JP3421294B2 - 新規冷蔵用油中水型加工食品 - Google Patents

新規冷蔵用油中水型加工食品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製菓・製パンのフイ
リング・トッピング材等として使用し得る新規冷蔵用油
中水型加工食品に関する。また、冷蔵保管から常温まで
の温度域で油脂の融点による影響を直接受けにくく、比
較的安定した硬度を維持する性質を有する新規冷蔵用油
中水型加工食品に提供する。
【0002】
【従来の技術】食生活の多様化がすすみ、米飯に加えて
パン等が広く普及している。またパンも消費者の嗜好の
多様化に合わせて種々のパンが販売されている。そして
今日においても、甘味系を主体とする菓子パンは根強い
需要を維持している。例えば、あんこを包みこんだあん
パンは日本古来の嗜好品として親しまれ、またフルーテ
イーな香りのジャムパン、そしてバタークリームあるい
はフラワーペースト等の甘味系のフィリング・トッピン
グ材を使用した菓子パン類は消費者に特に好まれてい
る。
【0003】なかでも、バタークリームと称される食用
固形油脂を主原料として使用したペースト状の甘味加工
食品は、洋菓子、パイ、菓子パン等のトッピング材とし
て広く利用されている。
【0004】
【発明により解決しようとする課題】しかしながら、近
年、嗜好の変化にともなって、この甘味系のフィリング
・トッピング材を使用した菓子パン類において、甘味を
抑えかつより本格的でおいしいものが要求されてきてい
る。
【0005】特に従来のバタークリームは、主原料の食
用固形油脂を溶解することなく糖類、果汁等の副原料と
混合して製造されるため、バタークリームの品質の安定
性は油脂類の組み合わせやと他の副原料との親和性によ
るところが大きく、必然的に混合できる原料の種類、ま
たは量に制限されるという問題があった。そして、この
従来のバタークリームは加熱工程を経ないために、微生
物的な見地からも、呈味原料の使用量が限られ、風味の
付与は香料に依存する部分が多く、本格的でおいしいも
のが提供できにくいという問題もあった。
【0006】さらに、冷蔵保管等の温度による製品物性
への影響は圧倒的に重量比率の高い油脂の性質が直接影
響される形となる。これによると融点の高い固形油脂で
あれば、冷蔵条件下において硬くなりすぎてトッピング
等の作業性に問題があり、また融点の低い固形油脂であ
れば口溶けには優れるものの常温では保型性に劣るとい
う問題があった。
【0007】
【問題を解決するための手段】そこで本発明者らは、バ
タークリームにおいて前記の新しい嗜好の変化、トッピ
ング材としての使用に応えるべく原料特性と配合バラン
ス等を鋭意研究して、冷蔵保管でも硬くなり難く冷蔵条
件下から取り出して直ちに絞り込みできるという利点
と、常温域でも保型性を保持できるという前記の問題を
解決した。
【0008】即ち、本発明は主要原料である食用固形油
脂に、少なくとも澱粉類、糖類、増粘多糖類および水か
らなる加熱糊化の澱粉クリームを均質的に含有すること
により、新規冷蔵用油中水型加工食品を完成した。ま
た、本発明者らは、さらに検討をすすめる中で、この時
の澱粉クリーム量を全体の30〜50質量%含有するこ
とが、いっそう目的の物性や風味等に到達することを見
いだし、新規冷蔵用油中水型加工食品の完成に至った。
【0009】本発明の新規冷蔵用油中水型加工食品に使
用する食用固形油脂とは、マーガリン、ショートニン
グ、ファトスプレッド、フレッシュバター等が挙げられ
る。従来は、この食用固形油脂の硬化度指数(SFI)
の選択や、油脂の組み合わせで融点等の硬度調整をおこ
なっていたが、本発明では従来の経験的な選択程度でよ
く、さほど厳密にこだわることなく選択することで足り
る。
【0010】バタークリームは、この油脂類をビーター
で軽く撹拌した後、乳化剤を加えて混合し、さらに撹拌
しながら液体原料等を加えて乳化した後、さらに粉体を
加えよく混合して最後に香料、色素等を加えて良く混合
して、所定のボリュームになるまで高速で撹拌して目的
のものを得ていた。従って、バタークリームは均一に混
合・乳化することが大切であるが、これに増して殺菌工
程がないだけに衛生面は特に注意が必要である。
【0011】本発明者らは、本来冷蔵保管しても硬くな
り難い低硬化度指数油脂、また低融点油脂をベースに常
温域での保型性を付与する目的で、油脂代替物を検討し
てきた結果、通常カスタードクリームの範疇に属する澱
粉質クリームを前段で調製しておき、次いで後段で従来
型バタークリームの調製後、両者を攪拌混合する二段階
製法を採用することにより、製品の冷蔵下での硬化抑制
に加えて、常温下での保型性付与に有効であることを認
め本発明を完成した。
【0012】さらに製品の美味しさを向上さるためにも
各種呈味素材を前段で調製する澱粉クリームに混合溶解
しておくことにより、副原料等が加熱工程を経るため従
来よりも極めて微生物的に安定である。
【0013】バタークリームの原料としては、上記の食
用固形油脂の他、粉糖、結晶グルコース、水飴等の甘味
料、脱脂練乳、脱脂粉乳、チーズ等の乳類、卵類、チョ
コ類、果汁・果肉類、ナッツ類等の呈未材。グリシン、
リゾチーム等の日持向上剤の他、増粘多糖類、着色・香
料等が挙げられる。
【0014】他方、澱粉クリームの原料としては、従来
のカスタードクリームの原材料を参考に澱粉類、糖類、
その他果汁等の呈味原料が使用される。澱粉類として
は、例えばコーンスターチ、バレイショ澱粉等の加工澱
粉であれば特に種類を問わない。全組成中の澱粉類の割
合は1〜3%程度が好ましい。
【0015】以上の知見に基づき、本発明は従来の油脂
加工品であるバタークリームに澱粉質クリームを混合し
てなり、特に澱粉質クリーム30〜50質量%を均質的
に含有させることで新規冷蔵用油中水型加工食品を完成
した。この澱粉質クリームが30質量%以下では、各種
温度領域による物性への変化がおきやすく好ましくな
い。また50質量%以上では、油脂による食感への効果
が低減するので好ましくない。
【0016】上記のようにして得られた本発明の新規冷
蔵用油中水型加工食品は、5℃の冷蔵保存下のものであ
っても、冷蔵庫から取り出した直後でもトッピング材と
して絞りやすく、また25℃程度の室温下にあるもので
あっても、充分な保型性がありトッピング材として絞り
やすいものとなる。
【0017】また、本発明の新規冷蔵用油中水型加工食
品は、主原料となる食用固形油脂の硬化度指数や融点の
選択にさほど厳密さを受けないため、呈未材であるフル
ーツ類、チョコレート類、チーズ類、洋酒類を多量添加
することができ、本格的でおいしいものが提供できる。
【0018】
【実施例】 以下に本発明の実施例を示し、詳述するが
これに限定されるものではない。
【実施例1】 <配合> 配合A 澱粉クリーム配合 澱粉類 3質量% 糖類 30質量% 乳類 40質量% 卵類 1質量% 洋酒類 0.5質量% 油脂類 2.5質量% 水 23質量%
【0019】配合B 本配合 植物性固形油脂 50質量% 澱粉クリーム* 35質量% 乳類 13質量% 乳化剤 1質量% 日持ち向上剤 1質量%
【0020】<製造工程>先ず第一段工程として上記に
基づく配合Aにて澱粉クリームを調製した。澱粉クリー
ムの調製条件は、まず、油脂を除く原料すべてを60℃
に加温した水に溶解混合し、ホモジナイザー(特殊機化
工業社製 )にて5000〜7000rpmの攪拌速度
にて10分ホモジナイズした。次に、加温溶融させた油
脂を、上記の溶解物に徐々に添加しながら更に同条件で
20分ホモジナイズして均一混合した。次いで該混合物
を容器に移し、沸騰水浴中に浮かせて、該混合物を攪拌
(70〜80rpm)しながら加熱糊化させた。加熱終
了後直ちに20℃水浴中に容器を移し5分間冷却をおこ
ない澱粉クリームを得た。(冷却後、澱粉クリームは2
0℃下にて保管した。)
【0021】第二段工程として上記に基づく配合Bに
て、本発明の新規冷蔵用油中水型加工食品を調製した。
本配合の調整条件は、まず油脂類を万能混合攪拌機(ダ
ルトン製)にて軽く混合した後乳、乳化剤等のすべてを
加え混合したものに、次いで上記配合Aで得た澱粉クリ
ームを添加・混合し、比重が0.7になるまで攪拌を行
い本発明の新規冷蔵用油中水型加工品食品を得た。本発
明の新規冷蔵用油中水型加工品食品の保管は冷蔵下(5
℃±3℃)にておこなった。
【0022】<分析>上記で得た冷蔵用油中水型加工食
品を試料として100ml容プラスチック容器に空洞が
生じないように充填し試料表面を平滑にした。これを各
温度帯(5℃〜30℃)に保存し、24時間後測定に供
した。測定にはフドー社製レオメータ(NRM−300
2D)を用いた。試料表面は直径4.8cm、試料高さ
は6.0cmの円柱型で昇降速度6cm/min、球形プラン
ジャーを用いて実施した。この値をもって試料の硬さ
(レオ値:dyn/cm2)とした。
【0023】分析結果
【0024】ちなみに、対照品1および対照品2は、以
下の配合を用いた以外は本発明品と同様に作成した。 <対象品1配合> 植物性固形油脂 85質量% 澱粉クリーム* 0質量% 乳類 13質量% 乳化剤 1質量% 日持ち向上剤 1質量%
【0025】<対象品2配合> 植物性固形油脂 75質量 澱粉クリーム* 0質量% 乳類 23質量% 乳化剤 1質量% 日持ち向上剤 1質量%
【0026】<結果考察>上記分析の通り、本発明品は
冷蔵保存品であっても、冷蔵庫から取り出して直ちにト
ッピングに使用して作業性に差し支えのない硬さであっ
た。また室温保存品であっても、トッピングしても保型
性の良い硬さであった。これに対し、対照品1および2
は冷蔵保存品では、冷蔵庫から取り出して直ちに使用し
づらく、また室温保存を超えると保型性の悪い硬さであ
った。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の新規冷蔵
用油中水型加工食品は、冷蔵から室温までの広い温度巾
のもとでトッピング材として使用が可能となり、また、
主原料となる食用固形油脂の選択および副原料の配合設
計等において自由度が増すため、本格的なおいしいもの
が提供できる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/19 A23G 3/00 A23D 7/00 A23C 11/00 - 11/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全体に対して30〜50質量%の、少なく
    とも澱粉類、糖類、増粘多糖類および水からなる加熱糊
    化の澱粉クリームを、食用固形油脂に均質的に含有させ
    て調製され、かつ、調整後5℃〜30℃の温度帯におい
    て24時間静置した後の、レオ値(dyn/cm2)で
    表される硬度が、9.5〜11.5の範囲内であること
    を特徴とする新規冷蔵用油中水型加工食品。
  2. 【請求項2】全体に対して30〜50質量%の、少なく
    とも澱粉類、糖類、増粘多糖類および水からなる加熱糊
    化の澱粉クリームを、食用固形油脂に均質的に含有させ
    ることを特徴とする請求項1記載の新規冷蔵用油中水型
    加工食品の製造方法。
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