JP3411794B2 - 紙幣処理機 - Google Patents

紙幣処理機

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JP3411794B2
JP3411794B2 JP24002697A JP24002697A JP3411794B2 JP 3411794 B2 JP3411794 B2 JP 3411794B2 JP 24002697 A JP24002697 A JP 24002697A JP 24002697 A JP24002697 A JP 24002697A JP 3411794 B2 JP3411794 B2 JP 3411794B2
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太生 大石
芳之 加藤
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Laurel Bank Machine Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投入された紙幣を
一枚ずつ分離搬送して鑑別するとともに、真の紙幣と鑑
別されたものを一時貯留し、該一時貯留された紙幣を、
承認操作後の収納時に再度一枚ずつ分離搬送して入金庫
に順次集積させながら収納する紙幣処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の紙幣処理機は、投入された紙幣を
一枚ずつ分離搬送して鑑別するとともに、真の紙幣と鑑
別されたものを入金庫の上方の一時貯留部に集積させつ
つ一時貯留し、該一時貯留された紙幣を、承認操作後の
収納時に一括して入金庫に落下させるものが一般に用い
られている。しかしながら、この紙幣処理機は、一時貯
留部から入金庫への落下時に紙幣の集積状態が乱れ、整
列状態で入金庫に収納できずに、例えば、集積紙幣の一
部の角部、側縁部等が折れ曲った状態で収納されるとい
う問題が生じた。このため、この問題を解決するため
に、一時貯留部の紙幣を一括して落下させず、再度、一
枚ずつ分離して繰り出し、これを入金庫に導いて整列収
納させる紙幣処理機に関して、本出願人は先の出願を行
っている(特願平8−332502号)。この紙幣処理
機では、一枚ずつ案内される紙幣を受け入れるために、
入金庫の上部に案内される紙幣を受け入れる空間を作る
必要があり、このため、紙幣を載置する支持板を常時上
方へ移動付勢するのではなく、モータ等の駆動手段を、
支持板に載置される紙幣の最上面位置が一定となるよう
に(例えば該最上面が所定位置のセンサで常に検出され
るように)制御するようになっている。また、紙幣を一
枚ずつ入金庫に高速搬送すると、特に大きさの異なる異
金種の紙幣を収納する場合に、紙幣が入金庫内で整然と
揃わず、集積状態に若干の乱れが生じてしまうことが予
想されるため、支持板の上方に上下に揺動自在に設けら
れるとともに、下方側に揺動した状態において、導入さ
れる紙幣の上面を案内するとともに導入される紙幣を支
持板の方向に押圧する押さえ部材を設け、この押さえ部
材で紙幣を入金庫内で整然と揃えつつ集積させるように
なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した先
の出願の紙幣処理機の押さえ部材としては、例えば、上
下に揺動自在に設けられるとともに、ソレノイドの駆動
で強制的に下方側に揺動させられた状態と、ソレノイド
の駆動が解除され上方に揺動可能なフリーな状態で自重
で下方側に揺動した状態とに切り換え可能とされ、入金
庫の受入口を紙幣が通過中の状態においては、フリーな
状態とされて紙幣の投入に対する抵抗を防ぎつつ紙幣を
案内し、受入口を通過後の紙幣の後端部が受入口に設け
られた羽根車で下方に向け叩かれるタイミングでソレノ
イドの駆動により強制的に下方側に揺動した状態とされ
て紙幣の後端部を揃える構成のものが考えられる。しか
しながら、上記のような押さえ部材を設けた場合、この
押さえ部材はフリーな状態とされていても自重で下側に
揺動した状態とされるため、入金庫から紙幣を取り出す
際に邪魔になって紙幣を取り出し難くしてしまったり、
あるいは紙幣の取り出しの際に引っ掛かりを生じてこの
押さえ部材や紙幣に破損を生じてしまう等の問題の発生
が予想された。したがって、本発明の目的は、紙幣を入
金庫内で整然と揃えつつ集積させる押さえ部材を設ける
上で、入金庫からの紙幣の取り出しが容易にできるとと
もに紙幣の取り出しの際の押さえ部材や紙幣の破損の発
生を防止することができる紙幣処理機を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の紙幣処理機は、投入された
紙幣を一枚ずつ分離搬送して鑑別するとともに、真の紙
幣と鑑別されたものを一時貯留し、該一時貯留された紙
幣を、収納時に再度一枚ずつ分離搬送して入金庫に順次
集積させながら収納するものであって、前記入金庫が、
紙幣を支持するとともに、紙幣の集積方向に移動自在に
設けられた支持板と、該支持板を、最上面の紙幣が一定
位置にあるように紙幣の集積方向に移動させる駆動手段
と、前記支持板の上方に上下に揺動自在に設けられると
ともに、下方側に揺動した状態において、導入される紙
幣の上面を案内するとともに導入される紙幣を前記支持
板の方向に押圧する押さえ部材と、この入金庫の一側面
を開閉可能な蓋体と、該蓋体が前記一側面を閉じている
状態においては、前記押さえ部材を下方側に揺動した状
態とし、前記蓋体が前記一側面を開いている状態におい
ては、前記押さえ部材を上方に揺動した退避状態とする
退避制御手段と、を具備してなることを特徴としてい
る。これにより、紙幣を収納させるため蓋体が入金庫の
一側面を閉じている状態においては、退避制御手段が押
さえ部材を下方側に揺動した状態として、導入される紙
幣の上面を案内するとともに導入される紙幣を支持板の
方向に押圧して、該紙幣を入金庫内で整然と揃えつつ集
積させる。一方、紙幣を取り出すため蓋体が入金庫の一
側面を開いている状態においては、退避制御手段が押さ
え部材を上方に揺動した退避状態とするため、入金庫か
ら紙幣を取り出す際に押さえ部材が邪魔になったり、紙
幣の取り出しの際に押さえ部材と紙幣との間に引っ掛か
りを生じたりすることがない。
【0005】本発明の請求項2記載の紙幣処理機は、請
求項1記載のものに関して、前記退避制御手段は、前記
蓋体の開閉に連動する退避連動部材と、前記蓋体の閉時
の前記退避連動部材の作動に連動して前記押さえ部材を
下方に揺動した状態とする一方、前記蓋体の開時の前記
退避連動部材の作動に連動して前記押さえ部材を上方に
揺動した退避状態とする退避作動部材と、を具備するこ
とを特徴としている。これにより、紙幣を収納させるた
め蓋体が入金庫の一側面を閉じると、この蓋体の閉作動
に連動して退避制御手段の退避連動部材および退避作動
部材が押さえ部材を下方に揺動した状態とする一方、紙
幣を取り出すため蓋体が入金庫の一側面を開くと、この
蓋体の開作動に連動して退避制御手段の退避連動部材お
よび退避作動部材が押さえ部材を上方に揺動した退避状
態とする。
【0006】本発明の請求項3記載の紙幣処理機は、請
求項1または2記載のものに関して、前記蓋体が前記一
側面を閉じている状態においては、前記支持板と前記駆
動手段とを連結させ、前記蓋体が前記一側面を開いてい
る状態においては、前記支持板と前記駆動手段との連結
を解除させる駆動連結制御手段を具備することを特徴と
している。これにより、紙幣を収納させるため蓋体が入
金庫の一側面を閉じている状態においては、駆動連結制
御手段が駆動手段と支持板とを連結させる。この状態に
おいては、駆動手段と支持板とが連結されているため、
駆動手段の駆動力で支持板が移動されその支持位置が調
整等されることになる。一方、紙幣を取り出すため蓋体
が入金庫の一側面を開いている状態においては、駆動連
結制御手段が駆動手段と支持板との連結を解除させる。
この状態においては、駆動手段と支持板との連結が解除
されているため、支持板が駆動手段に対し自由な状態と
なる。よって、操作者は、支持板を移動させるために駆
動手段をも駆動可能な力で移動させる必要がなくなり、
よって、自由にしかも軽い負荷で容易に移動させること
ができることになる。
【0007】本発明の請求項4記載の紙幣処理機は、請
求項3記載のものに関して、前記駆動連結制御手段は、
前記蓋体の開閉に連動する駆動連動部材と、前記蓋体の
閉時の前記駆動連動部材の作動に連動して前記支持板と
前記駆動手段とを連結させる一方、前記蓋体の開時の前
記駆動連動部材の作動に連動して前記支持板と前記駆動
手段との連結を解除させる解除作動部材と、を具備する
ことを特徴としている。これにより、紙幣を収納させる
ため蓋体が入金庫の一側面を閉じると、この蓋体の閉作
動に連動して駆動連結制御手段の駆動連動部材および解
除作動部材が駆動手段と支持板とを連結させる一方、紙
幣を取り出すため蓋体が入金庫の一側面を開くと、この
蓋体の開作動に連動して駆動連結制御手段の駆動連動部
材および解除作動部材が駆動手段と支持板との連結を解
除させる。
【0008】本発明の請求項5記載の紙幣処理機は、請
求項4記載のものに関して、前記退避連動部材と前記駆
動連動部材とが兼用されていることを特徴としている。
このように退避連動部材と駆動連動部材が兼用できるた
め、部品点数を少なくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一の実施の形態による紙
幣処理機を図面を参照して以下に説明する。なお、この
実施の形態の紙幣処理機は、入金のみを行う紙幣入金機
であり、しかもその内部において紙幣を長手方向を搬送
方向に沿わせた状態で搬送させるものである。
【0010】まず、図1を参照してその全体構成を説明
する。機体11の前面11a側に入金口12が設けられ
ており、機体11の入金口12側の内側には、左右方向
に沿う支持軸13を中心に回転可能とされた略円筒状の
取引ドラム14が設けられている。この取引ドラム14
と入金口12との間には開閉可能なシャッタ15が設け
られており、取引ドラム14内には、固定側ベルト16
および該固定側ベルト16に対し近接・離間可能に設け
られた可動側ベルト17が一対対向配置されている。そ
して、入金処理を行うべく操作者により図示せぬ操作部
で操作が行われると、図示せぬ制御部がシャッタ15を
開放させる。すると、入金口12から取引ドラム14の
離間状態にある可動側ベルト17と固定側ベルト16と
の間にかけて、操作者により紙幣が長手方向を前後方向
に沿わせて集積状態で載置されることになる。
【0011】このようにして紙幣が載置されると、制御
部が、取引ドラム14の可動側ベルト17を固定側ベル
ト16方向に移動させて該固定側ベルト16との間で紙
幣を挾持させ、この挾持状態でこれら可動側ベルト17
および固定側ベルト16を駆動させて、入金口12にわ
たって載置された紙幣を完全に取引ドラム14内へ一括
して取り込ませることになる。そして、取り込みが完了
すると、制御部は、シャッタ15を閉塞させて、取引ド
ラム14を所定方向(図1における反時計回り方向)に
90度回転させることになる。
【0012】取引ドラム14の直下には、上記のように
回転した取引ドラム14から固定側ベルト16および可
動側ベルト17が駆動されることにより紙幣が一括して
送り出されるとこれを取り込む入金計数部19が設けら
れている。この入金計数部19には、取引ドラム14か
らの紙幣が間に送り込まれる、固定側ベルト20および
該固定側ベルト20に対し近接・離間可能に設けられた
可動側ベルト21が一対対向して設けられており、また
これら固定側ベルト20および可動側ベルト21の間に
送り込まれた紙幣の下側を支持可能な開閉自在のシャッ
タ22と、その下側であって機体11のほぼ最下位置に
設けられた、繰出ローラおよび分離ローラを有する分離
部24とを具備している。
【0013】そして、固定側ベルト20に対し可動側ベ
ルト21が離間した状態で、取引ドラム14からの紙幣
の取り込みを行い、これが完了すると、制御部は、可動
側ベルト21を固定ベルト20の方向に移動させて該固
定ベルト20との間で取り込んだ紙幣を挾持させる。そ
して、シャッタ22を開かせ、固定側ベルト20でこれ
に接する紙幣を下方に蹴り出させるとともに、下側の分
離部24によって、蹴り出された紙幣を確実に一枚ずつ
に分離して計数しつつ送り出させることになる。
【0014】入金計数部19の分離部24の機体11に
おける後方側には、機体11の最下位置に沿って、分離
部24から一枚ずつ送り出された紙幣について搬送方向
に直交する幅方向(図1における紙面に直交する方向)
における一端縁部側を揃える幅寄せ搬送部27が配置さ
れている。この幅寄せ搬送部27の後端の上側には、幅
寄せ搬送部27で幅寄せされた後に搬送される紙幣を鑑
別する鑑別部28が設けられている。この鑑別部28で
は、紙幣の真偽および金種を鑑別し、図示せぬ制御部が
この鑑別部28の鑑別結果に基づいて入金金額を算出す
ることになる。
【0015】鑑別部28の上側には、該鑑別部28で鑑
別された後の紙幣を搬送する屈曲搬送部30が設けられ
ており、該屈曲搬送路30は、その機体11における前
面11a側に配置された第1集積部32および第2集積
部33に選択的に紙幣を搬送するための第1分岐部34
および第2分岐部35を有している。すなわち、制御部
は、鑑別部28で真の紙幣以外のものと鑑別された紙幣
を、屈曲搬送部30で搬送させるとともにその途中位置
に設けられた第1分岐部34で案内させて第1集積部3
2に送り込ませて一時貯留させることになり、鑑別部2
8で真の紙幣と鑑別された紙幣を、屈曲搬送部30で搬
送させるとともにその最終位置に設けられた第2分岐部
35で案内させて第2集積部33に送り込ませて一時貯
留させることになる。
【0016】第1集積部32および第2集積部33は、
ともにほぼ同じ構成をなしており、第1集積部32はそ
の一方側を第1分岐部34に、第2集積部33はその一
方側を第2分岐部35に向けて配置されるとともに、そ
れぞれ他方側を取引ドラム14側に向けていて、該取引
ドラム14との間で紙幣の受け渡しが可能に構成されて
いる。ここで、第2集積部33は、第1集積部32の上
側に略水平に配置されており、第1集積部32は、その
下側に取引ドラム14側が上側となるよう水平に対し略
45度の角度で傾斜して配置されている。そして、第1
集積部32および第2集積部33は、それぞれ、固定側
ベルト36および該固定側ベルト36に対し近接・離間
可能に設けられた可動側ベルト37が一対対向配置され
ている。ここで、可動側ベルト37が上側に固定側ベル
ト36が下側に配置されている。
【0017】そして、それぞれの屈曲搬送部30側の入
口には、搬送される紙幣の後端部を固定側ベルト36の
方向に叩き落とす羽根車38が設けられており、固定側
ベルト36の上側には、押さえ部材39が揺動自在に設
けられている。この押さえ部材39は、先端が上下動す
るよう揺動自在に設けられるとともに、図示せぬソレノ
イドの駆動で強制的に下方側に揺動した状態と、ソレノ
イドの駆動が解除され上方揺動可能なフリーな状態で自
重で下側に揺動した状態とに切り換え可能とされ、可動
側ベルト37が固定側ベルト36に対して離間された状
態で、紙幣が固定側ベルト36および可動側ベルト37
間に向け案内されている最中は、フリーな状態とされて
紙幣の投入に対する抵抗を防ぎつつ紙幣を案内し、固定
側ベルト36および可動側ベルト37間に案内された紙
幣の後端部が羽根車38を通過するタイミングでソレノ
イドの駆動により強制的に下方側に揺動した状態とされ
て、案内される紙幣の後端部を揃える。
【0018】第1集積部32および第2集積部33が、
それぞれ、紙幣を取引ドラム14へ受け渡す際には、制
御部が、取引ドラム14を受渡可能な回転位置に位置さ
せた状態で、紙幣の受け入れ時に固定ベルト36から離
間状態にあった可動ベルト37を固定ベルト36方向に
移動させて該固定ベルト36との間で紙幣を挾持させた
後、これら固定ベルト36および可動ベルト37を駆動
させることで、紙幣を一括して取引ドラム14側に移動
させて受け渡しを行わせる。
【0019】ここで、制御部は、最初の分離計数および
鑑別処理の完了後、鑑別部28で真の紙幣ではないと鑑
別されて第1集積部32に送られ一時貯留された紙幣
を、取引ドラム14に受け渡しさせた後、再度、この紙
幣についてのみ上述と同様にして分離計数および鑑別を
実行させる。そして、この再度の鑑別でも真の紙幣では
ないと鑑別されて第1集積部32に送られた紙幣を、取
引ドラム14に受け渡しさせ、シャッタ15の開放の
後、取引ドラム14の固定側ベルト16および可動側ベ
ルト17で送らせて入金口12に一括返却させる。な
お、入金口12に返却された紙幣が所定時間入金口12
に放置されると、制御部は、取引ドラム14に紙幣を取
り込ませた後、機体前面11a側における入金口12の
下側に設けられた取り忘れ収納部41に一括して直接送
り込ませ、あるいは、再度分離計数および鑑別処理を行
わせて金額を確定させた状態で第1集積部32および取
引ドラム14を介して取り忘れ収納部41に直接送り込
ませる等して回収する。
【0020】そして、最初の分離計数および鑑別処理で
第1集積部32に送られた紙幣がない場合、および再度
の分離計数および鑑別処理が完了した場合のいずれにお
いても、制御部は、第2集積部33に一時貯留された入
金可能な紙幣の入金額を図示せぬ表示部に表示させると
ともに、操作者に対して入金収納を承認するか入金収納
せず返却するかを選択させる表示を行う。これにより、
制御部は、操作者が返却する旨の指示操作を行うと取引
ドラム14を介して入金口12に返却を行わせる一方、
操作者が承認する旨の指示操作を行うと取引ドラム14
を介して入金計数部19に紙幣を送らせ、該紙幣を再度
その分離部24で一枚ずつに分離させて、幅寄せ搬送部
27、鑑別部28および屈曲搬送部30を介して搬送さ
せ、屈曲搬送部30の第2分岐部35から機体11の後
面11b側に配置された上下に長い入金庫43に案内さ
せる。
【0021】この入金庫43の屈曲搬送部30側の受入
口44には、搬送される紙幣の後端部を入金庫43内で
下方向に叩き落とす羽根車45が設けられており、ま
た、入金庫43内には、水平延在するとともに上下に移
動する載置板(支持板)46が設けられている。この載
置板46は、その上に、受入口44から略水平方向に沿
って投入される紙幣を上下方向に順次集積させながら収
納するもので、収納紙幣の集積方向すなわち上下方向に
沿って移動自在とされており、収納される紙幣の最上面
位置が一定となるようにその支持位置が制御される。
【0022】入金庫43の載置板46より上側には、押
さえ部材47が揺動自在に設けられている。この押さえ
部材47は、先端の押圧部108が上下動するよう揺動
自在に設けられるとともに、図示せぬソレノイドの駆動
で強制的に下方側に揺動した状態と、ソレノイドの駆動
が解除され上方揺動可能なフリーな状態で自重により下
側に揺動した状態と、さらにはソレノイドの駆動が解除
された状態で上方に強制的に揺動させられた状態とに切
り換え可能とされ、受入口44を紙幣が通過中の状態に
おいては、フリーな状態とされて紙幣の投入に対する抵
抗を防ぎつつ紙幣を案内し、受入口44を通過後の紙幣
の後端部が受入口44に設けられた羽根車38で下方に
向け叩かれるタイミングでソレノイドの駆動により強制
的に下方側に揺動した状態とされて、案内される紙幣の
後端部を揃える。
【0023】次に、入金庫43について図2および図3
を参照してさらに説明する。入金庫43は直方体形状を
なす筐体49を有しており、該筐体49の一の側面部4
9a側の下側所定範囲が、開閉自在の蓋体50とされて
いる。この蓋体50は、その上部が前記側面部49aと
略同一平面に位置する水平の支持軸50aに回動自在に
支持されている。なお、図2においては閉じた状態の蓋
体50の一部を、図3においては開いた状態の蓋体50
の一部をそれぞれ示している。筐体49の蓋体50に対
し反対の側面部49bには、上部所定位置に上記した受
入口44が設けられており、該受入口44の近傍には図
2および図3においては図示略の上記した羽根車45が
設けられている。
【0024】この受入口44は、側面部49bから側面
部49aにわたって略水平延在されたガイド板51の側
面部49b側の一部と、該ガイド板51の若干下側にお
いて側面部49bから側面部49a側に略水平に若干延
出されるとともに延出先端側が下方に屈曲されて側面部
49bと平行をなすよう鉛直延在されたガイド板52の
上側の一部とでその上下が形成されている。そして、閉
状態の蓋体50とガイド板51とガイド板52の側面部
49a側の部分との間に紙幣を受け入れるための受入空
間53が形成されている。
【0025】ガイド板52と側面部49bとの間の空間
部54の上部には、側面部49bに平行な水平軸回りに
回転自在にプーリ56が支持されており、空間部54の
下部にも、側面部49bに平行な水平軸回りに回転自在
に図示せぬプーリが支持されており、これらの間にはタ
イミングベルト58が掛け廻されている。そして、この
タイミングベルト58の側面部49a側の辺部58aに
は、ガイド板52から側面部49a方向に延出する取付
ブロック59が固定されており、該取付ブロック59上
には、ガイド板52と側面部49aとの間で水平延在す
る上記した載置板46が取り付けられている。これによ
り、タイミングベルト58の回転により載置板46が受
入空間53内を上下に移動する。
【0026】筐体49内におけるガイド板51の上側に
は駆動装置65が設けられている。この駆動装置65
は、モータと該モータの回転を適宜減速させる複数のギ
アで構成されるギアヘッドとからなるとともに筐体49
側に取り付けられる駆動源(駆動手段)66と、側面部
49aに平行な水平軸回りに回転する駆動源66の出力
軸68に同軸をなして固定された駆動ギア69と、出力
軸68の側面部49b側であって側面部49aおよび側
面部49bの略中央位置に出力軸68と平行に配置され
て筐体49に支持された従動軸70と、該従動軸70に
同軸をなしかつ駆動ギア69と軸線方向の位置を合わせ
て固定支持された従動ギア71と、従動軸70に同軸回
りに揺動自在に支持された揺動アーム72と、該揺動ア
ーム72の揺動先端側に従動軸70と平行な軸回りに回
転自在に支持されるとともに従動ギア71に常時噛み合
う中間ギア73とを有している。
【0027】そして、従動軸70には、プーリ75が固
定されており、該プーリ75と上記したプーリ56との
間には、タイミングベルト76が掛け廻されている。こ
こで、中間ギア73は、揺動アーム72の揺動位置によ
り駆動ギア69にも噛合可能とされている。このように
駆動ギア69に噛み合った状態においては、駆動源66
の駆動力で、駆動ギア69、中間ギア73および従動ギ
ア71を介して従動軸70を回転させ、プーリ75およ
びタイミングベルト76を介してプーリ56を回転させ
タイミングベルト58を回転させて、取付ブロック59
および載置板46を紙幣の集積方向すなわち上下方向に
昇降させる。なお、この間、駆動源66の出力は基本的
には滑りなく載置板46に伝達される。
【0028】そして、揺動アーム72には、これを中間
ギア73が駆動ギア69から離間する方向(図2におけ
る反時計回り方向)に揺動させるよう常時付勢する図示
せぬ揺動バネが筐体49との間に掛けられている。な
お、揺動アーム72の中間ギア73に対し反対側の端部
の下部位置には係合ローラ82が回転自在に支持されて
おり、同上部位置には押圧ローラ100が回転自在に支
持されている。
【0029】押圧ローラ100の側面部49b側には、
プッシュアングル101が、側面部49aと側面部49
bとを結ぶ水平方向に移動自在に支持されている。この
プッシュアングル101にはその長さ方向に沿って長孔
102が二カ所形成されており、これら長孔102に
は、側面部49bに平行な水平方向に配置されるととも
に相互に側面部49aと側面部49bとを結ぶ方向に水
平に離間して筐体49側に取り付けられたガイドピン1
03がそれぞれ挿通されている。プッシュアングル10
1には、押圧ローラ100側に該押圧ローラ100に当
接する当接面104が形成されており、当接面104に
対し反対側の端面には、板バネ105が、下方に延出し
かつ該プッシュアングル101の移動方向に湾曲可能と
なるように取り付けられている。
【0030】押さえ部材47は、プッシュアングル10
1より側面部49b側かつ下側に配置された、該側面部
49bに平行な水平の支持軸107に回動自在に支持さ
れており、紙幣を押圧する先端側の押圧部108が支持
軸107より側面部49a方向に延出されている。この
押さえ部材47には、支持軸107の上側であってプッ
シュアングル101の板バネ105の側面部49b側と
なる位置に、該プッシュアングル101の側面部49b
側への移動で板バネ105により押圧されるピン109
が取り付けられている。なお、該プッシュアングル10
1の側面部49b側への移動で板バネ105を介してピ
ン109が押圧されると、押さえ部材47は、支持軸1
07を中心にその押圧部108を上昇させるよう揺動す
る。
【0031】駆動ギア69および従動ギア71等の下側
位置には、側面部49aと側面部49bとを結ぶ水平方
向に延在するとともに該方向に沿って移動自在のスライ
ドアーム84が筐体49側に支持されている。このスラ
イドアーム84にはその長さ方向に沿って長孔85が二
カ所形成されており、これら長孔85には、側面部49
bに平行な水平方向に配置されるとともに相互に側面部
49aと側面部49bとを結ぶ方向に水平に離間して筐
体49側に取り付けられたガイドピン86がそれぞれ挿
通されている。これにより、スライドアーム84は、そ
の長さ方向に沿って長孔85とガイドピン86とで決め
られる所定の範囲だけ水平移動可能とされている。
【0032】そして、スライドアーム84には、これを
側面部49aの方向に移動させるよう常時付勢する図示
せぬスライドバネが筐体49との間に掛けられている。
ここで、スライドアーム84の側面部49aに対し反対
側には、その側面部49a側に、略水平に延在するカム
面89が形成されるとともに、さらにその側面部49b
側に、下方に傾斜する傾斜面90が形成されている。
【0033】図2に示すように、スライドアーム84が
最も側面部49b側に位置するとき、カム面89が係合
ローラ82の下側に入り込んだ状態で接触しており、こ
れにより揺動アーム72を揺動バネの付勢力に抗して揺
動させほぼ水平延在する状態とする。この状態におい
て、中間ギア73は、駆動ギア69と完全に噛み合った
状態となり、またプッシュアングル101はピン109
の方向への押圧が解除されて押さえ部材47の下方向へ
の揺動を許容するとともに、逆に該押さえ部材47の揺
動で側面部49aの方向に移動させられる。
【0034】他方、上記状態からスライドアーム84が
側面部49a側に移動すると、図3に示すように、揺動
アーム72が、係合ローラ82を傾斜面90の形状に沿
って下降させつつ図示せぬ揺動バネの付勢力で揺動す
る。そして、スライドアーム84が側面部49a側の移
動限界位置に達することで、係合ローラ82が傾斜面9
0上で停止し、揺動アーム72は揺動限界位置まで揺動
された状態となる(このとき揺動アーム72は約30
度、水平に対し傾斜延在するよう揺動する)。
【0035】この揺動限界位置までの揺動で、揺動アー
ム72は、その中間ギア73を駆動ギア69からその回
転に無関係となる位置まで完全に離間させるとともに、
その押圧ローラ100でプッシュアングル101を側面
部49bの方向に押圧移動させ、板バネ105を介して
押さえ部材47のピン109を側面部49bの方向に押
圧移動させる。これにより、押さえ部材47が、その自
重に抗してその先端側の押圧部108を上側に移動させ
全体がガイド板51に略一致する位置まで揺動し受入空
間53内から退避する退避状態となって図示せぬストッ
パ部材に当接する。なお、このとき、プッシュアングル
101は押さえ部材47を退避状態とするのに必要な距
離より若干多く移動するよう設定されており、この分は
板バネ105が若干撓むことで吸収する。
【0036】そして、スライドアーム84の側面部49
a側の先端部には係合ローラ92が回転自在に支持され
ている。この係合ローラ92は、蓋体50の側面部49
aを構成する部分の内側に固定された係合片93に当接
可能とされている。すなわち、蓋体50が開状態から閉
状態とされるときは、係合ローラ92が蓋体50の係合
片93に当接係合して押圧されることによりスライドア
ーム84がスライドバネの付勢力に抗して側面部49b
方向に移動させられ、図2に示すように、蓋体50が閉
状態となると、スライドアーム84は側面部49b方向
の移動限界位置まで移動された状態となる。これによ
り、揺動アーム72を略水平まで揺動させて、中間ギア
73を駆動ギア69と完全に噛み合わせた状態とすると
ともに、押さえ部材47を自重により下方向へ揺動させ
た状態とする。なお、この状態において押さえ部材47
はソレノイドによる駆動も可能となる。
【0037】他方、蓋体50が、閉状態から開状態とさ
れるときは、係合ローラ92が蓋体50の係合片93と
の当接係合が解除されることで、スライドアーム84が
スライドバネの付勢力により前記に対し逆の側面部49
a方向に移動させられ、図3に示すように、蓋体50が
完全に開状態となると、スライドアーム84が側面部4
9a方向の移動限界位置まで移動された状態となる。こ
れにより、揺動アーム72を上記と逆方向に揺動させ
て、中間ギア73を駆動ギア69から完全に離間させた
状態とするとともに、押さえ部材47を強制的に上方向
へ揺動させた退避状態とする。
【0038】ここで、蓋体50の係合片93と、係合ロ
ーラ92と、スライドアーム84と、ガイドピン86
と、図示せぬスライドバネとで、蓋体50の開閉に機械
的に連動する連動部材(駆動連動部材,退避連動部材)
111が構成されており、駆動ギア69と、従動軸70
と、従動ギア71と、揺動アーム72と、中間ギア73
と、係合ローラ82と、図示せぬ揺動バネとで、蓋体5
0の閉時の連動部材111の作動に機械的に連動して駆
動源66と載置板46とを連結させる一方、蓋体50の
開時の連動部材111の作動に機械的に連動して駆動源
66と載置板46との連結を解除させる解除作動部材1
12が構成されており、これら連動部材111および解
除作動部材112で駆動連結制御手段113が構成され
ている。また、従動軸70と、揺動アーム72と、押圧
ローラ100と、プッシュアングル101と、ガイドピ
ン103と、板バネ105とで、蓋体50の閉時の連動
部材111の作動に機械的に連動して押さえ部材47を
自重により下方に揺動した状態とする一方、蓋体50の
開時の連動部材111の作動に機械的に連動して押さえ
部材47を強制的に上方に揺動した退避状態とする退避
作動部材114が構成されており、この退避作動部材1
14と連動部材111とで退避制御手段115が構成さ
れている。
【0039】このような構成の紙幣処理機によれば、制
御部は、操作者が入金処理を行うべく操作部で操作を行
うと、シャッタ15を開放させる。この状態で入金口1
2から取引ドラム14にかけて、操作者により紙幣が載
置されると、紙幣を取引ドラム14内へ取り込んだ後、
シャッタ15を閉じて、取引ドラム14を90度回転さ
せた後、該取引ドラム14から一括して紙幣を入金計数
部19に送り込み、該入金計数部19からその分離部2
4により一枚ずつに分離して計数しながら送り出させ
る。このようにして一枚ずつ送り出された紙幣を、幅寄
せ搬送部27で幅方向における一端縁部側を揃えた後、
鑑別部28で鑑別し、屈曲搬送部30で、真の紙幣と鑑
別されたものを第2集積部33に、真の紙幣以外と鑑別
されたものを第1集積部32にそれぞれ集積させる。
【0040】そして、この最初の分離計数および鑑別処
理で、鑑別部28で真の紙幣ではないと鑑別されて第1
集積部32に送られた紙幣を、取引ドラム14に受け渡
させた後、再度、上述と同様にして分離計数および鑑別
を実行し、この再度の鑑別でも真の紙幣ではないと鑑別
されて第1集積部32に送られた紙幣を、取引ドラム1
4に受け渡し、シャッタ15の開放の後、取引ドラム1
4から入金口12に返却させる。
【0041】その一方で、鑑別部28の鑑別結果に基づ
いて、第2集積部33に集積された入金可能な紙幣の入
金額を図示せぬ表示部に表示させる。この表示により操
作者が返却する旨の指示操作を行うと、取引ドラム14
を介して入金口12に返却を行う一方、操作者が承認す
る旨の指示操作を行うと、紙幣を収納するべく、取引ド
ラム14を介して入金計数部19に紙幣を送り、該紙幣
を再度その分離部24で一枚ずつに分離して、幅寄せ搬
送部27、鑑別部28および屈曲搬送部30を介して搬
送させ、屈曲搬送部30から入金庫43にその受入口4
4から投入させることで、紙幣を載置板46あるいは載
置板46にすでに載置された紙幣の上側に集積させる。
【0042】ここで、制御部は、駆動源66の駆動制御
により、載置板46に載置される紙幣の最上面位置が一
定となるように駆動するとともに、ソレノイドの駆動制
御により紙幣を揃えながら集積させる。すなわち、紙幣
処理機内にセットされた状態においては、入金庫43の
蓋体50は側面部49aを閉じた状態となっており、こ
れにより、スライドアーム84が、蓋体50の係合片9
3に係合状態で押圧されてスライドバネの付勢力に抗し
て側面部49b方向に移動しており、揺動アーム72を
揺動バネの付勢力に抗して水平配置された状態としてい
る。
【0043】すると、載置板46に連結された従動ギア
71に常時噛み合っている中間ギア73が、駆動源66
に連結された駆動ギア69と噛み合うことになって、駆
動源66と載置板46とが連結されるとともに、押圧ロ
ーラ100が側面部49a方向すなわちプッシュアング
ル101に対する押圧を解除する方向に移動することに
なって、押さえ部材47を自重により下方向へ揺動させ
た状態とする。
【0044】この状態で、制御部は、例えば紙幣の受入
口44の通過を検出する等し、紙幣が一枚ずつ案内され
る毎に駆動源66をあらかじめ定められた所定角度回転
するよう駆動させて載置板46を下降させること等によ
り、該載置板46の支持位置を調整して、載置板46に
載置される紙幣の最上面位置を一定となるよう制御する
とともに、受入口44を紙幣が通過中の状態において
は、押さえ部材47をフリーな状態として紙幣の投入に
対する抵抗を防ぎつつ紙幣を案内し、受入口44を通過
後の紙幣の後端部が受入口44に設けられた羽根車45
で下方に向け叩かれるタイミングでソレノイドの駆動に
より押さえ部材47を強制的に下方側に揺動した状態と
して、案内される紙幣の後端部を揃える。
【0045】一方、入金庫43が紙幣処理機から取り出
され、収納紙幣を取り出すべく蓋体50が開かれると、
スライドアーム84が、蓋体50の係合片93との係合
が解除されることによりスライドバネの付勢力で側面部
49a方向に移動して、揺動アーム72を揺動バネの付
勢力によって水平から揺動限界位置まで揺動させた状態
とする。
【0046】すると、プッシュアングル101を介して
押さえ部材47が強制的に上方向へ揺動して受入空間5
3から退避する退避状態となる。よって、入金庫43か
ら紙幣を取り出す際に押さえ部材47が邪魔になった
り、紙幣の取り出しの際に押さえ部材47と紙幣との間
に引っ掛かりを生じたりすることがない。したがって、
紙幣を入金庫43内で整然と揃えつつ集積させる押さえ
部材47を設ける上で、入金庫43からの紙幣の取り出
しが容易にできるとともに紙幣の取り出しの際の押さえ
部材47や紙幣の破損の発生を防止することができる。
【0047】ここで、蓋体50が閉じられるとその閉作
動に連動して連動部材111および退避作動部材114
が押さえ部材47を下方に移動した状態とする一方、蓋
体50が開かれるとその開作動に連動して連動部材11
1および退避作動部材114が押さえ部材47を上方に
移動した退避状態とするというように、蓋体50の開閉
作動で押さえ部材47の状態を切り換えるため、切り換
えのための駆動源等が不要となり、コスト増を防止する
ことができる。
【0048】また、蓋体50の開作動で揺動アーム72
を揺動バネの付勢力によって水平から揺動限界位置まで
揺動させた状態とすると、中間ギア73が駆動ギア69
との噛み合いを解除することになる。よって、駆動源6
6と載置板46との連結が完全に解除される。この状態
においては、載置板46が駆動源66に対し無関係な自
由な状態となる。これにより、操作者は、載置板46を
移動させるために駆動源66をも駆動可能な力で移動さ
せる必要がなくなり、よって、載置板46を自由にしか
も軽い負荷で容易に移動させることができることにな
る。したがって、入金庫43から収納した紙幣を人手で
容易に取り出すことができる。
【0049】ここでも、蓋体50が閉じられるとその閉
作動に連動して連動部材111および解除作動部材11
2が駆動源66と載置板46とを連結させる一方、蓋体
50が開かれるとその開作動に連動して連動部材111
および解除作動部材112が駆動源66と載置板46と
の連結を解除させるというように、蓋体50の開閉作動
で載置板46と駆動源66との連結を切り換えるため、
切り換えのための駆動源等が不要となり、コスト増を防
止することができる。さらには、駆動連結制御手段11
3と退避制御手段115とで連動部材111を兼用して
いるため、部品点数を少なくすることができる。したが
って、コスト増および大型化を防止することができる。
加えて、プッシュアングル101に板バネ105を設
け、該板バネ105を介して押さえ部材47を揺動させ
るため、プッシュアングル101の移動量の設定誤差等
を板バネ105の変形で吸収することができる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載の紙幣処理機によれば、紙幣を収納させるため蓋体
が入金庫の一側面を閉じている状態においては、退避制
御手段が押さえ部材を下方側に揺動した状態として、導
入される紙幣の上面を案内するとともに導入される紙幣
を支持板の方向に押圧して、該紙幣を入金庫内で整然と
揃えつつ集積させる。一方、紙幣を取り出すため蓋体が
入金庫の一側面を開いている状態においては、退避制御
手段が押さえ部材を上方に揺動した退避状態とするた
め、入金庫から紙幣を取り出す際に押さえ部材が邪魔に
なったり、紙幣の取り出しの際に押さえ部材と紙幣との
間に引っ掛かりを生じたりすることがない。したがっ
て、紙幣を入金庫内で整然と揃えつつ集積させる押さえ
部材を設ける上で、入金庫からの紙幣の取り出しが容易
にできるとともに紙幣の取り出しの際の押さえ部材や紙
幣の破損の発生を防止することができる。
【0051】本発明の請求項2記載の紙幣処理機によれ
ば、紙幣を収納させるため蓋体が入金庫の一側面を閉じ
ると、この蓋体の閉作動に連動して退避制御手段の退避
連動部材および退避作動部材が押さえ部材を下方に揺動
した状態とする一方、紙幣を取り出すため蓋体が入金庫
の一側面を開くと、この蓋体の開作動に連動して退避制
御手段の退避連動部材および退避作動部材が押さえ部材
を上方に揺動した退避状態とする。したがって、蓋体の
開閉作動で押さえ部材の状態を切り換えるため、切り換
えのための駆動源等が不要となり、コスト増を防止する
ことができる。
【0052】本発明の請求項3記載の紙幣処理機によれ
ば、紙幣を収納させるため蓋体が入金庫の一側面を閉じ
ている状態においては、駆動連結制御手段が駆動手段と
支持板とを連結させる。この状態においては、駆動手段
と支持板とが連結されているため、駆動手段の駆動力で
支持板が移動されその支持位置が調整等されることにな
る。一方、紙幣を取り出すため蓋体が入金庫の一側面を
開いている状態においては、駆動連結制御手段が駆動手
段と支持板との連結を解除させる。この状態において
は、駆動手段と支持板との連結が解除されているため、
支持板が駆動手段に対し自由な状態となる。よって、操
作者は、支持板を移動させるために駆動手段をも駆動可
能な力で移動させる必要がなくなり、よって、自由にし
かも軽い負荷で容易に移動させることができることにな
る。したがって、入金庫から収納した紙幣を人手で容易
に取り出すことができる。
【0053】本発明の請求項4記載の紙幣処理機によれ
ば、紙幣を収納させるため蓋体が入金庫の一側面を閉じ
ると、この蓋体の閉作動に連動して駆動連結制御手段の
駆動連動部材および解除作動部材が駆動手段と支持板と
を連結させる一方、紙幣を取り出すため蓋体が入金庫の
一側面を開くと、この蓋体の開作動に連動して駆動連結
制御手段の駆動連動部材および解除作動部材が駆動手段
と支持板との連結を解除させる。したがって、蓋体の開
閉作動で支持板と駆動手段との連結を切り換えるため、
切り換えのための駆動源等が不要となり、コスト増を防
止することができる。
【0054】本発明の請求項5記載の紙幣処理機によれ
ば、退避連動部材と駆動連動部材が兼用できるため、部
品点数を少なくすることができる。したがって、コスト
増および大型化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一の実施の形態による紙幣処理機の
全体構成を示す側断面図である。
【図2】 本発明の一の実施の形態による紙幣処理機の
入金庫の蓋体閉時の状態を示す側断面図である。
【図3】 本発明の一の実施の形態による紙幣処理機の
入金庫の蓋体開時の状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
43 入金庫 46 載置板(支持板) 47 押さえ部材 50 蓋体 66 駆動源(駆動手段) 111 連動部材(退避連動部材,駆動連動部材) 112 解除作動部材 113 駆動連結制御手段 114 退避作動部材 115 退避制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−132349(JP,A) 特開 平5−58474(JP,A) 特開 平3−267221(JP,A) 特開 昭62−60758(JP,A) 特開 平3−71294(JP,A) 実開 平4−82771(JP,U) 実開 昭61−151950(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 1/26 B65H 1/14 G07D 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投入された紙幣を一枚ずつ分離搬送して
    鑑別するとともに、真の紙幣と鑑別されたものを一時貯
    留し、該一時貯留された紙幣を、収納時に再度一枚ずつ
    分離搬送して入金庫に順次集積させながら収納する紙幣
    処理機において、 前記入金庫が、 紙幣を支持するとともに、紙幣の集積方向に移動自在に
    設けられた支持板と、 該支持板を、最上面の紙幣が一定位置にあるように紙幣
    の集積方向に移動させる駆動手段と、 前記支持板の上方に上下に揺動自在に設けられるととも
    に、下方側に揺動した状態において、導入される紙幣の
    上面を案内するとともに導入される紙幣を前記支持板の
    方向に押圧する押さえ部材と、 この入金庫の一側面を開閉可能な蓋体と、 該蓋体が前記一側面を閉じている状態においては、前記
    押さえ部材を下方側に揺動した状態とし、前記蓋体が前
    記一側面を開いている状態においては、前記押さえ部材
    を上方に揺動した退避状態とする退避制御手段と、を具
    備してなることを特徴とする紙幣処理機。
  2. 【請求項2】 前記退避制御手段は、 前記蓋体の開閉に連動する退避連動部材と、 前記蓋体の閉時の前記退避連動部材の作動に連動して前
    記押さえ部材を下方に揺動した状態とする一方、前記蓋
    体の開時の前記退避連動部材の作動に連動して前記押さ
    え部材を上方に揺動した退避状態とする退避作動部材
    と、を具備することを特徴とする請求項1記載の紙幣処
    理機。
  3. 【請求項3】 前記蓋体が前記一側面を閉じている状態
    においては、前記支持板と前記駆動手段とを連結させ、
    前記蓋体が前記一側面を開いている状態においては、前
    記支持板と前記駆動手段との連結を解除させる駆動連結
    制御手段を具備することを特徴とする請求項1または2
    記載の紙幣処理機。
  4. 【請求項4】 前記駆動連結制御手段は、 前記蓋体の開閉に連動する駆動連動部材と、 前記蓋体の閉時の前記駆動連動部材の作動に連動して前
    記支持板と前記駆動手段とを連結させる一方、前記蓋体
    の開時の前記駆動連動部材の作動に連動して前記支持板
    と前記駆動手段との連結を解除させる解除作動部材と、
    を具備することを特徴とする請求項3記載の紙幣処理
    機。
  5. 【請求項5】 前記退避連動部材と前記駆動連動部材と
    が兼用されていることを特徴とする請求項4記載の紙幣
    処理機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101019409B1 (ko) * 2006-02-10 2011-03-07 노틸러스효성 주식회사 지폐류 자동수납처리기의 지폐가압장치

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KR101019409B1 (ko) * 2006-02-10 2011-03-07 노틸러스효성 주식회사 지폐류 자동수납처리기의 지폐가압장치

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