JP6078416B2 - パワーコンディショナ - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統に連系可能な交流電力を出力するインバータ回路を備えたパワーコンディショナに関する。
従来、パワーコンディショナが出力する交流電力が所望の力率となるように、三相インバータのパルス幅変調信号を調整するものがある(特許文献1)。この特許文献1に記載の力率調整において所望の力率は1であり、力率=1に維持するために位相補正を実行する。これは、無駄な電力消費を低減するのに無効電力をゼロにするためである。
一方、系統連系のパワーコンディショナでは系統電圧の上昇の抑制機能が要求され、それに応えるために、電流の位相を進める進相角制御で無効電力を増加させる方法がある。特に、太陽光発電では大規模設備が増加し、このような設備で使用されるパワーコンディショナでは、系統電圧の上昇の抑制機能が重要である。したがって、進相角制御用の無効電力を増加するために、パワーコンディショナ製品の仕様における力率を小さくするものも存在する。
ここで、パワーコンディショナ製品の仕様には、例えば、「力率0.95以上(定格出力時)」というように、定格出力時における力率下限値つまり保証される力率が記載される。
特開2013−38844号公報
しかし、この「力率0.95以上(定格出力時)」のパワーコンディショナ製品では、例えば無効電力を小さくするために力率が0.98を下回らないことを管理者が望んでも、それは保証されない。その一方、系統電圧の上昇の抑制機能のために、力率=0.80の設定を管理者が望んでも、それには対応できない。
そこで、本発明は、従来の製品仕様としての力率が任意に設定可能であるパワーコンディショナを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一構成にかかるパワーコンディショナは、電力系統に連系可能な交流電力を出力するパワーコンディショナであって、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路を制御するインバータ制御回路であって、前記直流電力の直流電圧から有効電流指令値を演算する有効電流指令値演算手段、前記有効電流指令値演算手段によって演算された前記有効電流指令値と、進相角指令値とから、無効電流指令値を演算する無効電流指令値演算手段、ならびに、前記有効電流指令値および前記無効電流指令値にそれぞれ基づいた制御用指令値から、前記インバータ回路を制御する信号を生成する制御信号生成手段を有するインバータ制御回路と、力率入力値が入力される入力手段とを備え、前記進相角指令値は、前記力率入力値が所定力率値未満の場合には、当該パワーコンディショナの定格出力時の力率が、前記力率入力値を下回らずにほぼ一致するような値である。
この構成によれば、入力手段から力率入力値を入力できるため、パワーコンディショナが連系される電力系統などに応じた適切な力率を管理者が設定できる。また、インバータ制御回路で用いる進相角指令値は、力率入力値が所定力率値未満の場合には、パワーコンディショナの定格出力時の力率が、前記力率入力値を下回らずにほぼ一致するような値であるため、力率入力値が所定力率値未満ならば、当該パワーコンディショナでこの力率入力値以上の力率が維持される。
好ましい実施形態においては、前記所定力率値は、当該パワーコンディショナの最大出力力率であり、前記進相角指令値は、前記力率入力値が前記所定力率値以上の場合には、当該パワーコンディショナの定格出力時の力率が、前記力率入力値が前記所定力率値に一致するような値である。すなわち、力率入力値が、1または1よりも僅かに小さい値のように、パワーコンディショナの性能上限である最大出力力率を超えている場合には、そのパワーコンディショナの定格出力時の力率がその最大出力力率となる。
好ましい実施形態においては、力率入力値と進相角指令値との対応関係を記憶する対応関係記憶部を備え、前記無効電流指令値演算手段が用いる前記進相角指令値は、前記対応関係記憶部に記憶された対応関係に基づいて、前記入力手段から入力された前記力率入力値に対応した進相角指令値に設定される。これによれば、対応関係記憶部が力率入力値と進相角指令値との対応関係を記憶するため、複雑な演算処理などが不要である。すなわち、当該パワーコンディショナの定格出力時の力率は、力率入力値が所定力率値未満の場合における、その力率入力値を下回らずにほぼ一致するような値であるための進相角指令値は、記憶された対応関係から容易に得られる。なお、ここで「進相角指令値」は、好ましくは、調整前の値である。すなわち、パワーコンディショナではインバータ回路などで遅相するため、対応関係記憶部から取得された進相角指令値と合わせて、この遅相分が調整される。
好ましい実施形態においては、前記無効電流指令値は、前記有効電流指令値に前記進相角指令値の正接を乗算して得られる。これによれば、パワーコンディショナの出力電力が定格出力よりも小さくなると、有効電流指令値も小さくなるため、この有効電流指令値に進相角指令値の正接を乗算して得られた無効電流指令値も小さくなる。そのため、パワーコンディショナの力率は大きくなる。したがって、たとえ、パワーコンディショナの出力電力が定格出力よりも小さくなって、進相制御がない場合つまり力率入力値が1の場合の出力電力が低下してその力率が低下したとしても、その力率は力率入力値を下回らない。これより、例えば、パワーコンディショナの出力電力が定格出力の所定割合(例えば12.5%)から定格出力までの範囲において、その力率は力率入力値を下回らないことが保証される。
さらに好ましい実施形態においては、前記インバータ回路は3相インバータ回路であり、前記制御用指令値は、有効電圧指令値および無効電圧指令値からなり、さらに、当該パワーコンディショナから出力される前記交流電力の相電圧を検出する相電圧検出手段と、当該パワーコンディショナから出力される前記交流電力の相電流を検出する相電流検出手段とを備え、前記インバータ制御回路は、さらに、前記有効電流指令値から前記有効電圧指令値を演算する有効電圧指令値演算手段、および、前記無効電流指令値から前記無効電圧指令値を演算する無効電圧指令値演算手段を有し、前記有効電圧指令値演算手段および前記無効電圧指令値演算手段は、前記有効電流指令値および前記無効電流指令値を、それぞれ、前記相電流検出手段が検出した相電流で補償し電圧値に変換後に前記交流電圧検出手段が検出した電圧で補償して、前記有効電圧指令値および前記無効電圧指令値をそれぞれ演算し、前記制御信号生成手段は、前記有効電圧指令値演算手段および前記無効電圧指令値演算手段によってそれぞれ演算された前記有効電圧指令値および前記無効電圧指令値から演算されたデューティ比に基づいて、前記インバータ回路を制御するPWM信号を生成する。
これによれば、インバータ回路を制御するPWM信号が、力率入力値に対応した進相角指令値を用いて生成されるので、パワーコンディショナの出力電力の力率を進相角指令値に基づいて調整できる。
本発明にかかるパワーコンディショナによれば、従来の製品仕様としての力率が任意に設定可能である。
本発明の一実施形態にかかるパワーコンディショナを含むシステムの概略ブロック図である。 図1のパワーコンディショナのインバータ制御回路の概略ブロック図である。 図1のパワーコンディショナの対応関係記憶部の対応関係の図である。 (a)〜(d)は図1のパワーコンディショナにおける出力に対する測定力率の例を示すグラフ図であって、それぞれ、力率入力値が1.00,0.98.0.95および0.92の場合の図である。
以下、本発明の一実施形態にかかるパワーコンディショナを図面に基づいて説明する。
図1に示す本実施形態にかかるパワーコンディショナ1は、直流電源2に接続されて、この直流電源2が出力する直流電力を交流電力に変換して、その交流電力を交流電力系統3へ連系する。直流電源2は、例えば太陽電池や燃料電池である。
パワーコンディショナ1は、力率入力手段11、直流電圧検出手段12、インバータ回路13、フィルタ回路14、線間電圧検出手段15、相電流検出手段16、インバータ制御回路17および対応関係記憶部18を備える。
力率入力手段11は、ダイヤルやボタンなどからなり、力率入力値λinputの管理者による入力を受け付ける。管理者は、パワーコンディショナ1の設置および管理に責任を有する者である。力率入力値λinputは、例えば小数点以下2桁の入力が可能で、力率0.95のような値が、管理者によってダイヤルまたはボタンで入力される。
本実施形態にかかるパワーコンディショナ1は、その仕様としての力率が可変であり、この力率入力手段11から入力された力率入力値λinputが最大出力力率値未満の場合には、その力率入力値λinput以上の力率が定格出力の所定割合(例えば12.5%)から定格出力までの範囲において維持される。特に、本パワーコンディショナ1は、定格出力時における力率が、この力率入力値λinputにほぼ一致し、かつこの力率入力値λinput以上の値となるように制御を行う。
例として、力率入力値λinput=0.90であれば、パワーコンディショナの性能は「力率0.90以上(定格出力の12.5%〜定格出力時)」となり、力率入力値λinput=0.95であれば、パワーコンディショナの性能は「力率0.95以上(定格出力の12.5%〜定格出力時)」となる。ただし、力率入力値λinput=1の場合には、パワーコンディショナの出力電力の力率は、1よりも小さいが1に極めて近い値である、当該パワーコンディショナの最大出力力率またはそれよりも僅かに小さい値となる。すなわち、力率入力値λinputがこの最大出力力率以上の場合には、パワーコンディショナの定格出力時における力率は、この最大出力力率にほぼ一致する。
力率入力手段11から何ら入力がない場合には、力率入力値λinput=1とみなされる。力率入力手段11からの入力はまた、パワーコンディショナ1が起動している間であればいつでも受け付ける。
直流電圧検出手段12は、インバータ回路13に入力される直流電圧Vdcを検出する。この入力直流電圧Vdcは、直流電源2からの直流出力の直流電圧またはこの直流電圧を図示しない昇圧回路で昇圧した直流電圧である。インバータ回路13は入力直流電圧Vdcを交流電圧に変換する。本実施形態におけるインバータ回路13は3相インバータ回路であり、3組のペアからなる合計6個またはそれ以上の数のスイッチング素子(図示せず)を備え、これら素子が後述するPWM信号によって制御される。フィルタ回路14は、リアクトル(図示せず)とコンデンサ(図示せず)とからなり、インバータ回路13と組み合わされて3相交流電圧を出力する。
線間電圧検出手段15は、フィルタ回路14から出力される交流電力の線間電圧を検出し、この線間電圧がインバータ制御回路17に入力される。これら線間電圧から3相それぞれの相電圧Vu,Vv,Vwを算出することが可能となる。相電流検出手段16は、フィルタ回路14内で3相それぞれの相電流Iu,Iv,Iwのうち2相の相電流を検出し、これら2相の相電流がインバータ制御回路17に入力される。これら2相の相電流から、3相それぞれの相電流Iu,Iv,Iwの算出が可能となる。なお、相電流検出手段16は、2相の相電流ではなく、3相の相電流を検出するものであってもよい。
インバータ制御回路17は例えばマイクロコンピュータにおいて構成される。インバータ制御回路17は、図2に示すように、進相角調整部17a、第1の加減算器17b、有効電流指令値演算部17c、無効電流指令値演算部17d、相電圧算出部17e、第1の座標変換部17f、相電流算出部17g、第2の座標変換部17h、第2の加減算器17i、第3の加減算器17j、有効電圧指令値演算部17k、第4の加減算器17l、無効電圧指令値演算部17m、第5の加減算器17n、逆座標変換部17o、デューティ比算出部17pおよびPWM信号生成手段17qを備える。
進相角調整部17aは、メモリに記憶した進相角調整値θadjで、入力進相角θinput(調整前の進相角指令値)に合わせて、進相角指令値θ*を算出する。これは、図1のインバータ回路13およびフィルタ回路14によって生じる遅相を調整して、外部からの進相制御がない場合、つまり力率入力手段11からの入力がない場合におけるパワーコンディショナ1の出力電力の力率を、1に近づけてパワーコンディショナ1の最大出力力率となるようにするためである。
進相角調整値θadjは、本パワーコンディショナ1の起動後で力率入力手段11からの入力が未だない時点において自動的に取得される。例えば、図示しない位相差検出手段によってフィルタ回路14から出力される交流電圧と交流電流の位相差を検出し、その位相差を進相角調整値θadjとしてもよい。この位相差は、例えば、U,V,Wの3相のうちのいずれか一相の交流電圧と交流電流のゼロクロス点の差から求められてもよい。
図2の第1の加減算器17bは、直流電圧検出手段12(図1)が検出した直流電圧Vdcから直流電圧制御基準値Vdc_refを減算する。有効電流指令値演算部17cは、例えばPI制御器からなり、直流電圧Vdcと基準電圧Vdc_refの差分からから有効電流指令値Iq*を算出する。無効電流指令値演算部17dは、乗算器からなり、有効電流指令値Iq*に進相角指令値θ*の正接tanθ*を乗じて無効電流指令値Id*を算出する。このように、進相角指令値θ*は、パワーコンディショナ1(図1)の出力電力における無効電力成分を制御するための指令値である。
相電圧算出部17eは、線間電圧検出手段15(図1)が検出した線間電圧から相電圧Vu,Vv,Vwを算出する。第1の座標変換部17fは、相電圧算出部17eが算出した相電圧Vu,Vv,Vwを、dq回転座標軸上の有効電圧補償値Vqおよび無効電圧補償値Vdに変換する。相電流算出部17gは、相電流検出手段16(図1)が検出した2相の相電流から3相それぞれの相電流Iu,Iv,Iwを算出する。第2の座標変換部18hは、相電流算出部18gが算出した相電流Iu,Iv,Iwを、dq回転座標軸上の有効電流補償値Iqおよび無効電流補償値Idに変換する。なお、線間電圧検出手段15(図1)および相電圧算出部17eによって相電圧検出手段が構成され、相電流検出手段16(図1)および相電流算出部17gによって相電流検出手段が構成される。
第2の加減算器17iは、有効電流指令値Iq*を有効電流補償値Iqで補償して差分ΔIqを算出する。第3の加減算器17jは、無効電流指令値Id*を無効電流補償値Idで補償して差分ΔIdを算出する。有効電圧指令値演算部17kは、例えばPI制御器からなり、有効電流差分ΔIqから有効電圧指令値Vq*を算出する。第4の加減算器17lは、有効電圧指令値Vq*を電圧補償値Vqで補償して、補償後有効電圧指令値Vqo*を算出する。無効電圧指令値算出部17mは、例えばPI制御器17iからなり、無効電流差分ΔIdから無効電圧指令値Vd*を算出する。第5の加減算器17nは、無効電圧指令値Vd*を電圧補償値Vdで補償して、補償後無効電圧指令値Vdo*を算出する。
逆座標変換部17oは、回転座標軸上の補償後有効電圧指令値Vqo*および補償後無効電圧指令値Vdo*を、UVW座標軸上の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換する。そして、デューティ比算出部17pが、これら電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*から各デューティ比を算出する。次に、PWM信号生成手段17qが、これらデューティ比対応するにパルス幅からなるPWM信号を生成する。これらPWM信号がインバータ回路13(図1)のスイッチング素子(図示せず)を制御する。
次に、上述した入力進相角θinputおよび進相角指令値θ*について説明する。まず、調整前の進相角指令値θ*に相当する入力進相角θinputは、図1に示す対応関係記憶部18から求められる。対応関係記憶部18は、例えば、インバータ制御回路17が構成されるマイクロコンピュータのメモリ上に構築される。対応関係記憶部18は、図3に示すように、力率入力値λinputと入力進相角θinputとの対応関係を記憶する。ここで、力率入力値λinputに対応する進相角は、インバータ制御回路17において電流補償や電圧補償がなければλinput=cosθinput(つまり、θinput=cos−1λinput)の関係式から求められる。しかし、本実施形態では、インバータ制御回路17において電流補償や電圧補償があるため、入力進相角θinputは、cos−1λinputに一致させていない。そして、本実施形態では、対応関係記憶部18において力率入力値λinputと入力進相角θinputとの関係が定義されており、この関係が参照されて入力進相角θinputが取得される。なお、力率入力値λinputと入力進相角θinputとの関係は、力率入力値λinputから入力進相角θinputを的確に導き出せるのであれば、記憶した対応関係を用いることに限定されず、いかなる手段によって対応付けられてもよい。
このようにして取得された入力進相角θinputは、図2の進相角調整部17aにおいて進相角調整値θadjで調整されて進相角指令値θ*が算出される。すなわち、θ*=θinput+θadjの計算が実行される。そして、この進相角指令値θ*の正接tanθ*が算出される。すなわち、進相角調整部17aでは、tanθ*=tan(θinput+θadj)の計算が実行される。
ここで、本実施形態において、力率入力値λinputと入力進相角θinputとの関係を対応関係記憶部18に記憶しているのは、力率入力値λinputと入力進相角θinputとの関係を関数で表現すると、複雑になるからである。関数で表現しようとすると、入力進相角θinputを調整して算出された進相角指令値θ*の正接tanθ*を用いて無効電流指令値Id*(=Iq*×tanθ*)から補償後無効電圧指令値Vdo*を算出する際に、電流補償値Idが減算され、電圧補償値Vdが加算されるため、補償後無効電圧指令値Vdo*は、無効電流指令値Id*に比例した項と、電流補償値Idおよび電圧補償値Vdに依存した項が加算されたものに対応する。以下に、その関係式(1)を示す。
Vdo*=A×Id*+f(Id,Vd)
=A×(Iq*×tanθ*)+f(Id,Vd) (1)
ただし、Aは定数、f(Id,Vd)は電流補償値Idおよび電圧補償値Vdに依存した変数を示す。
ここで、パワーコンディショナ1(図1)の出力電力における無効電力成分Qは、この補償後無効電圧指令値Vdo*に比例するため、以下の関係式(2)が成立する。
Q=B×Vdo*
=B×A×(Iq*×tanθ*)+B×f(Id,Vd) (2)
ただし、Bは定数を示す。
一方、パワーコンディショナ1(図1)の出力電力における無効電力成分Qは、パワーコンディショナ1の出力電力における有効電力成分をPとすると、理想的には以下の式(3)で表わされる。
Q=P×tan(cos−1λinput) (3)
この式(3)は、パワーコンディショナ1(図1)の出力電力の力率が、力率入力手段11(図1)から入力された力率入力値λinputに一致していることを示す。
上記式(2)および(3)より、力率入力値λinputと進相角指令値θ*との関係は、変数f(Id,Vd)に依存するため、力率入力値λinputを進相角指令値θ*の関数として表わすと複雑になる。これに対して本実施形態では、対応関係記憶部18に力率入力値λinputと調整前の進相角指令値θ*に相当する入力進相角θinputとの対応関係を記憶することで、適切な進相角指令値θ*を容易に取得できるようにしている。
図3の対応関係記憶部18は、力率入力手段11(図1)から入力されうる全ての力率入力値λinputを記憶する。したがって、力率入力手段11(図1)から力率入力値λinputが入力されると、この対応関係から入力進相角θinput(ひいては進相角指令値θ*)が一意に決定される。なお、力率入力値λinputには最小値が設けられてもよく、例えば、0.80を最小力率入力値としてもよい。この場合、対応関係記憶部18には、1.00,0.99,0.98,0.97,0.96,0.95,0.94,…,0.88の力率入力値λinputと、これらにそれぞれ対応する入力進相角θinputが記憶される。
この対応関係記憶部18に記憶される対応関係は、パワーコンディショナ1の製品に固有である。したがって、製品の出荷前に、1台のパワーコンディショナ1について入力進相角θinputとパワーコンディショナ1の出力電力における力率とが測定されて、この入力進相角θinputと力率との関係が、力率入力値λinputと入力進相角θinputの対応関係として、全ての同一製品の対応関係記憶部18に記憶される。
次に、定格出力時以外の力率について考察する。
図1のパワーコンディショナ1の出力電力が低下して定格出力よりも小さくなるのは、図2の有効電流指令値Iq*が小さくなる場合である。上記式(2)の無効電力成分Qは、第2項(B×f(Id,Vd))成分に比べて、第1項(B×A×(Iq*×tanθ*))成分が小さくなる。したがって、無効電力成分Qに進相角指令値tanθ*が影響を与える比率が小さくなり、第2項の補償成分f(Id,Vd)が影響を与える比率が大きくなる。
これより、例えば、パワーコンディショナ1(図1)の出力電力が定格出力よりもかなり小さい場合には、上記式(2)は、以下の式(4)のように近似されることになる。
Q≒B×f(Id,Vd) (4)
一方、上記式(2)は、第2項(B×f(Id,Vd))に比べて第1項(B×A×(Iq*×tanθ*))が小さくないとしても、すなわち、出力電力が定格出力程度に大きいとしても、tanθ*=0の場合(つまり、力率入力値λinputがほぼ1に近い場合)にはQ=B×f(Id,Vd)となる。すなわち、上記式(2)は、パワーコンディショナ1(図1)の出力電力が定格出力であっても、tanθ*=0であればQ=B×f(Id,Vd)となる。
これらより、パワーコンディショナ1(図1)の出力電力が小さくなればなるほど、出力電力のうちの無効電力成分は、パワーコンディショナ1(図1)の出力電力が定格出力時において進相角指令値θ*がゼロの場合の無効電力成分に近づくといえる。
したがって、進相角指令値θ*がゼロで無効電力成分がほとんどない時の力率はほぼ1であることより、定格出力に比べて小さい出力電力ではその力率はそのパワーコンディショナ1の力率性能値(最大出力力率)に近づき、このことより、その力率は常に力率入力値λinput以上が保証される。ただし、出力電力がゼロの場合にはこの限りではない。このように、力率入力手段11(図1)から入力された力率入力値λinput以上の力率が維持されるため、本実施形態にかけるパワーコンディショナ1(図1)では、定格出力の所定割合(例えば12.5%)から定格出力までの範囲において、パワーコンディショナ1(図1)の出力電力の力率は力率入力値λinput以上となる。
図4(a)〜(d)に、本実施形態のパワーコンディショナ1の力率入力値λinput=1.00,0.98,0.95および0.92それぞれの場合のパワーコンディショナ1の出力に対する測定力率を示す。なお、このパワーコンディショナ1の定格出力を10kWとする。これら測定結果によれば、図4(a)の力率入力値λinput=1.00を除いて、図4(b)〜(d)に示されているように、力率入力値λinput=0.98,0.95および0.92の場合に、それぞれ、「力率0.98以上(定格出力の12.5%〜定格出力時)」、「力率0.95以上(定格出力の12.5%〜定格出力時)」および「力率0.92以上(定格出力の12.5%〜定格出力時)」が満足されている。
また、図4(b)〜(d)の各力率入力値λinput=0.98,0.95および0.92の場合には、出力電力が小さくするほど測定力率が大きくなり、図4(a)の力率入力値λinput=1.00の場合の同一出力電力における測定力率に近づいている。これにより、上述した、パワーコンディショナ1(図1)の出力電力が小さくなればなるほど、出力電力のうちの無効電力は、パワーコンディショナ1(図1)の出力電力が定格出力時において進相角指令値tanθ*がゼロの場合の無効電力に近づくことが示されている。
以上、本発明のパワーコンディショナによれば、パワーコンディショナ製品の仕様としての力率が可変である。
なお、上記実施形態において、図2のインバータ制御回路は、有効電流指令値と進相角指令値とから無効電流指令値を演算でき、この無効電流指令値用いてパワーコンディショナの出力電力の力率を制御できるものであれば、いかなる回路からなるものであってもよい。
1 パワーコンディショナ
3 電力系統
11 入力手段
13 インバータ回路
17 インバータ制御回路
17b 有効電流指令値演算手段
17c 無効電流指令値演算手段
17k 制御信号生成手段
Iq* 有効電流指令値
Id* 無効電流指令値
Vq* 有効電圧指令値
Vd* 無効電圧指令値
θ* 進相角指令値
λinput 力率入力値

Claims (5)

  1. 電力系統に連系可能な交流電力を出力するパワーコンディショナであって、
    直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、
    前記インバータ回路を制御するインバータ制御回路であって、
    前記直流電力の直流電圧から有効電流指令値を演算する有効電流指令値演算手段、
    前記有効電流指令値演算手段によって演算された前記有効電流指令値と、進相角指令値とから、無効電流指令値を演算する無効電流指令値演算手段、ならびに、
    前記有効電流指令値および前記無効電流指令値にそれぞれ基づいた制御用指令値から、前記インバータ回路を制御する信号を生成する制御信号生成手段を有するインバータ制御回路と、
    力率入力値が入力される入力手段とを備え、
    前記進相角指令値は、前記力率入力値が所定力率値未満の場合には、当該パワーコンディショナの定格出力時の力率が、前記力率入力値を下回らずにほぼ一致するような値である、パワーコンディショナ。
  2. 請求項1に記載のパワーコンディショナにおいて、
    前記所定力率値は、当該パワーコンディショナの最大出力力率であり、
    前記進相角指令値は、前記力率入力値が前記所定力率値以上の場合には、当該パワーコンディショナの定格出力時の力率が、前記力率入力値が前記所定力率値に一致するような値である、パワーコンディショナ。
  3. 請求項1または2に記載のパワーコンディショナにおいて、さらに、
    力率入力値と進相角指令値との対応関係を記憶する対応関係記憶部を備え、
    前記無効電流指令値演算手段が用いる前記進相角指令値は、前記対応関係記憶部に記憶された対応関係に基づいて、前記入力手段から入力された前記力率入力値に対応した進相角指令値に設定される、パワーコンディショナ。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のパワーコンディショナにおいて、
    前記無効電流指令値は、前記有効電流指令値に前記進相角指令値の正接を乗算して得られる、パワーコンディショナ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のパワーコンディショナにおいて、
    前記インバータ回路は3相インバータ回路であり、
    前記制御用指令値は、有効電圧指令値および無効電圧指令値からなり、
    さらに、
    当該パワーコンディショナから出力される前記交流電力の相電圧を検出する相電圧検出手段と、
    当該パワーコンディショナから出力される前記交流電力の相電流を検出する相電流検出手段とを備え、
    前記インバータ制御回路は、さらに、
    前記有効電流指令値から前記有効電圧指令値を演算する有効電圧指令値演算手段、および、
    前記無効電流指令値から前記無効電圧指令値を演算する無効電圧指令値演算手段を有し、
    前記有効電圧指令値演算手段および前記無効電圧指令値演算手段は、前記有効電流指令値および前記無効電流指令値を、それぞれ、前記相電流検出手段が検出した相電流で補償し電圧値に変換後に前記相電圧検出手段が検出した相電圧で補償して、前記有効電圧指令値および前記無効電圧指令値をそれぞれ演算し、
    前記制御信号生成手段は、前記有効電圧指令値演算手段および前記無効電圧指令値演算手段によってそれぞれ演算された前記有効電圧指令値および前記無効電圧指令値から演算されたデューティ比に基づいて、前記インバータ回路を制御するPWM信号を生成する、パワーコンディショナ。
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