JP3419426B2 - 低騒音歯付ベルト - Google Patents
低騒音歯付ベルトInfo
- Publication number
- JP3419426B2 JP3419426B2 JP29920795A JP29920795A JP3419426B2 JP 3419426 B2 JP3419426 B2 JP 3419426B2 JP 29920795 A JP29920795 A JP 29920795A JP 29920795 A JP29920795 A JP 29920795A JP 3419426 B2 JP3419426 B2 JP 3419426B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- belt
- toothed belt
- teeth
- low noise
- tooth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
エンジンのベルト駆動機構に設けられる無端状の歯付ベ
ルトに関する。
ベルト歯と歯底部とを有しているので、ベルト走行によ
って風切り音が発生する。また、このベルト走行時、歯
付ベルトと、これが巻回されるプーリのプーリ歯との間
の噛合い時に、噛合音が発生する。このような騒音のう
ち、特に噛合音を低減させるための構成として、従来、
ベルト歯をベルトの幅方向に対して例えば15度だけ傾
斜させた「はす歯」として採用した歯付ベルト、あるい
はベルト歯と歯底部の表面に沿って、歯付ベルトの長手
方向に延びる隆起部を設けた歯付ベルトが提案されてい
る。
歯」あるいは「隆起部」を有する歯付ベルトによって
も、騒音の低下は十分ではなく、さらに低減させること
が望まれていた。本発明は、従来の歯付ベルトよりもさ
らに騒音の発生を抑制することを目的としている。
ベルトは、ベルト歯間に形成された歯底部とベルト歯と
の表面に沿って、ベルトの長手方向に延びる隆起部が形
成され、ベルト歯はベルトの幅方向に対して傾斜してい
ることを特徴としている。
るのに十分なだけ隆起していることが好ましい。隆起部
の高さは例えば、ベルト歯の高さの1/5から1/20
である。隆起部の先端がケバ立っていてもよい。また隆
起部の先端の断面形状は略半円、あるいは偏平であって
もよい。隆起部は複数であることが好ましく、これらの
隆起部はベルトの幅方向に沿って、ほぼ等間隔に形成さ
れる。
ば1度〜9度傾斜しており、好ましくは3度〜6度傾斜
し、さらに好ましくは約5度傾斜している。
ば約14mmまたは約8mmである。
を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態である
低騒音歯付ベルト10をベルト歯側から見た平面図であ
る。この低騒音歯付ベルト10は無端状であり、この図
では一部のみを示している。図2は歯付ベルト10を、
歯底部を通る面によって切断した断面図、図3は歯付ベ
ルト10を長手方向に沿って切断した断面図である。
10では、ベルトの幅方向に延びるベルト歯11と歯底
部12とが、ベルトの長手方向に沿って交互に形成され
ているが、ベルト歯11はベルトの幅方向に対して傾斜
している。この傾斜角は、1度〜9度であってもよい
が、好ましくは3度〜6度であり、さらに好ましくは約
5度である。すなわちベルト歯11は「はす歯」であ
る。なお、隣接する2つのベルト歯11の頂部間の間
隔、すなわちピッチは例えば14mmである。
て、ベルトの長手方向に延びる複数の隆起部13が形成
されている。隆起部13はベルトの表面に沿って、ベル
トの全周にわたって形成され、ほぼ等間隔に設けられて
いる。隆起部13は例えば半円状の断面を有し、その径
は各隆起部13間の間隔の数分の1程度であるが、その
大きさは、プーリとの噛合いにおいて十分なクッション
効果を発揮するものであればよい。隆起部13の先端は
偏平であってもよく、またケバ立っていてもよい。隆起
部13の高さは、ベルト歯11の高さの例えば1/5か
ら1/20である。
1と歯底部12よりもベルトの背面側には、心線15が
所定間隔をもって埋設されている。心線15は例えばガ
ラス繊維により形成され、ベルトの全周にわたって設け
られている。
11の傾斜角を例えば10度あるいは15度に定める
と、騒音低減効果が得られるが、プーリ上でのスラスト
が大きくなり、ベルト10の側面16に摩耗が発生し、
ベルト10の寿命が短くなる。一方、ベルト歯11の傾
斜角を5度よりも小さくすると、プーリ10上でのスラ
ストの発生は抑えられるが、騒音を低減させることがで
きない。
ベルト歯11として、ベルトの幅方向に対して約5度だ
け傾斜する「はす歯」を採用し、またクッション性を有
する隆起部13を設けることにより、プーリとの噛合い
時における騒音発生を低減させている。
m、歯数が100であり、「はす歯」の傾斜角が0度、
3度、5度、10度および15度の歯付ベルトを作成
し、2つのプーリに巻回して駆動することにより騒音を
測定した。なお、これらの歯付は隆起部13を有してお
らず、したがってこの騒音試験は「はす歯」の角度の騒
音に対する効果を検証するものである。騒音試験は常温
で行われ、プーリの回転数は3500〜8500回転/
分、取付け張力は51Kgf 、音の測定位置はベルト中央
でベルトから約300mmだけ離れた所であった。また、
ベルトには負荷をかけなかった。
解されるように、プーリの回転数の上昇とともに騒音は
大きくなり、また「はす歯」の傾斜角が大きくなるほど
騒音は小さくなる。
角が例えば10度以上になると、プーリとの摩擦が大き
くなり、歯付ベルトの側面に摩耗が発生するという問題
が生じる。そこで、「はす歯」の傾斜角を約5度に定
め、さらに隆起部13を形成した歯付ベルトを作成し
て、その騒音抑制の効果を測定した。この測定に用いた
歯付ベルトは以下の通りである。すなわち、本発明の実
施例である歯付ベルトとして、ベルト歯のピッチが14
mm、ベルト幅が100mm、歯数が200、「はす歯」の
傾斜角が5度であり、隆起部13を有する歯付ベルトを
採用した。第1の比較例の歯付ベルトは、隆起部13が
形成されていない点を除いては実施例と同じ構成を有す
るもの、第2の比較例の歯付ベルトは、ベルト歯が直歯
(すなわちベルト歯の傾斜角が0度)を有する点を除い
ては実施例と同じ構成を有するもの、第3の比較例の歯
付ベルトは、隆起部13が形成されていない点と、ベル
ト歯が直歯を有する点とを除いては実施例と同じ構成を
有するものである。
の歯付ベルトをそれぞれ、2つのプーリに巻回して駆動
することにより騒音を測定した。騒音試験は常温で行わ
れ、プーリの回転数は1000〜4000回転/分、取
付け張力は182Kgf 、音の測定位置はベルト中央でベ
ルトから約300mmだけ離れた所であった。また、ベル
トには負荷をかけなかった。
解されるように、プーリの回転数が約2000回転/分
以上になると各歯付ベルトにおいて発生する騒音の差が
大きくなり、その差は回転数の上昇とともに顕著にな
る。第1の比較例と第3の比較例を比較することから、
ベルト歯を「はす歯」とする効果は、プーリ回転数が3
500回転/分以上の高速駆動において得られることが
理解される。第2の比較例と第3の比較例を比較するこ
とから、隆起部の効果は、プーリ回転数が2000回転
/分以上において得られることが理解される。本発明の
実施例は、いずれの比較例よりも低い騒音発生を示し、
特に、プーリ回転数が2000回転/分以上になっても
騒音がほとんど上昇しないという顕著な効果を発揮す
る。
付ベルトよりもさらに騒音の発生を抑制することことが
できる。
ベルト歯側から見た平面図である。
断面図である。
である。
じる騒音を測定した結果を示す図である。
ルトとにおいて発生する騒音を測定した結果を示す図で
ある。
Claims (11)
- 【請求項1】 ベルトの幅方向に延びるベルト歯と歯底
部とがベルトの長手方向に沿って交互に形成された歯付
ベルトであって、ベルト歯間に形成された歯底部と前記
ベルト歯との表面に沿って、ベルトの長手方向に延びる
隆起部が形成され、前記ベルト歯はベルトの幅方向に対
して3度〜6度傾斜していることを特徴とする低騒音歯
付ベルト。 - 【請求項2】 前記隆起部が、ベルトにクッション効果
を持たせるのに十分なだけ隆起していることを特徴とす
る請求項1に記載の低騒音歯付ベルト。 - 【請求項3】 前記隆起部の高さが、ベルト歯の高さの
1/5から1/20であることを特徴とする請求項1に
記載の低騒音歯付ベルト。 - 【請求項4】 前記隆起部の先端が、ケバ立っているこ
とを特徴とする請求項1に記載の低騒音歯付ベルト。 - 【請求項5】 前記隆起部の先端の断面形状が略半円で
あることを特徴とする請求項1に記載の低騒音歯付ベル
ト。 - 【請求項6】 前記隆起部の先端が、偏平であることを
特徴とする請求項1に記載の低騒音歯付ベルト。 - 【請求項7】 複数の前記隆起部がベルトの幅方向に沿
って、ほぼ等間隔に形成されることを特徴とする請求項
1に記載の低騒音歯付ベルト。 - 【請求項8】 ベルト歯がベルトの幅方向に対して約5
度傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の低騒
音歯付ベルト。 - 【請求項9】 隣接する2つのベルト歯間の間隔が約1
4mmであることを特徴とする請求項1に記載の低騒音
歯付ベルト。 - 【請求項10】 隣接する2つのベルト歯間の間隔が約
8mmであることを特徴とする請求項1に記載の低騒音
歯付ベルト。 - 【請求項11】 前記隆起部が無端状のベルトの全周に
わたって形成されることを特徴とする請求項1に記載の
低騒音歯付ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29920795A JP3419426B2 (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 低騒音歯付ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29920795A JP3419426B2 (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 低騒音歯付ベルト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09119482A JPH09119482A (ja) | 1997-05-06 |
JP3419426B2 true JP3419426B2 (ja) | 2003-06-23 |
Family
ID=17869541
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29920795A Expired - Lifetime JP3419426B2 (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 低騒音歯付ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3419426B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4010551B2 (ja) * | 2003-04-03 | 2007-11-21 | ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 | ハス歯ベルト伝動装置 |
JP4089781B2 (ja) | 2003-04-15 | 2008-05-28 | 株式会社ジェイテクト | 電動パワーステアリング装置 |
-
1995
- 1995-10-23 JP JP29920795A patent/JP3419426B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09119482A (ja) | 1997-05-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2535130B2 (ja) | ベルトスプロケット | |
EP1217256B1 (en) | Power transmission drive system | |
JPS59500007A (ja) | 無端伝動vベルト構造体およびその製造方法 | |
US4981462A (en) | Belt construction, rotatable pulley and combination thereof and methods making the same | |
JPS60215138A (ja) | 伝動装置 | |
JP3419426B2 (ja) | 低騒音歯付ベルト | |
US5536213A (en) | Toothed belt transmission for driving dynamic balancing shafts in endothermic engines | |
JPH0248772B2 (ja) | ||
JPH0126928Y2 (ja) | ||
JP2895776B2 (ja) | フローティングチェーンガイド装置 | |
JP4195090B2 (ja) | 改善されたノイズ特性を有するローラチェーン駆動システム | |
JPS624753Y2 (ja) | ||
EP0571178B1 (en) | V-ribbed belt | |
JP2534192B2 (ja) | Vリブドベルト及び動力伝達装置 | |
JPH022997Y2 (ja) | ||
JPH0217233Y2 (ja) | ||
EP0211730B1 (fr) | Transmission peu bruyante par poulies et courroie | |
JP4085247B2 (ja) | 無端ベルト | |
JPS5838187Y2 (ja) | 歯付ベルトの駆動装置 | |
JP2003074642A (ja) | 高負荷伝動用vベルト | |
JP3148780B2 (ja) | 歯付ベルト及びそれを用いた伝動機構 | |
JPH07224905A (ja) | 伝動用ベルト | |
JPS6246939Y2 (ja) | ||
JPS6132186Y2 (ja) | ||
JPS62113939A (ja) | 歯付ベルトの駆動装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090418 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100418 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100418 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120418 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120418 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140418 Year of fee payment: 11 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |