JP2004331422A - コンクリート構造物の劣化防止剤及び劣化防止方法 - Google Patents

コンクリート構造物の劣化防止剤及び劣化防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特許第2808087号は勿論、各参考特許文献に記載のものも、ニッケル等特定の金属の有害性に着目したコンクリート構造物の劣化防止剤は見あたらない。すなわち、従来の技術では、抗菌剤を入れても1年位で溶出することが多く、コンクリート中に大量に入れて長期間持たせようとすると、コンクリート物性を劣化することが知られている。また、地球環境に優しく、人体への影響に配慮し、低コストの劣化防止剤及び劣化防止方法の出現が待たれている。
【解決手段】本発明は、少なくともフッ素樹脂と、銅粉末と、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属粉末の中の2成分とを未硬化のポルトランドセメントもしくはモルタルと共に水に分散させたことを特徴とするコンクリート構造物の劣化防止剤であり、また、この劣化防止剤を、コンクリート構造物の表面に塗布して硬化させることを特徴とするコンクリート構造物の劣化防止方法である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、護岸ブロック、冷却導入水路、養殖用水槽、上下水道のコンクリート管路、貯水槽等の水処理施設等に使用して、コンクリートの酸化劣化もしくは微生物等の付着繁殖による劣化を防止する劣化防止剤または劣化防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、上下水道等水処理施設においては、コンクリートの腐食・劣化が問題となっているが、これらの原因は、下水処理施設においては、下水や下水汚泥中に嫌気性の硫酸塩還元細菌と硫黄酸化細菌が関与する硫酸による進行によること及びこの腐食過程で発生する硫化水素が主な原因となっていると知られている。また、浄水場や魚介類の養殖場では、水藻や甲殻類の発生、付着により、その代謝物によって生成される有機酸によるものが多い。
このような現状に鑑みて日本下水道事業団からコンクリートの腐食・劣化を防止する対策として、次のことが提案されている。
(1)水の腐敗を防止して硫化物の生成を抑制する方法。
(2)発生した硫化物の大気中への放散を防止する方法。
(3)硫化水素を基に硫酸を生成する硫黄酸化細菌の活動を抑制する方法。
(4)防食性塗料をコンクリートや鉄の表面に塗装ライニングする方法。
(5)コンクリートの耐酸性を向上する方法。
(6)コンクリートに抗菌剤を配合して硫黄酸化細菌の活動を抑制する方法。
(7)水藻や甲殻類の付着を防止する方法。
【0003】
上記(1)の方法では、下水には汚泥が含まれているため、その汚泥を完全に除去することは不可能であり、満足すべき効果が得られていない。
(2)の方法は、酸化剤(過酸化水素等)の薬剤添加による硫化水素の固定化があるが、この方法は薬剤が高価であり、取扱に専門的注意が必要なため、経済的に問題がある。
(3)の方法では施設内の空気の吸、排気を行い、硫化水素を希釈処理する方法が知られているが、硫化水素ガスは悪臭防止法で定められている悪臭8物質のうちの一つであるために、公害問題があり、作業環境としても10ppm以上あると健康に問題があり、さらに高濃度になると、中毒の発生や爆発の危険性があるため、実施が困難である。
【0004】
(4)の方法としては、塗料としてエポキシ樹脂やポリエステル樹脂等が用いられているが、耐酸性と耐アルカリ性を兼ね備えることは困難で、コンクリート構造物や鉄にピンホールやクラックを発生したり、付着強度が不十分なため、腐食防止の効果が不十分となる問題がある。また更に沈澱槽内面のライニングに用いる場合、FRPやフレークライニング、シートライニングが知られているが、施行性が悪く、(例えば高温、高湿環境や含有水量の多いコンクリート構造物に施工しがたい等)しかも施工が高価であるので経済的にも問題がある。
(5)の方法は、下水汚泥溶融スラグ粉と珪酸ソーダを主構成材料とした耐酸セメントを用いたコンクリートを使用する方法であるが、現場打ちコンクリートとしての利用については課題が残されている。
(6)の方法は、種々のものがあるが、これのみで満足すべき成果を収めることは困難であり、低コストで効果のあるものを採用する必要がある。また、毒性についても配慮する必要がある。
(7)の方法は、藻類や甲殻類の付着を防止する手段として燐酸塩等の毒性のある薬剤をコンクリート等に混入させて、例えば船底に塗布し、徐々に毒物を溶出させる塗料が知られているが、近年は海洋汚染防止の見地から使用が控えられている。
【0005】
【参考特許文献】
特開昭63−16072号公報
特開平1−55493号公報
特開平2−265708号公報
特開平4−149053号公報
特開平11−189449号公報
特開2001−106607号公報
【0006】
特開昭63−16072号公報や、特開平2−265708号公報にはエポキシ樹脂やポリエステル樹脂のライニングによりコンクリートを保護する方法が記載されている。特開平1−55493号公報には、ガラス材のライニングによりコンクリートを保護する方法が記載されている。これらの方法は、長期のうちにピンホールを通じて剥離し寿命が短い。特開平4−149053号公報には銅、ニッケル、スズ、鉛等の金属および/またはこれらの金属の酸化物をコンクリートに含有させてコンクリートの腐食を防ぐ方法が記載されているが、長期間の使用を目的とする場合金属の使用量を多く用いる必要があり、金属イオンの溶出が多過ぎて水質汚染の恐れがある。特開平11−189449号公報には、金属錯体特にフタロシアニン化合物とチタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン等の金属及び/金属酸化物との混合物を混合したものをコンクリートに含有させてコンクリートの腐食を防ぐ方法が記載されているが、特殊な錯体を用意するのでコスト高になる。また、ニッケルは発癌性があり、バナジウムは生化学的作用で急性、慢性の刺激症状があり得ること、クロムは化学活性が強く、生体への影響力も強く、潰瘍や、発癌性の危険があること、コバルトは人体への中毒症状、呼吸器疾患のおそれがあり、好ましくない。
また、特開2001−106607号公報にはチタン酸アルカリ金属のアルカリ金属イオンの一部ないし全部が、硫黄酸化細菌に対する防菌作用のある、銀、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン等等の各イオンとされた抗菌剤を用いたものであるが、効果を実証する記載はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は先に少なくともフッ素樹脂と、銅・チタン・ニッケル粉末と、未硬化のポルトランドセメントもしくはモルタルとを水に分散させたことを特徴とするコンクリート構造物の劣化防止剤を発明して、特許第2808087号を取得して上記の問題点を解決し、コンクリートの腐食劣化の原因となる下水や汚泥中で発生する硫化物や、硫酸塩還元細菌・硫黄酸化細菌の代謝作用によって発生する硫化水素、この硫化水素から生成される硫酸、この硫酸とコンクリートの主成分である水酸化カルシウムの反応による硫酸カルシウム化によるコンクリートの膨張収縮による劣化等の問題を解決し、長期にわたる微生物、藻類、甲殻類、貝類等の悪影響を防止できた。
しかしながら、近時はニッケルが皮膚障害や肺癌などの発生の原因となる疑いが提起されており、ニッケルを用いないで前記従来の技術の問題点を解決することが求められているが、前記特許第2808087号は勿論、各参考特許文献に記載のものも、ニッケル等特定の金属の有害性に着目したものは見あたらない。すなわち、従来の技術では、抗菌剤を入れても1年位で溶出することが多く、コンクリート中に大量に入れて長期間持たせようとすると、コンクリート中性を劣化することが知られているが、本発明は、コンクリート構造物に塗装したときに、長期にわたり接着性がよく、しかも酸化による腐食環境でも酸化防止効果が十分で、微生物、藻類、甲殻類、貝類等の悪影響を受け難く、しかも発癌性がない塗装剤及び塗装物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような観点からなされたもので、発癌性の点から忌避されるニッケルを使用せずに、しかも長期間前記のコンクリートの劣化防止効果、生物の繁殖防止効果をを発揮できる劣化防止剤を鋭意検討の結果生みだされたものであり、請求項1の発明は、少なくともフッ素樹脂と、銅粉末、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属粉末の中の3成分と、未硬化のポルトランドセメントもしくはモルタルとを水に分散させたことを特徴とするコンクリート構造物の劣化防止剤にして、請求項2の発明は、金属粉末として、銅粉末と、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属粉末の中の2成分の金属粉末と、未硬化のポルトランドセメントもしくはモルタルとを水に分散させたことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造物の劣化防止剤にして、請求項3の発明は、フッ素樹脂と、請求項2に記載の金属粉末の配合比を重量にて1:0.5〜1:1.5とすることを特徴とする請求項2に記載のコンクリート構造物の劣化防止剤にして、請求項4の発明は、金属粉末として、チタン、亜鉛および錫からなる3成分の金属粉末と、未硬化のポルトランドセメントもしくはモルタルとを水に分散させたことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造物の劣化防止剤にして、請求項5の発明は、フッ素樹脂と、請求項4に記載の金属粉末の配合比を重量にて1:0.5〜1:1.5とすることを特徴とする請求項4に記載のコンクリート構造物の劣化防止剤にして、請求項6の発明は、劣化防止剤として、更にシラン系撥水剤、水溶性高分子、界面活性剤の中の少なくともいずれか1種を添加配合してなることを特徴とする請求項1,2,3,4もしくは5のいずれかに記載のコンクリート構造物の劣化防止剤である。
また、更に請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の劣化防止剤を、コンクリート構造物の表面に塗布して硬化させることを特徴とするコンクリート構造物の劣化防止方法である。
【0009】
本発明の実施にあたり使用されるフッ素樹脂は特に限定はないが、通常水でエマルジョンとしたものが容易に使用することができ、例えば旭ガラス社の商品名ルミフロン(モノクロロトリフルオロエチレンポリマー)、ダイキン社のゼッフレ(ジフルオロエチレンポリマー)、ISR社のフローレン(ポリフッ化ビニリデン)等が適用可能である。
また、銅、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された3種の金属粉末は、銅粉末を必須成分とする場合と、必須成分としない場合とがあるが、いずれにしてもイオン化傾向に差のある3種の金属の作用により、コンクリートまたはモルタル中でのイオン化により、防菌、防藻効果を長期に発揮することができる。特に銅粉末を必須成分として含有するものの方が、この効果が優れているので、コンクリート構造物の劣化防止に効果があり、銅粉末を除くチタン、亜鉛および錫からなる3成分の金属粉末を用いる場合は、銅粉末を含むものに比べてコンクリート構造物の劣化防止には同等の効果があるが、防藻効果が若干低いけれども十分に有効で使用可能である。
なお、金属粉末は、それぞれ別個に添加してもよいが、同時に添加してもよい。金属粉末としては、純粋な金属を粉末にして使用してもよいが、金属間化合物は勿論、自然状態において表面が酸化された酸化皮膜を有するものであってもよく、更には錯体を構成したものでもよい。これらの粉末は通常粒子径が2〜0.01mmのものが適用できる。
【0010】
本発明において、フッ素樹脂はコンクリート構造物に塗装した場合、上記の組成の中で網状結合を形成し、耐腐食性があり、銅粉末及びチタン,亜鉛または錫の各金属粉末はそれぞれ耐食性があるが、中でも銅粉末とチタン,亜鉛または錫の中から選択された2成分の金属粉末、あるいは銅粉末を除くチタン、亜鉛および錫からなる3成分の金属粉末が優れた防腐効果を発揮すると共に、塗布面の外観がよく、生物の付着がなく、酸化状況での変化もないことが確認された。特に前者の銅粉末を含む場合は、後者の銅粉末を含まない金属の組み合わせよりも水藻の付着が少なく、水藻除去に要する水圧も小さくて済むが、銅粉末を含まなくても、若干性能が悪いだけで、従来技術よりも遙に効果があることが判った。
また、上記のように銅粉末を含む場合は勿論、含まないものでも、比較的低い水圧で水藻を除去することができ、塗膜の付着強度も試験の前後で余り変化がなく、硫黄が塗膜内に侵入する程度が極めて少ないので、硫黄細菌による劣化を防止する効果があることが理解される。
【0011】
本発明の実施に際しては、フッ素樹脂と金属粉末をポルトランドセメントもしくはモルタル材料と共に水により混合し分散して、コンクリートの表面に塗装硬化させる。この場合、フッ素樹脂は前記のように水中に分散してエマルジョンとしたものが好ましい。
また、フッ素樹脂と、本発明で特定した金属粉末の配合比は、銅粉末と、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属粉末の中の2成分の金属粉末、あるいはチタン、亜鉛もしくは錫の3成分の金属粉末のいずれも、配合比では、重量比にて1:0.5〜1:1.5好ましくは1:0.55〜1:45とすることが、耐酸性と耐アルカリ性に優れ、ピンホールやクラックを生じ難い防食皮膜を形成すると共に、銅粉末と、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属粉末の混合物の殺菌効果により、下水処理施設の硫化水素対策、硫黄酸化細菌対策の点から、低コストで優れた効果を奏するので好ましい。
【0012】
すなわち、フッ素樹脂と、銅及びチタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属の粉末の比率を上記の如く重量にて1:0.5〜1:1.5とする理由は、フッ素樹脂1に対して銅、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属粉末が1.5重量部より多いと水中における金属粉末の分散性が悪く、コンクリートに塗布したときに付着性が悪く、取扱が困難となり、更に塗布膜に亀裂が入り易く、殺菌効果の点では過量であるためコストの上昇を来たし、実用効果が少ない。逆に銅、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属粉末が0.5重量部より少ないと、金属相互の金属間結合の生成が少な過ぎて、遊離するイオンが少ないために殺菌効果が不十分となり、目的とする防食効果が得られない。フッ素樹脂は勿論この配合範囲で好ましい防食効果を奏するものである。
すなわち、フッ素樹脂に対して金属粉末の配合比を1:0.5より少なくすると、生物の付着効果、殺菌、硫化物の生成防止上効果が弱く、逆に1:1.5より多くすると、フッ素樹脂による網状結合が少なくなり過ぎて耐食性が低下する。
【0013】
なお、本発明で特定された銅、チタン、亜鉛、錫の中から選択された3種の金属の組み合わせは、いずれも公害問題を発生せず、殺菌、生物の付着防止、硫化物の生成防止に効果があるが、銅粉末と、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属粉末の中の2成分の金属粉末を配合する方が、チタン、亜鉛、および錫の3成分の金属粉末を配合する場合よりも銅の影響が大きいので、その金属イオンの殺菌効果と、下水処理施設の硫化水素対策、硫黄酸化細菌対策の点から、低コストで優れた効果を奏するので好ましいが、銅を含まない場合でも劣化防止効果は銅を含むものと同等で、防藻効果は銅の配合されたものより若干劣るだけで、十分従来技術のものより優れた効果を発揮することができる。
【0014】
また、銅粉末及びチタン,亜鉛または錫から選択された2成分の金属粉末の配合比や、チタン,亜鉛及び錫の配合比は、特に限定するものではないが、何れか一つを欠いても本発明で目的とするような殺菌効果や防食効果が得られがたい。また、本発明で特定した金属粉末を所定の範囲で配合した場合、金属が分散した塗布膜を得られやすく、常温でそれらの金属が容易に結合して、軽くて堅牢な、銅・チタン・亜鉛結合体、銅・チタン・錫結合体、銅・亜鉛・錫結合体、銅・チタン結合体、銅・亜鉛結合体、銅・錫結合体、亜鉛・錫結合体、チタン・亜鉛結合体、チタン・錫結合体あるいは、チタン・亜鉛・錫結合体等の使用した金属の結合体が構成され、安定した耐食性の皮膜を形成する。
【0015】
なお、本発明で同時に使用される金属粉末の配合比は、重量比で最小のものを1としたときに最大のものは3.0の範囲のものが好ましい。勿論その10%程度の範囲で増減することは、効果にさほどの差が生じないので許容される。また、3種の各金属粉末は一般的には1:1:1の比率が好ましいが、防汚効果の大きい銅を特に余計使用したい場合は他の金属の何れかを1とする場合3.0であってもよい。少なくとも前記した重量比で最小のものを1としたときに最大のものは3.0とする範囲を外れて少ないものや多い金属粉末があると、金属バランスによる殺菌、耐食等の効果が得難くなるので、不利である。
【0016】
また、本発明では、銅を含む3成分(チタン・亜鉛・錫のうち選択された2成分)は勿論、銅を含まないチタン・亜鉛・錫の3成分でも効果を発揮することは述べたとおりであるが、そのうちの金属の1成分のみを用いたり、2成分のみを組合わせて配合しても、比較試験した結果、本発明のように3成分を使用したものとは異なり、イオン化される金属が少な過ぎるために金属の複合効果を発揮できず、本発明で目的とする作用効果とはかなり隔たった程度の低い効果しか得られないので、好ましくないことが判った。本発明で特定しない金属は、コスト、発癌性、環境対策、防藻効果、防菌効果等の点から採用することは困難である。
【0017】
なお、フッ素樹脂は本来化学的に安定で、これに水溶性ポリマーを添加したものは、耐水性自体は低下することなく、粒子間では空気や水の存在を許すので、同時に配合するセメント、モルタル等の硬化性成分の硬化を進め、接着性を向上し、フッ素樹脂と水溶性ポリマーの協調した被膜により、腐食防止機能を高めることができる。すなわち、本発明における組成中、各金属粉末は水中で容易にイオンに遊離して金属酸化物が得やすく、塗膜が防食効果を挙げることと、藻類の付着や甲殻類の付着を防止し、併せて、嫌気性の硫酸塩還元細菌の作用により、発生する硫化水素によるコンクリートの劣化を防止できる。このことは一番効果が期待される銅、もしくは銅酸化物のみの殺菌作用では、前記の種々の効果を総合して発揮することはできないことを考えると、正に画期的な効果である。
【0018】
また、その他のシラン系撥水剤、水溶性高分子、界面活性剤の中の少なくともいずれか1種を添加配合することは、コンクリートやモルタル塗装の場合、常套手段であるが、シラン系撥水剤は硬化後の耐水性を増強し、水溶性高分子は、ワーカビリティー、保水性、ブリーディングに対する抵抗性を改善し、界面活性剤(AE剤)は陰イオン系、陽イオン系、両性系等種々のものがあるが、気泡効果があるので添加には十分検討して使用する。
【0019】
その他使用されるポルトランドセメントもしくはモルタル構成成分はセメント以外に例えば砂では粒子径は0.15〜1.2mm程度のものが使用されるが、微細な石や硅酸質材料も適用することができる。
上記のセメントおよび各種配合剤の配合量はフッ素樹脂10〜30重量部に対して70〜80重量部が作業性及び塗布膜の硬化性等の点から好ましい。
一方水は、フッ素樹脂として水分散塗料を使用するが、実際にはセメントの他各種の配合剤を添加し、均一にしてコンクリートに塗布するために、相当量の水が必要であるが、その量は混合塗装が容易な程度に適宜の量を添加すればよいことは通常のモルタルと同様である。
【0020】
【作用】
本発明は、上記の組成物により構成された組成を有するのでセメントの硬化により強固にコンクリート構造物に接着すると共に、フッ素樹脂の強固な網目状被膜により構造物を保護するものである。また、銅及びチタン、亜鉛もしくは錫から選択された2成分の金属の粉末の組合わせ、またはチタン、亜鉛もしくは錫の3成分の金属の組み合わせの場合も、水中で次第に塗膜より使用した金属が水中に溶出して、使用した金属の各イオンを生成し、これが水中に発生している硫化物のイオンと反応して不溶性の金属酸化物を生成することおよび生物の発生や細菌の発生を防止もしくは抑制して、例えば、上記金属のイオンにより殺菌して毒性のある硫化物の生成を防止することができる。また、同時に用いられるフッ素樹脂は水に難溶性で、セメント膜に強固な耐水防汚性を与える。
この場合、銅を含有する場合が最も効果のあることが確認された。
【0021】
また、銅と、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された2種の金属粉末の構成比率、もしくはチタン、亜鉛もしくは錫の3種の金属粉末の構成比率は、先に述べたように、特に限定するものではないが、通常は1:1:1が、場合によりいずれかの金属を3倍量とすることが許容される。特に銅の殺菌、防藻効果を期待する場合は銅を3とした構成が好適である。
すなわち、銅とチタン、亜鉛もしくは錫から選択された2種の金属粉末を含む構成では、銅100〜300重量部に対して他の金属を合計200〜400重量部が好ましい。
【0022】
また、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された2種の金属粉末を含む構成では、いずれか一つの金属を100〜300重量部とし、他の金属を合計200〜400重量部とすることができる。
本発明では、上記の如き各金属成分の配合比により、長期にわたり、特定した3種の金属粉末が分散した塗布膜が得られ易く、常温でそれぞれの金属が容易に結合して、使用する金属により、軽くて堅牢な銅・チタン結合体、銅・亜鉛結合体、銅・錫結合体あるいは銅・チタン・亜鉛結合体、銅・チタン・錫結合体、銅・亜鉛・錫結合体を構成して、安定した耐食性の被膜を形成する。
本発明は、前記のように銅、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された3種の金属粉末の殺菌効果及び硫酸酸性の中で、イオン化する速度の相違による殺菌効果の持続性及び公害上、健康上問題のなく、しかも比較的コストの低いものを併用した点に特徴があり、しかもこれらの金属がフッ素樹脂と併用された点に特徴がある。
なお、上記の本発明で特定した3種の金属の何れか1つを欠いても本発明で目的とするような殺菌効果もしくは防食効果が得られない。
【0023】
また、フッ素樹脂は本来化学的に安定で、これに水溶性ポリマーを添加したものは、耐水性自体は低下することなく、粒子間では空気や水の存在を許すので、同時に配合するセメント、モルタル等の硬化性成分の硬化を速め、接着性を向上し、フッ素樹脂と水溶性ポリマーの協調した被膜により、腐食防止機能を高めることができる。
すなわち、本発明における組成物において、銅、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された3種の金属粉末を用いた所以は、発癌性がなく、しかも水中で容易にイオンに遊離して金属酸化物が得易く、塗膜が長期にわたり防食効果を上げることと、藻類の付着や甲殻類の付着を防止し、併せて嫌気性の硫酸塩還元細菌の作用により発生する硫化水素によるコンクリートの劣化を防止できる点にある。
このことは従来技術のフッ素樹脂と、銅粉末とチタンとニッケル粉末とを併用した防食塗料に比べて、発癌性がなく、しかも長期にわたり、コンクリートの劣化を防止し、生物の付着をも防止するというものである点で、全く相違するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例と比較例とについて述べる。尚以下部とあるは、重量部を示す。
実施例1
銅・チタン・亜鉛粉末(1:1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物となし、これにセメント、硅砂、シラン系発水剤、スチレン系水溶性高分子、界面活性剤を計65重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0025】
実施例2
銅・チタン・錫粉末(1:1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、ケイ酸塩およびアクリル系水溶性高分子を計50重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0026】
実施例3
銅・錫・亜鉛粉末(1:1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計65重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0027】
実施例4
銅・チタン・亜鉛粉末(3:2:1) 20部
フッ素樹脂 25部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計50重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0028】
実施例5
銅・チタン・錫粉末(3:2:1) 20部
フッ素樹脂 25部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計65重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0029】
実施例6
銅・錫・亜鉛粉末(3:2:1) 20部
フッ素樹脂 25部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計50重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0030】
実施例7
銅・チタン・亜鉛粉末(2:1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物となし、これにセメント、硅砂、シラン系発水剤、スチレン系水溶性高分子、界面活性剤を計65重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0031】
実施例8
銅・チタン・錫粉末(2:1:1) 20部
フッ素樹脂 25部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、ケイ酸塩およびアクリル系水溶性高分子を計50重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0032】
実施例9
銅・錫・亜鉛粉末(2:1:2) 15部
フッ素樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計65重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0033】
実施例10
チタン・亜鉛・錫粉末(1:1:1) 20部
フッ素樹脂 25部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物となし、これにセメント、硅砂、シラン系発水剤、スチレン系水溶性高分子、界面活性剤を計65重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0034】
実施例11
チタン・亜鉛・錫粉末(1:1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、ケイ酸塩およびアクリル系水溶性高分子を計50重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0035】
実施例12
チタン・亜鉛・錫粉末(1:2:1) 15部
フッ素樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計65重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0036】
実施例13
チタン・亜鉛・錫粉末(1:2:1) 15部
フッ素樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂,シラン系発水剤、スチレン系水溶性高分子、界面活性剤の計65重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0037】
実施例14
チタン・亜鉛・錫粉末(1:2:1) 15部
フッ素樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、ケイ酸塩およびアクリル系水溶性高分子を計50重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0038】
実施例15
チタン・亜鉛・錫粉末(1:1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計65重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0039】
実施例16
チタン・亜鉛・錫粉末(3:2:1) 20部
フッ素樹脂 25部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計50重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0040】
実施例17
チタン・亜鉛・錫粉末(1:2:3) 20部
フッ素樹脂 25部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計65重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0041】
実施例18
チタン・亜鉛・錫粉末(3:1:2) 20部
フッ素樹脂 25部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計50重量部を適量の水と共に添加して本発明の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0042】
比較例1
銅・チタン・ニッケル粉末(1:1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計65重量部を適量の水と共に添加して比較例の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0043】
比較例2
銅・亜酸化銅・緑青粉末(1:1:1) 20部
エポキシ樹脂 15部
を適量の水を加えてエマルジョン状組成物とし、これにセメント、硅砂を加えた計65重量部を適量の水と共に添加して比較例の組成物を得、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0044】
比較例3
銅 15部
フッ素樹脂 15部
ポルトランドセメント 65部
を適量の水を加えて比較例の組成物となし、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0045】
比較例4
ニッケル 15部
フッ素樹脂 15部
ポルトランドセメント 65部
を適量の水を加えて比較例の組成物となし、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0046】
比較例5
チタン 15部
フッ素樹脂 15部
ポルトランドセメント 65部
を適量の水を加えて比較例の組成物となし、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0047】
比較例6
亜鉛 15部
フッ素樹脂 15部
ポルトランドセメント 65部
を適量の水を加えて比較例の組成物となし、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0048】
比較例7
錫 15部
フッ素樹脂 15部
ポルトランドセメント 65部
を適量の水を加えて比較例の組成物となし、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0049】
比較例8
銅・チタン(1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
ポルトランドセメント 65部
を適量の水を加えて比較例の組成物となし、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0050】
比較例9
銅・亜鉛(1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
ポルトランドセメント 65部
を適量の水を加えて比較例の組成物となし、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0051】
比較例10
銅・錫(1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
ポルトランドセメント 65部
を適量の水を加えて比較例の組成物となし、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0052】
比較例11
チタン・亜鉛(1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
ポルトランドセメント 65部
を適量の水を加えて比較例の組成物となし、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0053】
比較例12
チタン・錫(1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
ポルトランドセメント 65部
を適量の水を加えて比較例の組成物となし、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0054】
比較例13
亜鉛・錫(1:1) 15部
フッ素樹脂 15部
ポルトランドセメント 65部
を適量の水を加えて比較例の組成物となし、これをコンクリートの表面に塗布した。
【0055】
比較例14
大同塗料株式会社の防食塗料(エポキシ系)をライニングするコンフレッシュJSWA工法でコンクリート表面を塗布した。
【0056】
比較例15
従来のように全く何も塗布しないコンクリートを比較試料とした。
【0057】
上記の実施例および比較例の各試料を以下の方法による比較試験を行なった。
比較試験
上記の実施例および比較例に示した各配合物を、下水処理場の最初沈澱池に36ヵ月懸垂し、
・塗膜外観の評価は目視と指触とにより判断した。
・付着強度試験は、国土交通省建研式引張接着強さ試験法により測定した。
・コンクリート中性化進度は、EPMA(電子マイクロアナライザー)を用いて測定した。
・水藻の付着状況は肉眼で観察した。
・水藻除去の難易度および除去後の状況は、水圧洗浄機により水藻を除去し、その状態を肉眼で観察した。
なお、最初沈澱池に曝す試験体は、塗装後30日間乾燥させ、硫化水素濃度の5〜30ppm下の気相部へ試料を懸垂した。
最終沈澱池に曝す試験体は、水面下30cmの所に浸漬して12ケ月経過させた。
その結果は、最初沈澱池は表1(実施例)表2(比較例)、最終沈澱池は表3(実施例)表4(比較例)に示すとおりである。
【0058】
【表1】
Figure 2004331422
【0059】
【表2】
Figure 2004331422
【0060】
【表3】
Figure 2004331422
【0061】
【表4】
Figure 2004331422
【0062】
この試験結果から判るように、本発明によるものは最初沈澱池に曝す試験に於いて、塗膜が黒色化したが異常は認められず、付着強度も試験の前後で余り変化はなく、コンクリート中性化進度(硫黄侵入範囲)も0.3mm以下と極めて小さく、最終沈澱池に曝す試験では、水藻の付着が極めて少なく、水藻除去も水圧5kg/cm 程度で完全に除去され、付着強度は試験前と殆ど変わらないという成果を得た。これに対して、比較例のうち、ニッケルを使用するものは、藻の発生の防止等には有効であるが、毒性があるので、使用することはできない。
また、銅と亜酸化銅と緑青粉末を複合したものは、一応効果があるが、表面からの硫黄侵入範囲が1.2mmとコンクリートの中性化侵度に欠点がある。
また比較のために銅、ニッケル、亜鉛、錫の各金属を単独に用いた場合は藻の発生除去、甲殻類の付着防止等には極めて不十分であり、更にこれらの金属の2種類を組み合わせた場合は単独に用いた場合よりも、若干効果が向上するが、硫黄の侵入範囲が大きく、塗膜の付着強度も不十分で、満足すべき成果を得られなかった。
なお、本発明のうち、銅を含むものが最も好ましい効果を奏し、銅を含まないものは、コンクリート構造物の劣化防止は同等であるが、防藻効果が若干劣るけれども十分有効で、従来技術よりも優れた効果が発揮されることが認められた。勿論本発明における各金属は毒性がなく、環境上も好ましいもので、しかも低コストで実施することができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくともフッ素樹脂と、銅粉末と、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属粉末の中の2成分と、ポルトランドセメントもしくはモルタルとを水に分散させたことを特徴とするコンクリート構造物の劣化防止剤、または、少なくともフッ素樹脂と、チタン、亜鉛もしくは錫の3成分からなる金属粉と、ポルトランドセメントもしくはモルタルとを水に分散させたことを特徴とするコンクリート構造物の劣化防止剤を用いることにより、地球環境を汚染することなく、また、発癌性の成分を含むことなく、しかも長期にわたり、金属粉末とフッ素樹脂の好ましい効果により、セメント構造物の表面に塗布したときに強固に接着しながら、プールや護岸コンクリート等の水と接する場合のコンクリート建造物において、汚染状態で発生し易い硫酸菌等の酸基を中和し、毒性を消滅させるとともに、長期にわたり生物の付着や繁殖を防ぎ、コンクリートが劣化するのを防止することができる。

Claims (7)

  1. 少なくともフッ素樹脂と、銅粉末、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属粉末の中の3成分と、未硬化のポルトランドセメントもしくはモルタルとを水に分散させたことを特徴とするコンクリート構造物の劣化防止剤。
  2. 金属粉末として、銅粉末と、チタン、亜鉛もしくは錫から選択された金属粉末の中の2成分の金属粉末と、未硬化のポルトランドセメントもしくはモルタルとを水に分散させたことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造物の劣化防止剤。
  3. フッ素樹脂と、請求項2に記載の金属粉末の配合比を重量にて1:0.5〜1:1.5とすることを特徴とする請求項2に記載のコンクリート構造物の劣化防止剤。
  4. 金属粉末として、チタン、亜鉛および錫からなる3成分の金属粉末と、未硬化のポルトランドセメントもしくはモルタルとを水に分散させたことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造物の劣化防止剤。
  5. フッ素樹脂と、請求項4に記載の金属粉末の配合比を重量にて1:0.5〜1:1.5とすることを特徴とする請求項4に記載のコンクリート構造物の劣化防止剤。
  6. 劣化防止剤として、更にシラン系撥水剤、水溶性高分子、界面活性剤の中の少なくともいずれか1種を添加配合してなることを特徴とする請求項1,2,3,4もしくは5のいずれかに記載のコンクリート構造物の劣化防止剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の劣化防止剤を、コンクリート構造物の表面に塗布して硬化させることを特徴とするコンクリート構造物の劣化防止方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006249041A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Sankai Kasei Kk 防カビ及び抗菌組成物及びその塗料並びにその皮膜
JP2008156854A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Takuo Yukimoto 階段式緩傾斜護岸堤におけるすべり防止機構
JP2014005430A (ja) * 2012-06-23 2014-01-16 Akira Sunami 鉄及びコンクリート構造物の殺菌防食剤及び劣化防止方法

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