JP3415344B2 - 電界発光素子 - Google Patents

電界発光素子

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JP3415344B2 JP23662395A JP23662395A JP3415344B2 JP 3415344 B2 JP3415344 B2 JP 3415344B2 JP 23662395 A JP23662395 A JP 23662395A JP 23662395 A JP23662395 A JP 23662395A JP 3415344 B2 JP3415344 B2 JP 3415344B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は電気信号に応答して
発光する電界発光素子(EL素子)に関する。
【0002】
【従来の技術】EL素子には既に数多くの技術開示があ
り、例えばポルフィリン化合物p層EL素子(特開昭5
7−51781号)、アルカリ土類金属含有陰極EL素
子(特開昭59−194393号)、高輝度金属キレー
ト化合物発光EL素子、芳香族三級アミン化合物p層E
L素子(特開昭63−295695号、特開平2−15
5595号)が知られている。これらのEL素子はいず
れも約10V付近で数百cd/m2 の高輝度のものが得
られるようになって以来、数多くの研究開発が行われて
いる。さらに、EL素子に用いられる物質についても特
開平1−245087号、同1−256584号同2−
88689号、同2−216791号、同2−2896
76号、同2−305886号に提案がある。
【0003】これら従来のEL素子は低電圧で高輝度が
得られるが、著しく耐久性が低いという欠点がある。ま
た、素子を構成する全ての薄膜層を蒸着により成膜する
と良好な輝度を示すがコスト高を招き、一方低コストの
塗布法により成膜すると高輝度が得られないなどの欠点
がある。
【0004】ところで、ポリシラン類は蛍光発光効率が
高い発光材料であり、しかも塗布法により成膜が可能で
あるため、素子効率および製造コストの観点から、EL
素子の発光材料として有望な材料の1つである。
【0005】特開平3−126787号にはポリシラン
を使用したEL素子が提示されている。しかし、このE
L素子はいわゆる内部EL素子であり、AC駆動により
発光を実現するため低電圧駆動ができず、さらに周辺回
路の簡素化が図れないという欠点があった。一方、ポリ
シラン類を電荷注入型EL素子へ応用することも試みら
れているが、主にポリシラン類の電子注入性能および電
子輸送性能が低いことから、EL発光を観察できるまで
には至っていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、本発明者らは先
にポリシラン類のポリマー主鎖をガラスマトリックスで
化学的に架橋したガラス複合材料をEL素子の発光層と
して用いることでEL発光を観測した。すなわち、ポリ
マー主鎖に直接結合した酸素原子によってポリマー主鎖
どうしが相互に架橋した構造を有するガラス複合材料を
用いれば、ポリシラン類に電子注入性および電子輸送性
を付与することができ、ポリシラン類を用いた電荷注入
型EL素子ではじめてEL発光が実現できるようになっ
た。しかも、このガラス複合材料はポリマー鎖中の架橋
箇所が3箇所以上と多いため、耐UV性などの耐久性お
よび機械的強度に優れるという特長を有する。
【0007】このように本発明者らが提案したポリシラ
ン類を含有するガラス複合材料を用いれば、電荷注入型
EL発光を実現でき、良好な耐久性も得られるが、EL
発光の発光機構は未解明であり、EL発光機構を解明す
ることにより発光効率などの素子特性をさらに改善でき
る余地が残されていた。本発明の目的は、発光層にポリ
シラン類を用い、さらに発光効率などの素子特性が改善
された電界発光素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電界発光素子
は、1対の電極間に発光層を有する電界発光素子におい
て、上記発光層がポリシラン、ポリゲルマンおよびポリ
スタナンならびにこれらの共重合体から選択されるポリ
マーを含有し、上記ポリマー中の全M原子(ただし、M
はSi,GeおよびSnから選択される少なくとも1
種)の1〜5%が、M原子の4本の結合手のうち3本以
上でM−M結合を形成していることを特徴とするもので
ある。
【0009】本発明の電界発光素子においては、発光層
が、ポリシラン、ポリゲルマンおよびポリスタナンなら
びにこれらの共重合体から選択されるポリマー鎖と、金
属−酸素−金属結合により網状構造をなすガラスマトリ
ックスとを有し、ポリマー鎖がガラスマトリックスで化
学的に架橋されたガラス複合材料を含有することが好ま
しい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。なお以下の説明では簡略化のために、ポリシラ
ン、ポリゲルマンおよびポリスタナンならびにこれらの
共重合体を、ポリシラン類と総称する場合がある。
【0011】本発明の電界発光素子を構成する発光層
は、ポリシラン、ポリゲルマンおよびポリスタナンなら
びにこれらの共重合体から選択されるポリマーを含有
し、上記ポリマーのポリマー主鎖を構成するM原子(た
だし、MはSi,GeおよびSnから選択される少なく
とも1種)の一部について、M原子の4本の結合手のう
ち3本以上でM−M結合を形成している。すなわち、発
光層に含有されるポリシラン類のポリマー主鎖は、4本
の結合手のうち3本以上でM−M結合を形成しているM
原子において分岐した構造を有する。なお、ポリシラン
類のポリマー主鎖は分岐部を有していればよく、全体的
には(5員環、6員環などの小員環を含む)環状、ネッ
トワーク状、デンドリマー状などいかなる構造でもよ
い。
【0012】上記のような発光層では以下のような機構
によりEL発光が生じる。すなわち、4本の結合手のう
ち3本以上でM−M結合を形成しているM原子の近傍
(ポリマー主鎖の分岐部)の電子状態は、4本の結合手
のうち2本だけがM−M結合を形成しているポリマー主
鎖よりもエネルギーギャップが小さい。このため、上記
M原子の近傍ではホールおよび電子が蓄積されやすく、
EL発光が起こりやすい。また、上記M原子付近で生じ
る発光の寿命は、ポリマー主鎖の直鎖部で生じる発光の
寿命よりも2桁以上長い。このため、ポリマー主鎖の直
鎖部における励起状態が分岐部に移動しやすく、上記M
原子付近で優先的に発光が生じる。このような理由から
ポリマー分岐構造を担うM原子はEL発光中心となり、
結果的にEL発光効率の増大や、シャープな発光スペク
トルが得られることに基づく発光色の純度の向上などに
寄与する。
【0013】また、上記要件を満たすM原子の割合をポ
リマー主鎖の全M原子の1〜5%と規定したのは以下の
ような理由による。ここで、上記要件を満たすM原子付
近の電子状態は、そのM原子と化学的に結合したポリマ
ー主鎖、特にそのM原子を中心として放射状に延びるポ
リマー主鎖の長さにも依存する。すなわち、上記要件を
満たすM原子の割合が多く、このようなM原子を中心と
して放射状に延びるポリマー主鎖の長さが短い場合に
は、共役効果の寄与が小さい。このためポリマー主鎖の
エネルギーギャップは大きくなり、M原子付近でのエネ
ルギーギャップも大きくなる傾向があり、ホール−電子
再結合が起こりにくくなる。しかも、上記要件を満たす
M原子の割合が多い場合には、励起状態での間接遷移が
起こりやすくなる。このため、EL発光効率が低下す
る。一方、上記要件を満たすM原子の割合が少なく、こ
のようなM原子を中心として放射状に延びるポリマー主
鎖の長さが長い場合には、上記と逆の理由で分岐部のM
原子でのEL発光効率は良好になる。しかし、EL発光
中心となるM原子のサイト数があまりに少なすぎれば、
全体でのEL発光効率が低下する。一方、本発明で規定
したポリシラン類のM原子のうちでも、4本の結合手の
うち3本でM−M結合を有するM原子の方が、4本全て
でM−M結合を形成するM原子よりも蛍光発光効率が高
い。また、3本のM−M結合を有するM原子は残りの1
つの結合手にO,N,Sなどのさまざまな原子を結合さ
せることにより電子状態を制御でき、ホール−電子対の
再結合効率を向上させることができるために好ましい。
【0014】以上のような理由から、4本の結合手のう
ち4本でM−M結合を形成するM原子については、ポリ
マー中のM原子組成比で1%以上5%以下であることが
好ましい。なお、上記要件を満たすM原子付近でのエネ
ルギーギャップは、そのM原子を中心として放射状に延
びるポリマー主鎖の長さにも依存することから、分岐を
なすM原子の割合により発光波長をある程度調整するこ
ともできる。
【0015】さらに本発明の電界発光素子では、例えば
ポリマー主鎖の分岐部が非常に多いことでポリマーの結
晶性が高められ、シリコン微結晶、ゲルマニウム微結
晶、スズ微結晶に類似の構造が生成されると、これら微
結晶がポリマー主鎖とは異なるエネルギー準位を形成す
ることがある。この場合、微結晶が無発光準位となって
EL発光効率を低下させたり、発光スペクトルをブロー
ドなものとしたりするおそれがある。したがって、本発
明の電界発光素子の発光層においては、シリコン微結
晶、ゲルマニウム結晶、スズ結晶をほとんど含有せず、
Cu管球をX線源とするX線回折により2θ=20〜6
0°の範囲にピークが観測されるシリコン結晶、ゲルマ
ニウム結晶およびスズ結晶に起因するシグナルの面積が
全シグナルの合計面積の1%以下であることが好まし
い。例えば、ポリシランとガラスマトリックスとを互い
に化学的に架橋させてなる酸素架橋ポリシランでは、X
線回折において2θ=27〜30、46〜49、55〜
58°の範囲にピークが観測されるシリコン微結晶に起
因するシグナルの面積が全シグナルの合計面積の1%以
下となる。なお、シリコン微結晶、ゲルマニウム微結晶
およびスズ微結晶に起因するシグナルの面積は、全シグ
ナルの面積の0.1%以下、さらには0.01%以下で
あることがより好ましい。ただしここでの全シグナルの
面積は、2θ=20〜60°の範囲におけるシグナルの
合計面積ではなく、2θが0°を超える全範囲における
全シグナルの合計面積とする。
【0016】次に、本発明の電界発光素子の発光層に含
有されるポリシラン類について、より具体的に説明す
る。本発明において用いられるポリシラン類としては、
例えば下記一般式(I)
【0017】
【化1】 (上記式中、MはSi,GeおよびSnから選択される
少なくとも1種の原子、R1 およびR2 は、各々独立に
水素原子、炭素数1〜24の置換もしくは非置換アルキ
ル基、ケイ素数1〜24の置換もしくは非置換シリル
基、Ge数1〜24の置換もしくは非置換ゲルミル基、
Sn数1〜24の置換もしくは非置換スタニル基、炭素
数6〜24の置換もしくは非置換アリール基、または炭
素数7〜24の置換もしくは非置換アラルキル基から選
択され同種でも異種でもよい。)で示される反復単位を
有し、一部のM原子が4本の結合手のうち3本以上でM
−M結合を形成しているものが挙げられる。上記一般式
(I)では、R1 および/またはR2 として置換もしく
は非置換ゲルミル基、置換もしくは非置換ゲルミル基、
または置換もしくは非置換スタニル基が導入されたM原
子が、4本の結合手のうち3本以上でM−M結合を形成
している。本発明において用いられるポリシラン類とし
ては、下記一般式(II)または(III)
【0018】
【化2】 (上記式中、MはSi,GeおよびSnから選択される
少なくとも1種の原子、R11,R13,およびR14は、各
々独立に水素原子、炭素数1〜24の置換もしくは非置
換アルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは非置換ア
リール基、または炭素数7〜24の置換もしくは非置換
アラルキル基から選択され同種あるいは異種でもよく、
12は、水素原子、炭素数1〜24の置換もしくは非置
換アルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは非置換ア
リール基、炭素数7〜24の置換もしくは非置換アラル
キル基、ケイ素数1〜24の置換もしくは非置換シリル
基、Ge数1〜24の置換もしくは非置換ゲルミル基、
またはSn数1〜24の置換もしくは非置換スタニル基
から選択され同種あるいは異種でもよい。)で示される
反復単位を有し、一部のM原子が4本の結合手のうち3
本以上でM−M結合を形成しているものでもよい。
【0019】また、本発明で用いられるポリシラン類の
分子量については特に限定されないが、500〜500
0000の範囲内にあることが好ましい。これはポリシ
ラン類の分子量が小さすぎると、共役効果が小さくホー
ル−電子再結合が起こりにくくなり、ポリシラン類の分
子量が大きすぎると、溶媒に対する溶解性が低下して発
光層の形成が困難となるからである。
【0020】なお、4本の結合手のうち3本以上でSi
−Si結合を形成しているSi原子を含有し分岐構造を
なすポリシランを合成するには、例えば原料として所定
の置換基を導入したジハロシランに、トリハロシランま
たはテトラハロシランを所定割合だけ混合したものを用
いればよい。また、分岐構造をなすポリゲルマンおよび
ポリスタナンならびに共重合体も同様な方法で合成でき
る。
【0021】さらに、本発明の電界発光素子を構成する
発光層の材料として、ポリシラン、ポリゲルマンおよび
ポリスタナンならびにこれらの共重合体から選択される
ポリマー鎖(4本の結合手のうち3本以上でM−M結合
を形成しているM原子を含有する)と、金属−酸素−金
属結合により網状構造をなすガラスマトリックスとを有
し、上記ポリマー鎖が上記ガラスマトリックスで化学的
に架橋されたガラス複合材料を用いてもよい。
【0022】このようなガラス複合材料は、(A)ポリ
シラン類から選択されるポリマー鎖が、ポリマー鎖に直
接結合した酸素原子によって互いに架橋し、この酸素原
子を介してのケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ
原子間の結合がガラスマトリックスを形成している構造
のものでもよいし、(B)上記ポリシラン類から選択さ
れるポリマー鎖が、その側鎖に導入された極性基を介し
て金属酸化物からなるガラスマトリックスと化学的に架
橋した構造のものでもよい。
【0023】ここで、ガラスマトリックスとの架橋点と
なるM原子は、M原子の4本の結合手のうち3本、2本
または1本でM−M結合を形成しているもののいずれで
もよく、分岐鎖上にある場合も含む。
【0024】上記(A)の構造を有するガラス複合材料
は、上記一般式(II)または(III)で表される、側鎖と
して水酸基またはアルコキシル基が主鎖に直接結合した
ポリシラン類を薄膜などに形成した後、加熱または酸性
もしくは塩基性の触媒の作用により、側鎖のアルコキシ
ル基どうしを脱溶媒縮合させてガラス化することにより
製造できる。また上記(A)の構造を有するガラス複合
材料は、側鎖としてアセトキシ基などのエステル基、ト
リフルオロメタンスルホキシ基などのスルホン酸エステ
ル基などが導入された前駆体ポリマーからも全く同様に
製造することが可能である。
【0025】一方、上記(B)の構造を有するガラス複
合材料は、例えば側鎖に水酸基、アルコキシル基、アミ
ノ基、アンモニウム基、イミノ基、カルボニル基、カル
ボキシル基、アミド基、イミド基、ウレタン基、ニトロ
基、チオール基、チオエーテル基、チオエステル基、カ
ルバメート基、スルホニル基、スルホキシ基、フルオロ
基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基からなる群より選択
される少なくとも1種の極性基が導入されたポリシラ
ン、ポリゲルマンおよびポリスタナンならびにこれらの
共重合体から選択されるポリマー(上記一般式(II)ま
たは(III)で表されるものを含む)と、金属アルコキシ
ドなどの金属酸化物ゾル形成物質とを含有する前駆体組
成物を用い、ゾル−ゲル法などにより製造される。な
お、金属アルコキシドの代わりに、金属酸化物、金属水
酸化物、金属キレート化合物、金属カルボン酸塩、金属
ハロゲン化物または金属水酸化物などを用いてもよい。
この方法では、通常、まずアルコールや水−アルコール
混合液などの溶媒にポリシラン類および金属アルコキシ
ドを溶解させた溶液を調製し、加熱または触媒の作用に
より金属アルコキシドを加水分解してゾル液を形成す
る。このゾル液をITOなど電極の形成された基板に塗
布した後、ゲル化乾燥して硬化させ所望のガラス複合材
料を得る。なお、金属アルコキシドの溶液からゾル液を
調製した後、ポリシラン類を加えてさらに上記と同様に
してゲル化してもよい。また、上記基板上にポリシラン
類の薄膜を形成し、これを金属アルコキシドを加水分解
するなどして調製したゾル液に浸漬した後、加熱乾燥な
どの処理により硬化させてもよい。さらには、単にポリ
シラン類と金属アルコキシドなどを混合し、これを塗布
した後、加熱などの処理によりゲル化してもよい。
【0026】上記のようなガラス複合材料を用いて発光
層を形成した場合、ポリシラン類の主鎖が金属酸化物か
らなるガラスマトリックスに共有結合、イオン結合、配
位結合、水素結合などにより化学的に結合して、ポリシ
ラン類のポリマー鎖が固定され、さらにガラスマトリッ
クスのガスバリヤ効果によって酸化などが起こりにくく
なる。このため、ポリマー単独の場合と比べて、ポリマ
ー鎖の分解が抑制され、EL素子駆動時の耐久性、耐熱
性が大きく向上する。
【0027】本発明に係る電界発光素子(EL素子)の
例を図1〜図2を参照して説明する。図1のEL素子
は、基板11上にホール注入電極12、本発明に係るポ
リシラン類からなる発光層13、および電子注入電極1
4が順次形成されたものである。この発光層13は電荷
輸送層(ホール輸送層および電子輸送層)としての機能
を兼ねる。
【0028】図2のEL素子は、基板21上にホール注
入電極22、本発明に係るポリシラン類からなる発光層
23、電子輸送層24および電子注入電極25が順次形
成されたものである。
【0029】図3のEL素子は、基板31上にホール注
入電極32、ホール輸送層33、本発明に係るポリシラ
ン類からなる発光層34、電子輸送層35および電子注
入電極36が順次形成されたものである。
【0030】なお、EL素子の構造は図1〜図3に示す
ものに限らず、ホール輸送層と発光層との2層構造でも
よいし、図3よりもさらに多層の構造すなわちホール輸
送層、発光層、電子輸送層の少なくともいずれかを複数
層有する構造でもよい。
【0031】本発明のEL素子においてポリシラン類か
らなる発光層以外の層を構成する材料としては、各種の
有機化合物を用いることができる。ホール輸送層に用い
られ得る有機化合物としては、トリアゾール誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、
ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジア
ミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコ
ン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン
誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチ
ルベン誘導体などが挙げられる。電子輸送層に用いられ
得る有機化合物としては、Alq3 や、フルオレン、ア
ントラキノン、ペリレン、アントロンなどの多環芳香族
化合物が挙げられる。また、これらの有機化合物からな
る電荷輸送層を形成して本発明に係るポリシラン類から
なる発光層と積層してもよいが、これらの有機化合物を
ポリシラン類と混合して所定の機能を有する層を形成し
てもよい。いずれの層も通常1〜300nm好ましくは
5〜150nmの厚さに成膜される。
【0032】基板としては、ガラス、セラミックス、硬
質プラスチックなどの種々の材質のものを用いることが
できるが、透明のものが好ましい。ホール注入電極の材
料としてはITO,SnO2 ,In23 などの金属酸
化物Au,Pt,Ni,CuAgなどの金属またはこれ
らの金属を含有する合金が用いられ、電子注入電極の材
料としてはAg,Al,Cr,In,Ni,Mg,C
a,Sn,Pb,Mnなどの金属またはこれらの金属を
含有する合金が用いられる。これらの電極の少なくとも
一方は透明または半透明であることが望ましい。電極の
材料として、MgAl,Caなどの大気中で酸化される
金属を用いた場合には、MgOなどの金属酸化物や有機
化合物からなる防湿保護膜を積層することが好ましい。
【0033】本発明に係る電界発光素子は通常2〜50
V程度の直流電圧で駆動でき、0.1〜10000mA
/cm2 程度の電流が流れ、1〜20,000cd/m
2 程度の発光輝度が得られる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
なお、4つの結合手のうち3本でSi−Si結合を形成
しているSi原子を含有するポリシランは、原料として
所定の置換基を導入したジクロロシランに所定の置換基
を導入したトリクロロシランを所定割合だけ混合したも
のを用いて合成した。また、4つの結合手のうち4本全
てでSi−Si結合を形成しているSi原子を含有する
ポリシランは、原料として所定の置換基を導入したジク
ロロシランにテトラクロロシランを所定割合だけ混合し
たものを用いて合成した。ポリゲルマンおよびポリスタ
ナンならびに共重合体も同様に合成した。なお、それぞ
れの要件を満たすM原子の割合については、XPSによ
り定量した値を表示している。XPSの検出感度はM原
子組成比で0.01%である。
【0035】実施例1−1 以下のような方法により図1に示す電界発光素子(EL
素子)を作製した。まず、ガラス基板11上にホール注
入電極12としてITO電極を成膜し所望の形状にパタ
ーニングした後、沸騰したイソプロピルアルコール中に
入れて1分間UV洗浄を行った。
【0036】次に、発光層13の材料として、Si原子
にフェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位を
有し、4つの結合手のうち3本でSi−Si結合を形成
しているSi原子(置換基はメチル基)が全Si原子の
5%である分子量3000のポリシラン(1)を用い、
上記ガラス基板/ITO電極上にポリシラン(1)のT
HF溶液を70nmの厚さに塗布し、窒素雰囲気下にお
いて80℃で500秒加熱して発光層13を形成した。
この発光層13はホール輸送層および電子輸送層として
も機能する。
【0037】さらに、この発光層13上に原子比でM
g:Ag=10:1のMg・Ag合金を150nmの厚
さに蒸着し、電子注入電極14を形成した。このように
してEL素子を作製した。
【0038】実施例1−2 発光層13を構成するポリシラン類として、Si原子に
フェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位を有
し、4つの結合手のうち3本でSi−Si結合を形成し
ているSi原子(置換基はメチル基)が全Si原子の1
%である分子量3000のポリシラン(2)を用いた以
外は、実施例1−1と同様にしてEL素子を作製した。
【0039】比較例1 発光層13を構成するポリシラン類として、Si原子に
フェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位を有
し、4つの結合手のうち3本以上でSi−Si結合を形
成しているSi原子が全Si原子の0.01%未満であ
る、通常の合成方法で合成した分子量3000のポリシ
ラン(3)を用いた以外は、実施例1−1と同様にして
EL素子を作製した。
【0040】実施例2−1 発光層13を構成するポリシラン類として、Si原子に
フェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位とG
e原子にフェニル基およびメチル基が結合した繰り返し
単位とを有し(Si:Ge=9:1)、4つの結合手の
うち3本でSi−Si結合を形成しているSi原子(置
換基はメチル基)が全(Si+Ge)原子の5%である
分子量3000のポリ(シラン−ゲルマン)ランダム共
重合体(4)を用いた以外は、実施例1−1と同様にし
てEL素子を作製した。
【0041】実施例2−2 発光層13を構成するポリシラン類として、Si原子に
フェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位とG
e原子にフェニル基およびメチル基が結合した繰り返し
単位とを有し(Si:Ge=9:1)、4つの結合手の
うち3本でSi−Si結合を形成しているSi原子(置
換基はメチル基)が全(Si+Ge)原子の1%である
分子量3000のポリ(シラン−ゲルマン)ランダム共
重合体(5)を用いた以外は、実施例1−1と同様にし
てEL素子を作製した。
【0042】比較例2 発光層13を構成するポリシラン類として、Si原子に
フェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位とG
e原子にフェニル基およびメチル基が結合した繰り返し
単位とを有し(Si:Ge=9:1)、4つの結合手の
うち3本以上でSi−Si結合を形成しているSi原子
および4つの結合手のうち3本以上でGe−Ge結合を
形成しているGe原子が全(Si+Ge)原子の0.0
1%未満である、通常の合成方法で合成した分子量30
00のポリ(シラン−ゲルマン)ランダム共重合体
(6)を用いた以外は、実施例1−1と同様にしてEL
素子を作製した。
【0043】実施例3−1 発光層13を構成するポリシラン類として、Si原子に
フェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位を有
し、4つの結合手のうち4本全てでSi−Si結合を形
成しているSi原子が全Si原子の5%である分子量3
000のポリシラン(7)を用いた以外は、実施例1−
1と同様にしてEL素子を作製した。
【0044】実施例3−2 発光層13を構成するポリシラン類として、Si原子に
フェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位を有
し、4つの結合手のうち4本全てでSi−Si結合を形
成しているSi原子が全Si原子の1%である分子量3
000のポリシラン(8)を用いた以外は、実施例1−
1と同様にしてEL素子を作製した。
【0045】比較例3 発光層13を構成するポリシラン類として、Si原子に
フェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位を有
し、4つの結合手のうち3本以上でSi−Si結合を形
成しているSi原子が全Si原子の0.01%未満であ
る、通常の合成方法で合成した分子量3000のポリシ
ラン(9)を用いた以外は、実施例1−1と同様にして
EL素子を作製した。
【0046】実施例4−1 発光層13を構成するポリシラン類として、Si原子に
フェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位とG
e原子にフェニル基およびメチル基が結合した繰り返し
単位とを有し(Si:Ge=9:1)、4つの結合手の
うち4本全てでSi−Si結合を形成しているSi原子
が全(Si+Ge)原子の5%である分子量3000の
ポリ(シラン−ゲルマン)ランダム共重合体(10)を
用いた以外は、実施例1−1と同様にしてEL素子を作
製した。
【0047】実施例4−2 発光層13を構成するポリシラン類として、Si原子に
フェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位とG
e原子にフェニル基およびメチル基が結合した繰り返し
単位とを有し(Si:Ge=9:1)、4つの結合手の
うち4本全てでSi−Si結合を形成しているSi原子
が全(Si+Ge)原子の1%である分子量3000の
ポリ(シラン−ゲルマン)ランダム共重合体(11)を
用いた以外は、実施例1−1と同様にしてEL素子を作
製した。
【0048】比較例4 発光層13を構成するポリシラン類として、Si原子に
フェニル基およびメチル基が結合した繰り返し単位とG
e原子にフェニル基およびメチル基が結合した繰り返し
単位とを有し(Si:Ge=9:1)、4つの結合手の
うち3本以上でSi−Si結合を形成しているSi原子
および4つの結合手のうち3本以上でGe−Ge結合を
形成しているGe原子が全(Si+Ge)原子の0.0
1%未満である、通常の合成方法で合成した分子量30
00のポリ(シラン−ゲルマン)ランダム共重合体(1
2)を用いた以外は、実施例1−1と同様にしてEL素
子を作製した。
【0049】表1に、実施例1−1・2、2−1・2、
3−1・2、4−1・2および比較例1〜4の各EL素
子について、ITO側をプラスにして10Vの直流電圧
を印加したときの外部量子収率(外部で検出されたフォ
トン数を注入されたキャリア数で割ったもの)、EL発
光中心エネルギー、ならびに初期輝度および100時間
後の輝度を示した。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果は以下のようにまとめられる。
4本の結合手のうち3本でSi−Si結合を形成してい
るSi原子が全Si原子の5%または1%であるポリシ
ラン(1)または(2)ではEL発光が観察されるが、
0.01%以下のポリシラン(3)ではELは観察され
ない。ポリ(シラン−ゲルマン)ランダム共重合体
(4、5、6)でも上記と同様の結果が得られている。
また、ポリシラン(1、2)とポリ(シラン−ゲルマ
ン)ランダム共重合体(4、5)との比較から、後者を
用いた場合には外部量子収率がわずかに増加し、EL発
光中心エネルギーが0.4eV低下していることがわか
る。さらに、実施例1、2のシリーズと実施例3、4の
シリーズとの比較から、4本の結合手のうち4本全てで
M−M結合を形成しているM原子を含むポリシラン類を
用いた場合には、4本の結合手のうち3本でM−M結合
を形成しているM原子を含むポリシラン類を用いた場合
よりも、外部量子収率が小さいことがわかる。
【0052】なお、以上の実施例について、分子量がそ
れぞれ10000、100000であるポリシラン類を
用いた以外は全く同様のEL素子を作製し、全く同様の
結果が得られた。
【0053】実施例5 以下のような方法により図1に示す電界発光素子(EL
素子)を作製した。まず、ガラス基板11上にホール注
入電極12としてITO電極を成膜し所望の形状にパタ
ーニングした後、沸騰したイソプロピルアルコール中に
入れて1分間UV洗浄を行った。
【0054】次に、発光層13の材料として、Si原子
にメトキシ基およびメチル基が結合した繰り返し単位を
有し、4つの結合手のうち3本でSi−Si結合を形成
しているSi原子(置換基はメチル基)が全Si原子の
5%である分子量3000のポリシラン(13)を用
い、上記ガラス基板/ITO電極上にポリシラン(1
3)のTHF溶液を70nmの厚さに塗布し、窒素雰囲
気下において120℃で500秒加熱してゲル化させ、
ガラス複合膜からなる発光層13を形成した。この発光
層13を構成するガラス複合膜について赤外吸収スペク
トルをKBr法によって測定したところ、1000〜1
100cm-1付近にSi−O−Si結合に起因する吸収
が観察された。この発光層13はホール輸送層および電
子輸送層としても機能する。
【0055】さらに、この発光層13上に原子比でM
g:Ag=10:1のMg・Ag合金を150nmの厚
さに蒸着し、電子注入電極14を形成した。このように
してEL素子を作製した。
【0056】比較例5 発光層13の材料として、Si原子にメトキシ基および
メチル基が結合した繰り返し単位を有し、4つの結合手
のうち3本以上でSi−Si結合を形成しているSi原
子が全Si原子の0.01%未満である、通常の合成方
法で合成した分子量3000のポリシラン(14)を用
いた以外は、実施例5と同様にしてEL素子を作製し
た。
【0057】実施例6 以下のような方法により図2に示す電界発光素子(EL
素子)を作製した。まず、ガラス基板21上にホール注
入電極22としてITO電極を成膜し所望の形状にパタ
ーニングした後、沸騰したイソプロピルアルコール中に
入れて1分間UV洗浄を行った。
【0058】このガラス/ITO基板上に実施例5で用
いたポリシラン(13)のTHF溶液を50nmの厚さ
に塗布し窒素雰囲気下において120℃で500秒加熱
してゲル化させ、ガラス複合膜を形成した。このガラス
複合膜は発光層23として機能するとともに、ホール輸
送層としても機能する。
【0059】この発光層23上に下記に示す化合物OX
D−7を20nmの厚さに蒸着して電子輸送層24を形
成した。さらに、原子比でMg:Ag=10:1のMg
・Ag合金を1500nmの厚さに蒸着し、電子注入電
極25を形成した。このようにしてEL素子を作製し
た。
【0060】
【化3】
【0061】実施例7 以下のような方法により図3に示す電界発光素子を作製
した。まず、ガラス基板31上にホール注入電極32と
してITO電極を成膜し所望の形状にパターニングした
後、沸騰したイソプロピルアルコール中に入れて1分間
UV洗浄を行った。
【0062】このガラス/ITO基板上にメチル基およ
びフェニル基が導入された分子量3000のポリシラン
のTHF溶液を20nmの厚さに塗布してホール輸送層
33を形成した。次に、実施例5で用いたポリシラン
(13)のジエチルエーテル溶液を50nmの厚さに塗
布し窒素雰囲気下において120℃で500秒加熱して
ゲル化させ、ガラス複合膜からなる発光層34を形成し
た。
【0063】この発光層34上に実施例6で用いた化合
物OXD−7を20nmの厚さに蒸着して電子注入層3
5を形成した。さらに、原子比でMg:Ag=10:1
のMg・Ag合金を150nmの厚さに蒸着し、電子注
入電極36を形成した。このようにしてEL素子を作製
した。
【0064】実施例8 発光層13の材料として、実施例5で用いたポリシラン
(13)にアルミニウムトリイソプロポキシドを5wt
%混合したものを用い、これをゲル化させることにより
ガラス複合膜からなる発光層13を形成した以外は、実
施例5と同様にして図1に示すEL素子を作製した。
【0065】この発光層13を構成するガラス複合膜に
ついて赤外吸収スペクトルをKBr法によって測定した
ところ、1000〜1100cm-1付近にSi−O−S
i結合に起因する吸収が観察された。
【0066】実施例9 発光層13の材料として、Ge原子にフェニル基および
メチル基が結合した繰り返し単位を有し、4つの結合手
のうち3本でGe−Ge結合を形成しているGe原子
(置換基はメチル基)が全Ge原子の5%である分子量
3000のポリゲルマン(15)を用いて、図1に示す
電界発光素子を作製した。
【0067】実施例10 発光層13の材料として、Sn原子にフェニル基および
メチル基が結合した繰り返し単位を有し、4つの結合手
のうち3本でSn−Sn結合を形成しているSn原子
(置換基はメチル基)が全Sn原子の5%である分子量
3000のポリスタナン(16)を用いて、図1に示す
電界発光素子を作製した。
【0068】表2に、実施例5、比較例5、実施例6〜
10の各EL素子について、ITO側にプラスにして1
0Vの直流電圧を印加したときの外部量子収率、EL発
光中心エネルギー、ならびに初期輝度および100時間
後の輝度を示した。
【0069】
【表2】
【0070】表2の結果から以下のようなことがわか
る。実施例5のように発光層が酸素架橋構造のガラス複
合膜からなるEL素子では、表1の実施例1−1のもの
と比較して、外部量子収率が3桁向上しており、3本の
Si−Si結合を有するSi原子を発光中心とする効率
的なEL発光が得られることがわかる。なおここで、S
i原子にイソプロポキシ基およびメチル基、あるいはエ
トキシ基およびメチル基が結合した繰り返し単位を有す
るポリシランを用いた以外は全く同様のEL素子を作製
し、その素子性能を測定したところ、同様の結果が得ら
れた。
【0071】実施例6のようにガラス複合膜からなる発
光層およびOXD−7からなる電子輸送層を設けた2層
構造のEL素子では、単層構造の実施例5のものと比較
して外部量子収率が5倍に増加している。また、実施例
6と実施例5とではEL発光エネルギーに変化が認めら
れないことから、発光中心は酸素架橋ポリシランからな
る発光層中に存在することがわかる。
【0072】実施例7のようにポリシランからなるホー
ル輸送層、ガラス複合膜からなる発光層およびOXD−
7からなる電子輸送層を設けた3層構造のEL素子で
は、単層構造の実施例5のものと比較して外部量子収率
が1桁向上している。
【0073】実施例8のようにポリシランに金属酸化物
を混合した材料をゲル化させたガラス複合膜からなる発
光層を有するEL素子でも、実施例5のものと比較して
外部量子収率はあまり低下しない。また、発光輝度は1
00時間後でもそれほど低下せず、素子の劣化を十分抑
制できることがわかる。なお、金属酸化物としてアルミ
ニウムトリイソプロポキシドの代わりにチタンテトライ
ソプロポキシドを混合した場合も、ほぼ同様の素子性能
を示した。さらに、実施例9または実施例10から、分
岐構造を有するポリゲルマンまたはポリスタナンからな
る発光層を有するEL素子もEL発光することがわか
る。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、M
原子の4本の結合手のうち3本以上でM−M結合を形成
したM原子を含有した分岐構造を有するポリシラン類か
らなる発光層を形成することにより、高効率のEL発光
を実現できる電界発光素子を提供することができる。ま
た、分岐構造を有しポリシラン類が酸素架橋したガラス
複合膜からなる発光層を具備したEL素子では耐久性を
向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電界発光素子の一例を示す断面
図。
【図2】本発明に係る電界発光素子の他の例を示す断面
図。
【図3】本発明に係る電界発光素子のさらに他の例を示
す断面図。
【符号の説明】
11…ガラス基板、12…ホール注入電極、13…発光
層、14…電子注入電極、21…ガラス基板、22…ホ
ール注入電極、23…ホール輸送層、24…発光層、2
5…電子注入電極、31…ガラス基板、32…ホール注
入電極、33…ホール輸送層、34…発光層、35…電
子輸送層、36…電子注入電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−113010(JP,A) 特開 平7−179609(JP,A) 服部達彦,ケイ素系高分子の合成と発 光材料への応用,第1回ケイ素系高分子 材料シンポジウム稿集,日本,1993年, 111−119 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/06 H05B 33/14 C08G 77/00 - 77/62

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の電極間に発光層を有する電界発光
    素子において、上記発光層がポリシラン、ポリゲルマン
    およびポリスタナンならびにこれらの共重合体から選択
    されるポリマーを含有し、上記ポリマー中の全M原子
    (ただし、MはSi,GeおよびSnから選択される少
    なくとも1種)の1〜5%が、M原子の4本の結合手の
    うち3本以上でM−M結合を形成していることを特徴と
    する電界発光素子。
  2. 【請求項2】 上記発光層が、ポリシラン、ポリゲルマ
    ンおよびポリスタナンならびにこれらの共重合体から選
    択されるポリマー鎖と、金属−酸素−金属結合により網
    状構造をなすガラスマトリックスとを有し、上記ポリマ
    ー鎖が上記ガラスマトリックスで化学的に架橋されたガ
    ラス複合材料を含有することを特徴とする請求項1記載
    の電界発光素子。
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