JP4708727B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる有機電界発光素子に関し、特に高いT(最低励起三重項エネルギー準位)を有するホスト材料及び、該材料を含有する有機電界発光素子に関する。
有機電界発光(EL)素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。
有機EL素子において現在最も重要な技術課題の一つが素子耐久性の向上である。特に上記りん光発光を利用した素子においては大きな問題であり、これを改良することが求められていた。
非特許文献1には、青色発光素子の発光層に用いるホスト材料としてUGH1及びUGH2なるケイ素原子を含有する化合物が開示されている。しかし該文献において開示されている化合物はUGH1及びUGH2のみであり、その他の化合物についての記述はない。さらに上記UGH1及びUGH2いずれの化合物も結晶性が高いことが予期され、これを素子中に用いた場合、素子の駆動、あるいは長期の保存によって結晶化が起こりやすいと予期される。さらなる、素子の駆動耐久性、保存安定性が望まれていた。
Figure 0004708727
アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters), 83,3818(2003).
本発明の目的は、発光特性、素子駆動耐久性、及び保存安定性が良好な有機電界発光素子の提供にある。また、本発明の別の目的は高いTを有するホスト材料を含有する有機電界発光素子の提供にある。
上記課題は下記手段によって解決された。すなわち、本発明は、
(1)一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を有機層に含有する有機電界発光素子、
Figure 0004708727
(式中、R11、R12、R13、及びR14はアリール基又はヘテロアリール基を表し、Lアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Mは、炭素、ケイ素、又はゲルマニウム原子を表し、mは0〜3の整数を表す。nは1以上の整数を表し、nが2以上の場合、複数のM、R12、R13、及びR14はそれぞれ同一でも異なってもよい。mが2又は3の場合、複数個のR11は同一でも異なってもよい。mが0、1又は2の場合、複数個のL、M、R12、R13、及びR14はそれぞれ同一でも異なってもよい。)
)前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種と、発光材料の少なくとも一種とを発光層に含有する(1)項記載の有機電界発光素子、および
)前記発光材料がりん光発光材料である()項に記載の有機電界発光素子
を提供するものである。
本発明の発光素子は、素子駆動耐久性、及び保存安定性に優れる。特にりん光について高いT(最低励起三重項エネルギー準位)を有するホスト材料を含有することにより素子駆動耐久性、及び保存安定性などが優れる。
本発明の有機電界発光素子は、一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層(発光層単層の場合も含み、以下、単に有機層と称することがある。)を有する有機電界発光素子(以下、本発明の発光素子、発光素子とも称することがある)であって上記一般式(1)で表される化合物を少なくとも一種含む。
上記一般式(1)で表される化合物について詳細に説明する。一般式(1)中、R11、R12、R13、及びR14はアリール基又はヘテロアリール基を表し、Lアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Mは、炭素、ケイ素、又はゲルマニウム原子を表し、mは0〜3の整数を表す。nは1以上の整数を表し、nが2以上の場合、複数個のM、R12、R13、及びR14はそれぞれ同一でも異なってもよい。mが2又は3の場合、複数個のR11は同一でも異なってもよい。mが0、1又は2の場合、複数個のL、M、R12、R13、及びR14はそれぞれ同一でも異なってもよい。
一般式(1)に含まれるR11、R12、R13、及びR14が表すアリール基又はヘテロアリール基は後述するようにさらに置換基を有してもよく、この置換基としては以下の置換基群Aから選択できる。
(置換基群A)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロアリールチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、ゲルミル基((好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルゲルミル、トリフェニルゲルミルなどが挙げられる。)などが挙げられる。
11、R12、R13、R14で表されるアリール基は単環又は2環以上の環が縮環した縮合環のアリール基であり、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
11、R12、R13、R14で表されるヘテロアリール基は単環又は2環以上の環が縮合した縮合環のヘテロアリール基であり、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは2〜12さらに好ましくは2〜10のヘテロアリール基である。R11、R12、R13、R14で表されるヘテロアリール基の具体例としては例えばピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、プテリジニル基、ピラジニル基、キノキサリニル基、ピリミジニル基、キナゾリル基、ピリダジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、トリアジニル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾピリジニル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
11、R12、R13、R14で表されるアリール基、又はヘテロアリール基として好ましくはフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ピリジル基、キノリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、オキサジアゾリル基、チエニル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾピリジニル基、カルバゾリル基であり、より好ましくはフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基、トリアジニル基、オキサジアゾリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾピリジニル基、カルバゾリル基であり、さらに好ましくはフェニル基、ピリジル基であり、最も好ましくはフェニル基である。
11、R12、R13、R14上にさらに置換基を有してもよく、置換基は前記置換基群Aから選ぶことが出来る。R11、R12、R13、R14がさらに有してもよい置換基として好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シリル基、ゲルミル基であり、より好ましくはアリール基、シリル基、ゲルミル基であり、さらに好ましくはフェニル基、トリフェニルシリル基、トリフェニルゲルミル基であり、最も好ましくはトリフェニルシリル基である。
はn+1価以上のアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。nは1以上の整数を表す。nは1が好ましい
で表されるアリーレン基としては、単環又は2環以上の環が縮環した縮合環のアリーレン基であり、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基、フェナントレニレン基、ピレニレン基、ペリレニレン基、フルオレニレン基、ルブレニレン基、クリセニレン基、トリフェニレニレン基、ベンゾアンスリレン基、ベンゾフェナントレニレン基、ジフェニルアンスリレン基等が挙げられる。
で表されるヘテロアリーレン基としては、単環又は2環以上の環が縮合した縮合環のヘテロアリーレン基であり、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは2〜12さらに好ましくは2〜10のヘテロアリーレン基であり、例えばピリジレン基、キノリレン基、イソキノリレン基、アクリジニレン基、フェナントリジニレン基、ピラジニレン基、キノキサリニレン基、ピリミジニレン基、トリアジレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、オキサジアゾリレン基、トリアゾリレン基、フリレン基、チエニレン基、ピロリレン基、インドリレン基、カルバゾリレン基等が挙げられる。
は、前記アリーレン基とヘテロアリーレン基が互いに連結したものであっても良い。
として好ましくは、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基、ピリジレン基、ピリミジレン基、トリアジレン基、オキサジアゾリレン基、チエニレン基、インドリレン基、カルバゾリレン基であり、より好ましくはフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、ピリジレン基、オキサジアゾリレン基であり、さらに好ましくはフェニレン基、ビフェニレン基、ピリジレン基であり、最も好ましくはパラフェニレン基、メタフェニレン基、ビフェニレン基である。
で表される連結基は、置換基を有しても良く、置換基は前記置換基群Aから選ぶことができる。置換基として好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、より好ましくはアリール基、ヘテロアリール基であり、さらに好ましくはフェニル基、ビフェニル基、ピリジル基であり、最も好ましくはフェニル基である。
で表される連結基の具体例としては、例えば以下のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下の連結基中、連結部分は、通常一般式(1)中のGe原子あるいはMと結合する部分を表すが、これらの連結部分が互いに連結され、複数連なった連結基となってもよい。また、以下に示す2価の連結基は、必要に応じてn+1価の連結基(nは2以上の整数)となることが許容される。また、3価および4価の連結基の例も合わせて示す。
Figure 0004708727
Figure 0004708727
Figure 0004708727
Mは炭素、ケイ素、又はゲルマニウム原子を表し、好ましくはケイ素原子である。
mは0から3の整数を表し、0、1、2がより好ましく、0又は1がさらに好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、低分子化合物であっても良く、また、オリゴマー化合物、ポリマー化合物(質量平均分子量(ポリスチレン換算)は好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、さらに好ましくは3000〜100000である。)であっても良い。ポリマー化合物の場合、一般式(1)で表される構造の置換基を除く部分がポリマー主鎖中に含まれても良く、また、ポリマー側鎖に含まれていても良い。また、ポリマー化合物の場合、ホモポリマー化合物であっても良く、共重合体であっても良い。一般式(1)で表される化合物は低分子化合物が好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、それが含まれる一層の有機層中に、50〜99質量%含有されることが好ましく、70〜95質量%含有されることがさらに好ましい。
一般式(1)で表される化合物のT(最低励起三重項エネルギー準位)は55kcal/mol以上が好ましく、60kcal/mol以上がより好ましく、70kcal/mol以上がさらに好ましい。
以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが本発明はこれらに限定されない。
Figure 0004708727
Figure 0004708727
Figure 0004708727
Figure 0004708727
本発明の発光素子に含有される一般式(1)で表される化合物の製造方法について述べる。一般式(1)で表される化合物は種々の公知の炭素−ケイ素結合形成反応、あるいは炭素ゲルマニウム結合形成反応を利用して合成可能であり、その方法は特に限定しないが、例えば、ザ・ケミストリー・オルガニック・シリコン・コンパウンズ、パート1(The Chemistry of Organic Silicon Compounds, part 1) (John Wiley & Sons)、655−761頁(1989)、または、グメリン(Gmelin)、ハンドブック・オブ・インオルガニック・アンド・オルガノメタリック・ケミストリー、オルガノゲルマニウム・コンパウンズ、パート3、第8版(Handbook of Inorganic and Organometallic Chemistry, Organogermanium Compounds, Part 3, 8th edition), Springer, Berlin, 56−133頁(1990)などに記載されている手法を利用して合成することができる。
炭素−ケイ素結合形成反応あるいは炭素−ゲルマニウム結合形成反応として有機金属化合物とハロシラン化合物あるいはハロゲルマン化合物との反応が好ましく、有機マグネシウム化合物あるいは有機リチウム化合物とクロロシラン化合物あるいはクロロゲルマン化合物との反応がさらに好ましい。
上記の一般式(1)で表される化合物は、有機電界発光素子だけでなく、システム、駆動方法、利用形態など特に問わず、その他の発光素子に利用することが可能である。
本発明の発光素子においては一般式(1)で表される化合物が発光層中に含まれることがさらに好ましく、発光層中にホスト材料として含まれることがさらに好ましい。好ましい態様においては、一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種と、発光材料の少なくとも一種とを発光層に含有するものである。
本発明の発光素子中に含まれる発光材料は蛍光発光性化合物、又はりん光発光性化合物のいずれであっても良い。例えばベンゾオキサゾール及びその誘導体、ベンゾイミダゾール及びその誘導体、ベンゾチアゾール及びその誘導体、スチリルベンゼン及びその誘導体、ポリフェニル及びその誘導体、ジフェニルブタジエン及びその誘導体、テトラフェニルブタジエン及びその誘導体、ナフタルイミド及びその誘導体、クマリン及びその誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン及びその誘導体、オキサジアゾール及びその誘導体、オキサジン及びその誘導体、アルダジン及びその誘導体、ピラリジン及びその誘導体、シクロペンタジエン及びその誘導体、ビススチリルアントラセン及びその誘導体、キナクリドン及びその誘導体、ピロロピリジン及びその誘導体、チアジアゾロピリジン及びその誘導体、シクロペンタジエン及びその誘導体、スチリルアミン及びその誘導体、ジケトピロロピロール及びその誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール及びその誘導体の金属錯体やピロメテン及びその誘導体の金属錯体、希土類錯体、遷移金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン及びその誘導体、一般式(1)で表される化合物等が挙げられる。発光材料は好ましくは縮合芳香族化合物、キナクリドン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、ピロメテン誘導体の金属錯体、希土類錯体、遷移金属錯体であり、さらに好ましくは縮合芳香族化合物、遷移金属錯体である。
本発明の有機電界発光素子はりん光性発光化合物からのりん光発光を利用するように、発光材料がりん光発光材料であるものが好ましい。
りん光発光性化合物は特に遷移金属錯体が好ましい。遷移金属錯体の中心金属は特に限定されないが、好ましくはイリジウム、白金、レニウム、又はルテニウムであり、より好ましくはイリジウム又は白金であり、特に好ましくはイリジウムである。遷移金属錯体の中でも、オルトメタル化錯体が非常に好ましい。オルトメタル化錯体(Orthometalated Complex)とは、山本明夫著「有機金属 基礎と応用」、150頁及び232頁、裳華房社(1982年)やエイチ・ヤルシン(H. Yersin)著「フォトケミストリー・アンド・フォトフィジックス・オブ・コーディネーション・コンパウンド(Photochemistry and Photophysics of Coordination Compound)」、71〜77頁及び135〜146頁、Springer−Verlag社(1987年)等に記載されている化合物群の総称である。
上記りん光材料は、20℃以上におけるりん光量子収率が70%以上であるのが好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。
上記りん光発光材料としては、例えばUS 6303231 B1、US6097147、WO 00/57676、WO 00/70655、WO 01/08230、WO 01/39234 A2、WO 01/41512 A1、WO 02/02714 A2、WO 02/15645 A1、特開2001−247859、特願2000−33561、特願2001−189539、特願2001−248165、特願2001−33684、特願2001−239281、特願2001−219909、EP 1211257、特開2002−226495、特開2002−234894、特開2001−247859、特開2001−298470、特開2002−173674、特開2002−203678、特開2002−203679等の特許文献や、ネイチャー(Nature)、395巻、151頁(1998年)、アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)、75巻、4頁(1999年)、ポリマー・プレプリンツ(Polymer Preprints)、41巻、770頁(2000年)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソシエティ(Journal of American Chemical Society)、123巻、4304頁(2001年)、アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)、79巻、2082頁(1999年)等に記載のものが好適に利用できる。
一般式(1)で表される化合物を含有する発光素子の有機層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法などの方法が用いられ、特性面、製造面で抵抗加熱蒸着、コーティング法、転写法が好ましい。
本発明の発光素子は陽極、陰極の一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を形成した素子であり、発光層単層、又は発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ任意の材料を用いることができる。
本発明の発光素子の具体的な層構成としては、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また発光層への電荷の注入を容易にするため、発光層と正孔輸送層との間にさらに正孔注入促進層、又は発光層と電子輸送層の間にさらに電子注入促進層を設けることができる。
発光層と正孔輸送層との間にさらに設けることのできる正孔注入促進層に含まれる材料のイオン化ポテンシャル(Ip)値は正孔輸送層に含まれる材料のIp値以上で、かつ発光層に含まれる材料のIp値以下であることが好ましく、正孔輸送層に含まれる材料のIp値と発光層に含まれる材料のIp値の平均値に近いことがより好ましい。
発光層と電子輸送層との間にさらに設けることのできる電子注入促進層に含まれる材料の電子親和力(Ea)値は電子輸送層に含まれる材料のEa値以下で、かつ発光層に含まれる材料のEa値以上であることが好ましく、電子輸送層に含まれる材料のEa値と発光層に含まれる材料のEa値の平均値に近いことがより好ましい。
本発明の有機電界発光素子は基材上に形成されることが好ましい。用いられる基材としては、限定はされないが、例えば、ジルコニア安定化イットリウム、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等の高分子材料が挙げられる。
陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
陽極は通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。
陽極は洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)及びそのフッ化物又は酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物又は酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属等である。陰極は、上記化合物及び混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及び混合物を含む積層構造を取ることもできる。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウムの積層構造が好ましい。陰極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。
陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
発光層の材料は、電界印加時に陽極又は正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができると共に陰極又は電子注入層、電子輸送層から電子を注入することができる機能や、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成することができるものであれば何でもよく、例えばベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノールの金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、イリジウムトリスフェニルピリジン錯体、及び、白金ポルフィリン錯体に代表される遷移金属錯体、及び、それらの誘導体等が挙げられる。発光層の材料の少なくとも一つは、りん光材料である。発光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
発光層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、LB法、転写法などの方法が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法である。
発光層は単一化合物で形成されても良いし、複数の化合物で形成されても良い。また、発光層は一つであっても複数であっても良く、それぞれの層が異なる発光色で発光して、例えば、白色を発光しても良い。単一の発光層から白色を発光しても良い。発光層が複数の場合は、それぞれの発光層は単一材料で形成されていても良いし、複数の化合物で形成されていても良い。
本発明の有機電界発光素子の発光層は積層構造を少なくとも一つ有していても良い。積層数は2層以上50層以下が好ましく、4層以上30層以下がより好ましく、6層以上20層以下がさらに好ましい。
積層を構成する各層の膜厚は特に限定されないが、0.2nm以上、20nm以下が好ましく、0.4nm以上、15nm以下がより好ましく、0.5nm以上10nm以下がさらに好ましく、1nm以上5nm以下が特に好ましい
本発明の有機電界発光素子の発光層は複数のドメイン構造を有していても良い。発光層中に他のドメイン構造を有していても良い。各ドメインの径は、0.2nm以上10nm以下が好ましく、0.3nm以上5nm以下がより好ましく、0.5nm以上3nm以下がさらに好ましく、0.7nm以上2nm以下が特に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、カルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン誘導体、カーボン膜、一般式(1)で表される化合物、及び、それらの誘導体等が挙げられる。正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送材料を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、転写法が用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノールの金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン、一般式(1)で表される化合物、及び、それらの誘導体等が挙げられる。電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送材料を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、転写法などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
保護層の材料としては水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、SiN、SiO などの窒化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも一種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
本発明の有機電界発光素子は、種々の公知の工夫により、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、基板表面形状を加工する(例えば微細な凹凸パターンを形成する)、基板・ITO層・有機層の屈折率を制御する、基板・ITO層・有機層の膜厚を制御すること等により、光の取り出し効率を向上させ、外部量子効率を向上させることが可能である。
本発明の有機電界発光素子は、陽極側から発光を取り出す、いわゆる、トップエミッション方式であっても良い。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、まず正孔注入材料として銅フタロシアニンを10nm蒸着し、この上に正孔輸送材料としてα−NPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(α−ナフチル)−ベンジジン)を40nm蒸着した。この上にCBPを15nm蒸着し、さらにこの上に化合物(1−1)と化合物aを20対1の比率(質量比)で25nmの厚さに共蒸着し、この上にアゾール化合物bを40nm蒸着した。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でフッ化リチウムを約1nm蒸着し、この上にアルミニウムを膜厚約200nm蒸着して素子を作製した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8、発光波長を浜松フォトニクス社製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。色度値(0.17、0.26)の青色発光が得られ、素子の外部量子効率は7.2%であった。本素子の素子耐久性評価を初期輝度2000cd/m、電流値一定にて行うと輝度半減時間約400時間であった。
実施例2
化合物aの代わりに化合物cを用い、実施例1と同様に素子作製評価した。その結果、色度値(0.27、0.62)の緑色発光が得られ、素子の外部量子効率は6.1%であった。
本素子の素子耐久性評価を初期輝度2000cd/m、電流値一定にて行うと輝度半減時間は約630時間であった。
実施例3
化合物aの代わりに化合物cを用い、化合物(1−1)の代わりに化合物(1−2)とCBPの質量比1:1混合物を用いて実施例1と同様に素子作製評価した。その結果、色度値(0.27、0.62)の緑色発光が得られ、素子の外部量子効率は8.3%であった。本素子の素子耐久性評価を初期輝度2000cd/m、電流値一定にて行うと輝度半減時間は約700時間であった。
Figure 0004708727
比較例1
化合物(1−1)の代わりに前記非特許文献1記載の化合物UGH2を用い、実施例1と同様に素子作製評価した。その結果、色度値(0.16、0.24)の青色発光が得られ、素子の外部量子効率は6.2%であった。本素子の素子耐久性評価を初期輝度2000cd/m、電流値一定にて行うと輝度半減時間約120時間であった。
実施例4
実施例1で作成した素子を80℃において24時間保存後、素子耐久性評価を行ったところ初期輝度2000cd/m、電流値一定にて輝度半減時間約190時間であった。
比較例2
比較例1で作成した素子についても同様に80℃において24時間保存後、素子耐久性評価を試みようとしたが素子の短絡が起こってしまっており、素子は発光しなかった。

Claims (3)

  1. 一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を有機層に含有する有機電界発光素子。
    Figure 0004708727
    (式中、R11、R12、R13、及びR14はアリール基又はヘテロアリール基を表し、Lアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Mは、炭素、ケイ素、又はゲルマニウム原子を表し、mは0〜3の整数を表す。nは1以上の整数を表し、nが2以上の場合、複数個のM、R12、R13、及びR14はそれぞれ同一でも異なってもよい。mが2又は3の場合、複数個のR11は同一でも異なってもよい。mが0、1又は2の場合、複数個のL、M、R12、R13、及びR14はそれぞれ同一でも異なってもよい。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種と、発光材料の少なくとも一種とを発光層に含有する請求項記載の有機電界発光素子。
  3. 前記発光材料がりん光発光材料である請求項に記載の有機電界発光素子。
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