JP3426049B2 - 開孔不織布およびその製造方法 - Google Patents

開孔不織布およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収性物品の表面材等
に適した開孔不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】吸収性物品の表面材等に使用される開孔
不織布としては、エンボスロールを用いて穿孔された不
織布や、突起物を備えた支持体上に繊維ウェブを載置
し、これに高圧水流処理を施して繊維を再配列すること
により開孔を形成させた不織布が良く知られている。例
えば、特開平1−119251号公報には、繊維層にフ
ィルム樹脂をラミネートしたのちエンボスローラで開孔
を形成させた衛生用品の表面材が提案されている。ま
た、特開昭62−276003号公報には、吸収性物品
の表面材の製法として、繊維ウェブを開孔形成要素を有
する支持体上において、高速水流を噴射することにより
繊維交絡させると同時に開孔形成要素を介して繊維を分
配させて開孔を形成させる方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法に
は次のような問題がある。即ち、エンボスロールを用い
て穿孔する場合、孔の形態を安定化させるべく穿孔と同
時に加熱を行う必要がある。従って、軟化点・融点の低
い熱可塑性樹脂からなる不織布に穿孔処理を施すと、熱
によって穿孔部分以外でも繊維同士が結合するため、得
られる開孔不織布は固くて触感の悪いものになるという
問題がある。また、一般に厚みの薄い不織布はクッショ
ン性に欠けるので穿孔が困難である。そこで厚みの薄い
不織布に湿式不織布等のクッション層を積層一体化した
ものに穿孔処理を施し、これを表面材として用いること
もあるが、このような開孔不織布はクッション層の分だ
け厚みが大きくなるので、薄いものが好まれる用途には
不向きである。
【0004】一方、高圧水流処理を利用する場合、熱処
理を経ないため、得られる不織布は柔軟性に富んだもの
となり、厚みの薄いものを得ることも可能である。しか
し、繊維の再配列によって開孔を形成させるので、エン
ボスロールで穿孔した孔に比べ、孔の輪郭が明瞭でな
く、整然とした外観が好まれる用途には不向きである。
また、高圧水流処理による開孔形成法は、比較的大きな
開孔を形成させるのには向いているが、面積の小さな開
孔を密に形成させるのには不向きであるといった制限を
受ける。開孔部が大きいと、吸収性物品の表面材に使用
した場合、液戻りしやすくドライタッチ性が損なわれる
ので、高圧水流処理により開孔を形成させた不織布は表
面材としては不向きである。
【0005】本発明は、これらの実情に鑑み、所望の形
状・大きさの開孔が所望の間隔をおいて形成され、かつ
柔軟で優れた触感を有する開孔不織布およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、分割型
複合繊維を50重量%以上含み、繊維の切断と繊維間が
相互に結合してフィルム状となっており繊維の形は殆ど
残っていない状態の熱融着部またはフィルム状になって
おり繊維の熱収縮のため小さな孔が所々に形成されてい
る状態の熱融着部の脱落により多数の開孔が形成された
不織布であって、その開孔の内周縁において多数の切断
された繊維の端部が開孔内へ突き出ているために開孔の
輪郭が不規則な凹凸を有しており、開孔部以外の部分で
は分割型複合繊維の分割により極細繊維が形成され、か
つ繊維間が交絡していることを特徴とする開孔不織布、
およびそのような開孔不織布の製造方法に関するもので
ある。以下、その内容を説明する。
【0007】本発明の不織布を構成する分割型複合繊維
とは、二種以上の熱可塑性樹脂から構成され、後述する
高圧水流処理によって各構成成分に分割し、0.1〜
0.5デニールの極細繊維が形成されるような繊維をい
う。本発明において分割型複合繊維を使用するのは、そ
れを分割させて極細繊維を形成せしめ、最終的に得られ
る不織布の触感を良好にするためである。従って、不織
布中に分割型複合繊維が50重量%以上含まれているこ
とが望ましく、柔軟性および触感の良さが特に要求され
る場合は、分割型複合繊維のみを用いるとよい。分割型
複合繊維が50重量%未満では、形成される極細繊維の
量が不十分で、良好な触感および柔軟性を有する不織布
を得ることができず、特に吸収性物品の表面材として使
用する場合、極細繊維の割合が少ないと繊維間隙が大き
くなるため液戻り防止性が悪くなるという問題が生じ
る。
【0008】具体的に本発明で使用しうる分割型複合繊
維としては、互いに異なる第一成分と第二成分からなる
複合繊維であって、繊維断面において二成分のうち少な
くとも一成分が2個以上に分割されており、各成分は各
々が繊維断面の構成単位となっており、各構成単位は互
いに異なる成分の構成単位と隣接し、かつ各構成単位の
一部は繊維表面に露出している分割型複合繊維、例え
ば、構成成分が図1〜図3に示すような菊花状もしくは
並列型に配列されたものを挙げることができる。
【0009】構成成分の組合せは最終的に得ようとする
開孔不織布の用途に応じて適宜選択すれば良い。例えば
本出願人が特願平4−188715号において先に提案
した、ポリメチル水素シロキサンのアルケン(炭素数1
0〜50)および/またはポリメチル水素シロキサンの
プロピレン付加物(以下、シリコン系化合物と略す)を
5〜1重量%含むポリエチレンを第一成分とし、ポリプ
ロピレンを第二成分とする分割型複合繊維は、吸収性物
品の表面材に好適である。この繊維は、非常に強い撥水
性を示すので、これを使用することにより、ドライタッ
チ性およびリウェット防止性に優れた表面材を得ること
ができる。これ以外にも、ポリプロピレン/ポリエチレ
ン、ナイロン6/ポリエチレンテレフタレート、等の組
合せからなる分割型複合繊維を使用することができる。
【0010】分割型複合繊維と混合される繊維は特に限
定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるポ
リオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン、レー
ヨン等から任意に一又は二以上選択して使用することが
できる。
【0011】本発明の開孔不織布は、開孔部が繊維の切
と繊維間が相互に結合してフィルム状となっており繊
維の形は殆ど残っていない状態の熱融着部またはフィル
ム状になっており繊維の熱収縮のため小さな孔が所々に
形成されている状態の熱融着部の脱落によって形成さ
れ、その内周縁において多数の切断された繊維の端部が
開孔内に突き出ているために開孔の輪郭は不規則な凹凸
を有し、開孔部以外の部分では分割型複合繊維の分割に
より極細繊維が形成され、かつ繊維間が交絡している。
そのような開孔不織布の製造方法を以下、説明する。
【0012】まず、上述した分割型複合繊維を50重量
%以上含んでなる短繊維ウェブを作成する。ここで短繊
維ウェブとは、繊維長21〜151mmのステープル繊維
から構成されたウェブを指す。ステープル繊維の繊維長
が21mm未満であると水流による繊維間の交絡が不十分
となり、151mmを超えるとカード通過性が悪くなるた
め好ましくない。より好ましい繊維長は38〜76mmで
ある。ウェブの態様は特に限定されず、パラレルウェ
ブ、クロスウェブ、ランダムウェブ、セミランダムウェ
ブ等を任意に使用することができる。また、ウェブの目
付は、最終的に得ようとする開孔不織布の用途に応じて
決定すれば良い。例えば、吸収性物品の表面材として使
用する場合、10〜60g/m2 の範囲にするとよい。
【0013】本発明においては、短繊維ウェブにスポッ
ト的に熱融着部を形成させ、この熱融着部を高圧水流の
衝撃力により脱落させて、つまり熱融着部とそうでない
部分の境で繊維を切断して、開孔を形成する。従って、
熱融着部が開孔部となる。これは、熱融着部では繊維間
が結合して繊維の自由な動きが制限されるので、高圧水
流のエネルギーが繊維間交絡や分割型複合繊維の分割に
費やされず、全て熱融着部への衝撃力として伝わるため
であると考えられる。従って、熱融着部では繊維間が十
分に結合されていることが望ましい。
【0014】スポット的に多数の熱融着部を形成させる
方法としては、多数の突起部を有するエンボスロールを
用いた熱ロール加工が挙げられる。熱ロール加工する際
の加工温度およびロール間の圧力は、ウェブ中の構成繊
維が軟化し、相互に接合してフィルム状になるような温
度および圧力に設定する。但し、加工温度を高くしすぎ
ると、熱融着部における繊維間は十分に結合されるが、
熱融着部以外の部分も熱の影響を受けて、部分的に繊維
が軟化・溶融して繊維間結合等が生じ、最終的に得られ
る不織布が固くなるので注意を要する。また、ロール間
の圧力が小さすぎると、繊維間の結合が不十分なため
に、後の高圧水流処理によって熱融着部が脱落せず、開
孔が形成されないことにも留意すべきである。
【0015】例えば、前述したシリコン系化合物を5〜
1重量%含むポリエチレンを第一成分とし、ポリプロピ
レンを第二成分とする分割型複合繊維のみからなる短繊
維ウェブにエンボスロールとフラットロールからなる熱
ロール加工機で熱融着部を形成させる場合、エンボスロ
ールの温度を130〜140℃、フラットロールの温度
を100〜140℃、ロール間の線圧を40〜70kg/
cmにすることが望ましい。
【0016】また、熱融着部の形状、大きさ、間隔を適
宜変化させることにより、様々な態様の開孔を形成する
ことができる。例えば、吸収性物品の表面材を得ようと
する場合は、0.5〜1.8mm2 の熱融着部が不織布表
面の10〜50%を占めるようにするとよい。
【0017】続いて、この熱融着部が形成された短繊維
ウェブを高圧水流処理する。高圧水流処理は、短繊維ウ
ェブ中の分割型複合繊維が各構成成分に分割し、かつ繊
維間が交絡すると同時に、熱融着部が脱落するだけのエ
ネルギーを有する水流をウェブに噴射することにより行
う。具体的には、孔径0.01〜0.5mmのオリフィス
が0.1〜1.5mm間隔で設けられたノズルから、水圧
50kg/cm2 以上の柱状の水流を短繊維ウェブに噴射す
ればよい。
【0018】このとき、熱融着部に高圧水流の衝撃力が
加えられるため、熱融着部とそうでない部分の境におい
て繊維がひきちぎられたように切断されて熱融着部が脱
落し、開孔が形成される。従って、開孔部の内周縁にお
いて多数の切断された繊維の端部が開孔内へ突き出た状
態になるので、開孔の輪郭が不規則な凹凸を有するよう
になる。もっともこの凹凸は顕微鏡等によって拡大しな
ければ認められないほど微細で、肉眼で見る限りではそ
れほど目立たないので、この凹凸によって不織布の外観
が損なわれるようなことはない。
【0019】そして開孔部以外の部分では高圧水流処理
により極細繊維が形成され、かつ繊維間が交絡してい
る。ここで、分割型複合繊維の分割率は60%以上であ
ることが好ましい。60%未満では分割により形成され
る極細繊維の占める割合が少なくなるからである。より
好ましい分割率は80%以上である。
【0020】このようにして得られる開孔不織布を、吸
収性物品の表面材として用いた場合、開孔部において液
体通過性が担保され、開孔部以外の部分において柔軟性
および触感が担保されることとなる。また、分割性複合
繊維として前述のシリコン系化合物を含有する繊維を用
いると、繊維自身の撥水性によってドライタッチ性およ
びリウェット防止性がさらに付与されるので、吸収性物
品の表面材として最適な開孔不織布を得ることができ
る。
【0021】
【作用】本発明において、分割型複合繊維は高圧水流処
理によって構成成分に分割され極細繊維を発生させる。
この極細繊維は、不織布を柔軟なものとし、かつ触感を
良好にするものである。さらに極細繊維同士の絡合によ
って、不織布強力の向上が図られる。
【0022】熱融着部は、高圧水流処理によって脱落
し、最終的に開孔が形成される部位となる。従って、熱
融着部の形状等によって開孔の態様が決定される。ま
た、熱融着部を形成させることにより、短繊維ウェブの
形態が安定化されるので、後の高圧水流処理の際にウェ
ブ中の繊維が乱れることなく、分割型複合繊維の分割お
よび繊維間の交絡が円滑に進行する。ウェブの形態安定
化は、特に50g/m2 未満の低目付の不織布を得よう
とする場合に効果的であって、熱融着部を形成させるこ
とにより低目付でも均質な不織布を得ることができる。
【0023】高圧水流処理は、分割型複合繊維を分割さ
せ、かつ繊維間を交絡させると同時に、熱融着部を脱落
させて開孔を形成するはたらきをする。つまり、本発明
の開孔形成方法は、開孔形成用の支持体を使用すること
なく、専ら高圧水流の衝撃力のみを利用して開孔を形成
させるという点に特徴を有するのである。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。 [分割型複合繊維Aの作成]融点163℃のポリプロピ
レン樹脂(1)と、ポリメチル水素シロキサン変性体
(商品名:NR−B樹脂 五洋紙工(株)製)を3重量
%添加した融点136℃の高密度ポリエチレン樹脂
(2)を、複合比(容積比)を1:1として紡糸温度2
80℃で溶融紡糸し、図2に示すような繊維断面を有す
る分割数8の分割型複合繊維を得た。次いで、この繊維
を95℃で5.3倍に延伸し、繊維処理剤を付与しなが
らスタッファボックスで捲縮を付与したのち、110℃
で乾燥し、切断して、繊度2デニール、繊維長51mmの
ステープル繊維となした。以後、この繊維をA繊維と略
す。
【0025】[分割型複合繊維Bの作成]融点260℃
のポリエステル樹脂(1)と、融点225℃のナイロン
−6樹脂(2)を、複合比(容積比)を1:1として紡
糸温度300℃で溶融紡糸し、図1に示すような繊維断
面を有する分割数16の分割型複合繊維を得た。次い
で、この繊維を80℃の熱水中で3.2倍に延伸し、繊
維処理剤を付与しながらスタッファボックスで捲縮を付
与したのち、120℃で乾燥し、切断して、繊度3デニ
ール、繊維長51mmのステープル繊維となした。以後、
この繊維をB繊維と略す。
【0026】[繊維Cの作成]融点165℃のポリプロ
ピレン樹脂を紡糸温度300℃で溶融紡糸し、140℃
の雰囲気下で3.2倍に延伸した後、繊維処理剤を付与
しながらスタッファボックスで捲縮を付与した。そして
これを110℃で乾燥し、切断して、繊度2デニール、
繊維長51mmのステープル繊維となした。以後、この繊
維をC繊維と略す。
【0027】[実施例1〜9]A繊維、B繊維を用い
て、パラレルカードで目付30g/m2 のパラレルウェ
ブを作成し、それぞれ表1および表2中に示す温度およ
び線圧に設定したエンボスロールとフラットロールから
なる熱ロール加工機でスポット的に多数の熱融着部を形
成させた。ここでは、面積0.785mm2 の凸部が1cm
2 あたり25個設けられたエンボスロールを使用した。
次いで、熱融着部を形成させたウェブを、100メッシ
ュの支持体上に置き、30kg/cm2 の高圧柱状水流を1
回、70kg/cm2 の高圧柱状水流をウェブの両面からそ
れぞれ2回ずつ噴射することにより、分割型複合繊維を
分割させ、かつ繊維間を交絡させると同時に、熱融着部
を脱落させて開孔不織布を得た。
【0028】[実施例10〜11]A繊維60重量%
と、C繊維40重量%を混綿して目付30g/m2 のパ
ラレルウェブを作成し、熱ロール温度およびロール間の
線圧を表2中の通りにする以外は、実施例1〜9と全く
同様の方法で、開孔不織布を作成した。
【0029】[比較例1〜4]熱ロール温度およびロー
ル間の線圧を表2中の通りにする以外は、実施例1〜9
と全く同様の方法で、開孔不織布を作成した。
【0030】実施例1〜11、比較例1〜4の開孔不織
布の物性を表1および表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表中、物性の評価は次のように行った。
【0034】[引張強力] JIS L 1906 4
・3(一般長繊維不織布試験方法の引張強さの試験)に
準じて測定した。
【0035】[熱融着部の状態] 熱融着部を電子顕微
鏡で拡大して観察し、その状態を次の1〜4の基準で評
価した。 1 繊維間はほとんど結合していない 2 繊維が2〜3本ずつ束になって結合しており、繊維
の形が残っている 3 繊維間が相互に結合してフィルム状となっており繊
維の形は殆ど残っていない 4 フィルム状になっており、繊維の熱収縮のため小さ
な孔が所々に形成されている
【0036】[分割率] 各構成成分に分割している分
割型複合繊維の割合を百分率で示した。
【0037】[開孔率] 熱融着部のうち、高圧水流処
理により脱落して開孔を形成しているものの割合を百分
率で示した。
【0038】[実施例12]A繊維を用いて、パラレル
カードで目付55g/m2 のパラレルウェブを作成し、
実施例6と同じ熱加工条件および高圧水流処理条件で開
孔不織布を製造し、分割率80%、開孔率95%の不織
布を得た。この不織布の柔軟性を評価すべくカンチレバ
ー法で曲げ長さ測定したところ、3.5cmであった。
【0039】[比較例5]芯成分/鞘成分がポリエステ
ル/ポリエチレンの芯鞘型複合繊維で構成された目付5
5g/m2 の熱接着不織布にエンボスロールで面積0.
2mm2 の孔が1.2mm間隔で穿孔された開孔不織布を用
意した。これを実施例12と同様にカンチレバー法で曲
げ長さを測定したところ、5.6cmであった。
【0040】
【発明の効果】本発明の開孔不織布は、開孔部以外の部
分では高圧水流処理によって分割型複合繊維が分割さ
れ、極細繊維が形成されているので、エンボスロールで
加熱しながら穿孔したものに比べて優れた柔軟性および
触感を呈する。また、開孔は熱融着部の脱落、即ち繊維
の切断により形成されるため、構成繊維が再配列して形
成される開孔に比して整然とした外観を呈する。
【0041】そして、この開孔不織布は、エンボスロー
ルとフラットロールからなる通常の熱ロール加工機、お
よび高圧水流処理装置によって製造することができるの
で、特別な装置を使用しなくてもよく、経済的にも有利
である。また、本発明の製造方法によれば所望の厚さ、
目付の開孔不織布を得ることができる。
【0042】従って、本発明の開孔不織布は、吸収性物
品の表面材として特に有用であり、それ以外にもワイパ
ー、ウェットティッシュ、医療用ガーゼ、包装材への適
用が可能である。特に、分割型複合繊維として、シリコ
ン系化合物を含む樹脂を構成成分とする繊維を用いた場
合、柔軟で触感がよく、かつドライタッチ性、及びリウ
ェット防止性に優れた表面材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用できる分割型複合繊維の一例の断
面拡大図である。
【図2】本発明に適用できる分割型複合繊維の一例の断
面拡大図である。
【図3】本発明に適用できる分割型複合繊維の一例の断
面拡大図である。
【符号の説明】
1 分割型複合繊維の構成成分 2 分割型複合繊維の構成成分

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分割型複合繊維を50重量%以上含んで
    なり、繊維の切断と繊維間が相互に結合してフィルム状
    となっており繊維の形は殆ど残っていない状態の熱融着
    部またはフィルム状になっており繊維の熱収縮のため小
    さな孔が所々に形成されている状態の熱融着部の脱落に
    より多数の開孔が形成された不織布であって、その開孔
    の内周縁において多数の切断された繊維の端部が開孔内
    へ突き出ているために開孔の輪郭が不規則な凹凸を有し
    ており、開孔部以外の部分では分割型複合繊維の分割に
    より極細繊維が形成され、かつ繊維間が交絡しているこ
    とを特徴とする開孔不織布。
  2. 【請求項2】 分割型複合繊維が、ポリメチル水素シロ
    キサンのアルケン(炭素数10〜50)および/または
    ポリメチル水素シロキサンのプロピレン付加物を5〜1
    重量%含むポリエチレンを第一成分とし、ポリプロピレ
    ンを第二成分とする複合繊維であって、繊維断面におい
    て少なくとも前記二成分のうち少なくとも一成分が2個
    以上に分割されており、各成分は各々が繊維断面の構成
    単位となっており、各構成単位は互いに異なる成分の構
    成単位と隣接し、かつ各構成単位の一部は繊維表面に露
    出している分割型複合繊維であること特徴とする請求項
    1記載の開孔不織布。
  3. 【請求項3】 分割型複合繊維を50重量%以上含んで
    なる短繊維ウェブに、スポット的に多数の熱融着部を形
    成させた後、高圧水流処理を施して、分割型複合繊維を
    分割させ、かつ繊維間を交絡させると同時に、繊維間が
    相互に結合してフィルム状となっており繊維の形は殆ど
    残っていない状態の熱融着部またはフィルム状になって
    おり繊維の熱収縮のため小さな孔が所々に形成されてい
    る状態の熱融着部を脱落させて開孔を形成せしめること
    を特徴とする開孔不織布の製造方法。
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