JP3429191B2 - 面対向モータ - Google Patents

面対向モータ

Info

Publication number
JP3429191B2
JP3429191B2 JP11632698A JP11632698A JP3429191B2 JP 3429191 B2 JP3429191 B2 JP 3429191B2 JP 11632698 A JP11632698 A JP 11632698A JP 11632698 A JP11632698 A JP 11632698A JP 3429191 B2 JP3429191 B2 JP 3429191B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
motor
face
magnetic flux
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11632698A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11308837A (ja
Inventor
英史 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP11632698A priority Critical patent/JP3429191B2/ja
Publication of JPH11308837A publication Critical patent/JPH11308837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3429191B2 publication Critical patent/JP3429191B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Brushless Motors (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、VCR,ヘッドホ
ン,CD等に使用する面対向モータで、モータのコイル
振動等により発生する聴感上の騒音を低減できる面対向
モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、VCR,ヘッドホン,CD等に使
用する面対向モータには、例えば図23に記載のものが
知られている。すなわち、ハウジング51側の軸受部5
3に回転可能に支持された回転軸52にロータ54が固
定される。ロータ54には多極着磁した円盤状のマグネ
ット56を有するバックヨーク55が固定され、さらに
ロータ54にはマグネット56と軸方向に対面してロー
タヨーク57が配置されている。ロータヨーク57は、
マグネット56の吸引力により内周側においてロータ5
4に圧着している。
【0003】マグネット56とロータヨーク57との間
には、複数の駆動用コイル60からなり、ハウジング5
1に固定されたステータコイル59が位置している。ス
テータコイル59は、マグネット56とロータヨーク5
7との間に発生している磁界中に配置されることになる
ため、駆動用コイル60に通電すると、フレミングの法
則より回転力が発生し、ロータ54が回転することにな
る。
【0004】このような構成のモータは、駆動用コイル
の中に鉄芯がないため、鉄損が少なく効率の良いモータ
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記面
対向モータでは、以下に示すような問題がある。この問
題について図24を用いて説明する。
【0006】図24は、上記面対向モータの磁気回路を
説明する図である。このモータでは、バックヨーク55
が磁気吸引力により固着し多極着磁された円盤状のマグ
ネット56と、マグネット56と軸方向に対面してマグ
ネット56の吸引力により微小な空隙を保って圧着固定
されているロータヨーク57とで磁気回路を構成してい
る。この磁気回路の磁力線は、ロータヨーク57,バッ
クヨーク55,空気の磁気抵抗あるいは透磁率より、N
極から空気を介してロータヨーク57に向かう磁力線G
1、ロータヨーク57内を流れる磁力線G2、空気を介
してS極のマグネット56に向かう磁力線G3、さらに
バックヨーク2を流れる磁力線G4からなる。このと
き、空隙部の磁力線G1,G3は、マグネット56と垂
直方向である、いわゆる鎖交磁束である。但し、N・S
では磁力線の向きが逆転する。
【0007】ところで、上記微小空隙部の場合空隙の磁
力線の殆どは、マグネット56及びステータコイル59
(駆動用コイル60)に対して垂直方向のもので、回転
力を生じせしめる有効磁束であるが、マグネット56の
N・S極の境界部では回転に寄与しない平行磁束Hが発
生する。この平行磁束Hはマグネット56及びステータ
コイル59と平行方向の磁束であり、ステータコイル5
9に電流を流すと、コイルパターンの径方向部と平行磁
束Hとで、フレミングの法則より、ステータコイル59
を上下させる力、即ちコイルの振動力が発生し、モータ
騒音を発生させる。
【0008】近年、磁気記録装置では、高記録密度化・
装置の小型化に伴いモータを高回転で使用するケースが
多くなっているが、モータの高回転化につれて、ステー
タコイル59の振動に起因するモータ騒音は増大する。
また、面対向モータでは、駆動用コイル60を有するス
テータコイル59の形状が平面の円板状であるため、ス
テータコイル59がスピーカのコーン紙のような振動・
騒音源として働くため、原理的に大きな騒音が発生し易
い。
【0009】また、モータの効率を高めるためには、コ
イルパターンの有効活用の点から、近年、マグネットを
多極着磁する傾向にあり、この場合、N・S極の境界数
が増加し平行磁束が増大するため、上記の騒音が大きな
問題となる。
【0010】そこで、この騒音を低減する面対向モータ
として、図25に記載の構成が知られている(特開平8
―163849号公報)。
【0011】ここでは、面対向モータのロータ34は、
多極着磁した円板状の第1のマグネット36と第1のマ
グネット36と軸方向に対面し適当な距離をおいて配置
した多極着磁した円板状の第2のマグネット38を有
し、軸受部33に回転可能に支持される。また、ステー
タコイル39は駆動用コイル40を有しており、第1の
マグネット36及び第2のマグネット38と軸方向に対
面して、第1のマグネット36及び第2のマグネット3
8の間に配置されている。このような面対向モータで
は、第2のマグネット38をロータヨークの代わりに使
用しているため、第1のマグネット36と第2のマグネ
ット38との間に発生している磁界中における振動・騒
音源となるステータコイル39に平行な方向の磁束を少
なくすることができる。よって、振動や放射騒音を低減
できる。
【0012】しかしながら、この面対向モータでは第1
と第2の2個のマグネットを使用するため通常のモータ
に比べコスト高となる。特に、小型の偏平モータにおい
ては、所望の特性を得るため高価な希土類マグネット、
例えば焼結ネオジマグネットを必要とするため、さらに
コスト高となる。また、第2のマグネットをロータヨー
クの代わりに使用しているが、第2のマグネットの漏れ
磁束を少なく安定保持するための第2のバックヨーク
(図25における37)が必要となる。このため、全モ
ータの厚さは、通常のモータに比べマグネットの厚み分
程度厚くなり、薄型化できない。
【0013】また、従来の別の面対向モータとしては、
特公平04―44504号公報に記載のものが知られて
いる。ここでは、多極着磁されたマグネットの電気角が
60,120,240,300度の位置に主極とは逆性
を有する補極領域を設けて回転力の変動、騒音を抑えて
いる。また、特公平05―184108号公報に記載の
面対向モータでは、多極着磁されたマグネットの磁界強
度分布曲線を基本波及び3次高調波成分で形成されるよ
うにすることで、回転力の変動、騒音を抑えている。
【0014】ところが、これらの面対向モータでは、多
極着磁されたマグネットの磁界強度分布を適当に設定す
ることにより回転力の変動を抑制しているが、最大着磁
部に細工するため、特性が低下する。また、コイル平面
内の力でありコイル振動により発生する騒音の低減に対
しては効果が少ない。
【0015】本発明は、これらの欠点を除くためになさ
れたものであり、多極着磁したコイルを有する場合にも
騒音を抑制できる面対向モータを提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の面対向
モータは、複数のコイルを有するステータと、該ステー
コイルの一方面側に多極着磁されたマグネットと、前
記コイルに対して前記マグネットと反対側に配置された
ヨークと、を備えた面対向モータにおいて、前記ヨーク
における前記マグネットのN・S極境界部に、前記コイ
ル側に突出する凸部が形成されてなるものである。
【0017】請求項2に記載の面対向モータは、複数の
コイルを有するステータと、該ステータコイルの一方面
側に多極着磁されたマグネットと、前記コイルに対して
前記マグネットと反対側に配置されたヨークと、を備え
た面対向モータにおいて、 前記ステータコイル付近の平
行磁束のレベルを小さくするため、前記マグネット表面
におけるN・S極境界部に、N・S極境界部の磁束を誘
導する磁束誘導部を有するものである。
【0018】請求項3に記載の面対向モータは、請求項
2に記載の面対向モータにおいて、前記磁束誘導部は、
前記マグネットの前記ステータと対向する側に設けら
れ、内部を前記磁束が通過する、磁性材料あるいはシー
ルド材からなるものである。
【0019】以下、本発明の作用を説明する。
【0020】本発明は、回転力に寄与しない平行磁束が
マグネットのN・S境界部から発生し、その境界部から
の磁束が回転力に寄与せずモータ効率への影響が少ない
ことに着目してなしたものであり、上記構成により、N
・S境界部からの磁束の発生を小さくする、あるいは、
その部分からの磁束の向きを変化させる。これにより、
コイルに影響する平行磁束を抑制して、騒音の発生を防
止する。
【0021】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕 図2は、本実施の形態の面対向モータの構成を説明する
断面概略図であり、図3はその主要部を示す説明図であ
る。図2,図3において、回転可能にされた回転軸22
にロータ24が固定される。ロータ24には多極着磁し
た円盤状のマグネット1を有するバックヨーク2が固定
され、さらにロータ24にはマグネット1と軸方向に対
面してロータヨーク3が配置されている。ロータヨーク
3は、マグネット1の吸引力により外周側においてロー
タ24に圧着している。
【0022】マグネット1とロータヨーク3との間に
は、複数の駆動用コイル5を有するステータコイル4が
位置している。ステータコイル4は、マグネット1とロ
ータヨーク3との間に発生している磁界中に配置される
ことになるため、駆動用コイル5に通電すると、フレミ
ングの法則より回転力が発生し、ロータ24が回転する
ことになる。
【0023】このような構成において、従来の面対向モ
ータでは、多極着磁されたマグネット1の着磁波形は、
図4(a)或いは図4(b)に示すような正弦波着磁や
台形波着磁となる。これらの着磁波形についてはモータ
仕様・モータ用途により使い分けされているが、何れに
しろN・S極の境界近傍(境界部)においても他の部分
と同様に磁界強度が変化している。
【0024】本実施の形態では、上記従来例とは異な
り、マグネット1の着磁波形をN・S境界部で低磁界側
に変調する変調部を設けている。例えば、図1(a)に
示すように、多極着磁されたマグネット1のN極或いは
S極の略最大着磁された所からS極或いはN極の略最大
着磁されている所までの磁界強度が変化している範囲内
において、N・S極境界部に磁界強度の変化がその前後
の変化と比べ緩やかとなる弱着磁領域(変調部)を設け
ている。図1(b)は、図1(a)における変調部での
磁界強度を示す図であるが、この図に示すように、実線
で示した本実施の形態の磁界強度L1を、点線で示した
従来(正弦波着磁,台形着磁)の磁界強度L2よりも小
さく設定している。
【0025】以上のように構成されている本面対向モー
タの動作について、図5を基に簡単に説明する。まず、
バックヨーク2が磁気吸引力により固着し多極着磁され
た円盤状のマグネット1と、マグネット1と軸方向に対
面してマグネット1の吸引力により微小な空隙を保って
圧着固定されているロータヨーク3とで磁気回路を構成
している。この磁気回路の磁力線は、ロータヨーク3,
バックヨーク2,空気の磁気抵抗あるいは透磁率より、
N極から空気を介してロータヨーク3に向かう磁力線
7、ロータヨーク3内を流れる磁力線8、その後空気を
介してS極のマグネット1に向かう磁力線9、さらにバ
ックヨーク2を流れる磁力線10からなる。このとき、
空隙部の磁力線7,9は、マグネット1と垂直方向であ
る、いわゆる鎖交磁束である。但し、N・Sでは磁力線
の向きが逆転する。
【0026】上記空隙には、複数の駆動用コイル5を有
しハウジングに固定されたステータコイル4が配置され
ている。ステータコイル4には、複数の渦巻き状パター
ンが形成されており、コイルに電流を流すと上記パター
ンの径方向部と上記鎖交磁束により回転力が発生する。
その回転力の向きはフレミングの法則より、また回転力
の大きさは、磁界強度と電流とパターンの径方向長さの
積で一義的に決まるため、ステータコイル4に流す電流
を上記鎖交磁束の向きに応じて外部回路により制御し所
望の回転方向と回転力を得ることができる。
【0027】このような面対向モータでは、従来におい
ては図24に示した平行磁束Hの存在により、コイル5
の振動によってモータ騒音が生じていた。
【0028】しかしながら、本実施の形態の面対向モー
タでは、上記したように(図1参照)N・S極境界の磁
界強度の変化をその前後と比較して小さく、つまりN・
S極境界部の磁界強度を小さくしたため、平行磁束を減
少させることができ、モータ騒音を低減させることがで
きる。
【0029】このように本実施の形態では、N・S極境
界部において磁界強度を小さくしているが、このように
しても、境界部は回転力に殆ど寄与しないため、モータ
効率への影響は少ない。
【0030】以上説明したように、本実施の形態の面対
向モータは、N・S極境界部において磁界強度を小さく
したため、多極着磁によるモータの回転効率の向上と、
騒音の抑制の両者を実現できる。
【0031】なお、磁界強度を小さくするN・S極境界
部は、モータの回転効率を保てる範囲で設定する。具体
的には、周方向の主極の幅の1/5以下の領域に設定す
ることが望ましい。
【0032】また、図1に示した実施の形態では、N・
S極の境界部において磁界強度が小さい(強度変化が緩
やかな)弱着磁領域からなる変調部を設けたが、その変
調部は無着磁領域(図5参照)、または、主極と逆性と
なる逆極性領域(図6参照)であってもよい。
【0033】また、無着磁領域を設ける場合には、図7
に示すように示すようにマグネット1のN・S極境界部
に隙間を保って複数個のマグネットを組み合わせたもの
(N,S磁極を隙間を隔てて配置したもの)であっても
よい。この場合には、図24に示した磁気回路と比較し
て、平行磁束Hを低減することができる。
【0034】さらに、図21に示すように、上記変調部
は、マグネット1のN・S極境界部に設けた凹部の溝で
あってもよい。図21の構成によれば、境界部を無着磁
とした場合と同様な効果が得られ、平行磁束11のレベ
ルが小さくなりコイル振動及び騒音が小さくすることが
できる。
【0035】また、弱着磁領域や無着磁領域は、N・S
極境界部におけるステータコイル側の一部に設けても構
わない。
【0036】次に、本発明の面対向モータによる効果
を、シミュレーションにより検証した結果について、
境界部が無着磁の場合、境界部が逆極性着磁の場合に
分けて説明する。なお、本シミユレーションでは境界部
が弱着磁領域の場合については説明しないが、この場合
にも上記の場合と同様に騒音抑制の効果が得られ
る。
【0037】境界部が無着磁の場合 図8は、本シミュレーションに用いたモデルを説明する
図であり、面対向モータにおけるある半径位置での断面
図である。本図において図2,3と同一部分については
同一符号を付している。このモデルでは、面対向モータ
の周囲の空間は空気12と仮定した。また、検証には、
マグネット1が図5に示すようにN・S極境界部におい
て無着磁領域となっているものを用いた。なお、比較の
ため、マグネット1の表面磁界強度分布が図4(a)に
示す従来の正弦波着磁の場合についても検証を行った。
【0038】まず、従来の正弦波着磁の場合について説
明する。図9は、正弦波着磁の場合のN・S極境界部に
おける磁束のベクトルのシミュレーション結果を示す図
である。また、図10は図9の結果におけるマグネット
1の磁化レベルの1/10以上のベクトルを抽出して示
したものである。さらに、図11は図10におけるマグ
ネット1等に平行な成分のみを示したものである。
【0039】図9の結果より、各極の中央部ではマグネ
ット1に駆動コイル5に鎖交する垂直磁束が多く、境界
付近ではマグネット1に平行な平行磁束が多いことがわ
かる。また、図10,図11の結果より上記平行磁束は
磁化レベルの高い(マグネット1の1/10以上のレベ
ル)ものであることが分かる。
【0040】次に、本発明の場合(無着磁)について説
明する。図12は、この場合のN・S極境界部における
磁束のベクトルのシミュレーション結果を示す図であ
る。また、図13は図12の結果におけるマグネット1
の磁化レベルの1/10以上のベクトルを抽出して示し
たものである。さらに、図14は図13におけるマグネ
ット1等に平行な成分のみを示したものである。
【0041】図12と図9との比較により、両者の各極
中央部の磁束レベルに変化がないことが分かる。また、
図13,14と図10,11との比較により、N・S極
境界部における平行磁束の磁束レベルは本発明の無着磁
の場合の方が小さいことが分かる。
【0042】以上説明したように、シミュレーションの
結果からも本発明の面対向モータによれば、平行磁束を
抑制することができることが分かる。
【0043】次に、実験により本発明の効果を実証した
結果について説明する。ここで、実験は、HDデジタル
VCR協議会から提案された、ビデオの高画質化・高音
質化を実現した民生用デジタルVCRのフォーマット
(“Specifications of Digita
l VCR for Consumer−Use”:HD
Digital VCR Conference.199
4.Dec.)に基づいて行った。なお、この仕様で
は、テープ幅が6.35(mm),トラック幅が10
(μm),記録密度が2.44(μm2/bit)で、
推奨パラメータとしてドラム直径φ21.7(mm)、
ドラム回転数150(min-1)となっている。そし
て、従来の正弦波着磁の面対向モータと本発明における
(無着磁)面対向モータとを回転シリンダーに組み込
み、ある距離での騒音レベルを騒音計にて測定し、さら
に騒音計の出力を周波数分析した。この実験では同一の
回転シリンダーに組み込み軸受等他の要因を除去した。
【0044】この結果、従来の面対向モータに比して、
本実施の形態の面対向モータでは騒音は3dB低くなる
ことが分かった。また、この実験時における騒音の周波
数分析結果を図15(従来),図16(本実施の形態)
を示すが、これらから、いわゆるコギング音(ここでは
5.4kHz)あるいはモータ回転による騒音(ここで
は150Hzの高調波)が低減しているのが分かる。な
お、図15,16における縦軸は騒音レベル,横軸は騒
音周波数を示している。
【0045】境界部が逆極性着磁の場合 次に、多極着磁されたマグネット1のN・S極の境界部
分に逆極性着磁領域を設けた場合についてのシミュレー
ション結果について説明する。なお、ここでは、マグネ
ット1の表面磁束分布が図6に示すような場合について
説明する。
【0046】図17は、この場合のN・S極境界部にお
ける磁束のベクトルのシミュレーション結果を示す図で
ある。また、図18は図17の結果におけるマグネット
1の磁化レベルの1/10以上のベクトルを抽出して示
したものである。さらに、図19は図18におけるマグ
ネット1等に平行な成分のみを示したものである。
【0047】従来の面対向モータの結果である図9,1
0,11との比較により、図6に示すように逆極性着磁
領域を設けることにより境界付近のマグネット表面の磁
束の向きに変化がみられる。すなわち、マグネット1表
面には平行磁束が多く発生しており、コイルが位置する
空隙部の中間付近には平行磁束のレベルは、図18,1
9に示すように従来のものよりも小さくなる。よって、
騒音の発生を抑制することが可能となる。
【0048】なお、以上説明した実施の形態において、
無着磁領域,弱着磁領域については、境界部の一部(例
えば、マグネット1におけるステータコイル4との対向
する表面近傍部分)のみに設けても、同様にコイル振動
及び騒音の低減効果が期待できる。さらに、無着磁領
域,弱着磁領域の幅については、径に応じて変更しても
同様にコイル振動及び騒音の低減効果が期待できる。
【0049】また、マグネットの無着磁領域或いは弱着
磁領域或いは逆極性着磁領域の着磁方法については、着
磁の際に、マグネットのN・S極境界付近にシールド材
を覆い着磁する方法、或いは着磁ヨークのコイル溝幅、
溝形状、コイル位置を適当に設定して着磁する方法、あ
るいは簡易的に着磁ヨークとマグネットの間にスペーサ
を挟んで着磁する方法等がある。
【0050】〔実施の形態2〕 実施の形態1ではマグネットのN・S極境界部において
平行磁束を低減するために、境界部においてマグネット
の磁界強度に変調を与えたが、本実施の形態では面対向
モータの構成部材を形状変化させることで平行磁束を低
減する。
【0051】図20は、マグネットのN・S極境界部の
平行磁束を低減するために、回転ヨーク3のマグネット
1の境界部に相当する部分8をマグネット1方向に変形
させた面対向モータの構成を示す説明図である。この図
20に示す構成によれば、平行磁束Hが回転ヨーク3側
に向かうため、磁束の平行成分が減少し、コイル振動及
び騒音を抑えることができる。
【0052】図22は、本実施の形態の他の構成例を示
す図である。ここでは、マグネット1のN・S極境界部
表面に鉄片やシールド材(例えば鉛)等の磁束誘導部材
を貼り付けている。これにより、境界部の磁束は磁束誘
導部材内を通過するため、空隙の中間での平行磁束11
のレベルが小さくなりコイル振動及び騒音が小さくな
る。上記磁束誘導部材は、上記のものに限るものではな
く、マグネット1の表面にコーティングした鉄成分を含
む材料であっても構わない。
【0053】なお、以上の実施の形態において、弱着磁
領域,無着磁領域または逆着磁領域、あるいは、磁束の
向きを変化させる領域は、多極着磁されたマグネットの
N・S極の境界に周方向で主極の幅の1/10以下の領
域に設けることが好ましい。
【0054】また、弱着磁領域の磁束レベルは、主極の
最大残留磁束密度の1/20以下とすることが望まし
い。
【0055】また、なお、以上の実施の形態において
は、回転ヨーク型面対向モータについて述べたが、固定
ヨーク型についても同様に本発明を適用できる。すなわ
ち、複数のコイルを有するステータと、多極着磁された
マグネットと、そのマグネットを覆うバックヨークを有
してなる固定ヨーク型の面対向モータにおいて、上記マ
グネットのN・S極境界部に、実施の形態1や実施の形
態2で示した本発明を適用してもよい。
【0056】
【発明の効果】本発明の面対向モータによれば、コイル
存在位置における平行磁束を抑制することができ、ステ
ータの振動に起因する騒音を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面対向モータのマグネットの磁界強度
分布図及び境界部拡大図である。
【図2】本発明の実施の形態の面対向モータの構成を説
明する図である。
【図3】図2の面対向モータの主要部を示す説明図であ
る。
【図4】従来の面対向モータのマグネットの磁界強度分
布図である。
【図5】無着磁領域を有する面対向モータのマグネット
の磁界強度分布図である。
【図6】逆極性領域を有する面対向モータのマグネット
の磁界強度分布図である。
【図7】無着磁領域を有する面対向モータのマグネット
の磁気回路を説明する図である。
【図8】本発明に関して行ったシミュレーションのモデ
ルを説明する図である。
【図9】正弦波着磁の面対向モータのシミュレーション
結果の境界部拡大図である。
【図10】図9のシミュレーション結果の磁束レベルの
高いもののみ表示した図である。
【図11】図10のシミュレーション結果の内、平行磁
束成分のみを表示した図である。
【図12】無着磁の面対向モータのシミュレーション結
果の境界部拡大図である。
【図13】図12のシミュレーション結果の磁束レベル
の高いもののみ表示した図である。
【図14】図13のシミュレーション結果の内、平行磁
束成分のみを表示した図である。
【図15】正弦波着磁の回転シリンダーの騒音周波数分
析結果を示す図である。
【図16】無着磁の回転シリンダーの騒音周波数分析結
果を示す図である。
【図17】逆極性着磁の面対向モータのシミュレーショ
ン結果の境界部拡大図である。
【図18】図17のシミュレーション結果の磁束レベル
の高いもののみ表示した図である。
【図19】図18のシミュレーション結果の内、平行磁
束成分のみを表示した図である。
【図20】本発明の他の面対向モータの構成を説明する
図である。
【図21】本発明のさらに他の面対向モータの構成を説
明する図である。
【図22】本発明のさらに他の面対向モータの構成を説
明する図である。
【図23】従来の面対向モータの構成を説明する図であ
る。
【図24】図23の面対向モータの磁気回路を説明する
図である。
【図25】従来の他の面対向モータの構成を説明する図
である。
【符号の説明】
1 マグネット 2 バックヨーク 3 ロータヨーク 4 ステータコイル 5 駆動用コイル 6 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−47250(JP,A) 特開 平9−247917(JP,A) 特開 平5−146133(JP,A) 特開 平2−231951(JP,A) 特開 平1−286759(JP,A) 実開 昭61−46880(JP,U) 実開 昭57−31075(JP,U) 実開 平2−14278(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 29/00 H02K 21/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のコイルを有するステータと、該ステ
    ータコイルの一方面側に多極着磁されたマグネットと、
    前記コイルに対して前記マグネットと反対側に配置され
    たヨークと、を備えた面対向モータにおいて、前記ヨークにおける前記マグネットのN・S極境界部
    に、前記コイル側に突出する凸部が形成されてなること
    を特徴とする面対向モータ。
  2. 【請求項2】複数のコイルを有するステータと、該ステ
    ータコイルの一方面側に多極着磁されたマグネットと、
    前記コイルに対して前記マグネットと反対側に配置され
    たヨークと、を備えた面対向モータにおいて、 前記ステータコイル付近の平行磁束のレベルを小さくす
    るため、前記マグネット表面におけるN・S極境界部
    に、N・S極境界部の磁束を誘導する磁束誘導部を有す
    ることを特徴とする面対向モータ。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の面対向モータにおいて、
    前記磁束誘導部は、前記マグネットの前記ステータと対
    向する側に設けられ、内部を前記磁束が通過する、磁性
    材料あるいはシールド材からなることを特徴とする面対
    向モータ。
JP11632698A 1998-04-27 1998-04-27 面対向モータ Expired - Fee Related JP3429191B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11632698A JP3429191B2 (ja) 1998-04-27 1998-04-27 面対向モータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11632698A JP3429191B2 (ja) 1998-04-27 1998-04-27 面対向モータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11308837A JPH11308837A (ja) 1999-11-05
JP3429191B2 true JP3429191B2 (ja) 2003-07-22

Family

ID=14684215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11632698A Expired - Fee Related JP3429191B2 (ja) 1998-04-27 1998-04-27 面対向モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3429191B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5731075U (ja) * 1980-07-26 1982-02-18
JPS6146880U (ja) * 1984-08-28 1986-03-28 沖電気工業株式会社 偏平型ブラシレスモ−タ
JPS6447250A (en) * 1987-08-18 1989-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd Electromagnetic actuator
JP2783546B2 (ja) * 1988-05-11 1998-08-06 株式会社東芝 ブラシレスモーター
JPH0214278U (ja) * 1988-07-08 1990-01-29
JPH02231951A (ja) * 1989-03-01 1990-09-13 Sony Corp ブラシレスモータ
JPH05146133A (ja) * 1991-11-18 1993-06-11 Toshiba Corp ブラシレスモータ
JPH09247917A (ja) * 1996-03-08 1997-09-19 Omron Corp ブラシレス直流モータ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11308837A (ja) 1999-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2008023413A1 (fr) Moteur électrique de type à aimant permanent
JPH10127024A (ja) モータ構造
JP2000050590A (ja) ブラシレス直流電動機
JP2002262533A (ja) 永久磁石式回転電機
JP3489215B2 (ja) 永久磁石式同期電動機
JP3429191B2 (ja) 面対向モータ
JPH1127913A (ja) リラクタンス型回転電機
JP2012120358A (ja) コアレス電気機械装置
JPH1094202A (ja) 永久磁石モータとロータ着磁器
JP2014082349A (ja) 着磁装置、回転機器の製造方法および回転機器
JPH07201126A (ja) ディスク装置のスピンドルモータ
JPH07212994A (ja) 永久磁石形モータ
JPH0746657B2 (ja) 着磁方法
JPH09140104A (ja) 永久磁石モータ及びロータの永久磁石の着磁方法
JP2001057752A (ja) スピンドルモータ
JP3720940B2 (ja) リラクタンスモータ
JPH034133Y2 (ja)
JP2601051B2 (ja) 回転ヘッド装置用ブラシレスモータ
JP2021027700A (ja) 可変磁力モータ
JPS5863069A (ja) コアレスモ−タ
JPH0634312A (ja) 位相検出装置
JPH09308205A (ja) ブラシレスモータ及びモータ用マグネット着磁装置
JPH10248232A (ja) モータの構造
JP2001298923A (ja) 小型モータ
KR19990081532A (ko) 축 회전형 프린트 코일 모터

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030430

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080516

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090516

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100516

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees