JP3499634B2 - 誘電体フィルタ - Google Patents

誘電体フィルタ

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JP3499634B2 JP05368595A JP5368595A JP3499634B2 JP 3499634 B2 JP3499634 B2 JP 3499634B2 JP 05368595 A JP05368595 A JP 05368595A JP 5368595 A JP5368595 A JP 5368595A JP 3499634 B2 JP3499634 B2 JP 3499634B2
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昌紀 山田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体フィルタの構造
に係るもので、特に二枚の誘電体基板を貼り合わせて複
数の共振素子を一体に形成する誘電体フィルタの構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】移動体通信等の高周波帯域のフィルタ等
として誘電体フィルタが各方面で利用されている。この
誘電体フィルタにも多くのタイプがあるが、小型化が可
能でかつ製造が容易な誘電体フィルタとして、発明者は
二枚の誘電体基板の一方に凹溝を形成し、これを貼り合
わせて凹溝の部分に内導体、周囲に外導体、そして一方
の端面に短絡導体を形成する1/4波長TEM共振型誘
電体フィルタを提案した(特願平4-186100=特開平6-61
07)。
【0003】図2はその誘電体フィルタの一例の斜視図
で、凹溝22を形成した誘電体基板20と平板の誘電体基板
21を接着して一体化したものである。凹溝22の部分に内
導体23が形成され、外周面には外導体24が形成される。
なお、凹溝の開口する端面の一方にも導体膜が形成さ
れ、短絡端面とされ、凹溝22の開口する端面の他方は開
放端面とされる。これによって、1/4波長TEM共振
器を一体に形成した誘電体フィルタが得られる。
【0004】この誘電体フィルタにおいては、誘電体基
板20と誘電体基板21の接着面に導体パターンを形成した
後に接着することができる。したがって、従来開放端面
等に形成していた結合調整電極を内部に形成できる。凹
溝の間に導体膜26a、26bをそれぞれ凹溝に形成された
内導体と接続して近接対向させると容量が形成され、こ
れによって誘電体共振器間に容量性の結合が得られる。
導体膜の対向長等によって結合容量を調整することがで
きる。
【0005】また、誘電体基板の接着面には入出力用の
導体膜27を形成して、端子電極28に接続してもよい。こ
の端子電極28との接続はインピーダンス整合点から直接
接続させてもよいし、前記と同様に容量を形成して入出
力結合容量を介して接続するようにしてもよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の構造の誘電体フ
ィルタは、通常凹溝が、誘電体フィルタの組み込まれる
印刷配線基板表面と平行になるように面接続されて用い
られる。その際に上面の外導体も配線基板のアース電位
に接続されるが、外導体を介してなのでインピーダンス
が高くなる。金属ケースを用いる場合もあるが、部品点
数が増加するだけでなく、装置の小型化の障害となる問
題がある。
【0007】そこで、誘電体フィルタの開放端面に導体
膜を形成して外導体同士を接続することが考えられる
が、内部に形成された結合容量を得る導体膜との間に浮
遊容量を生じてしまう。誘電体基板は誘電率の比較的大
きい材料によって構成され、また、開放端面に近い位置
に形成されるので、容量を小さくすることが難しい。
【0008】本発明は、上記のような内部に結合容量を
得る導体膜を有する誘電体フィルタの特性に影響を与え
ることなく、外導体を低インピーダンスでアース電位に
接続できる誘電体フィルタを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、外導体を接続
する導体膜の下に低誘電率の材料層を形成することによ
って、上記の課題を解決するものである。
【0010】すなわち、複数の平行な凹溝を具えた誘電
体基板の凹溝のある表面に平板の誘電体基板が接着さ
れ、凹溝の部分に内導体が、凹溝の開口しない表面と端
面に外導体が、凹溝の開口する端面の一方に短絡導体が
形成され、隣接する内導体にそれぞれ接続されて誘電体
基板の接着面で近接して対向する導体膜を具えた誘電体
フィルタにおいて、開放端面の凹溝が開口する間の部分
に誘電体基板よりも誘電率の低い材料の層を設け、開口
間を横切ってその層の上に形成され、対向面の外導体を
接続する導体膜を具えたことに特徴を有するものであ
る。
【0011】
【作用】ガラス等の低誘電率層が介在することによっ
て、導体膜間の距離と誘電率の関係から、導体膜間の容
量は大幅に減少する。したがって、高周波帯域において
も特性への影響を最小限にすることができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
いて説明する。
【0013】図1は、本発明の実施例を示す斜視図であ
る。凹溝を有する誘電体基板10の凹溝12のある表面に平
板の誘電体基板11を接着して一体化したもので、凹溝12
の部分に導体膜を形成して内導体13とし、外周面にも導
体膜を形成して外導体14とする。凹溝の開口する手前の
端面は開放端面とされ、図示しないが、向う側の凹溝の
開口する端面には短絡導体が形成されて1/4波長TE
M共振の誘電体フィルタが構成される。
【0014】二枚の誘電体基板10、11の接着面には図2
に示した例と同様に、内導体(共振器)間の容量性の結
合を得るための導体膜と入出力端子と接続あるいは容量
結合される導体膜が形成されている。これらの導体膜は
誘電体基板の接着前に形成しておき、接着後の内導体や
端子電極の導体膜の形成の際に接続されるようにしてお
く。
【0015】本発明による誘電体フィルタにおいては、
凹溝12同士の間の誘電体基板10と誘電体基板11の接着面
の端面部分にガラス等の誘電率の低い材料の膜15を形成
し、その膜15の上に対向する外導体14同士を接続し、開
放端面を横切る導体膜19を形成する。この導体膜19は、
外導体14や端子電極18の導体膜と同時に形成してもよい
し、後で形成してもよい。
【0016】誘電率の低い材料の膜15の材料としてはガ
ラス等が適しているが、誘電体基板本体よりも誘電率の
低い材料であれば任意に選択することができる。また、
形成する位置は、接着面とこの近傍を覆うように形成す
ればよいが、開放端面全体を横切るように形成してもよ
い。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、誘電体共振器間の結合
容量電極との間の容量を特性に影響がない程度に小さく
して、外導体間を低インピーダンスで接続することがで
きるので、特性の安定した誘電体フィルタが得られる。
【0018】また、低誘電率層を形成するのみで済むの
で、ケース等が不要となり、小型化や工数の低減の面で
も有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す斜視図
【図2】 従来の誘電体フィルタを示す斜視図
【符号の説明】
10、11:誘電体基板 15:低誘電率膜 19:導体膜

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の平行な凹溝を具えた誘電体基板の
    凹溝のある表面に平板の誘電体が接着され、凹溝の部分
    に内導体が、凹溝の開口しない表面と端面に外導体が、
    凹溝の開口する端面の一方に短絡導体がそれぞれ形成さ
    れ、凹溝の開口する他方の端面が開放端面とされるとと
    もに、内導体にそれぞれ接続されて誘電体基板の接着面
    で近接して対向する導体膜を具えた誘電体フィルタにお
    いて、開放端面の凹溝の開口間に誘電体基板よりも誘電
    率の低い材料の層を具え、開口間を横切ってその層の上
    に形成されて対向する表面の外導体を接続する導体膜を
    具えたことを特徴とする誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】 複数の平行な凹溝を具えた誘電体基板の
    凹溝のある表面に平板の誘電体が接着され、凹溝の部分
    に内導体が、凹溝の開口しない表面と端面に外導体が、
    凹溝の開口する端面の一方に短絡導体がそれぞれ形成さ
    れ、凹溝の開口する他方の端面が開放端面とされるとと
    もに、内導体にそれぞれ接続されて誘電体基板の接着面
    で近接して対向する導体膜によって容量性の結合を得る
    誘電体フィルタにおいて、開放端面の凹溝の開口間に誘
    電体基板よりも誘電率の低い材料の層を具え、開口間を
    横切ってその層の上に形成されて対向する表面の外導体
    を接続する導体膜を具えたことを特徴とする誘電体フィ
    ルタ。
  3. 【請求項3】 誘電体基板の接着面に、容量性の結合を
    得る導体膜とともに入出力端子両端の凹溝に形成され
    る内導体を接続する導体膜を具えた請求項2記載の誘
    電体フィルタ。
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