JP3427986B2 - ボンディング装置及びこれに装備される基板押圧固定機構 - Google Patents

ボンディング装置及びこれに装備される基板押圧固定機構

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体デバイスの製造
工程において使用されるべきボンディング装置と、該装
置に装備されるべき基板押圧固定機構とに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の装置の一例として、図48に示
すワイヤボンディング装置がある。なお、当該ワイヤボ
ンディング装置はその詳細な構成が例えば実開平4−2
0232号公報において開示されている故、ここでは装
置全体としての説明は概略に留め、要部のみについて詳
しく説明する。
【0003】図48に示すように、当該ワイヤボンディ
ング装置においては、取り扱われるべき基板としての複
数枚のリードフレームL\Fを配列収容(紙面に対して
垂直な方向において配列)したマガジンMがローダ25
1に装填される。図49及び図50に示すように、この
リードフレームL\Fにはその長手方向に沿って複数の
アイランド249が等ピッチにて形成されており、且
つ、該各アイランド249を囲むように多数のリード2
50が形成されている。そして、該各アイランド299
には夫々ICチップ253が装着されている。当該ワイ
ヤボンディング装置は、図50に示すように、該各IC
チップ253上のパッド253aとこれらに対応する各
リード250とを、金、アルミニウムなどからなる導電
性のワイヤ248を用いてボンディング接続するもので
ある。
【0004】上記のように装填されたマガジンM内の各
リードフレームL\Fのうち例えば最下段の1枚が押出
手段254によって押し出され、更に、図示しない基板
移送手段としてのフレーム移送手段によって移送され、
ボンディングステージとして機能するヒータープレート
255上に搬入される。なお、該フレーム移送手段によ
り移送されるリードフレームL\Fは、その両側に対応
するように配置された案内部材としての1対のガイドレ
ール257,258により案内されてヒータープレート
255上に持ち来される。図において矢印Nにて示すよ
うに、これらガイドレール257,258は相互の間隔
が調整自在になっており、図示しない案内部材駆動手段
によって相対的に接離すべく駆動され、幅寸法の異なる
種々のリードフレームに対応可能である。
【0005】上記のようにリードフレームL\Fがヒー
タープレート255上に達すると、上記フレーム移送手
段は該リードフレームL\Fを各ICチップ253の配
列ピッチずつ間欠送りし、該リードフレームL\Fのボ
ンディング対象部位をボンディング作業位置259に順
次位置決めする。これに伴って、各ICチップ253の
パッド253aと該リードフレームに形成されているリ
ード250とが、ボンディング手段260により上記ワ
イヤ248を用いてボンディング接続される。このボン
ディング時、該ボンディング対象部位は、基板押圧固定
機構としての押圧固定手段261によって上記ヒーター
プレート255に対して押圧固定される。かくして、ボ
ンディングを完了したリードフレームL\Fは、上記フ
レーム移送手段によって更に後送され、ローダ251と
同様の構成を有するアンローダ262に装填されている
空のマガジンM内に収容される。
【0006】次に、ローダ251が具備する位置決め手
段(後述)が作動することによって、マガジンMがその
収容したリードフレームL\Fの配列ピッチの1ピッチ
分だけ下降せられ、上記の一連の動作が際下段から2枚
目のリードフレームについて行われる。以下、マガジン
M内の各リードフレームL\Fについてボンディングを
終了するまで同様に繰り返される。
【0007】ここで、上記ローダ251について詳述す
る。なお、前述したように、アンローダ262に関して
はローダ251と同様の構成である故、その説明を省略
する。
【0008】図48にその概略を示すように、ローダ2
51は、マガジンM内に配列収容された各リードフレー
ムL\Fを前述した押出手段254をして1枚ずつ押し
出せるために該マガジンMをリードフレームL\Fの配
列ピッチずつ下降若しくは上昇(紙面に対して垂直な方
向)させて位置決めする位置決め手段265と、該位置
決め手段265を搭載した可動ベース266と、該可動
ベース266上に設けられて該マガジンMを下降(若し
くは上昇)方向に対して垂直な水平面内において規制す
る規制手段267とを有している。但し、該規制手段2
67によるマガジンMの規制とは、マガジンMを完全に
固定状態とする訳ではなく、マガジンMとの間に適当な
隙間を隔てての規制であり、上記位置決め手段265の
作動によるマガジンMの下降(若しくは上昇)動作を可
能とするものである。なお、上記位置決め手段265
と、押出手段254と、両ガイドレール257,258
と、前出のフレーム移送手段(図示せず)とによって、
基板搬送手段としてのフレーム搬送手段が構成される。
【0009】上記可動ベース266は、当該ワイヤボン
ディング装置の本体である架台270上に図示しない案
内機構を介して取り付けられ、矢印Oにて示す方向、す
なわち前述の両ガイドレール257,258の可動方向
Nと平行な方向において位置調整可能となっている。
【0010】次に、ボンディング手段260(図48参
照)によって、リードフレームL\Fに対するボンディ
ング作業が施されるボンディングステージ及びその周辺
の構成について詳述する。
【0011】前述したように、このボンディングステー
ジは、ステージとして機能するヒータープレート255
を呼称するものである。図48及び図51に示すよう
に、該ヒータープレート255はヒーターブロック27
3上に取り付けられている。該図に示すように、このヒ
ーターブロック273には熱発生手段としてのヒーター
274が内蔵されている。これらヒータープレート25
5、ヒーターブロック273及びヒーター274によっ
て、リードフレームL\Fを加熱する基板加熱装置とし
ての加熱手段が構成されている。すなわち、ヒータープ
レート255はリードフレームL\Fの下面に当接して
これを加熱するための当接部材として作用し、ヒーター
ブロック273はヒーター274及び該ヒータープレー
ト255の間に介在して熱を伝達する熱伝達部材として
作用する。リードフレームL\Fはこの加熱手段によっ
て所定温度に加熱され、加熱状態にてボンディング作業
が行われる。
【0012】続いて、上記リードフレームL\Fのボン
ディング対象部位を上記ヒータープレート255に対し
て押圧固定する押圧固定手段261の構成について詳述
する。
【0013】図48及び図51に示すように、この押圧
固定手段261は、リードフレームL\Fのボンディン
グ対象部位に当接してこれを押圧するための押圧部材た
るフレーム押え277を有している。なお、図51から
明らかなように、該フレーム押え277には、該ボンデ
ィング対象部位を臨む開口部277aが形成されてい
る。また、該フレーム押え277が直接当接して押圧す
るのは、ICチップ253の各パッド253a(図50
参照)に対応してリードフレームL\Fに形成された各
リード250である。
【0014】図51に示すように、上記フレーム押え2
77を支持する支持台279が設けられている。該支持
台279は、トラックレール280a及びスライダ28
0bからなる直動案内ユニットによって上下方向(矢印
Z方向及びその反対方向)において案内され、可動とな
っている。なお、該トラックレール280aは、前述し
た架台270(図48参照)に対して固定されている。
【0015】同じく図51に示すように、上記スライダ
280bに対して、カムフォロワとしてのボールベアリ
ング281が取り付けられており、該ボールベアリング
281に摺接する円盤状のカム部材282が設けられて
いる。このカム部材282はパルスモータ283によっ
て回転駆動され、これによって、該カム部材282のカ
ム面の作用に基づき上記支持台279、従ってフレーム
押え277が所定のタイミングを以て昇降する。
【0016】一方、上記フレーム押え277によってリ
ードフレームL\Fのボンディング対象部位が押圧固定
されるべきヒータープレート255すなわちボンディン
グステージに関しても、下記の構成によって昇降可能と
なっている。
【0017】すなわち、図51に示すように、上記ヒー
タープレート255が取り付けられたヒーターブロック
273は、可動台285上に搭載されている。該可動台
285は、トラックレール286a及びスライダ286
bからなる直動案内ユニットによって上下方向(矢印Z
方向及びその反対方向)において案内され、可動となっ
ている。なお、該トラックレール286aは、前述した
架台270(図48参照)に対して固定されている。
【0018】上記スライダ286bに対して、カムフォ
ロワとしてのボールベアリング288が取り付けられて
おり、該ボールベアリング288に摺接する円盤状のカ
ム部材289が設けられている。そして、該カム部材2
89は、前述のフレーム押え277を昇降させるための
カム部材282と共にパルスモータ283によって回転
駆動される。これによって、該カム部材289のカム面
の作用に基づき可動台285、従ってヒータープレート
255及びヒーターブロック273が所定のタイミング
にて上下動される。
【0019】上述した支持台279と、トラックレール
280a及びスライダ286bと、可動台285と、ト
ラックレール286a及びスライダ286bとによっ
て、上記フレーム押え277及びヒータープレート25
5すなわちボンディングステージを相対的に近接離間自
在に支持する支持機構が構成されている。
【0020】また、前述したボールベアリング281
と、カム部材282と、パルスモータ283と、ボール
ベアリング288と、カム部材289とによって、上記
フレーム押え277及びヒータープレート255を接離
させるべく駆動すると共に近接時に押圧力を付与する駆
動手段が構成されている。そして、該駆動手段と、上記
支持機構と、フレーム押え277とにより、前述の押圧
固定手段261が構成される。すなわち、パルスモータ
283の回転に基づくフレーム押え277及びヒーター
プレート255の相互近接動作によって、リードフレー
ムL\Fのボンディング対象部位が該ヒータープレート
255に対して押圧固定され、又、相互離間動作によっ
て押圧固定状態が解除される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述したワイヤボンデ
ィング装置等のボンディング装置においては、生産すべ
き半導体デバイスの品種により、ボンディングを行なう
範囲、アイランド249の形状及びその大きさ等が変化
する。そのため、これらアイランド249などを臨むべ
き開口部277aが形成されたフレーム押え277は、
半導体デバイスの品種変更に伴って交換を行うべき部品
として位置付けされている。
【0022】従って、実作業においては、製造すべき半
導体デバイスの品種切換え時には必ず上記のフレーム押
え277の交換作業を行なわねばならず、多品種少量生
産等、品種切換えを頻繁に行なう場合にあってはこの交
換作業が多大な工数を発生させる要因となり、作業性の
向上、生産性の向上を図る上で妨げとなっている。
【0023】また、上記フレーム押え277は、図51
から明らかなように、セットねじ277bによって支持
台279に対して固定される構成となっており、上記交
換作業時においては、工具を用いてこのセットねじ27
7bを緩めることによりフレーム押え277の着脱が可
能となるが、該作業は煩雑であり、作業性の悪化を招く
一要因となっている。
【0024】本発明は、上記従来技術の欠点に鑑みてな
されたものであって、製造すべき半導体デバイスの品種
切り換え時における作業性を向上し、以て生産性の向上
を達成するなど、種々の効果を奏し得るボンディング装
置を提供することを目的とする。
【0025】また、本発明は、上記効果の達成に寄与す
る基板押圧固定機構を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、ボンディング
ステージ上に位置決めされた基板のボンディング対象部
位を押圧固定手段によって前記ボンディングステージに
対して押圧固定した状態にてボンディング手段によりボ
ンディング接続を行うボンディング装置において、前記
押圧固定手段は、前記ボンディング対象部位に当接して
これを押圧するための押圧部材と、前記押圧部材及び前
記ボンディングステージを相対的に近接離間自在に支持
する支持機構と、前記押圧部材及びボンディングステー
ジを接離させるべく駆動すると共に近接時に押圧力を付
与する駆動手段とを有し、前記押圧部材は前記支持機構
に対して係止手段によって着脱自在に装着され、前記
止手段は、第1の駒部材と第2の駒部材とからなり、第
1の駒部材は支持機構に固定され、第2の駒部材は、そ
の端部が板バネを介して前記支持機構に取り付けられる
と共に、第2の駒部材と前記支持機構とがコイルスプリ
ングによって係止されて接離可能に構成され、前記押圧
部材が板バネ及びコイルスプリングにより付与される付
勢力により第1の駒部材、第2の駒部材及び支持機構と
によって挾持される構成としたものである。また、本発
明による基板押圧固定機構は、基板のボンディング対象
部位に当接してこれをボンディングステージに対して押
圧するための押圧部材と、前記押圧部材及び前記ボンデ
ィングステージを相対的に近接離間自在に支持する支持
機構と、前記押圧部材及びボンディングステージを接離
させるべく駆動すると共に近接時に押圧力を付与する駆
動手段とを有し、前記押圧部材は前記支持機構に対して
係止手段によって着脱自在に装着され、前記係止手段
は、第1の駒部材と第2の駒部材とからなり、第1の駒
部材は支持機構に固定され、第2の駒部材は、その端部
が板バネを介して前記支持機構に取り付けられると共
に、第2の駒部材と前記支持機構とがコイルスプリング
によって係止されて接離可能に構成され、前記押圧部材
が板バネ及びコイルスプリングにより付与される付勢力
により第1の駒部材、第2の駒部材及び支持機構とによ
って挾持される構成としたものである。
【0027】
【作用】上記構成においては、上記支持機構に対する押
圧部材の装着時、押圧部材の一方の部位に対応して設け
られた上記可動な係止部を上記付勢手段による付勢力に
抗して移動させるようにしつつ、押圧部材の他方の部位
に対応して設けられた他の係止部を係合させれば、押圧
部材が上記付勢手段による付勢力によって復動し、以て
押圧部材の両部位が係止される。また、押圧部材を支持
機構から取り外す場合もこれと同様である。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例としてのワイヤボンデ
ィング装置について添付図面を参照しつつ説明する。な
お、当該ワイヤボンディング装置は、以下に説明する部
分以外は図48に示した従来のワイヤボンディング装置
と同様に構成されている故、ワイヤボンディング装置全
体としての説明は省略し、要部のみの説明に留める。ま
た、以下の説明において、該従来のワイヤボンディング
装置の構成部分と同一の構成部分に関しては同じ参照符
号を付している。
【0029】図1において参照符合Jにて示したエリア
内に、本発明に係る構成が装備されている。該図から明
らかなように、このエリアJ内には、ボンディングステ
ージ(このボンディングステージとは、リードフレーム
L\Fすなわち基板の全長のうち、ボンディング接続を
行おうとするICチップ253及びその前後の複数のI
Cチップが装着されている部分を担持するステージ部分
を指称するものである)として作用するヒータープレー
ト255と、該ボンディングステージ上に持ち来された
リードフレームL\Fに対してボンディング接続作業を
行うボンディング手段260と、前段のローダ251に
装填されているマガジンMから押出手段254によって
押し出されたリードフレームL\Fを該ボンディングス
テージ上に持ち来し、且つ、ボンディング接続終了後の
リードフレームL\Fを後段のアンローダ262上のマ
ガジンMに向けて移送する基板移送手段としてのフレー
ム移送手段(後に詳述する)と、該フレーム移送手段に
よって移送されるリードフレームL\Fの両側に対応し
て互いに平行に配置されて該リードフレームL\Fを上
記ボンディングステージを経る所定径路に沿うべく案内
する案内部材としてのガイドレール2及び3などが配設
されている。
【0030】なお、図示のように、一方のガイドレール
3は、その全長に亘って連続してはおらず、夫々該全長
の約半分の長さを有する分割レール6及び7を所定の間
隔をあけて連設してなる。ところで、上記エリアJ内に
含まれる各機構は比較的複雑である故、その構成の理解
を促すために構成の一部を概念的にスケルトン図として
描くことを試み、図46及び図47として示した。よっ
て、該両図をも参考とされたい。但し、該スケルトン図
の画法の詳細については後述する。また、この図46及
び図47は元来1つの図として示すべき構成を、細部に
亘って明確に示すために敢て2つの図に分けたものであ
り、該両図を、夫々の図に示す分割線K−Kを互いに一
致させることによって元の1つの図として結合させるこ
とが出来る。
【0031】図2は図1における上記エリアJ内の各機
構の平面図であり、図3乃至図5は各々、図2における
A−A矢視、B−B矢視及びC−C矢視を示す図であ
る。また、図6は該エリアJ内に含まれる一部の機構に
ついてその一部を断面にして示した平面図であり、図7
乃至図10は夫々、該図6におけるD−D矢視、E−E
矢視、F−F矢視及びG−G矢視を示す図である。
【0032】これら各図のうち、図2乃至図5に示すよ
うに、当該ワイヤボンディング装置においては、上記エ
リアJ内にあって上記各機構を搭載した基体部9が設け
られている。この基体部9は鋼製であり、当該ワイヤボ
ンディング装置の本体たる架台270(図1参照)上に
ボルト等によって固定されている。以下、該基体部9上
に搭載された各種機構の構成について順に説明する。
【0033】まず、前述したガイドレール2及び3に関
して詳述する。
【0034】第1に、後方に配置されたガイドレール2
については、図11及び図12に示すように、フレーム
移送手段(後述)によって移送されるリードフレームL
\Fをその下面側にて案内する水平案内面2aを有する
下側ブロック2bと、該下側ブロック2bの上部にねじ
(図示せず)により締結されてリードフレームL\Fの
上面側を案内する水平案内面2cを有する上側プレート
2dとからなる。下側ブロック2bには上記水平案内面
2aに対して垂直にしてリードフレームL\Fの側端を
案内する鉛直案内面2eが形成されている。図11から
明らかなように、上側プレート2dの両端部下面側に
は、上記水平案内面2a,2c及び鉛直案内面2eによ
って画定される案内路に対するリードフレームL\Fの
進入を円滑にするためのテーパ面2fが形成されてい
る。また、図2、図4及び図12に示すように、このテ
ーパ面2fの近傍には、小さなボールベアリング2gが
配置されており、図12から明らかなように、実際には
このボールベアリング2gがリードフレームL\Fの側
端に係合してこれを案内する。
【0035】次いで、前方に配置されたガイドレール3
について、図13及び図14に基づいて詳述する。な
お、このガイドレール3は2本の分割レール6及び7を
一列に連ねてなるが、これら分割レール6,7は夫々同
様に構成されている故、代表として一方の分割レール6
についてのみ説明する。
【0036】図13及び図14に示すように、この分割
レール6は、リードフレームL\Fの下面側を案内する
下側ブロック6aと、該下側ブロック6aの上部にねじ
により締結されてリードフレームL\Fの上面側を案内
する上側プレート6bとを有している。図示のように、
下側ブロック6a及び上側プレート6bの縁部には、各
々上方、下方に向けて突出した突部6c,6dが設けら
れており、リードフレームL\Fはこれら突部6c,6
dの先端に形成された水平案内面6e及び6fにより案
内される。なお、図13から特に明らかなように、上側
プレート6bの両端部下面側には、上記水平案内面6e
に対して垂直にしてリードフレームL\Fの側端を案内
する鉛直案内面6gが形成されている。
【0037】図13から明らかなように、上側プレート
6bの両端部下面側には、上記水平案内面6e,6f及
び鉛直案内面6gによって画定される案内路に対するリ
ードフレームL\Fの進入を円滑にするためのテーパ面
6hが形成されている。また、図2、図4、図13及び
図14に示すように、このテーパ面6hの近傍には、小
さなボールベアリング6iが配置されており、図14か
ら明らかなように、実際にはこのボールベアリング6i
がリードフレームL\Fの側端に係合してこれを案内す
る。
【0038】ところで、図13及び図14から明らかな
ように、リードフレームL\Fの下面側を案内すべく下
側ブロック6aに形成された突部6cは、該下側ブロッ
ク6aの全長に亘って形成されている訳ではなく、該下
側ブロック6aの両端部にのみ略山形に形成されてい
る。これにより、リードフレームL\Fに対する該突部
6cの接触状態は略点接触となっている。なお、リード
フレームL\Fの上面側を案内するために上側プレート
6bに形成された突部6dは該上側プレート6bの略全
長に亘って形成されているが、リードフレームL\Fが
平坦で特に歪等を生じていなければ該突部6dはリード
フレームL\Fに当接せず、案内作用はなされないもの
と考えてよい。更に、上記したように、リードフレーム
L\Fの側端に関してはボールベアリング6iにより案
内されるが、これも点接触となる。これらのことから明
らかなように、分割レール6、従ってガイドレール3は
全体として、リードフレームL\Fと略点接触の状態に
て該リードフレームを案内するようになされている。こ
のことは、後述するリードフレーム加熱用の構成と関係
する。
【0039】なお、図2及び図3において、上記分割レ
ール6と共にガイドレール3を構成する他方の分割レー
ル7に関し、分割レール6が具備する各構成部材6a,
6b…と対応するものに、該分割レール7の全体を示す
参照符号にこれらと同様のアルファベットa,b,…を
付して7a,7b…として示している。
【0040】上述した左右一対のガイドレール2,3は
相対的に接離自在、すなわち、そのレール間隔を拡げた
り狭くすることが可能であり、リードフレームL\Fの
品種変換によるフレーム幅寸法の変化に対応できるよう
に構成されている。続いて、このレール間隔調整のため
の構成について説明する。
【0041】まず、上記各ガイドレール2及び3は、前
述した基体部9に対して、下記の構成によって可動に取
り付けられている。
【0042】図2乃至図5に示すように、基体部9上で
あって左右両側部近傍には、一対のトラックレール11
a及び12aが、前後方向において互いに平行に取り付
けられている。なお、各図において、矢印Xにて示す方
向及びその反対方向を当該ワイヤボンディング装置の左
右方向と定め、また、矢印Yで示す方向及びその反対方
向を前後方向と定め、矢印Zにて示す方向及びその反対
方向について上下方向と定めて説明する。
【0043】上記両トラックレール11a及び12aに
は夫々に3つずつのスライダ11b及び12bが摺動自
在に取り付けられており、これらトラックレール11
a,12a及びスライダ11b,12bによって直動案
内ユニットが構成されている。そして、各々左右方向
(矢印X方向及びその反対方向)において延在する前後
一対の可動フレーム14及び15が設けられており、該
各可動フレーム14,15はその両端部にて上記各スラ
イダ11b,12bに取り付けられている。詳しくは、
前方の可動フレーム14についてはその左端部が1つの
スライダ11bに対してボルト(図示せず)により締結
され、右端部が2つのスライダ12bに対して締結され
ている。但し、該可動フレーム14と該各スライダ11
b,12bとの間には、該可動フレーム14と略同じ長
さに形成されてスペーサとしての機能も有する補助フレ
ーム17が介装されている。また、後方に配置された可
動フレーム15に関しては、その左端部が2つのスライ
ダ11bに締結され、右端部が残る1つのスライダ12
bに締結されている。
【0044】図2乃至図5に示すように、前方の可動フ
レーム14には、2本を一組として二組、合計4本のブ
ラケット18及び19がボルト(参考符号は付していな
い)によって取り付けられている。該各ブラケット1
8,19は上方向に伸び、前方のガイドレール3を構成
する2本の分割レール6及び7はこれら一組ずつのブラ
ケット18,19の上端部にボルト(図示せず)を用い
て締結されている。
【0045】一方、同じく図2乃至図5に示すように、
後方の可動フレーム15には、上方に向って伸長するブ
ラケット部15aが一体成形されており、後方のガイド
レール2は該ブラケット部15aにボルト(参照符合は
付さない)により締結されている。
【0046】上記した構成において、各スライダ11
b,12bがトラックレール11a,12aに対して往
復動することにより、左右一対のガイドレール2及び3
(参照符合は図1を参照)が、これらを担持した可動フ
レーム14,15と共に互いに近接及び離間し、レール
間隔が調整される。
【0047】次に、この案内部材としての両ガイドレー
ル2及び3を、相互接離させるべく移動させる案内部材
駆動手段について説明する。まず、後方のガイドレール
2を移動させるための案内部材駆動手段の構成を説明す
る。
【0048】図3乃至図5において、ガイドレール2用
の案内部材駆動手段について、その全体を参照符合21
によって示している。図示のように、この案内部材駆動
手段21は、基体部9上であって左後部にボルト(図示
せず)を用いて固定されたブラケット21aを備えてい
る。該ブラケット21aには、ねじ軸21bがその両端
部にて図示しないベアリングを介して回転自在に取り付
けられている。該ねじ軸21bは、上記ガイドレール2
が移動を行うべき前後方向(矢印Y方向及びその反対方
向)において伸長するように設けられている。
【0049】上記ブラケット21aの下方にはパルスモ
ータ21cが配置されており、且つ、基体部9に対して
固定されている。このパルスモータ21cの出力軸(参
照符号は付さない)と上記のねじ軸21bの端部には夫
々歯付ベルト車21d及び21eが嵌着されており、該
両歯付ベルト車21d,21eに歯付ベルト21fが掛
け回されている。
【0050】上記ねじ軸21bにはナット21gが螺合
しており、ガイドレール2が取り付けられた後方の可動
フレーム15に対して該ナット21gが固着されてい
る。かかる構成において、パルスモータ21cが正又は
逆回転することによってナット21gが往復動せられ、
該ナット21gと結合された可動フレーム15と共にガ
イドレール2が移動する。ここで、上記案内部材駆動手
段21の構成部材についてまとめると、ブラケット21
aと、ねじ軸21bと、パルスモータ21cと、歯付ベ
ルト車21d,21eと、歯付ベルト21fと、ナット
21gと、板ばね21hと、センサ21iと、遮光板2
1jと、これら各部材に関連する周辺の小部品である。
ところで、ナット21gは可動フレーム15に直接固着
されてはおらず、図2及び図4に示す板ばね21hを介
して結合されている。この板ばね21hは、次の理由に
より設けられたものである。
【0051】すなわち、ガイドレール2を円滑に移動さ
せるためには、ナット21gがねじ軸21bの回転に対
してこじり等を生ずることなく滑らかに移動する必要が
ある。ところが、該ナット21gが固着された可動フレ
ーム15と、ねじ軸21bを支えるブラケット21aと
の間には、基体部9、トラックレール11a,12a及
びスライダ11b,12b等の多数の部材が介在し、こ
れら各部材同士の相互組付け誤差の累積によって、ねじ
軸21bに対するナット21gの螺合精度が得られなく
なることが懸念される。上記板ばね21hはその撓みに
よってこの累積誤差を吸収させるためのものである。但
し、板ばね21hは動力伝達方向においては充分な剛性
を有するから動力伝達には何等支障を来すことはない。
【0052】なお、図4に示すように、上記ねじ軸21
bが取り付けられたブラケット21aの後端部にはフォ
トカプラからなるセンサ21iが取り付けられている。
このセンサ21iは、上記ナット21g、従ってガイド
レール2がその移動ストロークの最も後方(矢印Y方向
とは反対方向)に移動したことを検知するために設けら
れたものである。その検知の方法は、センサ21iの発
光素子(図示せず)から受光素子に向けて常時発せられ
ている光が、ナット21gに取り付けられた遮光板21
j(同じく図4に示す)によって遮られることによって
該センサ21iより信号が発せられることによる。
【0053】一方、図5にその一部が示されるように、
前方のガイドレール3(分割レール6及び7からなる)
を移動させるための案内部材駆動手段22が設けられて
いる。この案内部材駆動手段22に関しては、上述した
ガイドレール2用の案内部材駆動手段21と同様に構成
されている故、詳しい説明は省略する。但し、各図にお
いて、この案内部材駆動手段22の各構成部材のうち図
に示されるものに関し、他方の案内部材駆動手段21が
具備する各構成部材21a,21b…と対応するもの
に、同様のアルファベットa,b,…を付して22a,
22b,…として示している。
【0054】ここで、ガイドレール2及び3の間隔調整
動作について簡単に説明しておく。すなわち、まず、上
記両案内部材駆動手段21,22が夫々具備する各パル
スモータ21c,22cが逆回転され、両ガイドレール
2及び3が相互離間方向における移動限界位置に移動さ
れる。両ガイドレール2,3がこの移動限界位置に達し
たことは、図3、図4に示すセンサ21i,22iより
検知信号が発せられることにより確認される。この移動
限界位置は、各ガイドレール2及び3の基準位置として
設定されている。続いて、図1に示す押出手段254が
作動し、ローダ251上のマガジンMから1枚のリード
フレームL\Fが、その一部が両ガイドレール2,3間
に位置するように押し出される。リードフレームL\F
がこのように押し出されたことは、図2乃至図5に示す
センサ24aにより検知される。なお、これら各図に示
すように、このセンサ24aと同様のセンサ24bが設
けられているが、このセンサ24bは、後述するフレー
ム送出手段によりリードフレームL\Fがその後端を押
され得る位置に達したことを検知するものである。ま
た、これらのセンサ24a,24bは例えば磁気近接セ
ンサからなる。
【0055】上記センサ24aよりの信号に基づき、上
記両パルスモータ21c,22cが正回転せられ、両ガ
イドレール2及び3が突出したリードフレームL\Fに
接近する。そして、最接近したことが図2乃至図5に示
したセンサ24c,24dからの信号によって確認さ
れ、両パルスモータ21c,22C、従ってガイドレー
ル2,3は停止する。なお、これらのセンサ24c,2
4dは例えばファイバセンサからなる。この後、両パル
スモータ21c,22cが数パルス分だけ僅かに逆回転
せられ、これにより、各ガイドレール2,3の鉛直案内
面とリードフレームL\Fの側端との間に最適な間隙が
設けられ、リードフレームL\Fの搬送が可能となる。
なお、両ガイドレール2及び3の基準位置として設定し
た上記の移動限界位置からここまでの移動量はパルス数
等により知ることが出来るから、この移動量を元に、新
たに扱うこととなったリードフレームL\Fの幅寸法を
演算により求めることもできる。
【0056】また、図2及び図5に示すように、ガイド
レール2上であってヒータープレート255の近傍には
他のセンサ24e、この場合ファイバセンサが設けられ
ているが、このセンサ24eは、リードフレームL\F
の先端がこのヒータープレート255の近傍に達したこ
とを検知するためのものである。
【0057】次に、リードフレームL\Fの移送を行う
フレーム移送手段について説明する。このフレーム移送
手段は、図1に示すローダ251上のマガジンMから押
出手段254(同図に図示)によって押し出されたリー
ドフレームL\Fを、前述のガイドレール2及び3によ
って固定されるフレーム案内路を通じてヒータープレー
ト255上に搬入し、また、ボンディング接続終了後の
リードフレームL\Fを後段のアンローダ262上のマ
ガジンMに向けて移送することを行う。
【0058】このフレーム移送手段は、図1乃至図10
において夫々参照符合26及び27にて示す左右一対の
把持機構を具備している。これら把持機構26及び27
は、リードフレームL\Fの一方の側端部を上下方向
(矢印Z方向及びその反対方向)において把持するため
の上下一対ずつの把持部材26a,26b,27a及び
27bを有している。該両把持機構26,27について
の詳細な説明に先立ち、まず、該各把持部材26a,2
6b,27a,27bを含む該把持機構26,27をリ
ードフレームL\Fを移送すべき左右方向(矢印X方向
及びその反対方向)において(固定側としての基体部9
に対して)移動させる把持部材移動手段について説明す
る。
【0059】上記した両把持機構26及び27は図2乃
至図10において参照符号30にて示す可動ブラケット
に取り付けられている。但し、図5及び図10には、該
可動ブラケット30はその一部のみが示されている。図
3及び図4並びに図6から特に明らかなように、この可
動ブラケット30は全体として平板状に、且つ、上方に
向けて開くコの字状を呈するように形成されており、そ
の主面が鉛直となるように設けられている。上記一方の
把持機構26は該可動ブラケット30のコの字形状の左
側の一辺30aに取り付けられ、他の把持機構27は右
側の他辺30bに取り付けられている。
【0060】上記可動ブラケット30は、リードフレー
ムL\Fの移送が行われる方向である左右方向(矢印X
方向及びその反対方向)において往復動自在となってい
る。詳しくは、図3、図4、図7乃至図9に示すよう
に、前述した前側のガイドレール3(分割レール6及び
7からなる)を支持した可動フレーム14の前面部に、
1本のトラックレール31aが上記左右方向において延
在して設けられ、且つ、ボルト(参照符号は付さない)
によって取り付けられている。図2及び図6にも示すよ
うに、このトラックレール31aには、2つのスライダ
31bが摺動自在に取り付けられており、これらトラッ
クレール31a及び両スライダ31bによって直動案内
ユニットが構成されている。図3及び図7から特に明ら
かなように、上述した可動ブラケット30は、これらス
ライダ31bに、ボルト(参照符号は付さない)により
締結されている。この構成において、各スライダ31b
がトラックレール31aに対して往復動することによ
り、可動ブラケット30、従って上記両把持機構26及
び27が、リードフレームL\Fを移送すべき左右方向
(矢印X方向及びその反対方向)において移動する。な
お、上記の構成から明らかなように、上記各把持機構2
6及び27は、リードフレームL\Fの案内をなす案内
部材たるガイドレール3と共に基体部9に対して該ガイ
ドレール3の可動方向(矢印Y方向及びその反対方向)
において移動すべく、該ガイドレール3に対して結合さ
れている。
【0061】図3並びに図7乃至図10に示すように、
上記可動ブラケット30の中央下部には、下方(矢印Z
方向の反対方向)に向けて突出した突出部30cが形成
されている。該突出部30cの背面側には、小ブラケッ
ト33が、左右方向(矢印X方向及びその反対方向)に
おいて延在するように取り付けられている。そして、該
小ブラケット33の両端部下面側に、回転部材として1
つずつのボールベアリング34が設けられている。な
お、該両ボールベアリング34の回転軸は、上下方向
(矢印Z方向及びその反対方向)と一致している。
【0062】図3、図7及び図9に示すように、上記両
ボールベアリング34によってリードフレーム搬送方向
(矢印X方向及びその反対方向)において挟まれるよう
に移動部材36が設けられている。図7及び図9から特
に明らかなように、この移動部材36は略矩形板状に形
成されており、トラックレール37a及びスライダ37
bからなる直動案内ユニットによってリードフレーム搬
送方向(矢印X方向及びその反対方向)において案内さ
れ、移動自在である。なお、該トラックレール37a
は、基体部9に対してボルト(図示せず)によって締結
されている。また、移動部材36は、その後端部が上記
スライダ37bにボルト(図示せず)により固着されて
いる。
【0063】上述した両ボールベアリング34は、レー
ル間隔調整のためにガイドレール3を移動させるべく可
動フレーム14を移動させる際、該可動フレーム14と
共に前方(矢印Y方向)または後方(矢印Y方向とは反
対方向)に移動し、上記移動部材36の側面に沿って転
動する状態となる。
【0064】すなわち、上記移動部材36は、リードフ
レーム搬送方向(矢印X方向及びその反対方向)におい
て直動案内ユニット(トラックレール37a及びスライ
ダ37b)により案内されて移動自在であると共に、可
動ブラケット30及び該可動ブラケット上に設けられた
両把持機構26,27に対しては、ガイドレール3の移
動方向である前後方向(矢印Y方向及びその反対方向)
においてのみ相対移動自在に結合している。かかる構成
においては、後述する駆動力付与手段によって移動部材
36に駆動力が付与されて該移動部材36が左右方向
(矢印X方向及びその反対方向)に移動すれば上記可動
ブラケット30及び両把持機構26,27も同方向に移
動する。又、該可動ブラケット30及び両把持機構2
6,27がガイドレール3と共に前後方向(矢印Y方向
及びその反対方向)において移動する際は移動部材36
はその両側面に沿って両ボールベアリング34が転動す
るのみで、該前後方向には不動である。なお、図7にお
いて、移動部材36を挟んで前後一対設けられたボール
ベアリング34各々に関し、その少なくとも一方、この
場合右側のボールベアリング34が、位置調整可能とな
っている。具体的には、該ボールベアリング34を小ブ
ラケット33に対して軸支するピン34aが偏心ピンと
なっている。この偏心ピンは、互いに軸心がずれた2つ
の軸部を有し、該両軸部の一方が小ブラケット33に嵌
合し、他方がボールベアリング34に嵌合している。す
なわち、この偏心ピンをドライバ等を用いて回すことに
より、ボールベアリング34の位置を調整することがで
き、移動部材36の側面に高精度に当接させることがで
きる。なお、上記のように、2つのボールベアリング3
4によって移動部材36を挟み込んでいる構成の故、該
両ボールベアリングが該移動部材36に対してどの位置
にあろうとも、確実に駆動力が伝達され、両把持機構2
6,27を所望の位置に高精度に移動させることができ
る。
【0065】次いで、上記可動ブラケット30及び両把
持機構26,27をリードフレーム搬送方向に移動させ
るべく上記移動部材36に駆動力を付与する駆動力付与
手段について説明する。
【0066】図3及び図4に示すように、基体部9上
に、ボールねじ軸39が、その両端部にて図示しないベ
アリングを介して回転自在に取り付けられている。該ボ
ールねじ軸39は、上記移動部材36が移動を行うべき
左右方向(矢印X方向及びその反対方向)において延在
するように設けられている。
【0067】上記ボールねじ軸39の前方にはパルスモ
ータ40が配置されており、且つ、基体部9に対して固
定されている。このパルスモータ40の出力軸40a
(図4参照)と上記のボールねじ軸39の端部には夫々
歯付ベルト車41a及び41bが嵌着されており、該両
歯付ベルト車41a,41bに歯付ベルト41cが掛け
回されている。
【0068】上記ボールねじ軸39にはナット42(図
3に図示)が螺合しており、上記移動部材36が取り付
けられたスライダ37bに対して該ナット42が固着さ
れている。かかる構成において、パルスモータ40が正
又は逆回転することによってナット42が往復動せら
れ、該ナット42と結合された移動部材36に駆動力が
付与されて該移動部材36が移動する。
【0069】上記したボールねじ軸39と、パルスモー
タ40と、両歯付ベルト車41a,41bと、歯付ベル
ト41cと、ナット42と、これらに関連する周辺の小
部品とによって、上記移動部材36に駆動力を付与する
駆動力付与手段が構成されている。
【0070】また、該駆動力付与手段と、移動部材36
自体と、ボールベアリング34と、該移動部材36を案
内する直動案内ユニット(トラックレール37a及びス
ライダ37bからなる)と、これらに関連する周辺の小
部品とによって、前述の両把持機構26及び27をリー
ドフレームL\Fを移送すべき左右方向(矢印X方向及
びその反対方向)において移動させる把持部材移動手段
が構成されている。
【0071】続いて、前述した各把持機構26及び27
の詳細と、該各把持機構が夫々一対ずつ含む把持部材2
6a,26b,27a,27bについてこれらを開閉動
作させる開閉手段について説明する。
【0072】まず、両把持機構26及び27について説
明するが、一方の把持機構26を先に説明する。
【0073】当該把持機構26は、前述したように一対
の把持部材26a及び26bを具備しており、該両把持
部材26a,26bは上下方向(矢印Z方向及びその反
対方向)において相対的に開閉自在にして、リードフレ
ームL\Fの側端部を把持する。図15に該把持部材2
6a,26bの詳細を示す。該図に示すように、両把持
部材26a及び26bは、リードフレームL\Fの上面
及び下面に夫々直接当接する平板状の爪部26c,26
dと、該各爪部26c,26dが上端に取り付けられた
本体26e及び26fとを有している。該各本体26
e,26fの下端には更に下方に伸びる突部26g及び
26hが一体に形成されており、該両突部26g,26
hの先端部にはボールベアリング26i,26jが取り
付けられている。なお、これらボールベアリング26
i,26jの回転軸は前後方向(矢印Y方向及びその反
対方向)に一致している。
【0074】図3乃至図10、このうち特に図4,図6
及び図8に示すように、把持機構26は小ブラケット2
6kを備えており、該小ブラケット26kは前述した可
動ブラケット30の一辺30aにボルト(参照符号は付
さない)等によって固着されている。該小ブラケット2
6kには、その左右両側に、トラックレール26m及び
スライダ26nからなる直動案内ユニットが取り付けら
れており、上記両把持部材26a,26bは該各スライ
ダ26nに小ねじ(参照符号は付さない)によって結合
され、上下方向(矢印Z方向及びその反対方向)におい
て相対運動自在となっている。
【0075】一方の把持機構26は上記のように構成さ
れている。なお、他方の把持機構27に関しては、この
把持機構26と同様に構成されている故、詳しい説明は
省略する。但し、各図において、この把持機構27の各
構成部材のうち図に示されるものに関し、説明した把持
機構26が具備する各構成部材26a,26b,26
c,26d,…と対応するものに、同様のアルファベッ
トa,b,…を付して27a,27b,27c,27
d,…として示している。
【0076】なお、上記から明らかなように、両把持機
構26及び27が夫々具備する各把持部材26a,26
b,27a,27bは、各々直動案内ユニット(トラッ
クレール26m、スライダ26n等により構成される)
によって案内される故、互いに直線的に開閉動作を行
う。よって、搬送すべきリードフレームL\Fの品種が
変えられてその厚さが変わったり、各把持部材26a,
26b,27a,27bの爪部が摩耗するなどしてその
交換が行われて新旧両爪部の長さに変化が生じても、リ
ードフレームL\Fに対する該各把持部材の高精度な当
接状態はほとんど損われることがなく容易に維持するこ
とが出来るという効果が得られる。
【0077】次に、上記した各把持機構26及び27が
具備する各把持部材26a,26b,27a及び27b
について、これらを開閉させる開閉手段について説明す
る。まず、一方の把持機構26の把持部材26a及び2
6bを開閉させる開閉手段について説明する。
【0078】図2乃至図6、並びに図8及び図10、そ
のうち特に図6、図8及び図10に示すように、上記把
持機構26の後方には駆動力付与手段としてのパルスモ
ータ45aが配置されており、且つ、ブラケット45b
(図6,図8及び図10に図示)を介して可動フレーム
14に取り付けられている。なお、前述したように、こ
の可動フレーム14は、ガイドレール3が取り付けられ
ているものである。このパルスモータ45aはその出力
軸45cが左右方向(矢印X方向及びその反対方向)と
一致するように配設されており、該出力軸45cには夫
々略円盤状に形成された変位部材としてのカム部材45
d及び45eが同心的に嵌着されており、駆動力付与手
段たるパルスモータ45aにより駆動力を付与されて回
転する。該両カム部材45d,45eは、上記把持部材
26a及び26bを夫々個別に変位させるためのもので
ある。
【0079】なお、図8に示すように、両カム部材45
d,45eの近傍には、該各カム部材45d,45eが
その回転の原点位置に達したことを検出するための光セ
ンサ45fが配置されており、且つ、上記ブラケット4
5bに小ねじ(図示せず)等により取り付けられてい
る。この光センサ45fはフォトカプラよりなり、その
具備した発光素子(図示せず)より発している光が例え
ば一方のカム部材45eに形成された光透過孔45w
(図8に図示)を通じて受光素子(図示せず)に至るこ
とにより信号を発する。
【0080】一方、図2,図3,図5乃至図8、並びに
図10、このうち特に図6乃至図8並びに図10に示す
ように、各把持部材26a及び26bの下方であって上
記パルスモータ45aの前方には、上下一対の揺動ブラ
ケット45g及び45hが配設されている。これら揺動
ブラケット45g、45hは夫々長尺にして略コの字状
に形成されており、左右方向(矢印X方向及びその反対
方向)において延在して、且つ、該コの字が略前方(矢
印Y方向)に向って開放するように配置されている。そ
して、各揺動ブラケット45g,45hは、左右方向
(矢印X方向及びその反対方向)、すなわち長手方向に
おける両端部であってしかも後部(矢印Y方向とは反対
側)近傍にて、ピン45iを介して上記可動フレーム1
4に揺動自在に取り付けられている。なお、これらのピ
ン45iの中心軸は上記左右方向と一致せられており、
従って、各揺動ブラケット45g,45hは該左右方向
に対して鉛直な面内にて揺動する。
【0081】図8及び図10に示すように、上記各揺動
ブラケット45g,45hの最後端面には各々、短い中
間部材45j及び45kがその上端部にてボルト(参照
符号は付さない)によって締結され、略下方に向って垂
下した状態にて取り付けられている。これら中間部材4
5j,45kの各下端部にはカムフォロワとしてのボー
ルベアリング45m及び45nが回転自在に取り付けら
れており、且つ、上記した各カム部材45d,45eの
外周部に形成されたカム面に当接している。
【0082】特に図6乃至図8に示すように、上記各揺
動ブラケット45g、45hの前端部、すなわち自由端
部には、摺接部材として、断面円形のシャフト45o及
び45pが左右方向(矢印X方向及びその反対方向)す
なわちリードフレーム搬送方向において延在して取り付
けられている。そして、前述した各把持部材26a及び
26bの下端部に設けられたボールベアリング26i及
び26j(図15を参照)がこのシャフト45o,45
pの上面に夫々当接している。すなわち、上記シャフト
45o,45pにパルスモータ45aよりの駆動力がカ
ム部材を介して付与され、リードフレーム搬送方向にお
いて移動する両把持部材26a,26bのボールベアリ
ング26i,26jに該シャフト45o,45pを通じ
て駆動力が伝えられる。なお、図6,図8及び図10、
特に図8に示すように、上記カムフォロワたるボールベ
アリング45m,45nが夫々取り付けられた中間部材
45j,45kには1本ずつのピン45qが植設され、
該両ピン45qとブラケット45bとの間にコイルスプ
リング45r及び45sが掛けられている。これらのコ
イルスプリング45r及び45sは、上記両ボールベア
リング45m,45nを各カム部材45d,45eのカ
ム面に向けて付勢するものである。
【0083】一方、図3乃至図10に示すように、前述
した各把持部材26a及び26bと該各把持部材を搭載
した可動ブラケット30には夫々2本ずつのピン45t
が植設されており、これら各ピン45t間に2本のコイ
ルスプリング45u及び45vが張設されている。これ
らのコイルスプリング45u及び45vは、該各把持部
材26a,26bが具備するボールベアリング26i及
び26hを、これらが当接している前述のシャフト45
o,45pに向けて、すなわち下向きに付勢するもので
ある。つまり、リードフレームL\Fの上面に当接すべ
き把持部材26aについてはコイルスプリング45uに
よって閉方向に付勢され、リードフレームL\Fの下面
に当接すべき把持部材26bに関してはコイルスプリン
グ45vによって開方向に付勢される。
【0084】以上の説明において示した駆動力付与手段
としてのパルスモータ45aと、カム部材45d,45
eと、揺動ブラケット45g,45hと、中間部材45
j,45kと、ボールベアリング45m,45nと、シ
ャフト45o,45pと、コイルスプリング45r,4
5s,45u,45vと、これらに関連する周辺の小部
品とによって、一方の把持機構26が含む両把持部材2
6a,26bを開閉させる開閉手段が構成されている。
【0085】一方の把持機構26が具備する両把持部材
26a,26bを開閉させる開閉手段は上記のように構
成されている。なお、他方の把持機構27が有する両把
持部材26a,27bを開閉させる他の開閉手段に関し
ては、この一方の把持機構26用の開閉手段(上述)と
同様に構成されている故、詳しい説明は省略する。但
し、各図において、この他方の把持機構27用の開閉手
段の各構成部材のうち図に示されるものに関し、上記把
持機構26用の開閉手段が具備する各構成部材45a,
45b,45c,…と対応するものに、参照符号48に
これらと同様のアルファベットa,b,…を付し48
a,48b,48c,…として示している。
【0086】なお、上記両把持機構26及び27と、該
両把持機構用の両開閉手段と、前述した把持部材移動手
段(移動部材36、パルスモータ40等からなる)とに
よって、リードフレームL\Fの移送を行うフレーム移
送手段が構成されている。また、このフレーム移送手段
と、該フレーム移送手段を搭載した基体部9と、リード
フレームL\Fを案内する案内部材としてのガイドレー
ル2及び3と、該両ガイドレール2,3を移動させる案
内部材駆動手段(前述)と、図1に示す押出手段254
及び位置決め手段265と、後述するフレーム送出手段
とによって、フレーム搬送手段(基板搬送手段)が構成
される。
【0087】ところで、これまでの説明から明らかなよ
うに、両把持機構26及び27用の各開閉手段は、該両
把持機構26,27が夫々一対ずつ具備する把持部材2
6a,26b並びに27a,27bの各々について、該
各把持部材に対応する数のカム部材45d,45e(4
8d,48e)を有し、各把持部材を夫々独立して駆動
するようになされている。故に、搬送すべきリードフレ
ームL\Fの品種が変えられてその厚さが変わろうと
も、厚さの変化に対応して各把持部材26a,26b,
27a,27bを常に最適のタイミングを以てリードフ
レームL\Fに当接させることができ、リードフレーム
L\Fの変形等が防止されて信頼性が向上するという効
果が得られる。また、かかる構成によれば、各把持部材
を最適タイミングにてリードフレームに当接させるべく
従来行われていた煩雑な調整作業は何等必要としないか
ら、作業性が良好となっている。
【0088】また、上記両開閉手段は、リードフレーム
L\Fを搬送すべき方向である左右方向(矢印X方向及
びその反対方向)において可動な可動側としての各把持
部材26a,26b,27a,27bに対して固定側と
なる基体部9上に、該各把持部材とは独立して搭載され
ている。すなわち、両開閉手段は基体部9に対してリー
ドフレーム搬送方向(矢印X方向及びその反対方向)と
は垂直な前後方向(矢印Y方向及びその反対方向)にお
いて可動な可動フレーム14上に搭載されているが、該
リードフレーム搬送方向においては不動であり、固定側
となっている。従って、該各把持部材26a,26b,
27a,27bを含みリードフレーム搬送方向において
移動する可動部の重量及び慣性として、上記開閉手段の
分は含まれず、軽減され、それ故に該可動部を高速にて
作動させることができ、リードフレームL\Fの搬送を
高速化し得る。
【0089】なお、各図において、リードフレームL\
Fの搬送の基準位置(レベル)を参照符号50で示して
いる。また、各図において、この基準位置50の他、リ
ードフレームL\Fの搬送が行われるべき搬送路の中心
を参照符号51で示し、また、ボンディング手段260
(図1参照)によりリードフレームL\Fに対してボン
ディング接続作業が行われるべき位置をボンディング作
業位置として参照符号52で示している。
【0090】ところで、上述した各把持部材26a,2
6bの各爪部26c,26dに関して、リードフレーム
L\Fの搬送の基準位置(レベル:前述)50に対する
該各爪部の位置調整をなすための調整手段が設けられて
いる。すなわち、図8において、これら爪部26c,2
6dと駆動力付与手段としてのパルスモータ45aとの
間に介装された状態となっている各ボールベアリング2
6i及び26jについて、これが位置調整可能となって
おり、これによって上記爪部26c,26dの位置が調
整される。具体的には、該ボールベアリング26i,2
6jを軸支するピン26p,26qが偏心ピンとなって
いる。この偏心ピンは、互いに軸心がずれた2つの軸部
を有し、該両軸部の一方が把持部材26a,26bの突
部26g,26hに嵌合し、他方がボールベアリング2
6i,26jに嵌合している。これらの偏心ピンをドラ
イバ等を用いて回すことにより、爪部26c,26dの
位置を調整することができる。かかる調整手段を有する
ことにより、リードフレームL/Fの搬送を高精度に行
うことが可能となっている。
【0091】ここで、これまで説明して来たフレーム移
送手段の動作を説明する。
【0092】まず、図1において、押出手段254の作
動によりローダ251上のマガジンMから1枚目のリー
ドフレームL\Fが押し出される訳であるが、これに先
立ち、両把持機構26,27(のうち一方の把持機構2
6)をしてこの押し出されるリードフレームL\Fの端
部を把持させ得る位置に該把持機構を持ち来すべく、該
両把持機構26,27を担持して可動な可動ブラケット
30を左方(矢印X方向)に移動させる。具体的には、
パルスモータ40を逆回転させてボールねじ軸39を回
転駆動することが行われる。すなわち、該ボールねじ軸
39が逆回転することにより、該ボールねじ軸39に螺
合しているナット42に駆動力が付与される。よって、
該ナット42に結合された移動部材36、ボールベアリ
ング34、小ブラケット33を順次介して上記可動ブラ
ケット30に駆動力が付与され、該駆動ブラケット30
が左方に移動する。この状態で、上記押出手段254
(図1に図示)が作動せられ、ローダ251上のマガジ
ンMから1枚のリードフレームL\Fが押し出され、そ
の先端部が上記把持機構26により把持され得る位置に
達する。
【0093】すると、把持機構26が閉動作せられ、押
し出されたリードフレームL\Fの先端部を把持する。
この閉動作は詳しくは、パルスモータ45aが正回転せ
しめられることによる。パルスモータ45aが正回転す
ると、該パルスモータ45aの出力軸45cに嵌着され
ている両カム部材45d,45eが同方向に回転する。
すると、図8及び図10において、一方のカム部材45
eからの作用力が該カム部材に摺接しているカムフォロ
ワとしてのボールベアリング45nに伝えられ、更に、
該ボールベアリング45nを枢支した中間部材45kを
介して揺動ブラケット45hに伝達され、該揺動ブラケ
ット45hがこれを枢支したピン45iを中心として図
8における反時計方向へ揺動する。よって、該揺動ブラ
ケット45hの自由端部に設けられたシャフト45pが
上方に移動し、リードフレームL\Fの下面側に当接す
べき爪部26dを具備した把持部材26bが該シャフト
45pにより押し上げられ、コイルスプリング45vの
付勢力(下向き:開方向)に抗して上昇する。
【0094】一方、リードフレームL\Fの上面側に当
接すべき爪部26cを具備した把持部材26aは、他方
のカム部材45dの回転によって下降せられる。すなわ
ち、カム部材45dが正回転すると、該カム部材45d
のカム面は、該カム面に対してカムフォロワとして摺接
しているボールベアリング45mから離れる方向に作用
する。すると、該ボールベアリング45mは、コイルス
プリング45rによって該カム部材45dのカム面に向
けて付勢されている故、該カム面に追従する。よって、
該ボールベアリング45mを枢支した中間部材45j及
びこれと一体の揺動ブラケット45gがピン45iを中
心として図8における時計方向に揺動する。従って、該
揺動ブラケット45gの自由端部に設けられたシャフト
45oが下方に移動し、上記把持部材26aはコイルス
プリング45uにより付与されている付勢力によって下
降する。
【0095】把持機構26の閉動作、すなわち把持動作
は上記のようである。ここで、開動作、すなわち把持の
解除動作についても併せて説明しておく。
【0096】開動作時には、パルスモータ45aが逆回
転し、両カム部材45d,45eが同方向に回転する。
すると、把持部材26bは下降し、他方の把持部材26
aが上昇する。すなわち、一方のカム部材45eが逆回
転すると、該カム部材45eのカム面は、該カム面に対
してカムフォロワとして摺接しているボールベアリング
45nから離れる方向に作用する。すると、該ボールベ
アリング45nは、コイルスプリング45sによって該
カム部材45eのカム面に向けて付勢されているから、
該カム面に追従する。よって、該ボールベアリング45
nを枢支した中間部材45k及びこれと一体の揺動ブラ
ケット45hがピン45iを中心として図8における時
計方向に揺動する。従って、該揺動ブラケット45hの
自由端部に設けられたシャフト45pが下方に移動し、
上記把持部材26bはコイルスプリング45vにより付
与されている付勢力によって下降する。
【0097】一方、他方のカム部材45dが逆回転する
と、該カム部材45dからの作用力が該カム部材にカム
フォロワとして摺接しているボールベアリング45mに
伝えられ、更に、該ボールベアリング45mを枢支した
中間部材45jを介して揺動ブラケット45gに伝達さ
れ、該揺動ブラケット45gがピン45iを中心として
図8における反時計方向に揺動する。よって、該揺動ブ
ラケット45gの自由端部に設けられたシャフト45o
が上方に移動し、把持部材26aが該シャフト45oに
より押し上げられ、コイルスプリング45uの付勢力
(下向き:閉方向)に抗して上昇する。
【0098】把持機構26の開動作は上記のようであ
る。
【0099】ここで、明らかなように、前述した閉動作
が行われる際、リードフレームL\Fの下面側に当接す
べき爪部26dを具備した把持部材26bについては、
パルスモータ45aの出力軸45cから該把持部材26
dに至る駆動力伝達系にコイルスプリング等の弾性部材
は何等介在せず、非弾性的に駆動力が付与される。これ
に対して、リードフレームL\Fの上面側に当接すべき
爪部26cを具備した把持部材26aに関しては、パル
スモータ45aの出力軸45cから該把持部材26aに
至る駆動力伝達系中に弾性部材としてのコイルスプリン
グ45uが介在し、該コイルスプリング45uの弾性力
を以て付勢されてリードフレームL\Fに当接する。こ
の構成によれば、把持部材26bが下がることによるリ
ードフレームL\Fとガイドレール2,3との擦れ合い
が防止されると共に、把持部材26aによってリードフ
レームL\Fに対して無理な力が加えられることがない
(コイルスプリング45uの弾性力以上の把持力が作用
することはない)。
【0100】なお、上述した一方の把持機構26の右方
に配設された他方の把持機構27の開閉動作について
は、上述した把持機構26の開閉動作と同様であるの
で、その説明は省略する。
【0101】さて、ローダ251(図1に図示)上のマ
ガジンMから押出手段254によって押し出されたリー
ドフレームL\Fが上述のようにして把持機構26によ
り把持される。この後、パルスモータ40が正回転さ
れ、ボールねじ軸39が回転駆動される(正回転)。よ
って、上記把持機構26(及び把持機構27)を担持し
た可動ブラケット30が右方(矢印X方向とは反対方
向)に移動される。これによって、上記リードフレーム
L\Fは把持機構26により把持された状態で搬送さ
れ、ヒータープレート255に向う。
【0102】リードフレームL\Fがある距離だけ搬送
され、該リードフレームL\Fの先端が図1及び図5に
示すセンサ24eにより検知されると、該センサ24e
よりの検知信号に基づいて上記パルスモータ40が停止
され、リードフレームL\Fは停止する。
【0103】次いで、該リードフレームL\Fは一定の
距離ずつ間欠的に右方へ搬送される。すなわち、上記可
動ブラケット30の右方への進行及び左右への後戻り
と、把持機構26の開閉動作が適宜行われ、把持機構2
6によるリードフレームL\Fの把持位置を徐々にずら
せつつ搬送がなされる。また、リードフレームL\Fが
該把持機構26を外れた後は、右側に配置された把持機
構27が用いられる。このようにしてリードフレームL
\Fが所定距離(該リードフレームL\F上に装着され
ているICチップ253(図1参照)の配列ピッチの1
ピッチ)ずつ間欠的に搬送され、該搬送に伴い、図1等
に示すボンディング手段260によるボンディング接続
作業が行われる。なお、このボンディング接続作業に関
する構成及び動作等に関しては後に詳述する。
【0104】フレーム移送手段によるリードフレームL
\Fの搬送動作は以上のようである。
【0105】前述したように、ローダ252上のマガジ
ンMから押出手段254によって押し出されたリードフ
レームL\Fはフレーム移送手段によってボンディング
手段260によるボンディング作業位置に持ち来され、
更にこの後、後段のアンローダ262(図1に図示)上
に装填されている空のマガジンM内に収容されるべく搬
送される。
【0106】ここで、アンローダ262上の空のマガジ
ンM内にリードフレームL\Fを収容させる際、上述し
たフレーム移送手段のみにては完全に収納することはで
きない。すなわち、リードフレームL\Fは前述した把
持機構27の両把持部材27a,27b(図5等を参
照)によって把持されて移送されるため、最後にこれら
把持部材27a,27bにより把持される部分だけ未収
容の状態となる訳である。これを完全に収容させるため
に、上記フレーム移送手段により搬送されて来たリード
フレームL/Fを更に後段、すなわちマガジンM内に向
けて所定距離だけ送り出すフーレム送出手段が設けられ
ている。
【0107】図2及び図5に示すように、このフレーム
送出手段61は、ガイドレール2(図1に図示)の右端
部近傍に配設されている。そして、該ガイドレール2を
担持した可動フレーム15のブラケット部15a上に取
り付けられている。
【0108】次に、ボンディング手段260(図1参
照)によってリードフレームL\Fに対するボンディン
グ接続作業が行われるボンディングステージと該ボンデ
ィングステージに関連する構成について詳述する。
【0109】前述したように、このボンディングステー
ジは、リードフレームL\Fのボンディング対象部位を
担持するステージとして機能するヒータープレート25
5を呼称するものである。図16及び図17に該ヒータ
ープレート255の詳細を示す。図1、図2及び図4に
示すように、該ヒータープレート255は、熱発生手段
としてのヒーター(図示せず)が内蔵されたヒーターブ
ロック64(該ヒーターブロック64については図3と
図5にも示している。)上に取り付けられている。詳し
くは、図16及び図17に示すように、該ヒータープレ
ート255の下面側には夫々断面形状が円形及び長円形
の2つのピン孔255a、255bが形成されており、
ヒータープレート255は、ヒーターブロック64の上
面に植設された位置決めピン(図示せず)にこれらのピ
ン孔255a、255bを嵌合させることによって位置
決めされている。そして、図示しない小ねじによってヒ
ーターブロック64に対して締結されている。なお、図
16において、参照符号255cは、該小ねじが挿通さ
れる孔を示している。また、図16及び図17に示すよ
うに、ヒータープレート255の中央部、すなわちボン
ディング接続作業が行われるべき位置には吸引孔255
dが形成されている。ボンディング作業を行う際にはこ
の吸引孔255dを通じて真空ポンプ等によって真空吸
引がなされ、リードフレームL/Fのボンディング対象
部位が真空吸着されて固定される。
【0110】上記した構成において、ヒータープレート
255は、リードフレームL\Fに当接してこれを加熱
するための当接部材として作用する。また、ヒーターブ
ロック64は、その内蔵した熱発生手段としてのヒータ
ー(図示せず)が発生する熱をヒータープレート255
に伝達する熱伝達部材として作用する。これらヒータ
ー、ヒーターブロック64及びヒータープレート255
により、リードフレームL\Fを加熱する加熱手段が構
成されている。リードフレームL\Fは該加熱手段によ
り加熱された状態にて、図1に示すボンディング手段2
60により熱圧着ボンディング接続作業を施される。
【0111】ボンディングステージたるヒータープレー
ト255を含む上記加熱手段は、図18乃至図22に示
す支持機構101によって支持されている。
【0112】該支持機構101は固定部分としてのフレ
ーム102(図18、図20、図21参照)を有してお
り、該フレーム102は前述した基体部9上に固定され
ている。該フレーム102には、可動支持部材A104
及び可動支持部材B105が上下方向(矢印Z方向及び
その反対方向)において往復動自在に取り付けられてい
る。詳しくは、一方の可動支持部材A104に関して
は、図18及び図22に示すように上記フレーム102
側に固定されたガイドレール107aと、該ガイドレー
ル107aに対して摺動自在にして該可動支持部材A1
04に結合された一対のスライダ107bとからなる直
動案内ユニットによって案内される。また、他方の可動
支持部材B105については、下記の構成によって上下
に案内される。
【0113】図18乃至図20に示すように、該可動支
持部材B105は比較的長尺の矩形板状に形成され、前
後方向(矢印Y方向及びその反対方向)において延在し
て設けられている。そして、図19から明らかなよう
に、該可動支持部材B105はその後端部にて、中間部
材109にボルト105aによって締結されている。同
じく図19に示すように、この中間部材109には左右
一対のスライドシャフト110が垂下状態にて固着され
ており、図22に示すように、該スライドシャフト11
0はフレーム102に対してリニアボールベアリング1
11を介して摺動自在に取り付けられている。また、図
18乃至図21に示すように、可動支持部材B105の
前端部近傍に他のスライドシャフト113が垂下状態に
て固着されており、図21から特に明らかなように、該
スライドシャフト113は上記フレーム102と一体に
設けられたブラケット部102bに対して、リニアボー
ルベアリング114を介して摺動自在に取り付けられて
いる。
【0114】上記の構成により、可動支持部材B105
が上下動自在となっている。
【0115】図18乃至図21に示すように、前述した
ヒータープレート255、ヒーターブロック64等から
なる加熱手段は、上記可動支持部材A104上に装着さ
れている。詳しくは該可動支持部材A104の上端側に
は左右一対の支持部104aが形成されており、図18
から明らかなように該両支持部104a間に中間プレー
ト116が架設され、該中間プレート116に対し、上
記ヒーターブロック64が断熱部材117を介して取り
付けられている。これにより、上記加熱手段は、上記可
動支持部材A104と共に上下動する。
【0116】図18乃至図22に示すように、上記可動
支持部材A104及び可動支持部材B105に対して、
カムフォロワとしてのボールベアリング119及び12
0が夫々取り付けられている。詳しくは、一方のボール
ベアリング119に関しては、図18、図19及び図2
1に示すように、可動支持部材A104の上端部左側に
固着された中継部材122に取り付けられている。ま
た、他方のボールベアリング120については、図19
及び図20から明らかなように、可動支持部材B105
が結合された中間部材109の右端部に取り付けられて
いる。
【0117】図18乃至図21に示すように、カムフォ
ロワとしての上記両ボールベアリング119及び120
に各々摺接する一対の円盤状のカム部材124及び12
5が設けられている。図22から明らかなように、これ
らカム部材124、125は同一のスピンドル127に
嵌着され、互いに同期して回転し得、パルスモータ12
9によって回転駆動される。また、図18並びに図20
乃至図22に示すように、上記可動支持部材A104及
び可動支持部材B105を各々下方(矢印Z方向とは反
対方向)に向けて付勢するコイルスプリング131、1
32が設けられている。かかる構成においては、これら
カム部材124、125のカム面の作用、並びに両コイ
ルスプリング131、132の付勢作用に基づき、上記
可動支持部材A104及び可動支持部材B105は所定
のタイミングを以て上下動される。上記パルスモータ1
29からスピンドル127、すなわち両カム部材12
4、125に当る駆動力伝達機構は次のようである。
【0118】図22に示すように、上記スピンドル12
7の端部に大径の歯付ベルト車134が嵌着されてお
り、また図18乃至図20にも示すようにパルスモータ
129の出力軸には小径の歯付ベルト車135が嵌着さ
れている。そして、該両歯付ベルト車134、135に
歯付ベルト136が掛け回されている。これにより、パ
ルスモータ129からの駆動力がスピンドル127に伝
達される。この動力伝達機構と、スピンドル127、両
カム部材124、125と、カムフォロワたる両ボール
ベアリング119、120と、これらに関連する周辺の
部材とにより上記可動支持部材A104及び可動支持部
材B105を駆動する駆動手段が構成されている。
【0119】なお、上記可動支持部材A104及び可動
支持部材B105の上下動の位置を検知するための検知
手段が設けられており、該検知手段は下記のように構成
されている。
【0120】図22から特に明らかなように、上記スピ
ンドル127の一端部127aには円盤状に形成された
アドレスプレート138が嵌着されている。そして、固
定側であるフレーム102(図19等参照)に、このア
ドレスプレート138に対応して光センサ139が設け
られている。図20に示すように、該アドレスプレート
138には光透過孔138aが形成されている。光セン
サ139は例えばフォトカプラよりなり、発光素子と受
光素子とを具備し、該発光素子より発する光が該光透過
孔138aを通じて受光素子に至ることによって検知信
号を発する。
【0121】また、図18、図19及び図22に示すよ
うに、上記可動支持部材B105と一体に結合された中
間部材109の端部には遮光プレート141が取り付け
られている。図19及び図22に示すように、該遮光プ
レート141に対応して光センサ142が設けられ、且
つ、固定側である上記フレーム102に対して固定され
ている。この光センサ142も例えばフォトカプラから
なり、発光素子と受光素子とを具備し、該発光素子から
の光が受光素子に入射するか、あるいはこれが遮光プレ
ート141によって遮られることによって検知信号を発
する。
【0122】上記のような検知手段によって可動支持部
材A104及び可動支持部材B105の位置が検知され
る。
【0123】なお、図18から明らかなように、上記遮
光プレート141は、その一端(左端)にて支持ピン1
41を介して揺動可能に支持され、他端部に遮光部が設
けられている。該図に示すように、遮光プレート141
の略中央部に対応して偏心ピン141bが設けられてお
り、この偏心ピン141bをドライバ等を用いて回すこ
とにより、該遮光部の位置を調整することができる。
【0124】上述したように、当該ワイヤボンディング
装置においては、熱圧着ボンディングを行うべく、リー
ドフレームL\Fを加熱する加熱手段、すなわち基板加
熱装置が設けられている。取り扱われるリードフレーム
L\Fが通常の鉄系材質からなる場合、該加熱手段、詳
しくはヒータープレート255による加熱範囲は、リー
ドフレームのボンディング対象部位内に温度むらが生じ
ないよう、ボンディング範囲よりも若干広い領域に設定
される。この加熱範囲は、リードフレームL\Fの全面
積に比すれば、局部加熱に近い狭い範囲である。
【0125】一方、銅系の材質からなるリードフレーム
を取り扱う場合、熱膨張率が鉄系のものよりも大きいた
め、加熱範囲を上記のように狭く設定すると、周囲との
温度差による熱変形あるいは熱振動が発生することがあ
る。熱変形、熱振動は、ボンディングによって形成され
たワイヤループ形状を変形させたり、破壊するなど悪影
響を及ぼす。
【0126】そこで、当該ワイヤボンディング装置にお
いては、このようなリードフレームL\Fの熱変形等を
防止する目的で、上記ヒータープレート255として比
較的大きな接触面積を有するものを用いて加熱範囲を広
げることが行われ、又、上記のヒータープレート255
を含む主たる加熱手段の他に予備加熱用の加熱手段、す
なわち基板加熱装置を設けて熱分布の均一化を図ってい
る。この予備加熱手段は下記のように構成されている。
【0127】図23及び図24に示すように、該予備加
熱手段145は、上記ヒータープレート255及びヒー
ターブロック64を含む主加熱手段146(参照符号は
図23に示す)の前後、すなわちリードフレーム搬送方
向における両側に対応して配設されている。但し、予備
加熱手段145はこのように主加熱手段146の前後に
一対設けず、前側あるいは後側にのみ設けてもよい。
【0128】上記両予備加熱手段145は、リードフレ
ームL\Fの下面に当接してこれを加熱するための当接
部材として作用するヒータープレート148と、熱発生
手段としてのヒーター(図示せず)を内蔵し、該ヒータ
ーが発生する熱を伝達すべく該ヒータープレート148
の下面に結合された熱伝達部材としてのヒーターブロッ
ク149とを有している。図24に示すように、これら
の予備加熱手段145を支持するフレーム150が設け
られている。両予備加熱手段145は、このフレーム1
50に対して、ブラケット152、中間プレート153
及び断熱部材154を介して取り付けられている。ま
た、同図に示すように、このフレーム150は、図18
乃至図22に示した前述の支持機構101が具備するフ
レーム102に対してボルト150aによって締結され
ている。なお、上記ヒーターブロック149について
は、図1、図3及び図5にも示している。
【0129】上記の予備加熱手段145を設けたことに
よって、リードフレームL\Fの熱分布の均一化がなさ
れ、リードフレームL\Fの熱変形あるいは熱振動が防
止される。
【0130】ところで、近年では製造されるべき半導体
デバイスの多ピン化、薄形化が要望され、これに対応す
るためにリード数増加、リード幅寸法の狭小化等、リー
ドフレームのボンディング対象部位の微細化や、リード
フレームの厚さを極力小さくすることが進められてお
り、益々熱変形等が発生し易くなっており、上記手段で
は十分な対策を立てることが困難になっている。
【0131】そこで、当該ワイヤボンディング装置にお
いては、次に示す構成が採用されている。
【0132】すなわち、図23及び図25から明らかな
ように、リードフレームL\Fの一側を案内すべく設け
られた案内部材としてのガイドレール2が、前述した予
備加熱手段145が具備する熱伝達部材としてのヒータ
ーブロック149の上面に摺動自在に当接している。そ
のため、該ヒーターブロック149の上面は平滑に仕上
げられている。
【0133】この構成によればガイドレール2が加熱さ
れ、リードフレームL\Fは該ガイドレール2を通じて
も加熱される。このように、当該ワイヤボンディング装
置においては、リードフレームL\Fが、前述した主加
熱手段146(参照符号は図23を参照)及び予備加熱
手段145と併せて、ガイドレール2を通じても加熱さ
れるようになされており、該各加熱手段からガイドレー
ル2に亘る広い範囲にて均一な温度分布を以て加熱され
る。
【0134】かかる構成の故、扱うべきリードフレーム
L\Fが銅系材質等の熱膨張率の高い材質からなるもの
であり、しかも、そのボンディング対象部位が微細化さ
れていようとも、熱変形あるいは熱振動を生ずることは
なく、ボンディングによって形成されたワイヤループ形
状は変形、破壊されることなく正常に保たれる。
【0135】また、当該ワイヤボンディング装置におい
ては、前述のように、予備加熱手段145が発生する熱
が上記ガイドレール2に伝達されるようになされてい
る。すなわち、リードフレームL\Fを直接加熱するた
めに設けられた上記予備加熱手段145をして、ガイド
レール加熱用の加熱手段としても活用しているのであ
り、これによって、ガイドレール2のみを加熱するため
の加熱手段を特別に設ける必要がなくなり、装置全体と
しての小型化、コスト低減等が図られる。
【0136】但し、本実施例においては、上記のように
リードフレーム加熱用の予備加熱手段145をガイドレ
ール加熱用として共用しているが、ガイドレール加熱用
の加熱手段を別に設けてもよい。
【0137】また、本実施例においては、ガイドレール
加熱用として共用する加熱手段を予備加熱手段145と
しているが、これを上記主加熱手段146に代えてもよ
い他、該主加熱手段146及び予備加熱手段145の双
方を共に用いてもよい。
【0138】また、本実施例においては、リードフレー
ムL\Fの両側に対応して設けられたガイドレール2及
び3のうち一方のガイドレール2のみを加熱することと
しているが、両ガイドレール2、3を加熱するようにし
てもよいことは勿論である。
【0139】更に、当該ワイヤボンディング装置におい
ては、前述したように、上記両ガイドレール2、3が、
種々あるリードフレームL\Fの幅寸法の変化に対応す
べく相対的に接離自在となっているが、これに応じて、
上記予備加熱手段145が熱伝達部材として具備するヒ
ーターブロック149に対してガイドレール2を摺接さ
せて該ガイドレール2への熱の伝達を行っている。この
ように、ヒーターブロック149とガイドレール2とを
直接接触させて、両者間に何等の部材も介在させていな
い故、構造が簡単で部品点数も少なくなり、装置の小型
化、コスト低減が達成されている。
【0140】次に、当該ワイヤボンディング装置におい
ては、上記予備加熱手段145が具備するヒータープレ
ート148のリードフレームL\Fとの当接面148a
(参照符号は図24に示す)すなわち基板当接面と、上
記ガイドレール2にリードフレーム案内用として形成さ
れた水平案内面2a(図11、図12参照)とが、互い
に略同一平面内に位置するように設定されている。かか
る構成によれば、該ヒータープレート148及びガイド
レール2の両者について互いに熱伝達率の等しい材質を
選定すれば、該両者を経てリードフレームL\Fに達す
る熱の伝達状態が同等となり、ヒータープレート148
からガイドレール2に亘る温度分布は極めて高い精度で
均一化される。従って、広い範囲にて均一な温度分布を
以てリードフレームL\Fを加熱することが可能となっ
ている。
【0141】また、当該ワイヤボンディング装置におい
ては、リードフレームL\Fの両側に対応して配設され
たガイドレール2及び3のうち一方のガイドレール2の
みについて加熱を行い、他方のガイドレール3に関して
は前述したようにリードフレームL\Fと略点接触する
ように形成されている。すなわち、リードフレームL\
Fを広範囲に加熱するという目的についてはこのように
片側のガイドレール2のみを加熱するだけでもある程度
達成され、そうすれば加熱手段自体が発生する熱エネル
ギーは少なくて済み、コスト面等から有効である。他
方、加熱を行わないガイドレール3については、リード
フレームL\Fとの熱的接触を極力小さくするように点
接触とし、均一な温度分布が乱されないようにしてい
る。
【0142】さて、当該ワイヤボンディング装置におい
ては、上述のようにガイドレール2を加熱する構成を採
用したが故に、下記の構成を採用している。
【0143】図23及び図24に示すように、上記ガイ
ドレール2は、前に述べた可動フレーム15を支持機構
として、該可動フレーム15に形成された一対のブラケ
ット部15a上に、断面部材157、中間プレート15
8及び支持ブロック159を順次介して取り付けられて
いる。これらブラケット部15a、断熱部材157、中
間プレート158及び支持ブロック159は、相互にボ
ルト(参照符号は付けない)によって締結されている。
ガイドレール2は上記2つの支持ブロック159に対し
てその両端部にて取り付けられているのであるが、ボル
ト等によって堅固に固着されている訳ではなく、次のよ
うになされている。
【0144】図23及び図25、並びに図26に示すよ
うに、上記両支持ブロック159には夫々、支持ピン1
62が垂下状態にて植設されている。詳しくは、図26
に示すように、支持ピン162は支持ブロック159に
形成された挿通孔159aに挿通され、該支持ブロック
159に前端側から螺合する止めねじ159bが該支持
ピン162の上端部に形成された溝162aに係合する
ことによって抜け止めがなされている。
【0145】図26に示すように、ガイドレール2の構
成部材である下側ブロック26には貫通孔2iが形成さ
れており、上記支持ピン162の下端部がこの貫通孔2
iに挿通されている。また、支持ピン162の最下端部
には止め輪162bが取り付けられており、支持ピン1
62の貫通孔2iからの抜け止めがなされている。そし
て、同図に示すように、上記下側ブロック2bと支持ブ
ロック159との間にコイルスプリング164が、支持
ピン162に外嵌する状態にて縮設されている。なお、
図26において、参照符号164aにて示すのは、コイ
ルスプリング164の両端を受けるべく支持ピン162
に挿通された座金である。
【0146】上記構成によれば、ガイドレール2はヒー
ターブロック149に対して近接離間可能である。そし
て、上記コイルスプリング164は、ガイドレール2を
ヒーターブロック149に向けて付勢する付勢手段とし
て作用する。この構成を採用したことによって、ガイド
レール2はヒーターブロック149に絶えず密着して熱
伝達が効率良くなされると共に、ヒーターブロック14
3が熱膨張しても膨張方向にガイドレール2が移動し得
るから、ガイドレール2が変形することがない。
【0147】また、図23から明らかなように、上記支
持ピン162が挿通されるべくガイドレール2の両端部
に形成された2つの貫通孔2iの一方、この場合左側の
貫通孔2iについては、該ガイドレール2の長手方向に
おいて伸長する長孔となされている。これによって、ガ
イドレール2は伸縮可能となっている。従って、ガイド
レール2の長手方向の熱膨張分が吸収され、この点から
もガイドレール2の変形が防止される。
【0148】次に、リードフレームL\Fを加熱すべく
設けられた前述の各種加熱手段について、これらが具備
する当接部材としてのヒータープレートの交換に関する
構成について説明する。
【0149】すなわち、ボンディング装置においては、
取り扱われるリードフレームL/Fは生産すべき半導体
デバイスの品種によって異なる。リードフレームの種類
が異なればボンディング時に加熱すべき範囲等も変化
し、そのため、リードフレームL\Fに当接してこれを
加熱する作用をなさしめるべく前述の予備加熱手段14
5及び主加熱手段146が具備したヒータープレート1
48、255については、半導体デバイスの品種変更に
伴って交換を行うべき部品として位置付けされている。
【0150】従って、実作業にあっては、製造すべき半
導体デバイスの品種切換え時にはヒータープレートの交
換作業が行われ、多品種少量生産等、品種切換えを頻繁
に行う場合にあってはこの交換作業が多大な工数を発生
させる要因となり、作業性の向上、生産性の向上を図る
上で妨げとなっている。
【0151】そこで、当該ワイヤボンディング装置にお
いては、作業性、生産性を高めるべく、ヒータープレー
トの交換を極めて迅速且つ容易に行えるよう、下記の構
成を採用している。なお、本実施例においては、上記予
備加熱手段145が具備するヒータープレート148に
ついてこの構成を適用しており、該ヒータープレート1
48に関してのみ説明を行うが、上記主加熱手段146
のヒータープレート255に関しても同様の構成とする
ことは勿論可能である。また、以下の説明は、ボンディ
ングステージを挟んで設けられた2つの予備加熱手段1
45のうち一方に関してのみ行うが、他方の予備加熱手
段145についても同様に構成されている。
【0152】図27乃至図29に上記ヒータープレート
148の詳細を示す。これらの図と図23及び図24か
ら明らかなように、該ヒータープレート148は全体と
しては略矩形板状に形成されており、前述した主加熱手
段146が具備するヒータープレート255の両側に沿
うように延出する(図23参照)一対の延出部148b
が形成されている。
【0153】上記ヒータープレート148は、該ヒータ
ープレート148に熱を伝達すべく設けられた熱伝達部
材としてのヒーターブロック149に対して、次に示す
係止手段によって着脱自在に装着されている。
【0154】当該係止手段は図24における部分H内に
設けられており、この部分Hを拡大した図を図30とし
て示す。また、該係止手段の各構成要素のうち、ヒータ
ーブロック149側に設けられるものを図31に示す。
【0155】図24、図27、図28及び図30に示す
ように、上記ヒータープレート148の略中央部には、
皿形の頭部を有するねじ167がその頭部を下側にして
螺合されている。このねじ167が第1の被係止部位と
してヒーターブロック149に対して係止される。ま
た、図24、図27、図28、図29及び図30に示す
ように、ヒータープレート148にはその両延出部14
8bによって挟まれる位置に、該ヒータープレート14
8の主面すなわちリードフレームL\Fとの当接面14
8aに対して傾斜した傾斜面148cが形成されてい
る。この傾斜面148cが第2の被係止部位としてヒー
ターブロック149に対して係止される。なお、図2
7、図28及び図30に示すように、ヒータープレート
148の下面側であって該傾斜面148cと上記したね
じ167の近傍には、夫々断面形状が長円形、略矩形
(図27参照)の凹部148e、148fが形成されて
いる。
【0156】一方、図24、図30及び図31に示すよ
うに、上記ヒーターブロック149上には、各々上記第
1の被係止部位及び第2の被係止部位としてのねじ16
7及び傾斜面148cに対応して、夫々係止部として作
用する2つの駒部材169、170が配設され、且つ、
ねじ171、172によってヒーターブロック149に
締結されている。詳しくは、図31から特に明らかなよ
うに、ヒーターブロック149には、これら駒部材16
9、170の配置位置に断面略矩形状の凹部149a、
149bが形成されており、両駒部材169、170は
その下部がこれらの凹部149a、149b内に嵌入さ
れている。すなわち、これらの駒部材169、170
は、ヒータープレート148に形成された基準面148
gが当接すべくヒーターブロック149に形成された装
着基準面149dの近傍に取り付けられている。なお、
上記凹部149a、149bについては、図23にも示
している。また、図23、図30及び図31に示すよう
に、ヒーターブロック149には、一方の凹部149b
に連続して、該凹部149bよりも深い凹部149cが
形成されている。この凹部149cについてはヒーター
ブロック149の側面にても開口している。
【0157】図30及び図31に示すように、上記のよ
うに設けられた2つの駒部材169、170のうち一方
の駒部材169については、ブロック状の部材からな
り、他方の駒部材170との対向側に傾斜面169aが
形成されている。この傾斜面169aは、この他方の駒
部材170から離間する方向に向って、ヒーターブロッ
ク149の装着基準面149dに漸次近づくように例え
ば45°を以て形成されている。また、該他方の駒部材
170に関しては、弾性部材としての板ばねを屈曲成形
してなり、上記凹部149bの底面に接すべき水平部1
70aと、該水平部170aの先端から上方に向って伸
長する鉛直部170bと、該鉛直部170bの先端から
斜め上方に向って伸びる斜状部170cとを有してい
る。図30に示すように、この斜状部170cの下面が
必然的に傾斜面170dとなっている。斜状部170c
は、この傾斜面170dが、上記一方の駒部材169か
ら離間する方向に向ってヒーターブロック149の装着
基準面149dに漸次近づくように形成されている。
【0158】前述したように、ヒータープレート148
に設けられた上記ねじ167は第1の被係止部位として
上記一方の駒部材169によって係止される訳である
が、具体的には、図30に示すように、該ねじ167の
皿状頭部の斜面167aが当接面として該駒部材169
の傾斜面169aに当接する。
【0159】一方、図30に示すように、上記他方の駒
部材170によって係止されるべくヒータープレート1
48に第2の被係止部位として設けられた傾斜面148
cは、該駒部材170に形成された傾斜面170dと略
同じ向きに傾斜しており、当接面として該傾斜面170
dに当接する。
【0160】ヒータープレート148をヒーターブロッ
ク149に対して着脱自在に装着するための係止手段は
以上のように構成されている。かかる構成の係止手段に
おいては、上記駒部材170が板ばねからなって可撓性
を有するから、ヒータープレート148(の傾斜面14
8c)に対する直接的係止部として該駒部材170が有
する斜状部170cは、該駒部材170自体の撓みによ
って他方の駒部材169に対して近接離間可能である。
そして、該駒部材170はまた、その弾性の故に、上記
直接的係止部である斜状部170cを他方の駒部材16
9に対して近接する方向に付勢する付勢手段として作用
する。従って、ヒータープレート148は、この付勢力
を以て、上記両駒部材169、170の各傾斜面169
a、170dとヒーターブロック149の装着基準面1
49dとの3面によって挾持された状態となる。
【0161】ここで、上記構成の係止手段に基づき、ヒ
ータープレート148をヒーターブロック149に対し
て装着する際の動作について図32を参照して説明す
る。
【0162】まず、図示のように、ヒータープレート1
48に第2の被係止部位として設けられた傾斜面148
cを一方の係止部としての駒部材170の斜状部170
cに当てがいつつ押し(矢印aにて示す)、該駒部材1
70を図示のように該駒部材170の付勢力に抗するよ
うに撓ませる。この斜状部170cは、前述したよう
に、該駒部材170が該傾斜面148cに対する直接的
係止部として有するものであるが、この撓み動作によっ
て移動する。このようにして駒部材170を撓ませる
と、図示のように、第1の被係止部位としてヒータープ
レート148に設けられたねじ167が他の係止部とし
ての駒部材169に対して係止可能な位置に至る。この
状態で、矢印bにて示すようにヒータープレート148
の他端部を下げ、手を離せば、該駒部材169がねじ1
67に係合すると同時に、ヒータープレート148が駒
部材170による付勢力によって復動し、図30に示す
状態となり、以て、ヒータープレート148の係止が完
了する。また、ヒータープレート148をヒーターブロ
ック149から取り外す場合もこれと同様である。
【0163】なお、本実施例においては、係止部として
の駒部材169、170をヒーターブロック149側に
設け、該各駒部材により係止されるべき被係止部位とし
てのねじ167及び傾斜面148cをヒータープレート
148側に設けているが、被係止部位とこれを係止する
係止部をヒータープレート148及びヒーターブロック
149のいずれに設けるかは、作業性等に鑑みて自在に
設定を変え得ることは勿論である。また、係止部及び被
係止部位の形態及び設ける数等についても、上記のよう
な構成に限定するものではなく、種々の構成を採用し得
るものである。
【0164】上述したように、当該ワイヤボンディング
装置においては、リードフレームL\Fに当接してこれ
を加熱するためのヒータープレート148がヒーターブ
ロック149に対して上記係止手段によって着脱自在に
装着され、該係止手段は、該ヒータープレート148の
複数の被係止部位(本実施例ではねじ167及び傾斜面
148cの2箇所)に対応して該ヒータープレート14
8及びヒーターブロック149の少なくともいずれか一
方に設けられ且つその少なくとも1が他に対して近接離
間可能となされた複数の係止部(本実施例では駒部材1
69及び170) と、この可動な係止部(本実施例では
駒部材170) を他の係止部(駒部材169) に対して
近接若しくは離間する方向に付勢(本実施例では近接す
る方向に付勢)する付勢手段(本実施例では駒部材17
0自体をこの付勢手段として兼用している)とからな
る。
【0165】この構成においては、具体的に前述したよ
うに、上記ヒーターブロック149に対するヒータープ
レート148の装着時、ヒータープレート148の一方
の被係止部位に対応して設けられた上記可動な係止部
を、上記付勢手段による付勢力に抗して移動させるよう
にしつつ、ヒータープレート148の他方の被係止部位
に対応して設けられた他の係止部を係合させれば、ヒー
タープレート148が上記付勢手段による付勢力によっ
て復動し、以てヒータープレート148の両被係止部位
が係止される。また、ヒータープレート148をヒータ
ーブロック149から取り外す場合もこれと同様であ
る。
【0166】かかる構成の故、上記ヒータープレート1
48の着脱を迅速に且つ、工具等を何等必要とすること
なく容易に行え、作業性、生産性の向上が達成される。
【0167】また、当該ワイヤボンディング装置におい
ては、前述のように、上記係止部各々は、上記ヒーター
プレート148に形成された基準面148gが当接すべ
く上記ヒーターブロック149側に形成された装着基準
面149d上若しくはその近傍に取り付けられた駒部材
169、170からなり、該駒部材各々には、自体以外
の駒部材から離間する方向に向って該装着基準面149
dに漸次近づくように形成された傾斜面169a、17
0dが設けられ、ヒータープレート148には該傾斜面
169a、170dに当接する当接面としての斜面16
7a及び傾斜面148cが形成され、該ヒータープレー
ト148は付勢手段としても作用する駒部材170によ
り付与される付勢力を以て該各傾斜面169a、170
dと上記装着基準面147dとによって挾持される。こ
のように、ヒータープレート148はヒーターブロック
149側に形成された上記装着基準面149dに自体の
基準面148gを当接させて装着され、しかも、上記両
駒部材169、170に対するヒーターブロック148
の接触状態は傾斜面同士による面接触であるため、取付
誤差の発生がなく、信頼性が高められる。
【0168】ヒータープレート148のヒーターブロッ
ク149に対する装着は上記のようであるが、更に次の
構成が付加されている。
【0169】すなわち、上記ヒーターブロック149に
対するヒータープレート148の装着位置ずれを規制す
る規制手段が設けられている。但し、この場合のずれ規
制は、前述した両駒部材169、170によりなされる
ヒータープレート148の係止方向である左右方向(矢
印X方向及びその反対方向)に対して垂直な前後方向
(矢印Y方向及びその反対方向)においてなされる。該
規制手段は具体的には、次の構成である。
【0170】図30から明らかなように、ブロック状に
形成された一方の駒部材169の上部が、ヒータープレ
ート148の下面側に形成された凹部148f内に挿通
されている。ここで、ずれ規制が行われるべき上記前後
方向における該駒部材169、凹部148fの寸法がほ
ぼ同じ(但し、駒部材169の寸法の方が僅かに小さ
い)に設定されており、これによってヒータープレート
148のずれが規制され、位置決めが高精度に行われ
る。
【0171】また、当該ワイヤボンディング装置におい
ては、前述したように、上記駒部材169、170のう
ち可動であるべき駒部材170については弾性部材から
なって自体の撓みによってヒータープレート148に対
する係合部(斜状部170c)が移動し、自体が上記付
勢手段として作用するようになされている。すなわち、
該駒部材170をして、元来の係止機能に加え、自体を
上記ヒーターブロック149に対して可動に取り付ける
ための手段と、付勢力を生ずる付勢手段との2つの機能
を併せ持たせるべく共用しているのである。これによっ
て部品点数が少なく抑えられる。
【0172】次に、ボンディングステージすなわちヒー
タープレート255上におけるボンディング作業時に、
リードフレームL\Fのボンディング対象部位を該ヒー
タープレート255に対して押圧固定する押圧固定手段
すなわち基板押圧固定機構について図33乃至図41に
基づいて説明する。
【0173】この押圧固定手段は、図33乃至図38に
示すフレーム押え176を有している。このフレーム押
え176は、リードフレームL\Fのボンディング対象
部位に当接してこれを押圧するための押圧部材として作
用する。
【0174】このフレーム押え176の詳細を図39乃
至図41に示す。該各図から明らかなように、該フレー
ム押え176は、略平板状の水平部176aと、該水平
部176aの両端に連続して上方に向けて伸長する鉛直
部176bと、該両鉛直部176bの先端に連続して夫
々水平に延出する延出部176cとを有し、これらを互
いに一体に成形してなる。図示のように、該水平部17
6aの中央部にはリードフレームL\Fのボンディング
対象部位を臨む略矩形状の開口部176dが形成されて
おり、また図41から明らかなように該開口部176d
の下側縁部の全周に亘ってゴム等からなる当接部材17
6eが固設されている。リードフレームL\Fのボンデ
ィング対象部位に対してはこの当接部材176eが直接
当接する。なお、該当接部材176eが直接当接して押
圧するボンディング対象部位とは、図50に示すように
ICチップ253の各パッド253aに対応してリード
フレームL\Fに形成された各リードである。
【0175】図33乃至図37に示すように、上記フレ
ーム押え176は、中継部材178に装着されている。
図34に示すように、この中継部材178は平面形状が
略U字を呈するように形成されており、全体としては平
板状である。
【0176】図33に示すように、上記中継部材178
は、支持機構101に付し、次のように取り付けられて
いる。なお、該支持機構101に関しては、図2乃至図
5並びに図18乃至図22に基づいて既に説明した。
【0177】図33乃至図35に示すように、上記中継
部材178は、その前端部が上記支持機構101が具備
する可動支持部材B105に対して大小のブラケット1
81,182を介して取り付けられている。なお、この
大きなブラケット181については、図2乃至図4並び
に図18乃至図21にも示している。また、図33,図
34及び図36に示すように、中継部材178の後端部
は、該可動支持部材B105に対し、大きなブラケット
184と、2つの小さなブラケット185と、2本のア
ーム部材186を順次介して取り付けられている。図3
6から特に明らかなように、この大きなブラケット18
4は、可動支持部材B105に対する固着部を中心に左
右に対称に伸長している。また、小さなブラケット18
5各々は、夫々該ブラケット184の両端部に下端部に
て締結されて上方に伸びる。そして、アーム部材186
については、図34から明らかなように、該ブラケット
185の上端部に一端部にて連結されて、その他端部が
前方(矢印Y方向)に向って水平面内で互いに近づく状
態となるように屈曲成形されている。
【0178】上記各ブラケット181,182,18
4,185及びアーム部材186は、図33等に示した
支持機構101に含まれる。
【0179】前に述べたように、上記構成によって中継
部材178、従ってフレーム押え176を搭載した上記
可動支持部材B105は昇降自在(矢印Z方向及びその
反対方向)であり、パルスモータ129等からなる駆動
手段の作動によって上下動を行う。一方、上記支持機構
101は、ボンディングステージたるヒータープレート
255を担持した他の可動支持部材A104を備えてお
り、該可動支持部材A104も昇降自在にして上記駆動
手段の作動によって上下動させられる。すなわち、上記
支持機構101は、フレーム押え176及びヒータープ
レート255を上下方向(矢印Z方向及びその反対方
向)において相対的に近接離間自在に支持するものであ
り、又、上記駆動手段は、該フレーム押え176及びモ
ータープレート255を互いに接離させるべく駆動する
と共に相互近接時に押圧力を付与する。
【0180】上記フレーム押え176は、上記の支持機
構101に対して傾動可能に装備されている。この傾動
のための構成を次に説明する。但し、具体的には、該フ
レーム押え176が取り付けられた上記中継部材178
が支持機構101に対して傾動する。なお、この傾動
は、該フレーム押え176及び上記ヒータープレート2
55が相互に近接離間を行う方向である上下方向(矢印
Z方向及びその反対方向)を含む面内においてなされ
る。
【0181】上記の傾動のための手段は、図33におけ
る部分I1 及びI2 内に夫々設けられており、これらの
部分I1 ,I2 を拡大した図を図42及び図43として
示す。なお、この部分I1 は、中継部材178の前端部
とこれが取り付けられるブラケット182との関係を示
し、部分I2 は、中継部材178の後端部(2箇所であ
るが1箇所についてのみ説明する)とこれが取り付けら
れるアーム部材186との関係を示すものである。
【0182】図42と図34に示すように、中継部材1
78の前端部には略矩形状の開口部178cが形成され
ている。但し、図42に示すように、該開口部178c
の一部を閉塞するように延出部178dが形成さてい
る。該開口部178c内にはストッパ189が挿通さ
れ、該ストッパ189はブラケット182に対して締結
されている。該ストッパ189には、中継部材178に
形成された上記延出部178dに対して上側にて対向す
るように延出部189aが形成されており、該両延出部
178d,189aの間には所定の隙間e1 が設けられ
ている。
【0183】図42から明らかなように、上記ストッパ
189に設けられた延出部189aの先端部近傍にはこ
れを上下に貫通する円形の孔189bが形成されてお
り、該孔189bに鋼球190が挿通されている。そし
て、中継部材178に設けられた上記延出部178dに
は、この鋼球190の下端部が嵌合し得べく球面178
eが形成されている。
【0184】上記ストッパ189の上面には、板ばね1
91がその一端部にてねじ192により締結されてお
り、上記鋼球190に対して該板ばね191の自由端部
が係合している。
【0185】次に、中継部材178の後端部とアーム部
材186との関係について説明する。
【0186】図43と図34から明らかなように、中継
部材178の後端部にはその本体部分よりも薄肉の延出
部178fが形成されている。一方、図43に示すよう
に、アーム部材186の先端部には水平に切り込まれた
スリット186cが形成されており、このスリット18
6cに上記の延出部178fが挿通されている。そし
て、該スリット186cの天面と延出部178fの上面
との間に所定の隙間e2が設けられている。
【0187】上記スリット186cの上面部分を形成す
る延出部186dにはこれを上下に貫通する円形の孔1
86eが形成されており、該孔186eに鋼球194が
挿通されている。そして、中継部材178に設けられた
上記延出部178fには、この鋼球194の下端部が嵌
合し得る球面178hが形成されている。
【0188】上記アーム部材186の上面には板ばね1
95がその一端部にてねじ196によって締結されてお
り、上記鋼球194に対して該板ばね195の自由端部
が係合している。
【0189】上記構成によれば、リードフレームL\F
のボンディング対象部位をフレーム押え176によって
ヒータープレート255に対して押圧固定した際、図4
4及び図45に示すように中継部材178が各板ばね1
91,195による付勢力に抗しつつブラケット182
及びアーム部材186から離脱し、鋼球190、194
を介して点にて支持された状態となる。これにより、該
中継部材178、従ってフレーム押え176が、ボンデ
ィングステージたるヒータープレート255の平坦な表
面に対して自動的に倣ってリードフレームL\Fに密接
する。
【0190】なお、本実施例においては、上記のように
ボンディングステージとしてのヒータープレート255
を固定とし、押圧部材たるフレーム押え176が該ヒー
タープレートの表面に倣って傾動するように構成してい
るが、逆に、フレーム押え176を固定とし、ヒーター
プレート255が該フレーム押え176のフレーム押圧
面に倣って傾動する構成としてもよい。
【0191】また、本実施例においては、上記中継部材
178を傾動可能とするために図42乃至図45に示し
た構成を採用しているが、この他に、中継部材178を
これを支えるべきブラケット182及びアーム部材18
6に対して単に板ばねを介して取り付けたりすること
等、種々の構成によっても傾動を可能とすることが出来
る。
【0192】上記から明らかなように、当該ワイヤボン
ディング装置においては、リードフレームL\Fのボン
ディング対象部位に当接してこれを押圧するためのフレ
ーム押え176とボンディングステージたるヒータープ
レート255とのいずれか一方が、該フレーム押え17
6及びヒータープレート255を相対的に近接離間自在
に支持する支持機構101に対して、該近傍離間の方向
を含む面内において傾動可能に装着されており、フレー
ム押え176がヒータープレート255の表面に対して
自動的に倣ってリードフレームL\Fに密接するように
なされている。
【0193】かかる構成によれば、製造されるべき半導
体デバイスの多ピン化等に伴うリード数の増加及びリー
ド幅の狭小化など、リードフレームL\Fのボンディン
グ対象部位が微細化されようとも、フレーム押え176
はこれに対応して常に確実に密接し、押圧固定すること
が出来る。
【0194】また、この構成においては、リードフレー
ムL\Fとの密接性を高めるために従来行われていた手
作業による研削、研摩は不要となり、又、リードフレー
ムに対するフレーム押え176の密接性が恒久的に維持
されて交換は長期に亘って必要なく、繰返し使用が可能
であり、しかも、リードフレームの品種変更に伴うフレ
ーム押え176の交換時における密接性の確認、調整作
業も無用であるから、作業性、生産性が向上するもので
ある。
【0195】また、同一のフレーム押え176を複数台
のボンディング装置間で流用する場合、各装置自体の加
工精度、組立誤差等をそれ程高めずとも、各装置間での
機差は無く、いずれの装置においても同じ条件下にて使
用し得るから、この点からも生産性が向上し、又、原価
低減が図られる。
【0196】更に、当該ワイヤボンディング装置におい
ては、前述の記載から明らかなように、上記フレーム押
え176は、上記支持機構101に対し、ヒータープレ
ート255に対する近接離間の方向である上下方向とは
略垂直な平面内において3点にて装着されている。従っ
て、フレーム押え176のヒータープレート255に対
する倣い動作が確実かつ高精度に行われる。
【0197】また、当該ボンディング装置においては、
図34から明らかなように、上記3点が、リードフレー
ムL\Fのボンディング対象部位を中心として略同心円
上に且つ互いに等間隔にて配置されている。故に、上記
倣い動作が全方向において均等に行われる。
【0198】そして、当該ボンディング装置において
は、上記フレーム押え176と上記支持機構101との
相互装着部が、上記近接離間の方向において突出して形
成された凸部としての鋼球190,194と、該凸部に
係合した凹部としての球面178e,178hとからな
る。このように凸部と凹部とを係合させた構成によれ
ば、上記フレーム押え176のヒータープレート255
に対する倣い動作、すなわち傾動に起因して、該フレー
ム押え176がずれ、すなわち、上記ヒータープレート
255に対する近接離間方向に対して垂直な水平方向に
おける位置ずれを生ずることが防止され、リードフレー
ムL\Fのボンディング対象部位が高い精度を以て押圧
固定される。
【0199】また、当該ボンディング装置においては、
上記フレーム押え176が、上記支持機構101に対し
て板ばね191,195を介して弾性的に装着されてい
る。よって、ヒータープレート255すなわちボンディ
ングステージに対するリードフレームL\Fの押圧力は
この弾性に基づく略一定なものとなって安定した押圧状
態が得られると共に、部材間の組付誤差や部材の熱膨張
等がこの弾性により吸収されるという効果が得られる。
【0200】次に、当該ボンディング装置においては、
上記フレーム押え176と上記支持機構101との間に
中継部材178が介装され、フレーム押え176は該中
継部材178に固着され、該中継部材178が上記支持
機構101に対して傾動可能に装着されている。このよ
うに、フレーム押え176と支持機構101とを直接結
合せずに両者間に中継部材178を介在させたことによ
って、例えば上記3点の位置などを自在に設定すること
が出来、設計の容易化が図られている。
【0201】なお、本実施例においては、上述のよう
に、中継部材178を設けてこれにフレーム押え176
を取り付けているが、中継部材178を設けずに、支持
機構101に対してフレーム押え176を直接、傾動可
能に装着する構成としてもよい。
【0202】また、本実施例においては、フレーム押え
176及びヒータープレート255について、両者共に
支持機構101によって昇降自在に支持して互いに近接
離間させる構成となっているが、該フレーム押え176
及びヒータープレート255の一方を固定として他方の
みを可動とする構成であってもよい。
【0203】続いて、上記フレーム押え176の交換に
関する構成について説明する。
【0204】すなわち、ボンディング装置においては、
生産すべき半導体デバイスの品種により、リードフレー
ムC/Fについてボンディングを行う範囲、アイランド
(249:図49、図50参照)の形状及びその大きさ
等が変化する。そのため、これらアイランドなどを臨む
べき開口部176d(図39乃至図41参照)が形成さ
れたフレーム押え176は、半導体デバイスの品種変更
に伴って交換を行うべき部品として位置付けされてい
る。
【0205】従って、実作業においては、製造すべき半
導体デバイスの品種切換え時にはフレーム押え176の
交換作業が行われ、多品種少量生産等、品種切換えを頻
繁に行う場合にあってはこの交換作業が多大な工数を発
生させる要因となり、作業性の向上、生産性の向上を図
る上で妨げとなっている。
【0206】そこで、当該ワイヤボンディング装置にお
いては、作業性、生産性を高めるべく、フレーム押え1
76の交換を極めて迅速且つ容易に行えるよう、下記の
構成を採用している。
【0207】フレーム押え176は、これを支持する中
継部材178、従って支持機構101に対して、次に示
す係止手段によって着脱自在に装着されている。なお、
本実施例においては、フレーム押え176を中継部材1
78を介して支持機構101に装着しているが、中継部
材178を設けることなく支持機構101に対してフレ
ーム押え176を直接、該係止手段によって取り付ける
構成としてもよい。
【0208】当該係止手段は、図33乃至図37並びに
図39及び図40に示している。
【0209】図39及び図40から特に明らかなよう
に、フレーム押え176の両端部には延出部176cが
形成されてなり、これら延出部176cが第1の被係止
部位及び第2の被係止部位として上記中継部材178に
対して係止される。
【0210】一方、特に図34,図35及び図37に示
すように、上記中継部材178の下面側には、上記フレ
ーム押え176の両延出部176cに対応して、夫々係
止部として作用する2つの駒部材201及び202が配
設されている。具体的には、これらの駒部材201,2
02は、フレーム押え176に形成された基準面176
gが当接すべく中継部材178に形成された装着基準面
178jに当接して設けられている。該両駒部材20
1,202の取付けに関しては詳しくは、図37から特
に明らかなように、左側の駒部材201については2本
のねじ204によって中継部材178に締結されてい
る。また、右側の駒部材202に関しては、その右端部
にて板ばね205を介して取り付けられており、該板ば
ね205の撓みによって左端部を自由端部として上下に
揺動可能である。また、この右側の駒部材202と該駒
部材202に対応する中継部材178の端部とには、互
いに連通する貫通孔(参照符号は付さない)が形成さ
れ、該貫通孔内にコイルスプリング206が挿通され、
該コイルスプリング206の両端部はピン206aによ
って駒部材202及び中継部材178に対して係止され
ている。該コイルスプリング206は引張りばねとして
作用する。
【0211】図35及び図37に示すように、上記両駒
部材201,202はブロック状の部材からなり、相互
の対向面側に傾斜面201a,202aが形成されてい
る。これらの傾斜面201a,202aは、相対する駒
部材から離間する方向に向って、中継部材178の装着
基準面178jに漸次近づくように形成されている。ま
た、該両駒部材201,202によって係止されるべき
フレーム押え176の両延出部176cすなわち被係止
部位には、両駒部材201,202の上記各傾斜面20
1a,202aに当接する斜状の当接面176iが形成
されている。
【0212】フレーム押え176を中継部材178に対
して着脱自在に装着するための係止手段は以上のように
構成されている。かかる構成の係止手段においては、上
記右側の駒部材202が板ばね205を介して中継部材
178に取り付けられているから、フレーム押え176
(の当接面176i)に対する直接的係止部として該駒
部材202が有する傾斜面202aは、該板ばね205
の撓みに基づく該駒部材202の揺動によって、他方の
駒部材201に対して近接離間可能である。そして、該
板ばね205は、上記直接的係止部である傾斜面202
aを他方の駒部材201に対して近接する方向に付勢す
る付勢手段として作用する。従って、フレーム押え17
6は、この付勢力を以て、上記両駒部材201,202
の各傾斜面201a,202aと中継部材178の装着
基準面178jとの3面によって挟持された状態とな
る。
【0213】ここで、上記構成の係止手段に基づき、フ
レーム押え176を中継部材178に対して装着する際
の動作について、図38を参照して説明する。
【0214】まず、図示のように、フレーム押え176
に第2の被係止部位として設けられた延出部176c
(この延出部176cの参照符号については図39を参
照)を、一方の係止部としての駒部材202の自由端部
に当てがいつつ押し(矢印aにて示す)、該駒部材20
2を図示のように板ばね205の付勢力に抗するように
下方に揺動させる。これにより、上記直接的係止部たる
傾斜面202aがこの揺動によって移動する。このよう
にして駒部材202を揺動させると、図示のように第2
の被係止部位としてフレーム押え176の左端部に設け
られた延出部176c(この延出部176cについても
参照符号は図39を参照)が他の係止部としての駒部材
201に対して係止可能な位置に至る。この状態で、矢
印bにて示すようにフレーム押え176の他端部を下
げ、手を離せば、該駒部材201がフレーム押え176
の上記延出部176cに係合すると同時に、フレーム押
え176が板ばね205による付勢力によって復動し、
図37に示す状態となり、以て、フレーム押え176の
係止が完了する。また、フレーム押え176を中継部材
178から取り外す場合もこれと同様である。
【0215】なお、本実施例においては、係止部として
の駒部材201,202を中継部材178側に設け、該
各駒部材により係止されるべき被係止部位をフレーム押
え176側に設けているが、被係止部位とこれを係止す
る係止部を中継部材178及びフレーム押え176のい
ずれに設けるかは、作業性等に鑑みて自在に設定を変え
得ることは自明である。また、係止部及び被係止部位の
形態及び設ける数等についても、上記のような構成に限
定するものではなく、種々の構成を採用し得るものであ
る。
【0216】上述したように、当接ワイヤボンディング
装置においては、リードフレームL\Fのボンディング
対象部位を押圧固定するためのフレーム押え176が、
中継部材178、従って支持機構101に対して上記係
止手段によって着脱自在に装着され、該係止手段は、フ
レーム押え176の複数の被係止部位(本実施例では2
つの延出部176c)に対応して該フレーム押え176
及び中継部材178の少なくともいずれか一方に設けら
れ且つその少なくとも1が他に対して近接離間可能とな
された複数の係止部(本実施例では駒部材201及び2
02)と、この可動係止部(本実施例では駒部材20
2)を他の係止部(駒部材201)に対して近接若しく
は離間する方向に付勢(本実施例では近接する方向に付
勢)する付勢手段(本実施例では板ばね205)とから
なる。
【0217】この構成においては、具体的に前述したよ
うに、上記中継部材178に対するフレーム押え176
の装着時、フレーム押え176の一方の被係止部位に対
応して設けられた上記可動な係止部を、上記付勢手段に
よる付勢力に抗して移動させるようにしつつ、フレーム
押え176の他方の被係止部位に対応して設けられた他
の係止部を係合させれば、フレーム押え176が上記付
勢手段による付勢力によって復動し、以てフレーム押え
176の両被係止部位が係止される。また、フレーム押
え176を中継部材178から取り外す場合もこれと同
様である。
【0218】かかる構成の故、上記フレーム押え176
の着脱を迅速に且つ、工具等を何等必要とすることなく
容易に行え、作業性、生産性の向上が達成される。
【0219】また、当該ワイヤボンディング装置におい
ては、前述のように、上記係止部各々は、上記フレーム
押え176に形成された基準面176gが当接すべく上
記支持機構側である中継部材178に形成された装着基
準面178j若しくはその近傍に取り付けられた駒部材
201,202からなり、該駒部材各々には自体以外の
駒部材から離間する方向に向って該装着基準面178j
に漸次近づくように形成された傾斜面201a,202
aが設けられ、フレーム押え176には該傾斜面201
a,202aに当接する当接面176iが形成され、該
フレーム押え176は付勢手段としての板ばね205に
より付与される付勢力を以て該各傾斜面201a,20
2aと上記装着基準面178jとによって挟持される。
このように、フレーム押え176は支持機構側に形成さ
れた上記装着基準面178jに自体の基準面176gを
当接させて装着され、しかも、上記両駒部材201,2
02に対するフレーム押え176の接触状態は傾斜面同
士による面接触であるため、取付誤差の発生がなく、信
頼性が高められている。また、この構成に基づき、前述
したヒータープレート255に対するフレーム押え17
6の面倣いが誤差なく行われ、品質の向上につながる。
【0220】フレーム押え176の中継部材178に対
する装着は上記のようであるが、更に次の構成が付加さ
れている。
【0221】すなわち、上記中継部材178に対するフ
レーム押え176の装着位置ずれを規制する規制手段が
設けられている。但し、この場合のずれ規制は、前述し
た両駒部材201,202によりなされるフレーム押え
176の係止方向である左右方向(矢印X方向及びその
反対方向)に対して垂直な前後方向(矢印Y方向及びそ
の反対方向)においてなされる。該規制手段は具体的に
は、次の構成である。
【0222】図39及び図40に示すように、フレーム
押え176の両延出部176cには、左右方向(上記矢
印X方向及びその反対方向)において伸長すべき切欠部
176jが形成されている。これに対し、例えば図37
に示すように、上記両駒部材201,202にはピン2
01c,202cが植設されており、該各ピン201
c,202cに上記切欠部176jが係合している。こ
こで、ずれ規制が行われるべき上記前後方向(矢印Y方
向及びその反対方向)における上記各ピン201c,2
02c及び各切欠部176jの寸法はほぼ同じ(但し、
ピン201c,202cの寸法の方が僅かに小さい)に
設定されており、これによってフレーム押え176のず
れが規制され、リードフレームL\Fのボンディング対
象部位が高い精度を以て押圧同定される。
【0223】また、当該ワイヤボンディング装置におい
ては、前述したように、上記各駒部材201,202の
うち可動であるべき駒部材202については、上記中継
部材178に対して弾性部材としての板ばね205を介
して取り付けられ、該板ばね205の撓みによって該駒
部材202が移動(揺動)し、該板ばね205が上記付
勢手段として作用するようになされている。すなわち、
該板ばね205をして、可動であるべき上記駒部材20
2を中継部材178に対して可動に取り付けるための手
段と、付勢力を生ずる付勢手段との2つの機能を持たせ
るべく共用しているのである。これによって、部品点数
が少なく抑えられる。
【0224】図46及び図47は、図2乃至図15に示
した構成について該構成に含まれる各部材を概念的に細
い線状にして略記して示したスケルトン図である。この
スケルトン図は、三角法等に基づく作図のみにては複雑
で判読が困難な構成について、その理解を促すために試
みに作成したものであり、下記のように自ら定めた画法
規則に基づき描いている。 (画法規制) (1)原則として、単一の視点から観た図とする。 (2)単一の部材または部材群を一本の実線にて示す。
但し、構成の理解が容易となるのであればこの限りでな
く、注釈文等を補足することなどにより、必要に応じた
適宜の記載を許容する。 (3)参照符号(または部材名称)を併記する。 (4)部材の性質、状態、部材間の相互関係、運動形態
等を別表1乃至3のごときシンボルを用いて表わす。な
お、この場合、既存シンボルとの整合性に留意する。 (5)スケルトン図(略記図)から通常の投影図又は斜
視図への復元可能性(可逆性)を要求しない。 (6)発明概念に関する部分の機能を重視した抽象化及
び省略を許容する。
【表1】
【表2】
【表3】
【0225】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板(L\F)のボンディング対象部位に当接してこれ
をボンディングステージ(255)に対して押圧するた
めの押圧部材(176)が、支持機構(101)に対し
て(実施例においては中継部材178に対して)係止手
段によって着脱自在に装着され、該係止手段は、該押圧
部材の複数の部位(176c)に対応して該押圧部材及
び支持機構の少なくともいずれか一方に設けられ且つそ
の少なくとも1が他に対して近接離間可能とされた複数
の係止部(201、202)と、この可動な係止部(2
02)を他の係止部(201)に対して近接若しくは離
間する方向に付勢する付勢手段(205、206)とか
らなる。上記構成においては、上記支持機構に対する押
圧部材の装着時、押圧部材の一方の部位に対応して設け
られた上記可動な係止部(202)を、上記付勢手段に
よる付勢力に抗して移動させるようにしつつ、押圧部材
の他方の部位に対応して設けられた他の係止部(20
1)を係合させれば、押圧部材が上記付勢手段による付
勢によって復動し、以て押圧部材の両部位が係止され
る。また押圧部材を支持機構から取り外す場合もこれと
同様である。かかる構成の故、押圧部材の着脱を迅速に
且つ、工具等を何等必要とすることなく行え、作業性、
生産性の向上が達成される。また、本発明によるボンデ
ィング装置においては、上記係止部各々は、上記押圧部
材に形成された基準面(176g)が当接すべく上記支
持機構側に形成された装着基準面(178j)若しくは
その近傍に取り付けられた駒部材(201、202)か
らなり、該駒部材各々には、自体以外の駒部材から離間
する方向に向って該装着基準面に漸次近づくように形成
された傾斜面(201a、202a)が設けられ、上記
押圧部材には、該傾斜面に当接する当接面(176i)
が形成され、該押圧部材は上記付勢手段により付与され
る付勢力を以て該傾斜面と上記装着基準面とによって挾
持される。このように、押圧部材は支持機構側に形成さ
れた上記装着基準面に自体の基準面を当接させて装着さ
れ、しかも、上記駒部材に対する押圧部材の接触状態は
傾斜面同士による面接触であるため、取付誤差の発生が
なく、信頼性が高められている。更に、本発明によるボ
ンディング装置においては、上記支持機構に対する押圧
部材の、上記近接離間の方向に対して垂直な方向におけ
る移動、すなわちずれを規制する規制手段(176j、
201c、202c)が設けられている。従って、基板
のボンディング対象部位が高い精度を以て押圧固定され
る。そして、本発明によるボンディング装置において
は、上記駒部材各々のうち可動であるべきもの(20
2)については上記支持機構に対して弾性部材(20
5)を介して取り付けられ、該弾性部材の撓みによって
該可動駒部材が移動し、該弾性部材が上記付勢手段とし
て作用するようになされている。すなわち、該弾性部材
をして、上記可動であるべき駒部材を上記支持機構に対
して可動に取り付けるための手段と、付勢力を生ずる付
勢手段との2つの機能を持たせるべく共用しているので
ある。これによって部品点数が少なく抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るワイヤボンディング装置
の平面図である。
【図2】図2は、図1におけるエリアJ内に装備された
構成の平面図である。
【図3】図3は、図2に関するA−A矢視図である。
【図4】図4は、図2に関するB−B矢視図である。
【図5】図5は、図2に関するC−C矢視図である。
【図6】図6は、図2に示した構成の一部の、一部断面
を含む平面図である。
【図7】図7は、図6に関し、一部断面を含むD−D矢
視図である。
【図8】図8は、図6に関し、一部断面を含むE−E矢
視図である。
【図9】図9は、図6に関するF−F矢視図である。
【図10】図10は、図6に関し、一部断面を含むG−
G矢視図である。
【図11】図11は、図1に示したワイヤボンディング
装置が具備するガイドレールの一部の拡大図である。
【図12】図12は、図11に関するQ−Q矢視図であ
る。
【図13】図13は、図1に示したワイヤボンディング
装置が具備するガイドレールの一部の拡大図である。
【図14】図14は、図13に関するR−R矢視図であ
る。
【図15】図15は、図1に示したワイヤボンディング
装置が具備したリードフレーム把持用の把持部材とこれ
らに把持されるべきリードフレームの一部を示す拡散分
解斜視図である。
【図16】図16は、図1に示したワイヤボンディング
装置が具備したヒータープレートの平面図である。
【図17】図17は、図16に示したヒータープレート
の縦断面図である。
【図18】図18は、図1に示したワイヤボンディング
装置が具備した支持機構の正面図である。
【図19】図19は、図18に示した支持機構の平面図
である。
【図20】図20は、図18に示した支持機構の右側面
図である。
【図21】図21は、図18に示した支持機構の左側面
図である。
【図22】図22は、図18に関するS−S断面図であ
る。
【図23】図23は、図1に示すワイヤボンディング装
置の一部の平面図である。
【図24】図24は、図23に関するT−T矢視図であ
る。
【図25】図25は、図23に関するU−U矢視図であ
る。
【図26】図26は、図25に関するW−W矢視図であ
る。
【図27】図27は、図1に示すワイヤボンディング装
置が具備する予備加熱用のヒータープレートの平面図で
ある。
【図28】図28は、図27に示したヒータープレート
の縦断面図である。
【図29】図29は、図27に示したヒータープレート
の右側面図である。
【図30】図30は、図27乃至図29に示したヒータ
ープレートの取付構造を示す一部断面を含む正面図であ
る。
【図31】図31は、図30に示した構成に含まれるヒ
ーターブロックの一部の斜視図である。
【図32】図32は、図30に示した構成において、ヒ
ータープレートを取り付ける際の動作説明図である。
【図33】図33は、図1に示したワイヤボンディング
装置の一部の一部断面を含む右側面図である。
【図34】図34は、図33に関するL1 −L1 矢視図
である。
【図35】図35は、図34に関するL2 −L2 矢視図
である。
【図36】図36は、図34に関するL3 −L3 矢視図
である。
【図37】図37は、図34に関するL4 −L4 矢視図
である。
【図38】図38は、図37に示した構成についての動
作説明図である。
【図39】図39は、図1に示したワイヤボンディング
装置が具備するフレーム押えの平面図である。
【図40】図40は、図39に示したフレーム押えの縦
断面図である。
【図41】図41は、図40における部分I3 の拡大図
である。
【図42】図42は、図33における部分I1 の拡大図
である。
【図43】図43は、図33における部分I2 の拡大図
である。
【図44】図44は、図42に示した構成に関する動作
説明図である。
【図45】図45は、図43に示した構成に関する動作
説明図である。
【図46】図46は、図2に示したエリアJの構成の一
部を概念的にスケルトン図として描いた斜視図である。
【図47】図47は、図2に示したエリアJの構成の一
部を概念的にスケルトン図として描いた斜視図である。
【図48】図48は、従来のワイヤボンディング装置の
平面図である。
【図49】図49は、取り扱われるリードフレームの平
面図である。
【図50】図50は、図49におる部分Pの拡大図であ
る。
【図51】図51は、図48に示したワイヤボンディン
グ装置の一部の斜視図である。
【符号の説明】
2 ガイドレール 2a 水平案内面 2b 下側ブロック 2c 水平案内面 2d 上側プレート 2e 鉛直案内面 2f テーパ面 2g ボールベアリング 2i 貫通孔 3 ガイドレール 6 分割レール 6e、6f 水平案内面 6g 鉛直案内面 7 分割レール 9 基体部 11a トラックレール 11b スライダ 12a トラックレール 12b スライダ 14、15 可動フレーム 17 補助フレーム 18、19 ブラケット 21、22 案内部材駆動手段 24a、24b,24c、24d、24e センサ 26 把持機構 26a、26b 把持部材 26c、26d 爪部 26e、26f 本体 26g、26h 突部 26i、26j ボールベアリング 26k 小ブラケット 26m トラックレール 26n スライダ 26p、26q ピン 27 把持機構 27a、27b 把持部材 30 可動ブラケット 31a トラックレール 31b スライダ 33 小ブラケット 34 ボールベアリング 36 移動部材 39 ボールねじ軸 40 パルスモータ 42 ナット 45a パルスモータ 45b ブラケット 45c 出力軸 45d、45e カム部材 45f 光センサ 45g、45h 揺動ブラケット 45i ピン 45j、45k 中間部材 45m、45n ボールベアリング 45o、45p シャフト 45q ピン 45r、45s コイルスプリング 45t ピン 45u、45v コイルスプリング 45w 光透過孔 48 開閉手段 50 (リードフレーム搬送の)基
準位置(レベル) 51 リードフレーム搬送路の中心 52 ボンディング作業位置 61 フレーム送出手段 64 ヒータブロック 101 支持機構 102 フレーム 104 可動支持部材A 105 可動支持部材B 109 中間部材 110 スライドシャフト 111 リニアボールベアリング 113 スライドシャフト 114 リニアボールベアリング 116 中間プレート 117 断熱部材 119、120 ボールベアリング 122 中継部材 124、125 カム部材 127 スピンドル 129 パルスモータ 131、132 コイルスプリング 134、135 歯付ベルト車 136 歯付ベルト 138 アドレスプレート 139 光センサ 141 遮光プレート 142 光センサ 145 予備加熱手段 146 主加熱手段 148 ヒータプレート 148a 当接面 148b 延出部 148c 傾斜面 148e、148f 凹部 148g 基準面 149 ヒーターブロック 149a、149b 凹部 149c 凹部 149d 装着基準面 150 フレーム 152 ブラケット 153 中間プレート 154、157 断熱部材 158 中間プレート 159 支持ブロック 162 支持ピン 164 コイルスプリング 164a 座金 167 ねじ 167a 斜面(当接面) 169 駒部材 169a 傾斜面 170 駒部材 170a 水平部 170b 鉛直部 170c 斜状部 170d 傾斜面 171、172 ねじ 176 フレーム押え(押圧部材) 176a 水平部 176b 鉛直部 176c 延出部 176d 開口部 176e 当接部材 176g 基準面 176i 当接面 176j 切欠部 178 中継部材 178c 開口部 178d 延出部 178e 球面 178f 延出部 178h 球面 178j 装着基準面 181、182、184、185 ブラ
ケット 186 アーム部材 186c スリット 186d 延出部 186e 孔 189 ストッパ 189a 延出部 189b 孔 190 鋼球 191 板ばね 192 ねじ 194 鋼球 195 板ばね 196 ねじ 201、202 駒部材 204 ねじ 205 板ばね 206 コイルスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−45660(JP,A) 特開 昭62−155526(JP,A) 特開 平7−58144(JP,A) 実開 昭62−147341(JP,U) 特許2996877(JP,B2) 特許3029377(JP,B2) 特許3139919(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/60 H01L 21/52

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボンディングステージ上に位置決めされ
    た基板のボンディング対象部位を押圧固定手段によって
    前記ボンディングステージに対して押圧固定した状態に
    てボンディング手段によりボンディング接続を行うボン
    ディング装置において、前記 押圧固定手段は、前記ボンディング対象部位に当接
    してこれを押圧するための押圧部材と、前記押圧部材及
    び前記ボンディングステージを相対的に近接離間自在に
    支持する支持機構と、前記押圧部材及びボンディングス
    テージを接離させるべく駆動すると共に近接時に押圧力
    を付与する駆動手段とを有し、前記押圧部材は前記支持
    機構に対して係止手段によって着脱自在に装着され、前記 係止手段は、第1の駒部材と第2の駒部材とからな
    り、第1の駒部材は支持機構に固定され、第2の駒部材
    は、その端部が板バネを介して前記支持機構に取り付け
    られると共に、第2の駒部材と前記支持機構とがコイル
    スプリングによって係止されて接離可能に構成され、前
    記押圧部材が板バネ及びコイルスプリングにより付与さ
    れる付勢力により第1の駒部材、第2の駒部材及び支持
    機構とによって挾持される構成としたことを特徴とする
    ボンディング装置。
  2. 【請求項2】 基板のボンディング対象部位に当接して
    これをボンディングステージに対して押圧するための押
    圧部材と、前記押圧部材及び前記ボンディングステージ
    を相対的に近接離間自在に支持する支持機構と、前記
    圧部材及びボンディングステージを接離させるべく駆動
    すると共に近接時に押圧力を付与する駆動手段とを有
    し、前記押圧部材は前記支持機構に対して係止手段によ
    って着脱自在に装着され、前記 係止手段は、第1の駒部材と第2の駒部材とからな
    り、第1の駒部材は支持機構に固定され、第2の駒部材
    は、その端部が板バネを介して前記支持機構に取り付け
    られると共に、第2の駒部材と前記支持機構とがコイル
    スプリングによって係止されて接離可能に構成され、前
    記押圧部材が板バネ及びコイルスプリングにより付与さ
    れる付勢力により第1の駒部材、第2の駒部材及び支持
    機構とによって挾持される構成としたことを特徴とする
    基板押圧固定機構。
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