JP3419426B2 - 低騒音歯付ベルト - Google Patents

低騒音歯付ベルト

Info

Publication number
JP3419426B2
JP3419426B2 JP29920795A JP29920795A JP3419426B2 JP 3419426 B2 JP3419426 B2 JP 3419426B2 JP 29920795 A JP29920795 A JP 29920795A JP 29920795 A JP29920795 A JP 29920795A JP 3419426 B2 JP3419426 B2 JP 3419426B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
toothed belt
teeth
low noise
tooth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP29920795A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09119482A (ja
Inventor
孝 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gates Unitta Asia Co
Original Assignee
Gates Unitta Asia Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gates Unitta Asia Co filed Critical Gates Unitta Asia Co
Priority to JP29920795A priority Critical patent/JP3419426B2/ja
Publication of JPH09119482A publication Critical patent/JPH09119482A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3419426B2 publication Critical patent/JP3419426B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車用
エンジンのベルト駆動機構に設けられる無端状の歯付ベ
ルトに関する。
【0002】
【従来の技術】歯付ベルトは、ベルトの幅方向に延びる
ベルト歯と歯底部とを有しているので、ベルト走行によ
って風切り音が発生する。また、このベルト走行時、歯
付ベルトと、これが巻回されるプーリのプーリ歯との間
の噛合い時に、噛合音が発生する。このような騒音のう
ち、特に噛合音を低減させるための構成として、従来、
ベルト歯をベルトの幅方向に対して例えば15度だけ傾
斜させた「はす歯」として採用した歯付ベルト、あるい
はベルト歯と歯底部の表面に沿って、歯付ベルトの長手
方向に延びる隆起部を設けた歯付ベルトが提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の「はす
歯」あるいは「隆起部」を有する歯付ベルトによって
も、騒音の低下は十分ではなく、さらに低減させること
が望まれていた。本発明は、従来の歯付ベルトよりもさ
らに騒音の発生を抑制することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る低騒音歯付
ベルトは、ベルト歯間に形成された歯底部とベルト歯と
の表面に沿って、ベルトの長手方向に延びる隆起部が形
成され、ベルト歯はベルトの幅方向に対して傾斜してい
ることを特徴としている。
【0005】隆起部はベルトにクッション効果を持たせ
るのに十分なだけ隆起していることが好ましい。隆起部
の高さは例えば、ベルト歯の高さの1/5から1/20
である。隆起部の先端がケバ立っていてもよい。また隆
起部の先端の断面形状は略半円、あるいは偏平であって
もよい。隆起部は複数であることが好ましく、これらの
隆起部はベルトの幅方向に沿って、ほぼ等間隔に形成さ
れる。
【0006】ベルト歯は、ベルトの幅方向に対して例え
ば1度〜9度傾斜しており、好ましくは3度〜6度傾斜
し、さらに好ましくは約5度傾斜している。
【0007】隣接する2つのベルト歯間の間隔は、例え
ば約14mmまたは約8mmである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態である
低騒音歯付ベルト10をベルト歯側から見た平面図であ
る。この低騒音歯付ベルト10は無端状であり、この図
では一部のみを示している。図2は歯付ベルト10を、
歯底部を通る面によって切断した断面図、図3は歯付ベ
ルト10を長手方向に沿って切断した断面図である。
【0009】これらの図に示すように、この歯付ベルト
10では、ベルトの幅方向に延びるベルト歯11と歯底
部12とが、ベルトの長手方向に沿って交互に形成され
ているが、ベルト歯11はベルトの幅方向に対して傾斜
している。この傾斜角は、1度〜9度であってもよい
が、好ましくは3度〜6度であり、さらに好ましくは約
5度である。すなわちベルト歯11は「はす歯」であ
る。なお、隣接する2つのベルト歯11の頂部間の間
隔、すなわちピッチは例えば14mmである。
【0010】ベルト歯11と歯底部12との表面に沿っ
て、ベルトの長手方向に延びる複数の隆起部13が形成
されている。隆起部13はベルトの表面に沿って、ベル
トの全周にわたって形成され、ほぼ等間隔に設けられて
いる。隆起部13は例えば半円状の断面を有し、その径
は各隆起部13間の間隔の数分の1程度であるが、その
大きさは、プーリとの噛合いにおいて十分なクッション
効果を発揮するものであればよい。隆起部13の先端は
偏平であってもよく、またケバ立っていてもよい。隆起
部13の高さは、ベルト歯11の高さの例えば1/5か
ら1/20である。
【0011】またベルト本体14、すなわちベルト歯1
1と歯底部12よりもベルトの背面側には、心線15が
所定間隔をもって埋設されている。心線15は例えばガ
ラス繊維により形成され、ベルトの全周にわたって設け
られている。
【0012】なお隆起部13を設けない場合、ベルト歯
11の傾斜角を例えば10度あるいは15度に定める
と、騒音低減効果が得られるが、プーリ上でのスラスト
が大きくなり、ベルト10の側面16に摩耗が発生し、
ベルト10の寿命が短くなる。一方、ベルト歯11の傾
斜角を5度よりも小さくすると、プーリ10上でのスラ
ストの発生は抑えられるが、騒音を低減させることがで
きない。
【0013】そこで本実施形態では、上述したように、
ベルト歯11として、ベルトの幅方向に対して約5度だ
け傾斜する「はす歯」を採用し、またクッション性を有
する隆起部13を設けることにより、プーリとの噛合い
時における騒音発生を低減させている。
【0014】
【実施例】ベルト歯のピッチが8mm、ベルト幅が40m
m、歯数が100であり、「はす歯」の傾斜角が0度、
3度、5度、10度および15度の歯付ベルトを作成
し、2つのプーリに巻回して駆動することにより騒音を
測定した。なお、これらの歯付は隆起部13を有してお
らず、したがってこの騒音試験は「はす歯」の角度の騒
音に対する効果を検証するものである。騒音試験は常温
で行われ、プーリの回転数は3500〜8500回転/
分、取付け張力は51Kgf 、音の測定位置はベルト中央
でベルトから約300mmだけ離れた所であった。また、
ベルトには負荷をかけなかった。
【0015】この試験結果を図4に示す。この図から理
解されるように、プーリの回転数の上昇とともに騒音は
大きくなり、また「はす歯」の傾斜角が大きくなるほど
騒音は小さくなる。
【0016】しかし上述したように、「はす歯」の傾斜
角が例えば10度以上になると、プーリとの摩擦が大き
くなり、歯付ベルトの側面に摩耗が発生するという問題
が生じる。そこで、「はす歯」の傾斜角を約5度に定
め、さらに隆起部13を形成した歯付ベルトを作成し
て、その騒音抑制の効果を測定した。この測定に用いた
歯付ベルトは以下の通りである。すなわち、本発明の実
施例である歯付ベルトとして、ベルト歯のピッチが14
mm、ベルト幅が100mm、歯数が200、「はす歯」の
傾斜角が5度であり、隆起部13を有する歯付ベルトを
採用した。第1の比較例の歯付ベルトは、隆起部13が
形成されていない点を除いては実施例と同じ構成を有す
るもの、第2の比較例の歯付ベルトは、ベルト歯が直歯
(すなわちベルト歯の傾斜角が0度)を有する点を除い
ては実施例と同じ構成を有するもの、第3の比較例の歯
付ベルトは、隆起部13が形成されていない点と、ベル
ト歯が直歯を有する点とを除いては実施例と同じ構成を
有するものである。
【0017】実施例の歯付ベルト、第1〜第3の比較例
の歯付ベルトをそれぞれ、2つのプーリに巻回して駆動
することにより騒音を測定した。騒音試験は常温で行わ
れ、プーリの回転数は1000〜4000回転/分、取
付け張力は182Kgf 、音の測定位置はベルト中央でベ
ルトから約300mmだけ離れた所であった。また、ベル
トには負荷をかけなかった。
【0018】この試験結果を図5に示す。この図から理
解されるように、プーリの回転数が約2000回転/分
以上になると各歯付ベルトにおいて発生する騒音の差が
大きくなり、その差は回転数の上昇とともに顕著にな
る。第1の比較例と第3の比較例を比較することから、
ベルト歯を「はす歯」とする効果は、プーリ回転数が3
500回転/分以上の高速駆動において得られることが
理解される。第2の比較例と第3の比較例を比較するこ
とから、隆起部の効果は、プーリ回転数が2000回転
/分以上において得られることが理解される。本発明の
実施例は、いずれの比較例よりも低い騒音発生を示し、
特に、プーリ回転数が2000回転/分以上になっても
騒音がほとんど上昇しないという顕著な効果を発揮す
る。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来の歯
付ベルトよりもさらに騒音の発生を抑制することことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である低騒音歯付ベルトを
ベルト歯側から見た平面図である。
【図2】歯付ベルトを歯底部を通る面によって切断した
断面図である。
【図3】歯付ベルトを長手方向に沿って切断した断面図
である。
【図4】種々の傾斜角のはす歯を有する歯付ベルトが生
じる騒音を測定した結果を示す図である。
【図5】本発明の実施例の歯付ベルトと比較例の歯付ベ
ルトとにおいて発生する騒音を測定した結果を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 歯付ベルト 11 ベルト歯 12 歯底部 13 隆起部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−113939(JP,A) 実開 昭62−96144(JP,U) 実開 昭51−151844(JP,U) 実開 昭54−64861(JP,U) 実開 昭63−18661(JP,U) 実開 平1−148140(JP,U) 特公 昭33−406(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 1/00 - 9/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルトの幅方向に延びるベルト歯と歯底
    部とがベルトの長手方向に沿って交互に形成され歯付
    ベルトであって、ベルト歯間に形成された歯底部と前記
    ベルト歯との表面に沿って、ベルトの長手方向に延びる
    隆起部が形成され、前記ベルト歯はベルトの幅方向に対
    して3度〜6度傾斜していることを特徴とする低騒音歯
    付ベルト。
  2. 【請求項2】 前記隆起部が、ベルトにクッション効果
    を持たせるのに十分なだけ隆起していることを特徴とす
    る請求項1に記載の低騒音歯付ベルト。
  3. 【請求項3】 前記隆起部の高さが、ベルト歯の高さの
    1/5から1/20であることを特徴とする請求項1に
    記載の低騒音歯付ベルト。
  4. 【請求項4】 前記隆起部の先端が、ケバ立っているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の低騒音歯付ベルト。
  5. 【請求項5】 前記隆起部の先端の断面形状が略半円で
    あることを特徴とする請求項1に記載の低騒音歯付ベル
    ト。
  6. 【請求項6】 前記隆起部の先端が、偏平であることを
    特徴とする請求項1に記載の低騒音歯付ベルト。
  7. 【請求項7】 複数の前記隆起部がベルトの幅方向に沿
    って、ほぼ等間隔に形成されることを特徴とする請求項
    1に記載の低騒音歯付ベルト。
  8. 【請求項8】 ベルト歯がベルトの幅方向に対して約5
    度傾斜していることを特徴とする請求項に記載の低騒
    音歯付ベルト。
  9. 【請求項9】 隣接する2つのベルト歯間の間隔が約1
    4mmであることを特徴とする請求項1に記載の低騒音
    歯付ベルト。
  10. 【請求項10】 隣接する2つのベルト歯間の間隔が約
    8mmであることを特徴とする請求項1に記載の低騒音
    歯付ベルト。
  11. 【請求項11】 前記隆起部が無端状のベルトの全周に
    わたって形成されることを特徴とする請求項1に記載の
    低騒音歯付ベルト。
JP29920795A 1995-10-23 1995-10-23 低騒音歯付ベルト Expired - Lifetime JP3419426B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29920795A JP3419426B2 (ja) 1995-10-23 1995-10-23 低騒音歯付ベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29920795A JP3419426B2 (ja) 1995-10-23 1995-10-23 低騒音歯付ベルト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09119482A JPH09119482A (ja) 1997-05-06
JP3419426B2 true JP3419426B2 (ja) 2003-06-23

Family

ID=17869541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29920795A Expired - Lifetime JP3419426B2 (ja) 1995-10-23 1995-10-23 低騒音歯付ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3419426B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4010551B2 (ja) * 2003-04-03 2007-11-21 ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 ハス歯ベルト伝動装置
JP4089781B2 (ja) 2003-04-15 2008-05-28 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09119482A (ja) 1997-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2535130B2 (ja) ベルトスプロケット
EP1217256B1 (en) Power transmission drive system
JPS59500007A (ja) 無端伝動vベルト構造体およびその製造方法
US4981462A (en) Belt construction, rotatable pulley and combination thereof and methods making the same
JPS60215138A (ja) 伝動装置
JP3419426B2 (ja) 低騒音歯付ベルト
US5536213A (en) Toothed belt transmission for driving dynamic balancing shafts in endothermic engines
JPH0248772B2 (ja)
JPH0126928Y2 (ja)
JP2895776B2 (ja) フローティングチェーンガイド装置
JP4195090B2 (ja) 改善されたノイズ特性を有するローラチェーン駆動システム
JPS624753Y2 (ja)
EP0571178B1 (en) V-ribbed belt
JP2534192B2 (ja) Vリブドベルト及び動力伝達装置
JPH022997Y2 (ja)
JPH0217233Y2 (ja)
EP0211730B1 (fr) Transmission peu bruyante par poulies et courroie
JP4085247B2 (ja) 無端ベルト
JPS5838187Y2 (ja) 歯付ベルトの駆動装置
JP2003074642A (ja) 高負荷伝動用vベルト
JP3148780B2 (ja) 歯付ベルト及びそれを用いた伝動機構
JPH07224905A (ja) 伝動用ベルト
JPS6246939Y2 (ja)
JPS6132186Y2 (ja)
JPS62113939A (ja) 歯付ベルトの駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090418

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100418

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100418

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120418

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120418

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140418

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term