JP2005045932A - 偏心ウェイト一体型永久磁石 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モーターに新たな構成部材を追加することなく、また磁石やコアの製造に際して新たな工程を追加することなく、簡単に且つ確実に偏心ウェイト機能を付与できる偏心ウェイト一体型永久磁石の提供。
【解決手段】 比重の大きな偏心ウェイト形成用粉末を永久磁石用合金粉末とともに金型に入れて焼結または成形一体化して偏心ウェイト部をリング状永久磁石の所要部に一体化することで、リング状永久磁石の製造に際して新たな工程を追加することなく、簡単に且つ確実に偏心ウェイトを設けることができる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、リング状永久磁石を用いたモーターを振動モーターとするための偏心ウェイト一体型永久磁石に関し、比重の大きな偏心ウェイト形成用粉末を永久磁石用合金粉末とともに金型に入れて焼結又は成形一体化して偏心ウェイト部をリング状永久磁石の所要部に一体化した偏心ウェイト一体型永久磁石に関する。
今日、携帯電話の着信を振動で知らせるために、振動発生手段としてリング状永久磁石を用いた振動モーターが使用され、本体の小型化に伴い振動モーターは著しく小型軽量化が図られている。
振動モーターは、回転体に偏心ウェイトを設けてバイブレーターとして機能させるが、構造上、コアレスタイプ、コアードタイプのDCブラシ付モーターがあり、形態的には、シリンダタイプと偏平タイプがある。
偏心ウェイトを設ける構成としては、円筒磁石自体の形状を異形にする構成(特開平5-49211、特開平7-39105)、偏平ケースと蓋からなるハウジング内に偏心形状の回転子を設けた構成(特開平10-27173)、非磁性コアを異形にして偏心ウェイトとなす構成(特開平10-322971)、磁心に異材質を配置して偏心ウェイトとなす構成(特開2001-339930)、ヨークの一部に切欠け部を形成する構成(特開平11-191949)など種々の構成が提案されている。
特開平5-49211 特開平7-39105 特開平10-27173 特開平10-322971 特開2001-339930 特開平11-191949
従来は、偏心ウェイトとなるものを組み込むか、磁石やヨークを切欠くなどの加工を施す、あるいは磁石やヨークに後で異なる材質のものを接着するなど、製造に際して新たな工程あるいは部材を付加するものであった。
この発明は、振動モーターの小型軽量化の要求が強いことから、モーターに新たな構成部材を追加することなく、また磁石やコアの製造に際して新たな工程を追加することなく、簡単に且つ確実に偏心ウェイト機能を付与できる偏心ウェイト一体型永久磁石の提供を目的としている。
発明者は、リング状永久磁石の製造に際して新たな工程を追加することなく、簡単に且つ確実に偏心ウェイトを設けることができる構成を目的に種々検討した結果、比重の大きな偏心ウェイト形成用粉末を永久磁石用合金粉末とともに金型に入れて焼結または成形一体化して偏心ウェイト部をリング状永久磁石の所要部に一体化できることを知見し、この発明を完成した。
すなわち、この発明は、焼結又はボンド永久磁石用合金粉末より比重が大きい偏心ウェイト形成用粉末を、焼成又はボンド化後のリング状永久磁石の所要箇所に位置して重量バランスがリング軸中心に対して非対称となるように配置して焼結又はボンド永久磁石用粉末と共に焼成又はボンドのいずれかの工程により、一体化されたことを特徴とする偏心ウェイト一体型永久磁石である。
また、この発明は、上記構成で焼結永久磁石用合金粉末の場合、W,Mo,Tiの単体金属粉末、あるいはW,Mo,TiのいずれかとNi,Fe,Co又はCu,Mn,Crとの合金粉末である偏心ウェイト形成用粉末と前記磁石用合金粉末との間に、Ni,Fe,Coなどの焼結境界層粉末を介在させることを特徴とする偏心ウェイト一体型永久磁石である。
この発明による偏心ウェイト一体型永久磁石は、磁石合金粉末より重い金属や合金粉末を同時に焼結又はボンドで一体化するため、別途偏心ウェイトを作製するより製造工程が少なく安価に提供でき、リング状永久磁石と共に製造できることから小型、軽量化がより一層容易になる。
また、この発明による偏心ウェイト一体型永久磁石は、リング状磁石内に磁力に寄与しない偏心ウェイトが組み込まれることで、回転方向に対して磁場の偏磁が発生し、この偏心機能がさらに向上する複合効果が得られる。
この発明による軸非対称形状の偏心ウェイト一体型永久磁石は、通常の単一粉末で得られる永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られ、また、偏心ウェイトは比重の最も大きい金属を用いた場合も、焼結境界層粉末を用いることで、焼結時形成される拡散層によってウェイトと磁石成分を強固に接合しており、モーター回転時の剥離、剥がれを防止することができる。
この発明において、偏心ウェイト一体型永久磁石を用いた振動モーター用途としては、例えば携帯電話、ハンディタイプ、家庭用、業務用マッサージ器、混合、分級、加振、篩などの用途に用いる工業用振動モーターなどがある。
この発明において、永久磁石用合金粉末は、公知の焼結永久磁石又はボンド永久磁石の組成からなる合金粉末であれば、いずれの組成粉末も採用できるが、モーターの小型軽量化のためには、特開昭59-46008号や59-64739号公報に代表される磁石特性のすぐれたFe-B-R系永久磁石組成が好ましい。
偏心ウェイト形成用粉末は、上述の永久磁石用合金粉末より大きな比重を有する粉末であり、焼結永久磁石用粉末と共に焼結一体化、あるいはボンド永久磁石用粉末と共に成形一体化できるものであれば、いずれの単体金属、合金粉末であっても採用できる。
偏心ウェイトは比重の最も大きい金属として、W、Moとその合金が重量アンバランス効果が大きく最も望ましい。但しこれら合金はきわめて高融点で有り、拡散、融着反応が遅く、後述する焼結境界層粉末の境界層が接合層形式に重要である。
この発明において、焼結境界層粉末は、高融点を有する偏心ウェイト粉末と比較的低融点の永久磁石合金粉末との相互拡散反応を助長させる必要があるため、中間融点を有し、かつ磁石合金粉末との拡散も容易なFe、Co、Niの単体または好ましくはこれらの合金粉末が最も好ましい。
焼結境界層粉末を用いた場合に焼結時形成される拡散層は、偏心ウェイト粉末の金属または合金と永久磁石合金粉末の拡散、融合反応により形成される。永久磁石側は主としてRと遷移金属2元素合金が、偏心ウェイト側はWまたはMoと遷移金属との2元素合金が形成される。この拡散層はウェイトと磁石成分を強固に接合しており、モーター回転時の剥離、剥がれを防止している。
この発明による偏心ウェイト一体型永久磁石は、例えば図2aに示すごとく、通常(図2c)のリング状永久磁石10の一部に偏心ウェイト形成用粉末11を配置して成形さらに焼結して一体化した構成の他、図2bに示すごとく、軸方向の端面に偏心ウェイト形成用粉末部21が突出した形状を有するリング状成形体20の構成がある。
製造方法としては、例えば、通常のフィーダボックスを用いて磁石用合金粉末をプレス成形金型に充填する方法が採用でき、実施例に示すごとく、焼結永久磁石用合金粉末と偏心ウェイト形成用粉末の金型への振込を工夫することで、図2aに示す対称型の通常のリング状成形体を得ることができる。
さらに、金型への通常の焼結永久磁石用合金粉末の振込が完了した後、所要位置に偏心ウェイト形成用粉末を振込して、図4に示す異形のパンチを用いることで図2bに示す端面に偏心ウェイト形成用粉末部21が突出したリング状成形体を得ることが可能となる。
実施例1
表1のNo.1に示す成分配合比の焼結永久磁石合金を作製し、ジェットミルにて粒度が2μmから6μmの粉末に粉砕してプレス成形用粉未を得た。また、不活性ガス雰囲気中でアトマイズ法により粉砕した、表1のNo.1に示す組成の粒度20μmから80μmの偏心ウェイト形成用粉末を作製した。
図1は、プレス装置の概要を示す平面図であり、プレス金型への粉末を振り込むフィーダーボックスの配置関係を示している。粉末を充填するプレス成形金型1は、通常のリング状成形体を得るための軸対称構造を有している。フィーダボックスAに焼結永久磁石用合金粉末を、フィーダボックスBに偏心ウェイト形成用粉末を各々別々に配合比70:30で充填し、フィーダボックスBはストローク位置を中心よりずらした配置にセットする。
すなわち、フィーダボックスBは金型1、コア2の中心線にから距離xだけずれており、金型1とコア2間のキャビティ3の一部円弧部分にのみ偏心ウェイト形成用粉末を充填できる。まず、フィーダボックスBをシェーキングしてキャビティ3の一部円弧部分に所要高さの偏心ウェイト形成用粉末を充填し、その後フィーダボックスAをコア2の中心線に沿ってシェーキングしてキャビティ3の全体に焼結永久磁石用合金粉末を充填する。
その後、プレス成形金型の上下の各パンチを作動しプレスすることにより、図2aに示すごとく点描で示す部分に偏心ウェイト形成用粉末部11が形成されたリング状成形体10を得ることができる。この成形体を高純度Ar中の不活性雰囲気で1140℃の焼結温度にて焼結し、その後600℃で熱処理して、外径4.2mm、内径1.2mm、高さ14.0mm寸法の偏心ウェイト一体型永久磁石を作製した。
偏心ウェイト一体型永久磁石の偏心度を簡易的に評価するため、同等形状寸法の通常の焼結永久磁石用合金粉末のみからなるリング状磁石の重心位置と偏心ウェイト一体型永久磁石の重心位置のずれを軸中心からのずれで相対評価し、重心位置のずれをdとしてリング状磁石の外径寸法をDとし、d/D(%)で表した。実施例1の偏心ウェイト一体型永久磁石は、上記の軸非対称形状比(軸中心からの重心刷れ長さ / 磁石外形寸法)が29%得られており、偏心ウェイト一体型永久磁石として十分機能することが確認できた。
また、得られた磁石より数mm角の微小磁石試験片を切り出して振動試料型磁力計(VSM)で磁気特性を測定した。得られた磁気特性を表3のNo.1に示す。通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていることが明らかである。
実施例2
実施例1と同様方法で表1のNo.2に示す組成の焼結永久磁石用合金粉末と偏心ウェイト形成用粉末を作製した。
実施例1と同様方法で軸対称構造を有する金型を用いて焼結永久磁石用合金粉末と偏心ウェイト形成用粉末の配合比75:25で充填し、図2aに示すリング状成形体10を作製し、この成形体を高純度Ar中の不活性雰囲気で1120℃の焼結温度にて焼結し、その後600℃で熱処理して偏心ウェイト一体型永久磁石を作製した。
実施例1と同様方法で測定した軸非対称形状比は32%であり、磁気特性は表3のNo.2に示すごとく、通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていた。
実施例3
実施例1と同様方法で表1のNo.3に示す組成の焼結永久磁石用合金粉末と偏心ウェイト形成用粉末を作製した。さらに、不活性ガス中のアトマイズ法にて粒度20μm〜80μmのCo100wt%の焼結境界層粉末を作製した。
図1に示すごとく、通常のリング状成形体を得るための軸対称構造を有する金型1を用い、フィーダボックスAに焼結永久磁石用合金粉末を、フィーダボックスBに偏心ウェイト形成用粉末、フィーダボックスCに焼結境界層粉末を、各々別々に配合比65:23:12で充填し、フィーダボックスB,Cはストローク位置を中心よりずらした配置にセットする。
すなわち、フィーダボックスB,Cは金型1、コア2の中心線にから距離xだけずれており、キャビティ3の一部円弧部分にのみ偏心ウェイト形成用粉末を充填できる。まずフィーダボックスBをシェーキングしてキャビティ3の一部円弧部分に所要高さの偏心ウェイト形成用粉末を充填し、その後フィーダボックスCをシェーキングして偏心ウェイト形成用粉末の上に焼結境界層粉末を載せて、さらにフィーダボックスAをコア2の中心線に沿ってシェーキングしてキャビティ3のの全体に焼結永久磁石用合金粉末を充填した。
その後、プレス成形金型の上下の各パンチを作動しプレスすることによって、点描で示す部分に偏心ウェイト形成用粉末部11及び焼結境界層粉末部12が形成されたリング状成形体10を得た。この成形体を高純度Ar中の不活性雰囲気で1160℃の焼結温度にて焼結し、その後600℃で熱処理して偏心ウェイト一体型永久磁石を作製した。
実施例1と同様方法で測定した軸非対称形状比は、24%であり、磁気特性は表3に示すごとく、通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていた。
この偏心ウェイト一体型永久磁石は、偏心ウェイト形成用粉末、焼結境界層粉末、焼結永久磁石用合金粉末が積層されて焼結しているが、積層した部分での拡散生成化合物をXMA組成分析で調査したところ、焼結永久磁石用合金粉末側から偏心ウェイト形成用粉末側へ表4のa〜eの各層を検出した。
実施例4
実施例1と同様方法で表1のNo.4に示す組成の焼結永久磁石用合金粉末と偏心ウェイト形成用粉末を作製した。さらに、不活性ガス中のアトマイズ法にて粒度20μm〜80μmのFe79wt%-Ni21wt%の焼結境界層粉末を作製した。
実施例3と同様方法で軸対称構造を有する金型1を用いて焼結永久磁石用合金粉末、偏心ウェイト形成用粉末、焼結境界層粉末を表2のNo.4に示す配合比60:35:5で充填し、図2aに示すリング状成形体10を作製し、この成形体を高純度Ar中の不活性雰囲気で1120℃の焼結温度にて焼結及び600℃で熱処理して偏心ウェイト一体型永久磁石を作製した。
実施例1と同様方法で測定した軸非対称形状比は、31%であり、磁気特性は表3のNo.4に示すごとく、通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていた。
また、実施例3と同様方法で拡散生成化合物を調べたところ、焼結永久磁石用合金粉末側から偏心ウェイト形成用粉末側へ表4のa〜eの各層を検出した。
実施例5
実施例1と同様方法で表1のNo.5に示す組成の焼結永久磁石用合金粉末と偏心ウェイト形成用粉末を作製した。
粉末を充填するプレス成形金型は、図2bに示すごとく軸方向の端面に偏心ウェイト形成用粉末部21が突出した形状を有するリング状成形体20を得るために、通常のリング状成形体を得るための軸対称構造を有するプレス装置を改造して用いた。すなわち、下パンチは従来のままであるが、図4に示すごとく所要部に凹みを有する特殊先端形状を有する上パンチ5を用いた。
フィーダボックスAに焼結永久磁石用合金粉末を、フィーダボックスBに偏心ウェイト形成用粉末を各々別々に配合比60:40で充填した。図1及び図3a〜dに示すごとくまず、フィーダボックスAを金型1、コア2の中心線に沿ってシェーキングして下パンチ4上のキャビティ3の全体に焼結永久磁石用合金粉末6を充填し(図3a)、金型1を少し上昇させ、キャビティ3に空間を設け(図3b)、次に、金型の中心線にから距離xだけずれたフィーダボックスBを用いて、キャビティ3の一部円弧部分にのみ偏心ウェイト形成用粉末7を充填し(図3c)、その後上パンチを下降させプレスする(図3d)。
上記の操作にて得られた図2bに示すリング状成形体20を高純度Ar中の不活性雰囲気で1100℃の焼結温度にて焼結及び600℃で熱処理して、外径3.8mm、内径0.8mm、高さ12.0mm(偏心ウェイト形成用粉末部高さ5.8mm)寸法の偏心ウェイト一体型永久磁石を作製した。
実施例1と同様方法で測定した軸非対称形状比は32%であり、磁気特性は表3のNo.5に示すごとく、通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていた。
実施例6
実施例1と同様方法で表1のNo.6に示す組成の焼結永久磁石用合金粉末と偏心ウェイト形成用粉末を作製した。さらに、不活性ガス中のアトマイズ法にて粒度20μm〜80μmのFe100wt%の焼結境界層粉末を作製した。
フィーダボックスAに焼結永久磁石用合金粉末を、フィーダボックスBに偏心ウェイト形成用粉末、フィーダボックスCに焼結境界層粉末を、各々別々に表2のNo.6に示す配合比(57:35:8)で充填した。実施例5と同様方法で図3a〜dに示すプレス成形金型1を用いて、下パンチ4上のキャビティ3の全体に焼結永久磁石用合金粉末を充填し、次に焼結境界層粉末、さらに偏心ウェイト形成用粉末を充填した。
その後、プレス成形金型の上下の各パンチを作動して得た成形体を高純度Ar中の不活性雰囲気で1120℃の焼結温度にて焼結及び600℃で熱処理して、実施例5と同様寸法の偏心ウェイト一体型永久磁石を作製した。
実施例1と同様方法で測定した軸非対称形状比は、25%であり、磁気特性は表3のNo.6に示すごとく、通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていた。
実施例7
実施例1と同様方法で表1のNo.7に示す組成の焼結永久磁石用合金粉末と偏心ウェイト形成用粉末を作製した。さらに、不活性ガス中のアトマイズ法にて粒度20μm〜80μmのFe72wt%-Co21wt%-Ni7wt%の焼結境界層粉末を作製した。
実施例3と同様方法で軸対称構造を有する金型を用いて焼結永久磁石用合金粉末、偏心ウェイト形成用粉末、焼結境界層粉末を表2のNo.7に示す配合比(50:45:5)で充填し、図2aに示すリング状成形体10を作製し、この成形体を高純度Ar中の不活性雰囲気で1140℃の焼結温度にて焼結及び600℃で熱処理して偏心ウェイト一体型永久磁石を作製した。
実施例1と同様方法で測定した軸非対称形状比は37%であり、磁気特性は表3のNo.7に示すごとく、通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていた。
また、実施例3と同様方法で拡散生成化合物を調べたところ、焼結永久磁石用合金粉末側から偏心ウェイト形成用粉末側へ表4のa〜eの各層を検出した。
実施例8
実施例1と同様方法で表1のNo.8に示す組成の焼結永久磁石用合金粉末と偏心ウェイト形成用粉末を作製した。さらに、不活性ガス中のアトマイズ法にて粒度20μm〜80μmのFe58wt%-Co42wt%の焼結境界層粉末を作製した。
フィーダボックスAに焼結永久磁石用合金粉末を、フィーダボックスBに偏心ウェイト形成用粉末、フィーダボックスCに焼結境界層粉末を、各々別々に表2のNo.8に示す配合比(50:40:10)で充填した。実施例5と同様方法で図3に示すプレス成形金型を用いて、下パンチ4上のキャビティ3の全体に焼結永久磁石用合金粉末を充填し、次に焼結境界層粉末、さらに偏心ウェイト形成用粉末を充填した。
その後、プレス成形金型の上下プレスを作動して得た成形体を高純度Ar中の不活性雰囲気で1120℃の焼結温度にて焼結及び600℃で熱処理して、実施例5と同様寸法の偏心ウェイト一体型永久磁石を作製した。
実施例1と同様方法で測定した軸非対称形状比は38%であり、磁気特性は表3のNo.8に示すごとく、通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていた。
また、実施例3と同様方法で拡散生成化合物を調べたところ、焼結永久磁石用合金粉末側から偏心ウェイト形成用粉末側へ表4のa〜eの各層を検出した。
実施例9
実施例1と同様方法で表1のNo.9に示す組成の焼結永久磁石用合金粉末と偏心ウェイト形成用粉末を作製した。さらに、不活性ガス中のアトマイズ法にて粒度20μm〜80μmのNi100wt%の焼結境界層粉末を作製した。
フィーダボックスAに焼結永久磁石用合金粉末を、フィーダボックスBに偏心ウェイト形成用粉末を、各々別々に表2のNo.9に示す配合比(55:45)で充填した。実施例5と同様方法で図3に示すプレス成形金型を用いて、下パンチの全体に焼結永久磁石用合金粉末を充填し、次に偏心ウェイト形成用粉末を充填した。
その後、プレス成形金型の上下プレスを作動して得た成形体を高純度Ar中の不活性雰囲気で1140℃の焼結温度にて焼結及び600℃で熱処理して、実施例5と同様寸法の偏心ウェイト一体型永久磁石を作製した。
実施例1と同様方法で測定した軸非対称形状比は35%であり、磁気特性は表3のNo.9に示すごとく、通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていた。
また、実施例3と同様方法で拡散生成化合物を調べたところ、焼結永久磁石用合金粉末側から偏心ウェイト形成用粉末側へ表4のa〜eの各層を検出した。
実施例10
表1のNo.10に示す組成の永久磁石合金を作製し、ジェットキャスタして得た薄片形状粉末をさらにジェットミルにて粒度が10μmから50μmの粉末に粉砕してボンド磁石用粉未を得た。また、不活性ガス雰囲気中でアトマイズ法により粉砕した、Mo100wt%の粒度20μm〜80μmの偏心ウェイト形成用粉末を作製した。
得られた上記の粉末にそれぞれバインダを混合してコンパウンドにしたものを60%、40%配合比で射出成型機に充填して、射出成型機の製品出口側に配置した電磁石をオンにした通電状態で射出プレス成型を行い、図2aに示す形状の偏心ウェイト一体型ボンド永久磁石を得た。
実施例1と同様方法で測定した軸非対称形状比は30%であり、磁気特性は表3のNo.10に示すごとく、通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系ボンド永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていた。
実施例11
表1のNo.11に示す組成の永久磁石合金を作製し、ジェットキャスタして得た薄片形状粉末をさらにジェットミルにて粒度が10μmから50μmの粉末に粉砕してボンド磁石用粉未を得た。また、不活性ガス雰囲気中でアトマイズ法により粉砕した、W100wt%の粒度20μm〜80μmの偏心ウェイト形成用粉末を作製した。
得られた上記の粉末にそれぞれバインダを混合してコンパウンドにしたものを55%、45%配合比で射出成型機に充填して、射出成型機の製品出口側に配置した電磁石をオンに通電した状態で射出プレス成型を行い、図2aに示す形状の偏心ウェイト一体型ボンド永久磁石を得た。
実施例1と同様方法で測定した軸非対称形状比は38%であり、磁気特性は表3のNo.11に示すごとく、通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系ボンド永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていた。
実施例12
表1のNo.12に示す組成の永久磁石合金を作製し、ジェットキャスタして得た薄片形状粉末をさらにジェットミルにて粒度が10μmから50μmの粉末に粉砕してボンド磁石用粉未を得た。また、不活性ガス雰囲気中でアトマイズ法により粉砕した、W100wt%の粒度20μm〜80μmの偏心ウェイト形成用粉末を作製した。
得られた上記の粉末にそれぞれバインダを混合してコンパウンドにしたものを70%、30%配合比で射出成型機に充填して、軸非対称形状構造を得るために、電磁石配置側の磁石成型が偏心構造を有する射出成型機の製品出口側に配置した電磁石をオンに通電した状態で射出プレス成型を行い、図2aに示す形状の偏心ウェイト一体型ボンド永久磁石を得た。
実施例1と同様方法で測定した軸非対称形状比は23%であり、磁気特性は表3のNo.12に示すごとく、通常の単一粉末で得られるNd-Fe-B系ボンド永久磁石の磁気特性とほぼ同等の磁気特性が得られていた。
Figure 2005045932
Figure 2005045932
Figure 2005045932
Figure 2005045932
この発明による偏心ウェイト一体型永久磁石は、例えば携帯電話、振動ブザー、ハンディタイプマッサージ器、家庭用及び業務用マッサージ器などの振動モーターの用途に用いることができ、また、混合、分級、加振、篩などの機能を有する装置に組み込む工業用振動モーターとしての用途がある。
この発明による偏心ウェイト一体型永久磁石は、磁石合金粉末より重い金属や合金粉末を同時に焼結又はボンドで一体化する構成であるため、別途偏心ウェイトを作製する従来と比較して製造工程が少なく量産性にすぐれ、また、リング状永久磁石と共に製造できることから前記用途のモーターや装置の小型、軽量化がより一層容易になる。
また、実施例に示すように、この発明による偏心ウェイト一体型永久磁石は、従来のプレス金型装置をそのままあるいは若干改良して用いることで製造でき、上記のように製造工程が少ないことと相まって、極めて製造性にすぐれている。
プレス金型へ粉末を振り込むフィーダボックスの配置関係を示す模式説明図である。 この発明によるリングプレス成形体の構成を示す斜視説明図であり、aはcと同様の通常のリング形状を有する場合、bは非対称形状を有する場合を示す。 a〜dはプレス成形の粉末充慎、プレス作動工程を示す金型の縦断模式説明図である。 この発明による特殊先端形状を有する上パンチの斜視説明図である。
符号の説明
A,B,C フィーダボックス
X 距離
1 金型
2 コア
3 キャビティ
4 下パンチ
5 上パンチ
6 焼結永久磁石用合金粉末
7 偏心ウェイト形成用粉末
10,20 リング状成形体
11,21 偏心ウェイト形成用粉末部
12 焼結境界層粉末部

Claims (7)

  1. 焼結永久磁石用合金粉末より比重が大きい偏心ウェイト形成用粉末を、焼成後のリング状永久磁石の所要箇所に位置して重量バランスがリング軸中心に対して非対称となるように配置して焼結永久磁石用粉末と共に焼結一体化された偏心ウェイト一体型永久磁石。
  2. 焼結永久磁石用合金粉末より比重が大きい偏心ウェイト形成用粉末を、焼成後のリング状永久磁石の所要箇所に位置して重量バランスがリング軸中心に対して非対称となるように配置し、かつ前記偏心ウェイト形成用粉末と焼結永久磁石用粉末のそれぞれと焼結時に拡散焼結可能な組成からなる焼結境界層粉末を介在させて、焼結永久磁石用粉末と共に焼結一体化された偏心ウェイト一体型永久磁石。
  3. ボンド永久磁石用合金粉末より比重が大きい偏心ウェイト形成用粉末を、成形後のリング状永久磁石の所要箇所に位置して重量バランスがリング軸中心に対して非対称となるように配置してボンド永久磁石用粉末と共に成形一体化された偏心ウェイト一体型永久磁石。
  4. リング状永久磁石のリング軸方向の端面に偏心ウェイト形成用粉末部が突出した形状を有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の偏心ウェイト一体型永久磁石。
  5. 永久磁石用合金粉末の組成が、希土類R、Fe、Bを含む請求項1、請求項2又は請求項3に記載の偏心ウェイト一体型永久磁石。
  6. 偏心ウェイト形成用粉末が、W,Mo,Tiの単体金属粉末、あるいはW,Mo,TiのいずれかとNi,Fe,Co又はCu,Mn,Crとの合金粉末である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の偏心ウェイト一体型永久磁石。
  7. 焼結境界層粉末が、Ni,Fe,Co又はこれらの合金粉末である請求項1又は請求項2に記載の偏心ウェイト一体型永久磁石。
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