JP3428696B2 - 誘電体共振部品 - Google Patents

誘電体共振部品

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JP3428696B2
JP3428696B2 JP24362293A JP24362293A JP3428696B2 JP 3428696 B2 JP3428696 B2 JP 3428696B2 JP 24362293 A JP24362293 A JP 24362293A JP 24362293 A JP24362293 A JP 24362293A JP 3428696 B2 JP3428696 B2 JP 3428696B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、誘電体共振部品に関
し、より特定的には、少なくとも1つの誘電体同軸共振
器を設けた誘電体共振部品に関する。 【0002】 【従来の技術】誘電体共振部品は、例えば、自動車電話
や携帯電話等の移動体通信機等において、共振器や、種
々の帯域特性のバンドパスフィルタや、バンドエリミネ
ーションフィルタ等として用いられる。一方、移動体通
信機等は、携帯性の便宜のため、より小型化したものが
望まれている。したがって、移動体通信機に用いられる
誘電体部品には、優れた特性が得られるほか、面実装で
きることや、この外部に接続するディスクリート部品の
部品点数を減らすことができることが必要である。ここ
で、誘電体共振部品を誘電体ブロックの部分と誘電体基
板の部分とに分割できるようにし、誘電体ブロックの部
分と誘電体基板の部分との間に外部に接続するディスク
リート部品の機能を果たすプリント配線を行えば、外部
に接続するディスクリート部品を削減できるとともに、
小型・軽量化することができる。また、誘電体ブロック
の部分を共通に誘電体基板の部分を交換するだけで種々
の特性の共振器や、種々の帯域特性のバンドパスフィル
タ、バンドエリミネートフィルタ等を構成することもで
きる。このため、誘電体ブロックの側面に誘電体基板を
張り付ける構造の誘電体共振部品が従来から提案されて
いる。 【0003】図7は、本願出願人が先に提案した誘電体
共振部品の構成を示す図である。なお、このような誘電
体共振部品は、特願平4−10009号に示されてい
る。図7において、図7(a)は斜め上から見た斜視図
であり、図7(b)は図7(a)の分解斜視図であり、
図7(c)は図7(a)の線A−A’に沿う断面図であ
る。 【0004】誘電体共振部品は、大略的に誘電体ブロッ
ク100の部分と、誘電体基板200の部分とから成
る。誘電体ブロック100は、所定の比誘電率を有する
誘電体材料により構成される。誘電体ブロック100に
は、3つの内導体形成孔102a,102b,102c
が形成されている。各内導体形成孔102a,102
b,102cは、誘電体ブロック100の第1の端面1
01aおよび第2の端面101bにおいて開口してい
る。各内導体形成孔102a,102b,102cの各
内周面には、長さLの内導体103が形成されている。
誘電体ブロック100の外周面には、下面を除き、外導
体104aが形成される。内導体形成孔102a,10
2b,102cの第1の端面101a側において、内導
体103と外導体104aとの間には、長さαの絶縁領
域105がそれぞれ設けられる。このため、内導体形成
孔102a,102b,102cの内部に形成された各
内導体103は、第1の端面101a側において外導体
104aと絶縁している。一方、第2の端面101b側
においては、内導体103は、外導体104aと短絡し
ている。誘電体ブロック100の下面の内導体103に
対応する位置には付加電極(図示せず)が設けられる。 【0005】誘電体ブロック100の下面には、所定の
比誘電率を有する誘電体材料により構成された誘電体基
板200が装着されて固定される。誘電体基板200
は、誘電体ブロック100の下面と略同一サイズになる
ように、その長さが(α+L)、その幅がWに形成され
る。この誘電体基板200の側面および下面には、外導
体104bが形成されている。誘電体基板200の外導
体104bは、誘電体ブロック100の外導体104a
と接続される。内導体103は、外導体104a,10
4bと協働して実質的に3つの1/4波長誘電体同軸共
振器を構成する。 【0006】誘電体基板200の上下面および左右の側
面には、外導体104a,104bと絶縁された状態
で、入出力電極201a,201bが形成される。さら
に、誘電体基板200の上面には、入出力電極201a
に接続された付加電極202aと、入出力電極201b
に接続された付加電極202bと、付加電極202a,
202b間のほぼ中央に位置する付加電極202cとが
形成される。付加電極202a,202b,202c
は、誘電体基板200を誘電体ブロック100に貼り付
けたときに、内導体103と容量結合される。付加電極
202a,202c間にはコイル203aがプリント配
線され、付加電極202b,202c間にはコイル20
3bがプリント配線される。これにより、誘電体共振部
品は、3段のバンドパスフィルタとして動作する。 【0007】図8は、図7と同様に、本願出願人が先に
提案した誘電体共振部品の構成を示す図であり、特願平
4−10009号に示されている。図8において、図8
(a)は斜め上から見た分解斜視図であり、図8(b)
は図8(a)の線A−A’に沿う断面図である。図8に
示す誘電体共振部品においては、誘電体ブロック100
に4つの内導体形成孔102a,102b,102c,
102dが形成され、各内導体形成孔102a,102
b,102c,102dに絶縁領域105と内導体10
3がそれぞれ形成される。誘電体ブロック100の下面
の第1の端面101a側には、その長さが{α+(L/
2)}、その幅がWに選ばれた段差状の装着部106が
形成される。誘電体基板200は、その長さが{α+
(L/2)}、その幅がWに選ばれており、装着部10
6と略同一の形状に形成される。この図8の誘電体共振
部品においては、内導体103と外導体104a,5b
とが協働して、実質的に4つの1/4波長誘電体同軸共
振器を構成し、4段のバンドパスフィルタとして動作す
る。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、誘電体ブロ
ック100と誘電体基板200とを貼り合わせる構造の
誘電体共振部品では、誘電体ブロック100と誘電体基
板200との間に入出力電極、付加電極が形成されたり
するため、凹凸を生じる。このため、誘電体ブロック1
00と誘電体基板200との間に空気層300が生じる
のを避けられない。しかも、入出力電極、付加電極、部
品、レジスト等の厚みをミクロンオーダーで揃えるのも
困難である。したがって、誘電体ブロック100と誘電
体基板200との間の空気層300の厚みdがミクロン
オーダーで変動するのは、避けられない。 【0009】このように空気層300がある場合、各誘
電体同軸共振器の内導体103と外導体104との間の
実効比誘電率εr は、空気層の厚みdが大きくなるにし
たがって小さくなる(図9(a))。また、各誘電体同
軸共振器の内導体103と外導体104との間の容量C
i は、空気層の厚みdが大きくなるにしたがって小さく
なる(図9(b))。このため、各誘電体同軸共振器の
特性インピーダンスZは、空気層の厚みdが大きくなる
にしたがって大きくなる(図9(c))。一方、内導体
103と外導体104との間の電界強度は、内導体10
3の開放端103aにおいて最大であり、開放端103
aから内導体103の短絡端103b側に行くにしたが
ってサインカーブ状に小さくなり、短絡端103bにお
いて最小の「0」になる。 【0010】ところで、図7の誘電体共振部品では、誘
電体ブロック100の下面全体に誘電体基板200を貼
り付けるようにしている。また、図8の誘電体共振部品
では、誘電体ブロック100の第1の端面101a側に
誘電体基板200を貼り付けるようにしている。このよ
うに、図7および図8の誘電体共振部品は、いずれも内
導体103の開放端103aを含む形で誘電体ブロック
100の下面に誘電体基板が貼り付けられている。この
ため、図7および図8の誘電体共振部品は、以下に指摘
する種々の問題点を有している。 【0011】まず、図7の誘電共振部品の各誘電体同軸
共振器は長さLにわたり空気層の厚みdの変動の影響を
受け、図8の誘電共振部品の各誘電体同軸共振器は長さ
Lにわたり空気層の厚みdの変動の影響を受ける。この
場合、各誘電体同軸共振器の全体の実効比誘電率εr
容量Ci 、特性インピーダンスZは、電界強度の強い開
放端103a付近の空気層の厚みdの変動に大きく左右
され、大きく変動する。したがって、各誘電体同軸共振
器の全体の実効比誘電率εr 、容量Ci 、特性インピー
ダンスZのばらつきが大きく許容範囲から外れるものが
多くなり、歩留まりが悪くなるという問題点があった。
その結果、誘電体共振部品の生産性が悪化し、生産コス
ト、製品コストの高騰を招いていた。 【0012】また、2以上の誘電体同軸共振器を設けた
誘電体共振部品においては、各誘電体同軸共振器の全体
の実効比誘電率εr 、容量Ci 、特性インピーダンスZ
の変動に起因して、誘電体同軸共振器間の結合係数Kも
大きく変動してしまう。したがって、2以上の誘電体同
軸共振器を設けた誘電体共振部品においても、上述の問
題点と同様に、結合係数Kのばらつきが大きく許容範囲
から外れるものが多くなり、歩留まりが悪く、また、誘
電体共振部品の生産性が悪化し、生産コスト、製品コス
トの高騰を招く問題点があった。 【0013】本発明は、上述の技術的課題を解決し、歩
留まりを向上させ、生産コスト、製品コストを低下させ
ることができる誘電体共振部品を提供することを目的と
する。 【0014】 【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するために、本発明は、以下の構成をとる。すなわち、
請求項1の誘電体共振部品は、少なくとも1つの誘電体
同軸共振器を設けたものであって、誘電体材料で構成さ
れ、対面する第1および第2の端面と、当該第1の端面
から第2の端面にわたる複数の側面と、第1および第2
の端面で開口しその内部を貫通する内導体形成孔とを有
する誘電体ブロック、内導体形成孔において第2の端面
と接する短絡端と、当該短絡端から第1の端面の方向に
距離Lだけ離れた開放端とを有し、当該短絡端と開放端
との間の内導体形成孔に形成される内導体、 誘電体ブロ
ックの1つの側面に形成される誘電体基板装着面、 誘電
体基板装着面に形成される付加電極、 誘電体材料で構成
され、開放端から第2の端面方向に距離L/3以上離れ
て、誘電体基板装着面上に装着される誘電体基板、およ
付加電極および開放端と絶縁し、短絡端と短絡し、誘
電体基板装着部の周囲の少なくとも第1の端面、第2の
端面および側面に形成される外導体を備える。 【0015】 【作用】誘電体基板が内導体の開放端から所定の距離第
2の端面側に位置して誘電体ブロックの側面に貼り付け
られるので、すなわち電界強度の弱い部分に貼り付けら
れるので、空気層の厚みdが各誘電体同軸共振器の全体
の実効比誘電率εr 、容量Ci 、特性インピーダンスZ
に与える影響はきわめて小さくなる。したがって、各誘
電体同軸共振器の全体の実効比誘電率εr 、容量Ci
特性インピーダンスZのばらつきが小さくなり、歩留ま
りが向上する。その結果、誘電体共振部品の生産性が向
上し、生産コスト、製品コストが低下する。なお、2以
上の誘電体同軸共振器を設けた誘電体共振部品では、各
誘電体同軸共振器の全体の実効比誘電率εr 、容量
i 、特性インピーダンスZの変動が少ないので、誘電
体同軸共振器間の結合係数Kの変動も小さくなる。した
がって、結合係数Kのばらつきが小さくなり、誘電体共
振部品の生産性が向上し、生産コスト、製品コストが低
下する。 【0016】 【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の一実施例の誘電体共振部品の構
成を示す図である。なお、図1において、図1(a)は
斜め上から見た斜視図であり、図1(b)は図1(a)
の後方斜め下から見た分解斜視図であり、図1(c)は
図1(a)の線A−A’に沿う断面図である。この実施
例に係る誘電体共振部品は、大略的に誘電体ブロック1
の部分と、誘電体ブロック1に貼り付けられる誘電体基
板2の部分とから成る。 【0017】誘電体ブロック1は、所定の比誘電率を有
する誘電体材料により構成される。誘電体ブロック1に
は、例えば2つの内導体形成孔12a,12bが形成さ
れている。各内導体形成孔12a,12bは、誘電体ブ
ロック1の内部を貫通し、誘電体ブロック1の第1の端
面11aおよび第2の端面11bにおいて開口してい
る。内導体形成孔12a,12bの各内周面には、第2
の端面11bから長さLの内導体13が形成されてい
る。誘電体ブロック1の外周面には、下面に形成される
装着部16を除き、外導体14aが形成されている。内
導体形成孔12a,12bには、磁界が外部に漏れるの
を防ぐため、第1の端面11aから長さβだけ外導体1
4aが延長して形成される。第1の端面11a側の内導
体形成孔12a,12bにおいて、内導体13と外導体
14aとの間には、長さαの絶縁領域15がそれぞれ設
けられる。このため、内導体形成孔12a,12b,2
cの内部に形成された各内導体13は、第1の端面11
a側において外導体14aと絶縁している。一方、第2
の端面11b側においては、内導体13は、外導体14
aと短絡している。 【0018】装着部16は、誘電体基板2を装着するた
め、誘電体ブロック1の下面側に内導体13の開放端1
3aから距離L/2離れた位置から第2の端面11b側
までの長さがL/2、幅がWになるように選ばれてお
り、段差状に形成される。装着部16の各内導体13に
対応する位置には、付加電極17a,17bが形成され
る。付加電極17a,17bは、各内導体形成孔12
a,12bの内導体13と容量結合する。装着部16の
周囲には、誘電体基板2の張り付けを強固にするため、
外導体14aと短絡した状態で貼り付け電極18が形成
される。 【0019】誘電体基板2は、所定の比誘電率を有する
誘電体材料により構成され、その長さがL/2、その幅
がWになるように選ばれており、装着部16と略同一サ
イズに形成される。誘電体基板2の下面および側面に
は、外導体14bが形成される。また、誘電体基板2の
上面の周囲には、誘電体ブロック1との貼り付けを強固
にするため、貼り付け電極18と対応する位置に、外導
体14bと短絡した貼り付け電極(図示せず)が形成さ
れる。誘電体基板2の左右側面には、その上下面にわた
って、かつ、外導体14a,14bと絶縁された状態
で、入出力電極21a,21bが形成される。この入出
力電極21a,21bは、誘電体ブロック1に誘電体基
板2を貼り付けたとき、付加電極17a,17bと接触
し、それぞれ短絡する。 【0020】誘電体基板2は、誘電体ブロック1の装着
部16に貼り付けられて固定される。これにより、誘電
体基板2の外導体14bと誘電体ブロック1の外導体1
4aとが短絡され、入出力電極21a,21bと付加電
極17a,17bとが短絡される。各内導体形成孔12
a,12bの内導体13の周囲には誘電体を間に挟んで
外導体14a,14bが形成されており、内導体13は
開放端13aにおいて外導体14aから絶縁するととも
に短絡端13bにおいて外導体14aと短絡している。
このため、各内導体形成孔12a,12bの内導体13
は、外導体14a,14bと協働して実質的に2つの1
/4波長誘電体同軸共振器を構成する。また、誘電体ブ
ロック1に2つの内導体13が形成されているため、誘
電体共振部品は、2段のバンドパスフィルタとして動作
する。なお、誘電体ブロック1と誘電体基板2との間に
は、厚みdの空気層3が介在する。 【0021】図2は、図1の誘電体共振部品の等価回路
図である。図2において、Ce は図1における各内導体
形成孔12a,12bの内導体13と入出力電極21
a,21b(付加電極17a,17b)との間に形成さ
れる外部結合容量であり、Csは図1における開放端1
3aと外導体14aとの間に形成される先端容量であ
る。また、Zは図1における各内導体形成孔12a,1
2bの内導体13と外導体14a,14bとによってそ
れぞれ形成される共振器の特性インピーダンスであり、
1 は図1における空気層3がない部分における特性イ
ンピーダンスであり、Z2 は図1における空気層3があ
る部分の特性インピーダンスである。 【0022】次に、この誘電体共振部品の各誘電体同軸
共振器の実効比誘電率εr 、容量Ci 、特性インピーダ
ンスZの特性を説明する。空気層3がない部分では、各
内導体形成孔12a,12bの内導体13と外導体14
a,5bとの間の実効比誘電率εr 、容量Ci は大き
く、特性インピーダンスZ1 は小さくなる(図9(a)
〜(c)のd=0の部分参照)。また、実効比誘電率ε
r 、容量Ci 、特性インピーダンスZ1 は一定の値とな
る。一方、空気層3のある部分においては、各内導体形
成孔12a,12bの内導体13と外導体14との間の
実効比誘電率εr、容量Ci は小さく、特性インピーダ
ンスZ2 は大きくなる(図9(a)〜(c)参照)。 【0023】ところで、誘電体基板2は、各内導体形成
孔12a,12bの内導体13と外導体14a,14b
との間の電界強度が大きい開放端13a側を避けて、当
該電界強度が小さい短絡端13b側に装着されているた
め、空気層3の厚みdに変動が生じても、各内導体形成
孔12a,12bの内導体13と外導体14との間の実
効比誘電率εr 、容量Ci 、特性インピーダンスZ2
わずかしか変動しない。したがって、各誘電体同軸共振
器の全体の実効比誘電率εr 、容量Ci 、特性インピー
ダンスZの変動が小さくなり、歩留まりが向上する。そ
の結果、生産性が向上し、生産コスト、製品コストが低
下する。 【0024】次に、この誘電体共振部品の各誘電体同軸
共振器間の結合係数Kの特性を説明する。偶(eve
n)モードにおける角共振周波数、共振周波数、実効比
誘電率、空気層3のない部分の特性インピーダンス、空
気層3のある部分の特性インピーダンス、空気層3のな
い部分の電気角、空気層3のある部分の電気角、光速を
それぞれωe 、fe 、εre、Z1e、Z2e、θ1e、θ2
0 とすると、式(1)、式(2)、式(3)が成立す
る。 ωe s =(Z1e−Z2etanθ1etanθ2e)/ {Z1 (Z2etanθ2e+Z1etanθ1e)} …(1) ωe =2πfe …(2) θe ={ωe L√(εre)}/C0 …(3) この式(1)〜式(3)を満たす共振周波数fe を求め
る。同様にして、奇(odd)モードの共振周波数fo
を求める。なお、偶モードは両内導体形成孔12a,1
2bの内導体13に同じ方向に高周波信号が流れるモー
ドであり、奇モードは両内導体形成孔12a,12bの
内導体13に逆方向に高周波信号が流れるモードであ
る。 【0025】結合係数Kは、求められた共振周波数
e 、fo を次式(4)に代入することにより求められ
る。 K=2|fe −fo |/(fe +fo ) …(4) 式(4)から求められた結合係数Kと空気層3の厚みd
との関係を図3の曲線B1に示す。なお、図7の誘電体
共振部品の結合係数Kと空気層3の厚みdとの関係を図
3の曲線B2に、図8の誘電体共振部品の結合係数Kと
空気層3の厚みdとの関係を図3の曲線B3に併せて示
す。この図3の曲線B1から空気層3の厚みdが変動し
ても結合係数Kがわずかしか変動しないことがわかる。
これは、各誘電体同軸共振器の全体の実効比誘電率
εr 、容量Ci 、特性インピーダンスZの変動が少ない
ことに起因している。したがって、空気層3の厚みdが
変動しても結合係数Kの変動が少ないため、歩留まりが
向上し、結果として誘電体共振部品の生産性が向上し、
生産コスト、製品コストが低下する。なお、従来の誘電
体共振部品では、空気層3の厚みdが変動すると結合係
数Kが大きく変動することがわかる。 【0026】図4は本発明の他の実施例の誘電体共振部
品の構成を示す図であり、図1の実施例と対応する部分
には同一の参照番号を付して説明を省略する。なお、図
4において、図4(a)は斜め上から見た斜視図であ
り、図4(b)は図4(a)の後方斜め下から見た分解
斜視図であり、図4(c)は図4(a)の線A−A’に
沿う断面図である。この実施例で注目すべきは、装着部
16が開放端13aから距離L/3離れた位置から短絡
端13bから距離L/3離れた位置までの長さがL/
3、幅がWになるように選ばれており、溝状に形成され
ていることである。誘電体基板2は、この装着部16に
あわせて、その長さがL/3、その幅がWになるように
選ばれて形成される。この誘電体共振部品の等価回路を
図5に示す。 【0027】この図4の誘電体共振部品においても、誘
電体基板2が開放端13aから距離L/3離れて誘電体
ブロック1に貼り付けられるため、開放端13aより誘
電体基板2の部分の方が電界強度が小さくなる。したが
って、空気層3の厚みdが変動しても各誘電体同軸共振
器の全体の実効比誘電率εr 、容量Ci 、特性インピー
ダンスZがわずかしか変動しない。 【0028】結合係数Kについては、誘電体基板2の空
気層3のある部分の特性インピーダンスをZa 、第2の
端面11b側の空気層3のない部分の特性インピーダン
スZb とすると、Z2 は、Z2 ={πZ1 (Z1
2 )cos2 θe }/4Z2 (θe ={ωe L√(ε
re)}/3C0 ,ωe =2πfe 、なお、奇モードにつ
いては「e 」にかえて「o 」の添字がつく。)で計算さ
れる。これを上述の式(1)に代入し、式(1)〜式
(3)を満足する共振周波数fe 、fo を求める。この
共振周波数fe 、fo を式(4)に代入し、結合係数K
を求める。式(4)から求められた結合係数Kと空気層
3の厚みdとの関係を図6の曲線B1に示す。なお、図
7の誘電体共振部品の結合係数Kと空気層3の厚みdと
の関係を曲線B2に、図8の誘電体共振部品の結合係数
Kと空気層3の厚みdとの関係を曲線B3に併せて示
す。この図6の曲線B1から空気層3の厚みdが変動し
ても結合係数Kがわずかしか変動しないことがわかる。 【0029】なお、図1の誘電体共振器の結合係数Kと
図4の誘電体共振器の結合係数Kを比較した場合、空気
層3の厚みdが変動しても図4の誘電体共振器の結合係
数Kの方が変動が少ない。これは、図4の誘電体共振器
の誘電体基板2の長さがL/3で、図1の誘電体共振器
の誘電体基板2の長さL/2よりも短いためである。し
たがって、誘電体基板2の長さが短いほど各誘電体同軸
共振器の全体の実効比誘電率εr 、容量Ci 、特性イン
ピーダンスZの変動、結合係数Kの変動が少なくなる。
また、上述したように、開放端13aからできるだけ離
れた位置に誘電体基板2を貼り付けるほど各誘電体同軸
共振器の全体の実効比誘電率εr 、容量Ci 、特性イン
ピーダンスZの変動、結合係数Kの変動が少なくなる。 【0030】なお、上述の実施例では、誘電体ブロック
1に2つの内導体形成孔12a,12bを形成し、この
内導体形成孔12a,12bに内導体13を形成するよ
うにしたが、1つの内導体形成孔を形成し、この内導体
形成孔に内導体13を形成するようにしてもよく、また
3つ以上の内導体形成孔を形成し、この内導体形成孔に
内導体13を形成するようにしてもよい。 【0031】また、第1の端面11aおよび第1の端面
11a側の内導体形成孔12a,12bに外導体14a
を形成するようにしたが、第1の端面11a側の内導体
形成孔12a,12bに外導体14aを形成していない
ものや、第1の端面11aに外導体14aを形成してい
ないものについて実施するようにしてもよい。 【0032】さらに、誘電体ブロック1を単体の構成と
したが、複数の分割誘電体ブロックを接着、溶着等で貼
り合わせることにより、結果的に1つの誘電体ブロック
1を得るようにしてもよい。この場合、貼り合わせ前の
各分割誘電体ブロックには、1つまたは複数の内導体形
成孔が設けられている。 【0033】さらに、バンドパスフィルタを構成するよ
うにしたが、バンドエリミネーションフィルタを構成し
て実施するようにしてもよい。 【0034】 【発明の効果】以上のように請求項1の誘電体共振部品
においては、誘電体基板を内導体の開放端から所定の距
離第2の端面側に位置して誘電体ブロックの側面に貼り
付けるようにしているので、各誘電体同軸共振器の全体
の実効比誘電率εr 、容量Ci、特性インピーダンスZ
のばらつきが小さくなり、歩留まりが向上する。その結
果、誘電体共振部品の生産性が向上し、生産コスト、製
品コストが低下する。また、2以上の誘電体同軸共振器
を設けた誘電体共振部品においては、各誘電体同軸共振
器の全体の実効誘電率εr 、容量Ci 、特性インピーダ
ンスZの変動が小さいので、誘電体同軸共振器間の結合
係数Kのばらつきも小さくなり、歩留まりが向上し、誘
電体共振部品の生産性が向上し、生産コスト、製品コス
トが低下する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例の誘電体共振部品の構成を示
す図である。 【図2】図1の誘電体共振部品の等価回路図である。 【図3】図1の誘電体共振部品の空気層3の厚みdと結
合係数Kとの関係を図7および図8の誘電体共振部品と
比較して示す図である。 【図4】本発明の他の実施例の誘電体共振部品の構成を
示す図である。 【図5】図4の誘電体共振部品の等価回路図である。 【図6】図4の誘電体共振部品の空気層3の厚みdと結
合係数Kとの関係を図7および図8の誘電体共振部品と
比較して示す図である。 【図7】本願出願人が先に提案した誘電体共振部品の構
成を示す図である。 【図8】本願出願人が先に提案した他の誘電体共振部品
の構成を示す図である。 【図9】空気層の厚みと実効比誘電率εr 、容量Ci
特性インピーダンスZとの関係および電界強度分布特性
を示す図である。 【符号の説明】 1…誘電体ブロック 2…誘電体基板 3…空気層 11a…第1の端面 11b…第2の端面 12a,12b…内導体形成孔 13…内導体 13a…開放端 13b…短絡端 14a,14b…外導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/20 - 1/219 H01P 7/00 - 7/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも1つの誘電体同軸共振器を設
    けた誘電体共振部品であって、 誘電体材料で構成され、対面する第1および第2の端面
    と、当該第1の端面から第2の端面にわたる複数の側面
    と、第1および第2の端面で開口しその内部を貫通する
    内導体形成孔とを有する誘電体ブロック、前記内導体形成孔において前記第2の端面と接する短絡
    端と、当該短絡端から前記第1の端面の方向に距離Lだ
    け離れた開放端とを有し、当該短絡端と開放端との間の
    前記内導体形成孔に形成される内導体、 前記誘電体ブロックの1つの側面に形成される誘電体基
    板装着面、 前記誘電体基板装着面に形成される付加電極、 誘電体材料で構成され、前記開放端から前記第2の端面
    方向に距離L/3以上離れて、前記誘電体基板装着面上
    に装着される誘電体基板、および 前記付加電極および前記開放端と絶縁し、前記短絡端と
    短絡し、前記誘電体基板装着部の周囲の少なくとも前記
    第1の端面、前記第2の端面および前記側面に形成され
    る外導体 を備える、誘電体共振部品。
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