JP3411452B2 - クロメ−ト処理液 - Google Patents

クロメ−ト処理液

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、六価Crの溶出がほと
んどないクロメート皮膜を形成できるクロメート処理液
に関する。
【0002】
【従来技術及び問題点】亜鉛,亜鉛合金,アルミニウ
ム,アルミニウム合金,銅等のめっき鋼板やアルミニウ
ム板にクロメート皮膜を形成する化成処理は、塗布型ク
ロメート処理が主流になっている。塗布型クロメート処
理では、クロム酸,クロム酸塩,重クロム酸塩等の水溶
性クロム化合物の水溶液に水溶性又は水分散性有機樹脂
を添加することによりクロメート処理液を調製し、クロ
メート処理液を塗布した被処理材を水洗することなく乾
燥している。クロメート処理液に含まれるCrが全て六
価Crであると、生成したクロメート皮膜からクロムが
溶出し易く、吸湿性になる。六価Crの一部を還元剤で
不溶性の3価クロムに還元すると、六価Crの溶出が抑
えられ、クロメート皮膜が安定化し耐食性,耐湿性が向
上する。
【0003】還元剤としては、澱粉,ポリビニルアルコ
ール,ホルマリン等の有機化合物や過酸化水素等の無機
化合物が従来から使用されている。従来の還元剤でCr
6+→Cr3+の還元率を50%より大きくすると、還元率
の上昇に伴ってpHが上昇し、三価Crが水酸化クロム
等に変化する。その結果、処理液のゲル化や沈降が進
み、被処理材に処理液を塗布しがたくなる。処理液のゲ
ル化や沈降を回避するため、Cr6+→Cr3+の還元率に
50%以下の制約が加わる。しかし、50%程度の還元
率では、クロメート皮膜からのCr6+溶出,黄色のシミ
発生,取扱い者に対する悪影響等が解消されない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、還元剤に酒石
酸を使用することにより、Cr6+→Cr3+の還元率を5
0%より大きくしても、ゲル化や沈降のない安定したク
ロメート処理液を提供することを目的とする。
【0005】本発明のクロメート処理液は、その目的を
達成するため、全Cr量1〜20g/lの水溶性クロム
化合物,20〜500g/lの水溶性又は水分散性有機
樹脂,酒石酸を含み、Cr6+/全Crの比が0.1以下
となるまで六価Crが三価Crに酒石酸で還元されてい
ることを特徴とする。クロメート処理液は、更にP/全
Cr=0.1〜4.0の比率でリン酸又はリン酸化合物及
び/又は融点100℃以上の高分子樹脂粉末を含むこと
ができる。
【0006】
【作用】本発明者等は、Cr6+→Cr3+の還元率を50
%以上にしてもクロメート処理液がゲル化しない還元剤
について、種々調査・検討した。その結果、オキシカル
ボン酸化合物の中でも酒石酸を還元剤に使用すると、六
価Crの全量を三価Crに還元した場合にあってもゲル
化や沈降が生じることなく処理液が安定していることを
見いだした。酒石酸の添加量は、Cr6+→Cr3+の還元
率Cr6+/全Cr比0.1以下となるように定められ
る。
【0007】酒石酸の使用により処理液がゲル化しない
理由は明確ではないが、水酸基が六価Crを三価Crに
還元し、カルボキシル基が三価Crの化合物に配位して
ゲル化を防止する酒石酸の作用に起因するものと推察さ
れる。水酸基が六価Crを三価Crに還元し、カルボキ
シル基が三価Crの化合物に配位する作用は、マロン
酸,クエン酸,乳酸,グルコール酸,グリセリン酸,ト
ロパ酸,ベンジル酸,ヒドロキシ吉草酸等のオキシカル
ボン酸化合物でもみられるが、Cr6+→Cr3+の還元率
向上及びゲル化防止の上では酒石酸が好適である。
【0008】クロメート処理液に添加される水溶性Cr
化合物の濃度は、全Cr量が1〜20g/lの範囲に収
まるように定められる。全Cr量が1g/l未満では生
成したクロメート皮膜の耐食性が不足し、逆に20g/
lを超える全Cr量ではクロメート処理液がゲル化しや
すくなる。Cr6+→Cr3+の還元をCr6+/全Cr比で
0.1以下にすると、六価Crの溶出がほぼ完全に防止
され、クロメート皮膜が無色になる。
【0009】クロメート処理液には、水溶性Cr化合
物,酒石酸の他に水溶性又は水分散性有機樹脂も配合さ
れる。有機樹脂は、均一な皮膜を形成するために必要な
成分であり、20g/l以上の配合量で添加効果がみら
れる。しかし、500g/lを超える過剰量の有機樹脂
を配合すると、クロメート処理液の粘度が高くなりす
ぎ、被処理材への塗布が困難になる。クロメート処理液
は、必要に応じてリン酸又はリン酸化合物を含む。リン
酸又はリン酸化合物は、Cr6+→Cr3+の還元反応を促
進させる作用を呈し、図1に示すようにCr6+→Cr3+
の還元に必要な酒石酸の添加量を節減できる。リン酸化
合物には、水に溶けやすいリン酸二水素アンモニウム等
の化合物が好ましい。P/全Cr比が0.1以上となる
割合でリン酸又はリン酸化合物を添加すると、クロメー
ト皮膜が難溶化し耐食性が向上する。しかし、過剰添加
によってP/全Cr比が4.0を超えると、クロメート
処理液が不安定化する。
【0010】更に、融点100℃以上の高分子樹脂粉末
をクロメート処理液に添加しても良い。高分子樹脂粉末
は、生成したクロメート皮膜に取り込まれ、プレス加工
等の際に潤滑剤として働く。使用可能な高分子樹脂粉末
には、ポリエチレン,ポリプロピレン,フッ素樹脂等が
挙げられる。クロメート処理液は、従来の塗布型クロメ
ート処理の場合と同様にロールコート法,エアーカーテ
ン法,静電霧化法,スクイズロールコート法等で被処理
材に塗布される。クロメート処理液が塗布された被処理
材を水洗することなく乾燥すると、耐食性に優れたクロ
メート皮膜が被処理材の表面に形成される。
【0011】
【実施例1】クロム酸アンモニウム水溶液に酒石酸を添
加し、六価Crの一部を三価Crに還元した。次いで、
メチルメタクリレート/エチルアクリレート共重合体の
アクリルエマルジョンを添加し、更にノニオン系乳化
剤,シリコーン変性ポリエーテル系消泡剤を添加するこ
とによりクロメート処理液を調製した。得られたクロメ
ート処理液を温度40℃に保持し、ロールコータにセッ
トした。ロールコータを24時間稼動させた後、クロメ
ート処理液を観察して安定性を調査した。24時間後に
もゲルや沈殿が生じなかったクロメート処理液を○,ゲ
ル化や沈殿が検出されたクロメート処理液を×として安
定性を評価した。
【0012】クロメート処理液を電気亜鉛めっき鋼板に
ロールコーターで塗布し、水洗することなく到達板温1
50℃で乾燥した。クロメート処理によって電気亜鉛め
っき鋼板の表面に形成されたクロメート皮膜の付着量,
皮膜重量を測定した。調査結果を、クロメート処理液の
組成と共に表1に示す。
【0013】
【0014】安定なクロメート処理液から形成されたク
ロメート皮膜で被覆された電気亜鉛めっき鋼板から試験
片を切り出し、Cr溶出試験,未加工部腐食試験,加工
部腐食試験,潤滑試験に供した。Cr溶出試験では、9
0℃の熱水に試験片を3分浸漬し、試験片から熱水に溶
出した六価Crを定量した。六価Crの溶出量が1mg
/m2未満を○,1〜5mg/m2を△,5mg/m2
上を×として耐溶出性を評価した。
【0015】未加工部腐食試験では、JIS Z2371に規定
する塩水噴霧を100時間継続した後、試験片の表面を
観察して白錆の発生状況を調査した。白錆の面積占有率
が5%未満を◎,5〜10%を○,10〜30%未満を
△,30%以上を×として未加工部の耐食性を評価し
た。加工部腐食試験では、加圧力200kgf,引抜き
速度500mm/分でドロービード(摺動変形)した試
験片にJIS Z2371に規定する塩水噴霧を100時間継続
した後、試験片の表面を観察して赤錆の発生状況を調査
した。赤錆が発生しなかった試験片を◎,赤錆の面積占
有率が10%未満を○,10〜30%を△,30%を超
える赤錆が発生した試験片を×として加工部の耐食性を
評価した。
【0016】潤滑試験では、SUS304ステンレス鋼板BA
仕上げ材の表面に対する動摩擦係数を荷重200gf,
移動速度60m/分の条件で測定し、動摩擦係数の測定
値でクロメート処理鋼板の潤滑性を調査した。動摩擦係
数が0.15未満を◎,0.15〜0.25を○,0.25
〜0.35を△,0.35以上を×として潤滑性を評価し
た。調査結果を表2に示す。
【0017】
【0018】
【実施例2】クロム酸アンモニウム水溶液に代えてクロ
ム酸二ナトリウム水溶液を使用する以外は実施例1と同
様に、酒石酸を還元剤とするクロメート処理液を調製し
た。更に、リン酸,ポリエチレン樹脂粉末(融点125
℃)を添加し、表3の組成に調整した。得られたクロメ
ート処理液を用いて実施例1と同様の性能試験をした結
果を表4に示す。
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、Cr6+→Cr3+
の還元反応に酒石酸を使用すると、六価Crから三価C
rへの還元率を50%以上にしてもゲル化や沈殿が生じ
ることなく、Cr6+/全Cr比が0.1以下で安定性に
優れたクロメート処理液が得られる。このクロメート処
理液から形成されるクロメート皮膜は、Cr6+の溶出が
抑制され、無色で優れた耐食性を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クロメート処理液中のCr6+→Cr3+の還元
に必要な酒石酸添加量に及ぼすリン酸の影響を表したグ
ラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−158062(JP,A) 特開 平1−316465(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全Cr量1〜20g/lの水溶性クロム
    化合物,20〜500g/lの水溶性又は水分散性有機
    樹脂,酒石酸を含み、Cr6+/全Crの比が0.1以下
    となるまで六価Crが三価Crに酒石酸で還元されてい
    ることを特徴とするクロメート処理液。
  2. 【請求項2】 更にP/全Cr=0.1〜4.0の比率で
    リン酸又はリン酸化合物を含む請求項1記載のクロメー
    ト処理液。
  3. 【請求項3】 更に融点100℃以上の高分子樹脂粉末
    を含む請求項1又は2記載のクロメート処理液。
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