JPH0687634B2 - 永久磁石型モ−タ - Google Patents
永久磁石型モ−タInfo
- Publication number
- JPH0687634B2 JPH0687634B2 JP61038830A JP3883086A JPH0687634B2 JP H0687634 B2 JPH0687634 B2 JP H0687634B2 JP 61038830 A JP61038830 A JP 61038830A JP 3883086 A JP3883086 A JP 3883086A JP H0687634 B2 JPH0687634 B2 JP H0687634B2
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- Japan
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- magnet
- permanent magnet
- resin
- motor
- magnetic
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はコンピュータ周辺機、プリンタなどの制御用、
駆動用として幅広く使用され、小型軽量化を中心に技術
革新が活発な、所謂永久磁石回転子型、或は永久磁石界
磁型のパルスモータや直流モータに関し、更に詳しくは
少なくとも2種以上多極着磁せしめた小型の永久磁石型
モータの筒状磁石に関するものである。
駆動用として幅広く使用され、小型軽量化を中心に技術
革新が活発な、所謂永久磁石回転子型、或は永久磁石界
磁型のパルスモータや直流モータに関し、更に詳しくは
少なくとも2種以上多極着磁せしめた小型の永久磁石型
モータの筒状磁石に関するものである。
従来の技術 希土類コバルト焼結磁石は、筒状に形成し、該形状の半
径方向に磁気異方化させることが極めて難しい。その主
な理由は焼結過程において異方性に基づく膨張率の差が
生じるためであり、該膨張率の差は磁気異方化の程度や
形状にも影響されるが、従来に於いては等方性にて筒状
に対応してきた。このため本来ならば最大エホルギー積
20〜30MGOeも発生する磁気性能も筒状半径方向では5MGO
e程度に低下してしまう。更に当該磁石を高度な寸法正
精度を要する永久磁石型モータに搭載するには焼結後に
研削加工が必要で製品の歩留りが悪く、SmやCoを主成分
とすることも加えて、経済性において性能とのバランス
に乏しい。また、焼結品は一般に機械的に脆弱であるた
め、その一部が永久磁石型モータのロータとステータと
の空隙や摺動部位に飛散・付着してモータとしての機能
維持や信頼性の確保に重大な影響を及ぼす恐れがある。
径方向に磁気異方化させることが極めて難しい。その主
な理由は焼結過程において異方性に基づく膨張率の差が
生じるためであり、該膨張率の差は磁気異方化の程度や
形状にも影響されるが、従来に於いては等方性にて筒状
に対応してきた。このため本来ならば最大エホルギー積
20〜30MGOeも発生する磁気性能も筒状半径方向では5MGO
e程度に低下してしまう。更に当該磁石を高度な寸法正
精度を要する永久磁石型モータに搭載するには焼結後に
研削加工が必要で製品の歩留りが悪く、SmやCoを主成分
とすることも加えて、経済性において性能とのバランス
に乏しい。また、焼結品は一般に機械的に脆弱であるた
め、その一部が永久磁石型モータのロータとステータと
の空隙や摺動部位に飛散・付着してモータとしての機能
維持や信頼性の確保に重大な影響を及ぼす恐れがある。
一方、希土類コバルト樹脂磁石の場合には、マトリクス
である樹脂が半径方向へ磁気異方化された希土類コバル
トの膨張率の差を吸収できるため、半径方向へ磁気異方
化した筒状磁石が得られる。近年射出成形タイプの希土
類コバルト樹脂磁石をアキシャル方向へ磁気異方化すれ
ば最大エネルギー積8〜10MGOe程度のものが容易に得ら
れることが知られている。しかも焼結品に比べて密度が
概ね30%軽減され、且つ高度な寸法精度が確保され、機
械的に脆弱な点が改善されるため、半径方向へ磁気異方
化した筒状希土類コバルト樹脂磁石は、筒状永久磁石型
モータの、該磁石としては焼結品に比べて、より好まし
いものであることは明白である。
である樹脂が半径方向へ磁気異方化された希土類コバル
トの膨張率の差を吸収できるため、半径方向へ磁気異方
化した筒状磁石が得られる。近年射出成形タイプの希土
類コバルト樹脂磁石をアキシャル方向へ磁気異方化すれ
ば最大エネルギー積8〜10MGOe程度のものが容易に得ら
れることが知られている。しかも焼結品に比べて密度が
概ね30%軽減され、且つ高度な寸法精度が確保され、機
械的に脆弱な点が改善されるため、半径方向へ磁気異方
化した筒状希土類コバルト樹脂磁石は、筒状永久磁石型
モータの、該磁石としては焼結品に比べて、より好まし
いものであることは明白である。
次に、上記筒状希土類コバルト樹脂磁石の半径方向磁気
異方化手段に関する従来技術を説明する。
異方化手段に関する従来技術を説明する。
筒状キャビティの半径方向への磁界発生手段として、例
えば、特開昭57−170501公報に記載されているように、
筒状キャビティを取り囲んで磁性体ヨークと非磁性体ヨ
ークとを交互に組み合わせ、且つ外側に磁化コイルを配
置した金型を用いるか或は該キャビティの外周に磁化コ
イルを埋設した金型を用いる方法がある。かかる方法は
筒状キャビティ内に所定の強さの磁界を発生させるた
め、高電圧電流型の電源を用い、且つ起磁力を大とする
ことが行われている。
えば、特開昭57−170501公報に記載されているように、
筒状キャビティを取り囲んで磁性体ヨークと非磁性体ヨ
ークとを交互に組み合わせ、且つ外側に磁化コイルを配
置した金型を用いるか或は該キャビティの外周に磁化コ
イルを埋設した金型を用いる方法がある。かかる方法は
筒状キャビティ内に所定の強さの磁界を発生させるた
め、高電圧電流型の電源を用い、且つ起磁力を大とする
ことが行われている。
発明が解決しようとする問題点 しかし金型の外周からヨークにより磁化コイルで励磁し
た磁束をキャビティ内に有効に集束させるため、磁路長
を長くせざるを得ず、特に小型の筒状永久磁石モータ
の、該磁石の場合には起磁力のかなりが漏洩磁束として
消費されてしまうため半径方向へ十分な磁気異方化する
ことが困難な場合がある。
た磁束をキャビティ内に有効に集束させるため、磁路長
を長くせざるを得ず、特に小型の筒状永久磁石モータ
の、該磁石の場合には起磁力のかなりが漏洩磁束として
消費されてしまうため半径方向へ十分な磁気異方化する
ことが困難な場合がある。
すなわち、上記のような高度な磁気性能と寸法精度、並
びに機械的脆弱でない希土類コバルト樹脂磁石を半径方
向に磁気異方化することによって得られる小型の筒状永
久磁石型モータの小型化・高性能化は相反する矛盾があ
る。
びに機械的脆弱でない希土類コバルト樹脂磁石を半径方
向に磁気異方化することによって得られる小型の筒状永
久磁石型モータの小型化・高性能化は相反する矛盾があ
る。
本発明は上記多極着磁して使用する筒状永久磁石型モー
タをより一層の小型化・高性能化へ対応可能とすること
を目的になされたものである。
タをより一層の小型化・高性能化へ対応可能とすること
を目的になされたものである。
問題点を解決するための手段 本発明は、永久磁石型モータの多極着磁した筒状永久磁
石を、外径25mm以下、密度5g/cm3以上のFe−B−R系急
冷微細片(RはNdまたは/およびPr)と結合剤とから構
成した樹脂磁石とするものである。
石を、外径25mm以下、密度5g/cm3以上のFe−B−R系急
冷微細片(RはNdまたは/およびPr)と結合剤とから構
成した樹脂磁石とするものである。
作用 先ず、本発明で言う永久磁石型モータとは、当該モータ
の設計思想に基づきその構造が決定されるもので、所謂
永久磁石回転子型、或は永久磁石界磁型のいずれであっ
ても差し支えない。具体的にはパルスモータや直流モー
タが例示される。しかし、それ等の永久磁石型モータの
磁石としては多極着磁された筒状であって、しかも外径
は25mm以下であることが必要である。25mm以上になると
本発明の効果がモータ性能の点でほとんど消失してしま
うので好ましくない。また、当該磁石の密度は5.0g/cm3
以上であることが必要である。5.0g/cm3を下回ると本発
明の効果がモータ性能の点で十分発揮されないからであ
る。更に当該筒状永久磁石はFe−B−R系急冷微細片
(RはNdまたは/およびPr)と結合剤とで構成すること
が必要である。Fe−B−Rは例えばNd0.13(Fe0.93,B
0.07)0.87の組成で示される合金を急冷することにより
得られる極めて微細な結晶性の磁石相をもつ磁気的に等
方性の、必要に応じて粉砕調整した急冷微細片である。
また、結合剤は例えば嫌気性接着剤として知られるテト
ラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエステル
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、エポキシジメタクリレートなどとクメンヒド
ロキシペルオキシドなどの混合物や、エポキシン樹脂な
どが使用される。
の設計思想に基づきその構造が決定されるもので、所謂
永久磁石回転子型、或は永久磁石界磁型のいずれであっ
ても差し支えない。具体的にはパルスモータや直流モー
タが例示される。しかし、それ等の永久磁石型モータの
磁石としては多極着磁された筒状であって、しかも外径
は25mm以下であることが必要である。25mm以上になると
本発明の効果がモータ性能の点でほとんど消失してしま
うので好ましくない。また、当該磁石の密度は5.0g/cm3
以上であることが必要である。5.0g/cm3を下回ると本発
明の効果がモータ性能の点で十分発揮されないからであ
る。更に当該筒状永久磁石はFe−B−R系急冷微細片
(RはNdまたは/およびPr)と結合剤とで構成すること
が必要である。Fe−B−Rは例えばNd0.13(Fe0.93,B
0.07)0.87の組成で示される合金を急冷することにより
得られる極めて微細な結晶性の磁石相をもつ磁気的に等
方性の、必要に応じて粉砕調整した急冷微細片である。
また、結合剤は例えば嫌気性接着剤として知られるテト
ラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエステル
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、エポキシジメタクリレートなどとクメンヒド
ロキシペルオキシドなどの混合物や、エポキシン樹脂な
どが使用される。
上記結合剤のFe−B−R系急冷微細片に対する添加量は
少なくとも圧縮する段階においては、6重量%以下と
し、好ましくは4重量%以下とすることが望ましい。
少なくとも圧縮する段階においては、6重量%以下と
し、好ましくは4重量%以下とすることが望ましい。
実施例 以下本発明の実施例を比較例と共に説明する。
(樹脂磁石の製造) Nd0.13(Fe0.93,B0.07)0.87組成のFe−B−R系急冷微
細片(125μm以下)とエポキシ樹脂とを常法に従って
混合した。該混合物2gを直径10mmのキャビティに投入
し、当該エポキシ樹脂400〜450poise下で圧縮成形する
ことによってFe−R−B系樹脂磁石を製造した。第1図
は該樹脂磁石の結合剤量をパーラメータとして圧力と見
掛け密度との関係を示した特性図である。第1図におい
て、Aは結合剤4重量%、Bは6重量%、Cは8重量%
を示すものである。
細片(125μm以下)とエポキシ樹脂とを常法に従って
混合した。該混合物2gを直径10mmのキャビティに投入
し、当該エポキシ樹脂400〜450poise下で圧縮成形する
ことによってFe−R−B系樹脂磁石を製造した。第1図
は該樹脂磁石の結合剤量をパーラメータとして圧力と見
掛け密度との関係を示した特性図である。第1図におい
て、Aは結合剤4重量%、Bは6重量%、Cは8重量%
を示すものである。
図から明らかなように結合剤の添加量が6重量%以下で
あれば密度を5g/cm3に到達させることができる。しか
し、その場合8〜10ton/cm2もの高圧力が必要となるの
で実質的には4重量%以下とすることが好ましい。尚、
密度5g/cm3のNd0.13(Fe0.93,B0.07)0.87組成のFe−B
−R系樹脂磁石の最大エネルギー積は5.2MGOeであり、
等方性希土類コバルト焼結品の最大エネルギー積を上回
るものとなる。そして樹脂磁石であるから希土類コバル
ト焼結品のように焼結後の研削加工が不要で歩留りもよ
くSmやCoを主成分とするものではないことも加えて経済
的に性能とのバランスが格段に優れたものとなる。また
焼結品のように脆弱でないため、その一部が筒状永久磁
石型モータのロータとステータとの空隙や摺動部位に飛
散、移動する可能性が格段に少なくモータとしての機能
維持や信頼性の確保の点で極めて有利となる。
あれば密度を5g/cm3に到達させることができる。しか
し、その場合8〜10ton/cm2もの高圧力が必要となるの
で実質的には4重量%以下とすることが好ましい。尚、
密度5g/cm3のNd0.13(Fe0.93,B0.07)0.87組成のFe−B
−R系樹脂磁石の最大エネルギー積は5.2MGOeであり、
等方性希土類コバルト焼結品の最大エネルギー積を上回
るものとなる。そして樹脂磁石であるから希土類コバル
ト焼結品のように焼結後の研削加工が不要で歩留りもよ
くSmやCoを主成分とするものではないことも加えて経済
的に性能とのバランスが格段に優れたものとなる。また
焼結品のように脆弱でないため、その一部が筒状永久磁
石型モータのロータとステータとの空隙や摺動部位に飛
散、移動する可能性が格段に少なくモータとしての機能
維持や信頼性の確保の点で極めて有利となる。
次に本発明の対象となる外径寸法を異にする密度5g/cm3
円筒形状Nd−Fe−R系樹脂磁石を結合剤6重量%で製造
した。
円筒形状Nd−Fe−R系樹脂磁石を結合剤6重量%で製造
した。
一方、ρ−アミノプロピルトリメトキシシラン処理した
平均粒子径6〜8μmのSmCo594重量%とC22樹脂酸アミ
ド5重量%含有ポリアミド樹脂6重量%とを常法に従っ
て混練・造粒した。次いて磁性体によるコアを同心に設
けた円筒キャビティの外周に磁性体ヨークと非磁性体ヨ
ークとを交互に組み合わせ、且つ外側に磁性体ヨークで
2分割した磁化コイルを配置した金型を用意した。該磁
化コイルに各々3×104A/mの反発起磁力を発生させなが
ら予め用意したSmCo5/ポリアミド樹脂を溶解射出し、
希土類コバルトを半径方向に磁気異方化した外径を異に
する円筒型希土類コバルト樹脂磁石を製造した。尚、ア
キシャル方向へ磁気異方化したものの最大エネルギー積
は9.6MGOeであった。
平均粒子径6〜8μmのSmCo594重量%とC22樹脂酸アミ
ド5重量%含有ポリアミド樹脂6重量%とを常法に従っ
て混練・造粒した。次いて磁性体によるコアを同心に設
けた円筒キャビティの外周に磁性体ヨークと非磁性体ヨ
ークとを交互に組み合わせ、且つ外側に磁性体ヨークで
2分割した磁化コイルを配置した金型を用意した。該磁
化コイルに各々3×104A/mの反発起磁力を発生させなが
ら予め用意したSmCo5/ポリアミド樹脂を溶解射出し、
希土類コバルトを半径方向に磁気異方化した外径を異に
する円筒型希土類コバルト樹脂磁石を製造した。尚、ア
キシャル方向へ磁気異方化したものの最大エネルギー積
は9.6MGOeであった。
(樹脂磁石の半径方向の磁気特性) Nd0.13(Fe0.93,B0.07)0.87/エポキシ樹脂6重量%か
ら製造したFe−B−R系樹脂磁石、SmCo5/ポリアミド
樹脂6重量%から製造した半径方向へ磁気異方化した希
土類コバルト樹脂磁石を対象として測定磁界25KOeでの
残留磁束密度Brを半径方向について求めた。第2図は半
径方向のBrと円筒磁石の外径寸法との関係を示す特性図
である。但し、各円筒磁石の肉厚は1.5mm,L/D=0.50〜
0.25である。なお、第2図において、Aは磁気異方性希
土類コバルト樹脂磁石、BはFe−B−R系樹脂磁石の特
性をそれぞれ示す。
ら製造したFe−B−R系樹脂磁石、SmCo5/ポリアミド
樹脂6重量%から製造した半径方向へ磁気異方化した希
土類コバルト樹脂磁石を対象として測定磁界25KOeでの
残留磁束密度Brを半径方向について求めた。第2図は半
径方向のBrと円筒磁石の外径寸法との関係を示す特性図
である。但し、各円筒磁石の肉厚は1.5mm,L/D=0.50〜
0.25である。なお、第2図において、Aは磁気異方性希
土類コバルト樹脂磁石、BはFe−B−R系樹脂磁石の特
性をそれぞれ示す。
図から明らかのように半径方向へ磁気異方化した希土類
コバルト樹脂磁石は金型の外周からヨークにより磁化コ
イルで励磁した磁束をキャビティ内に集束させるため、
キャビティの径が小さくなるにつれて起磁力のかなりの
部分が漏洩磁束として削費されるようになる。このため
小さな形状のものほど、半径方向への磁気異方化が困難
となり、磁気性能が低下する。具体的に外径25mmで半径
方向へ磁気異方化したもののBrはアキシャル方向へ磁気
異方化したものの3/4程度となる。そして、更に外径が
小さくなると得られる磁束が更に少なくなるので本発明
が対象とする永久磁石型モータの小型化、高性能化に対
しての対応が不利となるのである。これに対して本発明
の係るFe−B−R系樹脂磁石は例えばNd0.13(Fe0.93,B
0.07)0.87組成の合金を急冷して得られる極めて微細な
結晶性の磁石相をもつ磁気的に等方性の微細片からなる
樹脂磁石である。従って円筒型磁石の外径等寸法形状の
影響を受けない利点があるため永久磁石型モータの小型
化・高性能化に対する対応が外径25mm以下の小さな形状
において、半径方向へ磁気異方化した希土類コバルト樹
脂磁石に比べて極めて有利となる。尚、永久磁石回転子
型モータとする場合には当該磁石の質量が機能に影響す
る場合もある。しかし例示した希土類コバルト樹脂磁石
のようなアキシャル磁場で磁気異方化したとき最大エネ
ルギー積で8〜10MGOeの性能を発現させ得る樹脂磁石に
比べて10%程度の軽量化も可能であり有利である。
コバルト樹脂磁石は金型の外周からヨークにより磁化コ
イルで励磁した磁束をキャビティ内に集束させるため、
キャビティの径が小さくなるにつれて起磁力のかなりの
部分が漏洩磁束として削費されるようになる。このため
小さな形状のものほど、半径方向への磁気異方化が困難
となり、磁気性能が低下する。具体的に外径25mmで半径
方向へ磁気異方化したもののBrはアキシャル方向へ磁気
異方化したものの3/4程度となる。そして、更に外径が
小さくなると得られる磁束が更に少なくなるので本発明
が対象とする永久磁石型モータの小型化、高性能化に対
しての対応が不利となるのである。これに対して本発明
の係るFe−B−R系樹脂磁石は例えばNd0.13(Fe0.93,B
0.07)0.87組成の合金を急冷して得られる極めて微細な
結晶性の磁石相をもつ磁気的に等方性の微細片からなる
樹脂磁石である。従って円筒型磁石の外径等寸法形状の
影響を受けない利点があるため永久磁石型モータの小型
化・高性能化に対する対応が外径25mm以下の小さな形状
において、半径方向へ磁気異方化した希土類コバルト樹
脂磁石に比べて極めて有利となる。尚、永久磁石回転子
型モータとする場合には当該磁石の質量が機能に影響す
る場合もある。しかし例示した希土類コバルト樹脂磁石
のようなアキシャル磁場で磁気異方化したとき最大エネ
ルギー積で8〜10MGOeの性能を発現させ得る樹脂磁石に
比べて10%程度の軽量化も可能であり有利である。
(永久磁石型モータの特性) Nd0.13(Fe0.93,B0.07)0.87/エポキシ樹脂6重量%か
ら製造した外径8mm、内径5.5mmのFe−B−R系樹脂磁石
と同一形状のSmCo5/ポリアミド樹脂6重量%から製造
した半径方向へ磁気異方化した希土類コバルト樹脂磁石
を対象として永久磁石型モータの特性を例示する。
ら製造した外径8mm、内径5.5mmのFe−B−R系樹脂磁石
と同一形状のSmCo5/ポリアミド樹脂6重量%から製造
した半径方向へ磁気異方化した希土類コバルト樹脂磁石
を対象として永久磁石型モータの特性を例示する。
第3図は例示の対象とした永久磁石回転子型モータの構
成を示すものである。図中1は外径8mmの外周面を10極
均等着磁したFe−B−R系樹脂磁石または半径方向へ磁
気異方化した希土類コバルト樹脂磁石を有するロータで
ある。ステータ部はヨーク2a,2bと互いに背中合わせに
接合された2個の内ヨーク3と、それ等の間に収容され
る励磁コイル4a,4bとを備えている。このような所謂PM
型パルスモータは1パルス電流に対応する励磁コイルの
起磁力により1ステップ角だけロータが変位する動作を
行う。第4図は、このような永久磁石回転子型モータの
パルスレートとプルアウトトルクとの関係を示す特性部
である。図中PPSはPulse Per Secondを示し、Aは外
径25mm以下、密度5g/cm3で多極着磁したFe−B−R系樹
脂磁石モータ(本発明例)、Bは同一形状の磁気異方性
希土類コバルト樹脂磁石モータ(比較例)である。
成を示すものである。図中1は外径8mmの外周面を10極
均等着磁したFe−B−R系樹脂磁石または半径方向へ磁
気異方化した希土類コバルト樹脂磁石を有するロータで
ある。ステータ部はヨーク2a,2bと互いに背中合わせに
接合された2個の内ヨーク3と、それ等の間に収容され
る励磁コイル4a,4bとを備えている。このような所謂PM
型パルスモータは1パルス電流に対応する励磁コイルの
起磁力により1ステップ角だけロータが変位する動作を
行う。第4図は、このような永久磁石回転子型モータの
パルスレートとプルアウトトルクとの関係を示す特性部
である。図中PPSはPulse Per Secondを示し、Aは外
径25mm以下、密度5g/cm3で多極着磁したFe−B−R系樹
脂磁石モータ(本発明例)、Bは同一形状の磁気異方性
希土類コバルト樹脂磁石モータ(比較例)である。
また、下表に上記永久磁石型モータの他の代表特性を示
す。
す。
図および表から明らかのように永久磁石型モータの、多
極着磁した該磁石が、外径25mm以下、密度5g/cm3以上で
あり、Fe−B−R系急冷微細片と結合剤とで構成した樹
脂磁石であれば、半径方向へ磁気異方化した希土類コバ
ルト樹脂磁石に比較して格段に高性能となる。
極着磁した該磁石が、外径25mm以下、密度5g/cm3以上で
あり、Fe−B−R系急冷微細片と結合剤とで構成した樹
脂磁石であれば、半径方向へ磁気異方化した希土類コバ
ルト樹脂磁石に比較して格段に高性能となる。
発明の効果 以上のように本発明は多極着磁してなる比較的小さな径
の永久磁石を用いる、所謂永久磁石型モータの小型化・
高性能化に効果的であるばかりか、性能の維持や信頼性
の確保に極めて有利である。
の永久磁石を用いる、所謂永久磁石型モータの小型化・
高性能化に効果的であるばかりか、性能の維持や信頼性
の確保に極めて有利である。
第1図は樹脂磁石の圧力と密度の関係を示す特性図、第
2図は外径寸法と半径寸法の残留磁束密度の関係を示す
特性図、第3図は本発明の対象とする永久磁石型モータ
の構造を示す分解斜視図、第4図はパルスレートとプル
アウトトルクの関係を示す特性図である。
2図は外径寸法と半径寸法の残留磁束密度の関係を示す
特性図、第3図は本発明の対象とする永久磁石型モータ
の構造を示す分解斜視図、第4図はパルスレートとプル
アウトトルクの関係を示す特性図である。
Claims (2)
- 【請求項1】多極着磁した筒状の永久磁石を、外径25mm
以下、密度5.0g/cm3以上であり、Fe−B−R系急冷微細
片(RはNdまたは/およびPr)と結合剤とよりなる樹脂
磁石で構成してなる永久磁石型モータ。 - 【請求項2】結合剤が少なくとも樹脂磁石を成形する段
階で6重量%以下である特許請求の範囲第1項記載の永
久磁石型モータ。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61038830A JPH0687634B2 (ja) | 1986-02-24 | 1986-02-24 | 永久磁石型モ−タ |
US06/937,424 US4689163A (en) | 1986-02-24 | 1986-12-03 | Resin-bonded magnet comprising a specific type of ferromagnetic powder dispersed in a specific type of resin binder |
DE3642228A DE3642228C2 (de) | 1986-02-24 | 1986-12-10 | Harzgebundener Magnet, umfassend einen spezifischen Typ an ferromagnetischem Pulver, dispergiert in einem spezifischen Typ an Harzbindemittel |
FR878700277A FR2595001B1 (fr) | 1986-02-24 | 1987-01-13 | Aimant a liant de resine comprenant un type particulier de poudre ferromagnetique disperse dans un type particulier de liant en resine |
KR1019870001418A KR900003477B1 (ko) | 1986-02-24 | 1987-02-20 | 수지자석 |
Applications Claiming Priority (1)
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1986
- 1986-02-24 JP JP61038830A patent/JPH0687634B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (4)
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