JP3422682B2 - ナトリウム−硫黄電池 - Google Patents

ナトリウム−硫黄電池

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JP3422682B2 JP07797698A JP7797698A JP3422682B2 JP 3422682 B2 JP3422682 B2 JP 3422682B2 JP 07797698 A JP07797698 A JP 07797698A JP 7797698 A JP7797698 A JP 7797698A JP 3422682 B2 JP3422682 B2 JP 3422682B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナトリウム−硫黄
電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のナトリウム−硫黄電池を図面を参
照して説明する。図4(a)及び図4(b)に示す円筒
形のナトリウム−硫黄電池11には、少なくともナトリ
ウムを含む負極活物質2と、少なくとも硫黄を含む正極
活物質3と、負極活物質2と正極活物質3との間に配置
された固体電解質4と、正極活物質3を含浸して正極活
物質3の電子伝導を補助する多孔質の導電助材5と、正
極活物質3及び導電助材5と外部回路とを電気的に接続
する正極集電体6とが備えられている。
【0003】図4(a)及び図4(b)においては、固
体電解質4は有底の円筒管4’であり、その材質はナト
リウムイオンに対して伝導性を有するセラミックスまた
はガラス等からなるものであって、例えばβ−アルミナ
(Na2O・11Al23)や、安定化剤としてMg
O、Li2O等が添加されたβ”−アルミナ(3Na2
・16Al23)等が用いられる。また、図4(a)及
び図4(b)においては、正極集電体6は円筒缶6’で
あり、その材質は例えばステンレス、Ni合金等が用い
られる。導電助材5は、正極活物質3の電子伝導を補助
するとともに、正極活物質3を含浸して保持する機能を
有する。導電助材5の材質としては、例えば炭素繊維布
等が用いられる。
【0004】ナトリウム−硫黄電池11においては、負
極活物質2が固体電解質4の円筒管4’に収納されてい
る。また、固体電解質4の円筒管4’が、正極集電体6
である円筒缶6’に収納されている。更に、正極活物質
3(硫黄)が含浸された導電助材5が、正極缶6’と固
体電解質4の円筒管4’との間に配置されている。この
ようにして、固体電解質4は、負極活物質2と正極活物
質3との間に配置されて、負極活物質2と正極活物質3
とを隔離している。
【0005】固体電解質4の円筒管4’の上部には、ガ
ラス半田等の接合材によりα−アルミナ等からなる絶縁
リング7が接合されている。絶縁リング7は円筒缶6’
に接合されて負極活物質2及び正極活物質3を密封して
いる。封口体8は、絶縁リング7に接合されており、負
極端子の役割を果たす。また、封口体8には、負極集電
体9が接続されている。負極集電体9は、負極活物質2
と封口体8とを電気的に接続している。
【0006】このナトリウム−硫黄電池11の負極にお
ける放電反応は、式(1)に示す通りである。即ち、負
極活物質2であるナトリウム(Na)がナトリウムイオ
ン(Na+)と電子(e-)とに分かれ、ナトリウムイオ
ン(Na+)は固体電解質4内を伝導して正極活物質3
中に侵入し、電子(e-)は負極集電体9及び封口体8
を介して外部回路に流れる。正極における放電反応は、
式(2)に示す通りであり、正極活物質3中に侵入した
ナトリウムイオン(Na+)が硫黄(S)と反応して、
多硫化ナトリウム(Na2x)を生成する。
【0007】ナトリウム−硫黄電池11の充電時には、
放電反応と逆の反応が起こり、ナトリウム(Na)およ
び硫黄(S)が生成する。通常は、多硫化ナトリウム
(Na2x)の一部が残留する程度まで充電する。これ
は、硫黄(S)よりも多硫化ナトリウム(Na2x)の
固有抵抗が低いために、多硫化ナトリウム(Na2x
を残存させておけば正極活物質の抵抗の上昇を抑えるこ
とができるからである。
【0008】
【数1】
【0009】
【数2】
【0010】充電時における硫黄(S)の生成は、導電
助材5と多硫化ナトリウム(Na2x)との界面で進行
する。導電助材5と固体電解質4とが接触していると、
生成した硫黄(S)が固体電解質4の表面に析出する。
硫黄(S)は、その固有抵抗が高い。従って、固体電解
質4が硫黄に完全に覆われると、ナトリウム−硫黄電池
11の内部抵抗が大きくなって以後の充放電を行うこと
が困難になる。また、固体電解質4の一部が硫黄に覆わ
れると、硫黄が覆われていない部分に電流が集中して固
体電解質4が破損してしまう。
【0011】そこで、ナトリウム−硫黄電池11の内部
抵抗の増大及び固体電解質の破損を防ぐために、導電助
材5と固体電解質4の円筒管4’との間に、固体電解質
4の表面における硫黄の集中的な析出を抑えるための高
抵抗層51を設けている。上述の高抵抗層51として
は、図5に示すように、固体電解質4の表面に、ガラ
ス、セラミックス、アルミナ等の絶縁性の粉体52を塗
布若しくは焼結することにより得られた多孔質な高抵抗
層51が用いられている。この多孔質な高抵抗層51
は、ナトリウムイオン(Na+)を十分に透過させる必
要がある。従って、比較的平均粒径が大きい絶縁性の粉
体を用いて、高抵抗層51の多孔度を高めることが行わ
れている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高抵抗層51
の多孔度を高めると、高抵抗層51の孔の大きさが大き
くなり、導電助材5が炭素繊維布からなる場合において
は、炭素繊維の繊維径にもよるが、炭素繊維がこの孔に
侵入して固体電解質と接触する場合がある。この状態で
電池を充電すると、固体電解質の表面に硫黄が析出し、
ナトリウム−硫黄電池の内部抵抗の増大及び固体電解質
の破損を防ぐことができないという課題があった。
【0013】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、固体電解質表面での硫黄の集中的
な析出を確実に抑えることが可能な高抵抗層を備えたナ
トリウム−硫黄電池を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明のナトリ
ウム−硫黄電池は、少なくともナトリウムを含む負極活
物質と、少なくとも硫黄を含む正極活物質と、前記負極
活物質と前記正極活物質との間に位置してナトリウムイ
オンに対して伝導性を有する固体電解質と、前記正極活
物質を含浸して前記正極活物質の電子伝導を補助する導
電助材と、前記固体電解質と前記導電助材との間に形成
された高抵抗層とを備えたナトリウム−硫黄電池におい
て、前記高抵抗層は、微粉体からなる微粒子層と、前記
微粉体よりも平均粒径が大きい粗粉体からなる粗粒子層
とから構成され、前記微粒子層と前記固体電解質とが隣
接し、前記粗粒子層と前記導電助材とが隣接するように
形成され、前記微粒子層によって前記導電助材の繊維と
前記固体電解質とが非接触にされていることを特徴とす
る。
【0015】また、前記高抵抗層は、前記微粒子層と前
記導電助材とが隣接し、前記粗粒子層と前記固体電解質
とが隣接するように形成され、前記微粒子層によって前
記導電助材の繊維と前記固体電解質とが非接触にされて
いるものであっても良い。
【0016】本発明のナトリウム−硫黄電池は、先に記
載のナトリウム−硫黄電池であって、前記微粒子層の前
記微粉体の平均粒径が0.01μm以上10μm以下で
あり、前記粗粒子層の前記粗粉体の平均粒径が0.1μ
m以上1000μm以下であることを特徴とする。ま
た、前記微粒子層の厚さが0.01μm以上10μm以
下であり、前記粗粒子層の厚さが0.1μm以上100
0μm以下であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図2(a)及び図2(b)には本
発明の実施の形態であるナトリウム−硫黄電池を示す。
なお、これらの図において、前述した図4(a)及び図
4(b)に示す構成要素と同一の構成要素に同一符号を
付してその説明を省略する。
【0018】図2(a)及び図2(b)に示すナトリウ
ム−硫黄電池1には、導電助材5と固体電解質4の円筒
管4’との間に、固体電解質4の表面における硫黄の集
中的な析出を抑えるための高抵抗層13が設けられてい
る。高抵抗層13は、図1に示すように、微粉体21か
らなる多孔質な微粒子層22と、微粉体21よりも平均
粒径が大きい粗粉体23からなる多孔質な粗粒子層24
とから構成されている。また、高抵抗層13は、図1及
び図2に示すように、微粒子層22と固体電解質4とが
隣接し、粗粒子層24と導電助材5とが隣接するように
配置されている。
【0019】微粒子層22を構成する微粉体21の平均
粒径は、粗粉体23の平均粒径よりも小さく、微粒子層
22における微粉体22同士の間隔は、粗粒子層24に
おける粗粉体23同士の間隔よりも狭くなる。従って、
微粒子層22は、粗粒子層24と比較してその多孔度が
低くなるために、微粒子層22の孔の径は、粗粒子層2
4における孔の径よりも小さくなる。このような微粒子
層22が固体電解質4に隣接して配置されているので、
導電助材5が炭素繊維布からなる場合においては、炭素
繊維が微粒子層の孔に入り込めず、炭素繊維と固体電解
質4とが接触することがない。従って、充電時における
固体電解質4の表面での硫黄の析出を防ぐことが可能と
なる。
【0020】また、粗粒子層24と固体電解質4とが隣
接し、微粒子層22と導電助材5とが隣接した場合であ
っても、上記と同様の効果が得られる。また、高抵抗層
13が、微粒子層22のみで構成された場合には、電池
の内部抵抗が高くなるので好ましくなく、高抵抗層13
が、粗粒子層24のみで構成された場合には、炭素繊維
との接触による硫黄の析出が起きて電池の内部抵抗が増
加するので好ましくない。
【0021】微粉体21及び粗粉体23は、高抵抗層1
3における電子伝導を極力小さくするために、絶縁性の
材料からなることが好ましく、例えば、α−アルミナ、
酸化ジルコニウム、β−アルミナ、β”−アルミナ等を
材質としたものが用いられる。
【0022】微粉体21の平均粒径は、炭素繊維布の繊
維の貫通を防ぎ、かつ、ナトリウムイオンの透過を妨げ
ないために、0.01μm以上10μm以下であること
が好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがよ
り好ましい。微粉体21の平均粒径が0.01μm未満
では、微粉体21同士の間隔が著しく狭くなり、微粒子
層22の多孔度が極端に低下し、多硫化ナトリウム等の
物質移動が阻害され、電池の内部抵抗が大きくなってし
まうので好ましくない。また、微粉体21の平均粒径が
10μmを越えると、微粉体21同士の間隔が広くなっ
て微粒子層の多孔度が大きくなり、炭素繊維布の繊維が
貫通して固体電解質4と炭素繊維布からなる導電助材5
とが接触し、充電時に硫黄が固体電解質4の表面に析出
してしまうので好ましくない。
【0023】粗粒子層24の粗粉体23の平均粒径は、
ナトリウムイオンの透過を妨げないために、0.1μm
以上1000μm以下であることが好ましく、1μm以
上100μm以下であることがより好ましい。粗粉体2
3の平均粒径が0.1μm未満では、物質移動の制限に
よる電池の内部抵抗の増加が起きるので好ましくない。
粗粉体23の平均粒径が1000μmを越えると、粗粒
子層24の空隙率が大きくなり、粗粒子層24自体の強
度が低下してしまうので好ましくない。
【0024】ここで、平均粒径とは、粉体を構成する多
数の粒子の径の平均を意味するものであれば、どのよう
な指標であっても良く、例えば、幾何平均粒径、表面積
平均粒径、体積平均粒径等を平均粒径として用いること
ができる。
【0025】微粒子層22の厚さは、炭素繊維布の繊維
の貫通を防ぎ、かつ、ナトリウムイオンの透過を妨げな
いために、0.01μm以上10μm以下であることが
好ましく、0.1μm以上10μm以下であることがよ
り好ましい。微粒子層22の厚さが0.01μm未満で
は、微粒子層22の機械的強度が低下して、炭素繊維布
の繊維が微粒子層を突き抜けて、固体電解質4と炭素繊
維布からなる導電助材5とが接触し、充電時に硫黄が固
体電解質4の表面に析出してしまうので好ましくない。
微粒子層22の厚さが10μmを越えると、ナトリウム
イオンの透過が妨げられて、電池の内部抵抗が大きくな
ってしまうので好ましくない。
【0026】粗粒子層24の厚さは、0.1μm以上1
000μm以下であることが好ましく、1μm以上10
0μm以下であることがより好ましい。粗粒子層24の
厚さが0.1μm未満では、多硫化ナトリウム等の物質
移動が阻害されて電池の内部抵抗が高くなるので好まし
くない。粗粒子層24の厚さが1000μmを越える
と、ナトリウムイオンの透過が妨げられて、電池の内部
抵抗が大きくなってしまうので好ましくない。
【0027】上述の高抵抗層13を形成する方法として
は、アルミナ等の粉体を、固体電解質4または炭素繊維
布からなる導電助材5の表面に塗布あるいは散布する方
法、溶融状態の硫黄を、固体電解質4または炭素繊維布
からなる導電助材5の表面に塗布した後にアルミナ等の
粉体を散布する方法、アルミナ等の粉体を溶融状態の硫
黄に混合してこの硫黄中に固体電解質4を含浸して引き
上げる方法等を利用することができる。溶融状態の硫黄
は、冷却によって固化するので、結着材としての役割を
果たし、高抵抗層13を形成する微粉体21及び粗粉体
23を固体電解質4の表面に固定する。
【0028】上述の方法により、固体電解質4または導
電助材5の表面に、微粒子層22と粗粒子層24とを順
次形成して高抵抗層13を形成しても良い。また、固体
電解質4の表面に微粒子層を形成し、導電助材5の表面
に粗粒子層を形成し、ナトリウム−硫黄電池1を製造す
る際に固体電解質4と導電助材5とを隣接させて高抵抗
層13を形成しても良い。
【0029】上述のナトリウム−硫黄電池1は、固体電
解質4と導電助材5との間に、微粉体21からなる微粒
子層22と、微粉体21よりも平均粒径が大きい粗粉体
23からなる粗粒子層24とから構成される高抵抗層1
3を備えており、微粒子層22の多孔度が低く微粒子層
22の孔の径が小さいので、炭素繊維布からなる導電助
材5を用いた場合に、炭素繊維が微粒子層22を貫通し
て固体電解質4と接触することがなく、固体電解質4の
表面での硫黄の集中的な析出を防ぐことができる。更
に、高抵抗層13は、微粒子層22と固体電解質4とが
隣接し、粗粒子層24と導電助材5とが隣接するように
配置されているので、炭素繊維が微粒子層22を貫通し
て固体電解質4と接触することがなく、固体電解質4の
表面での硫黄の集中的な析出を防ぐことができる。
【0030】上述のナトリウム−硫黄電池1において
は、微粒子層22を構成する微粉体21の平均粒径が
0.01μm以上10μm以下であるので、微粒子層2
2の多孔度の極端な低下を防いでナトリウム−硫黄電池
1の内部抵抗を小さくするとともに、微粒子層22の多
孔度の極端な増加を防いで導電助材5の炭素繊維と固体
電解質4との接触を防ぐことができる。また、粗粒子層
24を構成する粗粉体23の平均粒径が0.1μm以上
1000μm以下であるので、粗粒子層24の強度の低
下を防ぐことができる。
【0031】上述のナトリウム−硫黄電池1において
は、微粒子層22の厚さが0.01μm以上10μm以
下であるので、ナトリウムイオンの透過が妨げられるこ
とを防止すると共に、また、炭素繊維布の貫通を防止す
ることができる。また、粗粒子層24の厚さが0.1μ
m以上1000μm以下であるので、粗粒子層24の強
度の低下を防ぐと共に、ナトリウムイオンの透過が妨げ
られることを防止することができる。
【0032】
【実施例】β”−アルミナ(3Na2O・16Al23
に、安定化剤としてMgO、Li2O等を添加したも
の)からなる固体電解質の円筒管の外周面に溶融状態の
硫黄を塗布し、続いて微粉体を散布して微粒子層を形成
し、この微粒子層の上に再び溶融状態の硫黄を塗布し、
続いて粗粉体を散布して粗粒子層を形成することによ
り、高抵抗層を得た。このときの固体電解質の円筒管の
大きさは、外径20mm、長さ150mm、厚さ1mm
であった。
【0033】高抵抗層が形成された固体電解質の円筒管
の開口端に絶縁リングを接合し、この固体電解質を、あ
らかじめ正極活物質(硫黄)と導電助材とが収納された
円筒缶(正極集電体)に収納した。更に、負極活物質で
あるナトリウムを固体電解質からなる円筒缶に収納し
た。また、絶縁リングを正極集電体に接合し、負極集電
体を負極活物質に挿入し、封口体を絶縁リングに接合し
て表1、図2に示すような、外径32mm、高さ200
mmの実施例のナトリウム−硫黄電池を製造した。
【0034】また、固体電解質の円筒管の外周面に、平
均粒径0.1〜1μmのα−アルミナの粉体からなる高
抵抗層を形成し、この固体電解質を用いて、上述と同様
にして比較例のナトリウム−硫黄電池を製造した。
【0035】得られたナトリウム−硫黄電池を、350
℃に保ちつつ、8時間率に相当する電流にて充放電を繰
り返した。200サイクル目における活物質重量当たり
のエネルギー密度を表1に示した。また、図3には、実
施例1及び比較例1のナトリウム−硫黄電池の充放電サ
イクルと活物質重量当たりのエネルギー密度との関係を
示した。
【0036】表1及び図3より、実施例のいずれの電池
においても、比較例の電池よりもエネルギー密度のサイ
クル特性が良好であることがわかる。これは、比較例の
ナトリウム−硫黄電池においては、充放電サイクルの進
行とともに、固体電解質の表面に硫黄が析出し、ナトリ
ウム−硫黄電池の内部抵抗が大きくなって放電容量が低
下したためと推定される。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
ナトリウム−硫黄電池は、固体電解質と導電助材との間
に、微粉体からなる微粒子層と、前記微粉体よりも平均
粒径が大きい粗粉体からなる粗粒子層とから構成される
高抵抗層を備えており、微粒子層の多孔度が低く微粒子
層の孔の径が小さいので、炭素繊維布からなる導電助材
を用いた場合に、炭素繊維が微粒子層を貫通して固体電
解質と接触することがなく、固体電解質の表面での硫黄
の集中的な析出を防ぐことができる。、更に、高抵抗層
は、微粒子層と固体電解質とが隣接し、粗粒子層と導電
助材とが隣接するように配置されているので、炭素繊維
が微粒子層を貫通して固体電解質と接触することがな
く、固体電解質の表面での硫黄の集中的な析出を防ぐこ
とができる。また、前記高抵抗層は、前記微粒子層と前
記導電助材とが隣接し、前記粗粒子層と前記固体電解質
とが隣接するように配置されたものであっても良い。
【0039】本発明のナトリウム−硫黄電池において
は、微粒子層を構成する微粉体の平均粒径が0.01μ
m以上10μm以下であるので、微粒子層の多孔度の極
端な低下を防いで電池の内部抵抗を小さくするととも
に、微粒子層の多孔度の極端な増加を防いで導電助材の
炭素繊維と固体電荷質との接触を防ぐことができる。ま
た、粗粒子層を構成する粗粉体の平均粒径が0.1μm
以上1000μm以下であるので、粗粒子層の強度の低
下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態であるナトリウム−硫黄
電池の高抵抗層を示す模式図である。
【図2】 本発明の実施の形態であるナトリウム−硫黄
電池を示す図であって、(a)はナトリウム−硫黄電池
の正面断面図であり、(b)はナトリウム−硫黄電池の
平面断面図である。
【図3】 サイクル数と活物質重量当たりのエネルギー
密度との関係を示すグラフである。
【図4】 従来のナトリウム−硫黄電池を示す図であっ
て、(a)はナトリウム−硫黄電池の正面断面図であ
り、(b)はナトリウム−硫黄電池の平面断面図であ
る。
【図5】 従来のナトリウム−硫黄電池の高抵抗層を示
す模式図である。
【符号の説明】
2 負極活物質 3 正極活物質 4 固体電解質 4’円筒管 5 導電助材 6 正極集電体 6’ 円筒缶 7 絶縁リング 8 封口体 9 負極集電体 11 ナトリウム−硫黄電池 13 高抵抗層 21 微粉体 22 微粒子層 23 粗粉体 24 粗粒子層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−28169(JP,A) 特開 平4−71171(JP,A) 特開 平6−208855(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/39

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともナトリウムを含む負極活物質
    と、 少なくとも硫黄を含む正極活物質と、 前記負極活物質と前記正極活物質との間に位置してナト
    リウムイオンに対して伝導性を有する固体電解質と、 前記正極活物質を含浸して前記正極活物質の電子伝導を
    補助する繊維状の導電助材と、 前記固体電解質と前記導電助材との間に形成された高抵
    抗層とを備えたナトリウム−硫黄電池において、 前記高抵抗層は、微粉体からなる微粒子層と、前記微粉
    体よりも平均粒径が大きい粗粉体からなる粗粒子層とか
    ら構成され、 前記微粒子層と前記固体電解質とが隣接し、前記粗粒子
    層と前記導電助材とが隣接するように形成され、前記微
    粒子層によって前記導電助材の繊維と前記固体電解質と
    が非接触にされていることを特徴とするナトリウム−硫
    黄電池。
  2. 【請求項2】 少なくともナトリウムを含む負極活物質
    と、 少なくとも硫黄を含む正極活物質と、 前記負極活物質と前記正極活物質との間に位置してナト
    リウムイオンに対して伝導性を有する固体電解質と、 前記正極活物質を含浸して前記正極活物質の電子伝導を
    補助する繊維状の導電助材と、 前記固体電解質と前記導電助材との間に形成された高抵
    抗層とを備えたナトリウム−硫黄電池において、 前記高抵抗層は、微粉体からなる微粒子層と、前記微粉
    体よりも平均粒径が大きい粗粉体からなる粗粒子層とか
    ら構成され、 前記微粒子層と前記導電助材とが隣接し、前記粗粒子層
    と前記固体電解質とが隣接するように形成され、前記微
    粒子層によって前記導電助材の繊維と前記固体電解質と
    が非接触にされていることを特徴とするナトリウム−硫
    黄電池。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のナトリ
    ウム−硫黄電池であって、 前記微粒子層の前記微粉体の平均粒径が0.01μm以
    上10μm以下であり、前記粗粒子層の前記粗粉体の平
    均粒径が0.1μm以上1000μm以下であることを
    特徴とするナトリウム−硫黄電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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