JP2730177B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2730177B2 JP12496389A JP12496389A JP2730177B2 JP 2730177 B2 JP2730177 B2 JP 2730177B2 JP 12496389 A JP12496389 A JP 12496389A JP 12496389 A JP12496389 A JP 12496389A JP 2730177 B2 JP2730177 B2 JP 2730177B2
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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は優れた鮮明色性、耐候性、耐衝撃性を有し、
かつ透明性樹脂では優れた透明性を有する熱可塑性樹脂
組成物に関する。さらに詳しくは、芳香族ビニル化合物
と共役ジエン化合物からなるブロック共重合体および/
またはランダム共重合体を水素添加した水添重合体の存
在下に、(メタ)アクリル酸エステルおよびこれと共重
合可能な他のビニル単量体からなる単量体をグラフト重
合して得られた熱可塑性樹脂(以下、水添ゴムグラフト
共重合体と略す)に、チオエーテル系化合物および必要
に応じてフェノール系抗酸化剤を配合してなる成形加工
時の熱安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
b.従来の技術 グラフト単量体成分として(メタ)アクリル酸エステ
ルを必須成分とする水添ゴムグラフト共重合体は、優れ
た鮮明色性、光沢、耐候性を有し、また透明性樹脂で
は、それらの特性に加えて透明性に優れることから、自
動車部品、電気関係部品、ディスプレーなどの広い分野
で使用されている。
しかし、当該樹脂は単量体成分として(メタ)アクリ
ル酸エステルを必須成分とすることから、成形加工時の
熱の作用により成形品の外観不良あるいは物性の低下、
あるいは透明性の低下が起こりやすく、従って熱安定性
に劣ることが大きな問題であった。
このような水添ゴムグラフト共重合体の熱劣化を抑制
するために、各種の抗酸化劣化防止剤を添加して、耐酸
化劣化性を向上させる試みがなされている。
しかしながら、通常使用される抗酸化劣化防止剤、例
えば通常使用されるフェノール系抗酸化剤およびイオウ
系抗酸化剤では、熱安定性改良効果が不十分であり、問
題解決に至っていないのが実状である。
c.本発明が解決しようとする問題点 こうした問題点に関し、本発明者らは鋭意検討した結
果、水添ゴムグラフト共重合体に、特定の構造を有する
チオエーテル化合物と必要に応じてフェノール系抗酸化
剤を配合することにより、成形加工時の熱安定性を大幅
に改良した熱可塑性樹脂が得られることを見い出し、本
発明に到達した。
d.問題点を解決する手段 すなわち本発明は、(1)芳香族ビニル化合物0〜50
重量%と共役ジエン化合物50〜100重量%からなる重合
体を水素添加した水添重合体(a)の存在下に、単独重
合体にしたときのガラス転移温度が50℃以上である(メ
タ)アクリル酸エステルおよびこれと共重合可能な他の
ビニル単量体からなる単量体(b)をグラフト共重合し
て得られる熱可塑性樹脂100重量部に対して、下記一般
式(I) (R1−S−CH2CH2COOmA 〔I〕 (上式中、R1は炭素数4ないし30のアルキル基を示す。
Aは3ないし6価の多価アルコールの残基を示し、mは
3ないし6を示す。) で表わされるチオエーテル化合物0.01〜5重量部を含有
させてなる熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における水添ジエン系重合体(a)について説
明する。
共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレ
ン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエンなどが挙
げられる。また、ビニル芳香族化合物としては、例えば
スチレン、パラメチルスチレン、α−メチルスチレンな
どが挙げられる。好ましくはブタジエン、スチレンであ
る。水素添加前のジエン系重合体は、共役ジエンとビニ
ル芳香族化合物とのランダム共重合体あるいはブロック
共重合体、あるいはそれらの混合物であってもよい。な
お、水添ジエン系重合体として種類の異なるジエン系重
合体の混合物である場合、水素添加前に混合し、その後
水素添加したものでもよく、また水素添加後混合しても
よい。
ジエン系重合体中のビニル芳香族化合物の含有量は50
重量%以下であり、好ましくは40〜5重量%である。50
重量%以下の場合、本発明の水添ジエン系重合体の耐衝
撃性の点で好ましい。
ジエン系重合体のミクロ構造は、耐衝撃性の点で1,2
−、3,4−などのビニル結合含有量が好ましくは10%以
上、さらに好ましくは20〜80%、特に好ましくは30〜60
%である。
ジエン系重合体の数平均分子量は、好ましくは5,000
〜1,000,000、さらに好ましくは30,000〜300,000であ
る。5,000未満であると、本発明の水添ジエン系重合体
がゴム状とならず液状となり、一方、1,000,000を超え
ると、加工性が低下する傾向を示し好ましくない。
具体的に本発明のジエン系重合体を説明すると、少な
くとも1個のAブロックまたCブロックと少なくとも1
個のBブロックまたA/Bブロックとを含む共重合体、も
しくはBかA/Bで示されるジエン系重合体であり、例え
ば下記のものが挙げられる。
ここで、 A :ビニル芳香族化合物重合体 B :共役ジエン重合体 A/B:ビニル芳香族化合物/共役ジエンのランダム共重合
体 C :共役ジエンとビニル芳香族化合物の共重合体であ
り、かつビニル芳香族化合物が漸増するテーパブロック (1) A−B (2) A−B−A (3) A−B−C (4) A−B1−B2 (B1のビニル結合は好ましくは20%以上、B2のビニル結
合は好ましくは20%未満) (5) B (6) A/B (7) A−A/B (8) A−A/B−C (9) A−A/B−A (10) B2−B1−B2 (B1のビニル結合は好ましくは20%以上、B2のビニル結
合は好ましくは20%未満) (11) C−B (12) C−B−C (13) C−A/B−C (14) C−A−B を骨格とするジエン系重合体であり、さらにこれらの基
本骨格を繰返し有する共重合体などである。また、それ
らをカップリングして得られるジエン系重合体であって
もよい。
上記(4)のA−B1−B2については特開平2−133406
号、(5)のB、(6)のA/Bについては特開昭63−127
400号に示されている。
(7)のA−A/B、(8)のA−A/B−Cについては、
好ましくはビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合が5
〜40/60〜95重量%、AまたはAとCのビニル芳香族化
合物の合計量が全共重合体の3〜25重量%、A/B中の共
役ジエン部分のビニル結合含有量が、15%以上(特に好
ましくは30〜80%)である。
本発明において、ジエン系重合体として上記の
(4)、(5)、(6)、(7)、(8)のものを用い
ると、一段と優れた本発明の目的とするものが得られる
ので好ましい。さらに、(6)、(7)、(8)のもの
を用いると、低温特性、疲労特性の一段と優れたものが
得られ好ましい。
本発明の水添ジエン系重合体は、上述のジエン系重合
体を水素添加することにより得られる。ジエン系重合体
のオレフィン性不飽和結合の水添率は70%以上、好まし
くは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。水添
率が70%未満であると、耐候性、耐熱性が低下するので
好ましくない。
上述のジエン系重合体の重合方法およびジエン系重合
体の水素添加方法については、例えば特開平1−275605
号に示されている。
本発明において、水添ジエン系重合体にグラフト重合
するビニル単量体の(メタ)アクリル酸エステルおよび
これと共重合可能な他の単量体について述べる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、それ
単独で重合体にしたとき、その重合体のガラス転移温度
(示差走査熱量計(DSC)で測定)が50℃以上であるも
ので、アルキルとして炭素数1〜10のものが好ましく、
さらに好ましくは1〜6、特に、好ましくは1〜4のも
のである。メタクリル酸エステルとアクリル酸エステル
のなかでは、メタクリル酸エステルの方が好ましい。こ
れらの例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ヘキシル、ヒドロキシ基を有するノ
ルボルネン化合物の(メタ)アクリルエステルなどが挙
げられ、これらの1種以上が使用できる。これらのなか
では、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルが好ま
しく、さらに好ましいのはメタクリル酸メチルである。
共重合可能な他のビニル単量体としては、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香
族ビニル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニト
リルなどのシアン化ビニル系単量体;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、アク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシルな
どの前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルで使用し
た以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量
体;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和酸無
水物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;N−フ
ェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなど
のα,β不飽和ジカルボン酸のイミド化合物などが挙げ
られる。
透明性に優れた水添ゴムグラフト性重合体を得るため
には、(メタ)アクリル酸エステルと上記共重合可能な
単量体とを、水添ジエン系重合体(a)の屈折率と単量
体混合物(b)の重合体の屈折率との差が0.01以下が好
ましく、さらに好ましくは0.005以下となるように、単
量体混合物の組成を適宜選択してグラフト重合を行なう
のが好ましい。なお、単量体混合物(b)のみからなる
マトリックス樹脂の屈折率は、理論式から計算または予
めその組成からなる単量体混合物を重合して得た樹脂の
屈折率を測定することにより知ることができる。
(メタ)アクリル酸エステルと他のビニル単量体との
使用割合は特に制限はなく、水添ジエン系重合体(a)
の屈折率に応じて適宜決めることができるが、好ましく
は30〜98/70〜2重量%であり、さらに好ましくは50〜9
5/50〜5重量%であり、特に好ましくは60〜90/40〜10
重量%である。
本発明の熱可塑性樹脂を製造する際の水添ジエン系重
合体(a)の含有量は、目的に応じて任意に選ぶことが
できるが、樹脂の耐衝撃性、成形性や透明性を満足する
ために、その範囲は5〜35重量%、好ましくは10〜30重
量%である。ゴム含有量が5重量%未満では耐衝撃性の
不十分な樹脂しか得られず、また、35重量%を超えると
表面硬度の成形性が低下するため好ましくない。従っ
て、マトリックス樹脂となる単量体混合物(b)は残部
の含有量となる。
本発明の水添ゴムグラフト共重合体を製造するための
重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合
法および乳化重合法など公知の方法が採用できるが、な
かでも溶液重合法および懸濁重合法が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂は、水添ジエン系重合体の存在
下に、本発明の単量体成分をグラフト共重合させたグラ
フト共重合体、あるいは該グラフト共重合体と本発明の
単量体成分を別途重合した共重合体とをブレンドしたも
のが該当する。
かくして得られる本発明の熱可塑性樹脂は、透明性、
鮮明色性、耐候性、耐衝撃性が優れており、これら特性
を生かした種々の用途に広く利用することができる。
またこの熱可塑性樹脂は、目的に応じて上記の別途重
合した共重合体以外のメタクリル酸エステル重合体、ス
チレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体など他の重
合体と配合することができる。ただし配合する他の重合
体は、透明性に優れた熱可塑性樹脂を得る場合には、本
発明で得られる熱可塑性樹脂とその屈折率差が0.01以下
であることが好ましく、さらに好ましくは0.005以下の
範囲にあるものが好ましく、この条件を満足しない場合
には透明な組成物を得ることができない。
本発明にて使用されるチオエーテル化合物は、一般式 (R1−S−CH2CH2COOmA 〔I〕 (上式中、R1は炭素数4ないし30のアルキル基を示す。
Aは3ないし6価の多価アルコールの残基を示し、mは
3ないし6を示す。) で表わされる化合物である。
一般式(I)において、R1で示される炭素数4ないし
30のアルキルとしては、例えばブチル、ペンチル、ヘキ
シル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシ
ル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ドコシ
ル、テトラコシル、ヘキサコシ、オクタコシル、トリア
コンチルなどが挙げられる。
またAOH)mで示される3ないし6価のアルコール
としては、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、トリエチロールエタン、ペン
タエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、エリシ
リトール、ジグリセリン、2,2,6,6−テトラメチロール
シクロヘキサノン、2,2,6,6−テトラメチロールシクロ
ヘキサノール、トリグリセリン、トリトリメチロールプ
ロパン、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マニ
トール、イノシトールなどが挙げられる。
本発明で用いられる前記一般式(1)で示される化合
物の代表例を、それぞれ下記表−1に示す。
本発明にて使用されるチオエーテル化合物は、熱可塑
性樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは
0.1〜3重量部である。0.01重量部未満では熱安定性効
果が不十分であり、5重量部を超えて添加しても添加量
に見合った熱安定性効果が得らないばかりか、熱可塑性
樹脂の衝撃強度を低下させるため好ましくない。
また、上記特定なチオエーテル化合物だけでも熱安定
性改良効果を十分に得ることができるが、フェノール系
抗酸化剤を併用することにより、熱安定性がさらに改良
される。
なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱安定性をさ
らに向上させるために、フェノール系抗酸化剤を配合す
ることができる。
本発明で用いられるフェノール系抗酸化剤としては、
例えば2,6−ジ−第3ブチル−p−クレゾール、ステア
リル−(3,5−ジ−メチル−4−ヒドロキシベンジル)
チオグリコレート、ステアリル−β−(4−ヒドロキシ
3,5−ジ−第3ブチルフェニル)プロピオネート、ジス
テアリル−3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルホスホネート、ジステアリル(4−ヒドロキシ−3
−メチル−5−第3ブチル)ベンジルマロネート、2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−第3ブチルフェ
ノール)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−第3ブチル
フェノール)、2,2′−メチレンビス〔6−(1−メチ
ルシクロヘキシル)p−クレゾール〕、ビス〔3,3−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)ブチリ
ックアシド〕グリコールエステル、4,4′−ブチリデン
ビス(6−第3ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフ
ェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第3ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベン
ゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−第3ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
ン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第3ブチル−ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス〔(3,5−
第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオ
キシエチル〕イソシアヌレート、2−オクチルチオ−4,
6−ジ(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第3ブチル)フェノ
キシ−1,3,5−トリアジン、4,4′−チオビス(6−第3
ブチル−m−クレゾール)などのフェノール類、および
4,4′−n−ブチリデンビス(2−第3ブチル−5−メ
チルフェノール)の炭酸オリゴエステル(例えば重合度
2,3,4,5,6,7,8)などの多価フェノールの炭酸オリゴエ
ステル類などが挙げられる。
フェノール系抗酸化剤は、熱可塑性樹脂に対して0〜
5重量部の範囲で添加可能であるが、より好ましくは0.
1〜3重量部である。
フェノール系抗酸化剤の添加量が5重量部を超えた場
合には、添加量に見合った熱安定性効果が得られないば
かりが、水添ゴムグラフト共重合体の衝撃強度を添加さ
せるため好ましくない。
なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物に対し、他の熱可
塑性樹脂、さらにリン系、酸化防止剤や光安定剤、紫外
線吸収剤、滑剤、着色剤、難燃剤、補強剤など通常用い
られる添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で添加
することができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物を調製するにあた
っては、従来公知の方法を用いればよく、押出機、バン
バリーミキサー、ロールなどで混練する方法、および水
添ゴムグラフト共重合体の重合段階において添加する方
法などが適宜選択される。
e.実 施 例 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、例文中の「部」、「%」はすべて重量基準である。
(1) 熱可塑性樹脂の製造方法 1) 熱可塑性樹脂G−1の製造 パドル型撹拌装置を備えた内容積10のステンレス製
オートクレーブに、予め均一溶液にした屈折率1.507の
水添ジエン系重合体KRATON G−1650(シェルケミカル
社製 SEBS)20部、スチレン12部、トルエン100部、t
−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、撹拌しながら
昇温し、50℃にてメタクリル酸メチル68部、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート0.5部を添加し
た。系内を窒素置換した後、さらに90℃まで昇温し、こ
の温度で重合転化率が75%になるまで撹拌下で重合を継
続した。重合転化率が75%に達した時点で重合を停止
し、オートクレーブより取り出し、水蒸気蒸留により未
反応単量体、溶媒を除去した。この物を細かく粉砕し乾
燥した後、40mmφベント付押出機にてペレット化した。
得られたグラフト共重合体のゴム含有量は25%であり、
単量体混合物のみからなる共重合樹脂の屈折率は1.5066
であり、透明性に優れた熱可塑性樹脂であった。
2) 熱可塑性樹脂G−2の製造 G−1の水添ジエン系重合体に代えて、スチレン30
%、ブタジエン70%からなるランダム共重合体の水添率
99%の水添ジエン系重合体を用い、他はG−1と同様の
条件で重合を行ない、G−1と同様の透明性に優れた熱
可塑性樹脂である。
3) 熱可塑性樹脂G−3の製造 G−1の水添ジエン重合体に代えて、ポリスチレン
(10%)ブロックとスチレン/ブタジエン=20%/70%
からなるランダム共重合体ブロックとからなるブロック
共重合体の水添率99%の水添ジエン系重合体を用い、他
はG−1と同様の方法で重合を行ない、G−1と同様な
透明性の優れた熱可塑性樹脂である。
(2) 実施例、比較例 上述の熱可塑性樹脂100重量部に、表−2、3に示し
た配合処方の各成分を配合し、40m/mφベント付押出機
を用いぺレット化し、下記の評価に供した。評価結果を
表−2,3に示す。
評価方法 (外観評価) 射出容量10オンスの射出成形機を用い、箱型成形品を
成形シルバーストリークの発生状態を目視にて判定し
た。
<評 価> ○:シルバーストリークの発生なし △:微細なシルバーストリークが発生 ×:シルバーストリークが成形品全面に発生 (物性評価) 射出容量5オンスの射出成形機を用い、1/4″IZON−I
MPテストピースを成形し、ノッチ付き衝撃強度を測定し
た。
上述の外観評価および物性評価各々の成形では、射出
成形温度を240〜300℃範囲で変更し、それぞれの変化の
度合を評価した。
表−2に示す結果から、以下のことがわかる。
実施例1〜8の樹脂組成物は、水添ゴムグラフト共重
合体と、特定の構造を有したチオエーテル系化合物から
なる本発明の組成物であり、本発明の目的とする安定化
された熱可塑性樹脂組成物が得られている。
一方、比較例1、3、4の樹脂組成物は、チオエーテ
ル系化合物の配合比率が本発明の範囲外であり、比較例
1、3では熱安定性効果が不十分であり、比較例4では
熱安定性効果は十分に得られているものの、耐衝撃性が
著しく低下し問題がある。
比較例2、5、6は、本発明の範囲外の硫黄系抗酸化
剤またはフェノール系抗酸化剤を添加した組成物であ
り、熱安定性効果が不十分であり、本発明の目的に到達
していない。
また表−3は、熱可塑性樹脂に硫黄系化合物とフェノ
ール系抗酸化剤を組み合わせた場合の結果を示した。
表−3に示す結果から、特定構造を有するチオエーテ
ル系化合物とフェノール系抗酸化剤を、本発明の範囲に
て水添ゴムグラフト共重合体に配合することにより、安
定化が一段と優れた熱可塑性樹脂が得られている。
f.発明の効果 本発明で得られた成形時の熱安定性に優れた熱可塑性
樹脂は、各種透明成形品にできるほか、黒色や各種の色
に着色して深みのある鮮明な色彩の成形品とすることが
できる。かかる熱可塑性樹脂の用途としては、各種家庭
電化製品、自動車部品、家庭用品、その他各種工業材料
のほか、レンズや光ディスクなどの光学材料にも有用で
ある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニル化合物0〜50重量%と共役ジ
    エン化合物100〜50重量%からなる重合体を水素添加し
    た水添重合体(a)の存在下に、単独重合体にしたとき
    のガラス転移温度が50℃以上である(メタ)アクリル酸
    エステル、およびこれと共重合可能な他のビニル単量体
    からなる単量体(b)をグラフト共重合して得られる熱
    可塑性樹脂100重量部に対し、下記一般式(I) (R1−S−CH2CH2COOmA (I) (上式中、R1は炭素数4ないし30のアルキル基を示す。
    Aは3ないし6価の多価アルコールの残基を示し、mは
    3ないし6を示す。) で表されるチオエーテル化合物0.01〜5重量部を含有さ
    せてなる熱可塑性樹脂組成物。
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WO1996032440A1 (fr) * 1995-04-14 1996-10-17 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Resine methacrylique a haute resistance aux chocs
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