JPH1086406A - インクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録装置Info
- Publication number
- JPH1086406A JPH1086406A JP24671796A JP24671796A JPH1086406A JP H1086406 A JPH1086406 A JP H1086406A JP 24671796 A JP24671796 A JP 24671796A JP 24671796 A JP24671796 A JP 24671796A JP H1086406 A JPH1086406 A JP H1086406A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- piezoelectric element
- thickness
- ultrasonic wave
- backing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2/14008—Structure of acoustic ink jet print heads
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】超音波の放射圧を利用してインク滴を飛翔させ
るインクジェット記録装置において、インク滴の飛翔効
率を向上させ、記録スピードの高速化を図る。 【解決手段】圧電素子(11)を支持するバッキング材
(12)の厚さを、バッキング材(12)を伝搬する超
音波の1/2波長のn倍(nは5≦n≦50の整数)に
対して±20%以内になるようにする。
るインクジェット記録装置において、インク滴の飛翔効
率を向上させ、記録スピードの高速化を図る。 【解決手段】圧電素子(11)を支持するバッキング材
(12)の厚さを、バッキング材(12)を伝搬する超
音波の1/2波長のn倍(nは5≦n≦50の整数)に
対して±20%以内になるようにする。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は液体インクを液滴化
して被記録体上に飛翔させることにより画像を記録する
インクジェット記録装置に係わり、特に圧電素子により
放射される超音波ビームの圧力によりインク滴を吐出さ
せて被記録体上に飛翔させるインクジェット記録装置に
関する。
して被記録体上に飛翔させることにより画像を記録する
インクジェット記録装置に係わり、特に圧電素子により
放射される超音波ビームの圧力によりインク滴を吐出さ
せて被記録体上に飛翔させるインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】液体インクを液滴と呼ばれる小さな粒状
にして記録媒体上に飛翔させることにより画点を形成し
て画像を記録する装置は、インクジェットプリンタとし
て実用化されている。このインクジェットプリンタは他
の記録方式と比べて騒音が少なく、現像や定着などの処
理が不要であるという利点を有し、普通紙記録技術とし
て注目されている。現在までに数多くのインクジェット
プリンタの方式が提案されているが、特に、例えば特公
昭56−9429号公報や特公昭61−59911号公
報に開示されている発熱体の熱により発生する蒸気の圧
力でインク滴を飛翔させる方式、および例えば特公昭5
3−12138号公報に開示されている圧電体の変位に
よる圧力パルスによりインク滴を飛翔させる方式が代表
的なものである。
にして記録媒体上に飛翔させることにより画点を形成し
て画像を記録する装置は、インクジェットプリンタとし
て実用化されている。このインクジェットプリンタは他
の記録方式と比べて騒音が少なく、現像や定着などの処
理が不要であるという利点を有し、普通紙記録技術とし
て注目されている。現在までに数多くのインクジェット
プリンタの方式が提案されているが、特に、例えば特公
昭56−9429号公報や特公昭61−59911号公
報に開示されている発熱体の熱により発生する蒸気の圧
力でインク滴を飛翔させる方式、および例えば特公昭5
3−12138号公報に開示されている圧電体の変位に
よる圧力パルスによりインク滴を飛翔させる方式が代表
的なものである。
【0003】しかし、これらのインクジェットプリンタ
はノズルの先端からインクを飛翔さる方式を採用してい
るため、インク中の溶媒の蒸発や揮発によって局所的に
インクの濃縮が生じやすく、ノズルに目詰まりが生じる
という問題がある。さらに従来のインクジェットプリン
タでは、飛翔させるインク滴の粒径を小さくすることが
困難であり(直径20μm以下)、解像度を上げること
が困難であった。
はノズルの先端からインクを飛翔さる方式を採用してい
るため、インク中の溶媒の蒸発や揮発によって局所的に
インクの濃縮が生じやすく、ノズルに目詰まりが生じる
という問題がある。さらに従来のインクジェットプリン
タでは、飛翔させるインク滴の粒径を小さくすることが
困難であり(直径20μm以下)、解像度を上げること
が困難であった。
【0004】これらの欠点を克服するため、圧電素子に
よって発生する超音波ビームの圧力(放射圧)を用いて
インク液面からインクを飛翔させる方式が提案されてい
る(IBM TDB,vol.16,No.4,116
8頁(1973−10)米国特許第4,308,547
号、特開昭63−166548号公報、特開昭63−3
12157号公報、特開平2−184443号公報等参
照)。
よって発生する超音波ビームの圧力(放射圧)を用いて
インク液面からインクを飛翔させる方式が提案されてい
る(IBM TDB,vol.16,No.4,116
8頁(1973−10)米国特許第4,308,547
号、特開昭63−166548号公報、特開昭63−3
12157号公報、特開平2−184443号公報等参
照)。
【0005】しかし、これらの超音波を用いる方式で
は、インク滴を効率良く飛翔させることが困難であり、
そのため画像記録速度を向上させることができないとい
う問題があった。
は、インク滴を効率良く飛翔させることが困難であり、
そのため画像記録速度を向上させることができないとい
う問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように超音波
を用いたインクジェット記録装置は、ノズルの目詰まり
がなく高画質を達成し得る装置であるものの、その記録
速度を上げることが困難であるという問題がある。本発
明はこの問題を解決しようとするものであって、超音波
を用いたインクジェット記録装置において、高周波の超
音波を用いつつ少ない消費電力でインク滴の飛翔効率を
向上させることにより、圧電素子を駆動してからインク
滴が飛翔するまでの時間を短くし、もって記録速度の向
上を図ることを課題とする。
を用いたインクジェット記録装置は、ノズルの目詰まり
がなく高画質を達成し得る装置であるものの、その記録
速度を上げることが困難であるという問題がある。本発
明はこの問題を解決しようとするものであって、超音波
を用いたインクジェット記録装置において、高周波の超
音波を用いつつ少ない消費電力でインク滴の飛翔効率を
向上させることにより、圧電素子を駆動してからインク
滴が飛翔するまでの時間を短くし、もって記録速度の向
上を図ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、インク液を保持するインク保持室と、前
記インク液と音響的に接続される圧電素子からなる超音
波発生手段と、前記圧電素子を駆動する駆動手段と、前
記圧電素子から発生される超音波を前記インク液の液面
近傍に集束させる超音波集束手段と、前記圧電素子に対
して前記超音波集束手段の反対側に形成され前記圧電体
を支持するバッキング手段からなるインクジェット記録
装置において、前記バッキング手段の厚さtが、該バッ
キング手段を伝搬する超音波の波長λに対して、式 0.8×nλ/2<t<1.2×nλ/2 (1) (ここで、nは5≦n≦50の整数)の関係を満足する
ことを特徴とするインクジェット記録装置を提供するも
のである。
に、本発明は、インク液を保持するインク保持室と、前
記インク液と音響的に接続される圧電素子からなる超音
波発生手段と、前記圧電素子を駆動する駆動手段と、前
記圧電素子から発生される超音波を前記インク液の液面
近傍に集束させる超音波集束手段と、前記圧電素子に対
して前記超音波集束手段の反対側に形成され前記圧電体
を支持するバッキング手段からなるインクジェット記録
装置において、前記バッキング手段の厚さtが、該バッ
キング手段を伝搬する超音波の波長λに対して、式 0.8×nλ/2<t<1.2×nλ/2 (1) (ここで、nは5≦n≦50の整数)の関係を満足する
ことを特徴とするインクジェット記録装置を提供するも
のである。
【0008】本発明者らは、超音波の放射圧によりイン
ク滴を飛翔させるインクジェット記録装置において、従
来技術では達成できなかった記録スピードの高速化や高
解像度化を図るため、複数の圧電素子を所定間隔で配列
して構成し、その一部の圧電素子群(駆動素子群)に所
定の位相差を与えて駆動することによってインク液面に
超音波ビームを集束させてインク滴を飛翔させ、駆動素
子群を所定方向に移動させる駆動手段(リニア電子走査
手段)を具備したインクジェット記録装置を提案してき
た。しかし記録速度の高速化のためには、より一層の高
効率のインク滴飛翔が必要であり、実験やシミュレーシ
ョンによる検討を試みてきた。その結果、駆動パルスの
印加中にはインク滴が飛翔せずに、パルス印加時間の1
0倍もしくはそれ以上の時間を経過した後にインク滴が
飛翔することがわかった。この飛翔機構として、インク
液中に放射された超音波が、ヘッドの超音波放射面とイ
ンク液面との間で多重反射し、その結果生じた定在波に
より徐々にインク液面でメニスカスが成長して閾値を越
えるとインク滴が飛翔することが考えられた。すなわ
ち、駆動パルスとしては圧電素子の共振周波数に合わせ
たバースト波を用いるので、バースト波の幅を大きく、
かつ波数を多くすることが飛翔効率向上に有効である。
ク滴を飛翔させるインクジェット記録装置において、従
来技術では達成できなかった記録スピードの高速化や高
解像度化を図るため、複数の圧電素子を所定間隔で配列
して構成し、その一部の圧電素子群(駆動素子群)に所
定の位相差を与えて駆動することによってインク液面に
超音波ビームを集束させてインク滴を飛翔させ、駆動素
子群を所定方向に移動させる駆動手段(リニア電子走査
手段)を具備したインクジェット記録装置を提案してき
た。しかし記録速度の高速化のためには、より一層の高
効率のインク滴飛翔が必要であり、実験やシミュレーシ
ョンによる検討を試みてきた。その結果、駆動パルスの
印加中にはインク滴が飛翔せずに、パルス印加時間の1
0倍もしくはそれ以上の時間を経過した後にインク滴が
飛翔することがわかった。この飛翔機構として、インク
液中に放射された超音波が、ヘッドの超音波放射面とイ
ンク液面との間で多重反射し、その結果生じた定在波に
より徐々にインク液面でメニスカスが成長して閾値を越
えるとインク滴が飛翔することが考えられた。すなわ
ち、駆動パルスとしては圧電素子の共振周波数に合わせ
たバースト波を用いるので、バースト波の幅を大きく、
かつ波数を多くすることが飛翔効率向上に有効である。
【0009】ところで、圧電素子の共振によって発生し
た超音波はインク側だけではなくバッキング手段側にも
放射される。バッキング手段が存在すると、その空気よ
りも大きい音響インピーダンスのために圧電素子の振動
はダンピングされ、インク中に放射される超音波の振幅
はバッキング手段がない場合(エアバック)よりも小さ
くなる。しかし、バッキング手段を形成しないと、十分
な機械的強度を保ちつつ、数10μmと薄い圧電素子や
超音波集束手段などを形成することが困難である。特に
上記のように複数の圧電素子を配列した構成では、配列
が主走査方向(圧電素子の配列方向)に長くなるため非
常に難しい。またバッキング手段を形成せずに機械的強
度をもたせるために音響レンズ材を厚くすると、音響レ
ンズ材で超音波の滅衰や散乱が生じてインク滴の飛翔効
率が低下する。
た超音波はインク側だけではなくバッキング手段側にも
放射される。バッキング手段が存在すると、その空気よ
りも大きい音響インピーダンスのために圧電素子の振動
はダンピングされ、インク中に放射される超音波の振幅
はバッキング手段がない場合(エアバック)よりも小さ
くなる。しかし、バッキング手段を形成しないと、十分
な機械的強度を保ちつつ、数10μmと薄い圧電素子や
超音波集束手段などを形成することが困難である。特に
上記のように複数の圧電素子を配列した構成では、配列
が主走査方向(圧電素子の配列方向)に長くなるため非
常に難しい。またバッキング手段を形成せずに機械的強
度をもたせるために音響レンズ材を厚くすると、音響レ
ンズ材で超音波の滅衰や散乱が生じてインク滴の飛翔効
率が低下する。
【0010】これらの知見に基づいてさらに検討した結
果、本発明者等は、バッキング手段を所定の厚さとする
ことにより、機械的強度を維持して同一の投入電力でも
エアバックと同等以上の効率でインク滴が飛翔すること
を見い出した。
果、本発明者等は、バッキング手段を所定の厚さとする
ことにより、機械的強度を維持して同一の投入電力でも
エアバックと同等以上の効率でインク滴が飛翔すること
を見い出した。
【0011】すなわち、本発明のインクジェット記録装
置においては、バッキング手段の厚さtを、バッキング
手段を伝搬する超音波の波長をλとしたときに、nλ/
2(nは5≦n≦50の整数)の±20%の範囲以内と
する。tは、nλ/2の±10%の範囲内とすることが
特に好ましい。バッキング手段の厚さtを本発明で規定
する範囲の厚さにすると、インク液中に放射される超音
波の振幅は、バッキング手段がない場合よりも滅少する
が、バッキング手段裏面からの反射波が圧電素子の振動
と位相がそろって強め合う。その結果圧電素子の共振の
みでインク液中に放射される超音波の振幅よりも増大
し、インク滴飛翔効率が向上する。なお、nが50より
も大きくなると、バッキング手段中での滅衰や散乱、拡
散のために裏面からの反射波の振幅が小さくなり、圧電
素子の振動を強める効果は小さくなる。他方、nが5よ
りも小さいと、バッキング手段が薄くなるので、十分な
機械的強度を持って圧電体を支持することが難しくな
る。なお、バッキング材の厚さは、上記式(1)の範囲
内においてλ/2の整数倍であることが特に好ましい。
置においては、バッキング手段の厚さtを、バッキング
手段を伝搬する超音波の波長をλとしたときに、nλ/
2(nは5≦n≦50の整数)の±20%の範囲以内と
する。tは、nλ/2の±10%の範囲内とすることが
特に好ましい。バッキング手段の厚さtを本発明で規定
する範囲の厚さにすると、インク液中に放射される超音
波の振幅は、バッキング手段がない場合よりも滅少する
が、バッキング手段裏面からの反射波が圧電素子の振動
と位相がそろって強め合う。その結果圧電素子の共振の
みでインク液中に放射される超音波の振幅よりも増大
し、インク滴飛翔効率が向上する。なお、nが50より
も大きくなると、バッキング手段中での滅衰や散乱、拡
散のために裏面からの反射波の振幅が小さくなり、圧電
素子の振動を強める効果は小さくなる。他方、nが5よ
りも小さいと、バッキング手段が薄くなるので、十分な
機械的強度を持って圧電体を支持することが難しくな
る。なお、バッキング材の厚さは、上記式(1)の範囲
内においてλ/2の整数倍であることが特に好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】バッキング手段は、ガラス等の材
料で形成される。通常バッキング手段は、振動子である
圧電素子(超音波発生手段)の電極を介して直接接合さ
れるが、材質の異なる層(例えば接着層)をさらに介在
させて圧電素子に接合してもよい。このときも、インク
液中に放射される超音波と位相があうような厚さにする
ことが望ましい。
料で形成される。通常バッキング手段は、振動子である
圧電素子(超音波発生手段)の電極を介して直接接合さ
れるが、材質の異なる層(例えば接着層)をさらに介在
させて圧電素子に接合してもよい。このときも、インク
液中に放射される超音波と位相があうような厚さにする
ことが望ましい。
【0013】本発明は複数の圧電素子により一つの記録
画点を形成する場合だけではなく、一つの圧電素子で一
つの記録画点を形成する場合にも利用できる。圧電素子
アレイで構成する場合、複数の圧電素子から発生する複
数の超音波ビームを集束する手段(主走査方向の超音波
集束手段)としては、主に以下の2方式が用いられる。
一つは集束超音波ビームを形成するために駆動する複数
素子(同時駆動素子群)の各要素に所定の焦点を結ぶよ
うに所定の遅延時間で駆動する電子集束法であり、具体
的には同時駆動素子群の中心部の遅延時間が最も長く、
外側にいくにつれて徐々に短くする。もう一つは、フレ
ネル輪帯理論に基づいて同時駆動素子群を2種類にグル
ープ分けし、その一方を駆動するタイミングを他方に対
し位相をπだけシフトとする方法である(これをフレネ
ル駆動と呼ぶ)。なお、副走査方向(主走査方向と直交
する方向)の超音波集束度合が強ければ、主走査方向は
インク液面が近距離音場限界になるように複数素子を同
位相で駆動するのみで、遅延時間を与えて集束させなく
てもインク滴は飛翔するので、遅延時間を与えなくても
よい。
画点を形成する場合だけではなく、一つの圧電素子で一
つの記録画点を形成する場合にも利用できる。圧電素子
アレイで構成する場合、複数の圧電素子から発生する複
数の超音波ビームを集束する手段(主走査方向の超音波
集束手段)としては、主に以下の2方式が用いられる。
一つは集束超音波ビームを形成するために駆動する複数
素子(同時駆動素子群)の各要素に所定の焦点を結ぶよ
うに所定の遅延時間で駆動する電子集束法であり、具体
的には同時駆動素子群の中心部の遅延時間が最も長く、
外側にいくにつれて徐々に短くする。もう一つは、フレ
ネル輪帯理論に基づいて同時駆動素子群を2種類にグル
ープ分けし、その一方を駆動するタイミングを他方に対
し位相をπだけシフトとする方法である(これをフレネ
ル駆動と呼ぶ)。なお、副走査方向(主走査方向と直交
する方向)の超音波集束度合が強ければ、主走査方向は
インク液面が近距離音場限界になるように複数素子を同
位相で駆動するのみで、遅延時間を与えて集束させなく
てもインク滴は飛翔するので、遅延時間を与えなくても
よい。
【0014】副走査方向の超音波集束手段は、凹面レン
ズやフレネルレンズが用いられる。フレネルレンズは、
フレネル輪帯理論に基づく所定のピッチの溝を形成する
ことにより溝の上部と下部から放射される超音波の位相
をπシフトさせる。この溝は主走査方向に平行に形成さ
れる。超音波発生手段を構成する圧電体は、超音波の周
波数や素子の大きさなどによってチタン酸鉛(PT)、
ジルコン・チタン酸鉛(PZT)などのセラミックやフ
ッ化ビニリデンと三フッ化エチレンとの共重合体などの
高分子、ニオブ酸リチウムなどの単結晶、酸化亜鉛など
の圧電性半導体などが用いられる。この圧電体に電極を
形成することにより圧電素子が得られるが、この電極を
形成するには、Ti、Ni、Al、Cu、Au等の蒸着
やスパッタによる薄膜法、ガラスフリットを銀ぺ一スト
に混合したスクリーン印刷による焼き付け法などが用い
られる。
ズやフレネルレンズが用いられる。フレネルレンズは、
フレネル輪帯理論に基づく所定のピッチの溝を形成する
ことにより溝の上部と下部から放射される超音波の位相
をπシフトさせる。この溝は主走査方向に平行に形成さ
れる。超音波発生手段を構成する圧電体は、超音波の周
波数や素子の大きさなどによってチタン酸鉛(PT)、
ジルコン・チタン酸鉛(PZT)などのセラミックやフ
ッ化ビニリデンと三フッ化エチレンとの共重合体などの
高分子、ニオブ酸リチウムなどの単結晶、酸化亜鉛など
の圧電性半導体などが用いられる。この圧電体に電極を
形成することにより圧電素子が得られるが、この電極を
形成するには、Ti、Ni、Al、Cu、Au等の蒸着
やスパッタによる薄膜法、ガラスフリットを銀ぺ一スト
に混合したスクリーン印刷による焼き付け法などが用い
られる。
【0015】圧電素子とインクとの音響的マッチングを
取るために、音響マッチング層を設けることことが望ま
しい。音響マッチング層の音響インピーダンスは、圧電
素子の音響インピーダンスZp とインク液の音響インピ
ーダンスZi との積の平方根に近い値の音響インピーダ
ンスを持つ材料で形成することが好ましい。音響マッチ
ング材料として、エポキシ樹脂やポリイミド等の高分子
材料、またはそれらに音響インピーダンスを変化させる
ために繊維などを混入したもの、あるいはアルミナやタ
ングステンなどの粉末を混合したものを例示することが
できる。さらに音響マッチング層は、二酸化ケイ素等を
スパッタ法やCVD法で成膜することによって形成して
もよい。音響マッチング層の厚さtm は、式 tm ={(2m+1)/4}×λm (2) (ここで、mは0以上の整数、λm は、超音波周波数で
決まる音響マッチング層内の波長)で与えられるが、そ
の計算値の±20%の範囲内の厚さは許容される。な
お、マッチング層がフレネルレンズを構成する場合、λ
m は、式 1/{(1/λink )−(1/λm )}={(2m+1)/2}×λm (3) (ここで、λink は、インク液中での超音波の波長、λ
m およびmは式(2)に同じ)をもほぼ満足することが
好ましい。
取るために、音響マッチング層を設けることことが望ま
しい。音響マッチング層の音響インピーダンスは、圧電
素子の音響インピーダンスZp とインク液の音響インピ
ーダンスZi との積の平方根に近い値の音響インピーダ
ンスを持つ材料で形成することが好ましい。音響マッチ
ング材料として、エポキシ樹脂やポリイミド等の高分子
材料、またはそれらに音響インピーダンスを変化させる
ために繊維などを混入したもの、あるいはアルミナやタ
ングステンなどの粉末を混合したものを例示することが
できる。さらに音響マッチング層は、二酸化ケイ素等を
スパッタ法やCVD法で成膜することによって形成して
もよい。音響マッチング層の厚さtm は、式 tm ={(2m+1)/4}×λm (2) (ここで、mは0以上の整数、λm は、超音波周波数で
決まる音響マッチング層内の波長)で与えられるが、そ
の計算値の±20%の範囲内の厚さは許容される。な
お、マッチング層がフレネルレンズを構成する場合、λ
m は、式 1/{(1/λink )−(1/λm )}={(2m+1)/2}×λm (3) (ここで、λink は、インク液中での超音波の波長、λ
m およびmは式(2)に同じ)をもほぼ満足することが
好ましい。
【0016】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照してさらに説明する。図1は、本発明の第1の実施
の形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。
図1において、超音波発生手段を構成する平板状圧電体
11が、バッキング材としてのガラス基板12上に形成
されている。圧電体11は、超音波の周波数やサイズに
応じて、上に説明した材料で形成されている。
参照してさらに説明する。図1は、本発明の第1の実施
の形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。
図1において、超音波発生手段を構成する平板状圧電体
11が、バッキング材としてのガラス基板12上に形成
されている。圧電体11は、超音波の周波数やサイズに
応じて、上に説明した材料で形成されている。
【0017】圧電体11の下面には、互いに分離した複
数の個別電極13がそれぞれ設けられており、これら個
別電極13に対応するように個々の圧電素子が配列さ
れ、圧電素子アレイを構成する。図から明らかなよう
に、個別電極13は、それぞれバッキング材12上に延
在している。圧電素子アレイの上面には、個々の圧電素
子11に共通の共通電極14が形成されている。これら
電極13および14は、上で説明した材料により形成さ
れている。
数の個別電極13がそれぞれ設けられており、これら個
別電極13に対応するように個々の圧電素子が配列さ
れ、圧電素子アレイを構成する。図から明らかなよう
に、個別電極13は、それぞれバッキング材12上に延
在している。圧電素子アレイの上面には、個々の圧電素
子11に共通の共通電極14が形成されている。これら
電極13および14は、上で説明した材料により形成さ
れている。
【0018】図1では、超音波発生手段は、平板状圧電
体11により構成されているが、超音波発生手段は、複
数の分離した圧電体を用いた個別圧電素子により構成さ
れていてもい。
体11により構成されているが、超音波発生手段は、複
数の分離した圧電体を用いた個別圧電素子により構成さ
れていてもい。
【0019】個別電極13は、ボンデイングワイヤ15
により駆動回路16に接続され、共通電極14も配線パ
ターン(図示せず)を介して駆動回路16に接続されて
いる。
により駆動回路16に接続され、共通電極14も配線パ
ターン(図示せず)を介して駆動回路16に接続されて
いる。
【0020】なお、個別電極13を圧電素子アレイの上
面に形成し、共通電極14を圧電素子アレイの下面に形
成するようにしてもよい。共通電極14を介して圧電素
子11の上には、音響マッチング層を兼ねた音響レンズ
としての一次元のフレネルレンズ17が形成されてい
る。また、フレネルレンズ17の上には、インク液19
を収容するインク保持室18が形成され、インク保持室
18の上面は、スリット状に開口している。
面に形成し、共通電極14を圧電素子アレイの下面に形
成するようにしてもよい。共通電極14を介して圧電素
子11の上には、音響マッチング層を兼ねた音響レンズ
としての一次元のフレネルレンズ17が形成されてい
る。また、フレネルレンズ17の上には、インク液19
を収容するインク保持室18が形成され、インク保持室
18の上面は、スリット状に開口している。
【0021】フレネルレンズ17は、フレネルの輪帯理
論に基づいて所定のピッチで溝を形成することにより、
溝の上面と底面から放射される超音波の位相をπシフト
させるものであり、溝は、個別電極13により区分され
た圧電素子11の配列方向に平行に形成される。
論に基づいて所定のピッチで溝を形成することにより、
溝の上面と底面から放射される超音波の位相をπシフト
させるものであり、溝は、個別電極13により区分され
た圧電素子11の配列方向に平行に形成される。
【0022】本例では、フレネルレンズ17は、音響マ
ッチング層をも兼ねるものである。音響マッチング層
は、圧電素子11とインク液19とを音響的にマッチン
グさせるものであり、その厚さは、tm は、既述の通
り、上記式(2)で与えられるが、その計算値の±20
%の範囲内の厚さは許容される。なお、本例の如く、マ
ッチング層がフレネルレンズを構成する場合、λm は、
既述の通り、上記式(3)をもほぼ満足することが好ま
しい。
ッチング層をも兼ねるものである。音響マッチング層
は、圧電素子11とインク液19とを音響的にマッチン
グさせるものであり、その厚さは、tm は、既述の通
り、上記式(2)で与えられるが、その計算値の±20
%の範囲内の厚さは許容される。なお、本例の如く、マ
ッチング層がフレネルレンズを構成する場合、λm は、
既述の通り、上記式(3)をもほぼ満足することが好ま
しい。
【0023】なお、超音波の集束方法および圧電素子の
駆動方法については、すでに述べた通りである。図2
は、本発明の第2の実施の形態に係わるインクジェット
記録装置のヘッド部の断面図である。図2のヘッド部
は、バッキング材12上に接着剤層31を介して圧電体
11が形成されている以外は、図1の示す構造のものと
同じである。接着剤層31としては、例えばエポキシ樹
脂を用いることができる。
駆動方法については、すでに述べた通りである。図2
は、本発明の第2の実施の形態に係わるインクジェット
記録装置のヘッド部の断面図である。図2のヘッド部
は、バッキング材12上に接着剤層31を介して圧電体
11が形成されている以外は、図1の示す構造のものと
同じである。接着剤層31としては、例えばエポキシ樹
脂を用いることができる。
【0024】図3は、本発明の第3の実施の形態に係わ
るインクジェット記録装置のヘッド部の断面図である。
図3のヘッド部は、フレネルレンズ17を構成する溝
が、レンズ層を貫通し、その底面が下地の共通電極層1
4を露出させている以外は、図2に示す構造のものと同
じである。この場合、溝部を除く部分のみが音響マッチ
ング層として作用する。
るインクジェット記録装置のヘッド部の断面図である。
図3のヘッド部は、フレネルレンズ17を構成する溝
が、レンズ層を貫通し、その底面が下地の共通電極層1
4を露出させている以外は、図2に示す構造のものと同
じである。この場合、溝部を除く部分のみが音響マッチ
ング層として作用する。
【0025】図4は、本発明の第4の実施の形態に係わ
るインクジェット記録装置のヘッド部の断面図である。
図4のヘッド部は、共通電極14の上に、音響レンズと
してフレネルレンズの代りに通常の凹面音響レンズ41
を設け、その上にフレネルレンズ17に関して説明した
音響マッチング材料で形成されたを音響マッチング層4
2を設けた以外は、図1に示す構造のものと同じであ
る。
るインクジェット記録装置のヘッド部の断面図である。
図4のヘッド部は、共通電極14の上に、音響レンズと
してフレネルレンズの代りに通常の凹面音響レンズ41
を設け、その上にフレネルレンズ17に関して説明した
音響マッチング材料で形成されたを音響マッチング層4
2を設けた以外は、図1に示す構造のものと同じであ
る。
【0026】図5は、本発明の第5の実施の形態に係わ
るインクジェット記録装置のヘッド部の断面図である。
図5のヘッド部は、基板12を凹面形状に形成し、これ
に沿って個別電極13、圧電素子11、共通電極14、
音響マッチング層51を設けた構造を有する。この場
合、凹面を形成する音響マッチング層51が音響レンズ
としても作用する。
るインクジェット記録装置のヘッド部の断面図である。
図5のヘッド部は、基板12を凹面形状に形成し、これ
に沿って個別電極13、圧電素子11、共通電極14、
音響マッチング層51を設けた構造を有する。この場
合、凹面を形成する音響マッチング層51が音響レンズ
としても作用する。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 実施例1 この実施例では、図2に示す構造のヘッド部を備えたイ
ンクジェット記録装置を作成した。
ンクジェット記録装置を作成した。
【0028】圧電体11として、厚さ約0.5mmで比
誘電率2000のPZT系圧電セラミツクを用いた。そ
の両面にTi/Auをそれぞれの厚さが0.05μmお
よび0.2μmとなるようにスパッタにより形成し、3
kV/mmの電界を印加して分極処理を行った。その後
エッチングにより、1素子の幅が60μmで、電極間隔
が25μm(個別電極の配列ピッチ85μm)となるよ
うに個別電極13を形成した。
誘電率2000のPZT系圧電セラミツクを用いた。そ
の両面にTi/Auをそれぞれの厚さが0.05μmお
よび0.2μmとなるようにスパッタにより形成し、3
kV/mmの電界を印加して分極処理を行った。その後
エッチングにより、1素子の幅が60μmで、電極間隔
が25μm(個別電極の配列ピッチ85μm)となるよ
うに個別電極13を形成した。
【0029】一方、ガラス製パッキング材12にTi/
Auのアレイ電極を形成しておき、顕微鏡下で、圧電セ
ラミック11上に形成した個別電極13とガラス製バッ
キング材上に形成したアレイ電極の位置合わせを行いな
がら、両者をエポキシ樹脂31で接着し、両電極が導通
するようにした。なお、バッキング材は、約6000m
/秒の音速を有し、厚さが1.20mmであった。した
がって、駆動周波数50MHzではバッキング材を伝搬
する超音波波長が120μmとなるので、厚さ1.20
mmは、1/2波長(60μm)の20倍となる(式
(1)においてn=20)。
Auのアレイ電極を形成しておき、顕微鏡下で、圧電セ
ラミック11上に形成した個別電極13とガラス製バッ
キング材上に形成したアレイ電極の位置合わせを行いな
がら、両者をエポキシ樹脂31で接着し、両電極が導通
するようにした。なお、バッキング材は、約6000m
/秒の音速を有し、厚さが1.20mmであった。した
がって、駆動周波数50MHzではバッキング材を伝搬
する超音波波長が120μmとなるので、厚さ1.20
mmは、1/2波長(60μm)の20倍となる(式
(1)においてn=20)。
【0030】ついで、圧電セラミック体11を厚さ50
μmになるまで研磨した後、Al共通電極14をスパッ
タ法で形成した。このとき、副走査方向の電極の長さ、
すなわち口径は1.5mmとした。
μmになるまで研磨した後、Al共通電極14をスパッ
タ法で形成した。このとき、副走査方向の電極の長さ、
すなわち口径は1.5mmとした。
【0031】次に、エポキシ樹脂とアルミナ粉末とを音
速が3×103 m/秒近傍になるような割合で配合し、
密度2.20×103 kg/m3 、音速2.95×10
3 m/秒の混合物を得た。これを共通電極14の表面に
塗布して硬化させ、厚さが約45μmになるように研磨
した。その後、焦点距離が3.5mmになるように深さ
1/2波長(約30μm)の溝を主走査方向に平行に形
成してフレネルレンズ17を形成した。さらに超音波放
射面とインク液面との距離がほぼ3.5mmとなる側壁
と駆動回路を構成して、インクジェット記録装置を完成
した。
速が3×103 m/秒近傍になるような割合で配合し、
密度2.20×103 kg/m3 、音速2.95×10
3 m/秒の混合物を得た。これを共通電極14の表面に
塗布して硬化させ、厚さが約45μmになるように研磨
した。その後、焦点距離が3.5mmになるように深さ
1/2波長(約30μm)の溝を主走査方向に平行に形
成してフレネルレンズ17を形成した。さらに超音波放
射面とインク液面との距離がほぼ3.5mmとなる側壁
と駆動回路を構成して、インクジェット記録装置を完成
した。
【0032】次に、比較例1として、バッキング材の厚
さを1.23mmとした以外は、実施例1とまったく同
様のインクジェット記録装置を作製した。以上作製した
2つの記録装置を用いて、インク滴の飛翔実験を行っ
た。まず、実施例1のインクジェット記録装置を用いて
主走査方向に直線を引いて100%インク滴が飛翔する
条件のうち、駆動電圧が低く、かつバースト波数が少な
い条件を選び、この条件下で比較例1の記録装置の飛翔
実験を試みたところ、直線が引けず抜けが生じ、飛翔し
た割合は15%程度であった。すなわち、実施例1の記
録装置の方が、比較例1の記録装置よりも飛翔効率がは
るかに優れたものであった。
さを1.23mmとした以外は、実施例1とまったく同
様のインクジェット記録装置を作製した。以上作製した
2つの記録装置を用いて、インク滴の飛翔実験を行っ
た。まず、実施例1のインクジェット記録装置を用いて
主走査方向に直線を引いて100%インク滴が飛翔する
条件のうち、駆動電圧が低く、かつバースト波数が少な
い条件を選び、この条件下で比較例1の記録装置の飛翔
実験を試みたところ、直線が引けず抜けが生じ、飛翔し
た割合は15%程度であった。すなわち、実施例1の記
録装置の方が、比較例1の記録装置よりも飛翔効率がは
るかに優れたものであった。
【0033】次に、比較例1のインクジェット記録装置
を用いてバースト波数を変えることにより100%イン
ク滴が飛翔するようにした。バースト波数は多くするこ
とになり、その結果繰り返し周期も長くする必要が生じ
た。この条件で実施例1の記録装置と記録速度を比較し
たところ、実施例1の記録装置の方が比較例1の約65
%の時間で同じ内容を印刷することができ、記録速度の
高速化が図られた。
を用いてバースト波数を変えることにより100%イン
ク滴が飛翔するようにした。バースト波数は多くするこ
とになり、その結果繰り返し周期も長くする必要が生じ
た。この条件で実施例1の記録装置と記録速度を比較し
たところ、実施例1の記録装置の方が比較例1の約65
%の時間で同じ内容を印刷することができ、記録速度の
高速化が図られた。
【0034】実施例2 ガラス製バッキング材の厚さを2.55mmとした以外
は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録装
置を作製した。この場合、バッキング材の厚さ2.55
mmは、1/2波長の0.85×50倍に相当する。実
施例2の記録装置は、実施例1の記録装置に比べてバッ
キング材の厚さが厚いことと、1/2波長の整数倍から
ずれていることからインク滴の飛翔効率は劣っていた。
それでも印加電圧とバースト波数を変えることにより、
100%インク滴を飛翔させることは可能であった。
は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録装
置を作製した。この場合、バッキング材の厚さ2.55
mmは、1/2波長の0.85×50倍に相当する。実
施例2の記録装置は、実施例1の記録装置に比べてバッ
キング材の厚さが厚いことと、1/2波長の整数倍から
ずれていることからインク滴の飛翔効率は劣っていた。
それでも印加電圧とバースト波数を変えることにより、
100%インク滴を飛翔させることは可能であった。
【0035】次に比較例2として、バッキング材12は
形成せず、機械的強度をもたせるために、フレネルレン
ズをその下面から凸面までの厚さが2mmとなるように
した以外は実施例2と同様のインクジェット記録装置を
作製した。
形成せず、機械的強度をもたせるために、フレネルレン
ズをその下面から凸面までの厚さが2mmとなるように
した以外は実施例2と同様のインクジェット記録装置を
作製した。
【0036】この両者の記録装置を用い、実施例1と同
様にインク滴の飛翔効率の比較を行った。まず、実施例
2のインクジェット記録装置においてインク滴が100
%飛翔する駆動条件で比較例2の記録装置を駆動したと
ころ、約10%インク滴が飛翔しなかった。次に比較例
2の記録装置を用いてバースト波数を変えることにより
100%インク滴が飛翔するようにして、実施例2の記
録装置と記録速度を比較した。その結果、実施例2の記
録装置の方が約80%の時間で同じ内容を印刷すること
ができ、記録速度の高速化が図られた。
様にインク滴の飛翔効率の比較を行った。まず、実施例
2のインクジェット記録装置においてインク滴が100
%飛翔する駆動条件で比較例2の記録装置を駆動したと
ころ、約10%インク滴が飛翔しなかった。次に比較例
2の記録装置を用いてバースト波数を変えることにより
100%インク滴が飛翔するようにして、実施例2の記
録装置と記録速度を比較した。その結果、実施例2の記
録装置の方が約80%の時間で同じ内容を印刷すること
ができ、記録速度の高速化が図られた。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明ではバッキン
グ手段の厚さが実質的に1/2波長の整数倍になるよう
にしたことにより、インク液面における放射圧の増幅効
果が促進されて少ない駆動電圧、少ないバースト数でイ
ンク滴飛翔の高効率化が図られ、記録速度の高速化や低
消費電力化が達成される。
グ手段の厚さが実質的に1/2波長の整数倍になるよう
にしたことにより、インク液面における放射圧の増幅効
果が促進されて少ない駆動電圧、少ないバースト数でイ
ンク滴飛翔の高効率化が図られ、記録速度の高速化や低
消費電力化が達成される。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインクジェッ
ト記録装置の構成を示す斜視図。
ト記録装置の構成を示す斜視図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るインクジェッ
ト記録装置の構成を示す断面図。
ト記録装置の構成を示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るインクジェッ
ト記録装置の構成を示す断面図。
ト記録装置の構成を示す断面図。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るインクジェッ
ト記録装置の構成を示す断面図。
ト記録装置の構成を示す断面図。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係るインクジェッ
ト記録装置の構成を示す断面図。
ト記録装置の構成を示す断面図。
11…圧電素子 12…バッキング材 13…個別電極 14…共通電極 15…ボンディングワイヤ 16…駆動回路 17…フレネルレンズ 18…インク保持室 19…インク液 31…接着剤層 41…凹面音響レンズ 42,51…音響マッチング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 紀子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 八木 均 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内
Claims (1)
- 【請求項1】 インク液を保持するインク保持室と、前
記インク液と音響的に接続される圧電素子からなる超音
波発生手段と、前記圧電素子を駆動する駆動手段と、前
記圧電素子から発生される超音波を前記インク液の液面
近傍に集束させる超音波集束手段と、前記圧電素子に対
して前記超音波集束手段の反対側に形成され前記圧電素
子を支持するバッキング手段からなるインクジェット記
録装置において、前記バッキング手段の厚さtが、該バ
ッキング手段を伝搬する超音波の波長λに対して、0.
8×nλ/2<t<1.2×nλ/2(nは5≦n≦5
0の整数)であることを特徴とするインクジェット記録
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24671796A JPH1086406A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24671796A JPH1086406A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1086406A true JPH1086406A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17152608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24671796A Pending JPH1086406A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1086406A (ja) |
-
1996
- 1996-09-18 JP JP24671796A patent/JPH1086406A/ja active Pending
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