JP3415290B2 - 小型無線呼び出し機の振動発生装置用振動子の製造方法 - Google Patents
小型無線呼び出し機の振動発生装置用振動子の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小型無線呼び出し機の
振動発生装置に取付けられる振動子の製造方法に関する
ものである。
振動発生装置に取付けられる振動子の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ページング方式の小型無線呼び出
し機の一種として、モータの回転軸に高比重金属からな
る振動子を偏心固定した振動発生装置を内蔵した形式の
ものが普及しつつある。このような振動発生装置を内蔵
したものにあっては、呼び出し音を発する代わりに上記
振動子により振動を発生させることによって、例えば人
込みの中や会議の最中にあっても、他人に知られること
なく受信を確認することができるといった利点がある。
し機の一種として、モータの回転軸に高比重金属からな
る振動子を偏心固定した振動発生装置を内蔵した形式の
ものが普及しつつある。このような振動発生装置を内蔵
したものにあっては、呼び出し音を発する代わりに上記
振動子により振動を発生させることによって、例えば人
込みの中や会議の最中にあっても、他人に知られること
なく受信を確認することができるといった利点がある。
【0003】図3および図4は、従来のこの種の振動子
が取付けられた振動発生装置の一例を示すものである。
これらの図において、図中符号1は小型無線呼び出し機
の信号発生回路に接続される小型モータを示すもので、
このモータ1の回転軸2には、全体として略扇形状をな
し、軸線方向に所定の厚さ寸法を有する振動子3が、そ
の偏心位置に形成された取付孔4内に上記回転軸2が挿
通され、外周部の一点Pにおいて加締められることによ
り上記回転軸2に固定されている。ここで、上記振動子
3は、W粉末、Ni粉末、Cu粉末あるいはFe粉末等
を適宜混合した後、粉末冶金法(乾式プレス成形方法)
により所望の上記扇形板状に成形された、比重が17〜
19程度のいわゆる高比重金属からなるものである。
が取付けられた振動発生装置の一例を示すものである。
これらの図において、図中符号1は小型無線呼び出し機
の信号発生回路に接続される小型モータを示すもので、
このモータ1の回転軸2には、全体として略扇形状をな
し、軸線方向に所定の厚さ寸法を有する振動子3が、そ
の偏心位置に形成された取付孔4内に上記回転軸2が挿
通され、外周部の一点Pにおいて加締められることによ
り上記回転軸2に固定されている。ここで、上記振動子
3は、W粉末、Ni粉末、Cu粉末あるいはFe粉末等
を適宜混合した後、粉末冶金法(乾式プレス成形方法)
により所望の上記扇形板状に成形された、比重が17〜
19程度のいわゆる高比重金属からなるものである。
【0004】このような、振動子3にあっては、これを
加締めることのみによって、モータ1の回転軸2に取付
けているので、構造が簡単でその取付けおよび部品管理
等が容易であるといった利点が得られるものの、全体が
同一かつ高比重のタングステン(W)合金によって成形
されているので、より多くの振動量を得ようとすると、
おのずと扇状の偏心荷重部分の径を大きくせざるを得
ず、この結果全体が大型化して重量が嵩んでしまうとい
う欠点があった。
加締めることのみによって、モータ1の回転軸2に取付
けているので、構造が簡単でその取付けおよび部品管理
等が容易であるといった利点が得られるものの、全体が
同一かつ高比重のタングステン(W)合金によって成形
されているので、より多くの振動量を得ようとすると、
おのずと扇状の偏心荷重部分の径を大きくせざるを得
ず、この結果全体が大型化して重量が嵩んでしまうとい
う欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、昨今、特に
この種の小型無線呼び出し機における薄肉化あるいはカ
ード化の要請に伴い、上記振動子3の小型化が要望され
ている。このため、本発明者等は、先に特願平6−15
0634号において、図1に示すような、モータの回転
軸が挿入される取付孔11が形成された回転軸挿通部1
2の全体と、この回転軸挿通部12の外周から取付孔1
1の軸線の外方に突出する偏心荷重部13とから構成さ
れ、上記偏心荷重部13が、例えばW−3.5Ni−1.
5Fe(添字はwt%を示す。)等の、比重が約18であ
るW合金によって形成され、かつ回転軸挿通部12が、
比重が7.6であって上記W合金よりも比重が小さいF
e−2Ni等のFe系材料によって形成された振動子1
0を提案した。
この種の小型無線呼び出し機における薄肉化あるいはカ
ード化の要請に伴い、上記振動子3の小型化が要望され
ている。このため、本発明者等は、先に特願平6−15
0634号において、図1に示すような、モータの回転
軸が挿入される取付孔11が形成された回転軸挿通部1
2の全体と、この回転軸挿通部12の外周から取付孔1
1の軸線の外方に突出する偏心荷重部13とから構成さ
れ、上記偏心荷重部13が、例えばW−3.5Ni−1.
5Fe(添字はwt%を示す。)等の、比重が約18であ
るW合金によって形成され、かつ回転軸挿通部12が、
比重が7.6であって上記W合金よりも比重が小さいF
e−2Ni等のFe系材料によって形成された振動子1
0を提案した。
【0006】このような振動子10によれば、偏心荷重
部13を、回転軸挿通部12よりも比重が大きい材料に
よって形成しているので、この振動子10の重心位置を
従来のものよりも外周側に偏らせることができ、この結
果従来のものよりも外径を小さく形成しても、同等ある
いはより大きな振動量を得ることが可能となるため、容
易に振動発生装置全体の小型化あるいは薄肉化を図るこ
とができるという利点がある。
部13を、回転軸挿通部12よりも比重が大きい材料に
よって形成しているので、この振動子10の重心位置を
従来のものよりも外周側に偏らせることができ、この結
果従来のものよりも外径を小さく形成しても、同等ある
いはより大きな振動量を得ることが可能となるため、容
易に振動発生装置全体の小型化あるいは薄肉化を図るこ
とができるという利点がある。
【0007】ところで、上記振動子10は、通常W粉末
と所定の合金粉末とに有機バインダを混合して、これを
射出成形またはプレス成形によって上記偏心荷重部13
の形状に成形するとともに、上記射出成形の場合は、イ
ンサート成形による2次成形によってFe系材料を射出
し、上記偏心荷重部13の所定位置に回転軸挿通部12
を成形して脱脂し、他方プレス成形の場合は、別途上記
Fe系材料によって上記回転軸挿通部12を射出成形ま
たはプレス成形・脱脂して上記偏心荷重部13に合体さ
せた後に、いずれの場合もこれらを焼結して一体化する
ことにより製造されている。しかしながら、上記振動子
10の製造方法にあっては、異種合金を互いに接合する
ために、各種の成形条件が変化すると、回転時に最も引
張り応力が作用する上記回転軸挿通部12と偏心荷重部
13との接合部に、空孔を生じたりあるいは偏心荷重部
13側に巣が発生したりして歩留りが低下してしまい、
よってこれらW合金製の偏心荷重部13とFe系材料製
の回転軸挿通部12とを、安定的に強固な接合強度で一
体的に接合することが難しいという問題点があった。
と所定の合金粉末とに有機バインダを混合して、これを
射出成形またはプレス成形によって上記偏心荷重部13
の形状に成形するとともに、上記射出成形の場合は、イ
ンサート成形による2次成形によってFe系材料を射出
し、上記偏心荷重部13の所定位置に回転軸挿通部12
を成形して脱脂し、他方プレス成形の場合は、別途上記
Fe系材料によって上記回転軸挿通部12を射出成形ま
たはプレス成形・脱脂して上記偏心荷重部13に合体さ
せた後に、いずれの場合もこれらを焼結して一体化する
ことにより製造されている。しかしながら、上記振動子
10の製造方法にあっては、異種合金を互いに接合する
ために、各種の成形条件が変化すると、回転時に最も引
張り応力が作用する上記回転軸挿通部12と偏心荷重部
13との接合部に、空孔を生じたりあるいは偏心荷重部
13側に巣が発生したりして歩留りが低下してしまい、
よってこれらW合金製の偏心荷重部13とFe系材料製
の回転軸挿通部12とを、安定的に強固な接合強度で一
体的に接合することが難しいという問題点があった。
【0008】そこで、本発明者等は、上記W合金材とF
e系材料とを確実に強固な接合強度で一体に接合すべ
く、特にこれらW合金材とFe系材料とを合体させて焼
結する際の焼結温度およびW合金材におけるWの平均粒
径を様々に変化させて接合を行い、得られた振動子10
の接合部における断面組織を顕微鏡によって観察したと
ころ、上記W粉末の平均粒径を15μm未満とし、かつ
W合金粉末が理論密度に到達する焼結温度をT℃とした
場合に、T+15≦T1 ≦T+35、である温度T1 ℃
で焼結した場合に、上記偏心荷重部13と回転軸挿通部
12とを良好な接合状態で一体的に接合することができ
る、という知見を得るに至った。
e系材料とを確実に強固な接合強度で一体に接合すべ
く、特にこれらW合金材とFe系材料とを合体させて焼
結する際の焼結温度およびW合金材におけるWの平均粒
径を様々に変化させて接合を行い、得られた振動子10
の接合部における断面組織を顕微鏡によって観察したと
ころ、上記W粉末の平均粒径を15μm未満とし、かつ
W合金粉末が理論密度に到達する焼結温度をT℃とした
場合に、T+15≦T1 ≦T+35、である温度T1 ℃
で焼結した場合に、上記偏心荷重部13と回転軸挿通部
12とを良好な接合状態で一体的に接合することができ
る、という知見を得るに至った。
【0009】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたもので、W合金からなる偏心荷重部と、Fe系材料
からなる回転軸挿通部とを確実に強固な接合強度で一体
に接合して、異なった比重の材料からなる振動子を安定
的に製造することができる小型無線呼び出し機の振動発
生装置用振動子の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
れたもので、W合金からなる偏心荷重部と、Fe系材料
からなる回転軸挿通部とを確実に強固な接合強度で一体
に接合して、異なった比重の材料からなる振動子を安定
的に製造することができる小型無線呼び出し機の振動発
生装置用振動子の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る小型無線呼び出し機の振動発生装置用振動子の製
造方法は、Fe系材料からなり、モータの回転軸が挿入
される取付孔の外周部分を構成する回転軸挿通部と、W
合金からなり、上記取付孔が偏心位置となるように回転
軸挿通部の外周から上記取付孔の軸線の外方に突出する
偏心荷重部とが一体に接合されて上記モータの回転軸に
偏心固定される小型無線呼び出し機の振動発生装置用振
動子の製造方法であって、平均粒径が15μm未満のW
粉末を主成分とするW合金粉末と有機バインダとを混合
して上記偏心荷重部を成形し、これにFe系材料によっ
て成形された上記回転軸挿通部を合体させた後に、これ
らを、上記W合金粉末が理論密度に到達する焼結温度を
T℃とした場合に、T+15≦T1 ≦T+35、である
温度T1 ℃で焼結して上記偏心荷重部と回転軸挿通部と
を一体的に接合することを特徴とするものである。
に係る小型無線呼び出し機の振動発生装置用振動子の製
造方法は、Fe系材料からなり、モータの回転軸が挿入
される取付孔の外周部分を構成する回転軸挿通部と、W
合金からなり、上記取付孔が偏心位置となるように回転
軸挿通部の外周から上記取付孔の軸線の外方に突出する
偏心荷重部とが一体に接合されて上記モータの回転軸に
偏心固定される小型無線呼び出し機の振動発生装置用振
動子の製造方法であって、平均粒径が15μm未満のW
粉末を主成分とするW合金粉末と有機バインダとを混合
して上記偏心荷重部を成形し、これにFe系材料によっ
て成形された上記回転軸挿通部を合体させた後に、これ
らを、上記W合金粉末が理論密度に到達する焼結温度を
T℃とした場合に、T+15≦T1 ≦T+35、である
温度T1 ℃で焼結して上記偏心荷重部と回転軸挿通部と
を一体的に接合することを特徴とするものである。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1に記載のW合金が、1〜6wt%のニッケル(N
i)、1〜4wt%の銅(Cu)を、0.5〜2wt%の鉄
(Fe)および不可避不純物を含み、残部がWからなる
ものであり、かつ上記T1 が1355℃〜1375℃の
温度範囲であることを特徴とするものである。
項1に記載のW合金が、1〜6wt%のニッケル(N
i)、1〜4wt%の銅(Cu)を、0.5〜2wt%の鉄
(Fe)および不可避不純物を含み、残部がWからなる
ものであり、かつ上記T1 が1355℃〜1375℃の
温度範囲であることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】請求項1およびその具体的一実施態様である請
求項2に記載の発明によれば、上記偏心荷重部と回転軸
挿通部とを合体させた後に、これを上述した範囲の温度
T1 ℃によって焼結すると、偏心荷重部を構成するW合
金内のバインダ層が回転軸挿通部を構成するFe系材料
との接合界面側に浸出し、これが上記W合金とFe系材
料との接合に寄与するため、両者が強固に接合される。
ここで、上記焼結温度T1 の範囲を限定した理由につい
て説明すると、上記焼結温度T1 が(T+15)℃に満
たないと、W合金からのバインダ層の浸出が充分に行わ
れない結果、接合界面に空孔が生じて強固に接合するこ
とが出来ず、他方上記焼結温度T1 が(T+35)℃を
超えると、W合金側からのバインダ層の浸出が過度にな
り、この結果W合金側の密度が低下するとともに、当該
W合金の接合面近傍に空孔が生じて充分な接合強度が得
られず、よっていずれの場合にも不適当になってしまう
からである。
求項2に記載の発明によれば、上記偏心荷重部と回転軸
挿通部とを合体させた後に、これを上述した範囲の温度
T1 ℃によって焼結すると、偏心荷重部を構成するW合
金内のバインダ層が回転軸挿通部を構成するFe系材料
との接合界面側に浸出し、これが上記W合金とFe系材
料との接合に寄与するため、両者が強固に接合される。
ここで、上記焼結温度T1 の範囲を限定した理由につい
て説明すると、上記焼結温度T1 が(T+15)℃に満
たないと、W合金からのバインダ層の浸出が充分に行わ
れない結果、接合界面に空孔が生じて強固に接合するこ
とが出来ず、他方上記焼結温度T1 が(T+35)℃を
超えると、W合金側からのバインダ層の浸出が過度にな
り、この結果W合金側の密度が低下するとともに、当該
W合金の接合面近傍に空孔が生じて充分な接合強度が得
られず、よっていずれの場合にも不適当になってしまう
からである。
【0013】さらに、上記W粉末の平均粒径を15μm
未満としたのは、当該W粉末の平均粒径が15μm以上
になると、W合金の緻密化およびバインダ層の浸出が不
十分となり、充分な接合強度が得られなくなるからであ
る。
未満としたのは、当該W粉末の平均粒径が15μm以上
になると、W合金の緻密化およびバインダ層の浸出が不
十分となり、充分な接合強度が得られなくなるからであ
る。
【0014】ちなみに、例えばW−2.4Ni−1.6C
u−1Fe(数字はwt%)のような、この種の振動子に
おけるW合金として汎用されている、1〜6wt%のニッ
ケル(Ni)、1〜4wt%の銅(Cu)を、0.5〜2
wt%の鉄(Fe)および不可避不純物を含み、残部がW
からなるものにあっては、当該W粉末の平均粒径が15
μm未満において、理論密度に到達する焼結温度Tが1
340℃であるため、上記焼結を1355℃〜1375
℃の範囲の温度T1 によって行うことにより、上述した
作用効果を得ることができる。
u−1Fe(数字はwt%)のような、この種の振動子に
おけるW合金として汎用されている、1〜6wt%のニッ
ケル(Ni)、1〜4wt%の銅(Cu)を、0.5〜2
wt%の鉄(Fe)および不可避不純物を含み、残部がW
からなるものにあっては、当該W粉末の平均粒径が15
μm未満において、理論密度に到達する焼結温度Tが1
340℃であるため、上記焼結を1355℃〜1375
℃の範囲の温度T1 によって行うことにより、上述した
作用効果を得ることができる。
【0015】なお、偏心荷重部として他のW合金、例え
ばW−3Ni−2Cuを用いた場合は、当該W合金の理
論密度に到達する焼結温度Tが1345℃であることか
ら、上記焼結温度T1 を1360〜1380℃とすれば
よく、またW−3.5Ni−1.5Moあるいは、W−
3.5Ni−1.5Feである場合には、いずれも上記
Tが1425℃であるため、上記焼結温度T1 を144
0〜1460℃とすればよい。
ばW−3Ni−2Cuを用いた場合は、当該W合金の理
論密度に到達する焼結温度Tが1345℃であることか
ら、上記焼結温度T1 を1360〜1380℃とすれば
よく、またW−3.5Ni−1.5Moあるいは、W−
3.5Ni−1.5Feである場合には、いずれも上記
Tが1425℃であるため、上記焼結温度T1 を144
0〜1460℃とすればよい。
【0016】
【実施例】本発明に係る小型無線呼び出し機の振動発生
装置用振動子の製造方法の一実施例として、以下のW合
金およびFe系材料を用いた偏心荷重部13と回転軸挿
通部12とを接合して、図1に示すような振動子10を
製造した。先ず、W粉末、Ni−Cu合金粉末およびF
e粉末をボールミルで粉砕して、W−2.4Ni−1.6
Cu−1Fe(数字はwt%、計算密度=約18.20)
合金を得、これに40〜50vol %のパラフィン、ワッ
クス等の有機バインダを加え、ニーダー中において13
5℃で約3時間混合した。この際に、上記W粉末とし
て、平均粒径が4μm〜15μmの各種のものを、Ni
−Cu合金粉末として平均粒径が7μmのものを、さら
にFe粉末として平均粒径が6μmのものをそれぞれ使
用した。
装置用振動子の製造方法の一実施例として、以下のW合
金およびFe系材料を用いた偏心荷重部13と回転軸挿
通部12とを接合して、図1に示すような振動子10を
製造した。先ず、W粉末、Ni−Cu合金粉末およびF
e粉末をボールミルで粉砕して、W−2.4Ni−1.6
Cu−1Fe(数字はwt%、計算密度=約18.20)
合金を得、これに40〜50vol %のパラフィン、ワッ
クス等の有機バインダを加え、ニーダー中において13
5℃で約3時間混合した。この際に、上記W粉末とし
て、平均粒径が4μm〜15μmの各種のものを、Ni
−Cu合金粉末として平均粒径が7μmのものを、さら
にFe粉末として平均粒径が6μmのものをそれぞれ使
用した。
【0017】次いで、これを500〜1000kgf/cm2
の射出圧力で射出成形して上記偏心荷重部13を成形
し、さらにインサート成形による2次成形によって有機
バインダを加えた上記Fe粉末を射出し、上記偏心荷重
部13に回転軸挿通部12を合体させた成形体を得、さ
らにこれを約700℃の水素ガス気流中において脱脂処
理を行った。他方、上記有機バインダとともに混合した
W合金粉末を、1.5〜4.0t/cm2でプレス成形して上
記偏心荷重部13を成形し、これと並行して上記Fe粉
末を同様にプレス成形して上記回転軸挿通部12を成形
した。次いで、これらを脱脂処理した後に、互いに載置
・合体させた。
の射出圧力で射出成形して上記偏心荷重部13を成形
し、さらにインサート成形による2次成形によって有機
バインダを加えた上記Fe粉末を射出し、上記偏心荷重
部13に回転軸挿通部12を合体させた成形体を得、さ
らにこれを約700℃の水素ガス気流中において脱脂処
理を行った。他方、上記有機バインダとともに混合した
W合金粉末を、1.5〜4.0t/cm2でプレス成形して上
記偏心荷重部13を成形し、これと並行して上記Fe粉
末を同様にプレス成形して上記回転軸挿通部12を成形
した。次いで、これらを脱脂処理した後に、互いに載置
・合体させた。
【0018】次いで、上述したように射出成形あるいは
プレス成形によって合体された上記偏心荷重部13と回
転軸挿通部12とを、焼成炉において還元性雰囲気中で
各種の焼結温度により焼結して一体に接合し、上記振動
子10を得た。次に、得られた振動子10の接合面の組
織等を顕微鏡を用いて観察して、その接合面の状態を評
価した。図2は、このようにしてW粉末の平均粒径およ
び焼結温度T1 を変えた、各種の条件下で接合された振
動子10における接合面の評価結果を示すものである。
図2の実施例1〜6に見られるように、上記焼結温度T
1 が1355℃〜1375℃の範囲にあり、かつW粉末
の平均粒径が15μmに満たない条件下で接合したもの
にあっては、W合金側から浸出したバインダ層が両部材
の接合に寄与して良好な接合状態が得られることが判
る。
プレス成形によって合体された上記偏心荷重部13と回
転軸挿通部12とを、焼成炉において還元性雰囲気中で
各種の焼結温度により焼結して一体に接合し、上記振動
子10を得た。次に、得られた振動子10の接合面の組
織等を顕微鏡を用いて観察して、その接合面の状態を評
価した。図2は、このようにしてW粉末の平均粒径およ
び焼結温度T1 を変えた、各種の条件下で接合された振
動子10における接合面の評価結果を示すものである。
図2の実施例1〜6に見られるように、上記焼結温度T
1 が1355℃〜1375℃の範囲にあり、かつW粉末
の平均粒径が15μmに満たない条件下で接合したもの
にあっては、W合金側から浸出したバインダ層が両部材
の接合に寄与して良好な接合状態が得られることが判
る。
【0019】これに対して、比較例1および2に見られ
るように、W粉末の平均粒径が15μm未満であって
も、焼結温度T1 が1355℃よりも低いと、上記バイ
ンダ層の浸出が充分に行われず、この結果接合界面に空
孔が生じて強固に接合することが出来ず、他方比較例3
に見られるように、上記焼結温度T1 が1375℃を超
えると、W合金側からのバインダ層の浸出が過度にな
り、この結果W合金の接合面近傍に巣が生じて充分な接
合強度が得られず、よっていずれの場合にも所望の接合
が行われないことが判る。また、比較例4に見られるよ
うに、焼結温度T1 が上述した温度範囲にあっても、W
粉末の平均粒径が15μm以上になると、W合金の緻密
化およびバインダ層の浸出が不十分となり、この結果充
分な接合が行われないことが判る。
るように、W粉末の平均粒径が15μm未満であって
も、焼結温度T1 が1355℃よりも低いと、上記バイ
ンダ層の浸出が充分に行われず、この結果接合界面に空
孔が生じて強固に接合することが出来ず、他方比較例3
に見られるように、上記焼結温度T1 が1375℃を超
えると、W合金側からのバインダ層の浸出が過度にな
り、この結果W合金の接合面近傍に巣が生じて充分な接
合強度が得られず、よっていずれの場合にも所望の接合
が行われないことが判る。また、比較例4に見られるよ
うに、焼結温度T1 が上述した温度範囲にあっても、W
粉末の平均粒径が15μm以上になると、W合金の緻密
化およびバインダ層の浸出が不十分となり、この結果充
分な接合が行われないことが判る。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1およびそ
の具体的一実施態様である請求項2に記載の発明によれ
ば、平均粒径が15μm未満のW粉末を主成分とするW
合金粉末と有機バインダとを混合して偏心荷重部を成形
し、これにFe系材料による回転軸挿通部を合体させた
後に、これを、上記W合金粉末が理論密度に到達する焼
結温度をT℃とした場合に、T+15≦T1 ≦T+3
5、である温度T1 ℃で焼結して上記偏心荷重部と回転
軸挿通部とを一体的に接合しているので、焼結時に偏心
荷重部を構成するW合金内のバインダ層が回転軸挿通部
を構成するFe系材料との接合界面側に浸出し、これが
上記W合金とFe系材料との接合に寄与するため、両者
を確実にかつ安定的に強固に接合することができる。
の具体的一実施態様である請求項2に記載の発明によれ
ば、平均粒径が15μm未満のW粉末を主成分とするW
合金粉末と有機バインダとを混合して偏心荷重部を成形
し、これにFe系材料による回転軸挿通部を合体させた
後に、これを、上記W合金粉末が理論密度に到達する焼
結温度をT℃とした場合に、T+15≦T1 ≦T+3
5、である温度T1 ℃で焼結して上記偏心荷重部と回転
軸挿通部とを一体的に接合しているので、焼結時に偏心
荷重部を構成するW合金内のバインダ層が回転軸挿通部
を構成するFe系材料との接合界面側に浸出し、これが
上記W合金とFe系材料との接合に寄与するため、両者
を確実にかつ安定的に強固に接合することができる。
【図1】本発明によって製造される振動子の一例を示す
正面図である。
正面図である。
【図2】本発明の小型無線呼び出し機の振動発生装置用
振動子の製造方法の一実施例における実験結果を示す表
である。
振動子の製造方法の一実施例における実験結果を示す表
である。
【図3】従来の振動子をモータに取付けた状態を示す側
断面図である。
断面図である。
【図4】図3の振動子を示す正面図である。
1 モータ
2 モータ回転軸
10 振動子
11 取付孔
12 回転軸挿通部
13 偏心荷重部
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−140672(JP,A)
特開 平5−222402(JP,A)
特開 平2−107741(JP,A)
特開 平7−184247(JP,A)
特開 平7−184248(JP,A)
特開 平7−336749(JP,A)
実開 平6−19336(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H02K 7/00 - 7/20
B06B 1/00 - 3/04
H02K 15/00 - 15/02
H02K 15/04 - 15/16
B22F 1/00 - 8/00
C22C 1/04 - 1/05
C22C 27/04
C22C 33/02
H04B 7/24 - 7/26
H04Q 7/00 - 7/38
Claims (2)
- 【請求項1】 鉄(Fe)系材料からなり、モータの回
転軸が挿入される取付孔の外周部分を構成する回転軸挿
通部と、タングステン(W)合金からなり、上記取付孔
が偏心位置となるように上記回転軸挿通部の外周から上
記取付孔の軸線の外方に突出する偏心荷重部とが一体に
接合されて上記モータの回転軸に偏心固定される小型無
線呼び出し機の振動発生装置用振動子の製造方法であっ
て、 平均粒径が15μm未満のW粉末を主成分とするW合金
粉末と有機バインダとを混合して上記偏心荷重部を成形
し、これにFe系材料によって成形された上記回転軸挿
通部を合体させた後に、これらを、上記W合金粉末が理
論密度に到達する焼結温度をT℃とした場合に、 T+15≦T1≦T+35、 である温度T1℃で焼結し
て上記偏心荷重部と上記回転軸挿通部とを一体的に接合
することを特徴とする小型無線呼び出し機の振動発生装
置用振動子の製造方法。 - 【請求項2】 上記W合金は、1〜6wt%のニッケル
(Ni)、1〜4wt%の銅(Cu)、0.5〜2wt%の
鉄(Fe)および不可避不純物を含み、残部がWからな
り、かつ上記T1が 1355℃〜1375℃の温度範囲
であることを特徴とする請求項1に記載の小型無線呼び
出し機の振動発生装置用振動子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25732994A JP3415290B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 小型無線呼び出し機の振動発生装置用振動子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25732994A JP3415290B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 小型無線呼び出し機の振動発生装置用振動子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0898459A JPH0898459A (ja) | 1996-04-12 |
JP3415290B2 true JP3415290B2 (ja) | 2003-06-09 |
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ID=17304855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25732994A Expired - Fee Related JP3415290B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 小型無線呼び出し機の振動発生装置用振動子の製造方法 |
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JP (1) | JP3415290B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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KR100710641B1 (ko) * | 2005-10-12 | 2007-04-24 | 주식회사 대우일렉트로닉스 | 밸런스 웨이트 및 이러한 밸런스 웨이트 제조 방법 |
JP2008160989A (ja) * | 2006-12-25 | 2008-07-10 | Canon Inc | 超音波モータ |
KR102458427B1 (ko) * | 2020-08-10 | 2022-10-25 | 송영국 | 전동 컴프레서 모터용 밸런스 웨이트 및 그의 제조방법 |
CN112910166B (zh) * | 2021-01-15 | 2022-06-03 | 佳木斯电机股份有限公司 | 一种用于化工搅拌设备的偏心振动电机 |
-
1994
- 1994-09-28 JP JP25732994A patent/JP3415290B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0898459A (ja) | 1996-04-12 |
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