JP3429203B2 - スイッチング電源装置のスナバ回路 - Google Patents

スイッチング電源装置のスナバ回路

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JP3429203B2 JP25298598A JP25298598A JP3429203B2 JP 3429203 B2 JP3429203 B2 JP 3429203B2 JP 25298598 A JP25298598 A JP 25298598A JP 25298598 A JP25298598 A JP 25298598A JP 3429203 B2 JP3429203 B2 JP 3429203B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるAC−D
Cコンバータや、DC−DCコンバータなどとして好適
に実施されるスイッチング電源装置において、スイッチ
ング素子のOFF時に発生するノイズを除去するための
スナバ回路に関する。 【0002】 【従来の技術】携帯型小型電子機器などに用いられ、商
用交流を整流・平滑化して得られた直流電流またはバッ
テリからの直流電流を、たとえば数百kHz程度の高周
波でスイッチングし、小型の変圧器で所望とする電圧に
高効率に変換するようにしたスイッチング電源装置が広
く用いられている。 【0003】一方で、電子機器から発生する電磁ノイズ
に対する規制が厳しくなってきており、上述のようなス
イッチング電源装置には、ノイズとなるスイッチングサ
ージを吸収するためのスナバ回路が搭載されている。 【0004】図3は、典型的な従来技術のスナバ回路1
を搭載するスイッチング電源装置2の電気回路図であ
る。このスイッチング電源装置2は、フライバック方式
のスイッチング電源装置であり、直流電源3に対して変
圧器4の1次巻線4aおよびスイッチング素子5の直列
回路を接続し、スイッチング素子5のON期間に1次巻
線4aに蓄積した励磁エネルギを、OFF時に2次巻線
4bから出力し、ダイオード6および平滑コンデンサ7
を介して、出力端子8,9間に導出するものである。 【0005】スナバ回路1は、スイッチングサージ吸収
用のコンデンサ11およびダイオード12から成り、前
記1次巻線4aに並列に接続される直列回路と、前記コ
ンデンサ11に並列に接続される抵抗13とを備えて構
成されている。前記スイッチング素子5のON期間に変
圧器4の漏洩インダクタンスに蓄積されたエネルギによ
って、スイッチング素子5のターンオフ時に発生するサ
ージは、ダイオード12を介してコンデンサ11に吸収
され、時間経過に伴って、抵抗13で消費されてゆく。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術のスナ
バ回路1では、前記漏洩インダクタンスによるサージエ
ネルギは、コンデンサ11に蓄積された後、抵抗13で
消費されてゆく。したがって、電力変換効率が低く、近
年の省エネルギ化の要求には対応することができないと
いう問題がある。 【0007】このため、他の従来技術として、前記コン
デンサ11に蓄積されたサージエネルギを利用するよう
にした構成が特開平8−182316号公報で提案され
ている。図4は、その特開平8−182316号による
スナバ回路21を備えるスイッチング電源装置22の電
気回路図である。 【0008】このスイッチング電源装置22において、
前述のスイッチング電源装置2に対応する構成には、同
一の参照符号を付して示している。このスイッチング電
源装置22は、フォワード方式のスイッチング電源装置
であり、スイッチング素子5のON時に2次側へエネル
ギが導出される。スナバ回路21は、前記1次巻線4a
と並列に接続されるコンデンサ11およびダイオード1
2の直列回路と、インダクタ23と、内部電源24と、
ダイオード25とを備えて構成されている。 【0009】このスナバ回路21は、いわゆるLCスナ
バ回路であり、スイッチング素子5のターンオフ時に、
コンデンサ11とダイオード12との閉回路によって、
コンデンサ11に図4図示とは反対の極性で充電を行
い、スイッチング素子5のターンオン時に、インダクタ
23とコンデンサ11とが共振することによって、該コ
ンデンサ11が図4図示の極性となり、再び次のターン
オフ時に、該コンデンサ11の充電電圧によってスイッ
チング素子5を零電圧スイッチングさせ、スイッチング
損失を低減するものである。 【0010】なお、補助電源24は、軽負荷時において
も、スイッチング素子5のON期間に、コンデンサ11
に直流電源3にほぼ等しい電圧を充電するために設けら
れるものであり、余剰となった電力は、インダクタ23
およびダイオード12,25を介して直流電源3に回生
される。 【0011】このようにスナバ回路21は、スイッチン
グ素子5のON期間に変圧器4に蓄積されていた励磁エ
ネルギによって、前記スイッチング素子5のOFF時に
発生するサージエネルギをコンデンサ11で吸収し、ス
イッチング素子5の零電圧スイッチングのために用いて
いる。 【0012】このように構成されるスナバ回路21で
は、上述のように、スイッチング素子5を零電圧スイッ
チングさせて、スイッチングによる損失を低減させるこ
とができるけれども、スイッチング素子5のOFF時に
発生する変圧器4の漏洩インダクタンスとコンデンサ1
1との共振振動によるノイズレベルを低くするために
は、コンデンサ11の容量を大きくする必要が生じる。 【0013】また、スナバ回路21内に大きな無効電流
が流れ、前記零電圧スイッチングによる損失の低減分よ
りも大きな損失を招くことになるという問題がある。す
なわち、スイッチング電源装置22が重負荷で動作して
いる場合には、スイッチング素子5のOFF後のリセッ
ト電流が大きいので、コンデンサ11が直流電源3の電
圧値以上に充電され、この過充電分に相当するエネルギ
が次回のスイッチング素子5のON時に直流電源3に回
生されるけれども、その回生は、まずコンデンサ11と
チョークコイル23との共振によって、コンデンサのエ
ネルギがチョークコイル23に移り、このチョークコイ
ル23からダイオード12,25および補助電源24を
介して直流電源3に供給されることで実現されるので、
ダイオード12,25のON抵抗による損失、補助電源
24の内部抵抗による損失およびチョークコイル23の
ヒステリシス損の増加によって、大きな損失が発生する
という問題がある。 【0014】また、スイッチング電源装置22が軽負荷
で動作している場合には、スイッチング素子5のOFF
後のリセット電流が小さいので、コンデンサ11が直流
電源3の電圧値以下にしか充電されず、前述のように補
助電源24から不足分を充電することになり、該補助電
源24内の内部抵抗によって損失が発生する。 【0015】一方、フォワード方式のスイッチング電源
装置では、主電源投入時等、直流電源3の電源電圧の変
圧器4の巻数倍の2次側誘起電圧と、平滑コンデンサ7
の充電電圧との間の差が大きいと、スイッチング素子5
のON時に大きな突入電流が流れ、素子の破損を招いて
しまうので、図4で示すように、フライホイールダイオ
ード26とチョークコイル27とを設ける必要があり、
部品点数が多くなる。 【0016】そこで、上述のような構成を、本発明の理
想的な適用例であるフライバック方式のスイッチング電
源装置に用いると、図5で示すようになる。このスイッ
チング電源装置22aでは、スナバ回路21aは、前述
の補助電源24として、変圧器4の第2の2次巻線4c
を用いている。まず、スイッチング素子5がONしてい
る期間中は、コンデンサ11は、前述のように図示の極
性方向に、直流電源3の電圧ebに充電されている。 【0017】スイッチング素子5がONからOFFに切
換わった瞬間では、図6(a)において矢符i1で示す
ように、コンデンサ11は、ダイオード12および1次
巻線4aの閉回路で放電を開始する。またこのとき、2
次巻線4cには、図示の方向に電圧elが誘起される。
この誘起電圧elは、コンデンサ11の端子間電圧ec
がスイッチング素子5のOFFタイミング直前で前述の
ようにebであり、変圧器4の1次巻線4aの巻数をn
a、2次巻線4cの巻数をncとするとき、 el=eb×(nc/na) …(1) で表される。 【0018】ここでnc<naであるので、前記誘起電
圧elは、電源電圧ebよりも小さく、該誘起電圧el
による電流は発生しない。 【0019】図6(b)で示すように、コンデンサ11
の放電が終了しても、前記1次巻線4aの励磁エネルギ
によって、前記矢符i1で示す電流が流れ続け、コンデ
ンサ11は、図6(c)で示すように逆方向に充電さ
れ、その端子間電圧ecが下式に示す値、すなわち該端
子間電圧ecの巻数比倍の電圧が出力中の電圧voより
高くなると、ダイオード6がONし、矢符i2で示す電
流によって2次側の平滑コンデンサ7の充電が開始され
る。 【0020】 ec=vo×(na/nb) …(2) ただし、nbは2次巻線4bの巻数であり、voは2次
側出力電圧、すなわちコンデンサ7の端子間電圧であ
る。 【0021】なお、このとき2次巻線4cに図示の方向
に電圧elが誘起されるけれども、ダイオード25によ
って電流は流れない。 【0022】前記電流i2が流れ続けている期間中は、
図6(d)で示すように、前記電流i1が停止し、前記
式2の関係が維持される。ただし、これは変圧器4の結
合度が100%の場合であり、実際には100%未満で
あり、1次巻線4aの漏洩インダクタンスの励磁エネル
ギによって、前記端子間電圧ecは、前記式2の値以上
に上昇する。 【0023】やがて、1次巻線4aの励磁エネルギの2
次側への放出が終了すると、図6(e)で示すように、
1次側および2次側の電流がともに停止し、スイッチン
グ素子5がONするまでの期間、コンデンサ11は前記
式2で示す電圧ecを維持する。 【0024】図7(a)で示すように、スイッチング素
子5がONすると、矢符i3で示す直流電源3からの電
流によって1次巻線4aの励磁が開始されるとともに、
コンデンサ11は放電を開始し、矢符i4で示すよう
に、スイッチング素子5、ダイオード25、2次巻線4
cを介して、インダクタ23を励磁する。このとき、2
次巻線4cに誘起される電圧elによっても、インダク
タ23が励磁される。 【0025】図7(b)で示すように、コンデンサ11
の放電が終了しても、2次巻線4cに誘起される前記式
1で示す電圧elによってインダクタ23は励磁され続
け、これによってコンデンサ11は逆方向への充電を開
始される。 【0026】その後、図7(c)で示すように、コンデ
ンサ11は、その端子間電圧ecが直流電源3の電圧e
bとなるまで、インダクタ23の励磁エネルギの放出と
2次巻線4cに誘起される電圧elとによって充電され
る。 【0027】コンデンサ11の端子間電圧ecが前記電
源電圧ebとなると、図7(d)において矢符i5で示
すように、インダクタ23の余剰の励磁エネルギは、ダ
イオード12,25および2次巻線4cを介して直流電
源3に回生される。このとき、2次巻線4cの誘起電圧
elによって、該回生が付勢される。 【0028】前記インダクタ23の励磁エネルギの放出
が完了すると、図7(e)で示すように、前記電流i5
が停止する。この状態でコンデンサ11の端子間電圧e
cは、前記電源電圧ebのままで維持され、前記図6
(a)で示すスイッチング素子5のOFFタイミングま
で保持される。 【0029】このスナバ回路21aでは、前記スナバ回
路21と同様に、スイッチング素子5のOFF時に発生
する変圧器4の漏洩インダクタンスとコンデンサ11と
の共振振動によるノイズレベルを低くするためには、コ
ンデンサ11の容量を大きくする必要が生じる。さら
に、図6(a)から図6(c)で示すように、スイッチ
ング素子5がOFFすると、コンデンサ11の充電極性
が反転して、該コンデンサ11とダイオード12と1次
巻線4aとの閉回路内を、矢符i1で示す大きな無効電
流が流れ、また図7(a)から図7(c)で示すよう
に、スイッチング素子5がONすると、コンデンサ11
の充電極性が反転して、該コンデンサ11とスイッチン
グ素子5とダイオード25と2次巻線4cとインダクタ
23との閉回路内を、矢符i4で示す大きな無効電流が
流れ、これらによる損失が発生するという問題がある。 【0030】本発明の目的は、電力変換効率を向上する
ことができるスイッチング電源装置のスナバ回路を提供
することである。 【0031】 【課題を解決するための手段】本発明に係るスナバ回路
は、スイッチングサージ吸収用のコンデンサおよび第1
のダイオードから成り、変圧器の1次巻線と並列に、か
つスイッチング素子側がコンデンサとなるように接続さ
れる直列回路と、前記スイッチング素子のON時に、前
記コンデンサおよび該スイッチング素子と閉回路を形成
する補助巻線および第2のダイオードとを含み、前記直
流電源の出力電圧をE B とし、前記2次側出力電圧をV
oとし、変圧器の前記1次巻線の巻数をnaとし、変圧
器の前記2次巻線の巻数をnbとし、変圧器の前記補助
巻線の巻数をncとすると、(na/nb)×Vo=
(nc/na)×E B を満足することを特徴とする。 【0032】上記の構成によれば、スイッチング素子の
ON期間に変圧器の漏洩インダクタンスに蓄積されたエ
ネルギは、スイッチング素子のOFF時に、第1のダイ
オードのスイッチング動作によって、該第1のダイオー
ドと前記変圧器の1次巻線とコンデンサとによって形成
された閉回路を流れ、前記コンデンサに吸収される。こ
れによって、スイッチングサージによるノイズの発生が
抑制される。 【0033】こうしてコンデンサに蓄積されたエネルギ
は、スイッチング素子のONタイミングの初期に、第2
のダイオードの導通によって、該コンデンサと、スイッ
チング素子と、補助巻線と、前記第2のダイオードとに
よって形成される閉回路内を流れて変圧器の励磁エネル
ギに変換され、結果として補助巻線から2次側へ出力さ
れることになる。 【0034】したがって、変圧器の漏洩インダクタンス
に蓄積された励磁エネルギに起因したスイッチングサー
ジは、ノイズの抑制のためにコンデンサに吸収されるだ
けでなく、2次側に回生されるので、電力変換効率を高
めることができる。 【0035】また、スイッチング素子のONタイミング
の初期に、コンデンサの端子間電圧を1次巻線と補助巻
線との巻数比倍した値が、直流電源の電圧を超えている
分だけ、すなわち前回のOFFタイミングで蓄積された
漏洩インダクタンス分のエネルギが前記閉回路を介して
2次側へ出力されるだけであるので、該閉回路内を流れ
る電流は2次側への回生分だけとなり、コンデンサの充
電極性が反転するようなことはなく、また無効電流が発
生するようなこともなく、コンデンサの端子間電圧はほ
ぼ一定となって、回生に伴なう損失が極めて小さくな
り、これによってもまた、電力変換効率を向上すること
ができる。 【0036】 【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1および図2に基づいて説明すれば以下のとおりであ
る。 【0037】図1は、本発明の実施の一形態のスナバ回
路31を備えるスイッチング電源装置32の電気回路図
である。このスイッチング電源装置32は、直流電源3
3の両端子間に変圧器34の1次巻線34aとスイッチ
ング素子35との直列回路が接続され、スイッチング素
子35のON期間に前記1次巻線34aに蓄積された励
磁エネルギを、OFF期間に2次巻線34bからダイオ
ード36を介して取出し、平滑コンデンサ37で平滑化
して、出力端子38,39間に所定の2次側電圧Voと
して出力するようにしたフライバック方式のスイッチン
グ電源装置である。 【0038】前記直流電源33は、商用交流を整流して
得られた電流を平滑化する平滑コンデンサや、バッテリ
などで実現され、この図1の例では、バッテリで示して
いる。また、スイッチング素子35は、たとえばバイポ
ーラトランジスタや電界効果型トランジスタなどで実現
され、この図1の例では、電界効果型トランジスタで示
している。前記スイッチング素子35のゲート35aに
は、図示しない制御回路から、出力電圧Voが低くなる
程、ON期間が長くなる制御信号が与えられており、こ
れによって負荷変動に拘らず、前記出力電圧Voが所定
値に安定化されている。 【0039】スナバ回路31は、ダイオード41とコン
デンサ42とから成り、1次巻線34aと並列に、かつ
直流電源33側にダイオードが、スイッチング素子35
側にコンデンサ42が接続される直列回路と、スイッチ
ング素子35のON時に、前記コンデンサ42とスイッ
チング素子35と閉回路を形成する変圧器34の補助巻
線34cとダイオード43とを備えて構成されている。 【0040】ダイオード41は、該ダイオード41とコ
ンデンサ42と1次巻線34aとによって形成される閉
回路内を、矢符I1で示す方向に電流ループを形成する
ように、コンデンサ42側がアノードとされ、直流電源
33側がカソードとされる。また、ダイオード43は、
前記閉回路内を矢符I2で示す方向に電流ループを形成
するように、コンデンサ42側がカソードとされ、スイ
ッチング素子35側がアノードとされる。このダイオー
ド43と補助巻線34cとは、相互に入換えられてもよ
い。 【0041】図2は、上述のように構成されるスイッチ
ング電源装置32の動作を説明するための波形図であ
る。この図2において、EDSは、スイッチング素子35
のドレイン−ソース間電圧であり、ドレイン側がハイで
ある場合を正方向としている。Incは、補助巻線34
cを流れる電流であり、前記矢符I2方向を正方向とし
ている。IDSは、前記スイッチング素子35を流れる電
流であり、前記矢符I2方向を正方向としている。Ec
は、コンデンサ42の端子間電圧であり、図1図示の極
性方向を正方向としている。Icは、前記コンデンサ4
2の充放電電流であり、前記矢符I1方向を正方向と
し、したがって矢符I2方向を逆方向としている。In
aは、変圧器34の1次巻線34aを流れる電流であ
り、前記矢符I1方向を正方向としている。Inbは、
変圧器34の2次巻線34bを流れる電流であり、矢符
I3方向を正方向としている。 【0042】スイッチング素子35のONタイミングで
ある時刻t0では、後述するように、コンデンサ42の
端子間電圧Ect0 は、式3で示す値となっている。 【0043】 【数1】 【0044】ただし、naは変圧器34の1次巻線34
aの巻数であり、nbは2次巻線34bの巻数であり、
Voは前記2次側出力電圧である。 【0045】ここで、補助巻線34cの巻数ncは、直
流電源33の出力電圧をEB とするとき、式4を満たす
ように設定されている。 【0046】 【数2】 【0047】したがって、前記時刻t0でスイッチング
素子35がONすると、コンデンサ42が、該コンデン
サ42とスイッチング素子35と補助巻線34cとダイ
オード43とによって形成される閉回路内を、矢符I2
方向に放電を開始し、その放電電流によって変圧器34
が励磁される。 【0048】コンデンサ42の放電によって端子間電圧
Ecが低下してゆき、時刻t1における端子間電圧Ec
1 が、 【0049】 【数3】 【0050】となると、前記放電電流は停止し、1次巻
線34aに直流電源33から励磁電流が流れ、変圧器3
4は継続して励磁される。 【0051】なお、前記時刻t0〜t1間で、前記式4
の関係が成立するので、コンデンサ42の放電電流の一
部が、1次巻線34a−直流電源33−補助巻線34c
−ダイオード43を介して流れるけれども、極僅かであ
り、動作上の影響は少なく、説明の簡略化のために省略
する。 【0052】前記時刻t1からは、前記1次巻線34a
を流れる電流Ina、したがってスイッチング素子35
を流れる電流IDSが直線的に増加してゆき、1次巻線3
4aに励磁エネルギが蓄積されてゆく。この期間は、上
述のようにコンデンサ42の充放電電流が停止してお
り、この期間のコンデンサ42の端子間電圧Ect1-
2 は、下式に示す一定値となる。 【0053】 【数4】 【0054】時刻t2において、スイッチング素子35
がOFFすると、スイッチング素子35を流れる電流I
DSは零となるけれども、1次巻線34aからは、その漏
洩インダクタンスに蓄積されていた励磁エネルギによっ
て、コンデンサ42へ矢符I1方向に充電電流が流れ、
その充電電流が零となる時刻t3において、該コンデン
サ42の端子間電圧Ect3 が最大となり、以降スイッ
チング素子35がONする時刻t0まで、この電圧Ec
3 が維持される。 【0055】このときのコンデンサ42の端子間電圧E
ct3 は、 【0056】 【数5】【0057】から求めることができる。 【0058】上記式7において、Vabは、スイッチン
グ素子35のOFFによって、2次巻線34bから1次
巻線34aに誘起されるフライバック電圧を示し、前記
式3でも示すαは、スイッチング素子35のON期間に
1次巻線34aの漏洩インダクタンスに蓄積されていた
励磁エネルギに起因する電流がコンデンサ42に流入し
た結果発生した電圧上昇分である。この上昇分が、前述
のとおり、時刻t0〜t1の期間に放電され、変圧器3
4の励磁エネルギとして再利用される。 【0059】ここで、補助巻線34cの巻数ncが式8
を満足するように最適設計されていると、その式8か
ら、前記式6を式9で表すことができる。 【0060】 【数6】 【0061】 【数7】 【0062】上記式8において、Vabは、スイッチン
グ素子35のOFF期間である時刻t2〜t0間に、2
次巻線34bによって1次巻線34aに誘起される前記
フライバック電圧であり、Vcaは、前記時刻t1〜t
2間の1次巻線34aが励磁されている状態で、補助巻
線34cに誘起される電圧を示している。この式8で示
すように、フライバック電圧Vabと誘起電圧Vcaと
が釣合うことによって、スイッチング素子35のON期
間に1次巻線34aに蓄積された励磁エネルギのうち、
2次巻線34bと有効結合しているインダクタンス成分
に蓄積されていた成分は全て有効に2次側に出力電流と
して放出され、漏洩インダクタンスに蓄積されていた成
分のみがコンデンサ42の充電エネルギに変換されるこ
とになる。 【0063】一方、前記1次巻線34aのインダクタン
スのうち、2次巻線34bと有効結合しているインダク
タンスに蓄積されていた励磁エネルギは、前記時刻t2
〜t0間に、2次側に出力電流Inbとして出力され
る。 【0064】以上のように本発明に従うスナバ回路31
では、スイッチング素子35のターンオフ時のサージエ
ネルギを、不要な電流振動を生じることなく、コンデン
サ42に確実に吸収するとともに、その吸収したエネル
ギを補助巻線34cによって変圧器34の励磁エネルギ
に変換し、結果として2次側へ回生するので、スイッチ
ングノイズを低減しつつ、電力変換効率の向上を図るこ
とができる。 【0065】また、前記コンデンサ42は、内部電源と
して機能する補助巻線34cの誘起電圧Vcaによっ
て、ほぼ一定電圧に維持されており、前記スイッチング
によるサージ分だけ、すなわち2次側への回生電流分だ
け充放電を行うことになり、従来技術で述べたようなコ
ンデンサ42の充電極性が反転するようなことはなく、
また無効電流が発生するようなこともなく、該充放電に
伴う損失を最小限とすることができ、これによっても一
層の電力変換効率の向上を図ることができるとともに、
該コンデンサ42の充放電電流が必要最小限であるの
で、該コンデンサ42の容量を大きくすることによっ
て、損失の増大を抑えつつ、ノイズを確実に除去するこ
とができる。 【0066】なお、本発明は、上述のようなフライバッ
ク方式のスイッチング電源装置に限らず、前述のフォワ
ード方式のスイッチング電源装置にも適用可能なことは
言うまでもなく、大容量の電源装置などで、励磁エネル
ギの蓄積のためのインダクタンスを、変圧器とチョーク
コイルとに分散できる等のフォワード方式の利点が重視
される場合には、電源回路はフォワード方式で構成され
てもよい。 【0067】 【発明の効果】本発明に係るスナバ回路は、以上のよう
に、スイッチングサージは、変圧器の1次巻線と並列に
設けたコンデンサおよび第1のダイオードの直列回路に
よって前記コンデンサに吸収し、これによってコンデン
サに蓄積されたエネルギを、スイッチング素子のON時
に、該コンデンサと、スイッチング素子と、補助巻線
と、第2のダイオードとによって形成される閉回路によ
って変圧器の励磁エネルギに変換し、結果として前記補
助巻線から2次側へ回生する。 【0068】それゆえ、電力変換効率を高めることがで
きる。また、スイッチング素子のONタイミングの初期
に、コンデンサの端子間電圧を1次巻線と補助巻線との
巻数比倍した値が、直流電源の電圧を超えている分だ
け、すなわち前回のOFFタイミングで蓄積された漏洩
インダクタンス分のエネルギが前記閉回路を介して2次
側へ出力されるだけであるので、該閉回路内を流れる電
流は2次側への回生分だけとなり、コンデンサの端子間
電圧はほぼ一定となって、回生に伴なう損失が極めて小
さくなり、これによってもまた、電力変換効率を向上す
ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の一形態のスナバ回路を備えるス
イッチング電源装置の電気回路図である。 【図2】図1で示すスイッチング電源装置の動作を説明
するための波形図である。 【図3】典型的な従来技術のスナバ回路を備えるスイッ
チング電源装置の電気回路図である。 【図4】他の従来技術のスナバ回路を備えるフォワード
方式のスイッチング電源装置の電気回路図である。 【図5】図4で示すスナバ回路をフライバック方式のス
イッチング電源装置に適用した例を示す電気回路図であ
る。 【図6】図5で示すスイッチング電源装置の動作を説明
するための電流経路図である。 【図7】図5で示すスイッチング電源装置の動作を説明
するための電流経路図である。 【符号の説明】 31 スナバ回路 32 スイッチング電源装置 33 直流電源 34 変圧器 34a 1次巻線 34b 2次巻線 34c 補助巻線 35 スイッチング素子 36 ダイオード 37 平滑コンデンサ 41 ダイオード(第1のダイオード) 42 コンデンサ 43 ダイオード(第2のダイオード)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】直流電源の両端子間に変圧器の1次巻線と
    スイッチング素子との直列回路が接続され、スイッチン
    グ素子のON期間に前記1次巻線に蓄積された励磁エネ
    ルギをスイッチング素子のOFF期間に2次巻線から整
    流ダイオードを介して取り出し、平滑コンデンサで平滑
    して、2次側出力電圧として出力するフライバック方式
    のスイッチング電源装置のスナバ回路において、 スイッチングサージ吸収用のコンデンサおよび第1のダ
    イオードから成り、変圧器の1次巻線と並列に、かつス
    イッチング素子側がコンデンサとなるように接続される
    直列回路と、 前記スイッチング素子のON時に、前記コンデンサおよ
    び該スイッチング素子と閉回路を形成する補助巻線およ
    び第2のダイオードとを含み、 前記直流電源の出力電圧をE B とし、前記2次側出力電
    圧をVoとし、変圧器の前記1次巻線の巻数をnaと
    し、変圧器の前記2次巻線の巻数をnbとし、変圧器の
    前記補助巻線の巻数をncとすると、(na/nb)×
    Vo=(nc/na)×E B を満足する ことを特徴とす
    るスイッチング電源装置のスナバ回路。
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