JP3427331B2 - 冷凍生地改良剤 - Google Patents
冷凍生地改良剤Info
- Publication number
- JP3427331B2 JP3427331B2 JP03750995A JP3750995A JP3427331B2 JP 3427331 B2 JP3427331 B2 JP 3427331B2 JP 03750995 A JP03750995 A JP 03750995A JP 3750995 A JP3750995 A JP 3750995A JP 3427331 B2 JP3427331 B2 JP 3427331B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gluten
- minutes
- oil
- fat
- acid monoglyceride
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パン、イーストドーナ
ッツ、クロワッサンなどのイースト発酵食品の冷凍生地
用改良剤組成物に関するものである。
ッツ、クロワッサンなどのイースト発酵食品の冷凍生地
用改良剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製菓・製パン業界では、冷凍もしくは冷
蔵された低温保存生地を使用したオーブンフレッシュ店
の展開が行われている。また、最近ではこの様な低温保
存生地が市版されてきており、リテールベーカリーや小
規模ベーカリーにおいても省力化の目的で利用されてき
ている。特に、成形後に凍結保存された冷凍生地は、以
後の工程が解凍、ホイロ、焼成のみと扱いが簡便な上、
わずかな設備、店舗面積で済むなどの利点がある。
蔵された低温保存生地を使用したオーブンフレッシュ店
の展開が行われている。また、最近ではこの様な低温保
存生地が市版されてきており、リテールベーカリーや小
規模ベーカリーにおいても省力化の目的で利用されてき
ている。特に、成形後に凍結保存された冷凍生地は、以
後の工程が解凍、ホイロ、焼成のみと扱いが簡便な上、
わずかな設備、店舗面積で済むなどの利点がある。
【0003】しかしながら、冷凍生地は、特に凍結およ
び解凍時に、氷結晶の成長や凍結変性によるグルテンの
三次元構造の破壊、さらには凍結および解凍時や凍結保
存中に凍結障害を受けたイーストから漏洩するグルタチ
オンなどの還元物質によるグルテンの軟化が起こり易
い。このようなグルテンの損傷により、冷凍生地では、
焼成後の製品のボリュームダウンや腰折れなどの現象が
起こることが知られている。
び解凍時に、氷結晶の成長や凍結変性によるグルテンの
三次元構造の破壊、さらには凍結および解凍時や凍結保
存中に凍結障害を受けたイーストから漏洩するグルタチ
オンなどの還元物質によるグルテンの軟化が起こり易
い。このようなグルテンの損傷により、冷凍生地では、
焼成後の製品のボリュームダウンや腰折れなどの現象が
起こることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この問題の解決には、
例えば冷凍耐性イーストの使用、イーストの増量、イー
ストの凍結前発酵の防止などの方法や、グルテンを強化
する目的で、吸水調整、酸化剤の添加、乳化剤特にジア
セチル酒石酸モノグリセリドの添加が行われている。し
かし、単純に添加するだけでは効果は薄く、他の添加物
との併用(特開昭63−079552号、特開平2−1
50229号、特開平4−234938号)や添加方法
の工夫(特開昭61−152226号、特開昭61−1
62126号、特開平1−171430号)が提案され
ている。
例えば冷凍耐性イーストの使用、イーストの増量、イー
ストの凍結前発酵の防止などの方法や、グルテンを強化
する目的で、吸水調整、酸化剤の添加、乳化剤特にジア
セチル酒石酸モノグリセリドの添加が行われている。し
かし、単純に添加するだけでは効果は薄く、他の添加物
との併用(特開昭63−079552号、特開平2−1
50229号、特開平4−234938号)や添加方法
の工夫(特開昭61−152226号、特開昭61−1
62126号、特開平1−171430号)が提案され
ている。
【0005】上記特開昭63−079552号ではジア
セチル酒石酸モノグリセリドをそのまま添加しただけな
ので、効果が十分に発揮されないために、添加量が0.
2〜0.5%と多く、0.2%以下では目的が達成され
ていない。上記特開平2−150229号でも、同じく
ジアセチル酒石酸モノグリセリドの添加量が多く、ホイ
ロ後冷凍生地への利用も満足できるものではない。ま
た、グルテンの機能向上を目的とし乳化剤の添加法を工
夫した特許が提案されているが(特開昭61−1522
26号、特開昭61−162126号)、いずれも水系
でグルテンと乳化剤を混合しており、本願とは方法が異
なる。前者は生グルテンに乳化剤を加える方法であり、
均一な混合と攪拌エネルギーの面で問題があり、後者は
グルテンに乳化剤水和物を加える方法であるが乾燥コス
トがかかる。また、乳化状態での添加も提案されている
(特開昭1−171430号)が、保存性の面から取り
扱いが難しい。以上のように、いずれも満足できるもの
ではなく研究が継続されているのが現状である。
セチル酒石酸モノグリセリドをそのまま添加しただけな
ので、効果が十分に発揮されないために、添加量が0.
2〜0.5%と多く、0.2%以下では目的が達成され
ていない。上記特開平2−150229号でも、同じく
ジアセチル酒石酸モノグリセリドの添加量が多く、ホイ
ロ後冷凍生地への利用も満足できるものではない。ま
た、グルテンの機能向上を目的とし乳化剤の添加法を工
夫した特許が提案されているが(特開昭61−1522
26号、特開昭61−162126号)、いずれも水系
でグルテンと乳化剤を混合しており、本願とは方法が異
なる。前者は生グルテンに乳化剤を加える方法であり、
均一な混合と攪拌エネルギーの面で問題があり、後者は
グルテンに乳化剤水和物を加える方法であるが乾燥コス
トがかかる。また、乳化状態での添加も提案されている
(特開昭1−171430号)が、保存性の面から取り
扱いが難しい。以上のように、いずれも満足できるもの
ではなく研究が継続されているのが現状である。
【0006】ジアセチル酒石酸モノグリセリドの使用方
法としては、粉末を直接あるいは改良剤に混合してから
添加するやり方、あるいは酒石酸モノグリセリドを含む
マーガリン、ショートニング、乳化物を添加するやり方
があるが、いずれもジアセチル酒石酸モノグリセリドの
効果を十分に引き出すものではなかった。また、後者の
方法では油脂含量が多様な各種ベーカリー製品にたいし
て汎用性の点で劣るという欠点があった。そこで、本発
明者はジアセチル酒石酸モノグリセリドの効果的使用法
を検討し、汎用性の高い改良剤を開発することを目的と
した。
法としては、粉末を直接あるいは改良剤に混合してから
添加するやり方、あるいは酒石酸モノグリセリドを含む
マーガリン、ショートニング、乳化物を添加するやり方
があるが、いずれもジアセチル酒石酸モノグリセリドの
効果を十分に引き出すものではなかった。また、後者の
方法では油脂含量が多様な各種ベーカリー製品にたいし
て汎用性の点で劣るという欠点があった。そこで、本発
明者はジアセチル酒石酸モノグリセリドの効果的使用法
を検討し、汎用性の高い改良剤を開発することを目的と
した。
【0007】
【課題を解決するための手段】そしてついに、本発明者
はジアセチル酒石酸モノグリセリドを固体油に包含した
形でグルテン表面に付着あるいはコーティングさせるこ
とにより、ジアセチル酒石酸モノグリセリドの冷凍生地
改良効果が著しく向上することを見いだし、本発明を完
成した。
はジアセチル酒石酸モノグリセリドを固体油に包含した
形でグルテン表面に付着あるいはコーティングさせるこ
とにより、ジアセチル酒石酸モノグリセリドの冷凍生地
改良効果が著しく向上することを見いだし、本発明を完
成した。
【0008】すなわち本発明はジアセチル酒石酸モノグ
リセリドを上昇融点が30〜50℃の固形油脂に包括し
た形で付着させたグルテンを配合することを特徴とする
冷凍生地改良剤である。
リセリドを上昇融点が30〜50℃の固形油脂に包括し
た形で付着させたグルテンを配合することを特徴とする
冷凍生地改良剤である。
【0009】本発明で使用する固形油脂は動物脂、植物
油脂またはこれらを水添したものなど、起源は問わない
が、上昇融点〔基準油脂分析試験法2.3.4.2−9
0(日本油化学協会編)に従って測定する。〕が30〜
50℃のものである。ジアセチル酒石酸モノグリセリド
を上記固形油脂に包括した形にするためにジアセチル酒
石酸モノグリセリドは、予め固体油脂に溶解しておく必
要がある。固体油脂とジアセチル酒石酸モノグリセリド
の比は1:0.05〜1である。ジアセチル酒石酸モノ
グリセリドの対粉添加量は0.05〜0.2%である。
グルテンとしては一般の小麦活性グルテンが用いられる
が、還元処理グルテンなどの修飾グルテンも用いること
ができる。
油脂またはこれらを水添したものなど、起源は問わない
が、上昇融点〔基準油脂分析試験法2.3.4.2−9
0(日本油化学協会編)に従って測定する。〕が30〜
50℃のものである。ジアセチル酒石酸モノグリセリド
を上記固形油脂に包括した形にするためにジアセチル酒
石酸モノグリセリドは、予め固体油脂に溶解しておく必
要がある。固体油脂とジアセチル酒石酸モノグリセリド
の比は1:0.05〜1である。ジアセチル酒石酸モノ
グリセリドの対粉添加量は0.05〜0.2%である。
グルテンとしては一般の小麦活性グルテンが用いられる
が、還元処理グルテンなどの修飾グルテンも用いること
ができる。
【0010】グルテンに対する油脂分の添加方法はレデ
ィゲ、リボンなどの適切なミキサーにグルテンを投入し
て攪拌しながら溶解した油脂分をスプレーする方法、あ
るいは予めホイップした油脂分を添加し攪拌し混合する
方法などがあり、均一かつダマが発生しない方法であれ
ばよい。また、グルテンは他の粉体で希釈しておいても
よいが、粉体中のグルテン量が10%より少なくなると
ジアセチル酒石酸モノグリセリドの効果が減じる。
ィゲ、リボンなどの適切なミキサーにグルテンを投入し
て攪拌しながら溶解した油脂分をスプレーする方法、あ
るいは予めホイップした油脂分を添加し攪拌し混合する
方法などがあり、均一かつダマが発生しない方法であれ
ばよい。また、グルテンは他の粉体で希釈しておいても
よいが、粉体中のグルテン量が10%より少なくなると
ジアセチル酒石酸モノグリセリドの効果が減じる。
【0011】本発明の原理は、硬い結晶を形成するジア
セチル酒石酸モノグリセリドを適度な可塑性を有する固
体脂の結晶中に包含することにより作用を促進させ、か
つグルテンとジアセチル酒石酸モノグリセリドを直接接
触存在させることで効率的なグルテンネットワークの強
化につながっているものと考えられる。
セチル酒石酸モノグリセリドを適度な可塑性を有する固
体脂の結晶中に包含することにより作用を促進させ、か
つグルテンとジアセチル酒石酸モノグリセリドを直接接
触存在させることで効率的なグルテンネットワークの強
化につながっているものと考えられる。
【0012】本発明の改良剤は以上に示した油脂分が付
着したグルテンが主成分となるが、必要に応じてグルコ
ース、アスコルビン酸、グアガム、キサンタンガムなど
の増粘多糖類、アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、グルコー
スオキシダーゼなどの酵素剤などを併用することができ
る。すなわち本発明の冷凍生地改良剤は、ジアセチル酒
石酸モノグリセリドを上昇融点が30〜50℃の固形油
脂に包括した形で付着させたグルテンに、アスコルビン
酸および/またはグルコースおよび/または酵素剤を併
用したものを好ましい態様として包含している。
着したグルテンが主成分となるが、必要に応じてグルコ
ース、アスコルビン酸、グアガム、キサンタンガムなど
の増粘多糖類、アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、グルコー
スオキシダーゼなどの酵素剤などを併用することができ
る。すなわち本発明の冷凍生地改良剤は、ジアセチル酒
石酸モノグリセリドを上昇融点が30〜50℃の固形油
脂に包括した形で付着させたグルテンに、アスコルビン
酸および/またはグルコースおよび/または酵素剤を併
用したものを好ましい態様として包含している。
【0013】改良剤の組成は各成分の小麦粉など穀粉に
対する以下の添加量を目安に設計すればよい。各成分の
対粉添加量はグルテン0.5〜5%、グルコース0〜
0.5%、アスコルビン酸50〜500ppm、増粘多
糖類0〜2%、酵素剤5〜500ppmが望ましい。
対する以下の添加量を目安に設計すればよい。各成分の
対粉添加量はグルテン0.5〜5%、グルコース0〜
0.5%、アスコルビン酸50〜500ppm、増粘多
糖類0〜2%、酵素剤5〜500ppmが望ましい。
【0014】
【実施例】本発明を実施例によって説明する。本発明は
この実施例によって何ら限定されない。
この実施例によって何ら限定されない。
【0015】実施例1
バイタルグルテン(昭和産業(株)製パウダーグルA)
17kg、グルコース3.5kg、アスコルビン酸0.
3kgをリボンミキサーに投入し、2分間予備混合し
た。攪拌混合を続けつつ、これに加熱溶解した油脂6k
g〔食用加工油脂(プレミックスオイル300、昭和産
業(株)製、上昇融点34℃)3.75kg+ジアセチ
ル酒石酸モノグリセリド(アドムル・ダーテム1117
クエスト社)2.25kg〕を噴霧した後、予め予備混
合したバイタルグルテン1kg、グルコース1kg、グ
ルコースオキシダーゼ製剤(天野製薬(株)製ハイデラ
ーゼ)60gを加え、均一になるまで混合し改良剤を調
製した。
17kg、グルコース3.5kg、アスコルビン酸0.
3kgをリボンミキサーに投入し、2分間予備混合し
た。攪拌混合を続けつつ、これに加熱溶解した油脂6k
g〔食用加工油脂(プレミックスオイル300、昭和産
業(株)製、上昇融点34℃)3.75kg+ジアセチ
ル酒石酸モノグリセリド(アドムル・ダーテム1117
クエスト社)2.25kg〕を噴霧した後、予め予備混
合したバイタルグルテン1kg、グルコース1kg、グ
ルコースオキシダーゼ製剤(天野製薬(株)製ハイデラ
ーゼ)60gを加え、均一になるまで混合し改良剤を調
製した。
【0016】この改良剤を用い、下記の(1)配合、
(2)工程により、冷凍バターロールを調製し、評価し
た。結果を表1に示した。 (1)配合 パン用強力粉 100部 砂糖 10 冷凍用イースト 5部 食塩 1.8 全卵 10 脱脂粉乳 3 イーストフード 0.1 ショートニング 5 改良剤 2 マーガリン 5 水 45
(2)工程により、冷凍バターロールを調製し、評価し
た。結果を表1に示した。 (1)配合 パン用強力粉 100部 砂糖 10 冷凍用イースト 5部 食塩 1.8 全卵 10 脱脂粉乳 3 イーストフード 0.1 ショートニング 5 改良剤 2 マーガリン 5 水 45
【0017】
(2)工程
ミキシング:低速4分中速2分高速2分,↓油脂,低速2分中速2分高速3分
捏上温度 :2℃ フロア :20℃,20分
分割 :40g ベンチ :20℃,15分
成形 :バターロール型 凍結 :−30℃,50分
保存 :−18℃,1カ月 解凍 :25℃,60分
発酵 :38℃,60分 焼成 :180℃,12分
【0018】比較例1
バイタルグルテン(昭和産業(株)製パウダーグルA)
17kg、グルコース3.5kg、アスコルビン酸0.
3kgをリボンミキサーに投入し、2分間予備混合し
た。攪拌混合を続けつつ、これに加熱溶解した食用加工
油脂(プレミックスオイル300、昭和産業(株)製、
上昇融点34℃)3.75kgを噴霧した後、予め予備
混合した微粉末のジアセチル酒石酸モノグリセリド(ア
ドムル・ダーテム1117クエスト社)2.25kg、
バイタルグルテン1kg、グルコース1kg、グルコー
スオキシダーゼ製剤(天野製薬(株)製ハイデラーゼ)
60gを添加し、改良剤を調製した。この改良剤を用
い、以下実施例1と同様に冷凍バターロール生地を調製
した。表1に結果を示した。
17kg、グルコース3.5kg、アスコルビン酸0.
3kgをリボンミキサーに投入し、2分間予備混合し
た。攪拌混合を続けつつ、これに加熱溶解した食用加工
油脂(プレミックスオイル300、昭和産業(株)製、
上昇融点34℃)3.75kgを噴霧した後、予め予備
混合した微粉末のジアセチル酒石酸モノグリセリド(ア
ドムル・ダーテム1117クエスト社)2.25kg、
バイタルグルテン1kg、グルコース1kg、グルコー
スオキシダーゼ製剤(天野製薬(株)製ハイデラーゼ)
60gを添加し、改良剤を調製した。この改良剤を用
い、以下実施例1と同様に冷凍バターロール生地を調製
した。表1に結果を示した。
【0019】比較例2
ジアセチル酒石酸モノグリセリド(アドムル・ダーテム
1117クエスト社)3kgと食用加工油脂(プレミッ
クスオイル300、昭和産業(株)製)5kgを加熱混
合したものを噴霧冷却し、粉末油脂を調製した。バイタ
ルグルテン(昭和産業(株)製パウダーグルA)18k
g、グルコース4.5kg、アスコルビン酸0.3k
g、粉末油脂6kg、グルコースオキシダーゼ製剤(天
野製薬(株)製ハイデラーゼ)60gをリボンミキサー
に投入し、改良剤を調製した。この改良剤を用い、以下
実施例1と同様に冷凍バターロール生地を調製した。表
1に結果を示した。
1117クエスト社)3kgと食用加工油脂(プレミッ
クスオイル300、昭和産業(株)製)5kgを加熱混
合したものを噴霧冷却し、粉末油脂を調製した。バイタ
ルグルテン(昭和産業(株)製パウダーグルA)18k
g、グルコース4.5kg、アスコルビン酸0.3k
g、粉末油脂6kg、グルコースオキシダーゼ製剤(天
野製薬(株)製ハイデラーゼ)60gをリボンミキサー
に投入し、改良剤を調製した。この改良剤を用い、以下
実施例1と同様に冷凍バターロール生地を調製した。表
1に結果を示した。
【0020】比較例3
食用加工油脂を除いて、実施例1と同様に改良剤を調製
した。この改良剤を用い、以下実施例1と同様に冷凍バ
ターロール生地を調製した。表1に結果を示した。
した。この改良剤を用い、以下実施例1と同様に冷凍バ
ターロール生地を調製した。表1に結果を示した。
【0021】
【表1】
【0022】実施例1と比較例1で用いた改良剤は化学
的には全く同じ組成であるが、効果の点では、顕著な差
が見られる。比較例1では油脂分のみグルテンに付着し
ておりグルテンとジアセチル酒石酸モノグリセリドは独
立して存在する。本発明の実施例1では油脂結晶中に包
含されたジアセチル酒石酸モノグリセリドがグルテンに
付着することで効率良く作用するため効果を発揮するも
のと考えられる。比較例2ではジアセチル酒石酸モノグ
リセリドは固体脂に包括されているが、グルテンには付
着していないので効果が小さいと思われる。比較例3は
ジアセチル酒石酸モノグリセリドのみグルテンに付着さ
せたものであるが、おそらくグルテン表面での伸展性に
劣るため十分な効果が発揮できないものと思われる。
的には全く同じ組成であるが、効果の点では、顕著な差
が見られる。比較例1では油脂分のみグルテンに付着し
ておりグルテンとジアセチル酒石酸モノグリセリドは独
立して存在する。本発明の実施例1では油脂結晶中に包
含されたジアセチル酒石酸モノグリセリドがグルテンに
付着することで効率良く作用するため効果を発揮するも
のと考えられる。比較例2ではジアセチル酒石酸モノグ
リセリドは固体脂に包括されているが、グルテンには付
着していないので効果が小さいと思われる。比較例3は
ジアセチル酒石酸モノグリセリドのみグルテンに付着さ
せたものであるが、おそらくグルテン表面での伸展性に
劣るため十分な効果が発揮できないものと思われる。
【0023】以上のようにジアセチル酒石酸モノグリセ
リドは存在形態により効果が著しく異なり、固体脂によ
る包括とグルテンへの付着が必須の要件であることが分
かった。
リドは存在形態により効果が著しく異なり、固体脂によ
る包括とグルテンへの付着が必須の要件であることが分
かった。
【0024】実施例2
バイタルグルテン(昭和産業(株)製パウダーグルA)
18kg、グルコース3kgをリボンミキサーに投入
し、2分間予備混合した。攪拌混合を続けつつ、これに
60℃に加熱溶解した油脂5kg〔食用加工油脂(プレ
ミックスオイル300、昭和産業(株)製、上昇融点3
4℃)3kg+ジアセチル酒石酸モノグリセリド(アド
ムル・ダーテム1935クエスト社)2kg〕を噴霧し
た後、予め予備混合していおいたグルコース1kg、ア
スコルビン酸0.2kg、グアガム0.4kg、α−ア
ミラーゼ製剤(レーム社製ベロンGX)20gをミキサ
ーに投入し、均一になるまで混合し改良剤を調製した。
18kg、グルコース3kgをリボンミキサーに投入
し、2分間予備混合した。攪拌混合を続けつつ、これに
60℃に加熱溶解した油脂5kg〔食用加工油脂(プレ
ミックスオイル300、昭和産業(株)製、上昇融点3
4℃)3kg+ジアセチル酒石酸モノグリセリド(アド
ムル・ダーテム1935クエスト社)2kg〕を噴霧し
た後、予め予備混合していおいたグルコース1kg、ア
スコルビン酸0.2kg、グアガム0.4kg、α−ア
ミラーゼ製剤(レーム社製ベロンGX)20gをミキサ
ーに投入し、均一になるまで混合し改良剤を調製した。
【0025】この改良剤を用い、以下の(3)配合、
(4)工程〔HMライン(レオン自動機(株)製)を用
いる。〕で常法により冷凍クロヮッサン生地を製造し
た。結果を表2に示した。
(4)工程〔HMライン(レオン自動機(株)製)を用
いる。〕で常法により冷凍クロヮッサン生地を製造し
た。結果を表2に示した。
【0026】
(3)配合
パン用強力粉 100部 マーガリン 5部
砂糖 10 改良剤 2
食塩 1.5 加水 45
脱脂粉乳 3 液卵 10
冷凍用イースト 5 ロールイン用油脂 64
【0027】
(4)工程
ミキシング :低速3分高速1分,↓油脂,低速3分高速6分
捏上温度 :22℃
フロア :20℃,10分
分割 :5.7kg
リターディング :−25℃,30分、−2℃,90分
ロールイン :六つ折り
2回目リターディング:−25℃,30分、−2℃,90分
成形 :四つ折り
凍結 :−35℃,60分 保存 :−20℃,1カ月
解凍 :25℃,60分 発酵 :38℃,60分
焼成 :200℃,12分
【0028】実施例3
食用加工油脂としてショートニングSW(日本油脂
(株)製、上昇融点43℃)を用いた他は実施例2と同
様に改良剤を調製し、冷凍クロワッサン生地を製造し
た。結果を表2に示した。
(株)製、上昇融点43℃)を用いた他は実施例2と同
様に改良剤を調製し、冷凍クロワッサン生地を製造し
た。結果を表2に示した。
【0029】比較例4
食用加工油脂の替わりに大豆サラダ油(昭和産業(株)
製、液体油)を用いた他は実施例2と同様に改良剤を調
製し、冷凍クロワッサン生地を製造した。結果を表2に
示した。
製、液体油)を用いた他は実施例2と同様に改良剤を調
製し、冷凍クロワッサン生地を製造した。結果を表2に
示した。
【0030】比較例5
食用加工油脂として粉末油脂(日本油脂(株)製TP−
9、上昇融点62℃)を用い、油脂の加温を70℃とし
た他は実施例2と同様に改良剤を調製し、冷凍クロワッ
サン生地を製造した。結果を表2に示した。
9、上昇融点62℃)を用い、油脂の加温を70℃とし
た他は実施例2と同様に改良剤を調製し、冷凍クロワッ
サン生地を製造した。結果を表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】比較例4、5に示した様に固形脂の替わり
に大豆油の様な液体油を用いたり、固体脂でも非常に硬
度の高いものを用いると冷凍生地の保存性が低下する。
液体油の場合は噴霧後にジアセチル酒石酸モノグリセリ
ドと固液分離が生じるため、油脂とジアセチル酒石酸モ
ノグリセリドを別々に添加したのに似た状態となり効果
が減じるものと考えられる。また、硬度が高すぎる場合
は生地中での分散、浸透に難があるものと推定される。
に大豆油の様な液体油を用いたり、固体脂でも非常に硬
度の高いものを用いると冷凍生地の保存性が低下する。
液体油の場合は噴霧後にジアセチル酒石酸モノグリセリ
ドと固液分離が生じるため、油脂とジアセチル酒石酸モ
ノグリセリドを別々に添加したのに似た状態となり効果
が減じるものと考えられる。また、硬度が高すぎる場合
は生地中での分散、浸透に難があるものと推定される。
【0033】実施例4
バイタルグルテン(昭和産業(株)製パウダーグルA)
6kgをレディゲミキサー(松坂技研(株)製M−2
0)に投入し、攪拌混合を続けつつ、これに予めホイッ
プした油脂〔食用加工油脂(プレミックスオイル30
0、昭和産業(株)製、上昇融点34℃)1.5kg+
ジアセチル酒石酸モノグリセリド(サンソフトNo.6
41)0.25kg〕を噴霧した。これに予め別に予備
混合していおいたグルコース0.5kg、アスコルビン
酸0.1kg、α−アミラーゼ製剤(レーム社製ベロン
V)10gをミキサーに投入し、均一になるまで混合し
改良剤を調製した。
6kgをレディゲミキサー(松坂技研(株)製M−2
0)に投入し、攪拌混合を続けつつ、これに予めホイッ
プした油脂〔食用加工油脂(プレミックスオイル30
0、昭和産業(株)製、上昇融点34℃)1.5kg+
ジアセチル酒石酸モノグリセリド(サンソフトNo.6
41)0.25kg〕を噴霧した。これに予め別に予備
混合していおいたグルコース0.5kg、アスコルビン
酸0.1kg、α−アミラーゼ製剤(レーム社製ベロン
V)10gをミキサーに投入し、均一になるまで混合し
改良剤を調製した。
【0034】以下の(5)配合、(6)工程で、デニッ
シュペーストリーを作り、ホイロ後冷凍した。結果を表
3に示した。 (5)配合 強力粉 90部 液卵 10部 薄力粉 10 冷凍用イースト 8 砂糖 15 改良剤 2 ショートニング 10 加水 43 食塩 1.5 ロールイン用油脂 50 脱脂粉乳 3
シュペーストリーを作り、ホイロ後冷凍した。結果を表
3に示した。 (5)配合 強力粉 90部 液卵 10部 薄力粉 10 冷凍用イースト 8 砂糖 15 改良剤 2 ショートニング 10 加水 43 食塩 1.5 ロールイン用油脂 50 脱脂粉乳 3
【0035】(6)工程
ミキシング :低速3分高速1分 ↓油脂 低速3分
高速6分 捏上温度 :25℃ 第一発酵 :−30℃,30分、−2℃,90分 ロールイン :三つ折り×2 リターディング:−25℃,30分、−2℃,90分 成形 :三つ折り ホイロ :35℃,80分 凍結 :−35℃,60分 保存 :−20℃,1カ月 解凍 :25℃,60分 焼成 :200℃,12分
高速6分 捏上温度 :25℃ 第一発酵 :−30℃,30分、−2℃,90分 ロールイン :三つ折り×2 リターディング:−25℃,30分、−2℃,90分 成形 :三つ折り ホイロ :35℃,80分 凍結 :−35℃,60分 保存 :−20℃,1カ月 解凍 :25℃,60分 焼成 :200℃,12分
【0036】比較例6
(ジアセチル酒石酸モノグリセリド含有の従来技術改良
剤との比較)特開平2−150229の実施例7,8記
載の改良剤を使用し、実施例4と同様にデニッシュペー
ストリーを作り、ホイロ後冷凍した。結果を表3に示し
た。
剤との比較)特開平2−150229の実施例7,8記
載の改良剤を使用し、実施例4と同様にデニッシュペー
ストリーを作り、ホイロ後冷凍した。結果を表3に示し
た。
【0037】
【表3】
【0038】実施例4は比較例6に比べて格段の効果が
見られた。さらに、本発明によれば、一般的な冷凍生地
製造だけでなくホイロ後冷凍にも対応できることが分か
った。
見られた。さらに、本発明によれば、一般的な冷凍生地
製造だけでなくホイロ後冷凍にも対応できることが分か
った。
【0039】
【発明の効果】添加量が少なくてすみ経済的で、かつ改
良効果の向上が著しい、汎用性の高い冷凍生地改良剤を
提供することができる。
良効果の向上が著しい、汎用性の高い冷凍生地改良剤を
提供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
A21D 2/26 A21D 2/26
(72)発明者 登藤 博文
千葉県市川市東大和田2−4−10 昭和
産業株式会社食品開発センター内
(56)参考文献 特開 平1−171430(JP,A)
特開 平6−217692(JP,A)
特開 平3−22490(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A21D 6/00
A21D 2/14
A21D 2/16
A21D 2/18
A21D 2/22
A21D 2/26
CA/WPIDS(STN)
食品関連文献情報(食ネット)
FOODLINE/FOODS ADL
IBRA/FOOD SCIENCE
AND TECHNOLOGY ABS
TRACTS(DIALOG)
Claims (2)
- 【請求項1】 ジアセチル酒石酸モノグリセリドを上昇
融点が30〜50℃の固形油脂に包括した形で付着させ
たグルテンを配合することを特徴とする冷凍生地改良
剤。 - 【請求項2】 アスコルビン酸および/またはグルコー
スおよび/または酵素剤を併用する請求項1の冷凍生地
改良剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03750995A JP3427331B2 (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 冷凍生地改良剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03750995A JP3427331B2 (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 冷凍生地改良剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08196199A JPH08196199A (ja) | 1996-08-06 |
JP3427331B2 true JP3427331B2 (ja) | 2003-07-14 |
Family
ID=12499509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03750995A Expired - Fee Related JP3427331B2 (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 冷凍生地改良剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3427331B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69929552T2 (de) | 1998-05-26 | 2007-01-11 | Canon K.K. | Toner mit negativer triboelektrischer Aufladbarkeit und Bildherstellungsverfahren |
JP2006502737A (ja) * | 2002-10-18 | 2006-01-26 | メープル リーフ ベイカリー インコーポレイテッド | パン生地組成物及びイースト発酵された冷凍パン製品をベーキングする方法 |
EP1614354A1 (fr) * | 2004-07-05 | 2006-01-11 | LESAFFRE et Cie | Procedes et produits de panification |
JP6774335B2 (ja) | 2014-09-08 | 2020-10-21 | 三菱商事ライフサイエンス株式会社 | 冷凍パン生地改良剤 |
JP7218068B2 (ja) * | 2019-11-28 | 2023-02-06 | 株式会社ニップン | デュラムバイタルグルテンを含む層状ベーカリー製品用小麦粉組成物 |
-
1995
- 1995-01-18 JP JP03750995A patent/JP3427331B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08196199A (ja) | 1996-08-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2902763B2 (ja) | 練り込み用油中水型乳化油脂組成物 | |
US4904485A (en) | Fat compositions suitable for use in bakeries or confectioneries | |
DE69830119T2 (de) | Teigzusammensetzung und derer Herstellung | |
EP0251020B1 (en) | Process for the preparation of an emulsion composition | |
EP0482105B1 (en) | A method of preparing a frozen yeast dough product | |
JP2011062086A (ja) | 酵素含有油中水型乳化油脂組成物 | |
US3512992A (en) | Baking additive and method for producing baked goods | |
JP2017176122A (ja) | 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地 | |
JP6077849B2 (ja) | 冷凍パン生地 | |
JP3427331B2 (ja) | 冷凍生地改良剤 | |
WO1995001727A1 (en) | Enzyme containing particles | |
JP4360600B2 (ja) | 製パン用油脂組成物 | |
JP3439568B2 (ja) | パン用品質改良剤、その製法およびパンの製造法 | |
JP2001224299A (ja) | 小麦粉製品用生地改良剤、生地及び小麦粉製品 | |
JP2835126B2 (ja) | 練り込み用油中水型乳化油脂組成物 | |
HUE031857T2 (en) | Liquid bread improvers, a process for its preparation and a method for making bakery products | |
JP6524908B2 (ja) | プロテアーゼを含有するパン・菓子用生地 | |
JPH0533964B2 (ja) | ||
JP3770923B2 (ja) | 生地改良剤 | |
JP2000300158A (ja) | 製パン改良剤 | |
EP0727143A1 (en) | Improver for baked goods, containing rye flour | |
JP2000116324A (ja) | 油脂組成物 | |
JP3194990B2 (ja) | プロテアーゼ含有ロールイン油脂組成物及びこれを使用したパフペーストリー | |
JP7537110B2 (ja) | 冷凍パン用油脂組成物および冷凍パン用生地、冷凍パン用生地の製造方法 | |
JPH08196200A (ja) | 冷凍生地改良剤およびそれを用いる冷凍生地の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20030401 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090516 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |