JP2780187B2 - ゴム変性熱可塑性樹脂 - Google Patents

ゴム変性熱可塑性樹脂

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JP2780187B2
JP2780187B2 JP12238889A JP12238889A JP2780187B2 JP 2780187 B2 JP2780187 B2 JP 2780187B2 JP 12238889 A JP12238889 A JP 12238889A JP 12238889 A JP12238889 A JP 12238889A JP 2780187 B2 JP2780187 B2 JP 2780187B2
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博成 村木
勝郎 大村
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Description

【発明の詳細な説明】 a. 産業上の利用分野 本発明は、共役ジエンとビニル芳香族化合物からなる
ブロック共重合体の水素添加物の存在下に、芳香族ビニ
ル化合物を主とした単量体または(メタ)アクリル酸エ
ステル化合物を主とした単量体をグラフト共重合して得
られる、着色性などの成形外観と配向強度が著しく改良
され、かつ耐候性、耐衝撃性、耐薬品性および成形加工
性に優れたゴム変性熱可塑性樹脂に関する。
b. 従来の技術 主鎖に実質的に不飽和結合を含まないEPM、EPDMをゴ
ム成分として用いたスチレン、アクリロニトリルなどと
のグラフト共重合体(AES樹脂)は、共役ジエン系ゴム
を用いたABS樹脂に比べ、紫外線、酸素およびオゾンに
対する抵抗性が大きく、格段に耐候性が良いことが知ら
れている。
しかしAES樹脂には、以下に示す問題がある。
(1) 着色性に劣る。ABS樹脂に代表されるゴム変性
樹脂は、均一系樹脂に比べ、着色性に劣るとされてい
る。発明者らが検討したところでは、同じゴム変性樹脂
の中でも、AES樹脂はABS樹脂と比べ、とくに彩やかな
色、濃い色において鮮明さと深みが不足し、同じ程度の
色の濃さに着色するためには、着色材が多量に必要であ
った。
(2) 耐薬品性が劣る。AES樹脂は、耐候性に優れて
いることから、自動車外装部品などとして使用されてい
るが耐薬品性が劣るため、ゴム量を低減させるなどの対
策が必要であり、その結果強度が低下し、使用部位や使
用方法などに制約を生ずる場合があった。
(3) 配向性が強い。ABS樹脂と比べ配向性が強く、
特に配向強度差が大きくなる傾向がある。したがってAB
S樹脂と同じ方法で加工した場合、強度に異方性が生じ
るため成形条件を変更する必要がある。例えば成形温度
を上げたり、押出し成形時の押出し速度を遅くすること
が必要であり、経済性が低下することがあった。
また、一般に、ポリメタクリル酸メチル樹脂またはメ
タクリル酸メチルを主成分とした樹脂は、透明性、光
沢、耐候性などの優れた特性から、自動車部品、電気関
係部品、ディスプレーなどの広い分野で使用されている
が、衝撃強度が低いという欠点がある。この衝撃強度を
改良する方法として、ポリブタジエンなどのジエン系ゴ
ムの存在下にメタクリル酸メチル、スチレンおよびアク
リロニトリルなどからなるビニル系単量体混合物を、ジ
エン系ゴムの屈折率とビニル系単量体混合物を単独で重
合して得られる重合体の屈折率が実質的に一致するよう
にビニル系単量体混合物の組成を選択して重合する方法
が知られている。例えば該方法によって得られたメタク
リル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂やメ
タクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン−アクリロニ
トリル共重合体樹脂などが、種々の分野に使用されてい
る。しかしこれらの樹脂は、分子主鎖に不飽和二重結合
を含有しているため、紫外線や空気中の酸素によって劣
化し、変色や耐衝撃性の低下など、いわゆる耐候性が悪
いという致命的な欠点がある。
この耐候性を改良する方法として、ジエン系ゴムの代
わりに、分子主鎖が実質的に飽和なゴム状重合体を用
い、これに種々のビニル系単量体をグラフト重合する方
法が提案されている。しかしながらこのゴム状重合体
は、ジエン系ゴムのように二重結合をもたず、ラジカル
活性が低いため、ビニル単量体がグラフト重合せずに単
にゴム状重合体とビニル重合体樹脂とのブレンド物にな
ることが多い。このため得られた樹脂は、射出成形した
場合、表面にムラが見られ、光沢や透明性も著しく低
く、また耐衝撃性および引張り強度が劣り、特に強度の
異方性を有するという欠点がある。
c. 発明が解決しようとする課題 本発明者らは、こうした点に関して鋭意検討した結
果、少なくとも1種の共役ジエンとビニル芳香族化合物
のブロック共重合体の水素添加物をゴム成分として用
い、芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物およ
びこれと共重合可能な単量体化合物をグラフト共重合さ
せることにより、着色性、成形加工性、配向強度および
耐薬品性に著しく優れた耐候性樹脂を得ることに成功し
た。また該ゴム成分の存在下に、(メタ)アクリル酸エ
ステルを主成分として含有し、かつ特定の条件を満足す
るビニル系単量体をグラフト重合することにより、透明
性に優れ、耐衝撃性、特に成形加工性および強度の異方
性改良に著しく効果のある耐候性樹脂を得ることに成功
し、本発明に至ったものである。
d. 課題を解決するための手段 本発明は、分子中に重合体ブロックA、BおよびC
(ただし、Aはビニル芳香族化合物が90重量%以上のビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック、Bは1,
2−ビニル結合含量が30〜70%のポリブタジエン重合体
ブロック、Cは1,2−ビニル結合含量が30%未満のポリ
ブタジエン重合体ブロックである。)をそれぞれ1個以
上有するブロック共重合体であって、該ブロック共重合
体中の重合体ブロックAの含量が10〜50重量%、重合体
Bの含量が30〜80重量%、重合体ブロックCの含量が5
〜30重量%であるブロック共重合体中のオレフィン性不
飽和結合の少なくとも80%以上を水素添加してなる、数
平均分子量が4万〜70万の水素化ブロック共重合体
(A)の存在下に、芳香族ビニル化合物単量体(B)5
〜100重量%およびこれと共重合可能な単量体化合物
(C)95〜0重量%をグラフト共重合してなることを特
徴とするゴム変性熱可塑性樹脂、ならびに請求項第1項
記載の水素化ブロック共重合体(A)の存在下に、単独
重合体にしたときのガラス転移温度が50℃以上である
(メタ)アクリル酸エステル単量体(D)と、これと共
重合可能な他のビニル単量体化合物(E)とを、水素化
ブロック共重合体(A)の屈折率と、単量体(D)と単
量体化合物(E)との共重合体の屈折率との差が、0.01
以下となるようにグラフト共重合してなることを特徴と
するゴム変性熱可塑性樹脂を提供するものである。
以下に、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の水素化ブロック共重合体(A)は、下記の重
合体ブロックA、BおよびCをそれぞれ1個以上有する
ものである。
重合体ブロックAは、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレンなどの
ビニル芳香族化合物から選ばれた1種または2種以上の
ビニル芳香族化合物の重合体またはビニル芳香族化合物
含量が90重量%以上の1,3−ブタジエンとの共重合体の8
0%以上が水素化された重合体である。
水素化前のブロック共重合体中の重合体ブロックAの
含量は10〜50重量%、好ましくは15〜45重量%であり、
重合体中の重合体ブロックAの含量が10重量%より低い
と着色性が低下し、50重量%を超すと、耐衝撃性が低下
する。さらに重合体ブロックAの数平均分子量は、好ま
しくは5,000〜70,000である。重合体ブロックAのビニ
ル芳香族化合物含量が90重量%未満では、着色性が低下
する。
重合体ブロックBは、ポリブタジエンであり、重合体
ブロックBの含量は30〜80重量%、好ましくは35〜70重
量%であって、水素化前のブロック共重合体中の重合体
ブロックBの含量が30重量%未満では、耐衝撃性が低下
し、80重量%を超えると着色性が低下する。
重合体ブロックBの1,2−ビニル結合含量は30〜70
%、好ましくは40〜60%である。水素化前のポリブタジ
エンの1,2−ビニル結合含量が30%未満では水素化され
たときポリエチエン連鎖が生成し、ゴム的性質が失われ
る。また70%を超えると水素化されたときガラス転移温
度が高くなり、ゴム的性質が失われる。
重合体ブロックBは、好ましくは数平均分子量30,000
〜300,000のポリブタジエンを少くとも80%以上水素化
した重合体である。
重合体ブロックBは、100%水素化することによって
エチレン、ブテン−1がランダムに共重合された重合体
となる。
重合体ブロックCは、ポリブタジエンであり、重合体
ブロックCの含量は5〜30重量%、好ましくは5〜25重
量%である。重合体ブロックCの1,2−ビニル結合含量
は30%未満、好ましくは3〜20%である。重合体ブロッ
クC中の水素化前のポリブタジエンの1,2−結合含量が3
0%を超えると耐薬品性が低下する。
重合体ブロックCは、好ましくは数平均分子量10,000
〜300,000のポリブタジエンを少くとも80%以上水素化
した重合体である。また、1,2−ビニル結合が3%未満
のポリブタジエンは、製造が困難である。水素化前のブ
ロック共重合体中の重合体ブロックCの含量が5重量%
未満では、耐薬品性が低下し、含量が30重量%を超える
と低温衝撃強度が低下する。
水素化ブロック共重合体(A)は、重合体ブロック
A、BおよびCからなるブロック共重合体である。
水素化ブロック共重合体(A)の重合体分子鎖は、直
鎖状、分岐状のいずれでもよい。
水素化ブロック共重合体(A)の数平均分子量は4万
〜70万である。4万未満では衝撃強度が低下し、70万を
超えると成形外観が悪くなる。
水素化ブロック共重合体(A)はオレフィン性不飽和
結合が少くとも80%以上、好ましくは90%以上水素化さ
れていることが重要で、80%未満では耐候性が低下す
る。
水素化ブロック共重合体(A)は、無水マレイン酸、
無水イタコン酸、無水フマル酸などのα,β・不飽和カ
ルボン酸の酸無水物で酸変性するか、あるいはグリシジ
ル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、
ビニルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有する不
飽和化合物で変性して用いてもよい。この場合エンプラ
などの他の樹脂とブレンドしたときの相溶性を改良する
ことができ、性能向上が可能である。
水素化ブロック共重合体(A)の分子量分布(Mw/M
n)は好ましくは10以下である。10以上の時は成形外観
が悪くなる。
水素化ブロック共重合体(A)は、例えば、有機リチ
ウム開始剤を用い、炭化水素溶媒中でアニオンリビング
重合を行なうことにより得られる。また、分岐状重合体
は、3官能以上のカップリング剤を前記重合終了時に必
要量添加してカップリング反応を行なうことにより得ら
れる。
1,2−、3,4−結合などのビニル結合含量をコントロー
ルするためには、エーテル、3級アミン化合物、ナトリ
ウム、カリウムなどのアルカリ金属のアルコキシド、フ
ェノキシド、スルフォン酸塩が用いられる。
有機リチウム開始剤としては、n−ブチルリチウム、
sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどが用
いられる。炭化水素溶媒としては、ヘキサン、ヘプタ
ン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、2−メチルブテン−1、2−
メチルブテン−2などが用いられる。
重合はバッチ方式でも連続方式でもよく、重合温度は
通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の範囲であり、重
合時間は10分〜3時間の範囲で行なわれる。カップリン
グ剤は3官能以上のカップリング剤であり、その例とし
てはテトラクロロケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テ
トラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、テトラクロロ
ゲルマニウム、ビス(トリクロロシリル)エタン、ジビ
ニルベンゼン、アジピン酸ジエステル、エポキシ化液状
ポリブタジエン、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁
油、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイ
ソシアナート、1,2,4−ベンゼントリイソシアナートな
どが挙げられる。
こうして重合されたブロック重合体を水素添加するこ
とにより、水素化ブロック重合体(A)が得られる。
水素化反応は上記ブロック重合体を炭化水素溶媒中に
溶解し、20〜150℃、1kg/cm2〜100kg/cm2の加圧水素下
で水素化溶媒の存在下に行なわれる。
水素化触媒としては、パラジウム、ルテニウム、ロジ
ウム、白金などの貴金属をシリカ、カーボン、ケイソウ
土などに担持した触媒、ロジウム、ルテニウム、白金な
どの錯体触媒、コバルト、ニッケルなどの有機カルボン
酸と有機アルミニウムまたは有機リチウムからなる触
媒、ジシクロペンタジエニルチタンジクロリド、ジシク
ロペンタジエニルジフェニルチタン、ジシクロペンタジ
エニルチタンジトリル、ジシクロペンタジエニルチタン
ジベンジルなどのチタン化合物とリチウム、アルミニウ
ム、マグネシウムよりなうる有機金属化合物からなる水
素化触媒が用いられる。
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂中の水素化ブロック共
重合体(A)の含有量は、目的に応じて任意に選ぶこと
ができるが、該樹脂の耐衝撃性を損なわないためには5
〜45重量%、好ましくは10〜40重量%の範囲である。
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂においては、水素化ブ
ロック共重合体(A)の存在下に、ビニル単量体をラジ
カル重合する各種の方法、例えば乳化重合法、塊状重合
法、懸濁重合法などを採用することができる。
本発明において用いる上記単量体は、芳香族ビニル化
合物単量体(B)、およびこれと共重合可能な単量体化
合物(C)である。
芳香族ビニル化合物単量体(B)としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、ビニルキシ
レン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブ
ロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、
p−ターシャリ−ブチルスチン、エチルスチレン、ビニ
ルナフタレンなどがあり、これらは1種または2種以上
で使用される。好ましい芳香族ビニル化合物単量体
(B)は、スチレンまたは芳香族ビニル化合物中にスチ
レンを50重量%以上含んだものである。
共重合可能な単量体化合物(C)としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化
合物があり、これらは1種または2種以上で使用され
る。特にアクリロニトリルが好ましい。さらにメチルア
クリレート、エチルアクリレート、プロピレンアクリレ
ート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、フ
ェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアク
リル酸アルキルエステル;メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、プロピレンメタクリレート、ブチル
メタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート
などのメタクリル酸アルキルエステル;無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸
無水物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸な
ど、また、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブ
チルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミドなどのα−またはβ−不飽和ジカルボン酸のイミ
ド化合物などが挙げられ、これらは、本発明の目的とす
るゴム変性熱可塑性樹脂に支障のない範囲で、1種また
は2種以上で使用される。
単量体化合物(C)としては、シアン化ビニル化合物
および/または(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(アクリル酸アルキルエステルとメタアクリル酸アルキ
ルエステルの総称)が好ましく、本発明の目的とする効
果の1段と優れたものが得られる。
シアン化ビニル化合物を使用すると、耐衝撃性、耐薬
品性、塗装性がさらに優れたものが得られ、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルを用いると、耐候性がさらに
優れたものが得られるので好ましい。シアン化ビニル化
合物としてはアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルとしてはメチルメタクリレートが好まし
い。
芳香族ビニル化合物単量体(B)と単量体化合物
(C)との使用比率は、(B)/(C)=5〜100/95〜
0、好ましくは30〜100/70〜0、さらに好ましくは35〜
98/65〜2、特に好ましくは40〜95/60〜5(重量%)で
ある。
特に、単量体成分として芳香族ビニル化合物単量体
(B)とシアン化ビニル化合物(C)を用いる場合、好
ましい使用比率は芳香族ビニル化合物単量体(B)/シ
アン化ビニル化合物=30〜98/70〜2、さらに好ましく
は60〜95/40〜5(重量%)である。
本発明において用いる好ましい単量体の組合せの具体
例を以下に例示する。この中で特に好ましいのはであ
る。
スチレン−アクリロニトリル スチレン−メチルメタクリレート スチレン−アクリロニトリル−メチルメタクリレー
ト 上記のスチレンの一部または全部をα−メチルスチレ
ンに置換えることで、耐熱性を付与することができる。
またスチレンの一部または全部をハロゲン化スチレンで
置換えることで、難燃性を付与することができる。ま
た、上記の単量体の組合せでメチルメタクリレートを併
用すると、ゴム変性熱可塑性樹脂の透明性が向上し、優
れた着色性を有する。
上記の製造方法で得られるゴム変性熱可塑性樹脂は、
メチルエチルケトン可溶分の固有粘度[η](30℃で測
定)が好ましくは0.2dl/g以上、さらに好ましくは0.25
〜1.5、特に好ましくは0.3〜1.2のものである。
また、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂のグラフト率
は、好ましくは20〜90%の範囲のものであり、さらに好
ましくは25〜85%、特に好ましくは30〜80%のものであ
る。グラフト率が20%以下の場合、特開昭51−9183号に
示されている如く、実質的にグラフトしていなくとも、
衝撃強度は十分であるが、耐灯油性、耐ガソリン性など
の耐溶剤性が著しく低下し、また着色性、ウェルド外観
の成形外観も悪くなる。
次に、請求項第2項記載のゴム変性熱可塑性樹脂につ
いて説明する。
この樹脂は、水素化ブロック共重合体(A)の存在下
にビニル単量体として、(メタ)アクリル酸エステル単
量体(D)およびこれと共重合可能な他の単量体化合物
(E)をグラフト重合するものである。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体
(D)は、それ単独で重合体にしたとき、その重合体の
ガラス転移温度(示差走査熱量計(DSC)で測定)が50
℃以上のもので、アルキル部分の炭素数が1〜10のもの
が好ましく、さらに好ましくは1〜6、特に好ましくは
1〜4のものである。メタクリル酸エステルとアクリル
酸エステルの中ではメタクリル酸エステルの方が好まし
い。これらの例としては、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、次式で示される
(メタ)アクリルエステル 〔nは0〜3、Rは水素またはアルキル基、mは3〜
4〕 などが挙げられ、これらの1種以上が使用できる。これ
らの中ではメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルが
好ましく、さらに好ましいのはメタクリル酸メチルであ
る。
前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(D)と共重
合可能な他のビニル単量体化合物(E)としては、例え
ばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど
の芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体;アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル
などの前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルで使用
した以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量
体;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和酸無
水物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;N−フ
ェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなど
のα−またはβ−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物な
どが挙げられる。
透明な樹脂を得るためには、(メタ)アクリル酸エス
テル単量体(D)と上記共重合可能な他の単量体化合物
(E)とを併用するにあたって、水素化ブロック共重合
体(A)の屈折率と、単量体(D)と単量体化合物
(E)との共重合体の屈折率との差が、0.01以下、好ま
しくは0.005以下となるように単量体混合物の組成を適
宜選択してグラフト重合を行なう。
ここで両者の屈折率差が0.01を越える場合には、ゴム
変性熱可塑性樹脂の透明性が低下する。なお単量体混合
物(D)(E)のみからなるマトリックス樹脂の屈折率
は、理論式から計算することができるし、予めその組成
からなる単量体混合物を重合して得た樹脂の屈折率を測
定することによっても知ることができる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(D)とこれと共
重合可能な他の単量体化合物(E)との使用割合は特に
制限はなく、水素化ブロック共重合体(A)の屈折率に
応じて適宜決めることができるが、好ましくは30〜98/7
0〜2重量%であり、さらに好ましくは50〜95/50〜5重
量%であり、特に好ましくは60〜90/40〜10重量%であ
る。
上記ゴム変性熱可塑性樹脂における水素化ブロック共
重合体(A)の含有量(以下、ゴム含有量という。)
は、目的に応じて任意に選ぶことができるが、樹脂の耐
衝撃性、成形性や透明性を満足するために、その範囲は
5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%である。ゴム含
有量が5重量%未満では耐衝撃性の不十分な樹脂しか得
られず、また35重量%を越えると表面硬度が低下するた
め好ましくない。したがって、マトリックス樹脂となる
単量体混合物(D)(E)は残部の含有量となる。
上記ゴム変性熱可塑性樹脂を製造するための重合方法
としては、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法および
乳化重合法など公知の方法が採用できるが、なかでも溶
液重合法および懸濁重合法が好ましい。
かくして得られるゴム変性熱可塑性樹脂は、透明性、
耐候性、耐衝撃性、成形加工性および耐薬品性が優れて
おり、これらの特性を生かした種々の用途に広く利用す
ることができる。
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂(請求項第1項および
第2項記載のもの)は、目的に応じて下記の他の重合体
とブレンドすることが可能である。
例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、
ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリアミ
ド、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、ハイインパ
クトポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、ABS樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、塩素化ポリエ
チレン、本発明以外のAES樹脂、EPR、EPDM、1,2−ポリ
ブタジエンなどが挙げられる。これらは1種または2種
以上で使用することができる。
また、請求項第2項記載のゴム変性熱可塑性樹脂は、
目的に応じてメタクリル酸エステル重合体、スチレン−
メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸
メチル−アクリロニトリル共重合体、スチレン−αメチ
ルスチレン−メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−メタクリル酸メチル−マレイミド共
重合体などの他の重合体を配合することができる。
ただし配合する他の重合体は、透明用として上記製造
方法で得られるゴム変性熱可塑性樹脂と、その屈折率差
が0.01以下、好ましくは0.005以下の範囲にあるものが
好ましく、この条件を満足しない場合には、透明な組成
物を得ることができない。
なお、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂(請求項第1項
および第2項記載のもの)およびこれを用いた組成物に
対し、ヒンダートフェノール系、リン系、および硫黄系
などの酸化防止剤や、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、
着色剤、難燃剤、増強剤など通常用いられる添加剤を、
その透明性を阻害しない範囲で添加することができる。
e. 実施例 以下、実施例により本発明をさらに詳細しく説明す
る。以下の文中、「部」「%」はすべて重量による。
なお各種物性試験法は、下記の要領に従って測定し
た。
記 (1) 屈折率:アッペ屈折計により25℃で測定した。
(2) アイゾット衝撃強度:ASTM D−256(断面1/4×1
/2インチ、ノッチ付き) (3) 全光線透過率、曇価:ASTM D−1003(3.2mm厚) (4) 耐候性:カーボンアークを光源とするサンシャ
インウェザオメーター(スガ試験機(株)WEL−6XS−D
C)に1000時間曝露し、アイゾット衝撃強度を測定し、
保持率を算出した。
(5) 落錘衝撃強度: デュポンインパクトテスターを用いて打撃棒先端R=
1/2″で、厚み1.6mmの成形品の落錘衝撃強度を測定し
た。
(6) 配向強度測定: 30mmφ押出し機を用い、1m/minの引張り速度で幅150m
m、厚さ2mmのシートを押出し成形し、シート押出し方向
に対し、水平方向(11)と垂直方向(1)のサンプルを
切削し、引張り強さを測定した。(測定方法:ASTM D−6
38) (7) メルトフローレート:ASTM D−1238(9/10min) (8) 耐温灯油性: 黒色ペレット(配合樹脂100重量部、カーボンブラッ
ク0.5重量部、ステアリン酸Ca0.3重量部)による成形品
をJIS 6号灯油(灯油温度80℃)に浸漬し、50℃で1時
間放置後表面を拭き取り、乾燥後異常の有無を判断し
た。
判定 ◎…変色が全く認められない ○…変色が若干認められる ×…白化、光沢低下などの変化が認められる。
グラフト率は、次の方法によって測定した。
グラフト重合体の一定量(x)をアセトン中に投入
し、振とう機で2時間振とうし、遊離の共重合体を溶解
させる。遠心分離機を用いて、この溶液を23000r.p.mで
30分間遠心分離し、不溶分を得る。次に真空乾燥によ
り、120℃で1時間乾燥し不溶分(y)を得る。グラフ
ト率を次式より算出した。
ベースゴム(No.1〜14)の製造方法は、以下に示す通
りである。
[ベースゴムNo.1の製造〕 (1) 5オートクレーブに脱気・脱水したシクロヘ
キサン2500g、1,3−ブタジエン350gを仕込んだのち、n
−ブチルリチウム0.50gを加えて、重合温度が50℃の等
温重合を行なった。転化率が31%となったのち、テトラ
ヒドロフラン12.5gを添加し、50℃から80℃の昇温重合
を行なった。
転化率がほぼ100%となったのち、スチレン150gを加
え、15分間重合を行なった。得られたA−B−Cトリブ
ロック共重合体(未水素化重合体)の分子特性を表−1
に示した。
(2) 次に別の容器でチタノセンジクロライド1.95g
をシクロヘキサン30mlに分散させて、室温でトリエチル
アルミニウム2.68gと反応させた。
得られた暗青色の見かけ上均一な溶液を(1)で得ら
れたポリマー溶液に加え、50℃で、5.0kgf/cm2の水素圧
力下、2時間水素化反応を行なった。
その後、メタノール・塩酸で脱溶媒し、2,6−ジ−ter
t−ブチルカテコールを加えて減圧乾燥を行なった。得
られた水素化A−B−Cトリブロック共重合体(水素化
重合体)の分子特性を表−1に示した。
[ベースゴムNo.2〜14の製造〕 モノマー組成、重合条件を変更して、表−1に示すポ
リマー構造を有するベースゴムNo.2〜14を製造した。
実施例1〜8(請求項第1項記載の樹脂組成物)および
比較例1〜11: 〔実施例−1〕 リボン型撹拌翼を備えた内容積10のステンレス製オ
ートクレーブに予め均一溶液にした水添ベースゴムNo.1
を30重量部、スチレン70重量部、トルエン120重量部お
よびターシャリ−ドデシルメルカプタン0.1重量部を仕
込み、撹拌しながら昇温し50℃にてベンゾイルパーオキ
サイド0.5重量部、ジクミルパーオキサイド0.1重量部を
添加し、さらに昇温し、80℃に達したのちは80℃で一定
に制御しながら撹拌回転数200rpmにて重合反応を行なわ
せた。反応開始後6時間目から1時間かけて120℃まで
昇温し、さらに2時間反応を行なって終了した。重合転
化率は97%であった。
100℃まで冷却後2,2−メチレンビス−4−メチル−6
−t−ブチルフェノール0.2重量部を添加したのち、反
応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留に
より未反応物と溶媒を留去し細かく粉砕したのち40mmφ
ベント付押出機(220℃、700mmHg真空)にて実質的に揮
発分を留去するとともに重合体をペレット化した。
なお、得られた樹脂組成物を、下記配合にて、押出機
を通して着色し、着色ペレットを得、それを成形して色
調評価プレートを得た。黒色配合着色性については、色
差計にて明度を測定し、マンセル色表値(値が大きい程
着色性は悪い)で表わした。他の着色配合については、
彩度を目視判定した。
黒色配合 樹脂 100 カーボンブラック 0.5 ステアリン酸Ca 0.3 青色配合 樹脂 100 群青 1.0 ステアリン酸Ca 0.5 赤色配合 樹脂 100 ベンガラ 1.0 ステアリン酸Ca 0.5 〔実施例−2〕 単量体組成をスチレン49重量%、アクリロニトリル21
重量%とした以外は実施例−1と同様の方法で樹脂を得
た。
〔実施例−3〕 実施例−2の重合体70重量部とAS樹脂30重量部を混合
し、40mmφベント付押出機にてペレット化した。
〔実施例−4〕 単量体をスチレン60重量部、アクリロニトリル10重量
部とした以外は、実施例−1と同様の方法で重合体を得
た。
〔実施例−5〕 単量体をスチレン42重量部、メチルメタクリレート28
重量部とした以外は、実施例−1と同様の方法で重合体
を得た。
〔実施例−6〕 単量体をスチレン35重量部、メチルメタクリレート21
重量部、アクリロニトリル14重量部とした以外は、実施
例−1と同様の方法で重合体を得た。
〔実施例−7〕 ベースゴム種をNo.2とした以外は、実施例−2と同様
の方法で重合体を得た。
〔実施例−8〕 ベースゴム種をNo.3とした以外は、実施例−2と同様
の方法で重合体を得た。
〔比較例−1〕 ベースゴム種をNo.4とした以外は、実施例−2と同様
の方法で重合体を得た。
〔比較例−2〕 ベースゴム種をNo.5とした以外は、実施例−2と同様
の方法で重合体を得た。
〔比較例−3〕 ベースゴム種をNo.6とした以外は、実施例−2と同様
の方法で重合体を得た。
〔比較例−4〕 ベースゴム種をNo.7とした以外は、実施例−2と同様
の方法で重合体を得た。
〔比較例−5〕 ベースゴム種をNo.8とした以外は、実施例−2と同様
の方法で重合体を得た。
〔比較例−6〕 ベースゴム種をNo.9とした以外は、実施例−2と同様
の方法で重合体を得た。
〔比較例−7〕 ベースゴム種をNo.10とした以外は、実施例−2と同
様の方法で重合体を得た。
〔比較例−8〕 ベースゴム種をNo.11とした以外は、実施例−2と同
様の方法で重合体を得た。
〔比較例−9〕 ベースゴム種をNo.12とした以外は、実施例−2と同
様の方法で重合体を得た。
〔比較例−10〕 ベースゴム種をNo.13とした以外は、実施例−2と同
様の方法で重合体を得た。
〔比較例−11〕 ベースゴム種をNo.14とした以外は、実施例−2と同
様の方法で重合体を得た。
上記実施例1〜8および比較例1〜11において得られ
た熱可塑性樹脂を、その物性と共に表−2に示した。
表−2の結果から明らかなように、実施例1〜8のゴ
ム変性熱可塑性樹脂は、耐衝撃性、機械的特性、成形外
観および耐候性のいずれの物性も優れたものである。
比較例1〜11のゴム変性熱可塑性樹脂は、いずれも本
発明外のベースゴムを含有しているものであり、耐衝撃
性、機械的特性、成形外観、耐候性、耐温灯油性のいず
れかが劣っている。
すなわち、比較例−1はベースゴムのCブロック含量
が本発明の範囲未満の例であり、耐薬品性が劣ってい
る。
比較例−2はベースゴムのAブロック含量が本発明の
範囲未満の例であり、成形外観が劣っている。
比較例−3はベースゴムのAブロック含量が本発明の
範囲を超えている例であり、耐衝撃性が劣っている。
比較例−4はベースゴムのBブロック含量が本発明の
範囲を超えている例であり、耐薬品性および成形外観が
劣っている。
比較例−5はベースゴムのBブロック含量が本発明の
範囲未満で、Cブロック含量が本発明の範囲を超えてい
る例であり、低温衝撃性が劣っている。
比較例−6はベースゴムのCブロック中の1,2−ビニ
ル結合含量が本発明の範囲を超えている例であり、耐薬
品性が劣っている。
比較例−7はベースゴムの水素化率が本発明の範囲未
満の例であり、耐候性が劣っている。
比較例−8はベースゴムのBブロック中の1,2−ビニ
ル結合含量が本発明の範囲未満の例であり、低温衝撃性
が劣っている。
比較例−9はベースゴムのBブロック中の1,2−ビニ
ル結合含量が本発明の範囲を超えている例であり、耐衝
撃性が劣っている。
比較例−10はベースゴムブロック共重合体の数平均分
子量が本発明の範囲未満の例であり、耐衝撃性が劣って
いる。
比較例−11はベースゴムブロック共重合体の数平均分
子量が本発明の範囲を超えている例であり、成形外観が
劣っている。
実施例9〜13(請求項第2項記載の樹脂組成物)、 比較例12〜15: 〔実施例−9〕 パドル型撹拌装置を備えた内容積10のステンレス製
オートクレーブに、予め均一溶液にした屈折率1.507の
ベースゴムNo.1;20部、スチレン12部、トルエン100部、
t−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、撹拌しなが
ら昇温し、50℃にてメタクリル酸メチル68部、t−ブチ
ルパーオキシイソプロピルカーボネート0.5部を添加し
た。系内を窒素置換したのち、さらに90℃まで昇温し、
この温度で重合転化率が74%になるまで撹拌下で重合を
継続した。重合転化率が74%に達した時点で重合を停止
し、老化防止剤を加えたのち、オートクレーブより取り
出し、水蒸気蒸留により未反応単量体および溶媒を除去
した。得られた重合体を細かく粉砕し乾燥したのち、40
mmφベント付押出機にてペレット化した。得られたグラ
フト共重合体のゴム含有量は25%であり、単量体混合物
のみからなる共重合樹脂の屈折率は1.5068であった。
上記方法で得たグラフト共重合体ペレットを、射出成
形機にて成形して試験片を作製して、物性を測定した。
〔実施例−10〕 単量体を、メチルメタクリレート64重量部、スチレン
11重量部、アクリロニトリル5重量部とした以外は、実
施例−9と同様の方法で重合体を得た。
〔実施例−11〕 ベースゴムNo.1の15重量部、単量体をメチルメタクリ
レート68重量部、スチレン12重量部、アクリロニトリル
5重量部とした以外は、実施例−9と同様の方法で重合
体を得た。
〔実施例−12〕 ベースゴム種をNo.2とした以外は、実施例−10と同様
の方法で重合体を得た。
〔実施例−13〕 ベースゴム種をNo.3とし、単量体をメチルメタクリレ
ート76重量部、スチレン4重量部とした以外は、実施例
−10と同様の方法で重合体を得た。
〔比較例−12〕 ベースゴム種をNo.5とした以外は、実施例−10と同様
の方法で重合体を得た。
〔比較例−13〕 ベースゴム種をNo.9とした以外は、実施例−10と同様
の方法で重合体を得た。
〔比較例−14〕 ベースゴム種をNo.10とした以外は、実施例−10と同
様の方法で重合体を得た。
〔比較例−15〕 ベースゴムをJSR EP−01(日本合成ゴム社製)とし、
単量体をメチルメタクリレート72重量部、アクリロニト
リル8重量部とした以外、実施例−9と同様の方法で重
合体を得た。
表−3の結果から明らかなように、実施例9〜13のゴ
ム変性熱可塑性樹脂は、特に透明性に優れたものであ
る。
比較例12〜15の熱可塑性樹脂は、いずれも本発明の範
囲外のベースゴムを用いているものであり、透明性、耐
温灯油性、耐候性および成形外観のいずれかが劣ってい
る。
すなわち、比較例−12はベースゴムのAブロック含量
が本発明の範囲未満の例であり、不透明で成形外観が劣
っている。
比較例−13はベースゴムのCブロック中の1,2−ビニ
ル結合含量が本発明の範囲を超えている例であり、耐薬
品性が劣っている。
比較例−14ベースゴムの水素化率が本発明の範囲未満
の例であり、不透明で耐候性が劣っている。
比較例−15はベースゴムが本発明以外のゴムであり、
透明性および成形外観が劣っている。
f. 発明の効果 本発明のゴム変性熱可塑性樹脂は、ゴム変性熱可塑性
樹脂として従来広く使用されているABS樹脂、AES樹脂、
AAS樹脂などでは得らない、優れた成形外観、耐衝撃性
および耐候性を有しており、これらの優れた物性を有す
ることから新しい用途への展開が可能となる。
また、請求項第2項記載のゴム変性熱可塑性樹脂は優
れた透明性を有しており、各種透明成形品として用いる
ことができるほか、黒色や各種の色に着色して深みのあ
る鮮明な色彩の成形品とすることができる。
したがって、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂は、極め
て工業的価値が高い。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に重合体ブロックA、BおよびC
    (ただし、Aはビニル芳香族化合物が90重量%以上のビ
    ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック、Bは1,
    2−ビニル結合含量が30〜70%のポリブタジエン重合体
    ブロック、Cは1,2−ビニル結合含量が30%未満のポリ
    ブタジエン重合体ブロックである。)をそれぞれ1個以
    上有するブロック共重合体であって、該ブロック共重合
    体中の重合体ブロックAの含量が10〜50重量%、重合体
    Bの含量が30〜80重量%、重合体ブロックCの含量が5
    〜30重量%である直鎖状または分岐状のブロック共重合
    体中のオレフィン性不飽和結合の80%以上を水素添加し
    てなる、数平均分子量が4万〜70万の水素化ブロック共
    重合体(A)の存在下に、芳香族ビニル化合物単量体
    (B)5〜100重量%およびこれと共重合可能な単量体
    化合物(C)95〜0重量%をグラフト共重合してなるこ
    とを特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂。
  2. 【請求項2】請求項第1項記載の水素化ブロック共重合
    体(A)の存在下に、単独重合体にしたときのガラス転
    移温度が50℃以上である(メタ)アクリル酸エステル単
    量体(D)と、これと共重合可能な他のビニル単量体化
    合物(E)とが、水素化ブロック共重合体(A)の屈折
    率と、単量体(D)と単量体(E)との共重合体の屈折
    率との差が、0.01以下となるようにグラフト共重合して
    いることを特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂。
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