JP3432656B2 - 白色フィルム - Google Patents

白色フィルム

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JP3432656B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化チタンを含
有してなる白色ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレフォンカード、ハイウェイカ
ードなどプリペイドカード、紙代替のためのポリエステ
ル系合成紙、あるいは飲料缶被覆用フィルムとして二酸
化チタンを白色顔料として含有してなる白色フィルムが
使用されるようになってきている。現在主として白色ポ
リエステルフィルムに含有される二酸化チタンはアナタ
ーゼ型である。白色塗料などで用いられることの多いル
チル型二酸化チタンの方が隠蔽力が優れているが、意匠
性が重要視されることの多い白色フィルム分野では、黄
味の少なくまた分散性に優れたアナターゼ型が用いられ
ていることがほとんどである。一方、飲料缶外面被覆用
途では被覆層厚みを厚くすることができないため、薄く
せざるを得ず、そのため隠蔽力が高くなければならず、
また耐候性も必要となるためルチル型を用いる場合が多
いが、色目調整のために青系の染料や蛍光増白剤を添加
しなければならずコストアップの要因となったり、ある
いはアナターゼ型より凝集塊を生じやすいため、溶融押
出に用いるフィルターが詰まりやすく、やはりコストア
ップの要因となってしまうことが多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 色調および隠蔽性に
優れ、低コストの白色ポリエステルフィルムであって
料缶被覆用として好適なフィルムを提供することが本
発明の解決課題である。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者は、上記課題を解決す
べく鋭意検討した結果、特定の粒子の組み合わせによっ
て、、色調および隠蔽性に優れた白色ポリエステルフィ
ルムが得られることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0005】 すなわち、本発明の要旨は、アナターゼ
型の二酸化チタンとルチル型の二酸化チタンを含有する
白色ポリエステルフィルムであって、アナターゼ型の二
酸化チタンとルチル型の二酸化チタンの重量比が1:9
〜9:1であり、白色度が80以上であることを特徴と
する飲料缶被覆層用白色ポリエステルフィルムに存す
る。
【0006】以下、発明を詳細に説明する。本発明にい
うポリエステルとはジカルボン酸とグリコールとが重縮
合されたポリマーであって、ジカルボン酸の例として、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸、あるいはアジピン酸、セバ
シン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸等の脂肪
族ジカルボン酸が挙げられ、グリコールの例として、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙
げられる。これらの中でもジカルボン酸として、テレフ
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸の1種以上と、グリコールとして、エチレングリコー
ル、1,4ーブタンジオールのいずれかもしくは両者を
重縮合したものが本発明の白色ポリエステルに用いられ
る素材としては一般的である。
【0007】本発明にいう二酸化チタンとは、チタン金
属元素に酸素原子が6配位した八面体の稜が共有された
構造をとる無機化合物いうが、若干量の他成分を含有し
ていてもよい。この場合、他成分の含有率は20%を超
えると二酸化チタンとしての特性が損なわれる可能性が
ある。本発明の二酸化チタンは、一般工業的に行われて
いるような、イルメナイトから製造されたものも好適で
あるが、天然二酸化チタン、例えば金紅石などから得ら
れたものであってもよい 本発明の二酸化チタンは白色顔料として、あるいは隠蔽
素材として用いられるので、可視光との相互作用の強い
粒径を有していることが好ましい。すなわち、本発明の
二酸化チタンの平均粒径は、いずれの結晶型であって
も、0.15〜0.40μm、さらには0.20〜0.
35μmの範囲にあることが好ましい。これは、二酸化
チタンの隠蔽能力が可視光の散乱によるものであるた
め、対象波長の1/2で散乱係数が最も高くなり隠蔽能
力が最大となるが、可視光の波長域が400〜700n
mであるので、上記範囲が好ましい。
【0008】 本発明でいう白色フィルムとは、白色度
が80以上、好ましくは90以上である。白色度が80
に達しない場合は、隠蔽性が不足したり、明度が不足す
るため、飲料缶被覆の用途に適さず好ましくない。本発
明の白色フィルムには、二酸化チタンが1〜25重量
%、さらには5〜15重量%含有されていることが好ま
しい。含有量が1重量%に満たないと、十分な白色性が
得られない恐れがある。また、含有量が25重量%を超
えると、通常一般的にポリエステルフィルムとして要求
される機械的性質、例えば引張強度あるいは靭性が不十
分となる傾向がある。本発明の白色フィルムには、アナ
ターゼ型二酸化チタンとルチル型二酸化チタンが共存し
ていることに特徴があるが、アナターゼ型二酸化チタン
とルチル型二酸化チタンの配合比は1:9〜9:1であ
り、好ましくは3:7〜7:3である。アナターゼ型二
酸化チタンの配合比率が1割に達しないと、溶融押出時
に凝集塊によるフィルター目詰まりが起きたり、製造上
問題が生ずる。ルチル型二酸化チタンの配合比率が1割
に達しないと隠蔽性に劣るため好ましくない。
【0009】本発明の白色フィルムは要すれば複数の層
から構成されていてもよい。また、内部に二酸化チタン
以外の有機・無機添加物、例えばシリカのような無機化
合物や蛍光増白剤のような有機化合物などを含有してい
てもよく、さらに合成紙として用いられるポリエステル
フィルムのように空孔を有していてもよい。本発明のポ
リエステルフィルムは、本発明の構成を満足する限りに
おいて、製造方法は問わないが、参考のためその一例を
示す。まず二酸化チタンを含有させなければならない
が、重合して得られたポリエステルに粉体の二酸化チタ
ンを二軸混練機で混練する手法が一般的である。数重量
%程度の低濃度添加であれば、重合時に二酸化チタンを
スラリー添加することもできる。また、製膜工程で溶融
押出するに際してポリエステルペレットと二酸化チタン
あるいは二酸化チタン含有スラリーを溶融混練すること
もできる。前述各種手法によって二酸化チタンを含有し
たポリエステルを溶融状態でTダイより押し出し、速や
かにガラス転移点未満に急冷して、実質的に無定形のフ
ィルムを得る。引き続きかかる無定形フィルムをロール
延伸機あるいはテンター延伸機によりガラス転移点以上
の温度で縦横にそれぞれ2〜6倍程度延伸を施し、要す
れば引き続き熱固定を行う。
【0010】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。本発明における評価方法は下記のとおりである。 (1)連続製膜時間 押出機内フィルター前の樹脂圧が著しく上昇した時にフ
ィルターを取り出し、SEM−EDXにて目詰まりの原
因となったものの観察および元素分析を行い、二酸化チ
タンの凝集塊のため樹脂圧が著しく上昇するまでの時間
を連続製膜時間とした。 (2)色目 得られたフィルムを東京電色(株)製カラーアナライザ
ーTC−1800MK2にてb*値を測定した。b*値
が1以下を○、b*値が1〜3を△、b*値が3を超え
るものを×とした。 (3)白色度 得られたフィルムを東京電色(株)製カラーアナライザ
ーTC−1800MKIIにてL*値、a*値、b*値を
測定し、下式に従って白色度を求めた。
【数1】白色度=100−((100−L*)2 +a*
2 +b*20.5
【0011】(ポリエステルの準備) ポリエステルA 常法にて実質的に添加粒子を含有しない、極限粘度0.
70のポリエチレンテレフタレートを得た。 ポリエステルB 常法にて平均粒径2.5μmの無定形シリカを3重量%
含有し、極限粘度が0.70であるポリエチレンテレフ
タレートを得た。 ポリエステルC ベント式二軸押出機を用いてポリエステルAに平均粒径
0.21μmのルチル型二酸化チタンを50重量%混練
含有させ、極限粘度0.69のポリエチレンテレフタレ
ートを得た。 ポリエステルD ベント式二軸押出機を用いてポリエステルAに平均粒径
0.33μmのアナターゼ型二酸化チタン50重量%混
練含有させ、極限粘度0.69のポリエチレンテレフタ
レートを得た。 ポリエステルE 常法にて実質的に添加粒子を含有しないポリエステルで
あって、エチレンテレフタレート単位とエチレンイソフ
タレート単位が75:25の割合でランダム共重合さ
れ、極限粘度が0.72でありポリエステルを得た。
【0012】(フィルムの製造)原料ポリエステルペレ
ットを押出機にて溶融押出したものを冷却ドラム上でガ
ラス転移点未満の温度まで急冷し無定形フィルムを得
る。溶融押出時に日本精線(株)製フィルターNF−1
0Dで濾過面積10m2 で融液を濾過した。無定形フィ
ルムをロール延伸機にて無定形フィルムを縦方向に80
℃で3倍延伸し、さらにテンター延伸機で100℃で4
倍延伸し、引き続きテンター内で220℃で熱固定を行
う。
【0013】実施例1 ポリエステルA〜Dをそれぞれ重量比率で65%、15
%、10%、10%を混合し、厚み190μmのポリエ
ステルフィルムを得た。連続製膜時間は13日だった。 実施例2 ポリエステルA〜Eをそれぞれ重量比率で20%、15
%、5%、15%、45%を混合し、厚み20μmのポ
リエステルフィルムを得た。連続製膜時間は8日だっ
た。 実施例3 ポリエステルA〜D、およびポリプロピレンをそれぞれ
重量比率で66%、15%、2%、4%、13%を混合
し、厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。連続
製膜時間は10日で、比重は0.9g/cm3 だった。
【0014】比較例1 ポリエステルA〜Cをそれぞれ重量比率で65%、15
%、20%を混合し、厚み190μmのポリエステルフ
ィルムを得た。連続製膜時間は3日だった。 比較例2 ポリエステルA,B,Dをそれぞれ重量比率で65%、
15%、20%を混合し、厚み190μmのポリエステ
ルフィルムを得た。連続製膜時間は13日だった。 比較例3 ポリエステルA〜Dをそれぞれ重量比率で84%、15
%、0.5%、0.5%を混合し、厚み180μmのポ
リエステルフィルムを得た。連続製膜時間は25日だっ
た。以上、得られた結果をまとめて下記表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明の白色ポリエステルフィルムは色
調に優れ、製造においても凝集塊による押出機内フィル
ター目詰まりが少なく、また製造コストも低減され、本
発明の工業的価値は非常に大きい。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナターゼ型の二酸化チタンとルチル型
    の二酸化チタンを含有する白色ポリエステルフィルムで
    あって、アナターゼ型の二酸化チタンとルチル型の二酸
    化チタンの重量比が1:9〜9:1であり、白色度が8
    0以上であることを特徴とする飲料缶被覆層用白色ポリ
    エステルフィルム。
  2. 【請求項2】 二酸化チタンの総含有量がフィルム全体
    の1〜25重量%である請求項1記載の白色ポリエステ
    ルフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムの比重が1.1以下である請求
    項1または2記載の白色ポリエステルフィルム
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