JP3430052B2 - 固溶体及びそれを用いたポリ乳酸の製造方法 - Google Patents

固溶体及びそれを用いたポリ乳酸の製造方法

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JP3430052B2
JP3430052B2 JP01400499A JP1400499A JP3430052B2 JP 3430052 B2 JP3430052 B2 JP 3430052B2 JP 01400499 A JP01400499 A JP 01400499A JP 1400499 A JP1400499 A JP 1400499A JP 3430052 B2 JP3430052 B2 JP 3430052B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、融点の制御が可能
なポリ乳酸とジフェニルエーテルから成る固溶体を用い
る乳酸の直接重縮合によるポリ乳酸の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自然環境下及びコンポスト化過程
において分解される生分解性プラスチックが注目されて
いる。その中でも農産物から発酵によって作られた乳酸
を原料とし、優れたポリマー特性及び、コンポスト化過
程における分解特性を示すポリ乳酸は、汎用プラスチッ
クに変わる最も有望な生分解性プラスチックとされてい
る。
【0003】ポリ乳酸は乳酸の二量体であるラクチドを
開環して重合する開環重合法と、乳酸を脱水重縮合して
合成する直接重縮合法の2つの方法により合成され、前
者の方法は、例えば特公昭56−14668号や、特表
平7−504939号に開示されており、後者の方法
は、例えば国際公開番号WO 93/12160号の国
際特許や、国際公開番号WO 97/31049号に開
示されている。
【0004】直接重縮合によるポリ乳酸の合成は、開環
重合法に比べると工程が単純で、安価に製造できるとさ
れている。しかし、国際公開番号WO 93/1216
0号に記載されている方法で重合を行った場合、反応系
外に蒸気として出てくる溶媒、水、ラクチドの混合物を
凝集させて、乾燥剤を通して再び反応系内に戻すため、
この操作をスムーズに進めるためには添加する溶媒量を
多くする必要があり、実施例に記載されている例では、
出発原料に対して混合比で200%以上の溶媒が使用さ
れている。この様に多量の溶媒を用いることは、溶媒を
除去・再生するために時間とエネルギーが必要となるだ
けでなく、それらを廃棄する際には環境に与える影響も
大きくなる。また、溶媒が多いために反応速度が遅くな
り、装置サイズも大きくなるという問題点もある。ま
た、国際公開番号WO 97/31049号に開示され
ている方法では、溶媒を使うことなく短時間でポリマー
を得ることができる反面、添加する触媒量が多くなり、
触媒も不均一触媒であるために、得られるポリマーの透
明性が失われたり、ポリマーが薄褐色に着色するという
問題点がある。
【0005】本発明者らは以前から高分子量のポリ乳酸
を低コストで製造することを目的として直接重縮合手法
の開発を続けており、まず乳酸の直接重縮合反応を還流
装置を用いて比較的高温で溶液重合を行い、次いで、温
度を下げて固体状のポリ乳酸を生成させて固相重合を行
う方法、すなわち二段階重合方法によって、重量平均分
子量18万以上のポリ乳酸を効率良く合成することに成
功した。しかし、この手法では、得られたポリ乳酸を排
出するために、融点(180℃付近)以上の温度を加
えて溶解させるか、重合槽の攪拌に、2軸スクリュー
式攪拌装置を用いて、固相重合中又は固相重合が終了し
たポリ乳酸を破砕するか、あるいは固相重合が終了し
た時点で装置を解体し、ポリ乳酸を取り出す必要があ
る。しかし、の方法ではポリマーが溶融するまでに時
間がかかり、ラクチドの発生に伴う分子量の低下や、熱
劣化の可能性があり、の方法では装置が複雑になり、
の方法では生産効率が落ちる可能性が考えられる。し
たがって、ここに示されている2段階重合の利点を生か
しつつ、工業化を行うためには、固相重合終了時の排出
を考えて、その前の溶液重合終了後に造粒し、固相重合
に移行する必要がある。また、固相重合前の造粒は、ポ
リマーの表面積を増大させるため、脱溶媒、重合促進に
有利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶液重合後の
ポリ乳酸を、溶媒が少ない状態で造粒する場合には、造
粒機のシリンダー温度を高めにしないとダイス出口で詰
まったり、トルク不足になり、装置が停止することがあ
る。また、粘度を下げるために温度を高くすると、ラク
チド生成速度が上昇したり、熱分解が起こり、ポリ乳酸
の低分子量化や収率の低下を招くという問題点がある。
同じく粘度を下げるために溶媒を添加しても、従来の溶
媒では温度が低下するに連れてポリマーと溶媒が分離
し、粘度を下げる効果は少なくなる。更に、ポリ乳酸は
空気中の水や酸素に触れると、再加熱した際に分子量の
低下が起こりやすいため、溶液重合終了後の樹脂を固相
重合に適したサイズに造粒する際、通常の樹脂の造粒工
程で行われるように、ストランドをつくり、それをカッ
トする場合には、空気に触れぬように、造粒装置、スト
ランド冷却装置、ストランドカッターすべてを密閉する
必要があり、装置が大きく複雑になり、ランニングコス
トがかかると共に、制御、メンテナンスが難しくなると
いう問題もある。
【0007】従って、本発明の目的は、溶液重合終了後
において、上記問題点がなく、工業的に有利にポリ乳酸
を造粒する方法を見出し工業的に有利にポリ乳酸を製造
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み本発明
者らは鋭意研究を行った結果、溶液重合後、ポリ乳酸を
特定量のジフェニルエーテルを含有してなる固溶体とす
れば、上記問題点がなく容易に造粒することができ、更
に固相重合を行うことにより、高分子量のポリ乳酸を得
ることができることを見出し本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、ポリ乳酸と該ポリ乳
酸を乳酸モノマーに換算した重量100重量部に対し2
〜100重量部のジフェニルエーテルとを含有する固溶
体を、乳酸ポリマー単独の融点より10℃以上低い温度
に設定して造粒した後、固相重合を行うことを特徴とす
るポリ乳酸の製造方法を提供するものである。
【0010】
【0011】更に、本発明は、上記固溶体を融点以下の
温度に下げて固化し、破砕し、粒状とした後、固相重合
を行うことを特徴とするポリ乳酸の製造方法を提供する
ものである。
【0012】更にまた、本発明は、上記固溶体中のジフ
ェニルエーテルの一部を脱揮・除去し、該固溶体の融点
を上げることにより、固化し、造粒した後、固相重合を
行うことを特徴とするポリ乳酸の製造方法を提供するも
のである。
【0013】
【発明の実施の形態】「固溶体」とは、理化学事典第4
版((株)岩波書店)では、『異なる物質が互いに均一
に溶け合った固体』と定義されているが、本発明の「固
溶体」は、ポリ乳酸とジフェニルエーテルの2成分から
なる固体及び溶融体を指し、これらの2成分は互いに水
素結合あるいは共有結合等の結合力により各々の成分単
独の場合とは異なる特性を示すものである。
【0014】本発明の固溶体の1成分であるポリ乳酸
は、乳酸を重縮合することにより得られるものであり、
次式に示される構成単位を複数含むものであるが、数平
均分子量は1万以上のものが好ましい。
【0015】
【化1】
【0016】本発明の固溶体は、ポリ乳酸とジフェニル
エーテルとが一定の比率で混合されたものであり、この
混合比率は、図1に示すように固溶体の融点を決定す
る。すなわち、本発明の固溶体の融点はポリ乳酸の分子
量に関係なく、ジフェニルエーテルの割合によってのみ
決定される。しかし、ジフェニルエーテルの量が、ポリ
乳酸を乳酸モノマーに換算した重量100重量部に対し
100重量部を超えると、DSC分析で得られるDSC
曲線の融点のピークがブロードとなり、更に複数のピー
クが見られるようになることから、固溶体が明確な融点
を持たなくなると思われ好ましくない。一方、ジフェニ
ルエーテルの量がポリ乳酸を乳酸モノマーに換算した重
量100重量部に対し2重量部未満であると、添加溶媒
量で融点を制御することが困難となる。従って、ポリ乳
酸とジフェニルエーテルの混合比率は該ポリ乳酸の乳酸
モノマーに換算した重量100重量部に対しジフェニル
エーテルが2〜100重量部であり、好ましくは5〜1
00重量部、特に好ましくは5〜50重量部である。
【0017】なお、本発明の固溶体の構造は明らかにさ
れていないが、固溶体の構造としては2種類の物質が水
素結合や共有結合など、比較的弱い結合力により、より
結合し、特有の性質を持つことが一般的に知られてい
る。したがって本発明の固溶体についても同様の構造を
持っていることが考えられ、予想され得る構造を図2、
図3に示す。
【0018】本発明の固溶体は、例えば次に示すよう
に、溶媒としてジフェニルエーテルを用い、乳酸を溶液
重合することにより得られる。
【0019】原料となる乳酸には、L−乳酸、D−乳
酸、その両方が混在するDL−乳酸とがあり、光学活性
が異なっているが、本発明に使用する乳酸は特に限定さ
れない。味岡らの報告(Bull. Chem. Soc. Jpn., 68, 2
125-2131(1995))によれば、L体とD体の割合を変える
ことによって得られるポリマーのガラス転移点を制御す
ることができるとされている。また、光学純度が高いほ
ど得られるポリマーの融点が高くなることが一般的に広
く知られており、目的に応じて最適の乳酸を用いること
が望ましい。
【0020】乳酸は、まず脱水工程に付される。本発明
における脱水工程は、乳酸原料に含まれる多量の水分
を、無触媒、無溶媒の状態で簡易的に除去する工程で、
次の溶液重合工程を効率良く進めるために行うものであ
る。脱水工程における脱水温度や圧力は特に限定される
ものではないが、温度が低く、かつ圧力が高いと脱水効
率が悪くなり、温度が高く、圧力が低いと、水の蒸発と
共に乳酸モノマーやダイマーなどが反応系外に留去した
り、着色や立体規則性を低下させる物質の生成が生じる
可能性がある。したがって、温度を水の沸点以上、具体
的には脱水槽の圧力が50mmHgの時には38℃以上、1
80℃以下とすることが望ましい。更には、水分の多い
脱水初期は温度を低く、圧力を高く設定し、脱水量が低
下するに従って温度を上げ、圧力を下げてゆくことが望
ましい。脱水の時間は特に限定されないが、所定の温
度、圧力において、材料の温度と槽を加熱している熱媒
との温度差が小さくなったり、真空ポンプ直前の圧力
と、槽内の圧力との差が小さくなったりするなど、脱水
量が少なくなった兆候が見られた時点を脱水終了点とす
ることが好ましい。
【0021】本発明における溶液重合工程は、脱水が終
了した原料に、触媒とジフェニルエーテルを添加して、
乳酸を脱水・重縮合し、ポリ乳酸、更には本発明の固溶
体を得る工程である。溶液重合を行う際にはその手段と
して還流管を用いて副生成物であるラクチドや、溶媒の
ジフェニルエーテルを反応系内に戻しつつ、水だけを反
応系外に出す方法、水、ラクチド、溶媒の混合蒸気を凝
集させ、それを脱水剤を充填させた脱水塔等の脱水手段
により水だけを除去し、再び反応系内に戻す方法が挙げ
られるが、装置ならびに工程の簡素化を考えると、乾燥
のための専用の装置を必要としない前者の方法を用いる
方が望ましい。
【0022】ここで用いる還流管は、筒状の本体内に緻
密に多数の凝集伝熱管を垂直配置した多管式熱交換凝集
器であっても、筒状の本体に小径の穴の開いた平板が垂
直方向に多数配置されている棚段式の蒸留塔であって
も、筒状の本体内に様々な形状の充填物が充填された蒸
留塔であってもよく、また、1本又は複数本の還流管が
直列又は並列に配置されているものでもよい。
【0023】溶液重合温度は特に限定されるものではな
いが、溶液状態で重合を行う場合には生じる固溶体の融
点以上である必要がある。また、重合温度は重合に用い
る触媒の活性が保持され、又は活性が高い状態となる温
度とすることが望ましい。例えば塩化第一スズ、酸化ス
ズやオクチル酸スズ等のスズ系の触媒を用いる場合、1
30℃〜200℃、望ましくは140℃〜180℃が望
ましい。この温度を130℃より低くすると、着色が少
なく立体規制性の高いポリマーが得られる反面、重合に
時間がかかり、効率が悪くなるからである。逆に、20
0℃よりも高くすると、副生成物であるラクチドの発生
量が増すと共に、着色が強くなり、得られるポリマーの
立体規則性が悪くなる。
【0024】溶液重合終了時点は特に限定されないが、
分子量の増大速度が低下をはじめるか、固相重合におけ
る分子量増大速度に比べて溶液重合における分子量増大
速度が遅くなる直前の時点が望ましい。また、あまり高
分子量化とすると、還流などによって系内に戻されたジ
フェニルエーテルとポリマーが均一に混合されず、ジフ
ェニルエーテル量が少ない部分の融点が上昇して部分的
に凝固し、排出が困難となる場合がある。また、重合槽
内壁温度制御が適切でない場合には、長時間の重合で熱
劣化による着色が進行する場合もある。
【0025】溶液重合が終了したポリマー等(すなわち
本発明の固溶体が溶融したもの)は、直ちにそのまま、
又は窒素加圧条件下で溶液重合槽から排出され、そのま
ま、又はギアポンプを介して2軸スクリュー押出機に供
給され、造粒工程に入る。その際、空気中の酸素や水蒸
気と接触することでポリマーの酸化劣化や加水分解を生
じるため、大気に触れぬようにすることが望ましく、こ
のため乾燥した窒素ガスなどの不活性ガスを注入して若
干の加圧状態とし、外部からの大気の流入を防ぐことが
望ましい。
【0026】造粒の温度は、乳酸ポリマー単独の融点よ
り10℃以上低い温度に設定するが、具体的には、ポリ
乳酸とジフェニルエーテルの比率と融点の関係(図1)
及び造粒の方法により適宜決定すればよい。本発明の固
溶体を用いることにより、従来、ポリ乳酸単独の場合に
は、融点付近のごく狭い温度範囲でしか造粒ができなか
ったものを、ポリ乳酸単独の融点よりも10℃以上低い
温度で造粒できるようになり、ポリマーの劣化を最小限
に抑えて造粒し、更に固相重合を有利に進めることが可
能となった。
【0027】押出機に供給されたポリ乳酸とジフェニル
エーテルからなる固溶体は、押出機内で薄膜化され、徐
々に温度を下げられながらシリンダー先端に送られる。
その間、単独又は複数のベントロから真空ポンプを用い
て吸引・減圧し、ジフェニルエーテルや副生成物である
ラクチドの一部を除去してもよい。このようにジフェニ
ルエーテルの一部を脱揮・除去することにより、固相重
合前の脱溶媒時間を短縮でき、かつ、固溶体の融点は図
1に示した関係に従って急速に上昇するためこれを利用
して固化することができる。融点がシリンダー温度に極
めて接近した状態では固溶体の流動性は維持されるが、
融点を下回ると固化する。したがって、シリンダー温度
が融点以上の場合は流動性を維持した状態でダイス先端
から排出され、シリンダー温度が融点以下の場合はダイ
スへと移送される間にスクリューにより細かく切断さ
れ、ダイス先端から粒状で排出され容易に造粒される。
【0028】排出された固溶体は、流動性を持ったもの
であれば、テフロン製あるいはシリコンゴム製コンベア
ー等、剥離性の高い素材を用いたコンベアー上で冷却空
気などによって冷却され、破砕機へと送られる。そして
破砕された後にエアコンベアー、スクリューコンベアー
などの輸送手段や、重力によって、固相重合槽へ投入さ
れる。この際、ポリマーの酸化劣化や、空気中の水分が
ポリマーに吸着し、再加熱の際に分子量が低下するのを
防ぐため、これらの工程全てを水分を含まない不活性ガ
ス雰囲気下において行うことが望ましい。
【0029】排出された固溶体が固体の場合には、その
まま、又は、冷却・破砕されて、エアコンベアーやスク
リューコンベアー等の輸送手段に用いるか、あるいは重
力によって固相重合槽へと投入される。この際、ポリマ
ーの酸化劣化や、空気中の水分がポリマーに吸着し、再
加熱の際に分子量が低下するのを防ぐため、これらの工
程全てを水分を含まない不活性ガス雰囲気下において行
うことが望ましい。
【0030】固相重合槽に一定量のポリマーが投入され
た時点で、雰囲気を乾燥窒素に置換した後、溶媒である
ジフェニルエーテルを除去し、固相重合に入る。なお、
固相重合槽は、ポリマー投入前にあらかじめ雰囲気を乾
燥させた不活性ガスで置換しておくことが望ましい。溶
媒除去の温度と圧力は、ジフェニルエーテルが除去で
き、固溶体の融点以下に設定されていれば良く、特に限
定されない。しかし、あまり低温過ぎるとジフェニルエ
ーテルが気化する際に奪う気化熱の供給速度が遅くな
り、ジフェニルエーテルの除去能力が低下すると共に、
固相重合に適した温度に加熱するために多くのエネルギ
ーを必要とする。また、逆に高すぎると、ポリマーの劣
化やラクチドの飛散量が増加し、収率低下が起こる。そ
のため温度は60℃以上、固溶体の融点以下が望まし
く、更には100℃から固溶体の融点までが望ましい。
圧力は上記の温度においてジフェニルエーテルが沸騰す
る圧力以下であれば良いが、あまり下げると系外に飛散
するラクチド等の物質量が増加するため、適切な圧力が
望ましい。具体的には0.1mmHg〜50mmHgが好まし
く、特に10mmHg〜50mmHgが好ましい。また、脱溶媒
中は、熱の伝わりを均一にするために、攪拌翼や気流等
の攪拌手段を用いて攪拌しても良い。しかし、脱溶媒の
温度条件が、固溶体の融点に近い設定の場合は、ポリマ
ー表面が溶融し、ポリマー粒子同士が付着したり、攪拌
翼や重合槽壁面に付着する恐れがあるため、その様な場
合はジフェニルエーテルの一部が揮発し、固溶体の融点
が上昇した後に攪拌を開始する。
【0031】溶媒の揮発に伴い樹脂温度が一旦低下し、
再び上昇して設定温度に達したり、重合槽内の重量が一
定になるなど、溶媒の除去がほぼ終了したと判断された
時点で、重合槽内の設定温度を固相重合に適した温度に
設定し、減圧条件下で固相重合を開始する。同相重合開
始時点の設定温度は固溶体の融点以下であれば良く、固
相重合の間、一定の温度に固定しても良いし、重合と共
に徐々に結晶化が進んで融点が上昇するのに合わせて設
定温度を上げて行っても良い。一般的に低分子量で末端
基濃度が高い状態で高温・低圧条件にしておくと、末端
基から生じる副生成物のラクチドが発生し易くなり、収
率が低下してしまう。そこで、望ましくは重合初期は槽
内の圧力をラクチドの飽和蒸気圧以上に設定し、その後
段階的に圧力を下げてゆく方法が望ましい。また、重合
中は、熱の伝わりを均一にするために、攪拌翼や気流等
の攪拌手段を用いて攪拌しても良い。しかし、温度条件
が固溶体の融点に近い設定の場合は、ポリマー表面が溶
融し、ポリマー粒子同士が付着したり、攪拌翼や重合槽
壁面に付着する恐れがあるため、その様な場合はポリマ
ーの結晶化が進行し、融点が上昇してから、攪拌を開始
する。
【0032】固相重合により、溶液重合が終了したポリ
マーの分子量を増大させるためには、分子量の増大に伴
って触媒の濃度を下げてゆくことが好ましい。これは、
重合度と触媒濃度との間に、次のような関係があるから
である。
【0033】
【数1】
【0034】触媒濃度を低下させる方法としては、触媒
の失活剤を添加しても良いが、固相重合を進めることに
よって末端基数を減少させ、触媒同士が4員環や6員環
を作る反応を促進させて、触媒を失活させる方法がより
望ましい。固相重合の終了点は特に限定されないが、分
子量の増大速度が低下をはじめるか、その直前の時点が
望ましい。
【0035】固相重合が終了した固溶体は、そのまま、
又は精製工程を経て造粒用TEXに供給され、ペレット
に加工される。その際、TEXを使ってポリマー内に残
留しているクラチドモノマーを除去したり、生分解性を
持つ添加剤や他の材料とブレンドしてもよい。
【0036】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。なお、本発明における分子量の測定、ジフェニル
エーテル量の測定、融点の測定、立体規則性の測定は、
次の方法で行った。
【0037】(1)重量平均分子量:クロロホルムを溶
離液としたGel permeation Chromatography(GPC)
により測定した。試料の濃度は0.5〜1%で、標準試
料には、分子量既知の標準ポリスチレンを用いた。
【0038】(2)ジフェニルエーテル量:クロロホル
ムを溶離液としたGel permeation Chromatography(G
PC)により測定した。試料の濃度は0.5〜2%で、
標準試料には、99.99%濃度のジフェニルエーテル
を希釈して用いた。なお、濃度0.01〜1%間の相関
係数は0.9999であった。
【0039】(3)融点:アルミナ5mgをリファレンス
として用いたDifferential Scanning Calorimetry(D
SC)で測定した。雰囲気は窒素、昇温速度は5℃/mi
nで、試料量は5mgとした。
【0040】(4)立体規則性:クロロホルムを溶媒
に、ヘキサンを貧溶媒に用いて精製した後、CDCl3
に溶解させて、13C−核磁気共鳴(13C−NMR)によ
り分析を行った。得られたスペクトルのC=O領域にお
ける、全C=Oピーク面積に占める主ピーク面積の割合
(百分率)を算出し、立体規則性とした。
【0041】実施例1 太平化学工業社製90%L−乳酸7kgを図4に示す攪拌
翼6を備えた回分式溶液重合槽1に入れる。この反応槽
は上部に多管式の還流装置3が設置されており、この還
流装置の上流にはバルブ2、冷却トラップ4と真空ポン
プ5が設置されている。材料温度を100℃に加熱し、
真空ポンプ5直前の圧力を3torrに調整し、更に200
rpmで攪拌翼を回転させながら1時間脱水を行ったとこ
ろ、脱水開始直後に約30torrであった重合槽の圧力
は、3torrで安定した。そこで更に重合内の材料温度が
160℃になるように設定し、脱水を継続したところ、
再び反応槽の圧力は約30torrに上昇したが、4時間後
には圧力は約10torrまで低下し、安定した。そこで、
この時点を脱水工程終了点と判断し、次の溶液重合工程
に移行した。
【0042】脱水が終了した試料に重合触媒として塩化
第一スズ2水和物を初期乳酸原料に対して0.5wt%と
なるように添加し、更にジフェニルエーテルを初期乳酸
原料に対して50重量部となるように添加した。そして
反応槽の材料温度が160℃となるように調整し、真空
ポンプ直前の圧力を3torrに調整し、200rpmで攪拌
翼を回転させながら溶液重合を行った。ポリマーの粘度
に適した攪拌を行うため、重合途中から攪拌翼の回転数
を段階的に落とし、最終的には5rpmとした。そして、
分子量の上昇速度が低下しはじめる溶融重合開始から1
7時間後に溶液重合を終了した。ゲルクロマトグラフを
用いて測定したこの時のポリマーの重量平均分子量は9
6,000であった。
【0043】バルブ2を閉じ、窒素供給バルブ8を開い
て重合槽内に乾燥窒素を供給し、常圧に戻した後、更に
圧力計9が0.3kgf/cm2の圧力となるように加圧す
る。そして重合槽の下部にある排出バルブ10を開放
し、その下に設置されているギアポンプ11を30rpm
で回転させ、重合槽内のポリマーを2軸スクリュー押出
機(TEX)21へ供給する。この時の樹脂の排出速度
は約10kg/hrであった。
【0044】続いて造粒工程に入る。TEXは、スクリ
ュー径が30mmのTEX30αを用い、各々個別に加熱
することができる7つのシリンダーブロック13が装着
されている。スクリューの構成は、全てフルフライトの
スクリューとした。
【0045】シリンダーブロックの温度を140℃に設
定し、スクリュー回転数を25rpmで同方向に回転させ
ながら、ホッパー口12から約10kg/hrの速度で重量
平均分子量96,000のポリマーを供給した。ダイス
17から樹脂が安定して排出されるのを確認した後、出
てきた樹脂をテフロン製冷却コンベアー18で移動させ
ながら冷却装置19で冷却後、破砕機22で破砕して回
分式固相重合槽24に投入した。この重合槽には冷却ト
ラップ26とその先に真空ポンプ27が設置されてお
り、溶媒やラクチドがトラップ内に捕集されるようにな
っている。熱媒温度が120℃となるように調整し、真
空ポンプ27直前の圧力を3torrに調整、攪拌翼25を
回転させずに1時間脱溶媒を行ったところ、約3000
gの液体が冷却トラップ26に捕集された。ポリマーの
一部を採取し、重量平均分子量を測定したところ、7
0,000であった。熱媒の温度を160℃に設定し、
真空ポンプ直前の圧力を3torrに調整、攪拌翼を5rpm
で回転させながら24時間重合を行ったところ、重量平
均分子量140,000のポリマーを得た。この時点の
収率は72%であった。
【0046】実施例2 実施例1と同様、90%L−乳酸7kgを4時間脱水後、
重合触媒として塩化第一スズ2水和物を、溶媒としてジ
フェニルエーテルを初期乳酸原料に対して25重量部と
なるように添加した。そして反応槽の材料温度が160
℃となるように調整し、真空ポンプ直前の圧力を3torr
に調整、200rpmで攪拌翼を回転させながら溶液重合
を行った。ポリマーの粘度に適した攪拌を行うため、重
合途中から攪拌翼の回転数を段階的に落とし、最終的に
は5rpmとした。そして、分子量の上昇速度が低下しは
じめる溶融重合開始から12時間後に溶液重合を終了し
た。ゲルクロマトグラフを用いて測定した。この時のポ
リマーの重量平均分子量は95,000であった。回分
式溶液重合槽内に乾燥窒素を供給して常圧に戻した後更
に0.3kgf/cm2の圧力となるように加圧する。そして
重合槽下部にある排出バルブ10を開放し、その下に設
置されているギアポンプ11を介して、重合槽内のポリ
マーを、排出速度約10kg/hrで2軸スクリュー押出機
(TEX)へ供給した。造粒機のシリンダーブロック温
度を150℃に設定し、スクリュー回転数を25rpmで
同方向に回転させながら、ホッパー口から約10kg/hr
の速度で重量平均分子量95,000のポリマーを供給
した。ダイスから樹脂が安定して排出されるのを確認し
た後、出てきた樹脂をテフロン製冷却コンベアー18で
移動させながら冷却装置で冷却後、破砕機19で破砕し
て回分式固相重合槽24に投入した。実施例1と同様に
脱溶媒後、固相重合槽の熱媒の温度を160℃に設定
し、真空ポンプ直前の圧力を3torrに調整、攪拌翼を5
rpmで回転させながら24時間固相重合を行ったとこ
ろ、重量平均分子量161,000のポリマーを得た。
のこ時点の収率は77%であった。
【0047】実施例3 太平化学工業社製90%L−乳酸7kgを図5に示す攪拌
翼6を備えた回分式溶液重合槽1に入れ、実施例1と同
様に、4時間脱水後、重合触媒として塩化第一スズ2水
和物を、溶媒としてジフェニルエーテルを添加した。そ
して重合槽内の材料温度が160℃となるように調整
し、真空ポンプ5直前の圧力を3torrに調整、200rp
mで攪拌翼を回転させながら溶液重合を行った。ポリマ
ーの粘度に適した攪拌を行うため、重合途中から攪拌翼
の回転数を段階的に落とし、最終的には5rpmとした。
そして、分子量の上昇速度が低下しはじめる溶融重合開
始から17時間後に溶液重合を終了した。ゲルクロマト
グラフを用いて測定したこの時のポリマーの重量平均分
子量は102,000であった。
【0048】バルブ2を閉じ、窒素供給バルブ8を開い
て回分式溶液重合槽内に乾燥窒素を供給して常圧に戻し
た後、更に圧力計9が0.3kgf/cm2の圧力となるよう
に加圧する。そして重合槽の下部にある排出バルブ10
を開放し、その下に設置されているギアポンプ11を3
0rpmで回転させ、重合槽内のポリマーを2軸スクリュ
ー押出機(TEX)21へ供給する。この時の樹脂の排
出速度は約10kg/hrであった。
【0049】続いて造粒工程に入る。TEXは、スクリ
ュー径が30mmのTEX30αを用い、各々個別に加熱
することができる12のシリンダーブロック13が装着
されている。そして3、5、7、9つめのブロックにそ
れぞれベント口14が設けられ、各ベント口には冷却ト
ラップ31及び真空ポンプ32が接続されている。スク
リューの構成は、ホッパー口12と最初の口の間に、ニ
ーデングディスクと逆にフライドディスクを組み合わせ
た2.5L/Dの長さのマテリアルシール15を設置し
た以外は全てフルフライトのスクリューとした。
【0050】シリンダーブロックの温度を145℃に設
定し、スクリュー回転数を25rpmで同方向に回転させ
ながら、ホッパー口12から約10kg/hrの速度で重量
平均分子量102,000のポリマーを供給した。ダイ
ス17から樹脂が安定して排出されるのを確認した後、
真空ポンプ32を作動させて、ベント口14〜16から
ベントアップが起こらない程度に吸引を行ったところ、
ダイスから溶融状態で排出されていたポリマーが、小さ
な塊で排出されるようになった。このポリマー中のジフ
ェニルエーテル含有量をGPCを用いて測定したとこ
ろ、ホッパー口で約36%であったものが、約12%に
減少していた。
【0051】塊状ポリマーを大気中で冷却後、回分式固
相重合槽24に投入する。この重合槽には冷却トラップ
26とその先に真空ポンプ27が設置されており、溶媒
やラクチドが冷却トラップ26内に捕集されるようにな
っている。熱媒温度が150℃となるように調整し、真
空ポンプ27直前の圧力を3torrに調整、攪拌翼25を
回転させずに1時間脱溶媒を行ったところ、約750g
の液体がトラップに捕集された。ポリマーの一部を採取
し、重量平均分子量を測定したところ、101,000
であった。熱媒の温度を160℃に設定し、真空ポンプ
27直前の圧力を3torrに調整、攪拌翼を5rpmで回転
させながら20時間重合を行ったところ、重量平均分子
量210,000のポリマーを得た。この時の収率は7
1%であった。
【0052】実施例4 太平化学工業社製90%L−乳酸7kgを図6に示した攪
拌翼6を備えた回分式溶液重合槽1に入れ、実施例1と
同様にして脱水後、重合触媒として塩化第一スズ2水和
物、溶媒としてジフェニルエーテルを添加して17時間
重縮合したところ、得られたポリ乳酸の重量平均分子量
は、96,000であった。バルブ2を閉じ、窒素供給
バルブ8を開いて重合槽内に乾燥窒素を供給して常圧に
戻した後更に圧力計9が0.3kgf/cm2の圧力となるよ
うに加圧する。そして重合槽の下部にある排出バルブ1
0を開放し、その下に設置されているギアポンプ11を
30rpmで回転させて、重合槽内のポリマーを2軸スク
リュー押出機(TEX30α)21へ約10kg/hrの排
出速度で排出する。
【0053】TEXのシリンダーブロック温度、スクリ
ュー構成、スクリュー回転数を実施例3と同じとし、ホ
ッパー口12から約10kg/hrの速度で空気に触れぬよ
うに供給し、ダイス17からポリマーが安定して排出さ
れた時点で真空ポンプ27を作動させ、各ベント口から
ベントアップが起こらない程度に吸引を行ったところ、
ダイスから溶融状態で排出されていたポリマーが、小さ
な塊で排出されるようになった。このポリマー中のジフ
ェニルエーテル含有量をGPCを用いて測定したとこ
ろ、ホッパー口で約38%であったものが、約15%に
減少していた。この時点で図6に示すように、ダイス1
7と回分式固相重合槽24を接続し、窒素供給バルブ3
3を開いてTEXから排出されるポリ乳酸を乾燥窒素と
共に回分式固相重合槽24に供給する。重合槽の熱媒温
度が150℃となるように調整し、真空ポンプ27直前
の圧力を3torrに調整、攪拌翼25を回転させずに1時
間脱溶媒を行った後、熱媒の温度を160℃に再設定
し、真空ポンプ27直前の圧力を3torrに調整、攪拌翼
を5rpmで回転させながら24時間重合を行ったとこ
ろ、重量平均分子量236,000、立体規則性95%
のポリマーを得た。この時の収率は69%であった。
【0054】実施例5 実施例4と同様に90%L−乳酸7kgを4時間脱水後、
重合触媒として塩化第一スズ2水和物を初期乳酸原料に
対して0.5wt%となるように添加し、更にジフェニル
エーテルを初期乳酸原料に対して25重量部となるよう
に添加した。そして反応槽の材料温度が160℃となる
ように調整し、真空ポンプ直前の圧力を3torrに調整、
200rpmで攪拌翼を回転させながら溶液重合を行っ
た。ポリマーの粘度に適した攪拌を行うため、重合途中
から攪拌翼の回転数を段階的に落とし、最終的には5rp
mとした。そして、分子量の上昇速度が低下しはじめる
溶融重合開始から12時間後に溶液重合を終了した。ゲ
ルクロマトグラフを用いて測定したこの時のポリマーの
重量平均分子量は93,000であった。重合槽内に乾
燥窒素を供給して常圧に戻した後更に0.3kgf/cm2
圧力となるように加圧する。そして重合槽の下部にある
排出バルブを開放し、その下に設置されているギアポン
プ11を30rpmで回転させ、重合槽内のポリマーを2
軸スクリュー押出機(TEX30α)へ約10kg/hrの
排出速度で排出した。
【0055】TEXのシリンダーブロック温度を150
℃に設定し、実施例4と同じ方法でTEXを用いて処理
したところ、ダイスからポリマーが、小さな塊で排出さ
れるようになった。このポリマー中のジフェニルエーテ
ル含有量をGPCを用いて測定したところ、ホッパー口
で約20%であったものが、約10%に減少していた。
この時点で実施例4と同様に、ダイスと固相重合槽を接
続し、TEXから排出されるポリ乳酸を乾燥窒素と共に
固相重合槽に供給する。固相重合槽の熱媒温度が150
℃となるように調整し、真空ポンプ直前の圧力を3torr
に調整、攪拌翼を回転させずに1時間脱溶媒を行った
後、熱媒の温度を160℃に再設定し、真空ポンプ直前
の圧力を3torrに調整、攪拌翼を5rpmで回転させなが
ら24時間重合を行ったところ、重量平均分子量19
6,000、立体規則性96%のポリマーを得た。この
時の収率は75%であった。
【0056】
【発明の効果】本発明により、ポリ乳酸とジフェニルエ
ーテルが形成する固溶体の特性を生かし、溶融重合が終
了した該固溶体を、熱劣化、酸化劣化、加水分解が少な
い条件で、効率良く造粒し、固相重合で立体規則性が高
く、高分子量のポリ乳酸を高収率で製造することが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】固溶体中のジフェニルエーテル含有率と融点と
の関係を示す図である。
【図2】本発明固溶体の予想される構造を示す図であ
る。
【図3】本発明固溶体の予想される構造を示す図であ
る。
【図4】本発明のポリ乳酸の製造装置(実施例1、実施
例2)の概略を示す図である。
【図5】本発明のポリ乳酸の製造装置(実施例3)の概
略を示す図である。
【図6】本発明のポリ乳酸の製造装置(実施例4、実施
例5)の概略を示す図である。
【符号の説明】
1:回分式溶液重合槽 2:バルブ 3:還流管 4:冷却トラップ 5:真空ポンプ 6:攪拌翼 7:攪拌モーター 8:乾燥窒素ガス供給バルブ 9:圧力計 10:材料排出バルブ 11:ギヤーポンプ 12:ホッパー口 13:シリンダーブロック 14:ベント口 15:マテリアルシール 17:ダイス 18:冷却コンベアー 19:冷却装置 20:モーター 21:2軸スクリュー押出機(TEX) 22:破砕機 23:バルブ 24:回分式固相重合槽 25:攪拌翼 26:冷却トラップ 27:真空ポンプ 28:排出バルブ 29:乾燥窒素供給バルブ 30:バルブ 31:冷却トラップ 32:真空ポンプ 33:窒素供給バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 憲明 広島県広島市安芸区船越南一丁目6番一 号 株式会社日本製鋼所内 (72)発明者 木村 良晴 滋賀県近江八幡市鷹飼町1126−1番地 (56)参考文献 特開 平8−120060(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸と、該ポリ乳酸を乳酸モノマー
    に換算した重量100重量部に対し2〜100重量部の
    ジフェニルエーテルとを含有する固溶体を、乳酸ポリマ
    ー単独の融点より10℃以上低い温度に設定して造粒し
    た後、固相重合を行うことを特徴とするポリ乳酸の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の固溶体を、この融点以下
    の温度に下げて固化し、破砕し、粒状とした後、固相重
    合を行うことを特徴とするポリ乳酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の固溶体中のジフェニルエ
    ーテルの一部を脱揮・除去し、該固溶体の融点を上げる
    ことにより、固化し、造粒した後、固相重合を行うこと
    を特徴とするポリ乳酸の製造方法。
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