
できる。
【0046】また、音響マッチング層は音響レンズを兼
ねる場合と異なり、音響マッチングのみを考慮して最適
化すればよく、その材質選択の幅が広がるので、より良
好な音響マッチング効果を発揮することができ、従って
インク滴の飛翔効率を一層高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録
装置におけるインクジェットヘッドの構成を示す斜視図
【図2】同実施形態の要部の構成を示す断面図
【図3】同実施形態における圧電素子アレイのアレイ方
向に沿う断面図
【図4】同実施形態における圧電素子アレイの駆動信号
波形を示す図
【符号の説明】 10…圧電素子アレイ 11…圧電体層 12…アレイ電極 13…共通電極 14…音響マッチング層 15…フレネルレンズ 15…インク 16…インク容器 17…駆動回路 18…バッキング材 19…接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田沼 千秋 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波の圧力で液体インクの液面からイン
    ク滴を吐出させて被記録体上に飛翔させることにより画
    像を記録するインクジェット記録装置において、 前記液体インクを保持するインク保持手段と、 複数の圧電素子を所定間隔で配列して構成され、超音波
    を放射する圧電素子アレイと、 この圧電素子アレイを駆動して前記液体インクの液面上
    に前記圧電素子の配列方向に関して集束し、かつ該配列
    方向に移動する超音波ビームを放射せしめる駆動手段
    と、 前記圧電素子アレイの超音波放射面上に該超音波放射面
    全体を覆うように配置された音響マッチング層と、 この音響マッチング層の上に配置され、前記超音波ビー
    ムを前記配列方向と直交する方向に関して集束し、かつ
    該音響マッチング層と前記液体インクとの音響マッチン
    グを行う音響マッチング機能を有するフレネルレンズと
    を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】前記液体インクの音響インピーダンスをZ
    i、前記圧電素子を構成する圧電体材料の音響インピー
    ダンスをZp、前記音響マッチング層の音響インピーダ
    ンスをZm1、前記フレネルレンズの音響インピーダンス
    をZm2としたとき、Zm1およびZm2が、 Zm1=0.8(Zi・Zp21/3 〜1.2(Zi・Zp21/3 Zm2=0.8(Zi2 ・Zp)1/3 〜1.2(Zi2 ・Zp)1/3 の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のインク
    ジェット記録装置。
  3. 【請求項3】前記音響マッチング層の厚さをt、前記音
    響マッチング層中での超音波波長をλm1としたとき、t
    が t=0.8{(2n+1)/4}λm1〜1.2{(2n+1)/4}λm1 (ただし、nは任意の整数)の範囲にあることを特徴と
    する請求項1または2に記載のインクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】前記液体インク中での超音波波長をλink
    、前記フレネルレンズ中での超音波波長をλm2とした
    とき、 1/(1/λink −1/λm2)={(2n+1)/4}λm2 (ただし、nは任意の整数)の条件をほぼ満足すること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
JP18715295A 1995-07-24 1995-07-24 インクジェット記録装置 Pending JPH0939224A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012235524A (ja) * 2006-03-02 2012-11-29 Visualsonics Inc 超音波整合層および振動子

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012235524A (ja) * 2006-03-02 2012-11-29 Visualsonics Inc 超音波整合層および振動子
CN103861796B (zh) * 2006-03-02 2017-01-04 富士胶卷视声公司 超声换能器叠层的匹配层、超声换能器叠层及用于产生超声换能器叠层的匹配层的方法

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