JP3422558B2 - 立体形状の防音遮熱板 - Google Patents
立体形状の防音遮熱板Info
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Description
ーストマニホールドヒートインシュレーターのごとき、
立体的な形状を有する防音遮熱板に関する。
は、エンジンと共に、エンジン制御、走行制御等を行わ
せるための電子機器が配置されている。そこで、これら
電子機器を高熱から保護するために、遮熱板としてのエ
キゾーストマニホールドヒートインシュレーター(以
下、インシュレーターと称す)が設けられている。この
インシュレーターは、熱源であるエキゾーストマニホー
ルドから一定の空間を設けて、その周囲に配置してあ
り、有効な遮熱板となる。上記インシュレーターは、一
般的に振動源であるエキゾーストマニホールドに固定さ
れている。また、エキゾーストマニホールドは、騒音発
生源でもある。そのため、上記インシュレーターは、遮
熱板であると共に防音材としての役割も有する、防音遮
熱板である。
ンシュレーターは、金属板または複数枚の金属板を積層
固定したもの、もしくはその間にアスベストシート等を
挟設したものである。そのため、防音遮熱板として十分
にその役割を果たしていない。即ち、従来のインシュレ
ーターは、エキゾーストマニホールドからの固体伝搬音
によって、騒音が高くなってしまうことがある。
ュレーターとの間の空間が共鳴箱の役割を果たしてしま
い、エキゾーストマニホールドからの騒音が上記空間
で、反射を繰り返し、騒音が増幅される。そのため、イ
ンシュレーターによって騒音値が上昇してしまう。ま
た、一枚または複数の金属板に吸音材としてアスベスト
シート等を挟設したものについても、上記表面の金属板
が騒音を反射する。そのため、十分な吸音効果が得られ
ない。
板の間に粘弾性樹脂を挟持した制振鋼板も提案されてい
る。しかし、このものは、上記粘弾性樹脂が熱に弱いた
め、エキゾーストマニホールド等の高温体の周囲に設置
することは、耐久性の面から好ましくない。本発明は、
かかる問題点に鑑み、防音、遮熱、耐久性に優れた立体
的な形状を有する防音遮熱板を提供しようとするもので
ある。
体的な形状を有する防音遮熱板において、該防音遮熱板
は成形した金属基板と、該金属基板の表面に設けた無機
吸音材と、該無機吸音材の表面に配置され、かつ上記金
属基板にピッチ10〜100mmの間隔によって、ハト
メで固定された金網、金属箔、シリカクロスまたはガラ
スクロスよりなることを特徴とする立体形状の防音遮熱
板にある。
記金属基板にピッチ10〜100mmの間隔によって、
ハトメで固定された金網、金属箔、シリカクロスまたは
ガラスクロスよりなることにある。上記金属板として
は、例えば、鋼板、アルミニウム板、ステンレス板、ア
ルミメッキ鋼板などを用いる。上記無機吸音材は、接着
剤によって金属板に固定することが好ましい。接着剤と
しては無機材質の物が好ましい。また、無機質繊維は耐
熱性を有することが好ましい。
配置され、かつ上記金属基板にハトメで固定される金
網、金属箔、シリカクロスまたはガラスクロスは、耐熱
性及び柔軟性に優れたものである。柔軟性は、無機吸音
材を湾曲面に固定する為に必要であるばかりでなく、エ
キゾーストマニホールドからの放射音を反射することな
く無機吸音材に吸収させる為にも必要である。また、金
網の材質は耐熱性、耐酸化性の面からSUS304が好
適である。また、金属箔の材質は耐熱性、耐酸化性の面
からSUS304が好適である。
材をエクスパンドメタルで固定したものが見受けられる
が、防音対策としては効果的であるものの自動車部品と
しては不適切である。何故ならば、通常吸音材として用
いられるグラスウール、ロックウール、シリカ−アルミ
ナセラミックファイバー等といった短繊維不織布は、定
置式の産業機械の場合には実用上何等問題ないが、エン
ジンまたは走行中の振動に加え、走行風、泥水といった
条件下で使用される自動車部品の場合には開口率の高い
エクスパンドメタルのようなものでは前記吸音材を保持
する事ができず、吸音材が、除々に飛散または流出して
しまうからである。従って、無機吸音材の保持の為には
金網、金属箔、シリカクロスまたはガラスクロスが必要
である。
クロスの固定方法としては、リベット、スタッドピン、
針金でしばる等の方法があるが、耐久性の面からハトメ
が好ましい。上記ハトメは10mm以下の穴径であるこ
とが望ましい。ハトメの穴径が10mmより大きいとそ
の部分を音が通過してしまい、防音効果が低下してしま
うからである。次に、上記固定部は、ピッチ10〜10
0mmの間隔を有していることが好ましい。ピッチが1
0mm未満の場合には、上記固定部がサウンドブリッジ
となり、防音効果が低下するおそれがある。また、ピッ
チが100mmより大きい場合には、金属基板から無機
吸音材が浮いてしまう。そのため、金属基板の振動によ
り防音効果が低下してしまうという問題がある。
が好ましい。上記無機質繊維は次のようにして騒音を吸
収する。すなわち、無機質繊維の繊維同士の間隙が侵入
した音のエネルギーを、毛細管の粘性抵抗により、熱エ
ネルギーに変換、あるいは繊維自体が侵入した音のエネ
ルギーで振動し、熱エネルギーに変換するためである。
よって、上記無機質繊維は吸音材の役割を果たす。
を吸収する。すなわち、エンジンからエンジンカバーに
伝達した振動エネルギーは、上記無機繊維の内部摩擦に
より熱エネルギーに変換される。よって、上記無機繊維
は、制振材の役割を果たす。上記無機質繊維としては、
セラミックファイバーまたはガラス繊維であることが好
ましい。
れた、密度等の条件を満たしうる無機吸音材のなかで、
最も一般的で、コストも安価で安全性も高い。また、セ
ラミックファイバーは耐熱性、耐久性にも優れている。
耐熱性に対する要求があまり重要でない場合において
は、コストの面からガラス繊維が好ましい。上記無機質
繊維としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、ガラス、
シリカ、ロックウールのグループから選ばれる1種以上
の材料を用いている。
5mmの厚みを有し、かつその嵩密度は0.05g/c
m3 〜0.5g/cm3 であることが好ましい。0.5
mm未満の厚みでは吸音、制振性が不充分であり、一方
15mmより厚いと、例えばエンジンルームの限られた
スペース内でエンジンに装着できないおそれがある。ま
た、嵩密度が0.05g/cm3 未満であれば、耐久性
の問題を生じ、0.5g/cm3 より大きければ、吸音
不良の問題を生じるおそれがある。本発明の防音遮熱板
は、前記のインシュレーターの外、エキゾーストパイ
プ、マフラー、ターボチャージャカバー、触媒コンバー
タなどの高熱及び騒音発生機器の防音、遮熱材として優
れた効果を発揮する。
ては、金属基板と、該金属基板の表面に設けた無機吸音
材と、上記金網、金属箔、シリカクロスまたはガラスク
ロスより構成されている。そして、上記防音遮熱板によ
り製作されたインシュレーター等は、上記無機吸音材を
設けた面を、エンジン等と対面させるよう設置する。そ
のため、エンジン等からの騒音は上記無機吸音材に吸収
され、上記金属基板には伝搬しない。従って、上記金属
基板を通じて、外部に騒音が伝わらない。また、上記無
機吸音材の表面、即ち音源側には、金属基板に対してピ
ッチ10〜100mmの間隔でハトメ固定された金網、
金属箔、シリカクロスまたはガラスクロスが配置され
る。このような金網、シリカクロスまたはガラスクロス
は、金属基板の振動による防音効果の低下を防止して、
音源側の音を吸音材に通すため、無機吸音材の吸音効果
が極めて有効に発揮される。
いる。従って、エンジン等より発生する熱も容易に遮断
できる。また、金属箔の振動によって音が熱エネルギー
に変換され、さらに、金属箔の振動を無機吸音材が吸収
する。また、前記金網、金属箔、シリカクロスまたはガ
ラスクロスが無機吸音材を支える。そのため、無機吸音
材の剥離、飛散または流出が防止され、耐久性にも優れ
ている。また、上記構成により、複雑な立体形状の防音
遮熱板を容易に製作できる。上記のごとく、本発明によ
れば、防音、遮熱、耐久性に優れた立体的な形状を有す
る防音遮熱板を提供することができる。
図1、図2を用いて説明する。本例の立体形状の防音遮
熱板は、自動車のエキゾーストマニホールドヒートイン
シュレーター1(以下インシュレーター)として用いる
ものである。このインシュレーター1は、図1に示すご
とく、立体的な形状を有する防音遮熱板よりなる。イン
シュレーターは、上記形状に成形した金属基板12と、
該金属基板12の表面に配設した無機吸音材11と、該
無機吸音材11の表面に配置され、かつ上記金属基板1
2にリベット14で固定された金網10、金属箔30、
シリカクロス40またはガラスクロス41よりなる。な
お、金網10を用いたものを試料1とした。金属箔30
を用いたものを試料2とした。シリカクロス40を用い
たものを試料3とした。ガラスクロス41を用いたもの
を試料4とした。
用いる。その厚みは0.6mmである。上記金属基板1
2はハトメで固定をおこなう部分に予め開孔部13が設
けられている。上記金網は、SUS304であり、その
線径は0.2mmで50メッシュの平織である。また上
記金属箔は、SUS304であり、その厚みは0.1m
mである。また、シリカクロス40またはガラスクロス
41は厚み0.5mmで平織である。そして、金属基板
12に対しては、図1に示すごとく複数箇所をリベット
14で固定する。
のセラミックファイバー(商品名;イビウールペーパ
ー、イビデン(株)製)の層状物である。無機吸音材1
1の層の厚みは3mmである。その嵩密度は0.25g
/cm3 である。上記無機吸音材11はハトメで固定を
おこなう部分に予め開孔部16が設けられ、この部分で
金属基板12と金網10、金属箔30、シリカクロス4
0またはガラスクロス41によりハトメで固定される。
製作されたインシュレーター1は、上記金網10、金属
箔30、シリカクロス40またはガラスクロス41を設
けた面を、エキゾーストマニホールドと対面させるよう
設置する。次に、試料1のハトメ固定部14のピッチと
騒音の関係は、図4のようになった。
る。上記インシュレーター1は、上記金網10、金属箔
30、シリカクロス40またはガラスクロス41を設け
た面を、エキゾーストマニホールドと対面させるよう設
置する。そのため、エキゾーストマニホールドからの騒
音は金網10、金属箔30、シリカクロス40またはガ
ラスクロス41を通過して、上記無機吸音材11に吸収
され、減衰した騒音が上記金属基板12に達するもの
の、この金属基板12からの反射音は、さらに無機吸音
材11に吸収され減少する。
マニホールドとインシュレーターとの間の空間が共鳴箱
の役割を果たしてしまいエキゾーストマニホールドから
の騒音が、上記空間で反射をくり返し、騒音が増幅され
るということを、抑制するのである。また、エキゾース
トマニホールドからインシュレーター1に伝搬した振動
は、無機吸音材11に吸収される。したがって、インシ
ュレーターを音響放射面とした新たな騒音の発生を防止
する。
ているセラミックファイバーを用いる。従って、エキゾ
ーストマニホールドより発生する熱が容易に遮断でき
る。更に、セラミックファイバーは耐熱性に優れた素材
であり、エキゾーストマニホールド周囲の高熱条件にも
耐える。また、セラミックファイバーに対して金網1
0、金属箔30、シリカクロス40またはガラスクロス
41が配置され、金網10、金属箔30、シリカクロス
またはガラスクロスがセラミックファイバーを支える。
よって、セラミックファイバーが金属基板12より剥
離、飛散または流出することが防止できる従って、本例
のインシュレーターは耐久性に優れる。また、上記構成
により、複雑な立体形状の防音遮熱板の製作が容易であ
る。上記のごとく、本例によれば、防音、遮熱、耐久性
に優れた立体的な形状を有する防音遮熱板を提供するこ
とができる。
く、本発明による防音遮熱板(試料1)の、伝達関数特
性および各共振周波数における損失係数を測定した。ま
た、比較のため、従来品(比較例C1)と比較した。本
例の試料1及び比較例C1の構成をそれぞれ図2、図3
に示す。試料1の防音遮熱板1は、図8に示すごとく、
金属基板12と無機吸音材11と金網10とを、ハトメ
14で固定し、実施例1と同様の材料等を用いて製作す
る。
ごとく、2枚のアルミメッキ鋼板21、22をスポット
溶接14により接合したものである。アルミメッキ鋼板
21はその厚みが0.6mmである。アルミメッキ鋼板
22はその厚みが0.4mmである。そして、両者の試
料ともに図の上側に描かれた面が、音源に対向する。こ
れらの試料について、伝達関数特性を測定した結果を、
図5、図6に、各共振周波数における損失係数を測定し
た結果を表1に示す。
かかる試料1の伝達関数特性曲線は、従来品である試料
C1のそれに比べて、その曲線のピークの先端部がなだ
らかである。これは、試料1のほうが、比較例C1よ
り、その内部を伝搬する振動エネルギーが、早く減衰す
ることを表している。つまり、試料1内では振動エネル
ギーが吸収されてしまう。従って、上記試料1は騒音を
伝えにくい。また、表1より知られるごとく、試料1の
各共振周波数の損失係数は、比較例C1のそれよりも、
約15倍以上大きい。よって、上記効果を一層明確に知
ることができる。すなわち、本発明品は、外部に騒音を
伝えにくい構造を有することが分かる。
る防音遮熱板と、従来品にかかるそれとによって、それ
ぞれインシュレーターを作製した。そして、比較、対照
のために、これらを実際のエンジンに装着して、上記イ
ンシュレーターを通じて、外部に伝搬した騒音を測定し
た。本例に用いた防音遮熱板は、本発明にかかる試料と
しては試料1、試料2、試料3、試料4と試料1と同様
の構成を有し、更に無機吸音材を接着剤で金属基板に固
定した試料5とを用いる。比較例としては、試料C1を
用いた。また、インシュレーターを用いない例を試料C
2とした。また、測定に使用したエンジンは、2リット
ル、4気筒のディーゼルエンジンを回転数3000r.
p.mで運転したものである。上記インシュレーターよ
り50cm離れた地点に騒音計を設置して、その騒音特
性を測定した。その結果を表2に示す。
料1、2のいずれも、比較例C1、C2より、騒音特性
が、低くなっている。すなわち、従来品の比較例C1は
エキゾーストマニホールドと、インシュレーターとの間
の空間で共鳴により増幅された音が、インシュレーター
を伝搬し外部へ放出されるので、かえって、インシュレ
ーターを設けない比較例C2より、騒音特性が大きくな
っている。しかし、本発明品の防音遮熱板は、エンジン
と対面する側に設けた無機吸音材によって、エンジンか
ら発生する騒音を、吸収する。また、上記無機吸音材の
ために、振動が防音遮熱板を伝搬しにくい。更に、上記
金網は騒音を通過させ、該騒音を無機吸音材に吸収させ
る。従って、本発明品は、外部に騒音を伝えにくく、さ
らには、エキゾーストマニホールドからインシュレータ
ーに伝搬した振動により、エンジンカバーが音響放射面
となり新たな騒音発生源となるということがない。
金網10のかわりに、3Mesh厚み約1mmの金属製
エクスパンドメタルを用いた試料(C6)とを振動試験
機によって10時間加振(3.5g−33Hz)した。
この試験前と試験後の重量減を測定したところ、本発明
の試料は重量減0%で何ら変化はなかったが、比較例C
3の試料は、エクスパンドメタルの開口部から、無機吸
音材11の一部が剥離脱落し、その重量減が6.8%で
あった。
の関係を示す線図。
開口部 14・・・ハトメ固定部 16・・・ハトメ固定を行う為に無機吸音材に予め設け
た開孔部
Claims (4)
- 【請求項1】 自動車のエキゾーストマニホールドヒー
トインシュレーター等の立体的な形状を有する防音遮熱
板において、該防音遮熱板は成形した金属基板と、該金
属基板の表面に設けた無機吸音材と、該無機吸音材の表
面に配置され、かつ上記金属基板にピッチ10〜100
mmの間隔によって、ハトメで固定された金網、金属
箔、シリカクロスまたはガラスクロスよりなることを特
徴とする立体形状の防音遮熱板。 - 【請求項2】 請求項1において、上記無機吸音材は無
機質繊維からなることを特徴とする立体形状の防音遮熱
板。 - 【請求項3】 請求項2において、上記無機質繊維は、
アルミナ、シリカ−アルミナ、ガラス、シリカ、ロック
ウールのグループから選ばれる1種以上の材料であるこ
とを特徴とする立体形状の防音遮熱板。 - 【請求項4】 請求項3において、上記無機吸音材は、
0.5mm〜15mmの厚みを有し、かつその嵩密度は
0.05g/cm3 〜0.5g/cm3 であることを特
徴とする立体形状の防音遮熱板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08762594A JP3422558B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 立体形状の防音遮熱板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08762594A JP3422558B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 立体形状の防音遮熱板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07277810A JPH07277810A (ja) | 1995-10-24 |
JP3422558B2 true JP3422558B2 (ja) | 2003-06-30 |
Family
ID=13920165
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08762594A Expired - Fee Related JP3422558B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 立体形状の防音遮熱板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3422558B2 (ja) |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP08762594A patent/JP3422558B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07277810A (ja) | 1995-10-24 |
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