JP3432092B2 - 光ディスク原盤処理方法及び処理装置 - Google Patents

光ディスク原盤処理方法及び処理装置

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JP3432092B2
JP3432092B2 JP29856596A JP29856596A JP3432092B2 JP 3432092 B2 JP3432092 B2 JP 3432092B2 JP 29856596 A JP29856596 A JP 29856596A JP 29856596 A JP29856596 A JP 29856596A JP 3432092 B2 JP3432092 B2 JP 3432092B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの原盤
を作製する工程において1つの装置内で複数の処理が連
続的にかつ自動的に行われるインライン装置において、
ガラス基板等の上に各種の薬液を順次塗布する光ディス
ク原盤処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクの原盤を作製する工程を「マ
スタリング」といい、この工程で最終的に「スタンパ
ー」と呼ばれるニッケル等の金属の原盤が作製される。
このスタンパーが後の成形工程で金型として用いられ、
大量のディスクの複製が生産される。マスタリングの工
程を簡単に説明すると、まず研磨されたガラス基板を洗
浄し、その上にフォトレジストと呼ばれる感光材を塗布
する。その後、記録する信号で変調されたレーザー光を
レンズでサブミクロン単位の小さな径に絞り、ガラス盤
に露光する。露光後、ガラス盤の上に現像液をかけて露
光部分をエッチングし、微細な凹凸のパターンをフォト
レジスト上に形成する。その上に無電解メッキと呼ばれ
る方法でニッケルの薄い膜を形成する。この導電膜は後
の電気メッキ時の電極として作用する。電気メッキでガ
ラス盤の上にニッケル金属層を0.3ミリメートルほど
の厚さに形成する。このニッケル金属層を剥離したもの
がマスタースタンパーとなる。通常はこれを加工して金
型とする。マスタリング工程では前述のように複数の処
理が連続的に行われるが、最近は「インライン装置」と
称して、それらを一つの装置内で自動で行うものが用い
られている。
【0003】上記のようなインライン工程では、レーザ
ー光による露光以外は主としてガラス盤に処理液をかけ
て行う湿式処理が行われている。つまり、ガラス盤の洗
浄、フォトレジストの密着性を上げるための密着強化剤
の塗布とフォトレジストの塗布、現像液をかけての現
像、無電解メッキのための数種類の前処理液の塗布、無
電解メッキ液の塗布、純水によるリンスなどの湿式処理
である。従来それらの工程はそれぞれ専用のチャンバー
で行われていた。その理由の一つは、同じチャンバー内
で異なった処理をすると、使用する異種の薬液が混じり
合い好ましくない反応を起こす可能性があるからであ
る。例えば、フォトレジストの密着強化剤のある種のも
のは、その溶剤蒸気が空気中の水分と反応し、レジスト
の感度を低下させる副生成物を生じる。このような密着
強化剤を使用する場合は、それぞれ別のチャンバーで処
理するか、または同じチャンバーで処理する場合は、ガ
ラス盤から振り飛ばされてインナーカップ内に付着して
いる密着強化剤が溶剤蒸気を出さないまでインナーカッ
プ内を十分に排気乾燥させる必要があった。また、無電
解メッキの場合、インナーカップ内に付着した前処理液
とメッキ液が反応して、インナーカップ自身にメッキを
施してしまうことが起こっていた。また、異種の化学薬
品の混合によって人体に有害な物質を生成することも考
えられる。専用チャンバーを用いるもう一つの理由は、
廃液処理である。つまり、廃液処理が必要なものとそう
でないもの、また廃液処理でも中和処理のみでよいもの
と液中の金属イオンを分離する必要があるものなどがあ
り、それぞれ分別して回収しなければならないからであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな専用チャンバーは各処理ごとに設ける必要があり、
装置全体が大型化するとともに、チャンバー間での搬送
作業に時間がかかるといった種々の問題があった。本発
明の目的は、インラインシステムでの複数の工程をそれ
ぞれ別のチャンバーで行うことなく一つのチャンバーで
複数の処理を行うことができ、かつ、使用する異種の薬
液が混じり合い好ましくない反応を起こすことがなく、
廃液処理も各処理液毎に適切に行うことが可能な光ディ
スク原盤処理方法及び処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段・作用・効果】上記目的を
達成するため、本発明の第1態様にかかる光ディスク原
盤処理方法は、原盤を回転可能に載置する原盤回転装置
と、上記原盤の表面に処理液を供給する複数の液供給ノ
ズルと、1つのチャンバー内でかつ上記回転する原盤の
外周に配置され、内周端に上記原盤の外周端に対向する
開口を形成し、かつ、上記回転する原盤表面より遠心力
で飛散した処理液を回収する複数の処理液回収容器とを
備えた光ディスク原盤処理装置を使用して、原盤に上記
処理液を供給して所定の処理を行う、光ディスク原盤処
理方法であって、上記原盤を上記処理液回収容器まで相
対的に移動させて該処理液回収容器の上記開口と上記原
盤の外周端が対向するように位置させたのち、上記ノズ
ルから上記処理液を上記原盤に供給して所定の処理を行
い、その後、上記原盤を次の処理液回収容器まで相対的
に移動させて該処理液回収容器の上記開口と上記原盤の
外周端が対向するように位置させたのち、上記とは異な
るノズルから処理液を上記原盤に供給して上記とは別の
所定の処理を行うように構成している。
【0006】本発明の第2態様によれば、第1態様にお
いて、上記処理液回収容器が上記回転装置の回転軸方向
に複数個重ねて設けられており、上記処理液回収容器の
上記開口と上記原盤の外周端が対向するように順次相対
的に上記回転軸方向に移動させて位置させたのち、上記
ノズルから上記処理液を上記原盤に供給して所定の処理
をそれぞれ行うように構成することもできる。本発明の
第3態様によれば、第1態様において、上記処理液回収
容器が平面状に複数個設けられており、上記処理液回収
容器の上記開口と上記原盤の外周端が対向するように順
次相対的に移動させて位置させたのち、上記ノズルから
上記処理液を上記原盤に供給して所定の処理をそれぞれ
行うように構成することもできる。本発明の第4態様に
よれば、第1〜3態様のいずれかにおいて、上記原盤の
処理中は、上記原盤外周端に対向している処理液回収容
器のみ排気可能状態とするように構成することもでき
る。本発明の第5態様によれば、第1〜4態様のいずれ
かにおいて、上記処理液回収容器の内周端において開口
部分を形成する上下二枚の曲面の内、上面の内径が上記
原盤径より大きく、下面の内径が上記原盤径より小さい
ように構成することもできる。
【0007】本発明の第6態様の光ディスク原盤処理装
置によれば、原盤を載置して回転させる原盤回転装置
と、上記原盤の表面に処理液を供給する複数の液供給ノ
ズルと、1つのチャンバー内でかつ上記回転する原盤の
外周に配置され、内周端に上記原盤の外周端に対向する
開口を形成し、かつ、上記回転する原盤表面より遠心力
で飛散した処理液を回収する複数の処理液回収容器とを
備え、上記各処理液回収容器の上記開口と上記原盤の外
周端が順次対向するように相対的に移動可能であるとと
もに、上記液供給ノズルを上記原盤の位置に応じて移動
可能であるように構成している。
【0008】本発明の第7態様によれば、第6態様にお
いて、上記処理液回収容器が上記回転装置の回転軸方向
に複数個重ねて設けられているように構成することもで
きる。本発明の第8態様によれば、第6態様において、
上記処理液回収容器が平面状に複数個設けられているよ
うに構成することもできる。本発明の第9態様によれ
ば、第6〜8態様のいずれかにおいて、上記処理液回収
容器には、廃液を回収タンクに導くドレインパイプと排
気ダクトが一つまたは複数個設けられており、上記原盤
の処理中は、上記原盤外周端に対向している処理液回収
容器のみ排気可能状態とするように構成することもでき
る。本発明の第10態様によれば、第6〜9態様のいず
れかにおいて、上記処理液回収容器の内周端において開
口部分を形成する上下二枚の曲面の内、上面の内径が上
記原盤径より大きく、下面の内径が上記原盤径より小さ
いように構成することもできる。
【0009】上記本発明の各態様にかかる光ディスク原
盤処理方法及び処理装置では、マスタリングの数種の工
程の内、湿式処理を施すものを一つのチャンバー内で行
うことが可能であり、以下の効果を有する。 (1)上記本発明の各態様によれば、処理液回収容器が
複数設けられているため、それぞれの処理時に発生する
余分な処理液を専用の処理液回収容器で回収することが
でき、別工程の処理液が混じり合うことがない。そのた
め、品質や人体に影響を及ぼす副生成物の発生を防ぐこ
とができる。また、原盤例えばガラス原盤の表面への導
電膜の付与を目的とした無電解メッキ工程において、前
処理液とメッキ液の両方が付着することが防止でき、チ
ャンバーや処理液回収容器などガラス原盤以外への導電
膜の生成を防ぐことができる。 (2)上記本発明の第4,9態様によれば、処理液回収
容器にはそれぞれ専用のドレインパイプと排気ダクトを
接続することができ、廃液および廃液に伴い発生する排
気ガスの回収も分別して回収できるので互いに混じり合
うことがなく、各廃液および排気ガスに応じた後処理が
行える。例えば、排気について、一般ガスと有機系ガス
などを分離して回収し、後処理を行うことができる。ま
た、各処理液回収容器に設けることができる排気ダクト
は処理中の処理液回収容器のもののみ排気動作が可能に
設定できるので、処理中の処理液より発生した気体が他
の処理液回収容器に吸収されることなく効率よく排気ガ
スを回収できる。 (3)上記本発明の各態様によれば、数種類の処理を一
つのチャンバー内で行うことができるため、装置を小型
にすることができかつ装置の製作コストも安くできる。 (4)上記本発明の各態様によれば、複数の処理液回収
容器をそれぞれ取り外し可能に設置すれば、各処理液回
収容器は一種類もしくは同種類の薬液しか付着していな
いのでメンテナンスや洗浄が容易に行える。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の種々の実施形態を図面を
参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態
にかかる光ディスク原盤処理方法を実施するための光デ
ィスク原盤処理装置を示す断面図である。図1において
1はチャンバーであり、その中にガラス原盤2を載置し
て回転させる原盤回転装置の一例としてのターンテーブ
ル3と、ノズル上下駆動手段105の駆動により上下動
される複数の液供給ノズル4と、原盤表面より遠心力で
振り飛ばされた処理液を回収する複数の処理液回収容器
の一例としてのインナーカップ5a、5b、5c、5d
を有している。この第1実施形態では、4本のノズル4
を用意し、各ノズルによる処理に対応させて4個のイン
ナーカップを用意している。ここで、上記処理とは、例
えば、ガラス原盤2に洗浄液をノズル4から供給して行
うガラス原盤洗浄、フォトレジストの密着性を上げるた
めノズル4から密着強化剤をガラス原盤2に供給して行
う塗布とフォトレジストをガラス原盤2に供給して行う
塗布、ノズル4から現像液をガラス原盤2にかけての現
像、無電解メッキのための数種類の前処理液をノズル4
からガラス原盤2に供給して行う塗布、無電解メッキ液
をノズル4からガラス原盤2に供給して行う塗布、ノズ
ルから純水をガラス原盤2に供給して行うリンスなどの
湿式処理などを意味する。チャンバー1には図示してい
ないが開閉自在の蓋を設けて、該蓋を開閉することによ
りガラス原盤2をチャンバー1内のターンテーブル3に
対して搬入・搬出するようにしてもよい。各インナーカ
ップ5a〜5dにはその中心を貫通する内孔があり、そ
の内周端は2枚の曲面つまり上面7aと下面8aで構成
される開口9aを有している。
【0011】図1では、実線Aで示すように、ガラス原
盤2がインナーカップ5aの開口9aに対向する位置に
あり、4本のノズルのうちの1本の液供給ノズル4から
必要な処理液の供給を受けて所定の処理が行われる。ノ
ズル上下駆動手段105は、図3に示すように、各ノズ
ル4はノズルアーム61に固定されており、ノズルアー
ム61はノズルアーム上下動シリンダ62のピストンロ
ッド62aの上端に固定されており、上下動シリンダ6
2のピストンロッド62aの上下駆動によりノズルアー
ム61を介してノズル4が上下動される。ガラス原盤2
は回転軸駆動モータ10などのターンテーブル3の回転
軸駆動手段によって必要に応じて回転させられる。この
ターンテーブル3の回転軸30を回転させる上記回転軸
駆動モータ10は、図2に示されるようなターンテーブ
ル上下駆動機構104により上下駆動される。この上下
駆動機構104では、上記モータ10が回転軸駆動モー
タ固定ベース42に取り付けられ、この固定ベース42
は図示された2本のガイド44と図示されない他のガイ
ドで上下方向沿いに移動可能に案内されるとともに、固
定ベース42は、その一端が固定ベース上下駆動シリン
ダ45のピストンロッド45aの上端に固定され、該固
定ベース上下駆動シリンダ45のピストンロッド45a
の上下駆動により、上記ガイド44などで案内されつつ
固定ベース42が上下動し、モータ10とともにその回
転軸30も上下動して、ターンテーブル3が上下動され
る。処理中または処理終了時のターンテーブル3の回転
によってガラス盤2の表面の処理液は遠心力で振り飛ば
されて、インナーカップ5aの開口9aからインナーカ
ップ5a内に回収される。インナーカップ5a〜5dに
は6a〜6dで示されるドレインパイプおよび排気ダク
トがそれぞれ接続され、インナーカップ5a〜5d内の
液の排出と排気を行う。ドレインパイプ及び排気ダクト
6a〜6dは図1に示すように、バルブ51,52,5
3,54を経由して排気ダクト55に接続されている。
排気ダクト55の先端には排気ファン56が設けられて
いる一方、排気ダクト55の下端はドレインに接続され
ている。よって、処理中のインナーカップに接続されて
いるバルブのみ開放とし、他のバルブを閉じることによ
り、排気ファン56による排気動作は、接続されている
インナーカップにのみ作用することになり、当該インナ
ーカップからのみ排気される。このように、ドレインパ
イプと排気ダクト6a〜6dは上記したように1つにま
とめて設けるものに限らず、別々に設けてもよいし、各
インナーカップにおいて1個ではなく、複数個設けても
よい。図1の位置での処理中は最上段のインナーカップ
5aのドレインパイプと排気ダクト6aの排気動作のみ
可能とするようにバルブを開放し、他のバルブは閉じる
ように制御しているので、インナーカップ5aの排気ガ
スが他のインナーカップ5b,5c,5dに吸入される
ことがない。
【0012】上記処理が終了すると、図2のターンテー
ブル上下駆動機構104の固定ベース上下駆動シリンダ
45の下降駆動によってターンテーブル3は図1におい
て一段だけ下に移動し、図1において一点鎖線Bで示す
ようにガラス原盤2の外周端が2段目のインナーカップ
5bの開口9bに対向する位置に来る。同時に液供給ノ
ズル4も図3に示されるノズル上下駆動手段105によ
って下降し、ガラス盤2への液吐出に最適な位置に来
る。この位置では最初の位置とは別の処理が行われ、別
の液供給ノズル4から処理に応じた液が供給される。同
様に廃液および排気ガスはインナーカップ5bに回収さ
れ、ドレイン及び排気ダクト6bから排出される。以下
同様に、残りの2つのインナーカップ5c,5dに対し
て図1の一点鎖線C及びDで示される位置にガラス原盤
2とターンテーブル3が位置して所定の処理が行われ
る。
【0013】このようにインナーカップ5a〜5dの数
だけ対応する所定の処理が繰り返される。インナーカッ
プ5a〜5dの使用順番はランダムでもよい。インナー
カップ5a〜5dではそれぞれ専用の処理が実施されて
一つのインナーカップ内で異なった処理の液が混じり合
うことがなく、インナーカップ内で好ましくない化学反
応が起こることがない。好ましくない反応とは、人体に
有害な物質や、フォトレジストの感度を低下させるなど
工程の品質に影響を与える物質の生成、またはガラス原
盤表面にのみ期待している導電膜の形成がインナーカッ
プ内でも生じるなどのことをいう。また、ドレインパイ
プ6a〜6dはそれぞれ別々の回収タンクまたは配管経
路を有しており、廃液が混じり合うことがなく、それぞ
れに必要な廃液処理が行える。一般に無機のアルカリ性
と酸性の廃液は一緒にして中和処理を施す。また、有機
系の廃液はタンクで回収して産業廃棄物として処理をす
る。導電化処理の工程では、ニッケル等の金属イオンを
含んだ廃液が出るのでこれらは、金属イオンを吸着して
イオン濃度を規定値以下にした後中和して廃棄する。な
お、上記第1実施形態のノズル上下駆動手段105とタ
ーンテーブル上下駆動機構104は以下の他の実施形態
にも適宜適用することができる。
【0014】図1は複数のインナーカップがターンテー
ブル3の回転軸方向に並べられた例である。これに対し
て、図4にインナーカップが水平方向に並べられた本発
明の第2実施形態にかかる光ディスク原盤処理方法を実
施するための処理装置を示す。図4において、チャンバ
ー11の中に、ガラス原盤12を載置して回転させるタ
ーンテーブル13と、インナーカップ15a、15bが
設けられている。14は2本の液供給ノズルである。イ
ンナーカップ15a,15bは図5のインナーカップ駆
動装置106で駆動される。すなわち、インナーカップ
15a,15bはインナーカップ連結部材81によって
一体に連結されており、右側のインナーカップ15bは
インナーカップ駆動部材82に連結されている。この駆
動部材82は、インナーカップ駆動シリンダ83により
図5の左右方向に移動させられ、この駆動部材82の左
右方向の移動に伴いインナーカップ15a,15bも左
右方向に移動する。この処理方法の動作について説明す
ると、ガラス盤12の外周端がインナーカップ15aの
開口19aに対向する位置Eでノズル14から処理液を
かけられて所定の処理が行われる。その後、ガラス盤1
2は矢印のように下側に実線位置Fまで下降する。次
に、インナーカップ15aと15bが図5に示されるイ
ンナーカップ駆動装置106によって図4において矢印
のように左側に移動し、インナーカップ15bがインナ
ーカップ15aの元の位置までくる。次にガラス盤12
は一点鎖線の位置Eまで上昇し、インナーカップ15b
の開口19bに対向する位置Eで次の処理が行われる。
図4ではドレインパイプと排気ダクトは省略されている
が、廃液、排気に関する処理は図1の場合と同じであ
る。
【0015】図6に第1,第2実施形態より改良された
本発明の第3実施形態にかかる光ディスク原盤処理方法
及び処理装置を示す。図6で、21はチャンバー、22
a、22bはガラス原盤、23はターンテーブル、26
a,26bはドレインパイプ及び排気ダクトである。こ
の第3実施形態では、インナーカップ内周端の開口部分
29a、29bの形状が上記の例と異なっている。つま
り、各インナーカップ25a,25bの上面27a,2
7bの内径寸法はガラス原盤22の外径より大きく、イ
ンナーカップ25a,25bの下面28a,28bの内
径はガラス原盤22の外径より小さくなっている。ガラ
ス原盤22は、図7に示されるように、原盤搬送ロボッ
ト108により搬送される。この搬送ロボット108
は、一例としての屈腕型ロボットであり、そのロボット
本体71には複数の腕、すなわち、第1アーム72、第
2アーム73、第3アーム74が互いに連結され、ロボ
ット本体71に対して上下動可能にかつ回転可能に支持
されている。第1アーム72の上にはガラス原盤22が
載置支持されており、ロボット本体71内の駆動部材の
駆動により、第2アーム73及び第3アーム74が回転
してインナーカップ側に延びるように移動して、第1ア
ーム72が矢印76の方向に移動するとともに矢印75
の方向に下降することにより、ターンテーブル23の上
の所定位置にガラス原盤22を搬送して載置することが
できる。
【0016】動作について説明すると、まず、ガラス原
盤22はチャンバー21外の22aの位置から図7に示
される搬送ロボット108でターンテーブル23の上に
載置される。次にターンテーブル23が下降し、インナ
ーカップ25aの開口29aにガラス原盤22の外周端
が対向する一点鎖線で示された位置Hにくる。ここで、
ガラス原盤22は液供給ノズル24から必要な液の供給
を受けて所定の処理がなされる。処理終了後、ターンテ
ーブル23は元の位置Gまでに上昇する。ここで再び図
示されないロボットがガラス原盤22を取りに来る。ロ
ボットはチャンバー21外のガラス原盤22を22bに
示す位置まで移動させる。このとき、ターンテーブル2
3は一点鎖線で示す位置Iまで下降しており、再びロボ
ットがガラス原盤22をチャンバー21外の位置22b
からターンテーブル23上に載置する。次に、ターンテ
ーブル23が一点鎖線で示された位置Jまで下降して、
インナーカップ25bの開口29bにガラス原盤22を
対向させ、次の処理を実施する。この時も液供給ノズル
24は図3に示されたようなノズル上下駆動手段105
によって下降し、ガラス原盤22への液抽出に最適な位
置に来ている。廃液および排気の動作に関しては図1で
述べた通りである。この構造では、ガラス原盤22の外
周端からこぼれ落ちた液は必ずガラス原盤22に対向す
るインナーカップ25a又は25bに回収されるため、
他のインナーカップ25b又は25aに飛び散ったり、
チャンバー21の底に溜まったりすることがなく、異種
液との干渉を確実に防ぐことができる。上記した実施形
態ではインナーカップとガラス原盤の一方を移動させて
いるが、これはいずれを動かすようにしてもよい。上記
原盤回転装置の他の例としては、図8に示すように、回
転軸30に3個又は4個の原盤支持アーム31を取り付
け、これらの原盤支持アーム31により原盤2を上下及
び横方向に位置規制して支持するようにしてもよい。
【0017】上記実施形態にかかる光ディスク原盤処理
方法及び処理装置では、マスタリングの数種の工程の
内、湿式処理を施すものを一つのチャンバー1,11,
21内で行うことが可能であり、以下の効果を有する。 (1)インナーカップ5a〜5d,15a,15b,2
5a,25bが複数設けられているため、それぞれの処
理時に発生する余分な処理液を専用のインナーカップで
回収することができ、別工程の処理液が混じり合うこと
がない。そのため、品質や人体に影響を及ぼす副生成物
の発生を防ぐことができる。また、原盤2,12,2
2、例えばガラス原盤の表面への導電膜の付与を目的と
した無電解メッキ工程において、前処理液とメッキ液の
両方が付着することが防止でき、チャンバーやインナー
カップなどガラス原盤以外への導電膜の生成を防ぐこと
ができる。 (2)インナーカップ5a〜5d,15a,15b,2
5a,25bにはそれぞれ専用のドレインパイプと排気
ダクト6a〜6d,26a,26bを接続することがで
き、廃液および廃液に伴い発生する排気ガスの回収も分
別して回収できるので互いに混じり合うことがなく、各
廃液および排気ガスに応じた後処理が行える。例えば、
排気について、一般ガスと有機系ガスなどを分離して回
収し、後処理を行うことができる。また、各インナーカ
ップに設けることができる排気ダクトは処理中のインナ
ーカップのみ排気動作が可能に設定できるので、処理中
の処理液より発生した気体が他のインナーカップに吸収
されることなく効率よく排気ガスを回収できる。 (3)数種類の処理を一つのチャンバー内で行うことが
できるため、装置を小型にすることができかつ装置の製
作コストも安くできる。 (4)複数のインナーカップをそれぞれ取り外し可能に
設置すれば、各インナーカップは一種類もしくは同種類
の薬液しか付着していないのでメンテナンスや洗浄が容
易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態にかかる光ディスク
原盤処理方法を実施するための処理装置の一部断面図で
ある。
【図2】 本発明の第1実施形態にかかる処理装置のタ
ーンテーブル上下駆動機構の説明図である。
【図3】 上記第1実施形態にかかる処理装置のノズル
上下機構の説明図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態にかかる光ディスク
原盤処理方法を実施するための処理装置の一部断面図で
ある。
【図5】 第2実施形態にかかる処理装置のインナーカ
ップ駆動装置の説明図である。
【図6】 本発明の第3の実施形態にかかる光ディスク
原盤処理方法を実施するための処理装置の一部断面図で
ある。
【図7】 上記第3実施形態の処理装置のガラス原盤搬
送ロボットの説明図である。
【図8】 本発明の他の実施形態にかかる光ディスク原
盤処理方法を実施するための処理装置のターンテーブル
の変形例である原盤支持アームに原盤を支持した状態の
一部断面図である。
【符号の説明】
1,11,21 チャンバー 2,12,22 ガラス原盤 3,13,23 ターンテーブル 4,14,24 液供給ノズル 5a〜5d,15a,15b,25a,25b インナ
ーカップ 6a〜6d,26a,26b ドレインパイプ及び排気
ダクト 7a〜7d,27a,27b インナーカップ上面 8a〜8d,28a,28b インナーカップ下面 9a〜9d,19a,19b,29a,29b インナ
ーカップ開口 22a 第3の実施形態における上側挿入位置のガラス
原盤 22b 第3の実施形態における下側挿入位置のガラス
原盤 31 原盤支持アーム 104 ターンテーブル上下駆動機構 105 ノズル上下駆動手段 106 インナーカップ駆動装置 108 原盤ロボット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/26 G03F 7/30

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つのみのチャンバー内で原盤を処理液
    回収容器まで相対的に移動させるとともに、該処理液回
    収容器上記原盤の外周に移動させ、かつ、上記処理液
    回収容器の内周端において開口部分を形成する一組のイ
    ンナーカップのうち上面のインナーカップの内径が上記
    原盤径より大きく、下面のインナーカップの内径が上記
    原盤径より小さくなるように上記処理液回収容器の内周
    端の開口と上記原盤の外周端が対向するように位置させ
    たのち、 上記原盤の表面に処理液を供給する複数の液供給ノズル
    の1つから上記処理液を上記原盤に供給して所定の処理
    を行いつつ上記回転する原盤表面より遠心力で飛散した
    処理液を上記処理液回収容器により回収し、 その後、上記原盤を上記処理液回収容器とは別の処理液
    回収容器まで上記1つのみのチャンバー内で相対的に移
    動させとともに、該処理液回収容器上記原盤の外周に
    移動させ、かつ、上記処理液回収容器の内周端において
    開口部分を形成する一組のインナーカップのうち上面の
    インナーカップの内径が上記原盤径より大きく、下面の
    インナーカップの内径が上記原盤径より小さくなるよう
    に上記処理液回収容器の内周端の開口と上記原盤の外周
    端が対向するように位置させたのち、 上記とは異なるノズルから処理液を上記原盤に供給して
    上記とは別の所定の処理を行つつ上記回転する原盤表面
    より遠心力で飛散した処理液を上記処理液回収容器によ
    り回収するようにしたことを特徴とする光ディスク原盤
    処理方法。
  2. 【請求項2】 上記処理液回収容器が上記回転装置の回
    転軸方向に複数個重ねて設けられた上記処理液回収容器
    の上記開口と上記原盤の外周端が対向するように順次相
    対的に上記回転軸方向に移動させて位置させたのち、上
    記ノズルから上記処理液を上記原盤に供給して所定の処
    理をそれぞれ行う請求項1に記載の光ディスク原盤処理
    方法。
  3. 【請求項3】 上記処理液回収容器が平面状に複数個設
    けられた上記処理液回収容器の上記開口と上記原盤の外
    周端が対向するように順次相対的に移動させて位置させ
    たのち、上記ノズルから上記処理液を上記原盤に供給し
    て所定の処理をそれぞれ行う請求項1に記載の光ディス
    ク原盤処理方法。
  4. 【請求項4】 上記原盤の処理中は、上記原盤外周端に
    対向している処理液回収容器のみ排気可能状態とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク原盤処理方
    法。
  5. 【請求項5】 1つのみのチャンバー内で原盤を載置し
    て回転させる原盤回転装置と、上記原盤の表面に処理液
    を供給する複数の液供給ノズルと、1つのチャンバー内
    でかつ上記回転する原盤の外周に移動され、内周端に上
    記原盤の外周端に対向する開口を形成し、かつ、上記回
    転する原盤表面より遠心力で飛散した処理液を回収する
    複数の処理液回収容器とを備え、上記各処理液回収容器
    の上記開口と上記原盤の外周端が順次対向するように相
    対的に移動可能であるとともに、上記液供給ノズルを上
    記原盤の位置に応じて移動可能である一方、上記処理液
    回収容器の内周端において開口部分を形成する一組のイ
    ンナーカップのうち上面のインナーカップの内径が上記
    原盤径より大きく、下面のインナーカップの内径が上記
    原盤径より小さいようにしたことを特徴とする光ディス
    ク原盤処理装置。
  6. 【請求項6】 上記処理液回収容器が上記回転装置の回
    転軸方向に複数個重ねて設けられている請求項5に記載
    の光ディスク原盤処理装置。
  7. 【請求項7】 上記処理液回収容器が平面状に複数個設
    けられている請求項5に記載の光ディスク原盤処理装
    置。
  8. 【請求項8】 上記処理液回収容器には、廃液を回収タ
    ンクに導くドレインパイプと排気ダクトが一つまたは複
    数個設けられており、上記原盤の処理中は、上記原盤外
    周端に対向している処理液回収容器のみ排気可能状態と
    する請求項5〜7のいずれかに記載の光ディスク原盤処
    理装置。
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