JP3428130B2 - 耐熱性耐衝撃性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性耐衝撃性樹脂組成物

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JP3428130B2
JP3428130B2 JP06514794A JP6514794A JP3428130B2 JP 3428130 B2 JP3428130 B2 JP 3428130B2 JP 06514794 A JP06514794 A JP 06514794A JP 6514794 A JP6514794 A JP 6514794A JP 3428130 B2 JP3428130 B2 JP 3428130B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、耐衝撃性に優
れ、かつ熱分解しにくい樹脂組成物に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】電気機器や自動車分野においては、近年
意匠性を重要視したものの重要度が増加しており、使用
される材料においてもこのような傾向に対応して機械性
能が高く軽量で外観の優れたものが要求されてきてい
る。このような要求に応えるものとしてエンプラと呼ば
れている材料分野に属するポリカーボネート樹脂や変性
ポリフェニレンエーテル樹脂が使用されたり、ABS樹
脂の耐熱性を向上させたいわゆる耐熱ABS樹脂が開発
され使用されている。特に耐熱ABS樹脂は各種改良方
法が開発され他のエンプラに比べて成形性・耐候性・価
格の面で優れており広く耐熱性樹脂材料として使用され
ている。 【0003】ABS樹脂の耐熱性を向上させる方法とし
ては、アクリロニトリルとスチレンに加えてα−メチル
スチレンを重合して得られるアクリロニトリル−スチレ
ン−α−メチルスチレン三元共重合体とゴム強化樹脂と
をブレンドして樹脂組成物となす方法などいわゆるグラ
フトブレンド法が一般に採用されている。この場合はマ
トリックスにα−メチルスチレンを含むことが耐熱性向
上に寄与しており、α−メチルスチレンの含有量が少な
い場合は十分な耐熱性が得られず、多い場合は重合速度
が遅く重合度の高い樹脂が得られ難く、かつ連鎖のつな
がった構造が生成するため加工時に熱分解し易いという
欠点を有している。このようなα−メチルスチレンを使
用することの欠点を克服する目的でマレイミド系共重合
体を使用する耐熱ABS樹脂を使用する方法が開発さ
れ、特開昭61−16955号公報等で提案されてい
る。また、耐衝撃性の優れたマレイミド系共重合体樹脂
組成物を提供する方法として、特定のマレイミド系共重
合体を使用する樹脂組成物が特開平2−51514号公
報に開示されている。 【0004】一般に耐熱ABS樹脂はABS樹脂と比較
して耐衝撃性が劣るという欠点があり、その改良法が特
開昭61−73755号公報等において提案されている
が、まだ得られる性能は十分でない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】マレイミド系単量体を
用いて耐熱性の高い共重合体を製造する場合、マレイミ
ド系単量体は特定量以上必要であるが、共重合体中のマ
レイミド含有量を過度に上げると得られる共重合体は耐
衝撃性、流動性共に劣るものとなる。従って、その他の
ビニル系単量体も含めて仕込組成を特定の範囲内にしな
ければならない。またマレイミド系単量体は重合速度が
大変速くかつ単独重合しやすく、その結果分子量分布や
組成分布が広くなり耐衝撃性等の物性が悪いものになり
やすい。さらに共重合体中に未反応のマレイミド系単量
体が存在すると透明性が悪く着色の著しいものとなる。
これらのため重合方法やその後の未反応単量体および有
機溶媒の脱揮には十分な検討が必要である。 【0006】マレイミド系共重合体は一般に衝撃強度が
低いのでゴム強化樹脂とのブレンドして用いられるが、
ゴム強化樹脂とのブレンドにより得られる樹脂組成物は
通常マレイミド系共重合体より耐熱性の劣るものとな
る。耐熱性の低下を抑えるためα−メチルスチレン、マ
レイミド系単量体単位を多く含んだゴム強化樹脂をマレ
イミド系共重合体にブレンドする方法もあるが、十分な
耐衝撃性が得られない。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した課
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の単量体混
合比で重合させた特定の物性を有するマレイミド系共重
合体をブタジエン系ゴム存在下で特定の単量体を特定の
混合比であるものを特定の方法で重合させ、その後さら
に特定の単量体を特定の混合比であるものを特定の方法
で重合させて得られる特定の物性を有するゴム強化樹脂
および所望により他の熱可塑性樹脂と特定の割合で配合
することにより所期の目的を達成し得る耐熱性−耐衝撃
性のバランスに優れた樹脂組成物が得られることを見出
し本発明に到達した。 【0008】本発明の要旨は、下記のマレイミド系共重
合体(A)、下記のゴム強化樹脂(B)、これら以外の
他の熱可塑性樹脂(C)からなる耐熱性耐衝撃性樹脂組
成物であり、各樹脂の配合比率が(A)5〜95重量
%、(B)5〜95重量%、(C)75重量%以下の範
囲であり、((B)×(ブタジエン系ゴムの重量比))
/((A)+(B)+(C))により示されるゴム状成
分重量分率が3〜30重量%であることを特徴とする耐
熱性耐衝撃性樹脂組成物にある。 【0009】(1)マレイミド系共重合体(A):マレ
イミド系単量体単位(a)15〜65重量%、芳香族ビ
ニル系単量体およびメタクリル酸エステル系単量体から
なる群から選ばれる少なくとも1種類の単量体(b)1
6〜85重量%および他のビニル系単量体単位(c)2
5重量%以下(但し(a)〜(c)単位成分の合計量1
00重量%)から構成されるマレイミド系共重合体であ
って、(I)該共重合体中の残存マレイミド系単量体の
含有量が0.1重量%以下で、かつマレイミド系単量体
以外の総揮発分が0.5重量%以下であり、(II) 該
共重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比
Mw/Mnが3以下であり、(III)該共重合体の固有
粘度が0.3〜1.5dl/gの範囲であるマレイミド系共
重合体。 【0010】(2)ゴム強化樹脂(B): ブタジエン系ゴム35〜70重量%の存在下でアクリ
ロニトリル10〜40重量%、スチレン30〜90重量
%およびα−メチルスチレン45重量%以下(アクリロ
ニトリル、スチレンおよびα−メチルスチレンの合計量
が100重量%)からなる単量体30〜65重量%を重
合して得られるグラフト重合体であって、 (I) 該グラフト重合体のブタジエン系ゴムの数平均粒
子径が0.15〜0.4μmの範囲であり、 (II) 該グラフト重合体は、(アクリロニトリルの重
量)÷((アクリロニトリルの重量)+(スチレンの重
量))で示される重量比が0.1〜0.4である単量体
混合物(d)40〜60重量部を重合せしめた後、(ア
クリロニトリルの重量)÷((アクリロニトリルの重
量)+(スチレンまたはα−メチルスチレンの重量))
で示される重量比が0.1〜0.4である単量体混合物
(e)40〜60重量部を重合させて得られるグラフト
重合体であり、(単量体混合物(d)と単量体混合物
(e)の合計100重量部) (III) 該グラフト重合体中に含まれる未グラフト重合
体の固有粘度が、単量体混合物(d)を重合させた後
0.5〜1.3dl/gであり、単量体混合物(e)を重合
させた後0.3〜1.0dl/gであり、その固有粘度が
(d)重合後より(e)重合後が低い重合体であり、 (IV)該グラフト重合体のグラフト率が単量体混合物
(d)重合後3〜80%であり、単量体混合物(e)重
合後20〜70%であるゴム強化樹脂。 【0011】本発明において用いるマレイミド系共重合
体(A)を構成するマレイミド系単量体(a)とは次式
(ア)で表されるものである。 【0012】 【化1】 【0013】(式中、Rは水素、炭素数1〜4のアルキ
ル基、シクロヘキシル基、アリール基または置換アリー
ル基を示す。) 具体的には、例えばマレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、
N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイ
ミド、N−キシリールマレイミド、N−ナフチルマレイ
ミド、N−t−ブチルマレイミド、N−オルトクロルフ
ェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマレイ
ミド等が挙げられる。これらの内N−シクロヘキシルマ
レイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレ
イミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N−オ
ルトメトキシフェニルマレイミドが好ましく、特にN−
シクロヘキシルマレイミドおよびN−フェニルマレイミ
ドが好ましいものである。これらマレイミド系単量体は
単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることがで
きる。 【0014】マレイミド系共重合体(A)中のマレイミ
ド系単量体単位(a)の含有量は15〜65重量%の範
囲、さらには20〜55重量%の範囲であることが好ま
しい。15重量%未満の含有量ではマレイミド系共重合
体の耐熱性が低く、これをゴム強化樹脂および必要によ
り他の熱可塑性樹脂と配合した樹脂組成物の耐熱性が低
いものとなり好ましくない。また65重量%を超える含
有量ではマレイミド系共重合体の耐衝撃性や流動性の劣
るものになり、得られる最終樹脂組成物の流動性や、樹
脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性の劣るものとな
るので好ましくない。 【0015】本発明において用いるマレイミド系共重合
体(A)を構成し得る芳香族ビニル単量体(b)として
は、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、クロルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、ス
チレン、α−メチルスチレンが好ましいものである。こ
れら芳香族ビニル系単量体は単独で、あるいは2種以上
組み合わせて用いることができる。 【0016】さらに本発明において用いるマレイミド系
共重合体(A)を構成し得るメタクリル酸エステル系単
量体(b)としてはメタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸イソボルニル、メ
タクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリフロロエチル等
が挙げられ、メタクリル酸メチルが好ましいものであ
る。これらメタクリル酸エステル系単量体は単独で、あ
るいは2種以上組み合わせて用いることができる。 【0017】本発明においてはマレイミド系共重合体
(A)には芳香族ビニル系単量体およびメタクリル酸エ
ステル系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種
の単量体が用いられ、本発明において用いるマレイミド
系共重合体(A)中の芳香族ビニル系単量体およびメタ
クリル酸エステル系単量体(b)の含有量は16〜85
重量%の範囲、さらには29〜80重量%の範囲である
ことが好ましい。16重量%未満の含有量ではマレイミ
ド系共重合体の成形加工性が低いものとなり、得られる
最終樹脂組成物の成形加工性も低いものとなり好ましく
ない。また85重量%を超える含有量では逆にマレイミ
ド系単量体単位の含有量が少なくなり、得られるマレイ
ミド系共重合体の耐熱性が低いものとなり、得られる最
終樹脂組成物から得られる成形品の耐熱性も低いものと
なり好ましくない。 【0018】さらに本発明において用いるマレイミド系
共重合体(A)を構成し得る任意成分として用いられる
他のビニル系単量体(c)としてはシアン化ビニル系単
量体、アクリル酸エステル系単量体、不飽和ジカルボン
酸無水物およびビニルカルボン酸系単量体等が挙げられ
る。シアン化ビニル系単量体としてはアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、フマロニトリル等が挙げら
れ、アクリロニトリルが好ましいものである。またアク
リル酸エステル系単量体としてはアクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。さらに
不飽和ジカルボン酸無水物としてはマレイン酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸等の無水物が挙げられ、マレイン酸
の無水物が好ましいものである。さらにまたビニルカル
ボン酸系単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸等が
挙げられる。アクリロニトリル、マレイン酸無水物およ
びメタクリル酸が好ましく用いられる。これらのビニル
系単量体(c)は単独で、あるいは2種以上組み合わせ
て用いることができるが、必ずしも用いる必要はない。 【0019】本発明において用いるマレイミド系共重合
体(A)中のかかる他のビニル系単量体に基づく単位
(C)の含有量は25重量%以下、さらには19重量%
以下が好ましく、またさらには16重量%以下にするこ
とが好ましい。25重量%を超える含有量では得られる
マレイミド系共重合体の特性は本発明の目的を外れたも
のになり好ましくない。 【0020】本発明において用いるマレイミド系共重合
体(A)は上記マレイミド系単量体単位(a)、芳香族
ビニル系単量体およびメタクリル酸エステル系単量体か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体単位
(b)および他のビニル系単量体単位(c)の含有量の
合計は100重量%になるように調整される。 【0021】さらに本発明において用いるマレイミド系
共重合体(A)は、該共重合体中の残存マレイミド系単
量体の含有量が0.1重量%以下、好ましくは0.05
重量%以下で、かつマレイミド系単量体以外の総揮発分
が0.5重量%以下、好ましくは0.4重量%以下でな
くてはならない。残存マレイミド系単量体の含有量が
0.1重量%を超えると該共重合体の着色が著しく透明
性が劣ることが多く、また耐候性が劣ったり熱着色しや
すいなどの欠点が生じるため好ましくない。さらに該共
重合体を用いて得られる樹脂組成物を成形する際にブリ
ードアウトが生じ、良好な成形品が得られないこともあ
り好ましくない。またマレイミド系単量体以外の総揮発
分が0.5重量%を超える量で存在する場合にはマレイ
ミド系共重合体の耐熱性が劣り、また該共重合体を用い
て得られる樹脂組成物を高温で成形した際にシルバース
トリークが発生し、良好な成形品が得られ難く好ましく
ない。 【0022】また本発明において用いられるマレイミド
系共重合体(A)の重量平均分子量Mwと数平均分子量
Mnの比Mw/Mnが3以下、好ましくは2.8以下、
さらに好ましくは2.5以下であることが必要である。
Mw/Mnの比は分子量分布の広がりの尺度として広く
用いられているものであるが、この値が3より大きい場
合にはマレイミド系共重合体の耐衝撃性や透明性が劣る
ものとなるためこの結果最終樹脂組成物の耐衝撃性も劣
るものとなるため好ましくない。なお重量平均分子量M
wと数平均分子量Mnはゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)により求めた溶出曲線を標準ポリ
スチレンに換算することで求めることができる。 【0023】さらに本発明において用いるマレイミド系
共重合体(A)の固有粘度は0.3〜1.5dl/gの範
囲、さらには0.5〜1.2dl/gの範囲であることが好
ましい。固有粘度はマレイミド系共重合体をN,N−ジ
メチルホルムアミドに溶解し25℃にてウベローデ型粘
度計で求めた値である。0.3未満の固有粘度のマレイ
ミド系共重合体では耐衝撃性が低く、また1.5を超え
る固有粘度のマレイミド系共重合体では耐衝撃性は高い
ものの、流動性が不良のため、この結果最終樹脂組成物
の成形が困難となり実用的でない。 【0024】本発明において用いるマレイミド系共重合
体を製造する方法としては基本的には塊状重合が好まし
い。本発明でいう塊状重合とは公知の方法であり反応系
に有機溶媒を添加した重合系も含むものとする。また塊
状重合で有機溶媒を用いる場合、それ自身重合するもの
ではなく、単量体の重合を妨げるものではなく、かつマ
レイミド系共重合体(A)を溶解できる有機溶媒を用い
ることが必要である。かかる有機溶媒の具体例としては
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、アセトフェノン、ベンゼン、トルエン、エチ
ルベンゼン、キシレン、テトラヒドロフラン、N,N−
ジメチルホルムアミド等が挙げられる。 【0025】本発明において用いるゴム強化樹脂(B)
を構成するブタジエン系ゴムとは1,3−ブタジエン5
0〜100重量%およびこれと共重合可能なCH2=C
<基を有する単量体50重量%以下(合計100重量
%)とからなるものであり、1,3−ブタジエン単独重
合体または1,3−ブタジエン単位50%以上から構成
される共重合体である。該ブタジエン系ゴムの具体例と
してはポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体
ゴム、ブタジエンビニルトルエン共重合体ゴム、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体ゴム、ブタジエン−メ
タクリロニトリル共重合体ゴム、ブタジエン−アクリル
酸メチル共重合体ゴム、ブタジエン−アクリル酸2−エ
チルヘキシル共重合体ゴム、ブタジエン−メタクリル酸
メチル共重合体ゴム、ブタジエン−メタクリル酸エチル
共重合体ゴム等が挙げられる。さらに1,3−ブタジエ
ン単位50重量%以上から構成される三元共重合体ゴム
も含まれ、ガラス転移温度が0℃以下のものが好まし
い。 【0026】ゴム強化樹脂(B)中のブタジエン系ゴム
の含有量は35〜70重量%の範囲、さらには40〜6
5重量%の範囲であることが好ましい。35重量%以下
の含有量で最終樹脂組成物の耐衝撃性を高くするために
は最終樹脂組成物中に該ゴム強化樹脂を多く配合しなけ
ればならず耐熱性が劣るものとなる。また70重量%を
超えると最終樹脂組成物の成形外観が悪くなり好ましく
ない。 【0027】アクリロニトリル、スチレンおよびα−メ
チルスチレンの合計量100重量%中のアクリロニトリ
ルは10〜40重量%で、スチレンは30〜90重量%
であることが好ましく、その範囲以外では本発明の所期
の目的が達成されにくい。 【0028】アクリロニトリル、スチレンおよびα−メ
チルスチレンの合計量100重量%中のα−メチルスチ
レンの含有量は45重量%以下、好ましくは35重量%
以下にする必要がある。耐熱性の高い樹脂組成物を得る
ためにはα−メチルスチレンを多く含有する方が好まし
いが、45重量%を超える含有量では最終樹脂組成物の
成形外観や成形時の熱分解性の劣るものとなり好ましく
ない。 【0029】本発明において用いるブタジエン系ゴムの
数平均粒子径は0.15〜0.4μmの範囲、さらには
0.2〜0.35μmの範囲であることが好ましい。ブ
タジエン系ゴムの数平均粒子径は0.15μm未満であ
ると最終樹脂組成物の耐衝撃性が劣るものとなり好まし
くない。また0.4μmを超えると成形外観や耐衝撃性
が劣るものとなり好ましくない。 【0030】ゴム強化樹脂(B)は(アクリロニトリル
の重量)÷((アクリロニトリルの重量)+(スチレン
の重量))で示される重量比が0.1〜0.4の範囲で
ある単量体混合物(d)をブタジエン系ゴムの存在下で
重合を完了させた後、さらに(アクリロニトリルの重
量)÷((アクリロニトリルの重量)+(スチレンまた
はα−メチルスチレンの重量))で示される重量比が
0.1〜0.4の範囲である単量体混合物(e)を重合す
ることが必要である。さらに単量体混合物(d)は40〜
60重量部、単量体混合物(e)は40〜60重量部
(単量体混合物(d)と単量体混合物(e)の合計10
0重量部)で重合させることが好ましい。重量比が単量
体混合物(d)40重量部未満、単量体混合物(e)6
0重量部を超えると、最終樹脂組成物の耐衝撃性が劣る
ものとなり好ましくない。また重量比が単量体混合物
(d)60重量部を超え、単量体混合物(e)40重量
部未満であると最終樹脂組成物の成形外観が劣るものと
なり好ましくない。 【0031】ゴム強化樹脂(B)であるグラフト共重合
体中に含まれる未グラフト重合体の固有粘度が、単量体
混合物(d)を重合させた後0.5〜1.3dl/gであ
り、単量体混合物(e)を重合させた後0.3〜1.0
dl/gである必要がある。さらに好ましくは単量体混合物
(d)重合後の未グラフト重合体の固有粘度が0.6〜
1.0dl/g、単量体混合物(e)重合後の未グラフト重
合体の固有粘度が0.4〜0.8dl/gである。未グラフ
ト重合体の固有粘度が単量体混合物(d)重合後0.5
未満、単量体混合物(e)重合後0.3未満であると本
発明が示すところの耐衝撃性が劣るものとなり、未グラ
フト重合体の固有粘度が単量体混合物(d)重合後1.
3を超え、単量体混合物(e)重合後1.0を超えると
成形加工性が著しく劣るものとなり好ましくない。さら
にその固有粘度が単量体混合物(d)重合後より単量体
混合物(e)重合後を低くする必要がある。単量体混合
物(e)より単量体混合物(d)重合後の固有粘度が低
いと得られる最終樹脂組成物の耐衝撃性、成形加工性が
劣るものとなり好ましくない。 【0032】ゴム強化樹脂(B)であるグラフト共重合
体のグラフト率は単量体混合物(d)重合後3〜80%
の範囲、好ましくは10〜80%の範囲、さらに好まし
くは15〜80%の範囲であることが必要である。さら
に該グラフト共重合体のグラフト率が単量体混合物
(e)重合後20〜70%の範囲であることが必要であ
る。該グラフト共重合体のグラフト率がこれらの範囲を
外れると耐衝撃性が劣るものとなり好ましくない。 【0033】また本発明において任意成分として用いる
上記マレイミド系共重合体(A)およびゴム強化樹脂
(B)以外の他の熱可塑性樹脂(C)としてはアクリロ
ニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、α−メチル
スチレン−アクリロニトリル共重合体(αSAN)、ポ
リメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリ
レート−スチレン共重合体(MS樹脂)等が挙げられ
る。 【0034】本発明の樹脂組成物は上述したマレイミド
系共重合体(A)とゴム強化樹脂(B)を前者が5〜9
5重量部、後者が5〜95重量部の範囲で(A)成分と
(B)成分の合計が100重量部となるように配合した
ものである。ゴム強化樹脂(B)の配合量が5重量部未
満であれば得られる樹脂組成物の耐衝撃性が満足できな
い場合が生じる。また95重量部を超える配合量では得
られる樹脂組成物の耐熱性が向上しないため好ましくな
い。なお任意成分として配合し得る他の熱可塑性樹脂
(C)の使用量は上記(A)成分と(B)成分の合計量
100重量部に対し300重量部以下にする必要があ
る。300重量部を超える割合の使用量では最終的に得
られる樹脂組成物の耐熱性や耐衝撃性の向上が期待でき
ないものである。 【0035】本発明の樹脂組成物には熱安定性の改良を
目的としてヒンダードフェノール系抗酸化剤やホスファ
イト系安定剤を、耐候性改良を目的としてベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤やヒンダードアミン系安定剤、ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤を、加工性改良を目的とし
てエチレンビスステアリルアマイド等のアミド系の滑剤
や金属石鹸等を単独で、または併用して配合しようする
ことが可能である。さらに難燃剤を配合して難燃性樹脂
組成物とすることも可能である。 【0036】本発明の樹脂組成物は射出成形、押出成
形、真空成形等の各種成形加工分野に利用することがで
き、また成形品にメッキ処理、真空蒸着処理、スパッタ
リング処理等の光輝処理を施すことも可能である。 【0037】 【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお下記の記載中「部」は「重量部」を意味する。
また種々の測定法については以下の方法に従って行っ
た。 【0038】マレイミド系共重合体の各単量体単位の組
成は元素分析より算出した。 【0039】マレイミド系共重合体の固有粘度[η]は
重合体をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解しウベロ
ーデ型粘度計で25℃にて求めた。 【0040】マレイミド系共重合体の重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/MnはGP
Cの溶出曲線からポリスチレンの標準重合体を基準とし
て算出したMwとMnの比で算出した。 【0041】またマレイミド系共重合体を1オンスの射
出成形機でシリンダー温度260℃で成形した試片を用
いアイゾット衝撃強度、およびビカット軟化温度を下記
の方法により測定した。 【0042】アイゾット衝撃強度:ASTM D−25
6 (1/4”棒ノッチ付) ビカット軟化温度:ASTM D−1525 (5kg
荷重) またゴム強化樹脂(B)のブタジエン系ゴムの数平均粒
子径は透過型電子顕微鏡写真より求めた。 【0043】ゴム強化樹脂(B)の未グラフト重合体の
固有粘度はラテックス重合体をイソプロピルアルコール
で凝固させ、得られた重合体をアセトンで抽出し、遠心
分離、濾過した後濾液のアセトンを蒸発させて得た重合
体をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させウベロー
デ型粘度計で25℃にて求めた。 【0044】ゴム強化樹脂のグラフト率は(グラフト重
合体含有率−ゴム含有率)/ゴム含有率×100で求め
た。 【0045】さらにマレイミド系共重合体(A)とゴム
強化樹脂(B)を十分に混合し混合後φ30mm二軸押
し出し機によりシリンダー温度250℃にてペレット化
した。得られた樹脂をシリンダー温度240℃で射出成
形した試片を用いアイゾット衝撃強度、ビカット軟化温
度、および熱分解性を下記の方法により測定した。 【0046】アイゾット衝撃強度:ASTM D−25
6 (1/4”棒ノッチ付) ビカット軟化温度:ASTM D−1525 (5kg
荷重) 熱分解性:1オンスの射出成形機を用い300℃にて5
0×80×3mmの板を成形し、その表面に発生するシル
バーストリークの数から下記基準にて判定した。 【0047】○:シルバーストリークなし △:シルバーストリーク10枚中5枚程度発生 ×:シルバーストリーク10枚中ほとんど全てに発生 参考例1 マレイミド系共重合体の(A−1〜A−5)の製造:窒
素置換操作を施した20リットルの撹拌装置を備えた重
合反応器に表1に示す割合の混合液(A)混合液(B)
を別々の配管から重合反応器に連続的に滴下供給し、表
1に示す重合温度および滞留時間の条件の下で共重合反
応を行い重合反応器の底部に備えたギヤポンプにより重
合反応液を連続的に抜き取り,引き続いて該重合反応液
を150℃に保持した熱交換機にて約20分滞在させた
後に,バレル温度230℃に制御した2ベントタイプの
30mm二軸押出機に導入し第一ベント部分を大気圧,
第二ベント部分を20トールの減圧下に揮発成分を脱揮
してペレタイザーにてペレット化し,マレイミド系共重
合体のペレットを得た。残存単量体の含有量,固有粘
度,ビカット軟化温度を表2に示す。なおA−5は15
0℃に保持した熱交換機を通さなかったものである。 【0048】 【表1】【0049】 【表2】 【0050】参考例2 マレイミド系共重合体の(A−6)の製造:5リットル
の撹拌機付きガラス製反応器に,純水200部,ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部,ロンガリット
0.5部,硫酸第一鉄0.005部,エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム0.01部を仕込み60℃に昇温し
た後,N−フェニルマレイミド30部,スチレン55
部,アクリロニトリル15部,クメンハイドロパーオキ
シド0.5部を3時間にわたって連続して滴下供給し,
滴下終了後さらに1時間60℃に保持した後,得られた
マレイミド系共重合体ラテックスを硫酸マグネシウムに
て凝固し,脱水,乾燥して,マレイミド共重合体の粉末
を得た。 【0051】残存単量体の含有量,固有粘度,ビカット
軟化温度を表2に示す。 【0052】参考例3 ゴム強化樹脂(B)の製造: (B−1、B−2)の製造方法:5リットルの攪拌機付
きガラス製重合反応器に次の組成のものを仕込んだ。 【0053】 ポリブタジエンラテックス(固形分として) 45部 純水 140部 デキストローズ 0.35部 ピロリン酸ソーダ 0.2部 硫酸第一鉄 0.006部 ロジン酸カリウム 0.8部 アクリロニトリル 8.1部 スチレン 19.9部 t−ドデシルメルカプタン 0.14部 ポリブタジエンの数平均粒子径は0.29μmのものを
用いた。 【0054】仕込み物を60℃に昇温し、クメンハイド
ロパーオキサイド0.084部添加し重合させた。重合
後70℃に冷却し、(B−1)はアクリロニトリル7.
9部、α−メチルスチレン19.1部、クメンハイドロ
パーオキサイド0.1688部の混合液を45分にわた
って連続滴下した。滴下終了後クメンハイドロパーオキ
サイド0.03375部加え重合を完結させた。(B−
2)はアクリロニトリル7.9部、α−メチルスチレン
19.1部クメンハイドロパーオキサイド0.1688
部、t−ドデシルメルカプタン0.18部の混合液を4
5分にわたって連続滴下した。 【0055】(B−3、B−4)の製造方法:5リット
ルの攪拌機付きガラス製重合反応器に次の組成のものを
仕込んだ。 【0056】 ポリブタジエンラテックス(固形分として) 45部 純水 140部 デキストローズ 0.35部 ピロリン酸ソーダ 0.2部 硫酸第一鉄 0.006部 ロジン酸カリウム 0.8部 アクリロニトリル 8.1部 スチレン 19.9部 t−ドデシルメルカプタン 0.14部 ポリブタジエンの数平均粒子径は0.29μmのものを
用いた。 【0057】仕込み物を60℃に昇温し、クメンハイド
ロパーオキサイド0.084部添加し重合させた。重合
後60℃に冷却し、(B−3)はアクリロニトリル7.
9部、スチレン19.1部、クメンハイドロパーオキサ
イド0.1688部、t−ドデシルメルカプタン0.1
9部の混合液を45分にわたって連続滴下して得た。
(B−4)はアクリロニトリル7.9部スチレン19.
1部クメンハイドロパーオキサイド0.1688部、t
−ドデシルメルカプタン0.57部の混合液を45分に
わたって連続滴下して得た。 【0058】(B−1〜B−4)各重合体の始めの重合
で得たラテックスと後の重合で得たラテックスそれぞれ
について求めたグラフト率、未グラフト重合体の固有粘
度の結果を表3に示した。 【0059】 【表3】【0060】得られたポリブタジエン強化樹脂ラテック
スにフェノール系抗酸化剤(アンテージ W−400、
商品名、川口化学(株)製)0.4部添加し、十分混合
後希硫酸にて凝固し、脱水、乾燥して白色粉末のポリブ
タジエンゴム強化樹脂(B)を得た。 【0061】(B−5、B−6)の製造方法:5リット
ルの攪拌機付きガラス製重合反応器に次の組成のものを
仕込んだ。 【0062】 ポリブタジエンラテックス(固形分として) 45部 純水 140部 デキストローズ 0.35部 ピロリン酸ソーダ 0.2部 硫酸第一鉄 0.006部 ロジン酸カリウム 0.8部 ポリブタジエンの数平均粒子径は0.29μmのものを
用いた。 【0063】仕込み物を60℃に昇温し、(B−5)は
アクリロニトリル16部、スチレン39部、クメンハイ
ドロパーオキサイド0.395部、t−ドデシルメルカ
プタン0.53部を90分にわたって連続滴下した。滴
下終了後クメンハイドロパーオキサイド0.108部を
加え重合を完結した。(B−6)はアクリロニトリル1
6部、α−メチルスチレン39部、クメンハイドロパー
オキサイド0.395部、t−ドデシルメルカプタン
0.53部を90分にわたって連続滴下した。滴下終了
後クメンハイドロパーオキサイド0.108部を加え重
合を完結した。(B−5、B−6)各重合で得たラテッ
クスそれぞれについて求めたグラフト率、未グラフト重
合体の固有粘度の結果を表3に示した。 【0064】得られたポリブタジエン強化樹脂ラテック
スの凝固は(B−1〜B−4)と同様な方法で行った。 【0065】(B−7の製造方法)5リットルの攪拌機
付きガラス製重合反応器に次の組成のものを仕込んだ。 【0066】 ポリブタジエンラテックス(固形分として) 60部 純水 140部 デキストローズ 0.35部 ロジン酸カリウム 0.8部 アクリロニトリル 1.16部 スチレン 2.84部 クメンハイドロパーオキサイド 0.012部 t−ドデシルメルカプタン 0.053部 ポリブタジエンの数平均粒子径は0.29μmのものを
用いた。 【0067】仕込み物を60℃に昇温し、ピロリン酸ソ
ーダ0.1部、硫酸第一鉄0.003部を加え重合を開
始し、更に140分にわたってアクリロニトリル10.
44部、スチレン25.56部、t−ドデシルメルカプ
タン0.49部、クメンハイドロパーオキサイド0.1
1部の混合溶液を連続滴下した。滴下終了後クメンハイ
ドロパーオキサイド0.2部を加え重合を完結した。 【0068】(B−8)の製造方法:5リットルの攪拌
機付きガラス製重合反応器に次の組成のものを仕込ん
だ。 【0069】 ポリブタジエンラテックス(固形分として) 45部 純水 140部 デキストローズ 0.35部 ピロリン酸ソーダ 0.2部 硫酸第一鉄 0.006部 ロジン酸カリウム 0.8部 アクリロニトリル 8.1部 スチレン 19.9部 t−ドデシルメルカプタン 0.38部 ポリブタジエンの数平均粒子径は0.29μmのものを
用いた。 【0070】仕込み物を60℃に昇温し、クメンハイド
ロパーオキサイド0.28部添加し重合させた。重合後
60℃に冷却し、アクリロニトリル7.9部、スチレン
19.1部、クメンハイドロパーオキサイド0.12
部、t−ドデシルメルカプタン0.1部の混合液を45
分にわたって連続滴下した。滴下終了後クメンハイドロ
パーオキサイド0.2部を加え重合を完結した。 【0071】参考例1、2で得たマレイミド系共重合体
(A−1〜A−6)、参考例3で得たポリブタジエンゴ
ム強化樹脂(B−1〜B−8)をそれぞれ表4に示した
割合で配合したそれぞれの配合物100部に安定剤とし
てフェノール系抗酸化剤0.2部、ホスファイト系安定
剤0.2部を加え十分に混合した後30mmφの2軸押出
機にて250℃でペレット化した。 【0072】 【表4】【0073】実施例1〜8と比較例1〜6のアイゾット
衝撃強度とビカット軟化温度および熱分解性(シルバー
ストリーク)の結果を表5に示した。 【0074】実施例2と比較例1とを比べると、残存マ
レイミド系単量体および残存揮発分が本発明の範囲にあ
るマレイミド系共重合体を用いた本発明の樹脂組成物は
ビカット軟化温度およびアイゾット衝撃強度が高く、シ
ルバーストリークの発生もなく、耐熱性と耐衝撃性とが
優れていることがわかる。実施例4と比較例2を比べる
と、Mw/Mnの値および総揮発分が本発明の範囲にあ
るマレイミド系共重合体を用いた本発明の樹脂組成物は
耐熱性と耐衝撃性のバランスが高く優れていることがわ
かる。実施例5,6と比較例4とを、また実施例7,8
と比較例3とを比べると、2段に分けてグラフト重合を
行う本発明のゴム強化樹脂を用いた樹脂組成物はアイゾ
ット衝撃強度が高く、耐熱性と耐衝撃性のバランスが高
く優れていることがわかる。実施例7,8と比較例5を
比べると、2段に分けてグラフト重合を行う際の1段目
と2段目の重量比が本発明の範囲にある本発明のゴム強
化樹脂を用いた樹脂組成物は、耐衝撃性が高く、耐熱性
と耐衝撃性のバランスが高く優れていることがわかる。
実施例7,8と比較例6とを比べると、グラフト重合時
の未グラフト重合体の固有粘度[η]が本発明の範囲に
ある本発明のゴム強化樹脂を用いた本発明の樹脂組成物
は耐衝撃性が高く耐熱性と耐衝撃性のバランスが優れて
いることがわかる。 【0075】 【表5】【0076】 【発明の効果】本発明の樹脂組成物は上述した如き構成
のマレイミド系共重合体とゴム強化樹脂との配合により
耐熱性、耐衝撃性に優れた樹脂組成物とし得たものであ
り優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記のマレイミド系共重合体(A)、下
    記のゴム強化樹脂(B)、これら以外の他の熱可塑性樹
    脂(C)からなる耐熱性耐衝撃性樹脂組成物であり、各
    樹脂の配合比率が(A)5〜95重量%、(B)5〜9
    5重量%、(C)75重量%以下の範囲であり、
    ((B)×(ブタジエン系ゴムの重量比))/((A)
    +(B)+(C))により示されるゴム状成分重量分率
    が3〜30重量%であることを特徴とする耐熱性耐衝撃
    性樹脂組成物。 (1)マレイミド系共重合体(A): マレイミド系単量体単位(a)15〜65重量%、芳香
    族ビニル系単量体およびメタクリル酸エステル系単量体
    からなる群から選ばれる少なくとも1種類の単量体
    (b)16〜85重量%および他のビニル系単量体単位
    (c)25重量%以下(但し(a)〜(c)単位成分の
    合計量100重量%)から構成されるマレイミド系共重
    合体であって、 (I)該共重合体中の残存マレイミド系単量体の含有量
    が0.1重量%以下で、かつマレイミド系単量体以外の
    総揮発分が0.5重量%以下であり、 (II) 該共重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子
    量Mnの比Mw/Mnが3以下であり、 (III)該共重合体の固有粘度が0.3〜1.5dl/gの
    範囲であるマレイミド系共重合体。 (2)ゴム強化樹脂(B): ブタジエン系ゴム35〜70重量%の存在下でアクリ
    ロニトリル10〜40重量%、スチレン30〜90重量
    %およびα−メチルスチレン45重量%以下(アクリロ
    ニトリル、スチレンおよびα−メチルスチレンの合計量
    が100重量%)からなる単量体30〜65重量%を重
    合して得られるグラフト重合体であって、 (I) 該グラフト重合体のブタジエン系ゴムの数平均粒
    子径が0.15〜0.4μmの範囲であり、 (II) 該グラフト重合体は、(アクリロニトリルの重
    量)÷((アクリロニトリルの重量)+(スチレンの重
    量))で示される重量比が0.1〜0.4である単量体
    混合物(d)40〜60重量部を重合せしめた後、(ア
    クリロニトリルの重量)÷((アクリロニトリルの重
    量)+(スチレンまたはα−メチルスチレンの重量))
    で示される重量比が0.1〜0.4である単量体混合物
    (e)40〜60重量部を重合させて得られるグラフト
    重合体であり、(単量体混合物(d)と単量体混合物
    (e)の合計100重量部) (III) 該グラフト重合体中に含まれる未グラフト重合
    体の固有粘度が、単量体混合物(d)を重合させた後
    0.5〜1.3dl/gであり、単量体混合物(e)を重合
    させた後0.3〜1.0dl/gであり、その固有粘度が
    (d)重合後より(e)重合後が低い重合体であり、 (IV)該グラフト重合体のグラフト率が単量体混合物
    (d)重合後3〜80%であり、単量体混合物(e)重
    合後20〜70%であるゴム強化樹脂。
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