JP3415059B2 - 外壁パネルにおける窯業系外壁面材とフレームとの接合構造 - Google Patents

外壁パネルにおける窯業系外壁面材とフレームとの接合構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外壁パネルにおけ
る窯業系外壁面材とフレームとの接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】窯業系外壁面材を用いた外壁パネルで
は、窯業系外壁面材の裏面に鉄骨フレームが取り付けら
れる。図5に示すように、窯業系外壁面材51と鉄骨フ
レーム52との接合は、従来より、窯業系外壁面材51
に、前後方向に貫通するビス通し孔54を明け、外壁面
材51の外面側に、このビス通し孔54と同心にビス頭
部の座55となる凹所56を形成し、外壁面材51の外
面側からビス57を通して外壁面材51と鉄骨フレーム
52とをビス接合し、そののち、凹所56内にはパテ5
8を詰め、仕上げとしてのタッチアップを行うという工
程で行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような接合構造では、ビス通し孔の形成や座掘り、ビス
締め等の工程のみならず、更に、パテ詰め、タッチアッ
プ等の後処理工程をも必要とし、そのため、鉄骨フレー
ム52を窯業系外壁面材51に取り付けるパネルの製作
に多くの手間を要し、窯業系外壁面材を用いた外壁パネ
ルを生産性良く製作できないという問題があった。
【0004】また、外壁面材51の外面側の凹所56に
はパテ詰めをし、更にタッチアップ等の処理をするとは
いえ、痕跡を完全に消し去ることは難しく、窯業系外壁
面材51の外面の美観を損なわせてしまうという問題も
あった。
【0005】更に、窯業系外壁面材51に、貫通のビス
通し孔54を形成したり、座掘りを行うことは、外壁面
材51の強度、耐久性を低下させる要因にもなる。
【0006】本発明は、上記のような従来の問題点に鑑
み、窯業系外壁面材とフレームとを生産性良く接合する
ことができ、しかも、窯業系外壁面材の外面の美観や、
強度、耐久性を損なわせない、外壁パネルにおける窯業
系外壁面材とフレームとの接合構造を提供することを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、窯業系外
壁面材の裏面に有底の接合用凹所が設けられ、この接合
用凹所にフレーム側からの接合用凸が嵌合されて、窯業
系外壁面材とフレームとが接合されていることを特徴と
する、外壁パネルにおける窯業系外壁面材とフレームと
の接合構造によって解決される。
【0008】即ち、この接合構造では、窯業系外壁面材
の裏面に設けられた有底の接合用凹所を利用してフレー
ムの接合を行うものとなされているから、接合用凹所が
窯業系外壁面材の外面側に露出せず、そのため、フレー
ム接合後のパテ詰めやタッチアップなどの後処理が不要
となり、窯業系外壁面材を用いた外壁パネルを、工数少
なく、生産性良く製作していくことができる。
【0009】しかも、窯業系外壁面材に設けられるの
は、面材裏面の有底の接合用凹所であるから、この接合
用凹所は窯業系外壁面材の外面に露出せず、そのため、
窯業系外壁面材の外面の美観をなんら損なわせることが
ない。しかも、外壁面材へのプレコートも可能になる。
【0010】加えて、窯業系外壁面材の接合用凹所は有
底のものであり、窯業系外壁面材を貫通するものではな
いから、窯業系外壁面材の強度や耐久性を損なわせるこ
とも少ない。
【0011】更に、外壁パネルの製作は、窯業系外壁面
材の裏面側からの作業だけで遂行することができ、パネ
ルを反転させたりする必要がなくなり、この外壁パネル
を容易に製作することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1に示す外壁パネル1において、
2は窯業系外壁面材、3はフレームである。
【0013】窯業系外壁面材2には、図2(イ−1)
(イ−2)に示すように、裏面に、複数個の円形状の接
合用凹所4…が、フレーム取付け対応領域に沿って、間
隔的に、分散状態に設けられている。各接合用凹所4…
は、所定の深さを有する有底のものであり、窯業系外壁
面材2の外面には、これら接合用凹所4…による開口は
みられない。各接合用凹所4は、例えば、窯業系外壁面
材2に対しドリル加工等を施すことなどにより形成され
る。
【0014】フレーム3は、例えば溝形鋼などを用いた
鉄骨フレームによるもので、図2(ロ−1)(ロ−2)
に示すように、窯業系外壁面材2の上下の辺に沿って水
平の延びる上下の横枠3a,3bと、同面材2の左右の
辺に沿って垂直に延びる左右の縦枠3c,3cと、左右
の縦枠3c,3c間の中間部を垂直に延び上下の縦枠3
a,3bを連絡する縦枠3dとを組み合わせ、これら枠
を溶接などにより接合一体化したものである。
【0015】この鉄骨フレーム3には、片面に、複数個
の円形状の接合用凸5…が、縦横各枠3a,3b,3
c,3c,3dに沿って、窯業系外壁面材2の裏面の接
合用凹所4…に対応するように間隔的に、分散状態に設
けられている。
【0016】各接合用凸5は、例えば、鉄骨フレーム3
にプレス加工を施すことで鉄骨フレームそれ自身に形成
したものであってよい。図3には、そのような形式によ
るいくつかの例を示す。
【0017】図3(イ)は、鉄骨フレーム3を構成する
溝形鋼の板部を打ち抜いて円筒状の接合用凸5を形成し
たものである。この円筒状接合用凸5は、窯業系外壁面
材2の接合用凹所4内に圧入される外周サイズに形成さ
れている。
【0018】図3(ロ)は、ハット加工による接合用凸
5である。ハットの鍔部5aの外周側が、窯業系外壁面
材2の接合用凹所4内を囲む内周壁に押圧状態に当接さ
れるようになされている。ハットの鍔部5aは、断面で
上に凸の弧状に成形されており、これにより、接合用凸
5が、窯業系外壁面材2の接合用凹所4内に嵌合させや
すく、しかも、嵌合後は抜けにくいという作用が奏され
るようになされている。
【0019】図3(ハ)は、ハットの鍔部5aが、断面
で平坦状に成形されたものである。ハットの顎部5aを
強制的に窯業系外壁面材2の接合用凹所4内に嵌合させ
ることで取り付ける構成となされているものである。
【0020】図3(ニ)は、ハットの顎部5aの外周側
に複数の切欠き5b…が隣接状態に全周にわたって形成
され、これら切欠き5b…間に複数の外方張出し部5c
…が形成されているもので、接合用凸5が、窯業系外壁
面材2の接合用凹所4内に嵌合させやすく、しかも、嵌
合後は抜けにくいという作用が奏されるようになされて
いる。なお、図示しないが、外方張出し部5c…の先端
側をフレーム3側に曲げておくようにすることによっ
て、接合用凹所4内への嵌合作業をよりスムーズに行う
ことができる。
【0021】図3(ホ)(ヘ)に示す各接合用凸5は、
円筒部5dの周壁に周方向間隔的に軸線方向に延びる複
数の切込み5e…が入れられ、切込み5e…間の壁の先
端部が外方に屈折ないしは屈曲されているものである。
これら接合用凸5,5は、弾性作用、即ち、バネ作用を
もって窯業系外壁面材2の接合用凹所4内に強制的な嵌
合され、抜けにくい。
【0022】上記の窯業系外壁面材2と鉄骨フレーム3
とは、図1(イ)(ロ)(ハ)に示すように、窯業系外
壁面材2の裏面側に鉄骨フレーム3を沿わせるように
し、そして、鉄骨フレーム3の各接合用凸5…を窯業系
外壁面材2の各接合用凹所4に嵌合することで接合一体
化される。窯業系外壁面材2の外面に対してのパテ詰め
の工程やタッチアップの工程は不要であり、窯業系外壁
面材2を用いた外壁パネル1を、工数少なく、生産性良
く製作していくことができる。しかも、窯業系外壁面材
2の裏面に形成される接合用凹所4…は有底のものであ
り、従って、窯業系外壁面材2の外面側は凹所4…によ
る開口部などない、すっきりとした窯業系の外観を呈し
ており、窯業系外壁面材の外面の美観を損なわせること
もない。更に、窯業系外壁面材凹所4は窯業系外壁面材
2を貫通しない有底のものであるから、窯業系外壁面材
2の強度や耐久性を損なわせることも少ない。加えて、
窯業系外壁面材2の裏面側のみから、鉄骨フレーム3の
取付けを行っていくことができて、製作時にパネルを反
転させるなどの必要もなく、外壁パネルの製作を容易に
行っていくことができる。
【0023】図4には変形例を示す。図4(イ)は、鉄
骨フレーム3の板部に明けられた孔7に、フレーム3と
は別部材である接合用凸部品8を取り付けることによっ
て、接合用凸5を形成したものである。接合用凸部品8
には、フレーム3の板部の孔7の周縁部を両側から挟む
座部8a,8bが備えられていて、これら座部8a,8
bにて板部を挟み込むことで、鉄骨フレーム3に取り付
けられている。接合用凸部品8は、金属、樹脂等の材料
にて形成されており、凸部外周には、側方に突出する抜
止め用のフィン8c…が多段に備えられている。このフ
ィン部8c…付きの凸部を窯業系外壁面材2の接合用凹
所4内に強制的に嵌合することにより、窯業系外壁面材
2と鉄骨フレーム3とが接合一体化される。
【0024】図4(ロ)に示す変形例は、接合用凸部品
8に軸孔8dが設けられており、窯業系外壁面材2の接
合用凹所4内に嵌合させた接合用凸部品8の軸孔8dに
後部よりネジ9をねじ込んで、接合用凸部品8を側方に
膨出させ、窯業系外壁面材2の接合用凹所4内の周壁に
押圧状態に当接させて接合するようにしたものである。
【0025】図4(ハ)に示すものは、接合用凸部品1
1が、頭部11aを有する荒ネジ材からなり、この荒ネ
ジ材11を鉄骨フレーム3の孔7を通じて、窯業系外壁
面材2の接合用凹所4内にねじ込んで嵌合させ、窯業系
外壁面材2と鉄骨フレーム3とを接合するようにしたも
のである。その他、図4(ニ)に示すような態様の接合
用凸部品8の凸を窯業系外壁面材2の接合用凹所4内に
嵌合する接合構造であってもよい。
【0026】以上に、本発明の実施形態を示したが、本
発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱し
ない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、窯業系
外壁面材2に設ける接合用凹所4や、鉄骨フレーム3を
窯業系外壁面材2に取り付ける接合用凸5は、上記のよ
うな点状のものに限らず、その他、線状、面状のものな
ど、各種形態のものであってよい。要は、窯業系外壁面
材2と鉄骨フレーム3とが凹凸嵌合にて接合される構成
のものであればよい。また、窯業系外壁面材やフレーム
として、各種のものが用いられてよいことはいうまでも
ない。
【0027】
【発明の効果】上述の次第で、本発明の、外壁パネルに
おける窯業系外壁面材とフレームとの接合構造は、上記
のような構成を有するものであるから、窯業系外壁面材
とフレームとを生産性良く接合することができ、しか
も、窯業系外壁面材の外面の美観を損なわず、また、同
外壁面材の強度、耐久性を損なわせることも少ない。加
えて、製作時にパネルを反転させるなどの必要もなく、
製作を容易に行っていくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窯業系外壁面材と鉄骨フレームとの接合構造の
実施形態を示すもので、図(イ)は接合前の状態を示す
分離した断面側面図、図(ロ)は接合状態の断面側面
図、図(ハ)は接合用凹所と接合用凸との嵌合状態を示
す拡大断面図である。
【図2】図(イ−1)は窯業系外壁面材の裏面図、図
(イ−2)は同断面側面図、図(ロ−1)は鉄骨フレー
ムの接合される側の正面図、図(イ−2)は同断面側面
図である。
【図3】図(イ)乃至図(ヘ)はそれぞれ、接合用凸の
例を示す斜視図である。
【図4】図(イ)乃至図(ニ)はそれぞれ、接合用凸の
他の例を示す断面図である。
【図5】従来例を示すもので、図(イ)は外壁パネルの
外面図、図(ロ)は同断面側面図、図(ハ)は窯業系外
壁パネルの面材とフレームとの接合部を示す拡大断面図
である。
【符号の説明】
1…外壁パネル 2…窯業系外壁面材 3…鉄骨フレーム 4…接合用凹所 5…接合用凸
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−139088(JP,A) 特開 平1−116152(JP,A) 特開 平7−88821(JP,A) 実開 平3−82750(JP,U) 実開 昭63−59921(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 13/14 103 E04C 2/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窯業系外壁面材の裏面に有底の接合用凹
    所が設けられると共に、フレーム側に接合用凸が設けら
    れ、フレームは鉄骨からなって、接合用凸は鉄骨フレー
    ムにプレス加工を施すことで鉄骨フレームそれ自身に形
    成されたものからなり、 窯業系外壁面材の 接合用凹所にフレーム側からの前記
    合用凸が圧入嵌合されることで窯業系外壁面材とフレー
    ムとが接合されていることを特徴とする、外壁パネルに
    おける窯業系外壁面材とフレームとの接合構造。
  2. 【請求項2】 裏面に有底の接合用凹所が設けられた窯
    業系外壁面材と、接合用凸が設けられた鉄骨フレームで
    あって、接合用凸が鉄骨フレームにプレス加工を施すこ
    とで鉄骨フレームそれ自身に形成されているものとを用
    い、 窯業系外壁面材の接合用凹所にフレーム側からの前記接
    合用凸を圧入嵌合することで、窯業系外壁面材とフレー
    ムとを接合することを特徴とする外壁パネルにおける窯
    業系外壁面材とフレームとの接合方法。
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