JP3420515B2 - 内燃機関のノック判定用学習値の学習方法 - Google Patents
内燃機関のノック判定用学習値の学習方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車用
エンジンにおけるノックの発生を、点火後の燃焼室内に
イオン電流を流して検出するための基準レベルを学習す
る内燃機関のノック判定用学習値の学習方法に関する。
エンジンにおけるノックの発生を、点火後の燃焼室内に
イオン電流を流して検出するための基準レベルを学習す
る内燃機関のノック判定用学習値の学習方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関に発生するノックを検出
する装置としては、振動型ノックセンサを使用して、そ
のノックセンサから出力される信号に基づいてノックの
発生を検出する構成のものが知られている。このような
ノック検出装置では、ノックセンサからの出力信号の
内、所定の周波数帯域の信号を抽出して、その抽出した
信号を処理してノックを検出するように構成してある。
する装置としては、振動型ノックセンサを使用して、そ
のノックセンサから出力される信号に基づいてノックの
発生を検出する構成のものが知られている。このような
ノック検出装置では、ノックセンサからの出力信号の
内、所定の周波数帯域の信号を抽出して、その抽出した
信号を処理してノックを検出するように構成してある。
【0003】また、イオン電流を利用してノックを検出
する方法としては、例えば特開昭58−7536号公報
に記載の方法のように、検出したイオン電流に対応する
イオン信号の振幅および幅よりノックを検出(判定)す
るものが知られている。この例にあっても、スパークノ
イズがイオン信号に重畳するのを防止するため、イオン
信号の検出を点火から所定時間遅延してから行ってい
る。そして、このようなイオン電流によるノックの検出
方法の場合にあっても、上記ノックセンサの場合同様、
イオン電流の内の所定の周波数帯域(ノック周波数成
分)の信号をピークホールドして信号処理するものが知
られている。
する方法としては、例えば特開昭58−7536号公報
に記載の方法のように、検出したイオン電流に対応する
イオン信号の振幅および幅よりノックを検出(判定)す
るものが知られている。この例にあっても、スパークノ
イズがイオン信号に重畳するのを防止するため、イオン
信号の検出を点火から所定時間遅延してから行ってい
る。そして、このようなイオン電流によるノックの検出
方法の場合にあっても、上記ノックセンサの場合同様、
イオン電流の内の所定の周波数帯域(ノック周波数成
分)の信号をピークホールドして信号処理するものが知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、振動型ノッ
クセンサを使用するノックの検出方法では、エンジンが
回転している間のノックセンサの出力信号を測定し、測
定した出力信号の平均値をノック判定のための基準レベ
ルに設定し、その基準レベルと点火後に測定した出力信
号の信号レベルとを比較し、その比較結果に基づいてノ
ックの発生を検出する方法が知られている。このような
ノックの検出方法は、イオン電流を使用するノックの検
出方法においても試みられている。
クセンサを使用するノックの検出方法では、エンジンが
回転している間のノックセンサの出力信号を測定し、測
定した出力信号の平均値をノック判定のための基準レベ
ルに設定し、その基準レベルと点火後に測定した出力信
号の信号レベルとを比較し、その比較結果に基づいてノ
ックの発生を検出する方法が知られている。このような
ノックの検出方法は、イオン電流を使用するノックの検
出方法においても試みられている。
【0005】この場合、基準レベルは、ノックによるノ
ック信号が重畳していないイオン電流の信号レベルを検
出し、検出した信号レベルから学習して設定している。
ところで、信号レベルを検出した際に毎回のように学習
を実施していると、イオン電流の信号レベルに異常があ
る場合でも学習することになるので、誤った学習を実行
する確率が多くなる。
ック信号が重畳していないイオン電流の信号レベルを検
出し、検出した信号レベルから学習して設定している。
ところで、信号レベルを検出した際に毎回のように学習
を実施していると、イオン電流の信号レベルに異常があ
る場合でも学習することになるので、誤った学習を実行
する確率が多くなる。
【0006】すなわち、例えば、イオン電流にノック信
号は重畳していないが、ノイズが重畳しているためにイ
オン電流の信号レベルが大きくなっている場合、このよ
うな信号レベルに基づいて基準レベルを学習すると、基
準レベルが本来学習すべき学習値とはならないことにな
る。したがって、このようにして学習した基準レベルに
基づいてノックの発生を検出すると、ノックが発生して
いるにもかかわらず、基準レベルが大きいためにノック
の発生を検出できないことになる。
号は重畳していないが、ノイズが重畳しているためにイ
オン電流の信号レベルが大きくなっている場合、このよ
うな信号レベルに基づいて基準レベルを学習すると、基
準レベルが本来学習すべき学習値とはならないことにな
る。したがって、このようにして学習した基準レベルに
基づいてノックの発生を検出すると、ノックが発生して
いるにもかかわらず、基準レベルが大きいためにノック
の発生を検出できないことになる。
【0007】これに対し、燃焼が不完全で、信号レベル
が小さくなった場合にも、このような信号レベルに基づ
いて基準レベルを学習すると、学習した基準レベルが小
さいために、ノイズや大きめの信号レベルをノック信号
が重畳していると判断して、ノックの発生を誤検出する
ことがある。このような事情に鑑みて、学習回数を削減
すると、ノイズが重畳している場合等の学習を実行せず
に誤学習することを防止することはできるものの、運転
状態が変わりノック信号が重畳していない正常なイオン
電流の信号レベルを測定した場合にも学習が実行され
ず、学習した基準レベルが実際に要求される基準レベル
からずれることになる。
が小さくなった場合にも、このような信号レベルに基づ
いて基準レベルを学習すると、学習した基準レベルが小
さいために、ノイズや大きめの信号レベルをノック信号
が重畳していると判断して、ノックの発生を誤検出する
ことがある。このような事情に鑑みて、学習回数を削減
すると、ノイズが重畳している場合等の学習を実行せず
に誤学習することを防止することはできるものの、運転
状態が変わりノック信号が重畳していない正常なイオン
電流の信号レベルを測定した場合にも学習が実行され
ず、学習した基準レベルが実際に要求される基準レベル
からずれることになる。
【0008】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る内燃機関のノック判定用学
習値の学習方法は、すでに学習して保存してあるノック
の発生を検出するための学習値が異常であると判定した
場合に、その時のノック信号が重畳していないイオン信
号の信号レベルを学習して学習値を更新するように構成
としている。
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る内燃機関のノック判定用学
習値の学習方法は、すでに学習して保存してあるノック
の発生を検出するための学習値が異常であると判定した
場合に、その時のノック信号が重畳していないイオン信
号の信号レベルを学習して学習値を更新するように構成
としている。
【0010】
【発明の実施形態】本願の請求項1に係る発明は、内燃
機関の燃焼室内に点火毎に発生するイオン電流から検出
するノック信号に基づいて内燃機関に発生するノックを
検出するための内燃機関のノック判定用学習値の学習方
法であって、ノックを検出するための基準レベルとなる
ノック信号の信号レベルをノック判定用学習値として学
習して保存し、少なくともその保存されたノック判定用
学習値が測定した信号レベルに基づき設定される信号判
定レベルを上回る場合に少なくとも保存されたノック判
定用学習値が異常であると判定し、上記異常を判定した
場合には、今回測定したノック信号の信号レベルに基づ
いてノック判定用学習値の学習を実施することを特徴と
する内燃機関のノック判定用学習値の学習方法である。
また、本願の請求項2に係る発明は、内燃機関の燃焼室
内に点火毎に発生するイオン電流から検出するノック信
号に基づいて内燃機関に発生するノックを検出するため
の内燃機関のノック判定用学習値の学習方法であって、
ノックを検出するための基準レベルとなるノック信号の
信号レベルをノック判定用学習値として学習して保存
し、少なくともその保存されたノック判定用学習値が測
定した信号レベルに基づき設定される信号判定レベルを
下回り、かつ複数のノック信号より演算されたノック信
号の変動度合いが設定された所定度合いを下回る場合に
少なくとも保存されたノック判定用学習値が異常である
と判定し、上記異常を判定した場合には、今回測定した
ノック信号の信号レベルに基づいてノック判定用学習値
の学習を実施することを特徴とする内燃機関のノック判
定用学習値の学習方法である。
機関の燃焼室内に点火毎に発生するイオン電流から検出
するノック信号に基づいて内燃機関に発生するノックを
検出するための内燃機関のノック判定用学習値の学習方
法であって、ノックを検出するための基準レベルとなる
ノック信号の信号レベルをノック判定用学習値として学
習して保存し、少なくともその保存されたノック判定用
学習値が測定した信号レベルに基づき設定される信号判
定レベルを上回る場合に少なくとも保存されたノック判
定用学習値が異常であると判定し、上記異常を判定した
場合には、今回測定したノック信号の信号レベルに基づ
いてノック判定用学習値の学習を実施することを特徴と
する内燃機関のノック判定用学習値の学習方法である。
また、本願の請求項2に係る発明は、内燃機関の燃焼室
内に点火毎に発生するイオン電流から検出するノック信
号に基づいて内燃機関に発生するノックを検出するため
の内燃機関のノック判定用学習値の学習方法であって、
ノックを検出するための基準レベルとなるノック信号の
信号レベルをノック判定用学習値として学習して保存
し、少なくともその保存されたノック判定用学習値が測
定した信号レベルに基づき設定される信号判定レベルを
下回り、かつ複数のノック信号より演算されたノック信
号の変動度合いが設定された所定度合いを下回る場合に
少なくとも保存されたノック判定用学習値が異常である
と判定し、上記異常を判定した場合には、今回測定した
ノック信号の信号レベルに基づいてノック判定用学習値
の学習を実施することを特徴とする内燃機関のノック判
定用学習値の学習方法である。
【0011】本願の請求項1に係る発明の構成であれ
ば、少なくとも保存されたノック判定用学習値が測定し
た信号レベルに基づき設定される信号判定レベルを上回
る場合に少なくとも保存されたノック判定用学習値が異
常であると判定した場合にのみ測定したノック信号の信
号レベルに基づいてノック判定用学習値を学習するの
で、ノック判定用学習値の学習を選択的に実施すること
になる。したがって、学習頻度が高いことによる誤学習
の発生を防止することが可能になる。そして、このよう
にノック判定用学習値の異常を判定することにより、基
準レベルとしては大きすぎるノック判定用学習値を排除
することが可能になる。
ば、少なくとも保存されたノック判定用学習値が測定し
た信号レベルに基づき設定される信号判定レベルを上回
る場合に少なくとも保存されたノック判定用学習値が異
常であると判定した場合にのみ測定したノック信号の信
号レベルに基づいてノック判定用学習値を学習するの
で、ノック判定用学習値の学習を選択的に実施すること
になる。したがって、学習頻度が高いことによる誤学習
の発生を防止することが可能になる。そして、このよう
にノック判定用学習値の異常を判定することにより、基
準レベルとしては大きすぎるノック判定用学習値を排除
することが可能になる。
【0012】また、本願の請求項2に係る発明の構成で
あれば、ノック判定用学習値が測定した信号レベルに基
づき設定される信号判定レベルを下回り、かつ複数のノ
ック信号より演算されたノック信号の変動度合いが設定
された所定度合いを下回る場合に保存されたノック判定
用学習値が異常であると判定することにより、基準レベ
ルとなり得るが、ノック信号の変動が小さい、ノックが
発生していない状況において学習を実施することが可能
になる。したがって、信号レベルの学習を誤って行うこ
とを防止することが可能になる。
あれば、ノック判定用学習値が測定した信号レベルに基
づき設定される信号判定レベルを下回り、かつ複数のノ
ック信号より演算されたノック信号の変動度合いが設定
された所定度合いを下回る場合に保存されたノック判定
用学習値が異常であると判定することにより、基準レベ
ルとなり得るが、ノック信号の変動が小さい、ノックが
発生していない状況において学習を実施することが可能
になる。したがって、信号レベルの学習を誤って行うこ
とを防止することが可能になる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。図1に概略的に示したエンジン100は、自
動車用の3気筒のもので、その吸気系1には図示しない
アクセルペダルに応動して開閉するスロットルバルブ2
が配設され、その下流側にはサージダンク3が設けられ
ている。サージタンク3に連通する一方の端部近傍に
は、さらに燃料噴射弁5が設けてあり、その燃料噴射弁
5を、電子制御装置6により各気筒毎に独立して噴射す
べく制御するようにしている。燃焼室30を形成するシ
リンダヘッド31には、火花を発生するとともにイオン
電流の電極となるスパークプラグ18が取り付けてあ
る。また排気系20には、排気ガス中の酸素濃度を測定
するためのO2センサ21が、図示しないマフラに至る
までの管路に配設された三次元触媒22の上流の位置に
取り付けられている。
説明する。図1に概略的に示したエンジン100は、自
動車用の3気筒のもので、その吸気系1には図示しない
アクセルペダルに応動して開閉するスロットルバルブ2
が配設され、その下流側にはサージダンク3が設けられ
ている。サージタンク3に連通する一方の端部近傍に
は、さらに燃料噴射弁5が設けてあり、その燃料噴射弁
5を、電子制御装置6により各気筒毎に独立して噴射す
べく制御するようにしている。燃焼室30を形成するシ
リンダヘッド31には、火花を発生するとともにイオン
電流の電極となるスパークプラグ18が取り付けてあ
る。また排気系20には、排気ガス中の酸素濃度を測定
するためのO2センサ21が、図示しないマフラに至る
までの管路に配設された三次元触媒22の上流の位置に
取り付けられている。
【0014】電子制御装置6は、中央演算処理装置7
と、記憶装置8と、入力インターフェース9と、出力イ
ンターフェース11と、A/Dコンバータ10とを具備
してなるマイクロコンピュータシステムを主体に構成さ
れている。入力インタフェース9には、、サージタンク
3内の圧力を検出するための吸気圧センサ13から出力
される吸気圧信号a、エンジン100の回転状態を検出
するためのカムポジションセンサ14から出力される気
筒判別信号G1とクランク角度基準位置信号G2とエン
ジン回転数信号b、車速を検出するための車速センサ1
5から出力される車速信号c、スロットルバルブ2の開
閉状態を検出するためのアイドルスイッチ16から出力
されるIDL信号d、エンジンの冷却水温を検出するた
めの水温センサ17から出力される水温信号e、上記し
たO2センサ21から出力される電流信号h等が入力さ
れる。一方、出力インターフェース11からは、燃料噴
射弁5に対して燃料噴射信号fが、またスパークプラグ
18に対してイグニッションパルスgが出力されるよう
になっている。このスパークプラグ18には、高圧ダイ
オード23を介してイオン電流を測定するためのバイア
ス用電源24が接続されている。このバイアス電源24
とイオン電流測定のための回路25及びその測定方法そ
れ自体は、当該分野で知られている種々の方法が使用で
きる。なお、この実施例においては、気筒毎にイオン電
流が検出できる構成で、したがって気筒毎にノックの検
出ができるものである。
と、記憶装置8と、入力インターフェース9と、出力イ
ンターフェース11と、A/Dコンバータ10とを具備
してなるマイクロコンピュータシステムを主体に構成さ
れている。入力インタフェース9には、、サージタンク
3内の圧力を検出するための吸気圧センサ13から出力
される吸気圧信号a、エンジン100の回転状態を検出
するためのカムポジションセンサ14から出力される気
筒判別信号G1とクランク角度基準位置信号G2とエン
ジン回転数信号b、車速を検出するための車速センサ1
5から出力される車速信号c、スロットルバルブ2の開
閉状態を検出するためのアイドルスイッチ16から出力
されるIDL信号d、エンジンの冷却水温を検出するた
めの水温センサ17から出力される水温信号e、上記し
たO2センサ21から出力される電流信号h等が入力さ
れる。一方、出力インターフェース11からは、燃料噴
射弁5に対して燃料噴射信号fが、またスパークプラグ
18に対してイグニッションパルスgが出力されるよう
になっている。このスパークプラグ18には、高圧ダイ
オード23を介してイオン電流を測定するためのバイア
ス用電源24が接続されている。このバイアス電源24
とイオン電流測定のための回路25及びその測定方法そ
れ自体は、当該分野で知られている種々の方法が使用で
きる。なお、この実施例においては、気筒毎にイオン電
流が検出できる構成で、したがって気筒毎にノックの検
出ができるものである。
【0015】電子制御装置6には、吸気圧センサ13か
ら出力される吸気圧信号aとカムポジションセンサ14
から出力される回転数信号bとを主な情報とし、エンジ
ン100の運転状態に応じて決まる各種の補正係数で基
本噴射時間を補正して燃料噴射弁開成時間すなわちイン
ジェクタ最終通電時間Tを決定し、その決定された通電
時間により燃料噴射弁5を制御して、エンジン負荷に応
じた燃料を吸気系1に噴射させるためのプログラムが内
蔵してある。また、このようにエンジン100の運転を
制御する一方、点火毎に流れるイオン電流を検知してノ
ックを検出するように、電子制御装置6はプログラミン
グしてある。すなわち、エンジン100の燃焼室30内
に点火毎に発生するイオン電流から検出するノック信号
に基づいてエンジン100に発生するノックを検出する
ためのもので、ノックを検出するための基準レベルとな
るノック信号の信号レベルNIONKNKをノック判定
用学習値(以下、学習値と称する)として学習して保存
し、少なくともその保存された学習値が測定した信号レ
ベルに基づき設定される信号判定レベルを上回る場合に
少なくとも保存された学習値が異常であると判定した場
合、及び少なくともその保存された学習値が測定した信
号レベルに基づき設定される信号判定レベルを下回り、
かつ複数のノック信号より演算されたノック信号の変動
度合いが設定された所定度合いを下回る場合に少なくと
も保存された学習値が異常であると判定した場合には、
今回測定したノック信号の信号レベルに基づいて学習値
の学習を実施するプログラムが電子制御装置6に内蔵し
てある。
ら出力される吸気圧信号aとカムポジションセンサ14
から出力される回転数信号bとを主な情報とし、エンジ
ン100の運転状態に応じて決まる各種の補正係数で基
本噴射時間を補正して燃料噴射弁開成時間すなわちイン
ジェクタ最終通電時間Tを決定し、その決定された通電
時間により燃料噴射弁5を制御して、エンジン負荷に応
じた燃料を吸気系1に噴射させるためのプログラムが内
蔵してある。また、このようにエンジン100の運転を
制御する一方、点火毎に流れるイオン電流を検知してノ
ックを検出するように、電子制御装置6はプログラミン
グしてある。すなわち、エンジン100の燃焼室30内
に点火毎に発生するイオン電流から検出するノック信号
に基づいてエンジン100に発生するノックを検出する
ためのもので、ノックを検出するための基準レベルとな
るノック信号の信号レベルNIONKNKをノック判定
用学習値(以下、学習値と称する)として学習して保存
し、少なくともその保存された学習値が測定した信号レ
ベルに基づき設定される信号判定レベルを上回る場合に
少なくとも保存された学習値が異常であると判定した場
合、及び少なくともその保存された学習値が測定した信
号レベルに基づき設定される信号判定レベルを下回り、
かつ複数のノック信号より演算されたノック信号の変動
度合いが設定された所定度合いを下回る場合に少なくと
も保存された学習値が異常であると判定した場合には、
今回測定したノック信号の信号レベルに基づいて学習値
の学習を実施するプログラムが電子制御装置6に内蔵し
てある。
【0016】このイオン電流によるノック判定用学習値
の学習プログラムの概要は、図2に示すようなものであ
る。なお、学習値は、エンジンの運転状態すなわちエン
ジン回転数及び負荷の大きさにより学習領域である学習
ゾーンを設定しておき、それぞれの学習ゾーン毎に学習
を実施するようにするものであってよい。具体的には、
エンジン回転数の高低により3つの領域を設定し、かつ
負荷の大きさにより2つの領域を設定するものである。
したがって、学習ゾーンとしては、エンジン回転数と負
荷との組み合わせにより、6つの学習ゾーンが設定され
る。これら複数の学習ゾーンは、電子制御装置6の記憶
装置8内に保存してあり、それぞれの学習ゾーンに対し
て、ノック検出のための基準信号レベルであるバックグ
ラウンドレベルが、以下に説明する手順で学習更新され
て記憶してある。
の学習プログラムの概要は、図2に示すようなものであ
る。なお、学習値は、エンジンの運転状態すなわちエン
ジン回転数及び負荷の大きさにより学習領域である学習
ゾーンを設定しておき、それぞれの学習ゾーン毎に学習
を実施するようにするものであってよい。具体的には、
エンジン回転数の高低により3つの領域を設定し、かつ
負荷の大きさにより2つの領域を設定するものである。
したがって、学習ゾーンとしては、エンジン回転数と負
荷との組み合わせにより、6つの学習ゾーンが設定され
る。これら複数の学習ゾーンは、電子制御装置6の記憶
装置8内に保存してあり、それぞれの学習ゾーンに対し
て、ノック検出のための基準信号レベルであるバックグ
ラウンドレベルが、以下に説明する手順で学習更新され
て記憶してある。
【0017】学習に際しては、まず、検出したイオン電
流からノック信号のA/D変換を実施し、その変換結果
を信号レベルNIONKNKとする。ノック信号は、一
般的に、燃焼が開始され最大燃焼圧を過ぎた時点近傍に
発生することが分かっているので、その時点の前後を含
む期間を設定し、その期間におけるイオン電流によるノ
ック信号の信号レベルNIONKNKから検出するよう
にしてある。次に、学習ゾーンに記憶してあるこの時の
学習値KNKKGに係数を乗じてノック信号が重畳して
いない信号レベルか否かを判定する。判定の結果、ノッ
ク信号が重畳していない場合に以下に説明する所定の条
件が成立した際に、今回得られたこの信号レベルNIO
NKNKをバックグランドレベルの学習値KNKKGと
して学習する。
流からノック信号のA/D変換を実施し、その変換結果
を信号レベルNIONKNKとする。ノック信号は、一
般的に、燃焼が開始され最大燃焼圧を過ぎた時点近傍に
発生することが分かっているので、その時点の前後を含
む期間を設定し、その期間におけるイオン電流によるノ
ック信号の信号レベルNIONKNKから検出するよう
にしてある。次に、学習ゾーンに記憶してあるこの時の
学習値KNKKGに係数を乗じてノック信号が重畳して
いない信号レベルか否かを判定する。判定の結果、ノッ
ク信号が重畳していない場合に以下に説明する所定の条
件が成立した際に、今回得られたこの信号レベルNIO
NKNKをバックグランドレベルの学習値KNKKGと
して学習する。
【0018】ステップS1では、保存してある学習値K
NKKGが、ノック信号の信号レベルNIONKNKを
今回の測定したものを含む過去の所定個例えばN(整
数)個抽出して平均した平均値AVGに、所定値αを加
算した値を上回っているか否かを判定し、上回っている
場合はステップS2に進み、以下である場合はステップ
S3に移行する。ステップS2では、保存してある学習
値KNKKGが異常であると判定する。ステップS3で
は、保存してある学習値KNKKGがノック信号の信号
レベルNIONKNKの平均値AVGに所定値αを減算
した値を上回っているか否かを判定し、上回っている場
合はこのプログラムを終了し、以下である場合はステッ
プS4に移行する。
NKKGが、ノック信号の信号レベルNIONKNKを
今回の測定したものを含む過去の所定個例えばN(整
数)個抽出して平均した平均値AVGに、所定値αを加
算した値を上回っているか否かを判定し、上回っている
場合はステップS2に進み、以下である場合はステップ
S3に移行する。ステップS2では、保存してある学習
値KNKKGが異常であると判定する。ステップS3で
は、保存してある学習値KNKKGがノック信号の信号
レベルNIONKNKの平均値AVGに所定値αを減算
した値を上回っているか否かを判定し、上回っている場
合はこのプログラムを終了し、以下である場合はステッ
プS4に移行する。
【0019】ステップS4では、ノック信号の変動率が
所定率KNKLVLを下回っているか否かを判定し、下
回っている場合はステップS5に進み、以上である場合
はこのプログラムを終了する。ノック信号の変動率は、
今回測定したノック信号の信号レベルNIONNKNか
ら平均値AVGを減算し、その偏差を平均値AVGで除
して演算するもので、ノックが発生している際に大きく
なり、ノックが発生していない場合に小さくなる。ステ
ップS5では、学習値KNKKGが異常であると判定す
る。ステップS6では、バックグランドレベルの学習を
実行する。
所定率KNKLVLを下回っているか否かを判定し、下
回っている場合はステップS5に進み、以上である場合
はこのプログラムを終了する。ノック信号の変動率は、
今回測定したノック信号の信号レベルNIONNKNか
ら平均値AVGを減算し、その偏差を平均値AVGで除
して演算するもので、ノックが発生している際に大きく
なり、ノックが発生していない場合に小さくなる。ステ
ップS5では、学習値KNKKGが異常であると判定す
る。ステップS6では、バックグランドレベルの学習を
実行する。
【0020】このような構成において、バックグランド
レベルの学習が正常に行われており、保存されている学
習値KNKKGが正常な値である場合は、ステップS1
及びステップS3、あるいはステップS1、ステップS
3及びステップS4で示される所定の条件が成立しない
ので、バックグランドレベルの学習を行わない。一方、
エンジン100の運転状態が変化し、ノックのない場合
のノック信号の平均値AVGが小さくなると、それまで
保存されていた学習値KNKKGがその時の運転状態に
適合しないことになる。このような運転状態の変化によ
り、図3に示すように、学習値KNKKGがノック信号
の平均値AVGをはるかに上回るすなわち平均値AVG
に所定値αを加算した値よりも大きい値になっている場
合は、制御は、ステップS1→S2→S6と進み、この
学習値KNKKGが異常であると判定して、今回測定し
たノック信号の信号レベルNIONKNKを学習して、
学習値KNKKGとして記憶装置8に保存する。したが
って、学習頻度が削減され、ノック信号の信号レベルN
IONKNKを測定する毎に学習することがなくなる。
レベルの学習が正常に行われており、保存されている学
習値KNKKGが正常な値である場合は、ステップS1
及びステップS3、あるいはステップS1、ステップS
3及びステップS4で示される所定の条件が成立しない
ので、バックグランドレベルの学習を行わない。一方、
エンジン100の運転状態が変化し、ノックのない場合
のノック信号の平均値AVGが小さくなると、それまで
保存されていた学習値KNKKGがその時の運転状態に
適合しないことになる。このような運転状態の変化によ
り、図3に示すように、学習値KNKKGがノック信号
の平均値AVGをはるかに上回るすなわち平均値AVG
に所定値αを加算した値よりも大きい値になっている場
合は、制御は、ステップS1→S2→S6と進み、この
学習値KNKKGが異常であると判定して、今回測定し
たノック信号の信号レベルNIONKNKを学習して、
学習値KNKKGとして記憶装置8に保存する。したが
って、学習頻度が削減され、ノック信号の信号レベルN
IONKNKを測定する毎に学習することがなくなる。
【0021】これとは逆に、図4に示すように、ノック
信号の平均値AVGが変化し、保存してある学習値KN
KKGが平均値AVGより所定値α減じた値より小さ
く、かつノック信号の変動率が所定率KNKLVLを下
回っている場合は、制御は、ステップS1→S3→S4
→S5→S6と進み、学習値KNKKGの異常を判定し
て、今回測定したノック信号の信号レベルNIONKN
Kを学習して、学習値KNKKGとして記憶装置8に保
存する。
信号の平均値AVGが変化し、保存してある学習値KN
KKGが平均値AVGより所定値α減じた値より小さ
く、かつノック信号の変動率が所定率KNKLVLを下
回っている場合は、制御は、ステップS1→S3→S4
→S5→S6と進み、学習値KNKKGの異常を判定し
て、今回測定したノック信号の信号レベルNIONKN
Kを学習して、学習値KNKKGとして記憶装置8に保
存する。
【0022】このように、学習頻度が少なくなることに
より学習値KNKKGを誤学習するのを防止することが
できるとともに、エンジン100の運転状態に対応した
学習値KNKKGに更新することができる。なお、本発
明は以上に説明した実施例に限定されるものではない。
その他、各部の構成は図示例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能で
ある。
より学習値KNKKGを誤学習するのを防止することが
できるとともに、エンジン100の運転状態に対応した
学習値KNKKGに更新することができる。なお、本発
明は以上に説明した実施例に限定されるものではない。
その他、各部の構成は図示例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能で
ある。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、保存さ
れた学習値が異常と判定された場合にのみ測定したノッ
ク信号の信号レベルに基づいて学習値を学習するので、
学習値の学習を選択的に実施することになり、学習頻度
が高いことによる誤学習の発生を防止することができ
る。
れた学習値が異常と判定された場合にのみ測定したノッ
ク信号の信号レベルに基づいて学習値を学習するので、
学習値の学習を選択的に実施することになり、学習頻度
が高いことによる誤学習の発生を防止することができ
る。
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成説明図。
【図2】同実施例の概略的な制御手順を示すフローチャ
ート。
ート。
【図3】同実施例の作用説明図。
【図4】同実施例の作用説明図。
6…電子制御装置
7…中央演算処理装置
8…記憶装置
9…入力インターフェース
10…A/Dコンバータ
11…出力インターフェース
30…燃焼室
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平11−294249(JP,A)
特開 平9−273470(JP,A)
特開 平5−149230(JP,A)
特開 平5−34244(JP,A)
特開2000−145605(JP,A)
特開 平11−315751(JP,A)
特開 平11−37028(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F02P 17/00
F02D 45/00
Claims (2)
- 【請求項1】内燃機関の燃焼室内に点火毎に発生するイ
オン電流から検出するノック信号に基づいて内燃機関に
発生するノックを検出するための内燃機関のノック判定
用学習値の学習方法であって、 ノックを検出するための基準レベルとなるノック信号の
信号レベルをノック判定用学習値として学習して保存
し、 少なくともその保存されたノック判定用学習値が測定し
た信号レベルに基づき設定される信号判定レベルを上回
る場合に少なくとも保存されたノック判定用学習値が異
常であると判定し、 上記異常を判定した 場合には、今回測定したノック信号
の信号レベルに基づいてノック判定用学習値の学習を実
施することを特徴とする内燃機関のノック判定用学習値
の学習方法。 - 【請求項2】内燃機関の燃焼室内に点火毎に発生するイ
オン電流から検出するノック信号に基づいて内燃機関に
発生するノックを検出するための内燃機関のノック判定
用学習値の学習方法であって、 ノックを検出するための基準レベルとなるノック信号の
信号レベルをノック判定用学習値として学習して保存
し、 少なくともその保存されたノック判定用学習値が測定し
た信号レベルに基づき設定される信号判定レベルを下回
り、かつ複数のノック信号より演算されたノック信号の
変動度合いが設定された所定度合いを下回る場合に少な
くとも保存されたノック判定用学習値が異常であると判
定し、 上記異常を判定した場合には、今回測定したノック信号
の信号レベルに基づいてノック判定用学習値の学習を実
施する ことを特徴とする内燃機関のノック判定用学習値
の学習方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32422498A JP3420515B2 (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 内燃機関のノック判定用学習値の学習方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32422498A JP3420515B2 (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 内燃機関のノック判定用学習値の学習方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000145531A JP2000145531A (ja) | 2000-05-26 |
JP3420515B2 true JP3420515B2 (ja) | 2003-06-23 |
Family
ID=18163433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32422498A Expired - Fee Related JP3420515B2 (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 内燃機関のノック判定用学習値の学習方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3420515B2 (ja) |
-
1998
- 1998-11-13 JP JP32422498A patent/JP3420515B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000145531A (ja) | 2000-05-26 |
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