JP3658645B2 - 両面吸音板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両側から騒音がくる場所、例えば道路の中央分離帯や堀割道路の開口部中間位置に設置して、その騒音を吸収する両面吸音板に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路騒音や鉄道騒音に対する規制や世論が厳しくなってきており、その対策が重要になってきている。例えば高速道路等、中央分離帯のあるような道路では、従来のように沿道に防音壁を設置するだけでなく、中央分離帯に防音壁を設置することが提案されている。また、建設費や排ガスの換気や採光の面でトンネル道路よりも有利な半地下式の堀割道路では、堀割開口部から騒音が放射状に広がって、特に沿道の高層住宅で問題となっているが、これに対しても、堀割開口部壁面に吸音板を設置したり、開口部中間位置にスリット状鉛直に吸音板を設置することが提案されている(特開昭49−17026号公報参照)。
【0003】
道路の中央分離帯に設置される防音壁や堀割開口部中間位置に設置される吸音板においては、当該吸音板の両側からくる騒音を吸収する必要があり、そのため、図16(a)、(b)に示すような両側が吸音表面となる両面吸音板が使用されている。このうち図16(a)の吸音板は、前面に多孔板1を有し、背面に遮音板2を有し、その間に防水フィルム3で覆われたグラスウール等の吸音材4を配置した通常の片面吸音板Aを2つ背中合わせに重ねただけの構造である。また図16(b)の吸音板は、両面に多孔板1を有し、中央部に遮音板2を有し、その間に防水フィルム3で覆われたグラスウール等の吸音材4をそれぞれ配置した構造であり、簡単にいえば、2つの片面吸音板Aが背中合わせに一体化し、共通の遮音板を有するようになったものである。なお、(a)、(b)において、5、6は空気層である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図16(a)の両面吸音板は、通常の片面吸音板を2つ背中合わせに重ねることから、吸音板が倍必要でコストが高くなり、重量、幅も大きくなるという欠点がある。また、図16(b)の両面吸音板は、両多孔板の中央に遮音板があり、両多孔板と遮音板の間に1つずつ吸音材を配置し、しかもそれらを空気層を隔てて保持することから、構造が複雑となり、部材コスト及び組立コストが高くなるという欠点がある。
本発明は上記従来の両面吸音板の問題点に鑑みてなされたもので、構造が簡素で、薄肉化、軽量化でき、コストを低減できる両面吸音板を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
ところで、上記の両面吸音板はいずれも、吸音材により吸音性能を確保し、同時に吸音材を通り背面に抜ける透過音を遮断するため遮音板を吸音材の背面に設けるという、道路騒音等に対する従来の片面吸音板の考え方をそのまま踏襲したもので、結果的に背面への遮音を重視した構造となっている。なお、遮音板としては、一般に、通気性がなく面密度1kg/m2以上の板が用いられる。しかし、片面吸音板と異なり、両面吸音板には前面、背面という区別は必要なく、背面への遮音のみをことさら重視しなくてはならない理由はない。つまり、両面吸音板の場合、吸音板全体として高い吸音性能が得られればその目的を達し得ると考えられる。
本発明は、この考え方に基づいてなされたものである。
【0006】
本発明に係る両面吸音板は、矩形板状に成形された吸音材と、該吸音材の外周4辺を囲って支持する枠体と、前記枠体で囲われていない吸音材の両表面から離隔して当該表面を覆い、かつ前記枠体に着脱可能に取り付けられた多孔板からなる。多孔板と吸音材表面の間には、この間隔(空気層)を保持する間隔保持片を設置することが望ましい。
なお、本発明に係る両面吸音板では、従来の両面吸音板のように吸音材の中間位置に遮音板を設置しない。ここでいう遮音板とは、通気性がなく面密度1kg/m2以上の板を意味し、本発明に係る上記両面吸音板では、必要に応じ、上記に定義される遮音板に相当しないフィルムや板を中間位置に介在させることができる。
【0007】
さらに、この両面吸音板において、吸音材が所定のかさ比重で矩形板状に成形された繊維状吸音材であり、その厚みが50〜200mmであることが望ましい。
その場合、上記吸音材がそれぞれ所定のかさ比重で矩形板状に成形された繊維状吸音材を複数層積層したもので、その全体の厚みが50〜200mmであること、さらにそれが中間層の繊維状吸音材のかさ比重を32kg/m3以上とし、両側の繊維状吸音材のかさ比重を32〜64kg/m3とした3層積層構造であること、さらにその場合、中間層の繊維状吸音材の厚さの全体厚さに対する比率を50%以上とすること等が好ましい形態として挙げられる。また、多孔板と繊維状吸音材表面との離隔距離、つまり空気層の厚みは10〜30mmであることが好ましい。
【0008】
本発明に係る両面吸音板の構造によれば優れた吸音性能を得ることができる。図1は、従来の両面吸音板(a)と本発明の両面吸音板(b)に入射する音波Iが、吸音材中を通過し、あるいは吸音材や遮音板の表面で反射し、また反対側に透過する様子を単純化して示すものであるが、(a)では遮音板があるため吸音材の半分(遮音板の反対側の吸音材)は全く吸音作用を発揮できず、(b)では吸音材全体が吸音作用を発揮できる。従って、入射した音波が吸音材中を通過する距離が長くなり、その際、音波のエネルギーが空気と繊維との摩擦により熱エネルギーに変換され、高い吸音性能を示す。また、仮に(b)の吸音材の中心部に通気性のある板(例えば金網、多孔板)や、通気性がなくても面密度1kg/m2に満たないような板、プラスチックフィルム等が介在していても、音波のエネルギーはその板又はフィルムを通して反対側の吸音材に伝播するので、吸音材全体が吸音作用を発揮し得る。
【0009】
しかも、後述するように、吸音板の吸音率は、ある程度以上の厚さをもつ吸音材を備える場合に高くなるが、(a)では2つの吸音材が完全に独立しているので、それぞれ好ましい厚さの吸音材を用いると両面吸音板の厚みが大きくなり、逆に両面吸音板の厚さを抑えると吸音材の厚みが小さくなり吸音性能が低下するというように、吸音材の厚みの選択に制約があり、一方、(b)では吸音材は全幅で1つと考えればよいので、(a)に比べればそのような制約は事実上ないに等しい。そのほか、吸音材の種類(かさ密度)、その組み合せ、空気層の厚さ等を選択することでも、吸音率を向上させることが可能である。
本発明の両面吸音板は遮音板をもたない構造のため、透過音Tが最も問題になるはずであるが、両面吸音板に最適な吸音材(厚み、かさ密度、積層構造)を選択することで、これを問題のない水準まで低減することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図2〜図15を参照して、本発明に係る両面吸音板の構造及び作用についてより具体的に説明する。
まず、図2に本発明に係る両面吸音板の一例を示す。この両面吸音板は、矩形板状に成形された吸音材13と、吸音材13の外周4辺を囲って支持する枠体14と、枠体14の両側に取り付けられ、枠体14で囲われていない吸音材13の両表面から離隔して当該表面を覆う多孔板11と、多孔板11と吸音材13の表面との間に設置された間隔保持片15と、枠体14の下部に取り付けられたブラケット16からなり、全体として矩形板状をなす。多孔板11と吸音材13の表面の間には空気層12が構成され、この間隔(空気層)が上記間隔保持片15により保持される。
この両面吸音板には、従来の両面吸音板のほぼ中央部にあった遮音板がなく、全体がきわめて簡素な構造となっている。
【0011】
この両面吸音板において、多孔板11は、適宜開口率をもつパンチングメタル、エキスパンドメタルあるいはルーバー等からなり、アルミのほか、鉄板、ステンレス鋼板等を用いて形成してもよい。この多孔板11は、枠体14及びブラケット16にボルト・ナット等、適宜の手段で枠体14に対し着脱可能に取り付けられる。
吸音材13は、例えばグラスウール、ロックウール、不織布等の繊維状吸音材であり、この例ではかさ比重の大きい中間層の吸音材13aとかさ比重の小さい表面層の吸音材13b、13bの3層が積層された構造となっており、全体がポリフッ化ビニル等の防水フィルム(図示せず)で被覆されている。このようにかさ比重の大きい吸音材を中心側に置いた3層構造は、吸音率の向上及び透過音の減衰に有効である。
【0012】
枠体14は、内側に吸音材13の角部をはめ込む受け部14aを備える。この受け部14aは吸音材13を所定位置に固定し、さらに吸音材13が受けた風圧の大部分を枠体14に伝達し、吸音板としての強度を保持する(吸音材の脱落を防止し、風圧を受けたときの変形量を所定値以下に保つ)作用をもつ。この枠体14は、受け部14aを含めて所定の断面形状に押出成形したアルミ押出形材を適宜長さに切断し、矩形に組み立てるのが好ましいが、圧延材を使用することもでき、また鉄板やステンレス鋼板等を用いてもよい。
間隔保持片15は、両多孔板11の内側に取り付けられ、吸音材13を所定位置に保持し、空気層12(吸音率の向上に有効)を確保するとともに、吸音材13が受けた風圧の一部を多孔板11に伝達し、吸音材13の変形を抑える作用をもつ。
なお、ここでは示していないが、吸音材13の中間位置に例えば多孔板又は金網のような部材を配置し、その周囲を枠体14に固定すると、上記の受け部14aや間隔保持片15と同様に、風圧を受けたとき吸音材13を支持しその変形を抑えることができる。
【0013】
また、ブラケット16は、この両面吸音板を上下に積み重ねるとき、上下の両面吸音板が左右(図2において)にずれないようにするもので、両面吸音板の枠体上部がちょうど収容できる形状となっている。枠体14と同様に所定の断面形状に押出成形したアルミ押出形材を切断して製造できるが、圧延材を使用することもでき、また鉄板やステンレス鋼板等を用いてもよい。なお、このブラケット16を用いる代わりに、枠体14自体の形状を上記の形状としてもよい。
【0014】
図2に示す両面吸音板では、吸音材13を受け部14aにより支持して枠体14内に装着したが、他の手段で装着することもできる。例えば図3(a)に示す両面吸音板は、枠体17の上部において内側に突出する保持突起18aを設け、この保持突起18aを吸音材13の上部に差し込み、枠体17の下部において両面テープ19により吸音材13を枠体17の下面に接着したものである。むろん、枠体の上部及び下部の両方で同じく保持突起を用いて装着してもよいし、両面テープを用いてもよい。
【0015】
また、多孔板を両面吸音板の厚み方向にスライド可能とし、そのスライド位置で適宜枠体に対し着脱可能に取り付けることができるようにしてもよい。例えば図3(b)に示す両面吸音板では、多孔板20が断面コの字状に形成され、その端の水平部分が枠体21(この例ではブラケットを兼ねている)の水平な受け面21a上を仮想線で示すようにスライド可能とされている。この場合、両多孔板20、20間の間隔を調整できるので、種々の厚みの吸音材に適用でき、また多孔板と吸音材表面の間の空気層の厚みを調整することもできるので、枠体に汎用性をもたせることができる。
【0016】
次に、図4〜図6を参照して、本発明に係る両面吸音板が優れた吸音性能を有することを説明する。
両面吸音板は、図4(a)〜(c)に示すように、比較例として、両面に多孔板、中央部に遮音板を有し、それらの間に両側に空気層を挟んで防水フィルムで覆われた吸音材を配置した従来構造とし、実施例1及び実施例2として、両面に多孔板、それらの間に両側に空気層を挟んで防水フィルムで覆われた吸音材を配置した構造とした。吸音材のグラスウールは市販のかさ密度32kg/m3と48kg/m3のものを用い、これを積層構造(比較例は2層、実施例は3層)とした。なお、図3中、GW32K及びGW48Kはグラスウールのかさ比重を示す。厚みを示す数字の単位はmmである。また、多孔板は開口率63%のアルミ多孔板(板厚1.5mm、穴径6mm)とし、防水フィルムはポリフッ化ビニルフィルム(厚さ21μm、面密度36g/m2)とした。
【0017】
続いて、これらの吸音板を図5のような断面構造をもつ堀割道路の堀割開口部に断面鉛直に等間隔に長さ方向に沿って2枚設置したときの官民境界での効果予測を、公知の境界要素法により数値シミュレーション(参考;日本機械学会論文集(C編)60巻453号(昭和59年5月)P.848-856)で実施した。
このとき、堀割道路は全幅W1=20.5m、天井までの高さH1=7m、開口部の幅W2=9.5m、既設吸音板高さh1=4m、天井から地表までの高さH2=2.5m、開口部のブロック塀の高さh2=4mとし、両面吸音板は高さ4.9mとした。また、音源は両側4車線の道路騒音を想定してs1、s5に設定し、大型車混入率を17.3%とした。
【0018】
数値シミュレーションによる予測結果を図6に示す。これは、グラフ横軸に官民境界(堀割開口部中央から横方向に±25mの地点)での高さをとり、縦軸に騒音レベルL50(騒音レベルの時間変動を平均化した値)をとったものである。図6のうち未対策のものは、両面吸音板を設置しなかったときの予測値である。
図6に示されるように、実施例1、2は比較例より厚みがかなり小さく、特に実施例2は吸音材全体の厚みが比較例と同じであり、さらに遮音板がないのにも関わらず、比較例と同等又はそれ以上の防音効果を示す。なお、境界要素法による数値シミュレーションの結果は、実測値とよく一致することが知られている。
【0019】
次に、本発明の両面吸音板の望ましい吸音材構成等についてより具体的に説明する。
ここでは、両面吸音板の実効吸音率を一次元の波動解析による伝達マトリックス法で求めた。はじめに、計算の前提を述べる。
両面吸音板に入射音が入ると、遮音板が存在しない本発明の両面吸音板では、図7に示すように、反射音と吸音板中を通過してくる透過音が現れる。そこで、本発明では、入射音のエネルギーから反射音と透過音のエネルギーを減算したものを吸音率とし、これを実効吸音率とよぶ(式1)。これは吸音板で消費された(熱に変換された)エネルギーの割合を示す。なお、遮音板が存在する場合、反射音のみとなり、吸音率は式(2)となる。
【0020】
【数1】
【0021】
本発明では、上記式(1)で定義される実効吸音率を一次元の波動解析による伝達マトリックス法で求めた。これは、吸音構造体の各構成要素(多孔板、空気層、防水フィルム、グラスウール、防水フィルム、空気層、多孔板)ごとに伝達マトリックスを作り、これらを結合して吸音構造体の伝達マトリックスを作り、一方を音源側、他方を無反射境界条件として入射音と反射音の比率、入射音と透過音の比率を求め、式(1)より実効吸音率を算出するというものである。なお、グラスウール中の音速及び実効密度は、音響管を用いて図8にポイントで示す周波数毎に測定を行った。
そして、図8に示す道路交通騒音の加重値Liと周波数の関係から、各周波数毎に算出された実効吸音率に周波数特性による重み付けを行って、道路交通騒音重み付けによる平均化された実効吸音率を計算する。なお、こうして求めた実効吸音率は、測定値とよく一致することが発明者らにより確かめられている。
【0022】
上記の方法により、種々の形態の両面吸音板の実効吸音率を算出し、さらに道路交通騒音重み付けによる平均化された実効吸音率を計算した。ここで、両面吸音板は、両面に多孔板を備え、それらの間に防水フィルムで覆われた吸音材を配置した本発明の構造(遮音板をもたない)とし、吸音材を市販の24〜80kg/m3のグラスウールとし、グラスウールを覆う防水フィルムはポリフッ化ビニルフィルム(厚さ21μm、面密度36g/m2)とし、両面に配置する多孔板は開口率60%のアルミ多孔板(板厚1.5mm、穴径6mm)とした。
【0023】
図9、図10は、グラスウール層を1層のみとし、表面空気層(多孔板とグラスウールの間の空気層)を10mm、15mmとしたときの両面吸音板のグラスウールの厚さと実効吸音率の関係を示した図である。図中、24K〜80Kは市販のグラスウールのかさ比重(24kg/m3〜80kg/m3)を示す。
図9、図10に示されるように、グラスウールのかさ比重が違っても、実効吸音率はグラスウールの厚さが50mmあたりから大きくなり、200mmを越えてもそれ以上の上昇は望めない。従って、グラスウールの厚さは、50〜200mm、望ましくは75〜125mmの範囲とすればよい。
【0024】
図11、図12は、表面空気層を15mmとし、グラスウールを3層積層した両面吸音板において、表面層のグラスウール及び中心層のグラスウールのかさ比重(表面層は両方とも同じかさ比重とする)と実効吸音率との関係を示す。ただし、図11では表面層のグラスウールの厚さを両方とも25mm、中間層の厚さを50mm、図12ではそれぞれ25mm、75mmとした。図中、実効吸音率を0.01刻みの等高線で示す。
図11、図12に示されるように、表面層のグラスウールのかさ比重が32〜64kg/m3、中間層のグラスウールのかさ比重が32kg/m3以上の領域で、高い実効吸音率を示す。表面層のグラスウールのかさ比重が32kg/m3で、中間層のグラスウールのかさ比重が32〜64kg/m3であれば、より望ましい。
【0025】
図13、図14は、グラスウールを3層積層した両面吸音板において、表面空気層と実効吸音率の関係を示す。ただし、図13では表面層のグラスウール厚さを両方とも25mm、中心層を50mmとし、図14ではそれぞれ25mm、75mmとした。また、図中、32−48−32K、32−64−32Kは、表面層のグラスウールのかさ比重を32kg/m3とし、中間層を48又は64kg/m3としたことを示す。
図13、図14に示されるように、いずれの場合も表面空気層が10〜30mmで吸音率が高く、15mm〜25mmであればより望ましい。
【0026】
図15は、表面空気層を15mmとし、グラスウールを3層積層した両面吸音板において、グラスウール全体の厚さに対する中心側グラスウールの厚さ比率と実効吸音率の関係を示す。ただし、表面層のグラスウールの厚さは両方とも同じ厚さである。また、図中、32−48−32K、32−64−32Kは、表面層のグラスウールのかさ比重を32kg/m3とし、中心層を48又は64kg/m3としたことを示す。
図15に示されるように、中心層のグラスウールの厚さ比率が50%以上で吸音率が高くなり、望ましくは60〜90%がよい。
なお、以上図9〜図15では、吸音材としてグラスウールを用いたが、他の繊維状吸音材(ロックウール、不織布等)を用いた場合でもほぼ同様の傾向を示す。
【0027】
【発明の効果】
本発明に係る両面吸音板は構造が簡素であり、薄肉化及び軽量化が可能で、しかも従来の両面吸音板と同等又はそれ以上の優れた吸音性能をもつ。従って、両側に騒音源があるような箇所、例えば道路の中央分離帯や堀割道路の開口部中間位置、あるいは両側が壁で上部に開口を有する道路又は鉄道の開口部中間位置等に設置し、交通騒音を低減する用途に適し、かつそのためのコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の両面吸音板(a)と本発明の両面吸音板(b)に入射する音波Iが反射音又は透過音となる様子を説明する図である。
【図2】 本発明に係る両面吸音板の断面図である。
【図3】 本発明に係る他の両面吸音板の断面図である。
【図4】 数値シュミレーションに用いた両面吸音板の断面構造を示す図である。
【図5】 数値シュミレーションに用いた堀割道路の断面構造を示す図である。
【図6】 数値シミュレーションによる騒音レベルL50の予測結果を示す図である。
【図7】 本発明でいう実効吸音率の概念を説明する図である。
【図8】 道路交通騒音の加重値Liと周波数の関係を示す図である。
【図9】 グラスウールの厚さと実効吸音率の関係を示す図である。
【図10】 同じくグラスウールの厚さと実効吸音率の関係を示す図である。
【図11】 表面側のグラスウール及び中心側のグラスウールのかさ比重と実効吸音率との関係を示す図である。
【図12】 同じく表面側のグラスウール及び中心側のグラスウールのかさ比重と実効吸音率との関係を示す図である。
【図13】 表面空気層と実効吸音率の関係を示す図である。
【図14】 同じく表面空気層と実効吸音率の関係を示す図である。
【図15】 グラスウール全体の厚さに対する中心側グラスウールの厚さ比率と実効吸音率の関係を示す図である。
【図16】 従来の両面吸音板の断面を示す図である。
【符号の説明】
11 多孔板
12 空気層
13 吸音材
14 枠体
15 間隔保持片
Claims (7)
- 矩形板状に成形された吸音材と、該吸音材の外周4辺を囲って支持する枠体と、前記枠体で囲われていない吸音材の両表面から離隔して当該表面を覆い、かつ前記枠体に着脱可能に取り付けられた多孔板からなることを特徴とする両面吸音板。
- 上記多孔板と吸音材表面との間に間隔保持片を設けたことを特徴とする請求項1に記載された両面吸音板。
- 吸音材が繊維状吸音材であり、所定のかさ比重で矩形板状に成形された吸音材の厚みが50〜200mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載された両面吸音板。
- 上記吸音材が、所定のかさ比重で矩形板状に成形された繊維状吸音材を複数積層したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された両面吸音板。
- 上記吸音材が、繊維状吸音材を3層積層したものであり、全体の厚みを50〜200mmとするとともに、中間層の繊維状吸音材のかさ比重を32kg/m3以上とし、両側の繊維状吸音材のかさ比重を32〜64kg/m3としたことを特徴とする請求項4に記載された両面吸音板。
- 上記中間層の繊維状吸音材の厚さの全体厚さに対する比率を50%以上としたことを特徴とする請求項5に記載された両面吸音板。
- 上記多孔板と吸音材表面との離隔距離を10〜30mmとしたことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載された両面吸音板。
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