JP3415322B2 - コンクリートの劣化防止剤 - Google Patents

コンクリートの劣化防止剤

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JP3415322B2
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照信 前田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート中に配合
し、イオウ酸化細菌及びイオウ酸化鉄酸化細菌を防菌す
コンクリートの劣化防止剤に関し、更に詳細には、下
水処理施設等におけるチオバチルス(Thiobacillus)属イ
オウ酸化細菌及びイオウ酸化鉄酸化細菌によるコンクリ
ートの劣化防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来下水処理施設等から発生する硫化水
素により、コンクリート構造物が石膏化して劣化するこ
とが知られている。この劣化は、一般に広く土壌・水中
に存在し、硫黄化合物の酸化により二酸化炭素を同化し
て成長するチオバチルス属のイオウ酸化細菌及びイオウ
酸化鉄酸化細菌が、硫化水素を酸化し硫酸を生成するの
が原因であると考えられており、種々の防止方法が提案
されている。具体的には硫化物の生成を抑制する方法、
硫化水素の発生を抑制する方法、硫化水素から硫酸の生
成を抑制する方法及び耐腐蝕性材料を使用する方法が提
案されている。
【0003】しかしながら、いずれの方法も経済性、施
工性、更には悪臭の発生等のいずれかの欠点を有してい
る。
【0004】また有機系化合物からなる防菌剤をコンク
リートに配合する方法も提案されているが、コンクリー
トにピンホールやクラック等が生じ、コンクリート自体
の耐久性が低下するという欠点がある。
【0005】更に金属粉末をコンクリートに配合し、下
水処理施設等におけるコンクリートの劣化を防止する方
法も提案されている。しかし、金属粉末をコンクリート
中に配合する際に、該金属粉末を均等分散させるのが困
難であり、コンクリート構造体全体において同様な劣化
防止能を付与するには、このような金属粉末の配合管理
を十分行う必要がある。また金属粉末のコンクリートへ
の配合箇所が均等に制御されない場合には、得られるコ
ンクリート構造物自体の強度にも影響を及ぼす恐れがあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、下水処理施設等におけるコンクリートの劣化の原因
となるイオウ酸化細菌及びイオウ酸化鉄酸化細菌を有効
に、且つ長期に渡って防菌することができるコンクリー
トの劣化防止剤を提供することにある。本発明の別の目
的は、下水処理施設等におけるコンクリートの劣化の原
因となるイオウ酸化細菌及びイオウ酸化鉄酸化細菌を防
菌することができ、コンクリートへの均等配合が容易で
あって、コンクリート構造体自体の強度を実質的に低下
させることのないコンクリートの劣化防止剤を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、コンク
リート中に配合し、イオウ酸化細菌及びイオウ酸化鉄酸
化細菌を防菌する防菌剤であって、水に不溶性であり、
硫酸に可溶性の金属粉末及び/又は金属化合物粉末の表
面に増粘剤を付着させてなることを特徴とするコンクリ
ートの劣化防止剤が提供される。
【0008】以下本発明を更に詳細に説明する。本発明
コンクリートの劣化防止剤は、下水処理施設等におけ
るコンクリート構造体の劣化の原因となるチオバチルス
属のイオウ酸化細菌及びイオウ酸化鉄酸化細菌を防菌す
るためのものであって、これらの細菌がコンクリートに
作用して生ずる硫酸と反応して硫酸塩を形成することに
よって防菌作用を示すものと考えられる。
【0009】本発明のコンクリートの劣化防止剤は、水
に不溶性であり、硫酸に可溶性の金属粉末及び/又は水
に不溶性であり、硫酸に可溶性の金属化合物粉末(以下
これらを「防菌剤原料粉末」と称す)の表面に増粘剤を
付着させたものである。
【0010】前記防菌剤原料粉末としては、例えばニッ
ケル、スズ、銅等の金属;酸化ニッケル、酸化スズ、酸
化コバルト、亜酸化銅等の金属酸化物又はこれらの混合
物等を挙げることができる。防菌剤原料粉末の粒径は、
コンクリートに配合した際に、防菌作用を有効に発揮す
ることができ、且つコンクリート成形時にコンクリート
内の所望位置に配合される粒径が好ましく、具体的には
0.005〜0.2mmが望ましい。前記粒径が0.2
mmを超える場合には所望の防菌作用が低下する恐れが
有るので好ましくない。
【0011】前記防菌剤原料粉末に付着させる増粘剤
は、防菌剤をコンクリート中に配合する際に、簡便な制
御で、防菌剤をコンクリート中に均等配合させ、且つコ
ンクリート構造体自体の強度を低下させずに、防菌作用
を有効に発揮させるように作用する材料であって、例え
ばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の
セルロース系増粘剤;ポリアクリル酸、ポリアクリルア
マイド、プルラン、アルギン酸等を挙げることができ
る。
【0012】本発明のコンクリートの劣化防止剤を調製
するには、前記防菌剤原料粉末に、前記増粘剤を付着さ
せることにより得ることができる。該付着は、例えば増
粘剤を好ましくは濃度0.01〜1重量%の水溶液と
し、この増粘剤水溶液中に防菌剤原料粉末を浸漬させた
後、乾燥させる方法等により行うことができる。増粘剤
の付着量は、特に限定されず、防菌剤原料粉末の全表面
が増粘剤の膜で覆われているのが好ましい。特に好まし
くは膜厚0.1〜100μm程度となる付着量が望まし
い。
【0013】本発明のコンクリートの劣化防止剤を用い
て、イオウ酸化細菌及びイオウ酸化鉄酸化細菌を防菌
し、これらの細菌に由来するコンクリートの劣化を防止
するためには、コンクリート中に劣化防止剤を配合すれ
ば良く、その配合割合は、コンクリート中のセメント成
分100重量部に対して、0.001〜1重量部、特に
0.01〜0.2重量部であるのが好ましい。前記配合
割合が0.001重量部未満の場合には、イオウ酸化細
菌及びイオウ酸化鉄酸化細菌に対する防菌作用を長期間
保持させるのが困難であり、1重量部を超えて含有させ
ても防菌作用の向上が期待できず、コスト的に問題が生
じる恐れがあるので好ましくない。
【0014】前記劣化防止剤をコンクリート中に配合す
るには、例えばコンクリート組成物中に所望量配合し、
公知の方法で成形、硬化させる方法により行うことがで
きる。特に遠心成形法によっても劣化防止剤を容易に、
且つ均等にコンクリート中に配合させることができる。
この遠心成形法は、公知のヒューム管等を作製する際の
方法と同様に行うことができ、遠心成形の条件を適宜選
択することにより所望の劣化防止剤を有するコンクリー
トを得ることができる。また遠心成形法においては、前
劣化防止剤の粒径が重要であって、粒子径が小さすぎ
ると遠心成形時のブリージング水と共に移動し、場合に
よっては排水される恐れがあり、一方粒子径が大きすぎ
ると遠心成形時に外面側に移動する恐れが有るので前記
好ましい粒子径の範囲とするのが望ましい。
【0015】
【発明の効果】本発明のコンクリートの劣化防止剤は、
表面に増粘剤が付着されているので、コンクリート中に
配合する際に遠心成形法を採用する場合であっても均等
に配合することが容易であって、コンクリート構造体自
体の強度を低下させずに下水処理施設等におけるコンク
リートの劣化の原因となるイオウ酸化細菌及びイオウ酸
化鉄酸化細菌を有効に、且つ長期に渡って防菌すること
ができる。
【0016】
【実施例】以下実施例及び比較例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
【実施例1】粒径0.1〜0.2mmのニッケル粉末
を、濃度1重量%のメチルセルロース水溶液に浸漬して
30分間撹拌した後、乾燥させ、表面に増粘剤としての
メチルセルロースが付着したコンクリートの劣化防止剤
を得た。次いで、セメント480重量部、水197重量
部、細骨材836重量部及び5〜13mmの粗骨材83
3重量部からなるコンクリート組成物中に前記劣化防止
剤0.1重量部を混合した。この劣化防止剤含有のコン
クリート組成物を用いて35Gの遠心加速度で外径20
cm、内径12cmのヒューム管を作製した。得られた
ヒューム管の外面から1cmまでの部分と、内面から1
cmまでの部分とを、X線マイクロアナライザー(日本
電子株式会社製)で測定し、含有される劣化防止剤のX
線による強度の比を測定した。またレイタンス部の防菌
剤強度比も測定した。結果を表1に示す。尚、各X線強
度比は、外面のX線強度を100として表す。
【0018】次に得られたヒューム管及び劣化防止剤を
配合しない以外は同様に作製したヒューム管を下水処理
場の汚泥施設の気中部に暴露し、暴露された表面部を1
年間観察した。その結果、劣化防止剤配合のヒューム管
ではイオウ酸化細菌及びイオウ酸化鉄酸化細菌によると
思われる劣化は認められなかったが、劣化防止剤を配合
していないヒューム管では、イオウ酸化細菌及びイオウ
酸化鉄酸化細菌によると思われる欠損及び石膏化が表面
全体で認められた。
【0019】
【比較例1】劣化防止剤として、粒径0.1〜0.2m
mのニッケル粉末を用いた以外は、実施例1と同様にヒ
ューム管を作製し、各X線強度比を測定した。結果を表
1に示す。
【0020】
【実施例2】粒径0.01〜0.05mmの酸化ニッケ
ルを、濃度0.5重量%のヒドロキシエチルセルロース
水溶液に浸漬して30分間撹拌した後、乾燥させ、表面
に増粘剤としてのヒドロキシエチルセルロースが付着し
劣化防止剤を得た。劣化防止剤としてヒドロキシエチ
ルセルロースが付着した劣化防止剤を用いた以外は、実
施例1と同様にヒューム管を作製し、各X線強度比を測
定した。結果を表1に示す。
【0021】次に得られたヒューム管及び劣化防止剤を
配合しない以外は同様に作製したヒューム管を下水処理
場の汚泥施設の気中部に暴露し、暴露された表面部を1
年間観察した。その結果、劣化防止剤配合のヒューム管
ではイオウ酸化細菌及びイオウ酸化鉄酸化細菌によると
思われる劣化は認められなかったが、劣化防止剤を配合
していないヒューム管では、イオウ酸化細菌及びイオウ
酸化鉄酸化細菌によると思われる欠損及び石膏化が表面
全体で認められた。
【0022】
【比較例2】劣化防止剤として、粒径0.01〜0.0
5mmの酸化ニッケル粉末を用いた以外は、実施例1と
同様にヒューム管を作製し、各X線強度比を測定した。
結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 22/06 C04B 22/06 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 14/00 - 24/42 A01N 25/26 A01N 59/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート中に配合し、イオウ酸化細
    菌及びイオウ酸化鉄酸化細菌を防菌するコンクリートの
    劣化防止剤であって、水に不溶性であり、硫酸に可溶性
    の金属粉末及び/又は金属化合物粉末の表面に増粘剤を
    付着させてなることを特徴とするコンクリートの劣化防
    止剤
  2. 【請求項2】 前記粉末の粒径が0.005〜0.2m
    mであることを特徴とする請求項1記載の劣化防止剤
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