JP3417852B2 - 電力用素子 - Google Patents
電力用素子Info
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- JP3417852B2 JP3417852B2 JP27453698A JP27453698A JP3417852B2 JP 3417852 B2 JP3417852 B2 JP 3417852B2 JP 27453698 A JP27453698 A JP 27453698A JP 27453698 A JP27453698 A JP 27453698A JP 3417852 B2 JP3417852 B2 JP 3417852B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力用素子に係
り、特に低オン電圧の電力半導体素子、固体中への電子
の電界放射効果を利用した電力用素子に関する。
り、特に低オン電圧の電力半導体素子、固体中への電子
の電界放射効果を利用した電力用素子に関する。
【0002】
【従来の技術】電力用素子のオン電圧は、電圧を阻止す
るベース層での電圧降下に加えて、絶縁ゲート型半導体
素子であればチャネル抵抗、バイポーラ型半導体素子で
あればPN接合でのビルトインポテンシャル、ショット
キーバリアダイオードならばバリアハイトなどが足し合
わされて決まっている。比較的低耐圧の電力用素子で
は、電圧を阻止するベース層は薄くてもよく、ビルトイ
ンポテンシャルやバリアハイトがオン電圧の大きな部分
を占めている。しかし、これらの値は半導体素子そのも
のの物性や電極材料により決まっているので、オン電圧
を低減することは不可能であった。
るベース層での電圧降下に加えて、絶縁ゲート型半導体
素子であればチャネル抵抗、バイポーラ型半導体素子で
あればPN接合でのビルトインポテンシャル、ショット
キーバリアダイオードならばバリアハイトなどが足し合
わされて決まっている。比較的低耐圧の電力用素子で
は、電圧を阻止するベース層は薄くてもよく、ビルトイ
ンポテンシャルやバリアハイトがオン電圧の大きな部分
を占めている。しかし、これらの値は半導体素子そのも
のの物性や電極材料により決まっているので、オン電圧
を低減することは不可能であった。
【0003】例えば、いわゆるトレンチゲート型IGB
Tと呼ばれている半導体素子について述べると、以下の
通りとなる。図11は、従来のトレンチゲート型IGB
Tの素子構造を示す断面図である。この半導体素子のオ
ン電圧は、電圧を阻止するnベース層113での電圧降
下に加えて、チャネル抵抗、pコレクタ層111とnベ
ース層113との接合112でのビルトインポテンシャ
ル、その他オーミック抵抗などが足し合わされて決まっ
ている。比較的低耐圧の電力用素子では、電圧を阻止す
るnベース層113は薄くて良く、またチャネル抵抗は
微細化によって改善されるものの、ビルトインポテンシ
ャルだけは低減できる手段がこれまで見出されていなか
った。そのため、PN接合を有するバイポーラ型素子は
低耐圧では使用することができないという問題があっ
た。なお、図11において、114はpベース層、11
5はnソース層、116はゲート絶縁膜、117はゲー
ト電極、118はソース電極、119はコレクタ電極で
ある。
Tと呼ばれている半導体素子について述べると、以下の
通りとなる。図11は、従来のトレンチゲート型IGB
Tの素子構造を示す断面図である。この半導体素子のオ
ン電圧は、電圧を阻止するnベース層113での電圧降
下に加えて、チャネル抵抗、pコレクタ層111とnベ
ース層113との接合112でのビルトインポテンシャ
ル、その他オーミック抵抗などが足し合わされて決まっ
ている。比較的低耐圧の電力用素子では、電圧を阻止す
るnベース層113は薄くて良く、またチャネル抵抗は
微細化によって改善されるものの、ビルトインポテンシ
ャルだけは低減できる手段がこれまで見出されていなか
った。そのため、PN接合を有するバイポーラ型素子は
低耐圧では使用することができないという問題があっ
た。なお、図11において、114はpベース層、11
5はnソース層、116はゲート絶縁膜、117はゲー
ト電極、118はソース電極、119はコレクタ電極で
ある。
【0004】また、いわゆるショットキーバリアダイオ
ードと呼ばれている半導体素子について述べると、以下
の通りとなる。図12は、従来のショットキー型ダイオ
ードの素子構造を示す断面図である。この半導体素子
は、ショットキー電極127が形成されるカソード領域
にメサ構造を有しており、オフ状態ではp型層124か
らメサ領域123に空乏層が広がって電子注入を抑制す
るという効果がある。このため、ショットキー電極12
7にバリアハイトの低い金属を用いても、オフ状態での
リーク電流を低く抑えることができる。このような素子
構造のオン電圧は、電圧を阻止するnベース層122で
の電圧降下に加えて、ショットキー電極127のバリア
ハイトが足し合わされて決まっている。比較的低耐圧の
電力用素子では、電圧を阻止するnベース層122は薄
くて良く、バリアハイトがオン電圧の大きな部分を占め
ていた。そのため、従来はバリアハイトの低い金属をシ
ョットキー電極として用いる試みがなされていたが、そ
のような金属は化学的に活性なものが多く、電極形成が
困難であったり、長期的に変質してしまうという問題が
あり、実用化までは結びついていなかった。なお、図1
2において、121はn型層、125はp型ポリシリコ
ン層、126はショットキー接合、128はアノード電
極(オーミック電極)である。
ードと呼ばれている半導体素子について述べると、以下
の通りとなる。図12は、従来のショットキー型ダイオ
ードの素子構造を示す断面図である。この半導体素子
は、ショットキー電極127が形成されるカソード領域
にメサ構造を有しており、オフ状態ではp型層124か
らメサ領域123に空乏層が広がって電子注入を抑制す
るという効果がある。このため、ショットキー電極12
7にバリアハイトの低い金属を用いても、オフ状態での
リーク電流を低く抑えることができる。このような素子
構造のオン電圧は、電圧を阻止するnベース層122で
の電圧降下に加えて、ショットキー電極127のバリア
ハイトが足し合わされて決まっている。比較的低耐圧の
電力用素子では、電圧を阻止するnベース層122は薄
くて良く、バリアハイトがオン電圧の大きな部分を占め
ていた。そのため、従来はバリアハイトの低い金属をシ
ョットキー電極として用いる試みがなされていたが、そ
のような金属は化学的に活性なものが多く、電極形成が
困難であったり、長期的に変質してしまうという問題が
あり、実用化までは結びついていなかった。なお、図1
2において、121はn型層、125はp型ポリシリコ
ン層、126はショットキー接合、128はアノード電
極(オーミック電極)である。
【0005】また、近年、電力用素子として冷陰極型エ
ミッタを内蔵した真空マイクロ素子が研究開発されてい
る。この真空マイクロ素子は、特に意図的な加熱を行わ
ない条件下でも、高電圧を印加するとエミッタ部(冷陰
極型エミッタ)から真空中へ電子が放出される現象を用
いている。かかる真空マイクロ素子は、高い逆耐圧特性
と、高速応答性と、耐放射線性とを備え、これらの特性
はほとんど温度に依存しないことから、高速デバイスや
パワーデバイスとして注目されている。
ミッタを内蔵した真空マイクロ素子が研究開発されてい
る。この真空マイクロ素子は、特に意図的な加熱を行わ
ない条件下でも、高電圧を印加するとエミッタ部(冷陰
極型エミッタ)から真空中へ電子が放出される現象を用
いている。かかる真空マイクロ素子は、高い逆耐圧特性
と、高速応答性と、耐放射線性とを備え、これらの特性
はほとんど温度に依存しないことから、高速デバイスや
パワーデバイスとして注目されている。
【0006】真空マイクロ素子の動作原理は以下の通り
である。即ち、先端が微小な曲率半径を有するエミッタ
部が負にバイアスされた時、エミッタ先端部には曲率で
ほぼ決定される電界が印加され、エミッタ先端部の電子
に対するポテンシャル障壁幅が減少し、トンネル現象が
発生し、電子が真空中に放射されてアノードに到達す
る。これに対して、平坦な電極構造となっているアノー
ドにおいては、アノードが負にバイアスされても電界集
中が起こらず、この結果としてポテンシャル障壁幅が狭
くはならず、アノードからの電子の放射が起こらないこ
ととなる。
である。即ち、先端が微小な曲率半径を有するエミッタ
部が負にバイアスされた時、エミッタ先端部には曲率で
ほぼ決定される電界が印加され、エミッタ先端部の電子
に対するポテンシャル障壁幅が減少し、トンネル現象が
発生し、電子が真空中に放射されてアノードに到達す
る。これに対して、平坦な電極構造となっているアノー
ドにおいては、アノードが負にバイアスされても電界集
中が起こらず、この結果としてポテンシャル障壁幅が狭
くはならず、アノードからの電子の放射が起こらないこ
ととなる。
【0007】真空マイクロ素子におけるエミッタは、金
属あるいは半導体等の電気導電性材料によって構成さ
れ、先端部が数nm以下の曲率を持つように加工される。
かかる先端部が小さな曲率半径を有するエミッタを形成
するためには、非常な困難を伴うが、以下の方法を用い
る。
属あるいは半導体等の電気導電性材料によって構成さ
れ、先端部が数nm以下の曲率を持つように加工される。
かかる先端部が小さな曲率半径を有するエミッタを形成
するためには、非常な困難を伴うが、以下の方法を用い
る。
【0008】金属からなるエミッタの場合には、エミッ
タに電圧を印加すると強電界のもとで表面原子が移動し
てエミッタ先端部の曲率半径が減少するという自己先鋭
化現象を利用する。しかしながら、金属からなるエミッ
タの先端部を自己先鋭化現象を用いて形成することがで
きるということは、とりもなおさずエミッタ先端部は自
己変形する程度に強い電界下に置かれていることを意味
しており、プロセス的にも非常に不安定であることを意
味する。
タに電圧を印加すると強電界のもとで表面原子が移動し
てエミッタ先端部の曲率半径が減少するという自己先鋭
化現象を利用する。しかしながら、金属からなるエミッ
タの先端部を自己先鋭化現象を用いて形成することがで
きるということは、とりもなおさずエミッタ先端部は自
己変形する程度に強い電界下に置かれていることを意味
しており、プロセス的にも非常に不安定であることを意
味する。
【0009】また、エッチングや酸化を用いた方法もあ
る。即ち、Si単結晶を選択エッチングした後にこれを
酸化することにより、先端部が非常に狭い穿孔となった
角錐状の穴を形成し、この穴を鋳形としてエミッタ材料
となる金属あるいは半導体物質を堆積し、鋳形を除去し
て曲率半径の小さい先端部を有するエミッタ構造を形成
する。
る。即ち、Si単結晶を選択エッチングした後にこれを
酸化することにより、先端部が非常に狭い穿孔となった
角錐状の穴を形成し、この穴を鋳形としてエミッタ材料
となる金属あるいは半導体物質を堆積し、鋳形を除去し
て曲率半径の小さい先端部を有するエミッタ構造を形成
する。
【0010】真空マイクロ素子では、多数のエミッタを
並列的に動作させて用いるが、各エミッタの特性を均一
に保持することには相当な困難を伴う。真空マイクロ素
子の真空中には、何らかの残留ガスや吸着物質が存在す
る。真空マイクロ素子の特性は残留ガス種やガス圧に強
く影響されるため、ガスの吸着状態の変化の影響を受け
雑音や素子特性の変動が現れる。10-7Paと極めて高い真
空度を確保しても10%にも及ぶ素子特性の変動が観測さ
れる。素子内部に高い真空を保持するのは、真空マイク
ロ素子における大きな課題である。
並列的に動作させて用いるが、各エミッタの特性を均一
に保持することには相当な困難を伴う。真空マイクロ素
子の真空中には、何らかの残留ガスや吸着物質が存在す
る。真空マイクロ素子の特性は残留ガス種やガス圧に強
く影響されるため、ガスの吸着状態の変化の影響を受け
雑音や素子特性の変動が現れる。10-7Paと極めて高い真
空度を確保しても10%にも及ぶ素子特性の変動が観測さ
れる。素子内部に高い真空を保持するのは、真空マイク
ロ素子における大きな課題である。
【0011】真空マイクロ素子では、動作中に素子が短
絡状態となる現象がしばしば発生し、安定動作の上で極
めて大きな問題となっている。エミッタを並列的に動作
させている場合、短絡状態となった真空マイクロ素子を
観察すると、エミッタ部分が溶融し、エミッタ物質が蒸
発している様子が見出される。これは、ある特定なエミ
ッタを通しての回路の抵抗が急激に低下し、電流が特定
のエミッタを通して集中して流れ、そのエミッタが異常
な高温となり、エミッタ物質が溶融気化する現象が起き
ることを示している。
絡状態となる現象がしばしば発生し、安定動作の上で極
めて大きな問題となっている。エミッタを並列的に動作
させている場合、短絡状態となった真空マイクロ素子を
観察すると、エミッタ部分が溶融し、エミッタ物質が蒸
発している様子が見出される。これは、ある特定なエミ
ッタを通しての回路の抵抗が急激に低下し、電流が特定
のエミッタを通して集中して流れ、そのエミッタが異常
な高温となり、エミッタ物質が溶融気化する現象が起き
ることを示している。
【0012】エミッタの溶融破壊現象は、制御電極が形
成された構造の素子においては、エミッタを円周状に取
り囲む制御電極とエミッタ部分とに見出されることか
ら、エミッタと制御電極間の放電現象に起因した要因が
あると考えられる。特定のエミッタに電流が集中し素子
が破壊される現象を防止することは、真空マイクロ素子
において極めて重要な問題である。これを回路的に防止
するために、各エミッタに個別に保護抵抗を挿入し電流
制限が加わるようにするか、あるいは各エミッタ毎に電
流制限回路を挿入する方策が採られている。
成された構造の素子においては、エミッタを円周状に取
り囲む制御電極とエミッタ部分とに見出されることか
ら、エミッタと制御電極間の放電現象に起因した要因が
あると考えられる。特定のエミッタに電流が集中し素子
が破壊される現象を防止することは、真空マイクロ素子
において極めて重要な問題である。これを回路的に防止
するために、各エミッタに個別に保護抵抗を挿入し電流
制限が加わるようにするか、あるいは各エミッタ毎に電
流制限回路を挿入する方策が採られている。
【0013】しかしながら、かかる方策によっても十分
に安定動作を確保することができず、またかえって素子
構造や動作回路が複雑化してしまい、余分な電力損失や
製造コストの増加といった問題も生ずる。
に安定動作を確保することができず、またかえって素子
構造や動作回路が複雑化してしまい、余分な電力損失や
製造コストの増加といった問題も生ずる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の電力用素子には、ビルトインポテンシャルやバリア
ハイトがオン電圧の大きな部分を占めているものがあ
り、このオン電圧の値は半導体素子そのものの物性や電
極材料により決まっているので、オン電圧を低減するこ
とは不可能であった。
来の電力用素子には、ビルトインポテンシャルやバリア
ハイトがオン電圧の大きな部分を占めているものがあ
り、このオン電圧の値は半導体素子そのものの物性や電
極材料により決まっているので、オン電圧を低減するこ
とは不可能であった。
【0015】また、従来の真空マイクロ素子において
は、動作中に素子が短絡状態となる現象がしばしば発生
し、安定動作の上で極めて大きな問題となっている。こ
れを回路的に防止するために、各エミッタに個別に保護
抵抗を挿入し電流制限が加わるようにしたり、各エミッ
タ毎に電流制限回路を挿入する方策が採られているが、
かかる方策によっても十分に安定動作を確保することが
できず、かえって素子構造や動作回路は複雑化してしま
い、余分な電力損失や製造コストの増加といった問題も
生ずる。本発明は、低いオン電圧や安定した動作を有す
る特性の優れた電力用素子を提供することを目的とする
ものである。
は、動作中に素子が短絡状態となる現象がしばしば発生
し、安定動作の上で極めて大きな問題となっている。こ
れを回路的に防止するために、各エミッタに個別に保護
抵抗を挿入し電流制限が加わるようにしたり、各エミッ
タ毎に電流制限回路を挿入する方策が採られているが、
かかる方策によっても十分に安定動作を確保することが
できず、かえって素子構造や動作回路は複雑化してしま
い、余分な電力損失や製造コストの増加といった問題も
生ずる。本発明は、低いオン電圧や安定した動作を有す
る特性の優れた電力用素子を提供することを目的とする
ものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1は、基板に設けられた第1導電型半導
体領域と、第2導電型半導体領域とを備え、前記第1導
電型半導体領域と第2導電型半導体領域との間に形成さ
れる接合の一部が先鋭化されており、この先鋭化された
部分の曲率半径が0.5μm以下であることを特徴とす
る電力用素子を提供する。
め、本発明の第1は、基板に設けられた第1導電型半導
体領域と、第2導電型半導体領域とを備え、前記第1導
電型半導体領域と第2導電型半導体領域との間に形成さ
れる接合の一部が先鋭化されており、この先鋭化された
部分の曲率半径が0.5μm以下であることを特徴とす
る電力用素子を提供する。
【0017】かかる本発明において、以下の構成を備え
たものが好ましい。 (1)前記接合の先鋭化された部分の曲率半径が0.1
μm以下であること。 (2)前記先鋭化された部分は、段差形状の角部に対応
すること。
たものが好ましい。 (1)前記接合の先鋭化された部分の曲率半径が0.1
μm以下であること。 (2)前記先鋭化された部分は、段差形状の角部に対応
すること。
【0018】(3)前記段差形状は、V字状若しくは矩
形状であること。 また、本発明の第2は、{100}の結晶面方位を有す
る半導体基板に設けられた第1導電型半導体領域と、第
2導電型半導体領域とを備え、前記第1導電型半導体領
域と第2導電型半導体領域との間に形成される接合の一
部が先鋭化されており、この先鋭化された部分は{11
1}の結晶面方位の面により構成されていることを特徴
とする電力用素子を提供する。
形状であること。 また、本発明の第2は、{100}の結晶面方位を有す
る半導体基板に設けられた第1導電型半導体領域と、第
2導電型半導体領域とを備え、前記第1導電型半導体領
域と第2導電型半導体領域との間に形成される接合の一
部が先鋭化されており、この先鋭化された部分は{11
1}の結晶面方位の面により構成されていることを特徴
とする電力用素子を提供する。
【0019】本発明の第1および第2によれば、第1導
電型半導体領域と第2導電型半導体領域とが接して形成
されるPN接合の一部が先鋭化された形状となるように
形成されているので、PN接合の先鋭化された部分のビ
ルトインポテンシャルが他の部分に比べて低くなる。こ
のため、バイポーラ型電力用半導体素子等の場合におい
てオン電圧を増加させる大きな要因となっていたビルト
インポテンシャルを低下させることができ、オン電圧を
著しく低減することが可能となる。したがって、PN接
合のビルトインポテンシャルの大きさが障害となってい
たバイポーラ型電力用半導体素子等を比較的低耐圧の用
途にも適用することが可能となる。
電型半導体領域と第2導電型半導体領域とが接して形成
されるPN接合の一部が先鋭化された形状となるように
形成されているので、PN接合の先鋭化された部分のビ
ルトインポテンシャルが他の部分に比べて低くなる。こ
のため、バイポーラ型電力用半導体素子等の場合におい
てオン電圧を増加させる大きな要因となっていたビルト
インポテンシャルを低下させることができ、オン電圧を
著しく低減することが可能となる。したがって、PN接
合のビルトインポテンシャルの大きさが障害となってい
たバイポーラ型電力用半導体素子等を比較的低耐圧の用
途にも適用することが可能となる。
【0020】また、本発明の第3は、基板の半導体領域
と、この半導体領域と接して設けられ、前記半導体領域
とショットキー接合を形成する電極とを備え、前記ショ
ットキー接合の一部が先鋭化されており、この先鋭化さ
れた部分の曲率半径が0.5μm以下であることを特徴
とする電力用素子を提供する。
と、この半導体領域と接して設けられ、前記半導体領域
とショットキー接合を形成する電極とを備え、前記ショ
ットキー接合の一部が先鋭化されており、この先鋭化さ
れた部分の曲率半径が0.5μm以下であることを特徴
とする電力用素子を提供する。
【0021】かかる本発明において、以下の構成を備え
たものが好ましい。 (1)前記接合の先鋭化された部分の曲率半径が0.1
μm以下であること。 (2)前記先鋭化された部分は、段差形状の角部に対応
すること。
たものが好ましい。 (1)前記接合の先鋭化された部分の曲率半径が0.1
μm以下であること。 (2)前記先鋭化された部分は、段差形状の角部に対応
すること。
【0022】(3)前記段差形状は、V字状若しくは矩
形状であること。 また、本発明の第4は、{100}の結晶面方位を有す
る半導体基板に設けられた半導体領域と、この半導体領
域と接して設けられ、前記半導体領域とショットキー接
合を形成する電極とを備え、前記ショットキー接合の一
部が先鋭化されており、この先鋭化された部分は{11
1}の結晶面方位の面により構成されていることを特徴
とする電力用素子を提供する。
形状であること。 また、本発明の第4は、{100}の結晶面方位を有す
る半導体基板に設けられた半導体領域と、この半導体領
域と接して設けられ、前記半導体領域とショットキー接
合を形成する電極とを備え、前記ショットキー接合の一
部が先鋭化されており、この先鋭化された部分は{11
1}の結晶面方位の面により構成されていることを特徴
とする電力用素子を提供する。
【0023】本発明の第3および第4によれば、半導体
領域と電極とが接して形成されるショットキー接合の一
部が先鋭化された形状となるように形成されているの
で、ショットキー接合の先鋭化された部分のバリアハイ
トが他の部分に比べて低くなる。このため、ショットキ
ーバリアダイオードのオン電圧を増加させる大きな要因
となっていたバリアハイトを低下させることができ、オ
ン電圧を著しく低減することが可能である。
領域と電極とが接して形成されるショットキー接合の一
部が先鋭化された形状となるように形成されているの
で、ショットキー接合の先鋭化された部分のバリアハイ
トが他の部分に比べて低くなる。このため、ショットキ
ーバリアダイオードのオン電圧を増加させる大きな要因
となっていたバリアハイトを低下させることができ、オ
ン電圧を著しく低減することが可能である。
【0024】また、本発明の第5は、固体と当該固体の
一方の面に形成されたエミッタと、前記固体の前記エミ
ッタと相対する面に形成されたアノードとからなり、前
記エミッタが前記アノードに対して負にバイアスされた
とき、前記エミッタより前記固体中に電子が電界放射効
果により注入されることを特徴とする電力用素子を提供
する。
一方の面に形成されたエミッタと、前記固体の前記エミ
ッタと相対する面に形成されたアノードとからなり、前
記エミッタが前記アノードに対して負にバイアスされた
とき、前記エミッタより前記固体中に電子が電界放射効
果により注入されることを特徴とする電力用素子を提供
する。
【0025】かかる本発明において、以下の構成を備え
たものが好ましい。 (1)前記エミッタと前記アノード間の固体中に少なく
とも一つのゲートが埋め込まれていること。
たものが好ましい。 (1)前記エミッタと前記アノード間の固体中に少なく
とも一つのゲートが埋め込まれていること。
【0026】(2)前記固体及び前記ゲートはともに半
導体からなるとともに、前記ゲートは、電子が電界放射
効果により注入される前記固体の部分と実質的に同一の
組成の半導体層からなり、かつp型導電層であること。
導体からなるとともに、前記ゲートは、電子が電界放射
効果により注入される前記固体の部分と実質的に同一の
組成の半導体層からなり、かつp型導電層であること。
【0027】(3)電子が電界放射効果により注入され
る前記固体の部分は、ダイヤモンド、炭化珪素、窒化ボ
ロン、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、又はこれらの
固溶体からなる絶縁物もしくは半導体であること。
る前記固体の部分は、ダイヤモンド、炭化珪素、窒化ボ
ロン、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、又はこれらの
固溶体からなる絶縁物もしくは半導体であること。
【0028】(4)電子が電界放射効果により注入され
る前記固体の部分は、ダイヤモンド又は閃亜鉛鉱型の結
晶からなる絶縁物もしくは半導体であること。 (5)前記エミッタ又は前記アノードが形成される前記
固体の表面は、{100}の結晶面方位を有すること。
る前記固体の部分は、ダイヤモンド又は閃亜鉛鉱型の結
晶からなる絶縁物もしくは半導体であること。 (5)前記エミッタ又は前記アノードが形成される前記
固体の表面は、{100}の結晶面方位を有すること。
【0029】(6)前記エミッタの、電子が電界放射効
果により注入される前記固体の部分に接する表面には、
Ti及びCrの少なくとも一つを含有する金属薄膜が形
成されていること。
果により注入される前記固体の部分に接する表面には、
Ti及びCrの少なくとも一つを含有する金属薄膜が形
成されていること。
【0030】(7)電子が電界放射効果により注入され
る前記固体は平板結晶であり、前記エミッタは、当該平
板結晶の一方の面に異方性エッチングを用いて先端が尖
った孔を形成し、当該孔中に導電性材料を埋め込むこと
により形成されるものであること。
る前記固体は平板結晶であり、前記エミッタは、当該平
板結晶の一方の面に異方性エッチングを用いて先端が尖
った孔を形成し、当該孔中に導電性材料を埋め込むこと
により形成されるものであること。
【0031】本発明の第5によれば、真空中への電子の
電界放射現象ではなく、固体中への電子の電界放射現象
を用いることによって、電界放射型の電力用素子を構成
する。真空マイクロ素子で見出される二つの顕著な問題
点、すなわち、放電破壊によるエミッタ部の破損と特性
の変動は、共に、電子の電界放射現象が起きる空間が真
空であることに起因した現象である。本発明のように、
電子が電界放射される空間を固体内とすれば、真空マイ
クロ素子における問題点は基本的に解決される。さら
に、真空マイクロ素子のように各エミッタごとに電流制
限回路を設けて放電破壊現象を防止することが不要とな
るため、動作回路は極めて簡単となり、素子破壊防止の
ために費やされる余分な電力を減らすことができ、高速
かつ低消費電力の電力用素子を提供することが可能とな
る。
電界放射現象ではなく、固体中への電子の電界放射現象
を用いることによって、電界放射型の電力用素子を構成
する。真空マイクロ素子で見出される二つの顕著な問題
点、すなわち、放電破壊によるエミッタ部の破損と特性
の変動は、共に、電子の電界放射現象が起きる空間が真
空であることに起因した現象である。本発明のように、
電子が電界放射される空間を固体内とすれば、真空マイ
クロ素子における問題点は基本的に解決される。さら
に、真空マイクロ素子のように各エミッタごとに電流制
限回路を設けて放電破壊現象を防止することが不要とな
るため、動作回路は極めて簡単となり、素子破壊防止の
ために費やされる余分な電力を減らすことができ、高速
かつ低消費電力の電力用素子を提供することが可能とな
る。
【0032】電子が固体中に電界放射される現象はこれ
まで電子装置としては用いられていない。物理的現象と
して存在するはずの固体中への電界放射現象が電子装置
として利用され得なかったのには、いくつかの理由が考
えられる。トンネル現象によって電子を引き出し放射さ
せるには108 V/cm程度に高い電界が必要とされる。この
ような高電界は固体材料の本質的な絶縁破壊電圧に近い
領域である。このような絶縁破壊に近い高電界下では、
固体の欠陥が致命的問題となる。この問題は、固体材料
として絶縁破壊を起こしにくい丈夫な高融点材料で、か
つ、欠陥の少ない単結晶が成長できる材料で素子を製作
することにより解決することができる。即ち、欠陥を発
生しにくい素子構造の適用と、欠陥を発生させない素子
構造形成プロセスを用いることにより解決することが可
能である。
まで電子装置としては用いられていない。物理的現象と
して存在するはずの固体中への電界放射現象が電子装置
として利用され得なかったのには、いくつかの理由が考
えられる。トンネル現象によって電子を引き出し放射さ
せるには108 V/cm程度に高い電界が必要とされる。この
ような高電界は固体材料の本質的な絶縁破壊電圧に近い
領域である。このような絶縁破壊に近い高電界下では、
固体の欠陥が致命的問題となる。この問題は、固体材料
として絶縁破壊を起こしにくい丈夫な高融点材料で、か
つ、欠陥の少ない単結晶が成長できる材料で素子を製作
することにより解決することができる。即ち、欠陥を発
生しにくい素子構造の適用と、欠陥を発生させない素子
構造形成プロセスを用いることにより解決することが可
能である。
【0033】また、かかる本発明の第5による電力用素
子において、エミッタに作用するゲートが実質的に固体
中に埋め込まれた構造となっており、かかる構造とする
ことにより、高電界下で固体表面を通して起きる沿面放
電は発生せず、ガス成分の脱吸着現象も発生しない。
子において、エミッタに作用するゲートが実質的に固体
中に埋め込まれた構造となっており、かかる構造とする
ことにより、高電界下で固体表面を通して起きる沿面放
電は発生せず、ガス成分の脱吸着現象も発生しない。
【0034】さらに、ゲートの材料とゲートが埋め込ま
れる固体の材料とが組成的に実質的に同一と認められな
い場合には、電界放射型の電力用素子の堆積の際に結晶
欠陥の発生が避けられない。ゲートの材料をゲートが埋
め込まれる固体の材料と実質的に同一の組成とした場合
には、ゲート部分に不純物を高濃度に添加することによ
って低抵抗ゲートを容易に形成することができる。
れる固体の材料とが組成的に実質的に同一と認められな
い場合には、電界放射型の電力用素子の堆積の際に結晶
欠陥の発生が避けられない。ゲートの材料をゲートが埋
め込まれる固体の材料と実質的に同一の組成とした場合
には、ゲート部分に不純物を高濃度に添加することによ
って低抵抗ゲートを容易に形成することができる。
【0035】電子がエミッタから電界放射によって注入
される固体材料は、トンネルに対するポテンシャル障壁
をできるだけ低くする点から、n型もしくはノンドープ
とするのが良い。この点でゲートの導電型はp型とする
のが良い。
される固体材料は、トンネルに対するポテンシャル障壁
をできるだけ低くする点から、n型もしくはノンドープ
とするのが良い。この点でゲートの導電型はp型とする
のが良い。
【0036】また、電子が電界放射効果により注入され
る前記固体の部分として、ダイヤモンド、炭化珪素、窒
化ボロン、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、又はこれ
らの固溶体からなる絶縁物もしくは半導体を用いると好
ましいが、これは次の理由によるものである。即ち、I
V族元素半導体やIII−V族の化合物半導体のなかで
も禁制体幅の広い、ダイヤモンドや炭化珪素、窒化ボロ
ンや窒化アルミニウム、窒化ガリウムは高融点材料であ
り、また、絶縁破壊電界も高い。したがって、これらの
材料は放電破壊現象を起こすことなく素子動作を行う点
で優れている。
る前記固体の部分として、ダイヤモンド、炭化珪素、窒
化ボロン、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、又はこれ
らの固溶体からなる絶縁物もしくは半導体を用いると好
ましいが、これは次の理由によるものである。即ち、I
V族元素半導体やIII−V族の化合物半導体のなかで
も禁制体幅の広い、ダイヤモンドや炭化珪素、窒化ボロ
ンや窒化アルミニウム、窒化ガリウムは高融点材料であ
り、また、絶縁破壊電界も高い。したがって、これらの
材料は放電破壊現象を起こすことなく素子動作を行う点
で優れている。
【0037】また、電子が電界放射効果により注入され
る前記固体の部分として、ダイヤモンド又は閃亜鉛鉱型
の結晶からなる絶縁物もしくは半導体を用いる場合に
は、特に前記固体の表面が{100}の結晶面方位を有
すると、異方性エッチングによりエッチング孔は{11
1}面で囲まれた四角錐となり、エッチング孔の先端は
極めて尖った形状となる。このエッチング孔を適当な導
電材料で埋め込むことにより、固体中へ電子を電界放射
効果によって注入する良好なエミッタが構成される。
る前記固体の部分として、ダイヤモンド又は閃亜鉛鉱型
の結晶からなる絶縁物もしくは半導体を用いる場合に
は、特に前記固体の表面が{100}の結晶面方位を有
すると、異方性エッチングによりエッチング孔は{11
1}面で囲まれた四角錐となり、エッチング孔の先端は
極めて尖った形状となる。このエッチング孔を適当な導
電材料で埋め込むことにより、固体中へ電子を電界放射
効果によって注入する良好なエミッタが構成される。
【0038】また、前記エミッタの、電子が電界放射効
果により注入される前記固体の部分に接する表面に、T
i及びCrの少なくとも一つを含有する金属薄膜が形成
されていることが好ましいが、これは以下の理由による
ものである。即ち、異方性エッチングによって形成した
エッチング孔に導電材料を埋め込み、良好なエミッタを
形成するためには、エッチングで形成された孔の先端ま
で導電材料を侵入させることが望ましい。曲率半径の小
さい先端部まで導電材料を侵入させる上での障害は、固
体である導電材料の表面張力である。ダイヤモンド等の
高融点材料の場合、Ti及びCrの少なくとも一つを含
有する金属薄膜は、曲率半径の小さいエッチング孔の先
端部まで侵入することが確認された。これはTi及びC
rの少なくとも一つを含有する金属はダイヤモンド等の
高融点材料との濡れ性が良好であることを反映した結果
と考えられる。Ti及びCrの少なくとも一つを含有す
る金属薄膜を緩衝層として、電子が注入される固体と前
記エミッタ電極(カソード電極)との間に導入すること
により、低電圧で動作するエミッタ構造を実現すること
ができた。
果により注入される前記固体の部分に接する表面に、T
i及びCrの少なくとも一つを含有する金属薄膜が形成
されていることが好ましいが、これは以下の理由による
ものである。即ち、異方性エッチングによって形成した
エッチング孔に導電材料を埋め込み、良好なエミッタを
形成するためには、エッチングで形成された孔の先端ま
で導電材料を侵入させることが望ましい。曲率半径の小
さい先端部まで導電材料を侵入させる上での障害は、固
体である導電材料の表面張力である。ダイヤモンド等の
高融点材料の場合、Ti及びCrの少なくとも一つを含
有する金属薄膜は、曲率半径の小さいエッチング孔の先
端部まで侵入することが確認された。これはTi及びC
rの少なくとも一つを含有する金属はダイヤモンド等の
高融点材料との濡れ性が良好であることを反映した結果
と考えられる。Ti及びCrの少なくとも一つを含有す
る金属薄膜を緩衝層として、電子が注入される固体と前
記エミッタ電極(カソード電極)との間に導入すること
により、低電圧で動作するエミッタ構造を実現すること
ができた。
【0039】また、電子が電界放射効果により注入され
る前記固体は平板結晶であり、前記エミッタは、当該平
板結晶の一方の面に異方性エッチングを用いて先端が尖
った孔(四角錐状孔等)を形成し、当該孔中に導電性材
料を埋め込むことにより形成されるものであることが以
下の理由により望ましい。
る前記固体は平板結晶であり、前記エミッタは、当該平
板結晶の一方の面に異方性エッチングを用いて先端が尖
った孔(四角錐状孔等)を形成し、当該孔中に導電性材
料を埋め込むことにより形成されるものであることが以
下の理由により望ましい。
【0040】即ち、前述したように真空マイクロ素子に
おける一つの問題はエミッタ間の特性のばらつきである
が、かかる本発明による電力用半導体素子の場合には、
微小な曲率半径を有するエミッタ先端構造を製作するの
に必要な工程は一つの異方性エッチング工程である。ま
た、エミッタ構造は結晶各面の特性によって決定される
ものであるために、極めて再現性が高い。スピント型の
エミッタ構造の場合のように、微小な曲率半径を有する
構造を、工程を実施する度に変化する環境の下で、形成
するのは再現性に乏しく極めて困難である。各エミッタ
ごとのばらつきも極めて大きなものにならざるを得な
い。
おける一つの問題はエミッタ間の特性のばらつきである
が、かかる本発明による電力用半導体素子の場合には、
微小な曲率半径を有するエミッタ先端構造を製作するの
に必要な工程は一つの異方性エッチング工程である。ま
た、エミッタ構造は結晶各面の特性によって決定される
ものであるために、極めて再現性が高い。スピント型の
エミッタ構造の場合のように、微小な曲率半径を有する
構造を、工程を実施する度に変化する環境の下で、形成
するのは再現性に乏しく極めて困難である。各エミッタ
ごとのばらつきも極めて大きなものにならざるを得な
い。
【0041】一方、真空マイクロ素子の製造方法におい
てシリコン等の結晶に異方性エッチングにより形成した
エッチング孔を鋳型として別種の材料からエミッタを形
成する場合も、結晶の異方性エッチングによってエミッ
タ構造を製作する点においては本発明の場合と同様であ
るが、鋳型の除去等、他段階のプロセスを経てエミッタ
構造が製作される点と、異方性エッチングによって製作
されたエッチング孔そのものがエミッタ構造の一部とは
なっていない点で異なる。多数の段階の工程を経た後で
は、形状の変形も著しくなり、また、エミッタ間のばら
つきも増大する。本発明では、一度のエッチング工程で
エミッタ構造を製作できるために極めて再現性良く、か
つ均一にエミッタを製造することが可能である。
てシリコン等の結晶に異方性エッチングにより形成した
エッチング孔を鋳型として別種の材料からエミッタを形
成する場合も、結晶の異方性エッチングによってエミッ
タ構造を製作する点においては本発明の場合と同様であ
るが、鋳型の除去等、他段階のプロセスを経てエミッタ
構造が製作される点と、異方性エッチングによって製作
されたエッチング孔そのものがエミッタ構造の一部とは
なっていない点で異なる。多数の段階の工程を経た後で
は、形状の変形も著しくなり、また、エミッタ間のばら
つきも増大する。本発明では、一度のエッチング工程で
エミッタ構造を製作できるために極めて再現性良く、か
つ均一にエミッタを製造することが可能である。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電力用素子に係る
実施形態を図面を参照しながら説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係わる電力用素子の素子構造を示す断面図である。図1
に示される本実施形態の半導体素子は、いわゆるトレン
チゲート型IGBTであり、p型コレクタ層1とn型ベ
ース層3とからなるPN接合2の一部に先鋭化された部
分を有している。この先鋭化された部分の曲率半径は概
略0.01〜0.1μmである。n型ベース層3上には
これと接するようにp型ベース層4が形成され、p型ベ
ース層4の表面にはn+ 型ソース層5が形成されてい
る。また、n+ 型ソース層5及びp型ベース層を貫通す
るように溝が設けられ、この溝にはゲート絶縁膜6を介
してゲート電極7が埋め込まれている。n+ 型ソース層
5及びp型ベース層4にはソース電極8がコンタクト
し、p型コレクタ層1にはコレクタ電極9がコンタクト
している。
実施形態を図面を参照しながら説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係わる電力用素子の素子構造を示す断面図である。図1
に示される本実施形態の半導体素子は、いわゆるトレン
チゲート型IGBTであり、p型コレクタ層1とn型ベ
ース層3とからなるPN接合2の一部に先鋭化された部
分を有している。この先鋭化された部分の曲率半径は概
略0.01〜0.1μmである。n型ベース層3上には
これと接するようにp型ベース層4が形成され、p型ベ
ース層4の表面にはn+ 型ソース層5が形成されてい
る。また、n+ 型ソース層5及びp型ベース層を貫通す
るように溝が設けられ、この溝にはゲート絶縁膜6を介
してゲート電極7が埋め込まれている。n+ 型ソース層
5及びp型ベース層4にはソース電極8がコンタクト
し、p型コレクタ層1にはコレクタ電極9がコンタクト
している。
【0043】かかる構造によれば、PN接合2の先鋭化
された部分のビルトインポテンシャルが他の部分よりも
低くなり、その分だけ素子のオン電圧が低減される。そ
の結果、PN接合のビルトインポテンシャルの大きさが
障害となっていたIGBTを比較的低耐圧の用途にも適
用することが可能となる。
された部分のビルトインポテンシャルが他の部分よりも
低くなり、その分だけ素子のオン電圧が低減される。そ
の結果、PN接合のビルトインポテンシャルの大きさが
障害となっていたIGBTを比較的低耐圧の用途にも適
用することが可能となる。
【0044】次に、第1の実施形態に係わる電力用素子
の基板を作製するための第1の方法について説明する。
図2はこの第1の方法を示す工程断面図である。まず、
図2(a)に示すようにn型基板21に異方性エッチン
グを施すことによりV字形の溝22aを形成し、次に熱
酸化を行って溝22aの先端部の先鋭化を行う(図2
(b))。22bはこの先鋭化により形成された先端部
である。
の基板を作製するための第1の方法について説明する。
図2はこの第1の方法を示す工程断面図である。まず、
図2(a)に示すようにn型基板21に異方性エッチン
グを施すことによりV字形の溝22aを形成し、次に熱
酸化を行って溝22aの先端部の先鋭化を行う(図2
(b))。22bはこの先鋭化により形成された先端部
である。
【0045】次に、熱酸化によりn型基板21の表面に
形成された熱酸化膜を除去した後、その上に高濃度p型
層23をエピタキシャル成長する(図2(c))。高濃
度p型層23の表面には段差23aが形成される。必要
により高濃度p型層23の表面をラッピングなどによっ
て平坦化して図1の基板とする。ここで、n型基板21
はn型ベース層3、高濃度p型層23はp型コレクタ層
1となり、n型基板21と高濃度p型層23との間には
一部が先鋭化されたPN接合が形成される。その後は、
この基板をひっくり返して通常のIGBT作製プロセス
工程で第1の実施形態に係わる電力用半導体素子を作製
することができる。
形成された熱酸化膜を除去した後、その上に高濃度p型
層23をエピタキシャル成長する(図2(c))。高濃
度p型層23の表面には段差23aが形成される。必要
により高濃度p型層23の表面をラッピングなどによっ
て平坦化して図1の基板とする。ここで、n型基板21
はn型ベース層3、高濃度p型層23はp型コレクタ層
1となり、n型基板21と高濃度p型層23との間には
一部が先鋭化されたPN接合が形成される。その後は、
この基板をひっくり返して通常のIGBT作製プロセス
工程で第1の実施形態に係わる電力用半導体素子を作製
することができる。
【0046】上記した異方性エッチングの工程は、基板
としてシリコン(Si)基板や立方晶炭化珪素(3C−
SiC)基板を用いた場合はエッチング液としてKOH
を用いることができる。
としてシリコン(Si)基板や立方晶炭化珪素(3C−
SiC)基板を用いた場合はエッチング液としてKOH
を用いることができる。
【0047】次に、第1の実施形態に係わる電力用素子
の基板を作製するための第2の方法について説明する。
図3はこの第2の方法を示す工程断面図である。まず、
図3(a)に示すように高濃度p型基板31に異方性エ
ッチングを施すことによりV字形の溝32を形成し、そ
の上にn型層33をエピタキシャル成長する(図3
(b))。高濃度p型層33の表面には段差33aが形
成される。必要によりn型層33の表面をラッピングな
どによって平坦化して図1の基板とする。また、高濃度
p型基板31もそのエピタキシャル成長する面と反対側
の面を研磨することにより薄くしても良い。ここで、高
濃度p型基板31はp型コレクタ層1、n型層33はn
型ベース層3となり、高濃度p型基板31とn型層33
との間には先鋭化した先端部を有するPN接合が形成さ
れる。その後は、通常のIGBT作製プロセス工程で第
1の実施形態に係わる電力用半導体素子を作製すること
ができる。この第2の方法においても上記した異方性エ
ッチングを用いることが可能である。
の基板を作製するための第2の方法について説明する。
図3はこの第2の方法を示す工程断面図である。まず、
図3(a)に示すように高濃度p型基板31に異方性エ
ッチングを施すことによりV字形の溝32を形成し、そ
の上にn型層33をエピタキシャル成長する(図3
(b))。高濃度p型層33の表面には段差33aが形
成される。必要によりn型層33の表面をラッピングな
どによって平坦化して図1の基板とする。また、高濃度
p型基板31もそのエピタキシャル成長する面と反対側
の面を研磨することにより薄くしても良い。ここで、高
濃度p型基板31はp型コレクタ層1、n型層33はn
型ベース層3となり、高濃度p型基板31とn型層33
との間には先鋭化した先端部を有するPN接合が形成さ
れる。その後は、通常のIGBT作製プロセス工程で第
1の実施形態に係わる電力用半導体素子を作製すること
ができる。この第2の方法においても上記した異方性エ
ッチングを用いることが可能である。
【0048】(第2の実施形態)図4は、本発明の第2
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。この図において、図1と同一部分には同一の符
号を付して示し詳細な説明は省略する。
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。この図において、図1と同一部分には同一の符
号を付して示し詳細な説明は省略する。
【0049】本実施形態の半導体素子では、p型コレク
タ層41とn型ベース層43との間にPN接合42が形
成され、このPN接合42の一部はリアクティブイオン
エッチング(RIE)などによって先鋭化されている。
即ち、リアクティブイオンエッチング(RIE)などに
よってp型コレクタ層41に溝を形成し、この溝を含む
p型コレクタ層41全面にn型ベース層43をエピタキ
シャル成長により形成することにより、溝の角が尖端部
となったPN接合42が形成される。この先鋭化された
部分の曲率半径は概略0.3μmである。
タ層41とn型ベース層43との間にPN接合42が形
成され、このPN接合42の一部はリアクティブイオン
エッチング(RIE)などによって先鋭化されている。
即ち、リアクティブイオンエッチング(RIE)などに
よってp型コレクタ層41に溝を形成し、この溝を含む
p型コレクタ層41全面にn型ベース層43をエピタキ
シャル成長により形成することにより、溝の角が尖端部
となったPN接合42が形成される。この先鋭化された
部分の曲率半径は概略0.3μmである。
【0050】また、これとは反対にリアクティブイオン
エッチング(RIE)などによってn型ベース層43に
溝を形成し、この溝を含むn型ベース層43全面にp型
コレクタ層41をエピタキシャル成長により形成するこ
とによっても同様の基板が得られる。
エッチング(RIE)などによってn型ベース層43に
溝を形成し、この溝を含むn型ベース層43全面にp型
コレクタ層41をエピタキシャル成長により形成するこ
とによっても同様の基板が得られる。
【0051】このように先鋭化された部分のビルトイン
ポテンシャルは低くなり、これによってオン電圧を低減
することが可能となる。この方法によれば、薬液による
異方性エッチングができない材料においてもRIEによ
って溝を形成することができるので、適用可能な材料の
範囲が広くなるという利点を有している。
ポテンシャルは低くなり、これによってオン電圧を低減
することが可能となる。この方法によれば、薬液による
異方性エッチングができない材料においてもRIEによ
って溝を形成することができるので、適用可能な材料の
範囲が広くなるという利点を有している。
【0052】上記したリアクティブイオンエッチングの
工程は、基板としてシリコン(Si)基板を用いた場合
はエッチングガスとしてHBrとNF3 を含む混合ガス
を用い、炭化珪素(SiC)基板を用いた場合はエッチ
ングガスとしてSF6 とO2を含む混合ガス、又はNF3
を含むガスを用いることができる。
工程は、基板としてシリコン(Si)基板を用いた場合
はエッチングガスとしてHBrとNF3 を含む混合ガス
を用い、炭化珪素(SiC)基板を用いた場合はエッチ
ングガスとしてSF6 とO2を含む混合ガス、又はNF3
を含むガスを用いることができる。
【0053】(第3の実施形態)図5は、本発明の第3
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。この図において、図1と同一部分には同一の符
号を付して示し詳細な説明は省略する。
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。この図において、図1と同一部分には同一の符
号を付して示し詳細な説明は省略する。
【0054】本実施形態の半導体素子では、p型コレク
タ層51とn型ベース層53との間にPN接合52が形
成され、このPN接合52の一部は第2の実施形態の場
合よりもさらに先鋭化されている。即ち、リアクティブ
イオンエッチング(RIE)のエッチング条件を選ぶこ
とによってn型ベース層53に底面端部がえぐれた溝を
形成し、この溝を含むn型ベース層53全面にp型コレ
クタ層51をエピタキシャル成長により形成し、この基
板をひっくり返すことにより、溝のえぐれた部分が尖端
部となったPN接合52が形成される。この先鋭化され
た部分の曲率半径は概略0.01〜0.1μmである。
本実施形態の装置によれば、第2の実施形態よりもさら
にビルトインポテンシャルを低くすることができ、オン
電圧を更に低減することが可能となる。
タ層51とn型ベース層53との間にPN接合52が形
成され、このPN接合52の一部は第2の実施形態の場
合よりもさらに先鋭化されている。即ち、リアクティブ
イオンエッチング(RIE)のエッチング条件を選ぶこ
とによってn型ベース層53に底面端部がえぐれた溝を
形成し、この溝を含むn型ベース層53全面にp型コレ
クタ層51をエピタキシャル成長により形成し、この基
板をひっくり返すことにより、溝のえぐれた部分が尖端
部となったPN接合52が形成される。この先鋭化され
た部分の曲率半径は概略0.01〜0.1μmである。
本実施形態の装置によれば、第2の実施形態よりもさら
にビルトインポテンシャルを低くすることができ、オン
電圧を更に低減することが可能となる。
【0055】上記したリアクティブイオンエッチングの
工程としては、溝側壁の堆積膜生成が抑えられるように
O2 ガス流量を抑えるなどの方法を用いることができ
る。かかる方法により、溝をボーイング形状(溝のほぼ
中間深さの部分の幅が溝の開口部及び底部の幅よりも広
くなった形状)として斜め入射イオンを増加させること
ができ、底面端部がえぐれた溝を形成することが可能で
ある。
工程としては、溝側壁の堆積膜生成が抑えられるように
O2 ガス流量を抑えるなどの方法を用いることができ
る。かかる方法により、溝をボーイング形状(溝のほぼ
中間深さの部分の幅が溝の開口部及び底部の幅よりも広
くなった形状)として斜め入射イオンを増加させること
ができ、底面端部がえぐれた溝を形成することが可能で
ある。
【0056】(第4の実施形態)図6は、本発明の第4
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。図6に示される本実施形態の半導体素子は、い
わゆるトレンチ型ショットキーバリアダイオードであ
り、n型ベース層62とショットキー電極67とからな
るショットキー接合66の一部に先鋭化された部分を有
している。この先鋭化された部分の曲率半径は概略0.
01〜0.1μmである。n型ベース層62のショット
キー電極67と反対側の面には高濃度n型層61が形成
されており、この高濃度n型層61にはアノード電極
(オーミック電極)68がコンタクトしている。
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。図6に示される本実施形態の半導体素子は、い
わゆるトレンチ型ショットキーバリアダイオードであ
り、n型ベース層62とショットキー電極67とからな
るショットキー接合66の一部に先鋭化された部分を有
している。この先鋭化された部分の曲率半径は概略0.
01〜0.1μmである。n型ベース層62のショット
キー電極67と反対側の面には高濃度n型層61が形成
されており、この高濃度n型層61にはアノード電極
(オーミック電極)68がコンタクトしている。
【0057】また、n型ベース層62はメサ型に形成さ
れており、n型ベース層62のメサ領域63に隣接して
溝が設けられている。この溝の表面には高濃度p型層6
4が形成されており、当該溝を埋め込むように高濃度p
型ポリシリコン層65が形成されている。ショットキー
接合66の先鋭化された部分の深さは、高濃度p型ポリ
シリコン層65の深さよりも浅くなっている。前記ショ
ットキー電極67は、高濃度p型層64及び高濃度p型
ポリシリコン層65にもコンタクトしている。
れており、n型ベース層62のメサ領域63に隣接して
溝が設けられている。この溝の表面には高濃度p型層6
4が形成されており、当該溝を埋め込むように高濃度p
型ポリシリコン層65が形成されている。ショットキー
接合66の先鋭化された部分の深さは、高濃度p型ポリ
シリコン層65の深さよりも浅くなっている。前記ショ
ットキー電極67は、高濃度p型層64及び高濃度p型
ポリシリコン層65にもコンタクトしている。
【0058】かかる構造によれば、先鋭化された部分の
バリアハイトが他の部分よりも低くなり、その分だけ素
子のオン電圧が低減される。その結果、安定した電極材
料を用いてバリアハイトを低下させることが可能とな
る。
バリアハイトが他の部分よりも低くなり、その分だけ素
子のオン電圧が低減される。その結果、安定した電極材
料を用いてバリアハイトを低下させることが可能とな
る。
【0059】本実施形態に係わる電力用半導体素子の基
板において、n型ベース層62のメサ領域63とショッ
トキー電極67との間のショットキー接合66に先鋭化
部分を形成するためには、第1の実施形態で述べた異方
性エッチング方法を用いることができ、異方性エッチン
グにより形成した孔にショットキー電極67を埋め込ん
でショットキーバリアダイオードを作製することが可能
である。
板において、n型ベース層62のメサ領域63とショッ
トキー電極67との間のショットキー接合66に先鋭化
部分を形成するためには、第1の実施形態で述べた異方
性エッチング方法を用いることができ、異方性エッチン
グにより形成した孔にショットキー電極67を埋め込ん
でショットキーバリアダイオードを作製することが可能
である。
【0060】(第5の実施形態)図7は、本発明の第5
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。この図において、図1と同一部分には同一の符
号を付して示し詳細な説明は省略する。
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。この図において、図1と同一部分には同一の符
号を付して示し詳細な説明は省略する。
【0061】本実施形態の半導体素子では、n型ベース
層62のメサ領域73とショットキー電極77との間に
ショットキー接合76が形成され、このショットキー接
合76の一部はリアクティブイオンエッチング(RI
E)などによって先鋭化されている。即ち、リアクティ
ブイオンエッチング(RIE)などによってn型ベース
層62のメサ領域73に溝を形成し、この溝を含むメサ
領域73全面にショットキー電極77を形成することに
より、溝の角が尖端部となったショットキー接合76が
形成される。ショットキー接合76の先鋭化された部分
の深さは、高濃度p型ポリシリコン層65の深さよりも
浅くなっている。上記先鋭化された部分の曲率半径は概
略0.3μmである。
層62のメサ領域73とショットキー電極77との間に
ショットキー接合76が形成され、このショットキー接
合76の一部はリアクティブイオンエッチング(RI
E)などによって先鋭化されている。即ち、リアクティ
ブイオンエッチング(RIE)などによってn型ベース
層62のメサ領域73に溝を形成し、この溝を含むメサ
領域73全面にショットキー電極77を形成することに
より、溝の角が尖端部となったショットキー接合76が
形成される。ショットキー接合76の先鋭化された部分
の深さは、高濃度p型ポリシリコン層65の深さよりも
浅くなっている。上記先鋭化された部分の曲率半径は概
略0.3μmである。
【0062】上記したように溝の角が尖端部となったシ
ョットキー接合76によれば、この尖端部のバリアハイ
トが低くなってオン電圧を低減することが可能となる。
このような構成によれば、薬液による異方性エッチング
ができない材料においてもRIEによって溝を形成する
ことができるので、適用可能な材料の範囲が広くなると
いう利点を有している。
ョットキー接合76によれば、この尖端部のバリアハイ
トが低くなってオン電圧を低減することが可能となる。
このような構成によれば、薬液による異方性エッチング
ができない材料においてもRIEによって溝を形成する
ことができるので、適用可能な材料の範囲が広くなると
いう利点を有している。
【0063】本実施形態に係わる電力用半導体素子の基
板において、n型ベース層62のメサ領域73とショッ
トキー電極77との間のショットキー接合76に先鋭化
部分を形成するためには、第2の実施形態で述べた異方
性エッチング方法を用いることができ、異方性エッチン
グにより形成した孔にショットキー電極77を埋め込ん
でショットキーバリアダイオードを作製することが可能
である。
板において、n型ベース層62のメサ領域73とショッ
トキー電極77との間のショットキー接合76に先鋭化
部分を形成するためには、第2の実施形態で述べた異方
性エッチング方法を用いることができ、異方性エッチン
グにより形成した孔にショットキー電極77を埋め込ん
でショットキーバリアダイオードを作製することが可能
である。
【0064】(第6の実施形態)図8は、本発明の第6
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。この図において、図1と同一部分には同一の符
号を付して示し詳細な説明は省略する。
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。この図において、図1と同一部分には同一の符
号を付して示し詳細な説明は省略する。
【0065】本実施形態の半導体素子では、n型ベース
層62のメサ領域83とショットキー電極87との間に
ショットキー接合86が形成され、このショットキー接
合86の一部は第5の実施形態の場合よりもさらに先鋭
化されている。即ち、リアクティブイオンエッチング
(RIE)のエッチング条件を選ぶことによってn型ベ
ース層62のメサ領域83に底面端部がえぐれた溝を形
成し、この溝を含むメサ領域83全面にショットキー電
極87を形成することにより、溝のえぐれた部分が尖端
部となったショットキー接合86が形成される。ショッ
トキー接合86の先鋭化された部分の深さは、高濃度p
型ポリシリコン層65の深さよりも浅くなっている。こ
の先鋭化された部分の曲率半径は概略0.01〜0.1
μmである。本実施形態の装置によれば、第5の実施形
態よりもさらに上記尖端部のバリアハイトが低くなって
オン電圧を更に低減することが可能となる。
層62のメサ領域83とショットキー電極87との間に
ショットキー接合86が形成され、このショットキー接
合86の一部は第5の実施形態の場合よりもさらに先鋭
化されている。即ち、リアクティブイオンエッチング
(RIE)のエッチング条件を選ぶことによってn型ベ
ース層62のメサ領域83に底面端部がえぐれた溝を形
成し、この溝を含むメサ領域83全面にショットキー電
極87を形成することにより、溝のえぐれた部分が尖端
部となったショットキー接合86が形成される。ショッ
トキー接合86の先鋭化された部分の深さは、高濃度p
型ポリシリコン層65の深さよりも浅くなっている。こ
の先鋭化された部分の曲率半径は概略0.01〜0.1
μmである。本実施形態の装置によれば、第5の実施形
態よりもさらに上記尖端部のバリアハイトが低くなって
オン電圧を更に低減することが可能となる。
【0066】本実施形態に係わる電力用半導体素子の基
板において、n型ベース層62のメサ領域83とショッ
トキー電極87との間のショットキー接合86に先鋭化
部分を形成するためには、第3の実施形態で述べた異方
性エッチング方法を用いることができ、異方性エッチン
グにより形成した孔にショットキー電極87を埋め込ん
でショットキーバリアダイオードを作製することが可能
である。
板において、n型ベース層62のメサ領域83とショッ
トキー電極87との間のショットキー接合86に先鋭化
部分を形成するためには、第3の実施形態で述べた異方
性エッチング方法を用いることができ、異方性エッチン
グにより形成した孔にショットキー電極87を埋め込ん
でショットキーバリアダイオードを作製することが可能
である。
【0067】(第7の実施形態)図9は、本発明の第7
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。図9に示すように、(100)を主面とするノ
ンドープダイヤモンド板状結晶91の一方の面には、先
端が先鋭化された角錐状孔92が形成され、この角錐状
孔92にはMo金属層93が埋め込まれてエミッタが構
成されている。角錐状孔92とMo金属層93との間に
は、厚みが1nmのTi薄膜94が挿入されている。角
錐状孔92の先端部の曲率半径は概略0.01〜0.1
μmである。ダイヤモンド板状結晶91の、エミッタに
相対する面にはTi層、Pt層、Au層が順に積層され
てなる電極95がアノード電極として形成されている。
また、エミッタとして機能する角錐状孔92の先端部を
取り囲むごとくp型ダイヤモンド層96がダイヤモンド
板状結晶91に埋め込まれ、ゲートとして機能する。
の実施形態に係わる電力用素子の素子構造を示す断面図
である。図9に示すように、(100)を主面とするノ
ンドープダイヤモンド板状結晶91の一方の面には、先
端が先鋭化された角錐状孔92が形成され、この角錐状
孔92にはMo金属層93が埋め込まれてエミッタが構
成されている。角錐状孔92とMo金属層93との間に
は、厚みが1nmのTi薄膜94が挿入されている。角
錐状孔92の先端部の曲率半径は概略0.01〜0.1
μmである。ダイヤモンド板状結晶91の、エミッタに
相対する面にはTi層、Pt層、Au層が順に積層され
てなる電極95がアノード電極として形成されている。
また、エミッタとして機能する角錐状孔92の先端部を
取り囲むごとくp型ダイヤモンド層96がダイヤモンド
板状結晶91に埋め込まれ、ゲートとして機能する。
【0068】かかる構造の電子装置では、エミッタが負
になるようバイアスが印加された時、エミッタなるMo
金属層93の角錐状孔92の先端部から電子が電界放射
効果によってダイヤモンド板状結晶層91に注入され、
アノード電極95から電流が取り出される。これはいわ
ゆる真空マイクロ素子によって実現される機能と同一で
ある。しかるに本発明の素子の場合には、真空マイクロ
素子で観測されたエミッタの溶融破壊現象や、雑音や異
常な特性変動は観測されなかった。
になるようバイアスが印加された時、エミッタなるMo
金属層93の角錐状孔92の先端部から電子が電界放射
効果によってダイヤモンド板状結晶層91に注入され、
アノード電極95から電流が取り出される。これはいわ
ゆる真空マイクロ素子によって実現される機能と同一で
ある。しかるに本発明の素子の場合には、真空マイクロ
素子で観測されたエミッタの溶融破壊現象や、雑音や異
常な特性変動は観測されなかった。
【0069】(第8の実施形態)図10は、本発明の第
8の実施形態に係わる電力用素子の製造方法を示す工程
断面図である。まず、図10(a)に示すように、厚さ
が100μmの結晶面が(100)のダイヤモンド結晶
101の表面に真空蒸着法によって0.5μm厚のSi
O2 膜102を形成し、SiO2 膜102上にフォトリ
ソグラフィー法によってリング状の開口部を有するフォ
トレジストマスク103を形成する。
8の実施形態に係わる電力用素子の製造方法を示す工程
断面図である。まず、図10(a)に示すように、厚さ
が100μmの結晶面が(100)のダイヤモンド結晶
101の表面に真空蒸着法によって0.5μm厚のSi
O2 膜102を形成し、SiO2 膜102上にフォトリ
ソグラフィー法によってリング状の開口部を有するフォ
トレジストマスク103を形成する。
【0070】次に、図10(b)に示すように、フォト
レジストマスク103を用いて、反応性イオンエッチン
グ法によってSiO2 膜102を選択エッチングする。
このエッチングにおいて、SF6 、CHF3 等のガスを
用いる。その後、O2 アッシャーによりフォトレジスト
マスク103を除去してSiO2 マスク104を形成す
る。
レジストマスク103を用いて、反応性イオンエッチン
グ法によってSiO2 膜102を選択エッチングする。
このエッチングにおいて、SF6 、CHF3 等のガスを
用いる。その後、O2 アッシャーによりフォトレジスト
マスク103を除去してSiO2 マスク104を形成す
る。
【0071】次に、図10(c)に示すように、SiO
2 マスク104を用いてダイヤモンド結晶101中にp
型不純物であるBの拡散を行い、p型ダイヤモンド層か
らなるリング状のゲート層105を形成する。SiO2
マスク104は希フッ酸によりエッチング除去し、この
後ダイヤモンド結晶101面上に、CVD法によって2
μm厚のノンドープダイヤモンド層106を一様にホモ
エピタキシャル成長する。しかる後に0.5μm厚のS
iO2 膜107をCVD法によって再度形成し、フォト
リソグラフィ法によってゲート層105の中心部に開口
を有するフォトレジストマスク108を形成する。
2 マスク104を用いてダイヤモンド結晶101中にp
型不純物であるBの拡散を行い、p型ダイヤモンド層か
らなるリング状のゲート層105を形成する。SiO2
マスク104は希フッ酸によりエッチング除去し、この
後ダイヤモンド結晶101面上に、CVD法によって2
μm厚のノンドープダイヤモンド層106を一様にホモ
エピタキシャル成長する。しかる後に0.5μm厚のS
iO2 膜107をCVD法によって再度形成し、フォト
リソグラフィ法によってゲート層105の中心部に開口
を有するフォトレジストマスク108を形成する。
【0072】次に、図10(d)に示すように、フォト
レジストマスク108を用いてSiO2 膜107をエッ
チングし、SiO2 マスク109を形成する。さらに、
フォトレジストマスク108を除去した後、SiO2 マ
スク109を用い熱酸化によりノンドープダイヤモンド
層106に対して異方性エッチングを行い、ノンドープ
ダイヤモンド層106に四角錐状孔110を形成する。
この四角錐状孔110の先端部の曲率半径は概略0.0
1〜0.1μmである。
レジストマスク108を用いてSiO2 膜107をエッ
チングし、SiO2 マスク109を形成する。さらに、
フォトレジストマスク108を除去した後、SiO2 マ
スク109を用い熱酸化によりノンドープダイヤモンド
層106に対して異方性エッチングを行い、ノンドープ
ダイヤモンド層106に四角錐状孔110を形成する。
この四角錐状孔110の先端部の曲率半径は概略0.0
1〜0.1μmである。
【0073】しかる後に、図10(e)に示すように、
SiO2 マスク109上から真空蒸着法によってTi層
111を1nm堆積させた後、Mo層112を真空蒸着
してカソード電極を形成する。ダイヤモンド結晶101
のカソード電極112と反対側の面にはTi層、Pt
層、Au層を順に真空蒸着してアノード電極110を形
成する。なお、Ti層111はノンドープダイヤモンド
層106全面に形成しても良いし、図10(e)のよう
に四角錐状孔110内に選択的に形成しても良い。後者
の場合にはウエハーの反りが低減されるという利点があ
る。
SiO2 マスク109上から真空蒸着法によってTi層
111を1nm堆積させた後、Mo層112を真空蒸着
してカソード電極を形成する。ダイヤモンド結晶101
のカソード電極112と反対側の面にはTi層、Pt
層、Au層を順に真空蒸着してアノード電極110を形
成する。なお、Ti層111はノンドープダイヤモンド
層106全面に形成しても良いし、図10(e)のよう
に四角錐状孔110内に選択的に形成しても良い。後者
の場合にはウエハーの反りが低減されるという利点があ
る。
【0074】かかる製造方法によって製作された電界放
射電子装置は、各エミッタ間の特性のばらつきが極めて
少なく、安定した特性を実現することが可能となった。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはない。
例えばGTOサイリスタのPエミッタ層とNベース層と
の間の接合に先端部を用いるなど、逆耐圧の要求されな
いPN接合ならば、種々のデバイスに適用してそれらの
オン電圧を低減することができる。
射電子装置は、各エミッタ間の特性のばらつきが極めて
少なく、安定した特性を実現することが可能となった。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはない。
例えばGTOサイリスタのPエミッタ層とNベース層と
の間の接合に先端部を用いるなど、逆耐圧の要求されな
いPN接合ならば、種々のデバイスに適用してそれらの
オン電圧を低減することができる。
【0075】また、第7及び第8の実施形態では基本的
な構造のみを示したが、この構造を繰り返した構造やゲ
ート形状を変形した構造などにも適用することができ
る。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変
形して実施できる。
な構造のみを示したが、この構造を繰り返した構造やゲ
ート形状を変形した構造などにも適用することができ
る。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変
形して実施できる。
【0076】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、先
鋭化されたPN接合やショットキー接合が形成されるこ
とにより、ビルトインポテンシャルやショットキーバリ
アハイトが低減して、オン電圧の小さな電力用素子を実
現することができる。
鋭化されたPN接合やショットキー接合が形成されるこ
とにより、ビルトインポテンシャルやショットキーバリ
アハイトが低減して、オン電圧の小さな電力用素子を実
現することができる。
【0077】また、本発明によれば、固体中への電子の
電界放出現象を用いることにより、放電破壊や特性変動
の問題を解決し、高速かつ低消費電力で安定した動作を
有する特性の優れた電力用素子を提供することが可能と
なる。この点で本発明の価値は極めて高い。
電界放出現象を用いることにより、放電破壊や特性変動
の問題を解決し、高速かつ低消費電力で安定した動作を
有する特性の優れた電力用素子を提供することが可能と
なる。この点で本発明の価値は極めて高い。
【図1】 本発明の第1の実施形態に係わる電力用半導
体素子の素子構造を示す断面図。
体素子の素子構造を示す断面図。
【図2】 本発明の第1の実施形態に係わる電力用半導
体素子を製造する第1の方法を示す工程断面図。
体素子を製造する第1の方法を示す工程断面図。
【図3】 本発明の第1の実施形態に係わる電力用半導
体素子を製造する第2の方法を示す工程断面図。
体素子を製造する第2の方法を示す工程断面図。
【図4】 本発明の第2の実施形態に係わる電力用半導
体素子の素子構造を示す断面図。
体素子の素子構造を示す断面図。
【図5】 本発明の第3の実施形態に係わる電力用半導
体素子の素子構造を示す断面図。
体素子の素子構造を示す断面図。
【図6】 本発明の第4の実施形態に係わる電力用半導
体素子の素子構造を示す断面図。
体素子の素子構造を示す断面図。
【図7】 本発明の第5の実施形態に係わる電力用半導
体素子の素子構造を示す断面図。
体素子の素子構造を示す断面図。
【図8】 本発明の第6の実施形態に係わる電力用半導
体素子の素子構造を示す断面図。
体素子の素子構造を示す断面図。
【図9】 本発明の第7の実施形態に係わる電子の固体
中への電界放出現象を用いた電力用素子の素子構造を示
す断面図。
中への電界放出現象を用いた電力用素子の素子構造を示
す断面図。
【図10】 本発明の第8の実施形態に係わる電子の固
体中への電界放出現象を用いた電力用素子を製造する方
法を示す工程断面図。
体中への電界放出現象を用いた電力用素子を製造する方
法を示す工程断面図。
【図11】 従来のトレンチ型IGBTの素子構造を示
す断面図。
す断面図。
【図12】 従来のトレンチ型ショットキーバリアダイ
オードの素子構造を示す断面図。
オードの素子構造を示す断面図。
1、41、51…p型コレクタ層
2、42、52…PN接合
3、43、53…n型ベース層
4…p型ベース層
5…n+ 型ソース層
6…ゲート絶縁膜
7…ゲート電極
8…ソース電極
9…コレクタ電極
61…高濃度n型層
62…n型ベース層
63、73、83…メサ領域
64…高濃度p型層
65…高濃度p型ポリシリコン層
66、76、86…ショットキー接合
67、77、87…ショットキー電極
68…アノード電極(オーミック電極)
91…ノンドープダイヤモンド結晶
92…角錐状孔
93…Mo金属層
94…Ti薄膜
95…アノード電極
96…ゲート(p型ダイヤモンド層)
101…ダイヤモンド結晶
102…SiO2 膜
103…レジストマスク
104…SiO2 マスク
105…ゲート層
106…ノンドープダイヤモンド層
107…SiO2 膜
108…フォトレジストマスク
109…SiO2
110…アノード電極
111…四角錐状孔
112…カソード電極
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01L 29/78
H01L 21/336
H01L 29/40 - 29/51
Claims (9)
- 【請求項1】基板に設けられた第1導電型半導体領域
と、この第1導電型半導体領域と接して設けられ、前記
第1導電型半導体領域と接合を形成する第2導電型半導
体領域とを備え、前記第1導電型半導体領域と第2導電
型半導体領域との間に形成される接合の一部は、その断
面形状がV字状となるように先鋭化されており、この先
鋭化された部分の曲率半径が0.5μm以下であること
を特徴とする電力用素子。 - 【請求項2】前記接合の先鋭化された部分の曲率半径が
0.1μm以下であることを特徴とする請求項1記載の
電力用素子。 - 【請求項3】基板に設けられた第1導電型半導体領域
と、この第1導電型半導体領域と接して設けられ、前記
第1導電型半導体領域と接合を形成する第2導電型半導
体領域とを備え、前記第1導電型半導体領域には底面端
部がえぐれた溝が設けられ、この溝に前記第2導電型領
域が埋め込まれて前記第1導電型半導体領域と第2導電
型半導体領域との間に接合が形成され、前記溝のえぐれ
た部分に相当する前記接合の一部の曲率半径が0.5μ
m以下であることを特徴とする電力用素子。 - 【請求項4】前記接合の一部の曲率半径が0.01〜
0.1μmであることを特徴とする請求項3記載の電力
用素子。 - 【請求項5】基板の半導体領域と、この半導体領域と接
して設けられ、前記半導体領域とショットキー接合を形
成する電極とを備え、前記ショットキー接合の一部が先
鋭化されており、この先鋭化された部分の曲率半径が
0.5μm以下であることを特徴とする電力用素子。 - 【請求項6】前記ショットキー接合の一部は、その断面
形状がV字状となるように先鋭化されていることを特徴
とする請求項5記載の電力用素子。 - 【請求項7】前記ショットキー接合の先鋭化された部分
の曲率半径が0.1μm以下であることを特徴とする請
求項5又は6記載の電力用素子。 - 【請求項8】基板の半導体領域と、この半導体領域と接
して設けられ、前記半導体領域とショットキー接合を形
成する電極とを備え、前記半導体領域には底面端部がえ
ぐれた溝が設けられ、この溝に前記電極が埋め込まれて
前記半導体領域と電極との間にショットキー接合が形成
され、前記溝のえぐれた部分に相当する前記ショットキ
ー接合の一部の曲率半径が0.5μm以下であることを
特徴とする電力用素子。 - 【請求項9】前記ショットキー接合の一部の曲率半径が
0.01〜0.1μmであることを特徴とする請求項8
記載の電力用素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27453698A JP3417852B2 (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 電力用素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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