JP3424808B2 - 車両用後側方監視装置 - Google Patents

車両用後側方監視装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの車両
に設置した小型CCDのような撮像装置によって後側方
を撮像し、その撮像された画像に基づいて自車両が走行
している周囲の後側方から接近してくる他車両を検知し
て、その他車両の接近を運転者に警報等によって知らせ
るための車両用後側方監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば高速道路などの片側2車線以上の
道路を走行中の車両の運転者が車線変更を行なう際に
は、その車両が変更しようとする隣接車線に、それより
も速い速度で走行中の他車両が後側方から追い上げてき
た場合などには、その他車両の存在を前記運転者が見落
したまま車線変更を行なうと、大事故につながる危険性
が極めて高い。
【0003】また、自車両と同じ車線を後続の他車両が
走行している場合にも、その後続の他車両が、自車両よ
りも速い速度(互いに対地速度で比較して)で急接近し
てきた場合には、自車両が急ブレーキを掛けるなどする
と追突される危険性があり、この意味でも近接車両を確
実に認識しておくことが必要である。特に近年では、乗
用車をはじめとして道路上を走行する各種車両は、その
走行速度も加速度も共に強化されてさらに高性能化が進
んで来ているので、上記の車線変更や加減速の際の車両
の動きはさらに俊敏なものとなり、その結果、自車両の
周囲に走行中の他車両の存在を前記運転者が見落すこと
は、危険な状態や大事故の発生の確率をさらに高めるこ
とになる。
【0004】また、そのような運転者による周囲の他車
両の見落しを防ぐためには、まず運転者自身が周囲に対
してさらに注意を向けることが必要であることは言うま
でもないが、しかし人間の集中力や認知力は前記のよう
な車両性能の向上に対しては追随できる限界に近付いて
来ており、またそのような限界の領域で発生する他車両
の存在の見落としなどに起因した事故も多数発生してい
た。また、特に高速走行となるに従って人間の視覚的な
認識力は急激に低下することが一般的に知られており、
車両のさらなる高速走行対応につれて、上記のような車
線変更時などに発生する周囲の他車両の見落しなどの問
題は、さらに深刻化することも予測される。またさらに
は、特に後側方から自車両へと接近して来る他車両の場
合には、自車両における運転者の着座位置から斜め後ろ
側つまり後側方の、特定の領域には、死角が存在してい
るので、特にこの死角の領域内に入った他車両について
は、運転者が見落とす確率が極めて高く、この死角領域
内に入って走行中の他車両を見落とすことに起因して、
その他車両と自車両とで衝突や接触などの事故が発生す
る危険性が極めて高いものとなる。
【0005】従って、上記のような事故や危険な状態の
発生を未然に防ぐためには、単に運転者による周囲の他
車両への注意を促すだけではなく、人間の直接的な認識
力とは別に、自車両の周囲を走行中の他車両の存在を自
動的に正確かつ確実に認識してその情報を運転者に明確
に伝達(報知)することで、上記のような危険性の問題
を解決しようとする技術が提案されている。即ち、隣接
車線を走行中の他車両や後続の他車両を認識することを
可能とする従来の技術としては、例えば特開平1−18
9289号公報に開示された、車両情報表示装置の技術
がある。この特開平1−189289号公報に開示され
た技術によれば、車両の後側方をカメラによって撮影
し、撮影された画像をモニタ画面に表示させることによ
って、隣接車線を走行中の他車両および後続の他車両を
運転者に認識させるようにすることができる。
【0006】しかしながら、このような技術によれば、
隣接車線を走行中の他車両や後続の他車両の存在を運転
者が認識するためには運転者は必ずそのモニタ画面に視
線を向けてそのモニタ画面に表示されている画像をよく
見た上で、そのモニタ画面に他車両が映し出されている
か否かを確認することが必要となるが、運転者にとって
はモニタ画面内に表示された車両を見落とすおそれがあ
り、またモニタ画面を見ただけでは隣接車線を走行中の
車両及び後続車両の速度が自車の速度より速いか否かを
直ちに判断することも困難であり、また前方に向かって
の安全な運転を継続するためには、前方をよく見て運転
することが必要なので、この本来の前方に対して視覚的
な注意を向けることの他に、前記のモニタ画面に表示さ
れている画像にも頻繁に視覚的な注意を向けることが必
要となるので、注意力を常に分散させて居なければなら
ず、場合によってはそのような後側方の安全確認を行な
うために視線を前方とモニタ画面との間で行き来させる
ということは運転者にとってむしろ煩雑であり、また、
かえって注意力が常に分散してしまうという問題もあっ
た。
【0007】そこで、前記の自車両の後部に、後向きに
ビデオカメラを取り付けて、その自車両の走行中に得ら
れた撮像画像の各点が全体として収束するような無限遠
点又は消失点(一般にFOE(Focus of Expansion)と
呼ばれる)を求めるとともに、前記撮像画像中の他車両
の画像として認識された特徴点を抽出し、その特徴点の
時間的な移動を移動ベクトル即ちオプティカルフロー
(以下これをオプティカルフローと呼称)として求め、
このオプティカルフローが前記FOEから発散する方向
に向かっているか、それとも前記FOEに収束する方向
に向かっているかに応じて、隣接車線を走行中の他車両
あるいは後続の他車両の、自車に対して接近して来る相
対速度あるいは相対距離あるいは相対的位置関係を算出
するようにした車両用後側方監視装置や、それによる車
両用後側方監視方法が種々提案されている(特願平5−
196189号等)。
【0008】このような従来の車両用後側方監視装置に
よる後側方監視方法について、その主要点を図9に基づ
き簡潔に説明する。図9は、自車両後部に後ろ向きに取
り付けられた撮像手段である監視用カメラによって得ら
れた画像つまりそのカメラのCCD撮像素子のような撮
像素子のイメージプレーン1100の枠内に得られた後
側景の概要の一例を示す図である。なお、この図9は自
車両が走行している隣の車線を走行している他車両11
01が自車両を追い越していく状態を一例として示して
いる。
【0009】先ず図9(a)において、他車両1101
の画像を、前記のイメージプレーン1100の枠内に得
られた後側景の画像の中から区別して認識する。
【0010】他車両1101の画像認識の手法としては
種々の方式が利用可能であるが、例えば認識対象物であ
る他車両1101の画像とその他の道路や背景等(図示
省略)の画像との輝度差を利用して、それらの間の境界
認識、即ちいわゆるエッジを正確に検出することが従来
一般的である。このエッジの検出には、検出精度を高め
るために、前処理として微分処理によるエッジ強調や、
空間フィルタリングを用いたノイズ除去などの画像処理
手法を用いても良いことは言うまでもない。なお、画像
処理の一般的傾向として膨大な量のデータ処理が必要と
なりがちであるので、可能な限りの処理の簡略化を図る
ことが望ましい。前記の境界認識の手法としては、例え
ばFreemanの方式やSklanskyの方式や距
離分割方式など種々の多角形近似方式などを用いること
ができる。そして、このようにして他車両1101の画
像の境界(エッジ)の認識を得た後、その境界あるいは
その境界の内部に包含される領域認識を行なうなどし
て、その中から予め定められた所定の条件に適合する特
徴点Aを抽出する。
【0011】この図9では、特徴点Aとして他車両11
01の画像の境界(エッジ)のうちFOEに最も近い位
置つまり自車両からは最も遠い位置のエッジ1102の
中心点を抽出する場合についての一例を示している。そ
して、前記の特徴点Aが抽出された時点のコマの次の時
点のコマでは、前記の特徴点Aと対応する対応点を、図
9(b)のFOEと特徴点Aを結ぶ直線上で探索する。
この一例では図9(b)の点A′が対応点として検出さ
れている。そして前記のコマで抽出された点Aからこの
点A′を結ぶベクトルがオプティカルフローとなる。こ
の図9の一例の場合では、オプティカルフローがFOE
から発散する方向に向かっているのであるから、隣接車
線を走行中の他車両は、自車両に対して接近して来る状
態にあり、しかもこのときのオプティカルフローの大き
さ(つまりそのベクトルの絶対値は、このとき他車両1
101が自車両(のカメラ)に向かって接近して来る速
度が大きくかつ両車間の距離が近いほど、大きくなるの
で、このオプティカルフローの大きさと、そのときの両
車間での危険性の高さとはほぼ比例することになる。
【0012】そして、このようにして得られた他車両1
101の特徴点のオプティカルフローの情報に基づい
て、その他車両1101の動きが自車両にとって危険性
が高いか否かを判定する。そして危険性が高いと判定さ
れ、かつそのときに自車両が車線変更を行なうために方
向指示器を作動させた場合などには、そのとき車線変更
を行なうことは危険性が高いという旨の警告を、例えば
アラーム音のような警報音等で運転者に対して知らせる
ことで、上記のような車線変更の際などの他車との衝突
や接触等の事故の発生を未然に防ぐことを可能とするこ
とができる、というものである。
【0013】なお、図9及び図7中の符号1205,1
206,1207は、いずれも道路1202上の車線を
区分するために道路1202上に塗布された白線を示し
ている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
図7に示すように、他車両1101が自車両1103の
撮像手段による撮像可能領域外の、その撮像手段110
4におけるいわゆる死角の領域1200に入ってしまっ
た場合には、その撮像手段1104では他車両1101
の画像を撮像することは不可能なのだから、このような
場合には上記のような従来の技術に係る車両用後側方監
視装置では他車両1101の存在を検知することが不可
能である。
【0015】しかも、このような撮像手段1104にお
ける死角の領域1200は、運転者の着座位置から見て
も同様に(あるいはそれ以上に)他車両1101の存在
の認知が困難な死角の領域と殆ど重なっている。
【0016】しかもさらには、このような死角の領域1
200は、自車両1103が道路1202上の左車線1
203を走行中に右車線1204へと車線変更する際
に、その自車両1103が移動して行く可能性の高い領
域、つまり右車線1204における自車両1103の長
さ方向の領域帯1201を中心としてその前後に亙って
の領域と重なっているので、このような死角の領域12
00内に他車両1101が侵入している状態での、自車
両1103の右車線1204への車線変更は、大事故に
もつながり得る極めて危険なものとなるという問題があ
る。
【0017】そこでこのような撮像手段1104におけ
る撮像可能な領域外の死角に起因した問題を解決するた
めに、撮像手段1104の撮像可能な領域の大きさ、換
言すれば撮像手段1104の撮像可能な範囲の角度θを
可能な限り広角度にするために、例えばそのカメラに用
いられるレンズの径を大きなものにすることなども検討
されるが、いずれにしても撮像手段1104の撮像可能
領域の角度θは、高々θ≦100度程度までであり、ま
た余りにも無理に撮像可能領域の角度θを広げ過ぎる
と、撮像される画像に歪みや収差等が大きく発生してし
まい、正しい輝度や形状の画像が得られなくなり、ある
いはそれを補正しようとしても、そのためのデータ処理
が極めて繁雑なものとなるという、また別の問題があ
り、実現性に乏しいと言わざるを得ない。また、いかに
撮像手段1104の撮像可能領域の角度θを広げたとし
ても、理論的に180度以上にすることは不可能である
から、その撮像手段1104が設置された位置から前方
の、特に前記の自車両1103の長さ方向の領域帯12
01内に他車両1101が侵入している場合には、その
状態が最も認知され難くしかも最も危険性が高いにもか
かわらず、やはり検知不可能であり、その結果、やはり
最も危険な状態を検知することができないという問題が
あった。
【0018】本発明はこのような問題を解決するために
成されたもので、自車両に対して最も危険な状態であ
る、他車両がその死角の領域に侵入している場合に、そ
の他車両が前記死角の領域内に侵入していることを正確
かつ確実に検知あるいは推測することが可能な車両用後
側方監視装置を提供することを課題としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用後側方監
視装置は、第1に、走行している自車両から後側景を撮
像手段101によって撮像し、所定時間相前後する2コ
マの画像どうしで対応する対応点の時間的移動をオプテ
ィカルフローとして検出し、自車両に対する後方又は隣
接車線を走行中の他車両の接近状態を監視する車両用後
側方監視装置において、ある時点に撮像された前記後側
景の画像中から、前記後方又は隣接車線を走行中の他車
両の画像の少なくとも一点を特徴点として抽出する特徴
点抽出手段102と、前記時点の次の時点のコマとして
撮像された画像中から、前記特徴点に対応する対応点を
検出する対応点検出手段103と、前記特徴点と前記対
応点とを結ぶベクトルを前記他車両の特徴点のオプティ
カルフローとして形成するオプティカルフロー形成手段
104と、前記他車両の特徴点のオプティカルフローが
前記撮像手段101の撮像可能なイメージプレーンの枠
から外側に向かってフレームアウトして消失した場合
に、該消失する直前の前記他車両の特徴点のオプティカ
ルフローに基づいて、前記他車両の特徴点のオプティカ
ルフローが消失した時点以降の前記他車両と前記自車両
との間の車間距離および相対的位置関係のうち少なくと
もいずれか一方を推測する死角内車間距離推測手段10
5とを備え、前記死角内車間距離推測手段は、前記撮像
手段の撮像可能なイメージプレーンの枠内の周縁部の所
定領域に到達した時点における前記他車両の特徴点のオ
プティカルフローが、前記後側景における水平方向乃至
上方に向かう方向に対応する方向成分を持ったオプティ
カルフローであった場合には、前記到達した時点又は該
時点の次のコマの時点以降の前記他車両と前記自車両と
の間の車間距離および相対的位置関係の推測を実行せ
ず、前記撮像手段の撮像可能なイメージプレーンの枠内
の周縁部の所定領域に到達した時点における前記他車両
の特徴点のオプティカルフローが、前記後側景における
水平方向未満乃至下方に向かう方向に対応する方向成分
を持った、前記自車両の死角へと入って行く他車両の特
徴点のオプティカルフローであった場合にのみ、前記到
達した時点または該時点の次のコマの時点以降の前記他
車両と前記自車両との間の車間距離および相対的位置関
係のうち少なくともいずれか一方の推測を行なう死角内
車間距離推測手段であることを特徴としている。
【0020】即ち、他車両が自車両の(撮像手段の)死
角の領域に侵入したということは、撮像手段のイメージ
プレーン上で他車両の特徴点のオプティカルフローがそ
のイメージプレーンの枠から外側へとフレームアウトし
て行ったということに対応している。
【0021】そこで、このように他車両の特徴点のオプ
ティカルフローが前記撮像手段101の撮像可能なイメ
ージプレーンの枠から外側に向かってフレームアウトし
て消失した場合には、死角内車間距離推測手段105
は、その特徴点が消失した時点から他車両が自車両の撮
像手段の死角の領域に侵入したものと判定し、その消失
直前の他車両の特徴点のオプティカルフローのイメージ
プレーン中での位置の座標に基づいて、その消失時点で
の前記他車両の自車両に対する相対的位置を算出するこ
とができ、またその消失時点でのオプティカルフローの
長さに基づいて、その消失時点での前記他車両の自車両
に対する相対的速度を算出し、さらにこの相対的速度に
基づいて、その後(つまり他車両が死角の領域に侵入開
始して後)の他車両の自車両に対する車間距離や相対的
位置を、例えば1秒ごとなど時々刻々に推測することが
できる。
【0022】そしてさらに、そのようにして得られた推
測の結果の前記他車両の自車両に対する車間距離や相対
的位置のデータを、例えば液晶表示パネルを用いてなる
表示手段106等の表示画面に表示出力するなどすれ
ば、運転者に対して自車両の周囲における特にその死角
の領域に入って目視では認知することが殆ど困難な他車
両の存在を確実に認知することが可能となる。
【0023】なお、前記の死角内車間距離推測手段10
5は、前記消失する直前のオプティカルフローの前記イ
メージプレーン内における座標に基づいて、その消失す
る直前の時点における前記他車両の自車両に対する相対
的位置を判定し、この時点に置ける相対的位置を出発点
として前記消失した時点以降の前記他車両と前記自車両
との間の車間距離および相対的位置関係のうち少なくと
もいずれか一方乃至は両方を推測すれば良い。また、例
えば図8に一例を示すように、比較的小さい曲率半径で
カーブした道路上を自車両および他車両1301,13
02,1303が走行している場合などには、自車両よ
りも低速で走行している他車両1301は、自車両の撮
像手段101のイメージプレーン1100にその画像が
撮像された場合、自車両からむしろ遠くへと離れて行く
方向でイメージプレーン1100の枠から外れて行くこ
とになる。しかし、このような反対に離れて行く他車両
1301についても自車両の死角領域に侵入して来るも
のとして判定してしまう場合がある。あるいは他車両1
302のように道路の分岐から別方向へと離脱して行く
場合もある。そこで、そのような場合の誤判定を防ぐた
めに、本発明によれば、死角内車間距離推測手段105
は消失直前の他車両の特徴点のオプティカルフローが前
記後側景における水平方向未満乃至下方に向かう方向に
対応する方向成分を持った、前記自車両の死角へと入っ
て行く他車両の特徴点のオプティカルフローであった場
合にのみ、前記到達した時点または該時点の次のコマの
時点以降の前記他車両と前記自車両との間の車間距離お
よび相対的位置関係のうち少なくともいずれか一方の推
測を行なうものとし、その他の場合、つまり他車両の特
徴点のオプティカルフローが自車両に対して離れて行く
方向の成分を有しつつ(つまりこれが前記後側景におけ
る水平方向乃至上方に向かう方向に対応する方向成分と
いうことに該当している)イメージプレーン1100の
枠から外れて行く場合には、そのときの他車両130
1,1302は自車両の死角領域に侵入したものとは判
定しないようにする。これにより、他車両1303のよ
うに本当に死角領域に侵入して来た場合にのみ、それを
正確に判定することができ、また誤判定を防ぐことがで
きる。
【0024】本発明の車両用後側方監視装置は、第2
に、上記第1記載の車両用後側方監視装置において、前
記死角内車間距離推測手段105は、前記他車両の特徴
点のオプティカルフローが前記撮像手段101の撮像可
能なイメージプレーンの枠内の周縁部の所定領域に到達
した際に、前記オプティカルフローが次のコマの時点で
は消失するものと見做して、前記到達した時点でのオプ
ティカルフローを前記消失する直前の前記他車両の特徴
点のオプティカルフローとして用いて、前記到達した時
点又は該時点の次のコマの時点以降の前記他車両と前記
自車両との間の車間距離および相対的位置関係のうち少
なくともいずれか一方を推測する死角内車間距離推測手
段105であることを特徴としている。
【0025】即ち、自車両が前進方向に走行していると
きに他車両が自車両に追い付いて来てその自車両の死角
の領域に入って行く場合には一般に、その状態に対応し
て撮像手段のイメージプレーンの枠内の撮像可能な範囲
のうち、その周縁部から最も周端の外枠そのものにかけ
ての予め妥当なものとして定められた所定領域内に、前
記オプティカルフローが到達した後、次のコマの時点で
そのオプティカルフローは消失する筈である。
【0026】ということは、換言すれば、イメージプレ
ーンの枠内のいずれかの位置でオプティカルフローが抽
出された後、そのオプティカルフローがイメージプレー
ン内を移動して来てそのイメージプレーンの所定の周縁
部乃至最も外周端の部分(の撮像セルの位置)に来たと
きには、次のコマの時点ではそのオプティカルフロー
は、上記第1の記載の如くイメージプレーンの枠から外
側へとフレームアウトするようにして消失するものと見
做して良いということになる。
【0027】ただしここで、オプティカルフローが前記
のイメージプレーン内を移動して来て前記の周縁部に一
度は到達したが、その次の時点のコマでは再びイメージ
プレーンの中心寄りへと戻ってしまう、といったことも
あり得るが、その確率は極めて僅かである。そこで、そ
のような特殊な場合については例外的な事象として考え
るものとすれば、オプティカルフローがイメージプレー
ン内を移動して来てそのイメージプレーンの周縁部の所
定領域(の撮像セルの位置)に来たときには、次のコマ
の時点ではそのオプティカルフローは上記第1の記載の
如くイメージプレーンの枠から外側へとフレームアウト
するようにして消失するものと見做しても良いというこ
とになるわけである。
【0028】第3に、本発明の車両用後側方監視装置
は、上記第1または第2記載の車両用後側方監視装置に
おいて、前記死角内車間距離推測手段105によって推
測された前記他車両と前記自車両との間の車間距離また
は相対的位置関係に基づいて、前記自車両に対しての前
記他車両との接触又は衝突の危険性の度合いを判定する
危険度判定手段107を、さらに具備することを特徴と
している。
【0029】即ち、死角内車間距離推測手段105によ
って推測された前記他車両と前記自車両との間の車間距
離または相対的位置関係に基づいて、その時々刻々での
前記自車両に対しての前記他車両との接触又は衝突の危
険性の度合いを、危険度判定手段107が判定すること
ができる。そしてさらには、それを運転者に対して表示
して警告することや警報ブザーを鳴動させるなどして、
前記のような車両どうしの接触や衝突の危険性を未然に
回避することができる。
【0030】第4に、本発明の車両用後側方監視装置
は、前記死角内車間距離推測手段105によって推測さ
れた前記他車両と前記自車両との間の車間距離または相
対的位置関係が、前記自車両にとって前記他車両との接
触又は衝突の危険性がある状態として予め定められた範
囲内にあるときに、車線変更の際の意思表示を行なうた
めに前記自車両に設置されている方向指示器108を点
灯する旨の入力が成された場合には、前記危険性がある
旨の警報を聴覚的情報および視覚的情報のうち少なくと
もいずれか一方で発する警報発生手段109を、さらに
具備することを特徴としている。
【0031】即ち、上記のように自車両の死角の領域に
他車両が侵入している状態のときに自車両が車線変更等
の動きを実行すると、自車両と他車両とが衝突するなど
して甚だしくは大事故が発生する場合さえ有り得たが、
本発明によればそのような自車両の死角の領域に他車両
が侵入している状態のときに自車両が車線変更等の動き
を実行しようとして方向指示器108を点灯する旨の入
力が成された場合には、前記危険性がある旨の警報を警
報発生手段109が聴覚的情報または視覚的情報として
発する。これにより、自車両の死角の領域に他車両が侵
入している状態のときにそれを推測し、自車両の車線変
更等の動きを実行する以前にその動きによる危険性が大
である旨の警報を発して、自車両と他車両とが衝突する
などして甚だしくは大事故が発生するといった問題を解
決することができる。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】第に、本発明の車両用後側方監視装置
は、上記請求項1乃至いずれかに記載の車両用後側方
監視装置において、前記他車両の特徴点のオプティカル
フローが前記撮像手段101の撮像可能なイメージプレ
ーンの枠から外側に向かってフレームアウトして消失し
た場合に、該消失してから一定の時間内に車線変更のた
めの操作を行われたとき、横方向衝突の発生する危険性
がある旨の警報を聴覚的情報および視覚的情報のうち少
なくともいずれか一方で発する第2の警報発生手段10
9′をさらに具備することを特徴としている。
【0036】即ち、他車両の特徴点のオプティカルフロ
ーが撮像手段101の撮像可能なイメージプレーン11
00の枠から外側に向かってフレームアウトして消失し
た場合に、画面端からオプティカルフローが消えた時点
から例えば3秒間のように、高速道路上での一般的な追
い越しに要する時間などの所定の時間は近接車両が自車
両の横の死角領域を走行しているものと見做すことがで
きる。そこで、消失してから一定の時間内に、ターンシ
グナル等の車線変更のための操作を行って車線変更の意
思を示した場合には、横方向衝突が発生する危険性が高
いので、その旨の警報を発生することによって、他車両
と自車両との間の車間距離や相対的位置関係の推測を行
なうことなく、他車両1101(図3)、1303(図
8)のように死角領域に侵入した車両について、第2の
警報発生手段109′が簡易的に危険性を警報すること
ができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用後側方
監視装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は
その主要部の構成を示す図である。
【0038】この車両用後側方監視装置は、走行してい
る自車両から後側景を撮像手段101によって撮像し、
所定時間相前後する2コマの画像どうしで対応する対応
点の時間的移動をオプティカルフローとして検出し、自
車両に対する後方又は隣接車線を走行中の他車両の相対
的位置関係を監視する車両用後側方監視装置であって、
さらに詳細には、ある時点に撮像された前記後側景の画
像中から、前記後方又は隣接車線を走行中の他車両の少
なくとも一点を特徴点として抽出する特徴点抽出手段1
02と、前記時点の次の時点のコマとして撮像された画
像中から前記特徴点に対応する対応点を検出する対応点
検出手段103と、前記特徴点と前記対応点とを結ぶベ
クトルを前記他車両の特徴点のオプティカルフローとし
て形成するオプティカルフロー形成手段104と、前記
他車両の特徴点のオプティカルフローが前記撮像手段1
01の撮像可能なイメージプレーンの枠から外側に向か
ってフレームアウトして消失した場合に、その消失する
直前の前記他車両の特徴点のオプティカルフローに基づ
いて、前記他車両の特徴点のオプティカルフローが消失
した時点以降の前記他車両と前記自車両との間の車間距
離および相対的位置関係を推測する死角内車間距離推測
手段105とを備えている。
【0039】そして前記死角内車間距離推測手段105
は、さらに詳細には、前記他車両の特徴点のオプティカ
ルフローが前記撮像手段101の撮像可能なイメージプ
レーンの枠内の周縁部の所定領域に到達した際に、前記
オプティカルフローが次のコマの時点では消失するもの
と見做して、その到達した時点でのオプティカルフロー
を前記消失する直前の前記他車両の特徴点のオプティカ
ルフローとして用いて、前記到達した時点又はその時点
の次のコマの時点以降の前記他車両と前記自車両との間
の車間距離および相対的位置関係を推測する。
【0040】なお、上記のイメージプレーンの枠内の周
縁部の所定領域を、イメージプレーンの枠から余りにも
内側にまで取ると、特徴点が消失したと見做す時点が余
りにも早くなり過ぎてしまうという不都合が生じ、また
逆にイメージプレーンの枠に近すぎてその周縁部の所定
領域のスペースが小さ過ぎると、今度は特徴点が消失す
ることを検知できなくなる。
【0041】何故なら、その周縁部の所定領域のスペー
スが小さ過ぎると、例えば他車両のスピードが速い場合
などに、撮像タイミングのコマごとに検出される特徴点
(対応点)がそのスペースを通り越してしまう確率が高
くなり、その結果、その周縁部の所定領域で特徴点の消
失が検出できなくなる確率が高くなるからである。
【0042】従って、このような条件を考慮して、上記
のような周縁部の領域を設定することが望ましい。
【0043】また、前記の死角内車間距離推測手段10
5で推測された、前記他車両の自車両に対する車間距離
や相対的位置のデータを、例えば液晶表示パネルを用い
てなる表示手段106等の表示画面に表示出力して、運
転者に対して自車両の周囲における特にその死角の領域
に入って目視では認知することが殆ど困難な他車両の存
在を確実に認知することを可能としている。
【0044】さらには、前記の死角内車間距離推測手段
105によって推測された前記他車両と前記自車両との
間の車間距離または相対的位置関係に基づいて、前記自
車両に対しての前記他車両との接触又は衝突の危険性の
度合いを判定する危険度判定手段107を備えて、死角
内車間距離推測手段105によって推測された前記他車
両と前記自車両との間の車間距離または相対的位置関係
に基づいて、その時々刻々での前記自車両に対しての前
記他車両との接触又は衝突の危険性の度合いをこの危険
度判定手段107が判定し、その結果に基づいて危険性
が一定レベル以上になったならば警報ブザー110を鳴
動させて、運転者に対して車両どうしの接触や衝突の危
険性を警告する。
【0045】この危険性の度合いの判定の手法について
は、従来の一般的な車両用後側方監視装置の利用してい
る判定基準を用いれば良く、あるいは、特に他車両が自
車両の死角の領域1200に入った際の危険性の度合い
についての基準を新たに作成しても良い。
【0046】例えば、図7に示したような他車両110
1が自車両1103の死角に侵入している状態の場合に
は、さらにその他車両1101が自車両1103の長さ
方向の領域帯1201の中にその一部でも入っている状
態のときに自車両1103が車線変更を行なう場合に両
車の衝突の危険性が特に高くなると考えられるから、こ
のような自車両1103の長さ方向の領域帯1201の
中に他車両1101の一部でも入っている状態を、前記
の危険性の度合いの判定基準に用いるなどしても良い。
【0047】また、前記の死角内車間距離推測手段10
5によって推測された前記他車両と前記自車両との間の
車間距離または相対的位置関係が、前記自車両にとって
前記他車両との接触又は衝突の危険性がある状態として
予め定められた範囲内にあるときに、車線変更の際の意
思表示を行なうために前記自車両に設置されている方向
指示器108を点灯する旨の入力が成された場合には、
前記危険性がある旨の警報を聴覚的情報または視覚的情
報として発する警報発生手段109を、さらに備えてい
る。
【0048】上記の図7で示したように、自車両110
3の死角の領域1200に他車両1101が侵入してい
る状態のときに、自車両1103が車線変更等の動きを
実行すると、自車両1103と他車両1101とが衝突
するなどして甚だしくは大事故が発生する場合さえ有る
ので、そのような自車両1103の死角の領域1200
に他車両1101が侵入している状態のときに自車両1
103が車線変更等の動きを実行しようとして方向指示
器108を点灯する旨の入力が成された場合には、前記
危険性がある旨の警報を警報発生手段109が警報ブザ
ー110を鳴動させるといった聴覚的情報を発して、そ
の危険の旨を運転者に警告する。
【0049】またさらには、死角内車間距離推測手段1
05は、前記撮像手段101の撮像可能なイメージプレ
ーンの枠内の周縁部の所定領域に到達した時点における
前記他車両の特徴点のオプティカルフローが、前記後側
景における水平方向乃至上方に向かう方向に対応する方
向成分を持ったオプティカルフローであった場合には前
記到達した時点又は該時点の次のコマの時点以降の前記
他車両と前記自車両との間の車間距離および相対的位置
関係の推測を実行しない。
【0050】そして、この死角内車間距離推測手段10
5は、前記撮像手段101の撮像可能なイメージプレー
ンの枠内の周縁部の所定領域に到達した時点における前
記他車両の特徴点のオプティカルフローが、前記後側景
における水平方向未満乃至下方に向かう方向に対応する
方向成分を持った、前記自車両の死角へと入って行く他
車両の特徴点のオプティカルフローであった場合にの
み、前記到達した時点または該時点の次のコマの時点以
降の前記他車両と前記自車両との間の車間距離および相
対的位置関係のうち少なくともいずれか一方の推測を行
なう。
【0051】次に、上記の各手段の機能および動作につ
いて詳述する。撮像手段101は、CCD撮像素子のよ
うな撮像デバイスを用いた撮像カメラのような撮像装置
であって、図2に示すように自車両1103の最後部に
設置されて、そこから撮像可能な角度θに亙っての領域
の後側景を撮像する。
【0052】図3は、前記の図2のような状態のときに
撮像手段101のイメージプレーン(後述)上にレンズ
系を介して結像される画像の一例を示す図である。な
お、図3においては、図8、図9と同様の部分について
は同一の符号を付して示している。
【0053】このようなイメージプレーン(後述)上に
結像された画像から、特徴点抽出手段102は、他車両
1101の画像とその他の道路や背景等(図示省略)の
画像との輝度差を利用して、それらの間の境界を認識す
る。即ち、いわゆるエッジを検出する。
【0054】こうして図3のような結像から検出された
エッジの一例を図4に示す。このエッジの検出には、検
出精度を高めるために、前処理として微分処理によるエ
ッジ強調や、空間フィルタリングを用いたノイズ除去な
どの画像処理手法を用いても良い。
【0055】また、画像処理の一般的傾向として膨大な
量のデータ処理が必要となりがちであるので、可能な限
りの処理の簡略化を図ることが望ましいことは言うまで
もない。このような画像処理自体は従来の手法を好適に
用いることができる。
【0056】そして、このようにして他車両1101の
画像の境界(エッジ)の認識を得た後、その境界あるい
はその境界の内部に包含される領域認識を行なうなどし
て、その中から予め定められた所定の条件に適合する特
徴点Aを抽出する。
【0057】即ち、特徴点抽出手段102は、図4の他
車両1101のエッジ911のうちから予め定められた
所定の条件に適合する特徴点Aを抽出する。
【0058】この抽出の際の所定の条件としては、例え
ばイメージプレーン1100におけるエッジ911の座
標のうち他車両1101の進行方向最も後ろ側であるよ
うな一点の座標を選別して抽出するようにしても良く、
あるいはその他にも、他車両1101の進行方向最も先
頭の一点を選別して抽出するようにしても良い。
【0059】ただし、これら2つの例について言えば、
最も後ろ側の一点の座標を選別して特徴点Aとして抽出
する場合には、その特徴点Aは他車両1101の車体全
体が最後尾まで完全に死角の領域1200に入ってしま
ってからしか、そのような他車両1101の存在を検知
することができないが、しかし他車両1101が完全に
死角の領域1200に入った段階で確実にその動きを検
知することができる。また一方、最も先頭の一点の座標
を選別して特徴点Aとして抽出する場合には、その特徴
点Aは他車両1101の車体の先端の一部でも死角の領
域1200に入るとそのような他車両1101の動きを
検知することになるので、より早めに検知することがで
きるが、他車両1101の走行速度が小刻みに変化して
いるような場合などには外乱的な誤差が出やすい傾向に
なることも考えられる。
【0060】従って、そのような事項なども考慮して、
特徴点Aを抽出する際のルールを設定すれば良いことは
言うまでもない。
【0061】あるいは、特徴点Aとして他車両1101
の画像の境界(エッジ)のうち後述するFOEに最も近
い位置、つまり自車両からは最も遠い位置のエッジの中
心点を抽出するようにしても良い。
【0062】そして、この他車両1101の特徴点Aを
抽出することと並行あるいは前後して、特徴点抽出手段
102は、その内部に形成されているFOE検出部(図
示省略)によってFOE1208を検出する。
【0063】このFOE1208の検出は、撮像手段1
01によって結像された画像を画像信号に変換した後、
その画像信号を一旦、フレームメモリに格納する。そし
てこの画像信号に基づいてFOE検出部が時間的に連続
する2コマの画像から無限遠点即ちFOE1208を検
出する。
【0064】なお、このときフレームメモリから読み出
された1フレーム分過去の画像信号に基づいて画像信号
からエッジ911を形成するために、ハイパスフィルタ
(HPF)を用いるなどして、画像信号の高周波成分の
みを通過させる。即ち換言すれば、画像信号を微分する
などして図4に一例を示すようなエッジ911の画像に
対応する信号を形成すれば良い。
【0065】このようにしてFOE1208および特徴
点Aが抽出されると、それらに基づいて、対応点検出手
段103は、前記の画像の次のコマとして前記の画像を
撮像した時点から撮像周期Δtだけ後に撮像される次の
コマの画像中から、前記の特徴点Aに対応する対応点A
´を検出する。このときの対応点A´の探索は特徴点A
とFOE1208とを通る半直線上で探索すれば良い。
【0066】続いて、オプティカルフロー形成手段10
4は、特徴点Aから対応点A´に向かうベクトルを取っ
てオプティカルフロー500を形成する。
【0067】こうして他車両1101の特徴点Aを抽出
し、その次の時点でのコマの画像において特徴点Aに対
応する対応点A´を検出し、特徴点Aから対応点A´を
結ぶベクトルを取ってオプティカルフロー500を形成
し、さらに次のコマの画像が撮像されると、前回の対応
点A´を今度は前回の特徴点Aの代りに特徴点A´とし
て用いて、さらにその次の時点でのコマの画像における
対応点(A´)´つまり前回のコマの特徴点A´に対応
する対応点(A´)´を検出する。このような処理を、
時々刻々と撮像タイミングごとに次々に画像のコマが撮
像されるごとに次々と繰り返して行くことで、その時々
刻々のオプティカルフロー500を得ることができる。
【0068】そしてこのオプティカルフロー500は、
他車両1101の自車両1103との相対的位置関係の
時々刻々の変化に対応して、その時々刻々で方向も絶対
値も変化して行くが、このとき特に、他車両1101の
スピードの方が自車両1103のスピードよりも速い場
合には、他車両1101は後側方から追い付いて来てや
がては例えば図3に示したような状態となる。
【0069】つまり、イメージプレーン1100の枠か
ら外れる位置、即ち死角の領域1200へと侵入して行
くことになる。すると、抽出される特徴点Aに対応する
実物の他車両1101の最後部も前記のイメージプレー
ン1100の枠に対応する撮像可能な領域(θ)から外
れてしまうので、従来の技術ではそれ以降の他車両11
01の動きを認知することができなくなる。
【0070】そこで本発明に係る車両用後側方監視装置
においては、他車両1101の特徴点Aのオプティカル
フロー500が前記撮像手段101の撮像可能なイメー
ジプレーン1100の枠から外側に向かってフレームア
ウトして消失した場合に、死角内車間距離推測手段10
5は、その消失する直前の前記他車両1101の特徴点
Aのオプティカルフロー500に基づいて、他車両11
01の特徴点Aのオプティカルフロー500が消失した
時点以降の他車両1101と自車両1103との間の車
間距離Lおよび相対的位置P(X,Y,Z)を推測す
る。
【0071】そしてその推測の結果、他車両1101が
例えば領域帯1201のような特に危険性の高い相対的
位置に居ることが推測される場合には、危険度判定手段
107が判定するか、あるいはそのとき方向指示器10
8の点灯指示が入力されている場合には警報発生手段1
09が危険性ありと判定して、その旨を鳴動ブザー11
0等で運転者に警告することで、自車両1103におけ
る死角の領域1200に他車両1101が入った場合の
危険を回避することができる。
【0072】次に、上記のような自車両1103の死角
の領域1200に他車両1101が侵入した場合に他車
両1101の動きを推測するための死角内車間距離推測
手段105の機能および動作をさらに詳細に説明する。
【0073】図3や図4に示すように、他車両1101
が自車両1103に追い付いて来てやがて他車両110
1(画像ではなくて実体の他車両1101)は撮像手段
101の死角の領域1200に侵入する。
【0074】するとこのとき、最後部の画像の一点であ
る特徴点A(あるいは換言すれば特徴点Aに次々に対応
する対応点A´,(A´)´,((A´)´)´…ただ
しここではそれらを代表して特徴点Aと呼称する。以下
同様)もイメージプレーン1100の枠の外へと外れて
行き、その特徴点Aは消失することになるが、その消失
する直前の1コマの時点で形成されたオプティカルフロ
ー501を用いて、死角内車間距離推測手段105は、
その後の撮像手段101での撮像〜認知が不可能な状態
となる他車両1101の動きを推測する。
【0075】即ち、前記の特徴点Aが消失する直前の1
コマの時点で形成されたオプティカルフロー501の、
イメージプレーン1100上における座標(位置)およ
び長さ(つまりオプティカルフロー501をベクトルと
考えればその絶対値)に基づいて、前記の特徴点Aが消
失した直後からの他車両1101の動きを推測すること
ができる。
【0076】そこで次に、そのようなオプティカルフロ
ー501に基づいた、特徴点Aが消失した後の他車両1
101と自車両1103との車間距離や相対的位置を推
測する機能および動作についてを図5等に基づいてさら
に詳述する。
【0077】図5は、イメージプレーン1100上にお
ける特徴点Aおよびオプティカルフロー500と道路1
202上の実物の他車両1101の位置PやP´との関
係を模式的に示す図である。ここに、図5において符号
502は撮像手段101のカメラのレンズ系、またPは
ある時点での他車両1101の走行位置;P(X,Y,
Z)、P´はその次のコマの撮像が行なわれる時点つま
り周期Δtを隔てた後の他車両1101の相対的位置、
Aは前記の点Pに対応してイメージプレーン1100上
に結像される点、A´は前記の点P´に対応してイメー
ジプレーン1100上に結像される点、fはレンズ系5
02からイメージプレーン1100までの距離である。
なお説明の簡潔化を図るために、図5で座標軸Zは他車
両1101の走行方向に対して平行に取ってあり、また
イメージプレーン1100は座標軸Zに対して垂直に交
わるように配置されているものとした。
【0078】この図5に基づいて幾何学的に考察すると
下記に示すような関係式が求められる。即ち、 x=f・X/Z …(1) X´={(Δx/Δt)・Z+x・Z´}/f …(2) u=Δx/Δtとすると、 …(3) Z=(f・X´−xZ´)/u …(4)
【0079】 ここで、上記のZ´は隣接車線を走行中の他車両1101と自車両1103と の相対速度であるから、これをZ´=−α …(5) とすると、上記(4)式は、 Z=(f・X´+x・α)/u …(6)
【0080】従って、オプティカルフロー501のx方
向成分(即ちΔx/Δt=u)は、 u=(f・X´+x・α)/Z …(7)
【0081】そしてまた、オプティカルフロー501の
y方向成分(即ちΔy/Δt=v)についても上記とほ
ぼ同様に、 v=(f・Y´+y・α)/Z …(8) 以上のような計算式が得られる。
【0082】ところで、他車両1101は一般に、隣接
車線1204を直進しながら自車両1103に追い付い
て来る場合が殆どである。つまりその移動の方向は殆ど
Z軸に平行であって、X軸方向つまり横方向の動きにつ
いては、例えばこの他車両1101が左車線1203へ
と車線変更する場合か、あるいは特殊な事情などにより
蛇行している場合などが考えられるが、いずれにせよそ
のようなX軸方向つまり横方向の動きの速さは前記の本
来の走行速度つまりZ軸方向の速度の大きさよりもかな
り小さいので、つまり横方向の他車両1101のオプテ
ィカルフロー501のX軸方向成分については無視して
も実質上構わない場合もある。特に、例えば図2中で他
車両1101が横方向右側へと動く場合には、他車両1
101は撮像手段101の死角の領域1200に対して
さらに積極的に侵入して行くことになるが、しかしそれ
と同時に他車両1101は自車両1103からさらに離
れて行く方向に動いていくことになるから、本発明に係
る技術が必要な状況とはむしろ逆に自車両1103に対
して接触や衝突する危険性が低くなる方向に向かうこと
になる。従って、このような点で本発明に係る技術にお
いては他車両1101の速度ベクトルのX軸方向成分つ
まり横方向の速度の初期値については推測をしない場合
について述べたが、このX軸方向成分についても推測す
るようにしても良いことは言うまでもない。
【0083】また他車両1101のY軸方向の動きつま
り高さ方向の動きについても、それを考慮しなければな
らない必然性は前記のX軸方向の動きの場合よりもさら
に薄いことは言うまでもない。
【0084】上記のような理由から、X軸方向およびY
軸方向の他車両1101の動きについては考慮に入れな
いで省略しても構わないことになる。よって、上記の
(7)式および(8)式において、X´=0,Y´=0
をそれぞれ代入すると、 u=x・α/Z …(9) v=y・α/Z …(10) このような簡潔な関係式が得られる。
【0085】そしてさらに、自車両1103に追い付い
て来た他車両1101が、撮像手段101の死角の領域
1200に侵入して行き、やがてはその死角の領域12
00に完全に入り込んで撮像手段101の撮像領域から
消失することになるが、そのような死角の領域1200
に他車両1101が入り込んだ時点における他車両11
01の位置については、上記の如く死角内車間距離推測
手段105で判定することができる。
【0086】つまり、例えば図2乃至図4に示したよう
な状態を一例に取ると、他車両1101が撮像手段10
1の死角の領域1200に侵入して行き、やがては他車
両1101の最後部もその死角の領域1200に完全に
入り込むと、他車両1101の画像は撮像手段101の
撮像領域から完全に消失することになるが、その一コマ
前の時点で撮像された画像中の特徴点A(ただし図5に
即して言えば、対応点A´)の、イメージプレーン11
00における座標(x,y)を読み取って、その(x,
y)の値および撮像手段101の撮像領域の視野角θお
よび路面幅Wに基づいて幾何学的な位置関係によって計
算し、まずそのときの他車両1101の位置P´(X,
Y,Z)の情報のうち特にZつまり図2に示すような車
間距離L1 を検出する。
【0087】つまり、さらに詳細には、イメージプレー
ンの左右の縁から外へ消える直前で発生したオプティカ
ルフローの発生点の座標(x,y)は、イメージプレー
ンの左右の縁の位置で発生したものとする。つまり、撮
像手段101の(CCDカメラの)水平方向画角θの画
角の端で発生したとする。ただしこのとき、自車両と接
近車両とはそれぞれ走行車線の中央を走行しているもの
とする。高速道路では路面幅Wは一般に一定の値(例え
ば3.5m)に規格が統一されているから、固定的に予
め定まっている値である前記の水平方向画角θと路面幅
Wとを用いて、L1 =W/tan(θ/2)…(13)
なる演算によってL1 を求めることができる。また図5
から、A′(x,y)について(θ/2)=tan
-1(x/f)として(θ/2)を求め、この(θ/2)
を(13)式に代入してL1 を求めても良い。
【0088】またさらに、上記のようにして検出された
車間距離;L1 =Zと、イメージプレーンの左右の縁か
ら外へ消える直前の座標(x,y)で発生したオプティ
カルフロー(u,v)を上記の(9)式および(10)
式に代入する。そしてさらに変形すると、 α=u・L1 /x …(11) α=v・L1 /y …(12) となり、結局、図5に即して言うと特徴点Aに最終的に
対応する対応点A´が消失する直前のオプテイカルフロ
ー501の大きさと、その消失する直前の時点のコマに
おけるイメージプレーン1100上での対応点A´の座
標(x,y)とに基づいて、上記の車間距離L1 を求め
ることができ、また他車両1101の自車両1103に
対する相対速度の大きさαについて求めることができ
る。
【0089】そしてさらには、本発明によれば、前記の
消失直前のオプテイカルフロー501の大きさと、それ
が消失する直前の時点のコマにおける特徴点Aのイメー
ジプレーン1100上での座標A´(x,y)とに基づ
いて、その特徴点Aのオプテイカルフロー501がイメ
ージプレーン1100から消失してから後の、他車両1
101の動きを、死角内車間距離推測手段105が推測
する。
【0090】即ち、上記のようにしてオプテイカルフロ
ー501が消失する直前のオプテイカルフロー501の
大きさと、その時点のコマにおける特徴点Aのイメージ
プレーン1100上での座標A´(x,y)とを検出す
る。
【0091】そしてオプテイカルフロー501が消失し
た後も、他車両1101は前記のオプテイカルフロー5
01が消失した時点で検出された速度のままで走行を継
続するものと見做しても、ほぼ正確な推測が可能なはず
である。何故なら、他車両1101が自車両1103の
死角の領域1200に入っていて危険性が高い状態とい
うのは、その他車両1101と自車両1103との間の
距離がさほど大きくない状態が殆どだからである。換言
すれば、例えば図2において他車両1101が死角の領
域1200に入ってから自車両1103の長さ方向の領
域帯1201をも追い越して自車両1103の前方に出
るまでの間には、通常では他車両1101が速度を大幅
に変化させることは少ない筈で、高々追い抜き・追い越
し途中での加減速がある程度と考えられる。
【0092】従って、その間の他車両1101の動き
は、前記のオプテイカルフロー501が消失する直前の
相対速度αと、そのときの他車両1101の位置P´
(X,Y,Z)とを初期値として用いて、それ以降の他
車両1101の相対速度αについては等速度が維持され
ているものとし、またこの他車両1101の位置につい
ては前記の相対速度αでZ軸方向に沿って直進しつつあ
るものとして、他車両1101の走行状態を推測するこ
とができる。
【0093】即ち、定期的に推測処理を行なうように予
め定められた周期ΔTが来るごとに、死角内車間距離推
測手段105は上記の相対速度αを用いてΔL=α・Δ
Tを演算し、このΔLの値を初期値であるL1 から差し
引いて行き(つまりL1 −ΔL=L1 −α・ΔT)、そ
の時々刻々つまり周期ΔTごとに他車両1101と自車
両1103との間の車間距離Lを推測することができ
る。
【0094】こうして、オプテイカルフロー501がイ
メージプレーン1100から消失した後の他車両110
1の動きを高い妥当性を以て推測することができるが、
さらには、そのようにして推測された他車両1101の
動きが、予め定めておいた危険性の高い状況に対応した
状態に該当しているか否かを、危険度判定手段107が
判定する。
【0095】即ち、この危険度判定手段107は、特に
消失直前のオプティカルフロー501が、水平よりも上
方向に向かう方向成分を持っている場合には、例えば図
8の一例に則して言うと、他車両1301の場合のよう
に、比較的急なカーブの道路上で遅い速さで走行してい
る他車両1301が、その遅さに起因して自車両110
3から離れて行ってその結果にイメージプレーン110
0の枠から外へとフレームアウトした、という場合や、
他車両1302のように道路の分岐によってフレームア
ウトした、といった場合などに対応していると考えて良
いので、そのような場合には上記のような推測を実行し
ても無意味である。よって、そのような場合を除いて、
消失直前のオプティカルフロー501が水平よりも下方
向に向かう方向成分を持っている場合にのみ、上記のよ
うな推測を死角内車間距離推測手段105が実行すると
ともに、その推測の結果を用いてこの危険度判定手段1
07が危険性が高いとの判定を出した場合には、警報発
生手段109と共に兼用している警報ブザー110によ
ってその危険性を運転者に警告する。
【0096】なお、この危険度判定手段107は、単に
上記のような死角の領域1200に侵入した他車両11
01の危険度の判定を行なうだけでなく、後続車両等
(図示省略)の自車両1103に対する危険度の判定な
ど従来の一般的な後方監視の際の危険性の判定について
も行なうことが可能であることは言うまでもない。
【0097】即ち、オプティカルフロー500,501
等がFOE1208から発散する方向に向かっている
か、それともFOE1208に収束する方向に向かって
いるかに応じて、隣接車線1204を走行中の他車両1
101及び後続車両(図示省略)の速度の自車両110
3に対する接近度(すなわち危険度)を判断する。即
ち、オプティカルフロー500,501等がFOEから
発散する方向に大きく向かっているほど危険度が高いと
判断する。そしてそうであれば警報を発する。あるいは
警告灯を点灯させるようにしても良いことは言うまでも
ない。
【0098】ところで、警報発生手段109は、例えば
図7に示すように自車両1103の死角の領域1200
に他車両1101が侵入している状態のときに、自車両
1103が車線変更等の動きを実行すると、自車両11
03と他車両1101とが衝突するなどして甚だしくは
大事故が発生する場合さえ有る。
【0099】そこで、そのような自車両1103の死角
の領域1200に他車両1101が侵入している状態の
ときに自車両1103が車線変更等の動きを実行しよう
として方向指示器108を点灯する旨の入力が成された
場合には、前記危険性がある旨の警報を警報発生手段1
09が聴覚的情報として警報ブザー110を鳴動させ
て、その旨を運転者に警告する。なお、このような警報
を発するか否かを判定する基準としては、本実施形態で
は他車両1101が死角の領域1200に入ってから自
車両1103の前方に完全に出るまでの間の状態に居る
場合に、危険性が高いものと判定するようにしている。
【0100】即ち、上記のようにして他車両1101が
死角の領域1200に入って消失する直前のオプティカ
ルフロー501に基づいて初期値として得られた相対速
度αで他車両1101が自車両1103を追い抜いて行
き、自車両1103の前方に完全に出るまでの間の状態
において、方向指示器108による車線変更の意思表示
(つまり入力)が成された場合に、危険性が高いものと
判定し、その旨の警報を発するようにしている。しかし
これのみには限定されず、この他にも種々の判定基準を
用いることができることは言うまでもない。
【0101】次に、本発明に係る車両用後側方監視装置
の動作を、特に死角に入った他車両の動きを推測する動
作を中心として説明する。図6は、本発明に係る車両用
後側方監視装置の動作を、特に死角に入った他車両の動
きを推測する動作を中心として説明する概要フローチャ
ートである。
【0102】まず撮像手段101は後側景の画像を撮像
する(s1)。続いて、特徴点抽出手段102は、前記
後側景の画像中から前記後方又は隣接車線を走行中の他
車両の画像を識別し、その他車両の画像一点を特徴点A
として抽出する(s2)。
【0103】そして対応点検出手段103は、前記時点
の次の時点のコマとして撮像された画像中から前記特徴
点Aに対応する対応点A´を検出する(s3)。
【0104】続いてオプティカルフロー形成手段104
は、前記特徴点Aと前記対応点A´とを結ぶベクトルを
前記他車両の特徴点のオプティカルフロー500として
形成する(s4)。
【0105】そして、この対応点A´の検出〜オプティ
カルフロー500の形成は、相前後するコマごとに次々
と検出される対応点A´がイメージプレーン1100の
外枠に近い所定領域に到達するまで、つまり特徴点Aが
イメージプレーン1100の外枠からフレームアウトと
して消失するまで繰り返され、その度ごとにオプティカ
ルフロー500が形成される(s5のN〜s5のY)。
【0106】そして特徴点Aがイメージプレーン110
0の外枠からフレームアウトとして消失する直前になる
と、つまり換言すれば、図5に示した対応点A´がイメ
ージプレーン1100の外枠に近い所定領域に到達する
と、死角内車間距離推測手段105は、その時点での他
車両101の対応点A´の、イメージプレーン1100
上における座標A´(x,y)に基づいて、そのときの
他車両1101の相対速度αおよび相対的位置の座標P
´(X,Y,Z)を求める(s6)。
【0107】そしてさらに、前記の特徴点A(他車両の
後端部分)がイメージプレーン1100の外枠からフレ
ームアウトとして消失する直前または対応点A´がイメ
ージプレーン1100の外枠に近い所定領域に到達した
時点の距離L1 を初期値として用いて、周期ΔTごとに
(s7のY)、他車両1101と自車両1103との間
の車間距離Lを式L1 −α・ΔTの演算を行って求め
(s8a)、この車両距離Lに自車両1103の車体長
さを加算して図7に示すような自車両の先端から他車両
の後端までの距離L2 を算出する(s8)。L2 は他車
両後端が自車両先端より後方にある場合は正の値、自車
両先端より前方にある場合は負の値を取るものとする。
そしてこの算出した距離L2 についてL2 ≧S、L2 <
Sの判定を行う(s9)。ここでSは自車両が車線変更
しても先行位置に存在するようになった他車両との間に
適当な車間距離を保てるように予め設定された安全余裕
距離であり、自車両の先端の前方を負としたとき、例え
ば−10m等の負の値とされる。
【0108】上記判定の結果、L2 ≧Sであるときには
(s9のY)、さらにこのとき方向指示器108にオン
の入力があれば(s10のY)、警報発生手段109に
よって警報を発生させる(s11)。続いて、方向指示
器108のオン入力つまり方向指示器を点灯させること
を中止すれば、再び前記のs7に戻り、それ以降の動作
を繰り返す。
【0109】そしてL2 <Sとなったときには(s9の
N)、危険性が低下したのだから、それまでのLの演算
や相対速度αおよび相対的位置の座標P´(X,Y,
Z)の値のデータ等をリセットして、再びs(ステッ
プ)1に戻り、上記の動作を最初からまた繰り返す(s
1〜)。すなわち、L2 <Sとなったときには、一度消
失した他車両1101が距離S以上先行した安全圏に脱
した判断して、方向指示器108にオンの入力があって
も警報発生手段109によって警報を発生させることが
なくなる。このようにして本発明に係る車両用後側方監
視装置は動作して、死角の領域1200内における他車
両1101の動きを推測し、その危険を回避することが
できる。
【0110】なお、本実施形態においては、特徴点Aと
して他車両1101の最後部の一点を抽出するようにし
たが、特徴点Aの抽出はこれのみには限定されず、この
他にも例えば他車両1101の最先頭部の一点を抽出す
るようにしても良い。
【0111】ただしその場合には、上記実施形態の特徴
点Aの取り方と比較して、その他車両1101の長さb
の分だけ上記の場合とは車間距離Lの値がずれることに
なるが、そのようなずれを補正することなどで対処しつ
つ他車両1101の最先頭部の一点を特徴点Aとして抽
出するようにしても良い。
【0112】また、上記実施形態では監視用カメラ即ち
撮像手段101は自車両1103の最後尾のほぼ中央部
一か所に設置する場合について述べたが、これ以外に
も、撮像手段101を自車両1103の後方の左右両方
の二か所に1個ずつ合計2個配置した場合にも、その一
つ一つ毎に本発明の技術を適用可能である。
【0113】また、オプティカルフローが画面左右の端
から画面外へ消えた状況で、画面端からオプティカルフ
ローが消えた時点から所定の時間(例えば3秒間のよう
に、高速道路上での一般的な追い越しに要する時間な
ど)は近接車両が自車両の横の死角領域を走行している
ものと見做すことができる。そこで、この所定時間内に
おいてターンシグナル等で車線変更の意思を示した場合
には、横方向衝突が発生する危険性が高いので、その旨
の警報を発生するようにしても良い。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1に、運転者に対して自車両の周囲における特にその
死角の領域に入って目視では認知することが殆ど困難な
他車両の存在を、確実に認知することが可能となる。
【0115】また第2に、オプティカルフローがイメー
ジプレーン内を移動して来てそのイメージプレーンの周
縁部の所定領域(の撮像セルの位置)に来たときには、
次のコマの時点ではそのオプティカルフローは上記第1
の記載の如くイメージプレーンの枠から外側へとフレー
ムアウトするようにして消失するものと見做しても良い
ということになる。これにより、上記第1記載の技術で
述べた死角の領域に入って目視では認知することが殆ど
困難な他車両の存在を確実に認知することが可能とな
る。
【0116】また第3に、死角内車間距離推測手段によ
って推測された前記他車両と前記自車両との間の車間距
離または相対的位置関係に基づいて、その時々刻々での
前記自車両に対しての前記他車両との接触又は衝突の危
険性の度合いを、危険度判定手段が判定することができ
る。そしてさらには、それを運転者に対して表示して警
告することや警報ブザーを鳴動させるなどして、前記の
ような車両どうしの接触や衝突の危険性を未然に回避す
ることができる。
【0117】また第4に、自車両の死角の領域に他車両
が侵入している状態のときにそれを推測し、自車両の車
線変更等の動きを実行する以前にその動きによる危険性
が大である旨の警報を発して、自車両と他車両とが衝突
するなどして甚だしくは大事故が発生するといった問題
を解決することができる。
【0118】
【0119】さらに第に、他車両が死角領域に侵入し
ている状況で車線変更の操作があったときに、簡易的に
危険を警報することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用後側方監視装置の主要部の
構成を示す図である。
【図2】本発明に係る車両用後側方監視装置を搭載した
自車両が他車両とともに道路上を走行している場合の一
例を示す図である。
【図3】図2のような状態のときに撮像手段のイメージ
プレーン上にレンズ系を介して結像される画像の一例を
示す図である。
【図4】図3のような結像から検出されたエッジの画像
の一例を示す図である。
【図5】イメージプレーン上における特徴点Aおよびオ
プティカルフローを模式的に示す図である。
【図6】本発明に係る車両用後側方監視装置の動作を、
特に死角に入った他車両の動きを推測する動作を中心と
して説明する概要フローチャートである。
【図7】従来の車両用後側方監視装置を搭載した自車両
が他車両とともに道路上を走行している場合の一例を示
す図である。
【図8】曲率半径の比較的小さな道路およびその道路上
を走る他車両等が撮像手段のイメージプレーン上にレン
ズ系を介して画像として結像され場合の一例を示す図
である。
【図9】自車両後方に後ろ向きに取り付けられた撮像手
段である後方監視用カメラによって得られた時間的に連
続した画像、つまりそのカメラのCCD撮像素子のよう
な撮像素子のイメージプレーンの枠内に得られた後側景
の一例の概要を示す図である。
【符号の説明】 101 撮像手段 102 特徴点抽出手段 103 対応点検出手段 104 オプティカルフロー形成手段 105 死角内車間距離推測手段 106 表示手段 107 危険度判定手段 108 方向指示器 109 警報発生手段 109′第2の警報発生手段 110 警報ブザー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−76851(JP,A) 特開 平9−48282(JP,A) 特開 平6−130076(JP,A) 特開 平7−50769(JP,A) 特開 昭63−38056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 1/00 B60R 21/00 H04N 7/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行している自車両から後側景を撮像手
    段によって撮像し、所定時間相前後する2コマの画像中
    の対応点の時間的移動をオプティカルフローとして検出
    し、自車両に対する後方又は隣接車線を走行中の他車両
    の接近状態を監視する車両用後側方監視装置において、 ある時点に撮像された前記後側景の画像中から、前記後
    方又は隣接車線を走行中の他車両の画像の少なくとも一
    点を特徴点として抽出する特徴点抽出手段と、 前記時点の次の時点のコマとして撮像された画像中か
    ら、前記特徴点に対応する対応点を検出する対応点検出
    手段と、 前記特徴点と前記対応点とを結ぶベクトルを前記他車両
    の特徴点のオプティカルフローとして形成するオプティ
    カルフロー形成手段と、 前記他車両の特徴点のオプティカルフローが前記撮像手
    段の撮像可能なイメージプレーンの枠から外側に向かっ
    てフレームアウトして消失した場合に、該消失する直前
    の前記他車両の特徴点のオプティカルフローに基づい
    て、前記他車両の特徴点のオプティカルフローが消失し
    た時点以降の前記他車両と前記自車両との間の車間距離
    および相対的位置関係のうち少なくともいずれか一方を
    推測する死角内車間距離推測手段とを備え、 前記死角内車間距離推測手段は、前記撮像手段の撮像可
    能なイメージプレーンの枠内の周縁部の所定領域に到達
    した時点における前記他車両の特徴点のオプティカルフ
    ローが、前記後側景における水平方向乃至上方に向かう
    方向に対応する方向成分を持ったオプティカルフローで
    あった場合には、前記到達した時点又は該時点の次のコ
    マの時点以降の前記他車両と前記自車両との間の車間距
    離および相対的位置関係の推測を実行せず、前記撮像手
    段の撮像可能なイメージプレーンの枠内の周縁部の所定
    領域に到達した時点における前記他車両の特徴点のオプ
    ティカルフローが、前記後側景における水平方向未満乃
    至下方に向かう方向に対応する方向成分を持った、前記
    自車両の死角へと入って行く他車両の特徴点のオプティ
    カルフローであった場合にのみ、前記到達した時点また
    は該時点の次のコマの時点以降の前記他車両と前記自車
    両との間の車間距離および相対的位置関係のうち少なく
    ともいずれか一方の推測を行なう死角内車間距離推測手
    段である ことを特徴とする車両用後側方監視装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用後側方監視装置に
    おいて、 前記死角内車間距離推測手段は、前記他車両の特徴点の
    オプティカルフローが前記撮像手段の撮像可能なイメー
    ジプレーンの枠内の周縁部の所定領域内に到達した際
    に、前記オプティカルフローが次のコマの時点では消失
    するものと見做して、前記到達した時点でのオプティカ
    ルフローを前記消失する直前の前記他車両の特徴点のオ
    プティカルフローとして用いて、前記到達した時点又は
    該時点の次のコマの時点以降の前記他車両と前記自車両
    との間の車間距離および相対的位置関係のうち少なくと
    もいずれか一方を推測する死角内車間距離推測手段であ
    ることを特徴とする車両用後側方監視装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の車両用後側方監視
    装置において、 前記死角内車間距離推測手段によって推測された前記他
    車両と前記自車両との間の車間距離または相対的位置関
    係に基づいて、前記自車両に対しての前記他車両との接
    触又は衝突の危険性の度合いを判定する危険度判定手段
    を、さらに具備することを特徴とする車両用後側方監視
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3いずれかに記載の車両用
    後側方監視装置において、 前記死角内車間距離推測手段によって推測された前記他
    車両と前記自車両との間の車間距離または相対的位置関
    係が、前記自車両にとって前記他車両との接触又は衝突
    の危険性がある状態として予め定められた範囲内にある
    ときに、車線変更の際の意思表示を行なうために前記自
    車両に設置されている方向指示器を点灯する旨の入力が
    成された場合には、前記危険性がある旨の警報を聴覚的
    情報および視覚的情報のうち少なくともいずれか一方で
    発する警報発生手段をさらに具備することを特徴とする
    車両用後側方監視装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4いずれかに記載の車両用
    後側方監視装置において、 前記他車両の特徴点のオプティカルフローが前記撮像手
    段の撮像可能なイメージ プレーンの枠から外側に向かっ
    てフレームアウトして消失した場合に、該消失してから
    一定の時間内に車線変更のための操作を行われたとき、
    横方向衝突の発生する危険性がある旨の警報を聴覚的情
    報および視覚的情報のうち少なくともいずれか一方で発
    する第2の警報発生手段をさらに具備することを特徴と
    する車両用後側方監視装置。
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