JPH1179920A - コンクリート用抗菌剤 - Google Patents

コンクリート用抗菌剤

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JPH1179920A
JPH1179920A JP24861997A JP24861997A JPH1179920A JP H1179920 A JPH1179920 A JP H1179920A JP 24861997 A JP24861997 A JP 24861997A JP 24861997 A JP24861997 A JP 24861997A JP H1179920 A JPH1179920 A JP H1179920A
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mortar
concrete
water
metal compound
antibacterial
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JP24861997A
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Takahiro Hori
孝廣 堀
Jun Uchida
潤 内田
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Nissan Chemical Corp
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Nissan Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下水施設に供用されるコンクリート、モ
ルタル等の硫黄酸化細菌による劣化を防止するための抗
菌剤に関する 【解決手段】 硬化コンクリート又はモルタル中で水に
対しては難溶性を示し、且つ酸性水に対しては可溶性を
示す化合物をコンクリート又はモルタル中に生成する水
溶性金属化合物からなるコンクリート又はモルタル用抗
菌剤である。ポルトランドセメント、骨材、及び水から
なるコンクリート又はモルタルに、水溶性金属化合物か
らなる抗菌剤を水溶液として添加し混練する抗菌性コン
クリート又はモルタルの製造方法である。硬化後のコン
クリート又はモルタルの表面から、水溶性金属化合物か
らなる抗菌剤の水溶液を含浸する硬化コンクリート又は
モルタルの抗菌化処理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、下水施設に供用
されるコンクリート、モルタル等の硫黄酸化細菌による
劣化を防止するための抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】下水道や下水処理施設で使用されるコン
クリート、モルタルは、その表面に付着している硫黄酸
化細菌により、下水中から発生する硫化水素が硫酸に変
換され、コンクリートを脆弱化させることが広く知られ
るようになった。このような劣化に対しては、従来、コ
ンクリート、モルタル表面のエポキシ樹脂によるライニ
ングなどが行われてきた。しかし、樹脂の劣化による接
着性の低下などにより十分な効果を上げていない。
【0003】特開平4−149053号公報では、水に
難溶性であり、且つ硫酸に溶解性である金属及び/又は
金属酸化物を、コンクリート、モルタル又は高分子材料
に含有させて硫黄酸化細菌を防菌及び/又は殺菌するコ
ンクリート、モルタル又は高分子材料の劣化防止方法が
記載されている。特開平8−268823号公報では水
に不溶性であり、硫酸に可溶性の金属粉末及び/又は金
属化合物粉末の表面に増粘剤を付着させてなる抗菌剤が
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−14905
3号及び特開平8−268823号の方法では、硫黄酸
化細菌が硫酸を生成した時点で硫酸が金属をイオン化
し、硫黄酸化細菌を殺菌し、硫酸の生成を停止させると
いうすぐれた劣化防止方法であるが、小量を粉末状態で
添加するために、コンクリート及びモルタル内に均一分
散させる点で問題がある。本願発明は、下水施設に供用
されるコンクリート、モルタル等の硫黄酸化細菌による
コンクリート、モルタルの劣化を防止するために、コン
クリート又はモルタル内に簡便に効率良く添加すること
のできる抗菌剤を提供することにある
【0005】。
【課題を解決するための手段】本願発明は、請求項1と
して「硬化コンクリート又はモルタル中で水に対しては
難溶性を示し、且つ酸性水に対しては可溶性を示す化合
物をコンクリート又はモルタル中に生成する水溶性金属
化合物からなるコンクリート又はモルタル用抗菌剤」で
ある。
【0006】また、請求項2として「水溶性金属化合物
がスルファミン酸塩である請求項1に記載のコンクリー
ト又はモルタル用抗菌剤」である。請求項3として「水
溶性金属化合物が、スルファミン酸銅、スルファミン酸
亜鉛、スルファミン酸ニッケル、スルファミン酸錫、又
はこれらの混合物である請求項1に記載のコンクリート
又はモルタル用抗菌剤」である。
【0007】請求項4として「請求項1乃至請求項3の
いずれか1項に記載の水溶性金属化合物からなる抗菌剤
を含有するコンクリート又はモルタル」である。請求項
5として「ポルトランドセメント、骨材、及び水からな
るコンクリート又はモルタルに、請求項1乃至請求項3
のいずれか1項に記載の水溶性金属化合物からなる抗菌
剤を水溶液として添加し、混練する抗菌性コンクリート
又はモルタルの製造方法」である。
【0008】請求項6として「増粘剤、AE剤、及び減
水剤から選ばれる1種又は2種以上の混和剤を更に添加
する請求項5に記載の抗菌性コンクリート又はモルタル
の製造方法」である。請求項7として「硬化コンクリー
ト又はモルタルの表面から、請求項1乃至請求項3のい
ずれか1項に記載の水溶性金属化合物からなる抗菌剤の
水溶液を含浸する硬化コンクリート又はモルタルの抗菌
化処理方法」である。
【0009】請求項8として「硬化コンクリート又はモ
ルタルの表面から、請求項1乃至請求項3のいずれか1
項に記載の水溶性金属化合物からなる抗菌剤の水溶液を
含浸し、その後当該抗菌剤を含有する未硬化のコンクリ
ート又はモルタルでその表面を被覆する硬化コンクリー
ト又はモルタルの抗菌化処理方法」である。請求項9と
して「被覆するコンクリート又はモルタルに、増粘剤、
AE剤、及び減水剤から選ばれる1種又は2種以上の混
和剤を更に添加する請求項8に記載の硬化コンクリート
又はモルタルの抗菌化処理方法」である。
【0010】請求項10として「請求項1乃至請求項3
のいずれか1項に記載の水溶性金属化合物からなる抗菌
剤によって、抗菌化処理を施したコンクリート又はモル
タルを下水施設に使用する方法」である。
【0011】
【発明の実施の形態】本願発明は硬化コンクリート又は
モルタル中で水に対しては難溶性を示し、且つ酸性水に
対しては可溶性を示す化合物をコンクリート又はモルタ
ル中に生成する水溶性金属化合物からなるコンクリート
又はモルタル用抗菌剤である。本願発明のコンクリート
用抗菌剤は水溶性金属化合物からなり、コンクリート又
はモルタルに添加するときは、水溶性金属化合物がコン
クリート又はモルタル中で容易に均一化が達成されるた
めに水溶液状態で添加する事が好ましい。
【0012】硬化コンクリート又はモルタル中で水に対
しては難溶性を示し、且つ酸性水に対しては可溶性を示
す化合物は、抗菌剤として添加する水溶性金属化合物に
対応した金属水酸化物である。添加された水溶性金属化
合物はコンクリート又はモルタル中では強アルカリ性の
為に、その金属元素に対応する金属水酸化物に変化す
る。その金属水酸化物は水に対しては難溶性を示し、そ
して酸性水、特に硫酸水に対しては溶解性を示すもので
ある。これは上記水溶性金属化合物が、硬化後のコンク
リート又はモルタル内で難溶性の金属水酸化物に変化し
コンクリート又はモルタル外には溶出しないものと考え
られる。一方、酸性水に対しては金属水酸化物が金属イ
オンを生成し溶解するものと考えられる。
【0013】従って、上記水溶性金属化合物は硫黄酸化
細菌が存在しないときは、コンクリート又はモルタル内
で水が存在しても、金属水酸化物としてコンクリート又
はモルタル内に固定化される。しかし、硫黄酸化細菌が
硫酸を生成した時点で硫酸水溶液が、その部分に存在す
る金属水酸化物をイオン化し、発生した金属イオンが硫
黄酸化細菌を殺菌するか又は細菌の生育を阻害し、硫黄
酸化細菌によるそれ以上の硫酸の生成を停止させて、コ
ンクリート又はモルタルの酸による腐食を防止するもの
である。
【0014】本願発明に使用される水溶性金属化合物と
は、硬化コンクリート又はモルタル中で水に対しては難
溶性を示し、且つ酸性水に対しては可溶性を示す化合物
を当該硬化体中に生成するものである。即ち上記の水溶
性金属化合物は、硬化コンクリート又はモルタル中で水
に対して難溶性の金属水酸化物を形成し、またその金属
水酸化物は硫酸水に対して溶解して抗菌性の金属イオン
を放出するものであれば、如何なる水溶性金属化合物も
使用する事が出来る。
【0015】その金属成分としては例えば、金、銀、ア
ルミニウム、銅、クロム、ニッケル、錫、コバルト、モ
リブデン、マンガン、鉛、チタン、鉄、タリウム等が挙
げられる。これら金属成分を含有する水溶性金属化合物
としては例えば、金、銀、アルミニウム、銅、クロム、
ニッケル、錫、コバルト、モリブデン、マンガン、鉛、
チタン、鉄、タリウム等の塩化物、硫酸塩、燐酸塩、ス
ルファミン酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩を挙げるこ
とができる。
【0016】上記水溶性金属化合物はコンクリート又は
モルタルに添加した時作業性を低下させないこと、強度
に悪影響を与えないことが要求され、更に、取り扱い上
の容易さや、硬化後の強度の点から5重量%以上の高濃
度の水溶液が望まれる。これらの条件を満たす好ましい
水溶性金属化合物としてスルファミン酸塩が挙げられ
る。この点で好ましい本願発明は、スルファミン酸塩か
らなるコンクリート又はモルタル用抗菌剤である。スル
ファミン酸塩の中でも、特にスルファミン酸銅、スルフ
ァミン酸亜鉛、スルファミン酸ニッケル、スルファミン
酸錫、又はこれらの混合物が好ましい。
【0017】例えばスルファミン酸ニッケルを抗菌剤と
して使用する場合は、スルファミン酸ニッケル水溶液が
コンクリート又はモルタル中で水に不溶な水酸化ニッケ
ルを生成するが、この水酸化ニッケルは硫酸水に対して
ニッケルイオンを放出して溶解する。コンクリート、モ
ルタルへの上記水溶性金属化合物の添加量は、各金属化
合物の殺菌力により異なるが、通常はコンクリート又は
モルタルの1m3(立方メートル)当たり0.01kg
〜10kgが必要とされる。好ましくは、コンクリート
又はモルタルの1m3当たり0.1kg〜5.0kgが
必要である。上記0.01kg未満では、添加しても殺
菌効果は充分ではなく、10kgを越える添加ではコン
クリート、モルタル物性に悪影響を与えることが多く、
経済上も好ましくない。
【0018】上記水溶性金属化合物からなる抗菌剤を含
有して抗菌性コンクリート又はモルタルが得られる。ポ
ルトランドセメント、骨材(細骨材及び/又は粗骨
材)、及び水からなるコンクリート又はモルタルに、上
記水溶性金属化合物からなる抗菌剤を水溶液として添加
し、混練して抗菌性コンクリート又はモルタルが得られ
る。
【0019】コンクリート又はモルタルへの水溶性金属
化合物からなる抗菌剤の添加は、練り混ぜ水に事前に混
合して添加する方法、コンクリート又はモルタルの練り
混ぜ時に混和剤水溶液と混合して抗菌剤と混和剤を同時
に添加する方法、すでに水が加えられ練り混ぜ後のコン
クリート又はモルタルへ抗菌剤を水溶液として後添加す
る方法など、硬化前のコンクリート、モルタルであれ
ば、通常のコンクリート又はモルタルの製造方法と同様
に容易に行うことができる。
【0020】上記混和剤としては増粘剤、AE剤、及び
減水剤から選ばれる1種又は2種以上の混和剤が挙げら
れる。増粘剤としては、ヒドロキシエチルセルロース等
のセルロース系や、ポリアクリルアミド等のアクリル
系、スチレンブタジエンゴム系エマルジョンが挙げられ
る。AE剤としては、ポリオール複合体、オキシカルボ
ン酸塩、アルキルアリールスルホン酸化合物系陰イオン
界面活性剤、天然樹脂酸塩、硫酸エステル型界面活性剤
等が挙げられる。減水剤としては高縮合トリアジン系化
合物、メラミンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合
物、ポリカルボン酸塩系誘導体、変性リグニンスルホン
酸塩系化合物、芳香族アミノスルホン酸系高分子化合
物、ナフタリンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物
系化合物等の高性能減水剤が挙げられる。また、高炉ス
ラグ微粉末、フライアッシュ等の無機質粉末を含有させ
る事も出来る。
【0021】硬化後のコンクリート又はモルタルの場合
には、その表面から水溶性金属化合物からなる抗菌剤の
水溶液を塗布含浸することにより硬化コンクリート又は
モルタルに抗菌化処理を施す事が出来る。この場合に
は、コンクリート、モルタルの表面に非常に高濃度の抗
菌剤の浸透層を形成し、硬化コンクリート又はモルタル
の内部又は表面層に上記水溶性金属化合物からなる抗菌
剤を存在させる事により、硬化コンクリート又はモルタ
ルに高い抗菌効果を期待することができる。硬化コンク
リート又はモルタルの表面から含浸する際に用いられる
水溶性金属酸化物からなる抗菌剤水溶液の濃度は5重量
%以上が好ましい。
【0022】本願発明では、上記方法により抗菌剤の水
溶液を硬化コンクリート又はモルタルに含浸せしめた後
に、その表面を更に抗菌剤を含有した未硬化のコンクリ
ート、モルタルで被覆して抗菌化処理を施す事により、
長期にわたって劣化を防止する耐久性に優れたコンクリ
ート又はモルタルを形成することができる。表面から含
浸させる方法は、抗菌化処理の供用前、若しくはその供
用後、又はそれらが劣化したコンクリートのいずれに対
しても、適用することができる。
【0023】被覆する抗菌剤を含有する未硬化のコンク
リート又はモルタルは、上記記載の抗菌性コンクリート
又はモルタルと同様に製造する事が出来る。即ち、ポル
トランドセメント、骨材(細骨材及び/又は粗骨材)、
及び水からなるコンクリート又はモルタルに、上記水溶
性金属化合物からなる抗菌剤を水溶液として添加し、混
練して被覆の為に用いる抗菌性コンクリート又はモルタ
ルが得られる。
【0024】コンクリート又はモルタルへの水溶性金属
化合物からなる抗菌剤の添加は、練り混ぜ水に事前に混
合して添加する方法、コンクリート又はモルタルの練り
混ぜ時に混和剤水溶液と混合して抗菌剤と混和剤を同時
に添加する方法、すでに水が加えられ練り混ぜ後のコン
クリート又はモルタルへ抗菌剤を水溶液として後添加す
る方法などによって得られる。
【0025】上記混和剤としては増粘剤、AE剤、及び
減水剤から選ばれる1種又は2種以上の混和剤が挙げら
れる。増粘剤としては、ヒドロキシエチルセルロース等
のセルロース系や、ポリアクリルアミド等のアクリル
系、スチレンブタジエンゴム系エマルジョンが挙げられ
る。AE剤としては、ポリオール複合体、オキシカルボ
ン酸塩、アルキルアリールスルホン酸化合物系陰イオン
界面活性剤、天然樹脂酸塩、硫酸エステル型界面活性剤
等が挙げられる。減水剤としては高縮合トリアジン系化
合物、メラミンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合
物、ポリカルボン酸塩系誘導体、変性リグニンスルホン
酸塩系化合物、芳香族アミノスルホン酸系高分子化合
物、ナフタリンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物
系化合物等の高性能減水剤が挙げられる。また、高炉ス
ラグ微粉末、フライアッシュ等の無機質粉末を含有させ
る事も出来る。
【0026】本願発明の抗菌剤を含有するコンクリー
ト、モルタル、又は既存のコンクリート、モルタル構造
物の抗菌化処理方法が適用される箇所は、下水処理施設
や下水道等であり、下水と接する箇所及びその上方空間
を形成している箇所である。これらの箇所は、下水若し
くは結露水に接する為に、抗菌剤自体がコンクリート又
はモルタル中で水への溶解性が高い物質では、外部への
溶出により長期間の効果は期待できない。
【0027】本願発明の抗菌剤は、容易な操作でコンク
リートやモルタルに求められる抗菌性を付与する事が出
来る。
【0028】
【実施例】
実施例1 普通ポルトランドセメント500g、砂1250gに、
水249gと60重量%濃度のスルファミン酸ニッケル
(SMA−Ni)水溶液0.1g(スルファミン酸ニッ
ケルの含有量0.06g、モルタル1m3に対して69
gのスルファミン酸ニッケルを含有する。)を添加し
て、混練して抗菌性モルタルを作成した。
【0029】なお、上記モルタルの比重は2.3であっ
た。即ち、モルタル1m3当たりの重量は2300kg
であった。 実施例2 普通ポルトランドセメント500g、砂1250gに、
水245gと60重量%濃度のスルファミン酸ニッケル
(SMA−Ni)水溶液1.0g(スルファミン酸ニッ
ケルの含有量0.6g、モルタル1m3に対して690
gのスルファミン酸ニッケルを含有する。)を添加し
て、混練して抗菌性モルタルを作成した。
【0030】なお、上記モルタルの比重は2.3であっ
た。即ち、モルタル1m3当たりの重量は2300kg
であった。 実施例3 普通ポルトランドセメント500g、砂1250gに、
水225gと60重量%濃度のスルファミン酸ニッケル
(SMA−Ni)水溶液7.0g(スルファミン酸ニッ
ケルの含有量4.2g、モルタル1m3に対して483
0gのスルファミン酸ニッケルを含有する。)を添加し
て、混練して抗菌性モルタルを作成した。
【0031】なお、上記モルタルの比重は2.3であっ
た。即ち、モルタル1m3当たりの重量は2300kg
であった。 比較例1 普通ポルトランドセメント500g、砂1250gに、
水250gの混練水を添加して、抗菌剤は加えずに混練
して通常モルタルを作成した。
【0032】これらの配合割合を表1に示した。
【0033】
【表1】 表1 例 セメント 砂 水 60重量%SMA−Ni水溶液 実施例1 500g 1250g 250g 0.1g 実施例2 500g 1250g 250g 1.0g 実施例3 500g 1250g 250g 7.0g比較例1 500g 1250g 250g −−− 実施例1〜3と比較例1のモルタル試験体をJIS(R
5201)に規定されている手順でフロー値の測定を行
った。また、4×4×16cmの型枠に打設し、1日後
脱型、28日後まで20℃で水中養生し、圧縮強度、曲
げ強度を測定した。
【0034】同様にして作成した実施例1〜3及び比較
例1のモルタル試験体を、下水処理場の汚泥施設の気中
部に6ヶ月間暴露して表面状態を観察した。また、上記
の6ヶ月間暴露したモルタル試験体の表層を削り取り、
X線回折装置で石膏の生成状態を調べた。これら測定結
果を表2に示した。
【0035】
【表2】 表2 例 フロー値 曲げ強度 圧縮強度 モルタルの 石膏の (mm) (kgf/cm2) (kgf/cm2) 表面状態 生成状態 実施例1 173 53 306 凹凸小、粉化小 少ない 実施例2 168 60 302 凹凸微、異常なし 微量 実施例3 146 68 345 凹凸微、異常なし 微量比較例1 172 51 303 凹凸大、粉化 多い 実施例1〜3のモルタル組成物は、硬化前の流動性(フ
ロー値)が良好であり、その硬化体は曲げ強度、圧縮強
度も充分な値であった。汚泥施設に6ヶ月間暴露した実
施例1〜3のモルタル試験体に関して、モルタル1m3
に対して69gのスルファミン酸ニッケルを添加した実
施例1のモルタル試験体は、極僅かではあるが硫黄酸化
細菌により生成した硫酸の影響によりモルタルの中性化
が起こり微小な凹凸と粉化が少し発生し、X線回折によ
れば僅かではあるが石膏が生成していた。しかし実用
上、ほとんど問題にならない範囲であった。
【0036】実施例2〜3の汚泥施設に6ヶ月間暴露し
たモルタル試験体(モルタル1m3に対して690g〜
4830gのスルファミン酸ニッケルを含有してい
る。)は、硫黄酸化細菌により生成した硫酸によりスル
ファミン酸ニッケルからニッケルイオンが発生し、ニッ
ケルイオンの抗菌作用により硫黄酸化細菌の生育を抑制
し、それ以上の硫酸の生成が起こらず表面の凹凸等の異
常によるモルタルの中性化は確認されなかった。また、
X線回折による石膏の生成量はほとんど確認されなかっ
た。実用上、良好な状態であった。
【0037】一方、抗菌剤としてスルファミン酸ニッケ
ルを含有しない比較例1のモルタル試験体は、硬化前の
流動性(フロー値)と、その硬化後の曲げ強度、圧縮強
度は実施例1〜3と同様の値であったが、その試験体を
汚泥施設に6ヶ月間暴露した場合に、硫黄酸化細菌によ
る硫酸の生成によりモルタルが腐食され、試験体は多く
の粉化現象が見られ、X線回折によっても石膏の生成が
多く確認された。この抗菌剤を含有しないモルタル試験
体は、この汚泥施設での使用には不可であった。
【0038】
【発明の効果】本願発明の抗菌剤は水溶液の状態で未硬
化のコンクリート又はモルタルに添加する事が出来るの
で、これらのコンクリート又はモルタルを硬化した場合
に、硬化コンクリート又はモルタル内に抗菌剤を均一に
存在させる事が出来る。また、高濃度で使用する事が出
来るので、既に硬化したコンクリート又はモルタルの表
面から塗布型方式で含浸処理する事が可能である。
【0039】コンクリート又はモルタル内に含有された
本願発明の抗菌剤は、コンクリート又はモルタル内の高
いアルカリ性の為に、極めて難溶性の金属水酸化物を形
成し金属成分が外部に溶出することはない。一方、下水
施設から発生した硫化水素が硫黄酸化細菌により硫酸に
変化し、生成した硫酸水溶液に対して、当該硬化体中の
金属水酸化物は金属イオンを発生し、この金属イオンの
抗菌作用により硫黄酸化細菌のそれ以上の生育を阻害し
劣化から長期間に渡りコンクリートやモルタルを保護す
る事が出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C04B 103:69

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化コンクリート又はモルタル中で水に
    対しては難溶性を示し、且つ酸性水に対しては可溶性を
    示す化合物をコンクリート又はモルタル中に生成する水
    溶性金属化合物からなるコンクリート又はモルタル用抗
    菌剤。
  2. 【請求項2】 水溶性金属化合物がスルファミン酸塩で
    ある請求項1に記載のコンクリート又はモルタル用抗菌
    剤。
  3. 【請求項3】 水溶性金属化合物が、スルファミン酸
    銅、スルファミン酸亜鉛、スルファミン酸ニッケル、ス
    ルファミン酸錫、又はこれらの混合物である請求項1に
    記載のコンクリート又はモルタル用抗菌剤。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載の水溶性金属化合物からなる抗菌剤を含有するコン
    クリート又はモルタル。
  5. 【請求項5】 ポルトランドセメント、骨材、及び水か
    らなるコンクリート又はモルタルに、請求項1乃至請求
    項3のいずれか1項に記載の水溶性金属化合物からなる
    抗菌剤を水溶液として添加し、混練する抗菌性コンクリ
    ート又はモルタルの製造方法。
  6. 【請求項6】 増粘剤、AE剤、及び減水剤から選ばれ
    る1種又は2種以上の混和剤を更に添加する請求項5に
    記載の抗菌性コンクリート又はモルタルの製造方法。
  7. 【請求項7】 硬化コンクリート又はモルタルの表面か
    ら、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の水溶
    性金属化合物からなる抗菌剤の水溶液を含浸する硬化コ
    ンクリート又はモルタルの抗菌化処理方法。
  8. 【請求項8】 硬化コンクリート又はモルタルの表面か
    ら、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の水溶
    性金属化合物からなる抗菌剤の水溶液を含浸し、その後
    当該抗菌剤を含有する未硬化のコンクリート又はモルタ
    ルでその表面を被覆する硬化コンクリート又はモルタル
    の抗菌化処理方法。
  9. 【請求項9】 被覆するコンクリート又はモルタルに、
    増粘剤、AE剤、及び減水剤から選ばれる1種又は2種
    以上の混和剤を更に添加する請求項8に記載の硬化コン
    クリート又はモルタルの抗菌化処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項
    に記載の水溶性金属化合物からなる抗菌剤によって、抗
    菌化処理を施したコンクリート又はモルタルを下水施設
    に使用する方法。
JP24861997A 1997-09-12 1997-09-12 コンクリート用抗菌剤 Pending JPH1179920A (ja)

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JP24861997A Pending JPH1179920A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 コンクリート用抗菌剤

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003026524A (ja) * 2001-07-11 2003-01-29 Takeda Chem Ind Ltd 工業用殺菌組成物
WO2006076872A1 (en) * 2005-01-21 2006-07-27 Lifetech S.R.O Preparation for eradicating algae and microorganisms in aqueous environment
JP2007119259A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Denki Kagaku Kogyo Kk 有機−無機複合型塗膜養生剤およびそれを使用したモルタルまたはコンクリートならびにその処理方法
US8083851B2 (en) 2006-12-29 2011-12-27 Sciessent Llc Antimicrobial cements and cementitious compositions
JP2014173236A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Penta Ocean Construction Co Ltd 抗菌性コンクリート床の構築方法

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