JP3419177B2 - 直流電圧変動補償回路 - Google Patents

直流電圧変動補償回路

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JP3419177B2
JP3419177B2 JP28279895A JP28279895A JP3419177B2 JP 3419177 B2 JP3419177 B2 JP 3419177B2 JP 28279895 A JP28279895 A JP 28279895A JP 28279895 A JP28279895 A JP 28279895A JP 3419177 B2 JP3419177 B2 JP 3419177B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2軸電流制御系
とその直流中間電圧に対する定電圧制御系とを有して制
御される3相電圧形インバータを対象とし、その電流指
令値の急変に起因する前記直流中間電圧の脈動防止を図
る直流電圧変動補償回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種インバータとしては、これ
を変圧器を介して系統と連係運転させ自励式無効電力補
償装置(以後、自励式SVCと略称する)として機能さ
せるものが知られており、図23はその系統構成を示す
主回路図の例示であり、図22は図23に対応する前記
SVCの制御回路図の例示である。
【0003】先ず、図23に関し、その交流系統は3相
構成をなすものであるが、1は無効電力変動の発生源を
なす負荷、2は変圧器、3は自励式SVCとして機能さ
せるインバータ、4は制御装置、5はインバータ直流中
間電圧の検出器、6a,6bはCT(計器用変流器)、
7はPT(計器用変圧器)である。また、icはCT6
bによるSVC出力電流の検出値、iLはCT6aによ
る負荷電流の検出値、eはPT7による系統電圧の検出
値であり、それぞれ3相の交流値である。一方、edは
前記インバータの直流中間電圧の検出値である。
【0004】また、SG は制御装置4からインバータ3
の主回路スイッチング素子に与えられる制御用のゲート
パルス信号である。次に、図22は前記の制御装置4の
内容をなすSVC制御系の構成を示すものであり、8は
3相電流指令信号としての3相負荷電流検出値iLを受
けこれをd,q両軸から成る2軸直交座標系におけるd
軸電流指令信号iLd0 とq軸電流指令信号iLq0 と
に変換する2軸電流演算回路、9は前記信号iLd0 を
受けその定常値を出力するフィルタ、10a〜10cは
図示の正負極性に従って複数信号間の加減算を行う加減
演算器である。従って、加減演算器10aの出力は、前
記信号iLd0 からその定常値を減じた変動分信号iL
dとなる。
【0005】また、11は前記直流中間電圧の設定値e
d*を設定する電圧設定器、12は加減演算器10cを
介して形成された前記直流中間電圧の設定値ed*と検
出値edとの偏差を受けてこれを所定のゲイン・時間特
性を有する制御信号iEdに変換する調節器である。加
減演算器10bにおいては前記変動分信号iLdから調
節器12の出力信号iEdが減算され、前記インバータ
に対するd軸電流指令信号id*が形成される。
【0006】なお、図示の各q軸信号iLq0 とiLq
とiq*とは、前記d軸信号の変化に合わして表現変更
したものであり、全て同一のものである。また、13は
2相/3相の相変換機能を有し,前記id*とiq*と
の両電流指令信号と前記のSVC出力電流検出値icと
の比較演算を行う電流制御回路であり、14はこの電流
制御回路の演算結果を受け前記の主回路スイッチング素
子制御用ゲートパルス信号SG を出力するPWMパルス
発生回路である。
【0007】上記の如く、図22に示すSVC制御系
は、3相負荷電流の変動を前記SVCに対する電流指令
値の変動となし、SVC直流中間電圧の変動に関連する
等価的な直流電流成分をなす前記d軸電流成分における
変動分を分離し、このd軸電流変動分に起因するSVC
直流中間電圧の脈動防止を図る如く、前記直流中間電圧
制御系の出力信号による前記d軸電流変動分に対する補
償制御を行うものであり、前記d軸電流の定常分に対す
る前記直流中間電圧の補償は行わない。
【0008】即ち、2軸電流演算回路8により3相負荷
電流の検出値iLを前記両指令信号iLd0 とiLq0
とに変換し、フィルタ9と加算器10aとによって前記
信号iLd0 の変動分iLdを分離し、更に、電圧設定
器11と調節器12とを含む閉回路の直流中間電圧制御
系の出力信号iEdと前記変動分信号iLdとの偏差信
号(iLd−iEd)を以て前記インバータに対するd
軸電流指令信号id*となす如く回路構成を行い、前記
SVCの電流指令値急変時のその直流中間電圧における
脈動防止を図るものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記の如く、SVCに
対する電流指令値の変動に伴うその直流中間電圧の脈動
防止を図る直流電圧変動補償回路における従来の制御系
は、前記のd軸電流指令信号の変動分iLdと直流中間
電圧制御系の出力信号iEdとの偏差信号を以てSVC
として機能する前記インバータに対するd軸電流指令信
号id*となす如く構成されている。
【0010】しかしながら、前記信号iEdは、その応
答性において前記電流制御系の変動に比して大なる時間
遅れを有する前記直流中間電圧制御系を介して出力され
るものであり、従って、前記信号iEdが成長し前記偏
差信号が零となる平衡状態に至る迄、前記直流中間電圧
は閉ループをなす前記電圧制御系に固有の周期による電
圧変動,即ち電圧脈動を繰り返しながらその定常値へ収
斂するものとならざるを得なかった。
【0011】因みに図24は、前記の3相電流指令信号
を前記2軸直交座標系上の電流ベクトルに変換表示した
ベクトル図であり、前記の如き制御系における時間遅れ
を、電流指令ベクトルの角度φの遅れ状態と等価なもの
として表示したものである。即ち、図示の実線表示ベク
トルは望ましい状態の電流指令ベクトルを示し、点線表
示ベクトルは前記の時間遅れ状態に対応するものとな
る。
【0012】図示の如き角度φの遅れ状態は、前記電流
指令ベクトルのd軸成分に関し大きさBとA′の減少影
響を及ぼし、またそのq軸成分に関し大きさAとB′の
増大影響を及ぼす。ここに、A,A′,B,B′の諸量
は下記の式(1)の如くなる。
【0013】
【数1】
【0014】即ち、図24と式(1)の示す如く、前記
電流指令ベクトルのd軸成分はそのq軸成分とd軸成分
自体に対し、また、q軸成分はd軸成分とq軸成分自体
に対し、相互に影響を及ぼすものとなり、これら増減影
響分はそれぞれ電流指令値に対する誤差として作用する
ものとなる。特に、q軸成分によるd軸成分への影響は
前記直流中間電圧の脈動発生の原因となる。
【0015】また図25は、従来の直流中間電圧制御系
の制御応答に関し、電流指令値急変時の前記直流中間電
圧の対時間変動図である。なお、主回路通流電流に伴う
装置損失の変動は、前記直流中間電圧の変動に関して前
記電流指令値の変動と等価なものとして表示されてい
る。図示の如く、電流指令値の急変に対し、前記電圧制
御系による制御指令iEdは、この電圧制御系における
高次の時間遅れ特性による等価不感帯ΔTを経て遅れて
出力されるものとなり、これに従い前記の直流中間電圧
edは大きく落ち込み、以後振動的にその回復が図られ
て定常値に収斂するものとなる。
【0016】上記に鑑みこの発明は、SVCとして機能
する電圧形インバータを対象とし、その電流指令急変時
に、その直流中間電圧に対する制御の安定性の向上を図
り得る直流電圧変動補償回路の提供を目的とするもので
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の直流電圧変動補償回路において、 1)請求項1の発明は、3相電流成分をdとq両軸から
成る2軸直交座標系の2相電流成分に変換して制御する
2軸電流制御系と,その直流中間電圧の定電圧制御系と
を有して制御される3相電圧形インバータに関し、その
3相電流指令値の急変に起因する前記直流中間電圧の脈
動防止を図る電圧変動補償回路であって、前記3相電流
指令値を前記直交座標系のdとq両軸上の電流指令値に
変換する2軸電流演算回路と、前記直流中間電圧とその
設定値との偏差信号を受けこれを所定時間特性の制御信
号に変換する調節器から成る直流中間電圧一定制御回路
とを有する制御装置に設けられる直流電圧変動補償回路
において、前記の各制御系と主回路とにおける信号伝達
遅れに起因する制御遅れの等価変換角をφとし、前記2
軸電流演算回路のd軸出力信号iLd0の変動分iLd
およびq軸出力信号iLqをそれぞれd軸成分およびq
軸成分となす電流ベクトルを座標系の原点周りに前記角
度φだけ進み方向に回転させて形成した新たな電流ベク
トルのd軸成分id1 およびq軸成分iq1を所定の回
転座標変換行列に従って演算し、このd軸成分id1 と
前記直流中間電圧一定制御回路の出力信号iEdとの偏
差信号および前記q軸成分iq1 をそれぞれ前記インバ
ータに対するd軸電流指令信号id*およびq軸電流指
令信号iq*となす如く回路構成するものとする。
【0018】2)請求項2の発明は、請求項1の発明に
よる直流電圧変動補償回路において、前記角度φが小な
る場合、前記座標変換行列に従う演算におけるcosφ
項を1と見做し所定の座標変換演算を行うものとする。 3)請求項3の発明は、請求項2の発明による直流電圧
変動補償回路において、前記d軸信号iLdの値が小な
る場合、前記座標変換行列に従う演算におけるiLd s
inφ項を省略し所定の座標変換演算を行うものとする。
【0019】4)請求項4の発明は、請求項1の発明に
よる直流電圧変動補償回路において、前記d軸信号iL
dの値が小なる場合、前記座標変換行列に従う演算にお
けるiLd sinφ項を省略し所定の座標変換演算を行う
ものとする。 5)請求項5の発明は、3相電流成分をdとq両軸から
成る2軸直交座標系の2相電流成分に変換して制御する
2軸電流制御系と,その直流中間電圧の定電圧制御系と
を有して制御される3相電圧形インバータに関し、その
3相電流指令値の急変に起因する前記直流中間電圧の脈
動防止を図る電圧変動補償回路であって、前記3相電流
指令値を前記直交座標系のdとq両軸上の電流指令値に
変換する2軸電流演算回路と、前記直流中間電圧とその
設定値との偏差信号を受けこれを所定時間特性の制御信
号に変換する調節器から成る直流中間電圧一定制御回路
とを有する制御装置に設けられる直流電圧変動補償回路
において、前記2軸電流演算回路のd軸出力信号iLd
0の変動分iLdおよびq軸出力信号iLqをそれぞれ
d軸成分およびq軸成分となす電流指令信号の実効値を
演算する実効値演算回路と、この演算回路による電流指
令信号の実効値をパラメータとして形成された装置損失
の特性曲線F(i)に従う入出力関係を有する関数回路
とを備え、演算された任意の電流指令信号の実効値に対
応する前記特性曲線F(i)上の値として前記の関数回
路より出力される電流信号idcを装置損失補正用信号
として前記信号iLdに対し逆極性に加算して得られた
信号と前記直流中間電圧一定制御回路の出力信号iEd
との偏差信号および前記q軸成分iLqをそれぞれ前記
インバータに対するd軸電流指令信号id*およびq軸
電流指令信号iq*となす如く回路構成するものとす
る。
【0020】6)請求項6の発明は、請求項5の発明に
よる直流電圧変動補償回路において、前記d軸信号iL
dの値が小であり、前記装置損失が前記q軸信号iLq
に大きく依存すると共にこの信号iLqの遅れと進みの
両極性状態に対してその大きさが異なる場合、前記特性
曲線F(i)に関し、その形成パラメータを前記電流指
令信号の実効値に代えその遅れと進みの両極性状態にお
ける前記信号iLqとなし、且つ、前記補正用信号id
cを前記特性曲線F(i)上の前記信号iLqに対応す
る値として演算するものとする。
【0021】7)請求項7の発明は、請求項5の発明に
よる直流電圧変動補償回路において、前記特性曲線F
(i)を、前記電流指令信号の実効値の2次多項式をな
す2次関数として規定するものとする。 8)請求項8の発明は、請求項7の発明による直流電圧
変動補償回路において、前記特性曲線F(i)を、前記
電流実効値の2次多項式における1次項を省略した2次
関数として規定するものとする。
【0022】9)請求項9の発明は、請求項7の発明に
よる直流電圧変動補償回路において、前記特性曲線F
(i)を、前記電流実効値の2次多項式における2次項
を省略した1次関数として規定するものとする。 10)請求項10の発明は、請求項7ないし請求項9の
発明による直流電圧変動補償回路において、前記電流実
効値の2次或いは1次の多項式にて規定された前記特性
曲線F(i)に関し、それぞれその定数項を省略するも
のとする。
【0023】11)請求項11の発明は、請求項5ない
し請求項10の発明による直流電圧変動補償回路におい
て、前記補正用信号idcの形成用パラメータを前記の
電流指令値に代えて電流実際値とするものとする。 12)請求項12の発明は、請求項5、或いは請求項7
ないし請求項10の発明による直流電圧変動補償回路に
おいて、前記d軸信号iLdに比して前記q軸信号iL
qが充分に大であるならば、これら両信号より求めた前
記電流指令信号の実効値に代えて正負両極性状態に変化
する前記信号iLqの絶対値を用いるものとする。
【0024】13)請求項13の発明は、請求項1ない
し請求項4の発明による直流電圧変動補償回路におい
て、前記の回転座標変換演算によって得られたインバー
タd軸電流指令信号id1 に対し、請求項5ないし請求
項11記載の直流電圧変動補償回路によって得られた前
記の装置損失補正用信号idcを逆極性に加算し、この
加算結果を以て前記インバータのd軸電流指令値となす
如く回路構成するものとする。
【0025】一般に、その出力電流に対する2軸電流制
御系と,その直流中間電圧に対する定電圧制御系とを有
して制御される3相電圧形インバータにおいて、電流指
令値の急変に伴うその直流中間電圧の脈動は、1)制御
系の応答時間遅れに起因する前記d軸電流指令値の変動
と、2)通流電流に従う装置損失の変動と、の両者に起
因して発生する。
【0026】先ず、前記第1の原因をなすd軸電流指令
値の変動については、前記の各制御系と主回路とにおけ
る応答時間遅れの和に相当する角度をφとして前記図2
4に示す如く、3相電流指令値を2軸直交座標系の2相
電流信号に変換して得た電流指令ベクトルが前記時間遅
れによりその所定位置から前記角度φだけ遅れることに
より、前記の式(1)の如くd軸電流指令値の変動が発
生する。
【0027】従って、前記2軸直交座標系における電流
指令ベクトルに対する角度φの進み補正を行うことによ
り、前記d軸電流指令値の変動を補償し、前記直流中間
電圧の脈動を防止することが可能となる。今、前記2軸
直交座標系上のベクトルOP1 を座標原点Oの周りに角
度φの進み方向に回転させてベクトルOP2 となし、こ
れら両ベクトルの先端位置である点P1 とP2 の座標を
それぞれ(D1,Q1)と(D2,Q2)とし、進み角度φの回
転座標変換行列を〔A(φ)〕とすれば、下記の式
(2)が成り立つ。
【0028】
【数2】
【0029】同様に、前記ベクトルOP1 を角度φの遅
れ方向に回転させベクトルOP3 となせば、その先端位
置である点P3 の座標(D3,Q3)は、下記の式(3)の
如き遅れ角度φの回転座標変換行列〔A(−φ)〕に従
う座標変換により得ることが出来る。
【0030】
【数3】
【0031】ここに、前記両行列〔A(φ)〕と〔A
(−φ)〕とは互いに逆行列の関係にあり両者の積は単
位行列となる。従って、前記ベクトルOP1 を所要のベ
クトルとし、無制御状態においてはこれが角度φの遅れ
をなして前記ベクトルOP3 となり不都合な状態を招く
ものとすれば、前記座標変換行列〔A(φ)〕に従い前
記ベクトルOP1 を事前に角度φ進めて前記のベクトル
OP2 となす進め制御を行うことにより、前記ベクトル
OP1 は角度φの進みと遅れの両状態を経由して、即
ち、前記の両回転座標変換行列が積をなす状態を経由し
て、元の位置を保つことが可能となる。次に、前記第2
の原因をなす装置損失の変動は、電流指令値の急変時
に、装置損失の原因をなす通流電流の変化に対して前記
直流中間電圧制御系の出力が追従しないことに起因して
発生する。
【0032】従って、通流電流に対応する装置損失特性
を予測し、この予測された損失特性に従い任意の通流電
流に対応した補正信号を演算し、この演算された信号を
前記直流中間電圧制御系の出力に対する補正用加算信号
となすことにより、前記装置損失に起因する直流中間電
圧脈動の防止が可能となる。上記に従い、この発明によ
る直流電圧変動補償回路は、電流指令急変時の直流中間
電圧変動の防止を図るために、前記の如き2軸直交座標
系のdとq両軸電流指令値に対する回転座標変換と、予
測した装置損失特性に従う直流中間電圧制御系の出力補
正とをなす如く所要の回路構成を行うものであり、前記
の回転座標変換に関して、 1)請求項1の発明は、前述のd軸電流指令信号の変動
分iLdと、q軸電流指令信号iLqとをその入力と
し、前記の回転座標変換行列〔A(φ)〕に従い前記角
度φの進み回転座標変換したd軸電流指令信号id1 と
q軸電流指令信号iq1 とを出力させ、前記の直流中間
電圧制御系の出力信号iEdとの偏差信号(id1 −i
Ed)を以て前記インバータに対するd軸電流指令信号
id*となし、また、前記iq1 を同じくq軸電流指令
信号iq*となす如く回路構成するものである。
【0033】ここに、前記諸元に関し、下記の式(4)
が成り立つ。
【0034】
【数4】
【0035】2)請求項2の発明は、前記請求項1の発
明において、前記の角度φが小なる場合、前記の式
(4)におけるcosφ項を1と見做し、下記の式
(5)に従う回転座標変換を行うものである。
【0036】
【数5】
【0037】3)請求項3の発明は、前記請求項2の発
明において、前記のd軸信号iLdの値が小なる場合、
前記の式(5)におけるiLd sinφ項を省略し、下記
の式(6)に従う回転座標変換を行うものである。
【0038】
【数6】
【0039】4)請求項4の発明は、前記請求項1の発
明において、前記のd軸信号iLdの値が小なる場合、
前記の式(4)におけるiLd sinφ項を省略し、下記
の式(7)に従う回転座標変換を行うものである。
【0040】
【数7】
【0041】次に、前記の装置損失の補正に関して、 5)請求項5の発明は、前記の両信号iLdとiLqと
をそのdとq両軸成分とする電流指令信号の実効値演算
回路と、この演算回路による電流実効値をパラメータと
して形成された装置損失の特性曲線F(i)に従った入
出力関係を有する関数回路とを設け、演算された電流実
効値に対応する前記特性曲線F(i)上の値として演算
された電流信号idcを以て、所要の装置損失補正用信
号となすものである。
【0042】ここに、前記電流信号idcは下記の式
(8)の如くなる。
【0043】
【数8】
【0044】6)請求項6の発明は、前記請求項5の発
明において、前記d軸信号iLdの値が小であり、前記
装置損失が前記信号iLqに大きく依存すると共にこの
信号iLqの遅れと進みの両極性状態に対しその大きさ
が異なる場合、前記特性曲線F(i)の形成パラメータ
を前記の電流実効値に代えてその遅れと進みの両極性状
態における前記信号iLqとなすものである。
【0045】ここに、前記電流信号idcは下記の式
(9)の如くなる。
【0046】
【数9】
【0047】7)請求項7の発明は、前記請求項5の発
明において、前記特性曲線F(i)と前記電流信号id
cとを、α,a,b,cを定数として下記の式(10)
により規定するものである。
【0048】
【数10】
【0049】8)請求項8の発明は、前記請求項7の発
明において、前記特性曲線F(i)を、その1次項を省
略した下記の式(11)により規定するものである。
【0050】
【数11】
【0051】9)請求項9の発明は、前記請求項7の発
明において、前記特性曲線F(i)を、その2次項を省
略した下記の式(12)により規定するものである。
【0052】
【数12】
【0053】10)請求項10の発明は、請求項7ない
し請求項9の発明において、前記の電流実効値iの2次
或いは1次の多項式で規定された前記特性曲線F(i)
を、それぞれその定数項を省略した下記の式(13)に
より規定するものである。
【0054】
【数13】
【0055】11)請求項11の発明は、請求項5ない
し請求項10の発明において、前記電流信号idc形成
用のパラメータを、3相の電流指令値をなす負荷電流i
Lに代えて、電流実際値である前記SVCの出力電流i
cとするものである。 12)請求項12の発明は、請求項5或いは請求項7な
いし請求項10の発明において、前記の信号iLdに比
して信号iLqが充分に大であれば、これら両信号より
求めた前記の電流実効値に代えて正負両極性状態に変化
する前記の信号iLqの絶対値を用いるものである。
【0056】13)請求項13の発明は、請求項1ない
し請求項4の発明において、所定の回転座標変換演算に
より得られた前記インバータのd軸電流指令値id1 か
ら、請求項5ないし請求項11記載の各演算により得ら
れた前記の電流信号idcを前記の直流中間電圧制御系
の出力信号iEdと共に減算し、この減算結果を以てイ
ンバータd軸電流指令値id*とするものである。
【0057】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図1〜
図21の各図に従い説明する。なお、これら各図と従来
技術の例を示す図22〜図25の各図に関して、同一機
能の構成要素に対しては同一の表示符号を付している。
ここに、図1〜図8の各図は前記の回転座標変換に関連
するものであり、図9〜図18及び図21の各図は前記
の装置損失補正に関連するものであり、図19と図20
の両図は前記の回転座標変換と装置損失補正の両者併用
の場合を示すものである。
【0058】先ず図1は、請求項1に従うこの発明の第
1の実施例を示すものであり、16が前記の如き回転座
標変換機能を有する直流電圧変動補償回路である。ここ
に、前記補償回路16は、前記演算式(4)に従い、前
記のd軸電流指令信号iLdとq軸電流指令信号iLq
とをその入力とし進み角φの回転座標変換を行いd軸電
流指令信号id1 とq軸電流指令信号iq1 とを出力す
るものであり、 sinφ設定部17と、 cosφ設定部18
と、×印表示の乗算器と、加減演算器10b,10dと
から構成されている。
【0059】なお、前記信号id1 と前記の直流中間電
圧制御系の出力信号iEdとの偏差信号(id1 −iE
d)を以て前記インバータに対するd軸電流指令信号i
d*を形成し、前記信号iq1 を同じくq軸電流指令信
号iq*としている。また、前記直流中間電圧制御系に
おける調節器12の時間特性としては、例えば、前記調
節器を比例・積分動作形とした場合のものを用いること
ができる。
【0060】次に図2は、図1に対応し、前記2軸直交
座標系上に変換された電流指令信号のベクトル図であ
り、図2(a)は、無制御状態において、実線で示す所
要ベクトルが、点線で示すベクトルの如く制御系時間遅
れ対応角のφだけ遅れる状態を示すものである。一方、
図2(b)は、前記補償回路16を経由させることによ
り、前記の所要ベクトルを前記角度φだけ事前に進めて
点線で示すベクトルの如く進み状態としたものである。
【0061】即ち、前記電流指令ベクトルを図2(b)
の如く角度φの進め状態となすことにより、前記の式
(1)で与えられる図示の各変動分A,B,A′,B′
が図2の(a)(b)両図間で相殺され、図2(a)の
如き角度φの遅れ状態が補償され、前記電流指令ベクト
ルがその所要の位置を保持することが可能となる。また
図3は、請求項2に従うこの発明の第2の実施例を示す
ものであり、前記の角度φが小でcosφを1と見做し
得る場合を対象とし、前記の式(4)に従う演算に代え
て式(5)に従う演算をなす如く、請求項1における直
流電圧変動補償回路16から cosφ設定部18と cosφ
演算に関連する乗算器とを取り去りこれを直流電圧変動
補償回路19としたものである。
【0062】例えば、発明者が製作した装置において
は、その制御により生ずる時間遅れは約200μs程度
である。この時間遅れを前記制御遅れの等価変換角φに
換算すると約4°となり、 sinφ≒0.070 , cosφ≒0.
998 となる。従って、 cosφ項を1と見做すことがで
き、前記の座標変換演算を式(5)に従って行うことが
できる。
【0063】なお、図3及び同様の信号関係を示す以下
の図5と図7において、図示はしていないが前記信号i
d1 とiq1 両者の図上の位置関係は図1の場合と同一
である。次に図4は、図3に対応し、前記2軸直交座標
系上に変換された電流指令信号のベクトル図であり、前
記図2の(a)(b)両図と同様の内容を示すものであ
るが、前記の如くcosφが略1のため、前記の式
(1)で規定された各変動分中のA′とB′とが何れも
零と見做し得るものとなる。
【0064】また図5は、請求項3に従うこの発明の第
3の実施例を示すものであり、前記d軸信号iLdが小
でiLd sinφ項の省略が可能と見做し得る場合を対象
とし、前記の式(5)に従う演算に代えて式(6)に従
う演算をなす如く、請求項2における直流電圧変動補償
回路19からiLd sinφの演算ルートを取り去りこれ
を直流電圧変動補償回路20としたものである。
【0065】例えば、発明者が製作した装置において
は、本装置のとる有効電流成分である前記d軸信号iL
dは約2ないし3%程度であり、これに対し無効電流成
分である前記q軸信号iLqは100%の値をとる。従
って、前記のd軸信号iLdとsinφとの積の項の省略
が可能と見做すことができ、前記の式(5)に代えて式
(6)に従い前記の座標変換演算を行うことができる。
【0066】次に図6は、図5に対応し、前記2軸直交
座標系上に変換された電流指令信号のベクトル図であ
り、前記図2の(a)(b)両図と同様の内容を示すも
のであるが、前記の角度φとd軸信号iLdが共に小で
あるため、cosφは略1、且つiLd sinφは略零と
なり、従って、前記の式(1)で規定された各変動分中
のAとA′とB′とが何れも零と見做し得るものとな
る。
【0067】また図7は、請求項4に従うこの発明の第
4の実施例を示すものであり、前記d軸信号iLdが小
でiLd sinφ項の省略が可能と見做し得る場合を対象
とし、前記の式(4)に従う演算に代えて式(7)に従
う演算をなす如く、請求項1における直流電圧変動補償
回路16からiLd sinφの演算ルートを取り去りこれ
を直流電圧変動補償回路21としたものである。
【0068】次に図8は、図7に対応し、前記2軸直交
座標系上に変換された電流指令信号のベクトル図であ
り、前記図2の(a)(b)両図と同様の内容を示すも
のであるが、前記d軸信号iLdが小であるためiLd
sinφも略零となり、従って、前記の式(1)で規定さ
れた各変動分中のAも略零と見做し得るものとなる。ま
た図9は、請求項5に従うこの発明の第5の実施例を示
すものであり、24が前記の如き装置損失補正機能を有
する直流電圧変動補償回路である。
【0069】ここに、前記補償回路24は、前記の式
(8)に従って前記の装置損失補正用信号idcを形成
する如く、前記信号iLdとiLq両者それぞれの2乗
信号の和を形成する×印表示の乗算器と加減演算器と,
短周期変動分除去用のフィルタ25と,開平演算器22
とから成る前記電流信号の実効値演算回路と、演算され
た電流実効値をパラメータとする装置損失特性曲線F
(i)に従った演算を行う関数回路23とで構成され、
装置運転状態に応じて演算された任意の電流実効値に対
応した前記の装置損失補正用信号idcを出力するもの
である。
【0070】ここに、前記補正用信号idcは、電流指
令急変に伴う装置出力電流の急変を受けて発生する装置
損失の変動分を系統から補給させるに要する電流信号で
あり、前記の直流中間電圧の変動因をなす装置損失の変
動補償用として前記d軸電流信号iLdに逆極性に加算
されるものとなる。次に図10は、前記の如き電流指令
急変時の前記SVCにおける無効電力Qの変動に対応す
る装置損失Pの模様を示す装置損失特性図であり、P−
Q特性曲線L1 は、前記装置損失Pに対する補償が、そ
の出力信号を前記信号iEdとなす前記の直流中間電圧
制御系のみにより行われる場合に対応するものである。
【0071】ここで、直流電圧変動補償回路24は、特
性曲線L1 で示す装置損失Pの変動状態に対し特性曲線
L2 の如き補正をなすものであり、その結果、前記直流
中間電圧制御系の分担すべき補正分は特性曲線L3 の如
く軽減され、これに伴い前記直流中間電圧の変動も軽減
されることになる。なお、請求項5に従うこの発明は、
前記特性曲線L1 が無効電力Qの進みと遅れの両方向変
化に対して略対称に変化するものと見做せる場合を対象
とするものである。
【0072】また図11は、請求項6に従うこの発明の
第6の実施例を示すものであって、28が前記の如き装
置損失補正機能を有する直流電圧変動補償回路である。
ここに、前記補償回路28は、前記d軸信号iLdの値
が小であり、前記装置損失が、前記q軸信号iLqに大
きく依存すると共にこの信号iLqの遅れと進みの両極
性状態に対しその大きさが異なる場合を対象とするもの
であり、前記の式(8)に従う演算に代えて式(9)に
従う演算をなす如く、請求項5における直流電圧変動補
償回路24から前記の電流信号実効値演算回路を取り去
り、前記の信号iLqをパラメータとする装置損失特性
曲線F(i)に従った演算を行う関数回路27とフィル
タ25とを以て回路構成され、装置運転状態に応じて演
算された任意のq軸信号iLqに対応した前記の装置損
失補正用信号idcを出力するものである。
【0073】次に図12は、前記の図10と同様の内容
を示す前記SVCに関する装置損失特性図であり、P−
Q特性曲線L1 が無効電力Qの進みと遅れの両方向変化
に対し非対称性の強い場合を示し、前記補償回路28に
よる特性曲線L2 の如き補正制御を行うことにより、前
記直流中間電圧制御系の分担すべき補正分は特性曲線L
3 の如く軽減され、これに伴い前記直流中間電圧も極め
て良好に平滑化されることになる。
【0074】また図13は、請求項7に従うこの発明の
第7の実施例を示すものであって、30が前記の如き装
置損失補正機能を有する直流電圧変動補償回路である。
ここに、前記補償回路30は、前記の式(8)に従う請
求項5の発明における装置損失特性曲線F(i)を前記
の式(10)に従い前記電流実効値の2次多項式をなす
2次関数として特定するものであり、この式(10)に
従う演算を行う如く回路構成したものである。
【0075】即ち、前記図9に示す直流電圧変動補償回
路24の開平演算器22と関数回路23とに代えて、前
記の式(10)に従う装置損失特性曲線F(i)の2次
関数を演算する関数演算回路29を設けるものである。
図示の如く前記演算回路29は、開平演算器と、a,
b,cの各定数設定器と、加減演算器とから構成され、
前記電流実効値の2乗信号を入力とし前記の装置損失補
正用信号idcを出力するものである。
【0076】次に図14は、前記の図10と同様の内容
を示す前記SVCに関する装置損失特性図であり、前記
補償回路30により前記の式(10)に従う装置損失補
正が行われる結果、その補正動作は特性曲線L2 の如く
P軸非対称の2次関数的なものとなる。また図15は、
請求項8に従うこの発明の第8の実施例を示すものであ
って、32が前記の如き装置損失補正機能を有する直流
電圧変動補償回路である。
【0077】ここに、前記補償回路32は、前記の式
(10)に従う請求項7の発明における装置損失特性曲
線F(i)に関してその1次の項を省略した式(11)
に従う演算を行う如く回路構成したものである。即ち、
前記図13に示す直流電圧変動補償回路30の関数演算
回路29より、開平演算器と、b定数設定器とを取り去
った回路構成をなすものである。
【0078】次に図16は、前記の図10と同様の内容
を示す前記SVCに関する装置損失特性図であり、前記
補償回路32により前記の式(11)に従う装置損失補
正が行われる結果、その補正動作は特性曲線L2 の如く
P軸対称の2次関数的なものとなる。また図17は、請
求項9に従うこの発明の第9の実施例を示すものであっ
て、34が前記の如き装置損失補正機能を有する直流電
圧変動補償回路である。
【0079】ここに、前記補償回路34は、前記の式
(10)に従う請求項7の発明における装置損失特性曲
線F(i)に関してその2次の項を省略した式(12)
に従う演算を行う如く回路構成したものである。即ち、
前記図13に示す直流電圧変動補償回路30の関数演算
回路29より、a定数設定器を取り去った回路構成をな
すものである。
【0080】次に図18は、前記の図10と同様の内容
を示す前記SVCに関する装置損失特性図であり、前記
補償回路34により前記の式(12)に従う装置損失補
正が行われる結果、その補正動作は特性曲線L2 の如く
P軸対称の1次関数的なものとなる。また図19は、請
求項10に従うこの発明の第10の実施例を示すもので
あり図(a)の38と、図(b)の39と、図(c)の
40とがそれぞれ前記の如き装置損失補正機能を有する
直流電圧変動補償回路である。
【0081】ここに、前記各補償回路は、前記の式(1
0)ないし式(12)に従う請求項7ないし請求項9の
発明における装置損失特性曲線F(i)に関して、それ
ぞれその定数項cを省略した式(13)に従う演算を行
う如く回路構成したものである。即ち、前記各補償回路
に関し、図(a)の38は図13の関数演算回路29よ
りc定数設定器を取り去りこれを関数演算回路35とし
たものであり、図(b)の39は図15の関数演算回路
31よりc定数設定器を取り去りこれを関数演算回路3
6としたものであり、図(c)の40は図17の関数演
算回路33よりc定数設定器を取り去りこれを関数演算
37としたものである。
【0082】次に図20は、前記の図10と同様の内容
を示す前記SVCに関する装置損失特性図であり、図1
9に示す各直流電圧変動補償回路38,39,40に対
応する装置損失の補正模様を同図の(a),(b),
(c)各図の特性曲線L2 の如く示すものである。これ
ら各図に示す如く、前記各特性曲線F(i)の定数項c
が省略された結果、前記各特性曲線L2 はそれぞれP−
Q座標の原点を通過するものとなる。
【0083】また図21は、請求項11に従うこの発明
の第11の実施例を示すものであり、前記の請求項5な
いし請求項10の発明における前記電流信号idc形成
用のパラメータを、3相の電流指令値をなす負荷電流i
Lに代えて、電流実際値である前記SVCの出力電流i
cとなす如く回路構成するものである。即ち、請求項5
〜請求項10に対応する各回路の2軸入力信号であるi
LdとiLqとが前記電流icに対応するiCdとiC
qとに変更されたものであり、これに関連して、前記図
22に示す3相負荷電流の検出値iLを入力とする2軸
電流演算回路8に代えて,前記SVCの3相出力電流の
検出値icを入力とし,そのd軸成分についてはその変
動分のみを出力するが如きフィルタ機能を有する2軸電
流演算回路42を設けたものとなる。
【0084】また、前記演算回路42の出力するdとq
両軸電流成分それぞれの2乗値の和を入力とする関数演
算回路41は、前記の請求項5ないし請求項10の発明
における何れの関数演算回路とも置換出来るものであ
る。なお、請求項12の発明の実施例は、ここに示すも
のではないが、前記のd軸電流指令信号iLdが小さく
前記のq軸電流指令信号iLqが支配的である場合に、
その回路構成を請求項5の発明の回路図である図9との
対比でみれば、フィルタ25の入力を、前記の信号iL
dとiLq両者をそれぞれdとq両軸成分とする電流信
号の実効値に代えて、その正負両極性状態に変化する前
記信号iLqの絶対値となす如く回路構成するものであ
る。
【0085】また、請求項13の発明の実施例も、ここ
に示すものではないが、前記の回転座標変換に関する請
求項1〜請求項4の発明と、前記の装置損失の補正に関
する請求項5〜請求項11の発明とは、その性格上それ
ぞれ別個のものであって、例えば図1に示す回転座標変
換回路と図9に示す装置損失の補正回路とをそれぞれの
出力信号において合成する如く回路構成することによ
り、前記両方式の回路の併用が出来る。
【0086】
【発明の効果】この発明によれば、2軸電流制御系とそ
の直流中間電圧に対する定電圧制御系とを有し,系統と
の連係運転時に自励式SVCとして機能させる3相電圧
形インバータを対象とし、その電流指令値の急変に起因
する直流中間電圧の脈動防止を図る直流電圧変動補償回
路に関し、 1)請求項1の発明による如く、3相をなす前記電流指
令値を2軸直交座標系に分解して得たdとq両軸の電流
信号に対して、前記の電流制御系に対する電圧制御系の
応答時間遅れに対応する角度φの進みの回転座標変換を
行い、得られたd軸電流信号による前記電圧制御系の出
力制御信号に対する補正合成信号を以て前記インバータ
に対する新たなd軸電流指令信号となすことにより、前
記の制御系応答遅れに起因する前記電流指令値急変時の
d軸電流指令値の変動が抑制され、これにより、d軸電
流指令値の変動に起因する前記直流中間電圧の変動もま
た抑制され、インバータ装置としての動作の安定性が向
上する。また、 2)請求項2ないし請求項4の発明による如く、請求項
1の発明における前記dとq両軸の電流信号に対する角
度φの進みの回転座標変換に関し、前記制御系の応答時
間遅れ状態に対応した前記角度φと前記d軸電流信号そ
れぞれの大きさに対応し、前記回転座標変換をなす回転
座標変換行列の要素省略或いは簡略化を行うことによ
り、前記回転座標変換行列に対応する回路構成の簡易化
を図ることが出来る。また、 3)請求項5の発明による如く、前記3相電流指令値を
2軸直交座標系に変換して得た2軸電流の実効値をパラ
メータとして推定された装置損失の特性曲線に従った入
出力関係を有する関数回路を設け、演算された任意の電
流指令信号実効値に対応する前記特性曲線上の値として
前記関数回路より出力される電流信号を、前記インバー
タに対する電流指令をなすd軸電流信号に対する減算補
正信号となすことにより、前記の電流指令値急変に伴う
通流電流の変動による装置損失の変動分の前記電流指令
値に対する補正がなされることになり、装置損失の変動
に起因する前記直流中間電圧の変動が抑制されることに
なる。また、 4)請求項6ないし請求項10の発明による如く、請求
項5の発明における装置損失特性曲線に関し、前記のd
軸電流信号が小でq軸電流信号が支配的な場合には、請
求項6における如く、前記特性曲線の形成パラメータを
前記電流実効値に代えて前記のq軸電流信号となすこと
により、また、請求項7の発明における如く、前記装置
損失特性曲線を前記電流実効値の2次関数の多項式とし
て規定することにより、また、請求項8〜請求項10の
発明における如く、前記装置損失特性曲線の2次関数の
多項式における各項定数を、装置運転条件或いは回路状
態等に応じ零を含めた値として適宜調整することによ
り、前記装置損失の運転状態に応じた適当な補正が行わ
れて前記直流中間電圧の変動が抑制されることになる。
また、 5)請求項11ないし請求項12の発明による如く、請
求項5の発明における装置損失特性曲線に関し、その形
成パラメータを、前記の電流指令値の実効値に代えて、
インバータ出力電流の実効値となすか、或いはq軸電流
信号の絶対値となすことにより、所要回路構成の簡易化
を図りながら、前記直流中間電圧の変動が抑制されるこ
とになる。また、 6)請求項13の発明による如く、前記の如き回転座標
変換を行う請求項1〜請求項4における発明と、前記の
如き装置損失補正を行う請求項5〜請求項12における
発明とをその適当な組合せにおいて併用することによ
り、前記直流中間電圧の変動が一層正確に抑制されるこ
とになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す直流電圧変動補
償回路の回路図
【図2】図1に対応した2軸直交座標系の電流指令信号
のベクトル図
【図3】この発明の第2の実施例を示す直流電圧変動補
償回路の回路図
【図4】図3に対応した2軸直交座標系の電流指令信号
のベクトル図
【図5】この発明の第3の実施例を示す直流電圧変動補
償回路の回路図
【図6】図5に対応した2軸直交座標系の電流指令信号
のベクトル図
【図7】この発明の第4の実施例を示す直流電圧変動補
償回路の回路図
【図8】図7に対応した2軸直交座標系の電流指令信号
のベクトル図
【図9】この発明の第5の実施例を示す直流電圧変動補
償回路の回路図
【図10】図9に対応したSVC装置損失特性図
【図11】この発明の第6の実施例を示す直流電圧変動
補償回路の回路図
【図12】図11に対応したSVC装置損失特性図
【図13】この発明の第7の実施例を示す直流電圧変動
補償回路の回路図
【図14】図13に対応したSVC装置損失特性図
【図15】この発明の第8の実施例を示す直流電圧変動
補償回路の回路図
【図16】図15に対応したSVC装置損失特性図
【図17】この発明の第9の実施例を示す直流電圧変動
補償回路の回路図
【図18】図17に対応したSVC装置損失特性図
【図19】この発明の第10の実施例を示す直流電圧変
動補償回路の回路図
【図20】図19に対応したSVC装置損失特性図
【図21】この発明の第11の実施例を示す直流電圧変
動補償回路の回路図
【図22】従来技術の例を示すSVCとして機能するイ
ンバータの制御回路図
【図23】図22に対応したSVC系統の主回路図
【図24】図22に対応した2軸直交座標系の電流指令
信号のベクトル図
【図25】図22に対応した電流指令急変時の直流中間
電圧の対時間変動図
【符号の説明】
1 負荷 2 変圧器 3 自励式SVCとして機能させる電圧形インバータ 4 制御装置 5 電圧検出器 6 CT(計器用変流器)(6a,6b) 7 PT(計器用変圧器) 8 2軸電流演算回路 9 フィルタ 10 加減演算器(10a〜10f) 11 電圧設定器 12 (PI)調節器 13 電流制御回路 14 PWMパルス発生回路 16 直流電圧変動補償回路 17 sin φ設定器 18 cos φ設定器 19〜21 直流電圧変動補償回路 22 開平演算器 23 関数回路 24 直流電圧変動補償回路 25 フィルタ 27 関数回路 28 直流電圧変動補償回路 29 関数演算回路 30 直流電圧変動補償回路 31 関数演算回路 32 直流電圧変動補償回路 33 関数演算回路 34 直流電圧変動補償回路 35〜37 関数演算回路 38〜40 直流電圧変動補償回路 41 関数演算回路 42 2軸電流演算回路 43 直流電圧変動補償回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−319228(JP,A) 特開 平6−245536(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3相電流成分をdとq両軸から成る2軸直
    交座標系の2相電流成分に変換して制御する2軸電流制
    御系と,その直流中間電圧の定電圧制御系とを有して制
    御される3相電圧形インバータに関し、その3相電流指
    令値の急変に起因する前記直流中間電圧の脈動防止を図
    る電圧変動補償回路であって、前記3相電流指令値を前
    記直交座標系のdとq両軸上の電流指令値に変換する2
    軸電流演算回路と、前記直流中間電圧とその設定値との
    偏差信号を受けこれを所定時間特性の制御信号に変換す
    る調節器から成る直流中間電圧一定制御回路とを有する
    制御装置に設けられる直流電圧変動補償回路において、
    前記の各制御系と主回路とにおける信号伝達遅れに起因
    する制御遅れの等価変換角をφとし、前記2軸電流演算
    回路のd軸出力信号iLd0の変動分iLdおよびq軸
    出力信号iLqをそれぞれd軸成分およびq軸成分とな
    す電流ベクトルを座標系の原点周りに前記角度φだけ進
    み方向に回転させて形成した新たな電流ベクトルのd軸
    成分id1およびq軸成分iq1を所定の回転座標変換行
    列に従って演算し、このd軸成分id1 と前記直流中間
    電圧一定制御回路の出力信号iEdとの偏差信号および
    前記q軸成分iq1 をそれぞれ前記インバータに対する
    d軸電流指令信号id*およびq軸電流指令信号iq*
    となす如く回路構成されたことを特徴とする直流電圧変
    動補償回路。
  2. 【請求項2】請求項1記載の直流電圧変動補償回路にお
    いて、前記角度φが小なる場合、前記座標変換行列に従
    う演算におけるcosφ項を1と見做し所定の座標変換
    演算を行うことを特徴とする直流電圧変動補償回路。
  3. 【請求項3】請求項2記載の直流電圧変動補償回路にお
    いて、前記d軸信号iLdの値が小なる場合、前記座標
    変換行列に従う演算におけるiLd sinφ項を省略し所
    定の座標変換演算を行うことを特徴とする直流電圧変動
    補償回路。
  4. 【請求項4】請求項1記載の直流電圧変動補償回路にお
    いて、前記d軸信号iLdの値が小なる場合、前記座標
    変換行列に従う演算におけるiLd sinφ項を省略し所
    定の座標変換演算を行うことを特徴とする直流電圧変動
    補償回路。
  5. 【請求項5】3相電流成分をdとq両軸から成る2軸直
    交座標系の2相電流成分に変換して制御する2軸電流制
    御系と,その直流中間電圧の定電圧制御系とを有して制
    御される3相電圧形インバータに関し、その3相電流指
    令値の急変に起因する前記直流中間電圧の脈動防止を図
    る電圧変動補償回路であって、前記3相電流指令値を前
    記直交座標系のdとq両軸上の電流指令値に変換する2
    軸電流演算回路と、前記直流中間電圧とその設定値との
    偏差信号を受けこれを所定時間特性の制御信号に変換す
    る調節器から成る直流中間電圧一定制御回路とを有する
    制御装置に設けられる直流電圧変動補償回路において、
    前記2軸電流演算回路のd軸出力信号iLd0の変動分
    iLdおよびq軸出力信号iLqをそれぞれd軸成分お
    よびq軸成分となす電流指令信号の実効値を演算する実
    効値演算回路と、この演算回路による電流指令信号の実
    効値をパラメータとして形成された装置損失の特性曲線
    F(i)に従う入出力関係を有する関数回路とを備え、
    演算された任意の電流指令信号の実効値に対応する前記
    特性曲線F(i)上の値として前記の関数回路より出力
    される電流信号idcを装置損失補正用信号として前記
    信号iLdに対し逆極性に加算して得られた信号と前記
    直流中間電圧一定制御回路の出力信号iEdとの偏差信
    号および前記q軸成分iLqをそれぞれ前記インバータ
    に対するd軸電流指令信号id*およびq軸電流指令信
    号iq*となす如く回路構成されたことを特徴とする直
    流電圧変動補償回路。
  6. 【請求項6】請求項5記載の直流電圧変動補償回路にお
    いて、前記d軸信号iLdの値が小であり、前記装置損
    失が前記q軸信号iLqに大きく依存すると共にこの信
    号iLqの遅れと進みの両極性状態に対してその大きさ
    が異なる場合、前記特性曲線F(i)に関し、その形成
    パラメータを前記電流指令信号の実効値に代えてその遅
    れと進みの両極性状態における前記信号iLqとなし、
    且つ、前記補正用信号idcを前記特性曲線F(i)上
    の前記信号iLqに対応する値として演算することを特
    徴とする直流電圧変動補償回路。
  7. 【請求項7】請求項5記載の直流電圧変動補償回路にお
    いて、前記特性曲線F(i)を前記電流指令信号の実効
    値の2次多項式をなす2次関数として規定することを特
    徴とする直流電圧変動補償回路。
  8. 【請求項8】請求項7記載の直流電圧変動補償回路にお
    いて、前記特性曲線F(i)を前記2次多項式における
    1次項を省略した2次関数として規定することを特徴と
    する直流電圧変動補償回路。
  9. 【請求項9】請求項7記載の直流電圧変動補償回路にお
    いて、前記特性曲線F(i)を前記2次多項式における
    2次項を省略した1次関数として規定することを特徴と
    する直流電圧変動補償回路。
  10. 【請求項10】請求項7ないし請求項9記載の直流電圧
    変動補償回路において、前記電流指令信号の実効値の2
    次或いは1次多項式にて規定された前記特性曲線F
    (i)に関し、それぞれその定数項を省略したことを特
    徴とする直流電圧変動補償回路。
  11. 【請求項11】請求項5ないし請求項10記載の直流電
    圧変動補償回路において、前記補正用信号idcの形成
    用パラメータを、前記の電流指令値に代えて電流実際値
    とすることを特徴とする直流電圧変動補償回路。
  12. 【請求項12】請求項5、或いは請求項7ないし請求項
    10記載の直流電圧変動補償回路において、前記のd軸
    信号iLdに比してq軸信号iLqが充分に大であれ
    ば、これら両信号より求めた前記電流指令信号の実効値
    に代えて正負両極性状態に変化する前記信号iLqの絶
    対値を用いることを特徴とする直流電圧変動補償回路。
  13. 【請求項13】請求項1ないし請求項4記載の直流電圧
    変動補償回路において、前記の回転座標変換演算により
    得られたインバータd軸電流指令信号id1に対し、請
    求項5ないし請求項11記載の直流電圧変動補償回路に
    より得られた前記の装置損失補正用信号idcを逆極性
    に加算し、この加算結果を以て新たなインバータd軸電
    流指令値となす如く回路構成されたことを特徴とする直
    流電圧変動補償回路。
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