JP3429187B2 - 水槽用ヒータ装置およびヒータ付水槽 - Google Patents

水槽用ヒータ装置およびヒータ付水槽

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JP3429187B2 JP08175998A JP8175998A JP3429187B2 JP 3429187 B2 JP3429187 B2 JP 3429187B2 JP 08175998 A JP08175998 A JP 08175998A JP 8175998 A JP8175998 A JP 8175998A JP 3429187 B2 JP3429187 B2 JP 3429187B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水槽内の水を加温
するために用いられる水槽用ヒータ装置およびこの水槽
用ヒータ装置が備えられたヒータ付水槽に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、熱帯魚や海水魚、淡水魚など
を水槽で飼育する際には、これらの魚にとって最適の環
境とするために、ヒータ装置などを用いて水槽内の水温
を適温に保つことが行われている。水槽内の水を加温す
るために用いられるヒータ装置としては、たとえば、ニ
クロム線などの発熱体を筒状部材の内部に収容し、この
筒状部材の両端開口をゴム製のキャップや絶縁性樹脂な
どで封止したものが知られている(たとえば、特開平9
−65797号公報、特開平9−65798号公報およ
び特開平9−283267号公報参照)。このヒータ装
置は、水中に浸漬させた状態で発熱体へ電力を供給する
ことにより、水槽内の水を加温することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
水槽用ヒータ装置においては、発熱体の発熱温度を所定
温度に保ち、発熱体の異常過熱を防止するために、サー
モスタットやサーミスタなどを含む発熱温度制御回路な
どが必要となり、ヒータ装置のコストが高くなるといっ
た問題があった。また、サーモスタットを備えた構成の
ヒータ装置においては、サーモスタットの接点不良が生
じると、発熱温度を良好に制御できず、水温が異常上昇
するおそれがあった。
【0004】さらに、従来から電気式の水槽用ヒータ装
置においては、発熱体や発熱体に電力を供給する給電部
材からの漏電などを確実に防止しなければならないとい
った課題がある。また、上記した従来の水槽用ヒータ装
置を備えた水槽においては、たとえば、水槽用ヒータ装
置が水槽の底や水槽の底に敷き詰められた砂利の上に載
置された状態で用いられるので(特開平9−65797
号公報の図1および特開平9−283267号公報の図
1参照)、ヒータ装置の周囲の水温が相対的に高くな
り、水槽内の水温にむらを生じるといった問題があっ
た。
【0005】そこで、本発明の目的は、簡単かつ安価な
構成で水温を適温に保つことができ、かつ、優れた電気
絶縁性を有する水槽用ヒータ装置およびヒータ付水槽を
提供することである。また、本発明の他の目的は、水槽
内の水をむらなく良好に加温することができるヒータ付
水槽を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載の発明は、水槽内に配設されて、水槽
内に溜められた水を加熱するための水槽用ヒータ装置で
あって、複数の正特性サーミスタ素子を一対の給電線間
に並列接続して形成される構造物を電気絶縁性および防
水性を有する柔軟な被覆部材で被覆することによってテ
ープ状に形成されており、上記一対の給電線と電源に接
続されるべき電源コードとの接続部分は、電気絶縁性お
よび防水性を有する合成樹脂で封止されていることを特
徴とする水槽用ヒータ装置である。
【0007】このように構成された水槽用ヒータ装置
は、テープ状ヒータが優れた電気絶縁性および防水性を
有しているうえに、テープ状ヒータから延びた給電線と
電源コードとの接続部分が合成樹脂で封止されることに
より、給電線と電源コードとの接続部分における電気絶
縁性および防水性も十分に確保されているので、水中で
の使用に対して高い信頼性を有することができる。
【0008】また、正特性サーミスタ素子は、所定のキ
ュリー温度付近で強誘電体と常誘電体の結晶相転移を起
こして、素子自身の抵抗値が変化し、キュリー温度以上
でさらに抵抗値が増大して、導電体から絶縁体へ移行す
る。そのため、素子自身の温度がキュリー温度を越えて
上昇すると、素子に流れる電流量が小さくなり、素子の
発熱量は小さくなる。これにより、素子温度を一定の温
度に維持することができる。
【0009】したがって、発熱体として正特性サーミス
タ素子が用いられていれば、発熱温度を制御するため
に、発熱温度を検出するためのセンサや発熱温度制御回
路などを設ける必要がなく、防水ヒータ装置のイニシャ
ルコストおよびランニングコストを低減することができ
る。そのうえ、正特性サーミスタ素子は一定温度以上に
は発熱しないので、この防水ヒータ装置が水槽内の水を
加温するために用いられた場合に、水槽内の水温を常に
適した温度に保つことができる。しかも、センサや制御
回路のためのスペースが不要であるから、水槽容積を有
効に利用することができる。
【0010】請求項2記載の発明は、底部および底部の
周縁から立ち上がった周側面で区画される水溜室と、こ
の水溜室の下方に設けられた加温室と、上記水溜室と上
記加温室との間で水の流通が可能であるように水溜室と
加温室とを連通する連通路とを含み、上記加温室には、
請求項1記載の水槽用ヒータ装置が配設されていること
を特徴とするヒータ付水槽である。
【0011】この構成によれば、水溜室とは別に設けら
れた加温室内の水が水槽用ヒータ装置からの発熱によっ
て加温される。加温室が水溜室の下方に設けられている
ので、ヒータ装置によって加温された水は、自然対流に
よって連通路を通って水溜室に流入する。したがって、
水溜室内の水中にヒータ装置を浸漬させて、このヒータ
装置からの発熱によって水溜室内の水を直接に加温する
構成(特開平9−65797号公報の図1および特開平
9−283267号公報の図1参照)とは異なり、ヒー
タ装置の周囲の水温が相対的に高くなって、水溜室内の
水温にむらを生じるといった不都合を生じることがな
い。
【0012】また、水槽内の水を加温するためのヒータ
装置としては、請求項1に記載されている水槽用ヒータ
装置が適用されているので、温度制御のためのサーミス
タやサーモスタットなどを必要とせず、水槽のイニシャ
ルコストを低減することができる。また、水温を適温で
維持するために必要な電力を最小限におさえることがで
きるので、ランニングコストも低減することができる。
そのうえ、正特性サーミスタ素子は一定温度以上には発
熱しないので、水槽内の水温を常に適した温度に保つこ
とができる。
【0013】さらに、ヒータ装置が十分な電気絶縁性お
よび防水性を有しているので、ヒータ装置からの漏電な
どを生じるおそれがない。請求項3記載の発明は、上記
水槽用ヒータ装置は、上記加温室内に着脱可能に配設さ
れていることを特徴とする請求項2記載のヒータ付水槽
である。この構成によれば、ヒータ装置を水槽から取り
外すことができるので、水槽内の清掃などを容易に行う
ことができる。
【0014】請求項4記載の発明は、上記加温室に連通
されたポンプ室と、上記ポンプ室に備えられており、上
記加温室からポンプ室に流入した水を吸い上げて上記水
溜室内に吐出するポンプとをさらに含むことを特徴とす
る請求項2または3に記載のヒータ付水槽である。この
構成によれば、加温室でヒータ装置からの発熱によって
加温された水は、ポンプの作用によって加温室からポン
プ室に流入し、さらにポンプに吸い上げられて水溜室内
に吐出される。したがって、水槽内をヒータ装置からの
発熱によって加温された水が良好に対流するので、水溜
室内の水温にむらを生じるおそれをさらになくすことが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明
の一実施形態に係るヒータ付水槽の構成を示す斜視図で
ある。また、図2は、図1の切断線II−IIにおける断面
図であり、図3は、図2の切断線 III−III における断
面図である。このヒータ付水槽1は、熱帯魚や海水魚、
淡水魚など飼育するための水槽であり、平面視において
長方形状の底部2と、この底部2の周縁部から立ち上が
った状態に設けられた周側板3と、周側板3の上端縁に
取り付けられた上枠体4とを有している。
【0016】底部2の上面には、周側板3の左側板3a
および右側板3bと平行な仕切板5が立設されており、
この仕切板5によって、底部2、周側板3および上枠体
4で区画される空間が、図1における白抜き矢印方向に
見て仕切板5の左側の飼育室6と仕切板5の右側のポン
プ室7とに仕切られている。飼育すべき魚は、飼育室6
内で飼育されるようになっており、この飼育室6内の魚
を外部から見ることができるように、周側板3は透明な
合成樹脂やガラスで構成されている。
【0017】底部2の上面の飼育室6に臨む部分には、
平面視において長方形状の凹部2aが形成されている。
この凹部2aには、平面長方形状の金属板8が嵌め込ま
れている。金属板8は、凹部2aの周面の途中部に形成
された段差部9に係止されており、これにより、金属板
8の下方に加温室10が形成されている。また、凹部2
aには、金属板8とほぼ同じ大きさを有する平面長方形
状に裁断された不織布11が嵌め込まれており、さらに
不織布11の上に砂利12が敷き詰められている。
【0018】底部2内に形成された加温室10内には、
この水槽1内に入れられた水を加温するための水槽用ヒ
ータ装置Hが配設されている。このヒータ装置Hは、長
尺なテープ状に形成されており、加温室10の底面上に
蛇行した状態に配置されている。より詳細に説明すれ
ば、加温室10の底面には、複数本のピン13が千鳥状
に立設されており、ヒータ装置Hは、加温室10の底面
の長手方向に沿う一方端縁10a付近に立設されたピン
13と、その一方端縁10aに対向する端縁10b付近
に立設されたピン13とに交互に引き回されている。し
たがって、ヒータ装置Hは、加温室10から簡単に取り
外すことができるので、水槽1を清掃する際などに大変
便利である。
【0019】なお、ヒータ装置Hから延びた電源コード
41は、底部2の側面から外部へ引き出されており、電
源コード41と底部2との隙間には、底部2内の水が外
部に漏れ出さないようにOリング90が嵌められてい
る。加温室10は、図1における矢印方向に見て凹部2
aの左側に形成された複数の孔14から延びた流入路1
5によって飼育室6と連通されており、飼育室6との間
で水の流通が自由にされている。また、加温室10は、
流入路15が接続された面と対向する面から延びて形成
された流出路16によってポンプ室7と連通されてお
り、ポンプ室7との間でも水が自由に出入りできるよう
になっている。
【0020】ポンプ室7内には、水中で使用することが
できる水中ポンプ17が配設されている。水中ポンプ1
7は、周側板3の右側板3bに取り付けられて、その吸
込口17aが下方に向けられた状態に設けられている。
水中ポンプ17の吐出口17bには、吐出管18が接続
されており、この吐出管18の先端は仕切板5に形成さ
れた孔5aに挿通されて飼育室6内に臨んでいる。した
がって、水中ポンプ17を駆動することにより、ポンプ
室7内の水を汲み上げて、その汲み上げた水を飼育室6
内に吐出することができる。
【0021】上記の構成により、加温室10内に流入し
た水は、ヒータ装置Hからの発熱によって加温される。
そして、その加温室10内の温められた水は、自然対流
および水中ポンプ17の働きによって加温室10からポ
ンプ室7へと流出し、水中ポンプ17に吸い上げられ
て、吐出管18を介して飼育室6に吐出される。これに
より、ヒータ装置Hによって温められた水が飼育室6内
の水に混入され、その結果、飼育室6内の水温が上昇す
る。また、飼育室6内の冷えた水は、自然対流および水
中ポンプ17の働きによって複数の孔14および流入路
15を通って加温室10に流入し、ヒータ装置Hからの
発熱によって温められる。
【0022】図4は、ヒータ装置Hの構成を一部切り欠
いて示す平面図であり、図5は、図4の切断線V−Vに
おける断面図である。ヒータ装置Hは、PTC(Positiv
e Temperature Coefficient)特性を有するセラミックス
半導体からなる複数のPTC発熱体素子21を備えてい
る。PTC発熱体素子21は、バリウム(Ba),スト
ロンチウム(Sr),カルシウム(Ca),チタン(T
i),マンガン(Mn),ディスプロシウム(Dy),
ケイ素(Si)等を含む原料を一般的な窯業的手法で焼
成して得られるものであり、室温からキュリー温度(抵
抗急変温度)までは低抵抗であるが、キュリー温度を越
えると急に抵抗値が増大する特性を有する感熱素子であ
る。この特性により、PTC発熱体素子21は、キュリ
ー温度を下回る温度下において電圧が印加されると、最
初は低温であるために抵抗値が小さいので大電流が流
れ、PTC発熱体素子21の温度が急激に上昇する。そ
して、PTC発熱体素子21の温度がキュリー温度を越
えると、抵抗値が急に増大するために電流量が減少し、
その結果、PTC発熱体素子21の発熱量は減少する。
そのため、PTC発熱体素子21は、一定温度以上に温
度が上がることがなく、一定温度で安定して熱平衡状態
を保つ。すなわち、PTC発熱体素子21は、自己温度
制御機能を有している。
【0023】なお、PTC発熱体素子21のキュリー温
度、素子抵抗値、温度係数、消費電力などは、PTC発
熱体素子21の材料組成や焼成条件(焼成温度、焼成時
間)を変更したり、PTC発熱体素子21に形成される
電極34,35の形状や面積を変更したりすることによ
り、適当な範囲内で任意に変更することが可能である。
たとえば、PTC発熱体素子21のキュリー温度は、P
TC発熱体素子21の材料組成を変更することで、−5
0℃〜350℃の範囲内の任意の温度値に変更すること
ができる。この実施形態においては、PTC発熱体素子
21のキュリー温度が、図1に示す飼育室6の水温が2
0℃から30℃の範囲内で安定するような温度に設定さ
れるのが好ましい。また、飼育室6の水温が23℃から
27℃の範囲内で安定するような温度に設定されるのが
より好ましい。
【0024】複数のPTC発熱体素子21は、ヒータ装
置Hの長手方向に沿った一対の導電線22,23の間に
一定の間隔(たとえば2cm)をあけて並列に接続されて
おり、全体としてはしご状の構造物を形成している。こ
のはしご状の構造物は、電気絶縁性を有する柔軟な合成
樹脂材料(たとえば軟質塩化ビニル樹脂)からなる被覆
部材24に封止されており、導電線22,23間などで
水分による短絡が生じないようになっている。
【0025】導電線22,23は、被覆部材24の基端
部側から被覆部材24の外部に引き出され、商用交流電
源40(たとえば100V)に接続されるべき電源コー
ド41に接続されている。したがって、この電源コード
41を商用交流電源40に接続すると、商用交流電源4
0の電圧が複数のPTC発熱体素子21に並列に印加さ
れる。
【0026】導電線22,23と電源コード41との接
続部分42は、ケース25およびその内部に充填された
電気絶縁性を有する合成樹脂(たとえばシリコン樹脂)
で封止されている。また、ヒータ装置Hの先端において
も、被覆部材24の先端部において露出する導電線2
2,23が、ケース26およびその内部に充填された電
気絶縁性を有する樹脂で封止されている。
【0027】図6は、PTC発熱体素子21と導電線2
2,23との結合状態を示す斜視図である。PTC発熱
体素子21は、たとえば8.2mm×6.0mmの角形で
1.6mmの厚みを有する扁平な直方体形状に形成されて
おり、金属端子27によって導電線22,23に結合さ
れている。より具体的には、PTC発熱体素子21の最
大面積を有する一対の面の長手方向両端部付近には、電
極28がそれぞれ形成されており、金属端子27は、電
極28を把持するための4つの素子把持部29と、導電
線22,23を把持するための一対の電線把持部30と
を有している。金属端子27の素子把持部29と電極2
8とは、導電性を有する粘着テープまたは接着剤を用い
て接着したり、半田付けされたりして結合されている。
また、金属端子27の電線把持部30と導電線22,2
3とは、半田31によって結合されている。
【0028】なお、PTC発熱体素子21の電極28
は、たとえば、オーミックコンタクト電極形成用の銀ペ
ーストおよびカバー用銀ペーストを、PTC発熱体素子
21の長手方向の両端にそれぞれ端縁から1.5mmずつ
両面に塗布して焼き付けることによって形成される。以
上のように本実施形態によれば、PTC発熱体素子21
および導電線22,23は、絶縁性の被覆部材24によ
って防水被覆されている。また、導電線22,23と電
源コード41との接続部分は、ケース25およびその内
部に充填された絶縁性樹脂で封止されている。したがっ
て、このヒータ装置Hは、水中での使用に対して高い信
頼性を有することができる。
【0029】また、発熱体として自己温度制御機能を有
するPTC発熱体素子21が用いられているので、発熱
温度を制御するためにサーモスタットやサーミスタなど
を含む発熱温度制御回路が不要であり、ヒータ装置Hの
コストが低減される。そのうえ、PTC発熱体素子21
は、一定温度以上には発熱しないので、PTC発熱体素
子21の異常発熱によって水温が高温になるといったお
それがない。
【0030】さらに、本実施形態では、飼育室6とは別
に設けられた加温室10内の水をヒータ装置Hからの発
熱によって加温し、この加温した水を水中ポンプ17の
働きによって飼育室6に流入させるようにしている。し
たがって、飼育室内の水中にヒータ装置を浸漬させて、
このヒータ装置からの発熱によって飼育室内の水を直接
に加温する構成(特開平9−65797号公報の図1お
よび特開平9−283267号公報の図1参照)とは異
なり、飼育室6内の水が局部的に高温になることがな
く、飼育室6内の水温にむらを生じるおそれをなくすこ
とができる。
【0031】さらに、ヒータ装置Hが図3に示すように
加温室10の底面のほぼ全域に配置されているので、加
温室10内の水はむらなく加温される。これにより、加
温室10から飼育室6内に安定した温度の水を供給する
ことができるので、飼育室6内の水温にむらを生じるお
それをさらになくすことができる。さらに、ヒータ装置
Hからの発熱が、金属板8および不織布11を介して砂
利12を間接的に加温することにより、砂利12に自然
発生する水質浄化能力を有する微生物の活動が促進さ
れ、魚の飼育環境を向上させることができる。
【0032】なお、ヒータ装置Hの長さや供給電力は、
水槽1の大きさによって適切に設定されるとよい。たと
えば、水槽1に貯留可能な水量を30リットルとし、水
中ポンプ17の吐出量を毎分8リットルとした場合、水
槽1の幅が40cmであれば、水中での平均熱伝達率は約
47W/(m2 ・K)となる。この場合に、PTC発熱
体素子21が2cmの間隔で設けられているとすると、水
温を25±2℃に保つには、幅17mm、厚さ6mmのヒー
タ装置Hの長さを1mとし、供給電力を9.5Wに設定
すれば十分である。
【0033】また、この実施形態においては、ヒータ装
置Hが加温室10に対して着脱自在に設けられているの
で、季節や水槽1が設置されている場所の気温などに応
じて長さの異なるヒータ装置Hが配置されるとよい。た
とえば、夏季には水温が大幅に低下することがないから
比較的短いヒータ装置Hを配置し、冬季には比較的長い
ヒータ装置Hを配置することにより、夏季における消費
電力を低く抑えることができる。なお、比較的短いヒー
タ装置Hが配置される場合には、加温室10の底面に立
設された複数のピン13のすべてにヒータ装置Hが引き
回される必要はなく、図7に示すように、適当に選択さ
れたピン13にヒータ装置Hが引き回されるとよい。
【0034】さらに、ヒータ装置Hは、必ずしも蛇行し
た状態に配設される必要はなく、たとえば、図8に示す
ように渦巻き状に配設されてもよい。この発明の実施形
態の説明は以上の通りであるが、この発明は上述の実施
形態に限定されるものではない。たとえば、PTC発熱
体素子の材料組成は、上記したバリウム、ストロンチウ
ム、カルシウム、チタン、マンガン、ディスプロシウム
およびケイ素に限定されることはなく、チタン酸バリウ
ムを主原料とし、作成されたPTC発熱体素子がPTC
特性を有するような組成であればよい。
【0035】また、上述の実施形態においては、ヒータ
装置の本数が1本である場合について説明したが、ヒー
タ装置は複数本設けられてもよい。この場合、複数本の
ヒータ装置が並列に電力が供給されるように接続してお
けば、複数本のヒータ装置に選択的に電力を供給するこ
とにより、水槽内に与えられる熱量を変更することがで
きる。
【0036】その他、特許請求の範囲に記載された技術
的事項の範囲内で種々の設計変更を施すことが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るヒータ付水槽の構
成を示す斜視図である。
【図2】図1の切断線II−IIにおける断面図である。
【図3】図2の切断線 III−III における断面図であ
る。
【図4】ヒータ装置の構成を一部切り欠いて示す平面図
である。
【図5】図4の切断線V−Vにおける断面図である。
【図6】PTC発熱体素子と導電線との結合状態を示す
斜視図である。
【図7】ヒータ装置の他の配置例を示す断面図である。
【図8】ヒータ装置のさらに他の配置例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ヒータ付水槽 2 底部 3 周側板(周側面) 6 飼育室(水溜室) 7 ポンプ室 10 加温室 14 孔(連通路) 15 流入路(連通路) 16 流出路(連通路) 17 水中ポンプ 21 PTC発熱体素子(正特性サーミスタ素子) 22,23 導電線 24 被覆部材 25,26 ケース 40 商用交流電源 41 電源コード 42 接続部分 H ヒータ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 63/00 A01K 63/06 H05B 3/04 H05B 3/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水槽内に配設されて、水槽内に溜められた
    水を加熱するための水槽用ヒータ装置であって、 複数の正特性サーミスタ素子を一対の給電線間に並列接
    続して形成される構造物を電気絶縁性および防水性を有
    する柔軟な被覆部材で被覆することによってテープ状に
    形成されており、 上記一対の給電線と電源に接続されるべき電源コードと
    の接続部分は、電気絶縁性および防水性を有する合成樹
    脂で封止されていることを特徴とする水槽用ヒータ装
    置。
  2. 【請求項2】底部および底部の周縁から立ち上がった周
    側面で区画される水溜室と、この水溜室の下方に設けら
    れた加温室と、上記水溜室と上記加温室との間で水の流
    通が可能であるように水溜室と加温室とを連通する連通
    路とを含み、 上記加温室には、請求項1記載の水槽用ヒータ装置が配
    設されていることを特徴とするヒータ付水槽。
  3. 【請求項3】上記水槽用ヒータ装置は、上記加温室内に
    着脱可能に配設されていることを特徴とする請求項2記
    載のヒータ付水槽。
  4. 【請求項4】上記加温室に連通されたポンプ室と、 上記ポンプ室に備えられており、上記加温室からポンプ
    室に流入した水を吸い上げて上記水溜室内に吐出するポ
    ンプとをさらに含むことを特徴とする請求項2または3
    に記載のヒータ付水槽。
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