JP3414866B2 - ポリ−ε−カプロラクトンマルチフィラメントの製造法 - Google Patents
ポリ−ε−カプロラクトンマルチフィラメントの製造法Info
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Description
分解性を有するポリ−ε−カプロラクトンマルチフィラ
メントの製造法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、溶融紡糸法によってポリ−ε−カ
プロラクトンマルチフィラメントを製造する場合、特開
平5− 59612号公報に記載されているように、紡出され
たフィラメントを環状又は横型吹き付けからの冷却風に
よって冷却固化させ、一旦巻き取った後又は巻き取るこ
となく連続して延伸する方法が採用されている。 【0003】ポリ−ε−カプロラクトンは、結晶化温度
が約22℃と他の汎用ポリマーに比べて低いポリマーであ
る。そのため、夏期のように気温が高い場合は、紡出後
のフィラメントの冷却が、通常の吹き付けによる方法で
は不十分となり、フィラメントは固化できず、ブロッキ
ングが生じる。そこで、その改良のために、冷却風速を
増大させると糸揺れが生じてフィラメント同士が密着
し、冷却時間を長くするには装置的に限界があり、冷却
風温を下げても十分な冷却効果がみられず、ブロッキン
グが生じるという問題があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なトラブルなしに、優れた糸質性能と生分解性を有する
ポリ−ε−カプロラクトンマルチフィラメントを製造す
ることができる方法を提供しようとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は、溶融紡糸法によってポリ
−ε−カプロラクトンマルチフィラメントを製造する方
法において、紡出されたフィラメントを冷却風の吹き付
けによって冷却した後、雰囲気温度が20℃以下に制御さ
れた冷却筒内を走行させて完全に冷却させ、一旦巻き取
った後又は巻き取ることなく連続して延伸することを特
徴とするポリ−ε−カプロラクトンマルチフィラメント
の製造法にある。 【0006】以下、本発明について詳細に説明する。 【0007】本発明において用いられるポリ−ε−カプ
ロラクトン(PCLという)は、数平均分子量が 40000
以上、好ましくは 80000以上のものが製糸性及び得られ
たフィラメントの特性の点で望ましい。 【0008】紡糸に供するポリマーには、炭酸カルシウ
ム、二酸化チタン、アルミナ、シリカ、タルク等の無機
系結晶核剤を0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量
%含有させることが望ましい。 【0009】溶融紡糸温度は、用いるPCLの分子量に
より異なるが、 190〜300 ℃とすることが望ましい。紡
糸温度が 190℃未満であると溶融押し出しが困難であ
り、300 ℃を超えるとポリマーの分解が顕著となり、高
強度のマルチフィラメントを得ることが困難となる。 【0010】紡出糸条の冷却は、紡糸口金直下に設置し
た環状又は横型吹き付けと、その下方に設置した雰囲気
温度が20℃以下に制御された冷却筒とを組み合わせるこ
とが必要である。吹き付けのみによる冷却では、冷却不
足によりフィラメント間にブロッキングが生じ、冷却筒
のみによる冷却では糸斑が生じたり、冷却効率が悪くな
り冷却不足になる。また、冷却筒内の雰囲気温度が20℃
を超えると高強度のフィラメントが得られないばかり
か、毛羽が発生して切断が生じることがある。 【0011】冷却筒の内径は、紡出するフィラメントの
繊度により異なるが、内径が小さいものほど冷却効率が
高くなり、少ないエネルギーで冷却することが可能とな
りコスト的に有利である。また、冷却筒の長さは、3m
以上、好ましく5m以上とするのが適当であり、この長
さがあまり短ければ、冷却が不十分となる。冷却筒の長
さの上限は、装置的な制約を受けるだけで、特に限定さ
れない。 【0012】完全に冷却された紡出糸条は、紡糸油剤を
付与した後、 300〜3500m/分の速度で引きとられ、一
旦巻き取った後又は巻き取ることなく連続して延伸され
る。 【0013】紡糸油剤としては、通常のポリエステル繊
維用紡糸油剤を使用することができる。また、延伸は、
室温で、1段又は多段階で行うことができるが、高強度
のフィラメントを得るには、多段階で延伸することが望
ましい。 【0014】このようにして、産業資材用や生活資材用
として使用し得る一定の糸質性能と生分解性を有するP
CLマルチフィラメントを製造することができる。 【0015】 【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、測定法は次のとおりである。 引張強伸度 JIS L 1013に準じて測定を行った。 結晶化温度 パーキンエルマー社製 DSC−7(ロボティックシステ
ム)を用い、試料約5mgを常圧セルに封入し、窒素雰囲
気下20℃/分の速度で昇温し、 200℃に到達後5分間そ
のまま維持し、引き続き20℃/分の速度で降温して求め
た。なお、発熱ピークを結晶化温度とした。 【0016】実施例1 数平均分子量が 80000のPCLに、 0.1重量%の二酸化
チタンを添加して、エクストルーダー型溶融紡糸機に供
給し、紡糸温度 270℃で、直径 0.5mmの紡糸孔を36個有
する紡糸口金から溶融紡出し、横型吹き付けにより13℃
の冷却風を 0.8m/sの風速で吹き付けた後、16℃に制
御された長さ5mの冷却筒内を走行させ、水系エマルジ
ョン油剤を付与した後、 400m/分の速度で引き取り、
連続して第一段目延伸倍率 1.5倍、第二段目延伸倍率
2.7倍、総延伸倍率約 4.1倍で延伸を行い、 315d/36
fのマルチフィラメントを得た。 【0017】実施例2〜3及び比較例1〜4 実施例1と同様の方法により、表1に示す条件で製糸を
行った。実施例1〜3及び比較例1〜3で得られたマル
チフィラメントの特性値を表1に示す。 【0018】 【表1】【0019】実施例1〜3では、フィラメント間にブロ
ッキングもなく、良好な特性を有するマルチフィラメン
トが得られたが、比較例1〜3では、フィラメント間に
ブロッキング、また、毛羽の発生による切断等が生じ
た。比較例4では、フィラメントは得られたものの強度
の劣ったものであった。 【0020】 【発明の効果】本発明によれば、一般の産業用資材また
は生活用資材として実用に供することができる一定の糸
質性能及び生分解性を有するポリ−ε−カプロラクトン
マルチフィラメントを安定して製造することができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 溶融紡糸法によってポリ−ε−カプロラ
クトンマルチフィラメントを製造する方法において、紡
出されたフィラメントを冷却風の吹き付けによって冷却
した後、雰囲気温度が20℃以下に制御された冷却筒内を
走行させて完全に冷却させ、一旦巻き取った後又は巻き
取ることなく連続して延伸することを特徴とするポリ−
ε−カプロラクトンマルチフィラメントの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27334294A JP3414866B2 (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | ポリ−ε−カプロラクトンマルチフィラメントの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27334294A JP3414866B2 (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | ポリ−ε−カプロラクトンマルチフィラメントの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08134718A JPH08134718A (ja) | 1996-05-28 |
JP3414866B2 true JP3414866B2 (ja) | 2003-06-09 |
Family
ID=17526564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27334294A Expired - Fee Related JP3414866B2 (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | ポリ−ε−カプロラクトンマルチフィラメントの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3414866B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100305668B1 (ko) * | 1999-09-13 | 2001-09-24 | 조민호 | 멀티필라멘트 사의 냉각장치 |
-
1994
- 1994-11-08 JP JP27334294A patent/JP3414866B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH08134718A (ja) | 1996-05-28 |
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